JPH05252960A - 変異型エラスターゼ遺伝子 - Google Patents

変異型エラスターゼ遺伝子

Info

Publication number
JPH05252960A
JPH05252960A JP5345992A JP5345992A JPH05252960A JP H05252960 A JPH05252960 A JP H05252960A JP 5345992 A JP5345992 A JP 5345992A JP 5345992 A JP5345992 A JP 5345992A JP H05252960 A JPH05252960 A JP H05252960A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastase
gene
atg
enzyme
mutant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5345992A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiketsu Sai
英傑 蔡
Masakari Yamazaki
眞狩 山崎
Hiroshi Takagi
博史 高木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Priority to JP5345992A priority Critical patent/JPH05252960A/ja
Publication of JPH05252960A publication Critical patent/JPH05252960A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 エラスタ−ゼ遺伝子の蛋白質への翻訳効率を
向上させて、本酵素の生産量を向上させることが目的で
ある。 【構成】 天然のエラスタ−ゼ遺伝子の翻訳開始コドン
TTGを部位特異的変異法によりATG又はGTGに置
換することにより翻訳効率を飛躍的に向上させることが
できる。これにより、目的とするエラスターゼが大量に
生産することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鳥獣肉の肉質改良剤とし
て有用なアルカリ性バチルス属細菌由来のアルカリ性エ
ラスターゼをコードするDNA遺伝子、該遺伝子を組み
込んだプラスミド、該プラスミドが導入された形質転換
体、及び該形質転換体を培養することを特徴とするエラ
スターゼの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】牛、豚、鶏などの食肉中には、腿、すね
などのように結合組織(スジ)が多く、硬くて食べにく
い部位が大量に存在する。肉の硬さは筋細胞内の筋原線
維蛋白質の構造とエラスチン、コラーゲンなどの硬質蛋
白質による筋細胞外の構造が関与している。前者の構造
は熟成によって変化を受けるが、筋細胞外の構造は内在
するエンドペプチダーゼの作用を受けず、熟成によって
もほとんど変化を受けない。従って、従来から機械的な
破壊の他に、パパイン、ブロメライン、フィシンなど植
物由来の蛋白質分解酵素(プロテアーゼ)を外部から加
えて肉の軟化を行っていた(Prusa,K.J.et al., J.Food
Sci., 46, 1684-1686(1981))。
【0003】しかしながら、これらの酵素は通常のプロ
テアーゼであり基質特異性が低いために、スジだけでな
く肉の食感に関与している筋原線維蛋白質も過剰に分解
するため、軟らかくはなるが肉の組織が脆くなり、べた
つき感が生じて食感が損なわれてしまうという欠点があ
る。従って、スジを特異的に分解するプロテアーゼの提
供が待ち望まれていた。
【0004】山崎らは酵素分解を受けにくいエラスチン
を良く分解するプロテアーゼの一種であるエラスターゼ
をアルカリ性バチルス属細菌(alkalophilic Bacillus
sp.)Ya-B株(AJ 12619, FERM P-12261)の培養濾液よ
り見いだした(Tsai,Y.C.etal., Biochem.Int., 7, 577
-583(1983))。本酵素はこれまでに知られているエラス
ターゼや他のプロテアーゼに比べて非常に強いエラスチ
ン分解力を有し、コラーゲンも分解する。また、従来か
ら食肉軟化剤に用いられてきたパパインなどの植物由来
のプロテアーゼに比べて筋原線維蛋白質の過剰分解をほ
とんど起こさない。従って、本酵素は肉特有の食感を維
持しながら結合組織の主成分であるエラスチンやコラー
ゲンなどの硬質蛋白質を特異的に分解して肉を軟化させ
る食肉軟化剤として従来の植物由来の酵素よりも効果的
であると考えられ、その利用も検討されている(特開平
3−224465)。
【0005】また、本酵素はその酵素的性質が解析され
ており(Tsai,Y.C.et al., Biochim.Biophys.Acta., 88
3, 439-447(1986))、遺伝子のクローニングや塩基配列
の決定も行われている(Kaneko,R.et al., J.Bacterio
l., 171, 5232-5236(1989))。本酵素のDNA塩基配列
から推定されるアミノ酸配列は枯草菌由来のアルカリ性
セリンプロテアーゼ、サチライシンと約50%の相同性
があり、特に活性中心の近傍は良く保存されている。し
たがって基質特異性をはじめ、両酵素の構造と機能の解
析は極めて興味深い。しかしながら、本酵素遺伝子の発
現量は極めて少なく、工業的に利用する為には生産量の
増大が不可欠である。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】従って本発明が解決
しようとする課題は、本酵素遺伝子の蛋白質への翻訳効
率を向上させて、本酵素の生産量を増加する方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】生体内での蛋白合成の開
始を指定するmRNA上の遺伝暗号は通常はAUGであ
るが、GUGやUUGも開始の暗号として働くことがあ
る。これらのコドンを開始tRNAが認識してホルミル
メチオニンとして読み、蛋白のN末端を形成する。開始
コドンを研究したところ、バチルス属細菌においては、
プロテアーゼの遺伝子の開始コドンはそのほとんどがG
TGで、アミラーゼの遺伝子ではそのほとんどがATG
である(Marno,B.et al., Bac illus subtilis:Molecula
r biologyand industrial application, pp.174(198
9))。さて、本酵素遺伝子の開始コドンは通常の蛋白質
に見られるATGやGTGではなく、あまり知られてい
ないTTGであった。
【0008】そこで、本発明者らは上記課題である本酵
素の翻訳効率の低さは開始コドンの種類が問題ではない
かと推定し、開始コドンを変えることにより本問題を解
決すべく鋭意研究を行ったところ、本遺伝子の開始コド
ンTTGを部位特異変異法を用いてATGやGTGに置
換することにより、もとの遺伝子に比べて翻訳効率が大
幅に向上し、その結果、本酵素の分泌生産量を3〜12
倍に向上させることに成功し、本発明を完成するに至ら
しめた。即ち、本発明は野生型のエラスターゼ遺伝子の
開始コドンを1塩基置換し他の開始コドンに変換した変
異型エラスターゼ遺伝子、該遺伝子を組み込んだプラス
ミド、該プラスミドが導入された形質転換体、及び該形
質転換体を培養することにより目的とするエラスターゼ
を生産させ、該エラスターゼを取得することを特徴とす
るエラスタ−ゼの製造方法である。以下に本発明の内容
について詳細に説明する。
【0009】本発明に於て天然のエラスタ−ゼ遺伝子の
開始コドンTTGを他のATG又はGTGに変える為に
部位特異変異法(Sayers, J.R. et al, Nucleic Acids
Res.,Vol 16, 803-814,(1988))を用いた。本発明で用
いた部位特異変異法を簡単に説明すると、まず変異原と
して、変異目的部位に塩基置換を有するオリゴヌクレオ
チドを合成する。具体的にはエラスタ−ゼ遺伝子の開始
コドンTTGをATG又はGTG、好ましくはATGに
置換した配列を含むオリゴヌクレオチドを合成する。ま
た変異のための鋳型としては、アルカリ性バチルス属細
菌(alkalophilic Bacillus sp.)Ya-B株(AJ 12619, F
ERM P-12261)より常法によりクローン化した野生型エ
ラスターゼの遺伝子を部位特異変異用のプラスミドベク
ターに組み込んだものを使用する。今回行った部位特異
変異は、市販の部位特異変異導入キット(宝酒造、アマ
シャム・ジャパン社製など)を用いることにより簡便に
高効率で変異を導入することができるものを用いた。目
的の変異が導入されているかどうかを制限酵素による切
断パターンやDNA塩基配列を決定することによって確
認する。その後、変異させたエラスターゼ遺伝子を含む
DNA断片を制限酵素を用いて切り出し、所望の発現系
に対応する公知の発現用ベクターに通常の方法に従って
組み込めば良い。
【0010】本発明の発現分泌ベクターの調製に用いる
ことのできる公知のベクターとしては、例えば枯草菌を
宿主とする場合には既に市販されているプラスミドpHY3
00PLK(宝酒造(株)製)、pUB 110(Genetic Stock Ce
nter, U.S.A.)等を用いれば良い。また、大腸菌を宿主
として用いる場合は、市販されているプラスミドpTrc99
A, pPL-Lamda(ファルマシア社製)等を用いれば良い。
【0011】次に、該変異型エラスターゼ遺伝子を組み
込んだ分泌発現ベクタ−を種々の細胞に形質転換して形
質転換体を調製する。該形質転換体となり得る細胞に
は、枯草菌、大腸菌、放線菌などの原核細胞、ならびに
酵母、カビなどの真核細胞が挙げられる。いずれの細胞
を用いても良いが、好ましくは宿主として枯草菌を用い
るのが好ましい。形質転換の方法は通常用いられるカル
シウムクロライド法(Cohen,S.N. e t al Proc. Natl.
Acad. Sci. USA Vol 69, 2110 (1972))、マグネシウム
クロライド法(Hanahan,D.,J.Mol.Biol.,Vol 166, 557,
(1983))、ルビジウムクロライド法(Kushner,S.R.,In
Genetic Engineering (ed. H.B. Boyer etal) p17, Els
evier)、プロトプラスト法(Chang,S. et al, Moloe.
gen.Genet.,Vol 168,(1979))等のなかから適宜選択し
て行えば良い。尚、枯草菌を宿主とする場合はプロトプ
ラスト法を用いるのが通常である。枯草菌の一具体例と
してはDB104株(nprE18 nprR2ap rE3 his-101)があ
る。
【0012】最後に上記の形質転換体を培養することに
より、本エラスターゼを製造する。培養条件は形質転換
体の種類に応じて適宜選択されるものである。また必要
に応じて遺伝子発現を誘導する物質を培地に添加するこ
ともできる。例えば、枯草菌を培養して、目的とするエ
ラスタ−ゼを生産させる場合は通常以下の条件で行えば
良い。培地としては何を用いても良いが、通常テトラサ
イクリン 50μg/mlを含む2XSG培地(詳細は実
施例参照)を用いれば良い。培養条件は通常25−40
℃、好ましくは30−37℃、更に好ましくは35−3
7℃で、5−200時間、好ましくは50−150時
間、更に好ましくは80−120時間培養すれば良い。
培養方法は静置培養、振とう培養の何れでも良いが、好
ましくは振とう培養で行う方が良い。さて、発現された
該酵素蛋白質は、培養上清や宿主細胞のペリプラズムや
細胞質中から従来公知の方法で単離、精製することが可
能である。
【0013】本発明に於いては変異エラスターゼ遺伝子
をプラスミドベクタ−pHY300PLKに組み込んだ発現分泌
ベクターの一具体例であるpEX301-ATG, pEX301-GTG を
含む枯草菌DB104株を培養したところ、培養二日後に酵
素活性値が最大になり、GTGへの置換により野生型の
3倍、ATGへの置換により野生型の12倍もの活性の
増加が認められた。
【0014】なお、本酵素の生産は以下の実施例で記載
される方法に限定されるわけではなく、大腸菌や酵母な
どを宿主とする組換えDNA法によっても、また変異し
た遺伝子を染色体に相同組換えを利用して野生型遺伝子
と入れ換えてやることも可能であり、いずれの方法を用
いて生産させた酵素も同程度の効果が期待できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
尚、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0016】(実施例1 変異型エラスタ−ゼ遺伝子の
調製)野生型エラスターゼ遺伝子は、既にアルカリ性バ
チルス属細菌(alkalophilicBacillus sp.)Ya-B株(AJ
12619, FERM P-12261)の染色体DNAから本酵素のN
末端のアミノ酸配列をもとに合成したオリゴヌクレオチ
ドをプローブにクローニングされており、その塩基配列
も決定されている(Tsai,Y.C.et al., J.Bacteriol., 1
71, 5232-5236)。その結果、本エラスターゼは268アミ
ノ酸残基からなる単一ポリペプチドで、成熟蛋白質のN
末端側に27アミノ酸残基からなるシグナルペプチド(プ
レ配列)と83アミノ産残基からなるプロ領域(プロ配
列)が存在することが知られている。以下の配列表配列
番号1にシグナルペプチドとプロ領域の塩基配列とアミ
ノ酸配列を示す。即ち、プレ領域は配列表の配列番号1
の(−110)番目のMetから(−84)番目のAl
aであり、プロ領域は(−83)番目のAlaから(−
1)番目のMetまであります。
【0017】この構造は微生物由来のアルカリ性セリン
プロテアーゼに特徴的に見られ、プロテアーゼはまずプ
レプロプロテアーゼとして合成され、プロプロテアーゼ
がシグナルペプチドにより細胞質膜を通過し分泌される
と考えられている。続いて自己触媒的に、あるいは予め
存在するプロテアーゼにより切断されて成熟プロテアー
ゼに変換され培地中に遊離するというメカニズムが提唱
されている(Power,S.D.et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA, 83, 3096-3100)。
【0018】しかしながら、本エラスターゼ遺伝子の翻
訳開始コドンは通常見られるATG及びGTGではな
く、TTGであるため mRNAからの翻訳効率が著しく悪
く、その結果、酵素の分泌生産量も低いことが予想され
る。そこで翻訳効率の向上をめざし、エラスターゼ遺伝
子の開始コドンを部位特異変異法によりGTG及びAT
Gに置換した変異型エラスターゼ遺伝子を構築し、エラ
スターゼ生産量への影響を調べた。クローン化した野生
型エラスターゼ遺伝子を組み込んだプラスミドpEX301か
ら制限酵素 SalIと EcoRIを用いてエラスターゼ遺伝子
を切り出し、T4リガ−ゼ(宝酒造(株)製)を用いて
Promega社の部位特異変異導入用ベクター pSELECTTM-1
SalIとEcoRI切断部位に組み込んだ。
【0019】その後、同社の部位特異変異導入キット A
ltered SitesTMを用いて部位特異変異を導入し、野生型
エラスターゼ遺伝子の開始コドンTTGをGTG及びA
TGに置換した。変異に用いた合成オリゴヌクレオチド
の配列を図1に示した。なお、図1中の・印は野生型の
エラスターゼ遺伝子を塩基置換した箇所を示す。こうし
て構築した変異型エラスターゼ遺伝子を組み込んだプラ
スミドを含む大腸菌からプラスミドDNAを調製し、新
たにできた制限酵素切断部位(ATGへの置換は N de
I、GTGへの置換は ClaI)の確認、さらにはDNAの
塩基配列を決定することにより、目的の変異が導入され
ていることを確認した。
【0020】(実施例2 変異型エラスタ−ゼ遺伝子に
よるエラスタ−ゼの生産)上記変異型エラスターゼ遺伝
子を組み込んだプラスミド pEX301-ATG(TTGを開始
コドンATGに置換した変異型エラスタ−ゼ遺伝子を有
するプラスミド)及びプラスミドpEX301-GTG(TTGを
開始コドンGTGに置換した変異型エラスタ−ゼ遺伝子
を有するプラスミド)を宿主である枯草菌 DB104株にそ
れぞれ別々に形質転換した。プラスミド pEX301-ATGを
有する枯草菌 DB104株(AJ 12675, FERM P-12860)及び
プラスミドpEX301-GTGを有する枯草菌 DB104株をそれぞ
れ、テトラサイクリン50μg/mlを含む2XSG培
地(グルコース 0.1%、ニュートリエントブロス(Difc
o) 1.6%、硫酸マグネシウム 0.05%、塩化カリウム 0.
2%、硝酸カリウム 1mM、塩化マンガン 0.1mM、硫酸鉄
0.001mM)1リットルで37℃、振盪培養を行い、経時的
に培養上清液をサンプリングした。以下に述べるように
カゼインを基質とした酵素活性測定法を用いてその活性
を測定した。なお対照として野生型エラスターゼ遺伝子
(開始コドンがTTG)を組み込んだプラスミド pEX30
1を保有する枯草菌 DB104株とプラスミドを保有しない
DB104株を用いた。
【0021】酵素活性の測定は Tsaiらの方法(Bioche
m.Int., 7, 577-583)に従った。1%カゼインを含む10
0mM NaHCO3-Na2CO3 緩衝液(pH10.5)500μlに経時的に
サンプリングした培養上清液 200μlを加えて37℃で1
時間振盪させながら反応させた。 反応は0.7mlのTC
A溶液(0.11Mトリクロロ酢酸、0.22M酢酸ナトリウム、
0.33M酢酸)を加えて停止した。蛋白質変性剤のTCA
溶液を加えるために、残存する基質蛋白質、および酵素
は沈澱する。37℃で30分静置後、遠心分離により沈澱を
除去し上清を得た。上清には酵素の作用で遊離してくる
アミノ酸、およびペプチドが含有されている。この上清
の吸光度を175nmで測定した。その結果を図2に示
した。
【0022】図2に示されているように酵素活性は培養
48時間後に最高値に達し、その時の活性値の相対比較で
は野生型(開始コドンTTG、図2中に於いては黒丸で
示される)に比べて、変異型遺伝子GTGの場合(図2
に於いて黒三角で示される)に3倍、ATGの場合(図
2に於いては黒四角で示される)に12倍に増加してい
た。なおエラスターゼ遺伝子を含まない宿主 DB104株
(図2に於いては白丸で示される)では活性はほとんど
検出されなかった。この結果から本エラスターゼ遺伝子
の開始コドンTTGを通常使用されているATGやGT
Gに置換することにより翻訳効率が著しく改善され、蛋
白質の分泌生産量も著しく増加したことが示された。と
りわけATGに置換した場合の効果は特筆すべきものが
あった。
【0023】なおカゼインの代わりにエラスチンを基質
にした場合でも同様の結果が得られた。エラスチンの分
解活性を測定する方法としては多くの方法が考案されて
いるが、ここでは elastin-orceinを基質とした比色法
(Sachar,L.A.et al., Proc.Soc.Exp.Biol.Med., 90, 3
23-326)を用いた。
【0024】
【発明の効果】以上示したように、本発明によりアルカ
リ性バチルス属細菌が生産するアルカリ性エラスターゼ
の分泌生産量を従来の野生型エラスターゼ遺伝子を用い
た製造方法に比べて著しく増加させることが可能であ
る。
【配列表】 配列番号:1 配列の長さ:452 配列の型:核酸 鎖の数:2本鎖 トポロジ−:直鎖状 起源 生物名:アルカリ性バチルス属細菌 株名:Ya−B(FERM P-12261) 配列の特徴 特徴を表す記号:sig peptide 存在位置:123−203 配列を決定した方法:E CTATTAATTT ACGTATATTT CCCAATAGCT AAAAAGGTTT CCCAATACCA AAAGAGTTAA 60 AATTTTGTTA ATTTTAGATT ACCAGCTGCG CAGGTTGGAA CATTTTGAGG AGGTATAACG 120 AA TTG AAT AAG AAA ATG GGG AAA ATT GTT GCC GGA ACA GCA CTA ATT 167 Met Asn Lys Lys Met Gly Lys Ile Val Ala Gly Thr Ala Leu Ile -110 -105 -100 ATA TCA GTA GCA TTT AGT TCA TCG ATC GCA CAA GCA GCC GAG GAA GCA 215 Ile Ser Val Ala Phe Ser Ser Ser Ile Ala Gln Ala Ala Glu Glu Ala -95 -90 -85 -80 AAG GAA AAA TAC CTC ATT GGC TTT AAA GAA CAA GAA GTT ATG TCT CAA 263 Lys Glu Lys Tyr Leu Ile Gly Phe Lys Glu Gln Glu Val Met Ser Gln -75 -70 -65 TTT GTT GAC CAA ATT GAT GGC GAT GAG TAT TCT ATT TCT TCT CAA GCG 311 Phe Val Asp Gln Ile Asp Gly Asp Glu Tyr Ser Ile Ser Ser Gln Ala -60 -55 -50 GAA GAT GTT GAA ATT GAT CTC CTT CAT GAA TTT GAT TTT ATT CCA GTT 359 Glu Asp Val Glu Ile Asp Leu Leu His Glu Phe Asp Phe Ile Pro Val -45 -40 -35 TTA TCC GTT GAA CTT GAT CCA GAA GAT GTC GAT GCT TTA GAG CTT GAT 407 Leu Ser Val Glu Leu Asp Pro Glu Asp Val Asp Ala Leu Glu Leu Asp -30 -25 -20 CCA GCA ATC GCC TAT ATT GAG GAA GAT GCT GAG GTA ACG ACA ATG 452 Pro Ala Ile Ala Tyr Ile Glu Glu Asp Ala Glu Val Thr Thr Met -15 -10 -5
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は部位特異的変異に用いたオリゴヌクレオ
チド配列を示す。
【図2】図2は変異型エラスタ−ゼ遺伝子を有する枯草
菌が培養時間と酵素活性の相関図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C12N 15/55 C12R 1:125) (C12N 1/21 C12R 1:125) (C12N 9/66 C12R 1:125)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ性バチルス属細菌由来のエラス
    ターゼ遺伝子の開始コドンを野生型とは異なる他のコド
    ンに置換したものである変異型エラスターゼ遺伝子。
  2. 【請求項2】 他のコドンがATG又はGTGである請
    求項1記載の変異型エラスタ−ゼ遺伝子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のエラスターゼ遺伝
    子を組み込んだ発現分泌ベクター。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の発現分泌ベクターにより
    形質転換された形質転換体。
  5. 【請求項5】 形質転換体が枯草菌であることを特徴と
    する請求項4記載の形質転換体。 【請求項5】 請求項4又は5記載の形質転換体を培養
    することにより目的とするエラスターゼを生産させ、該
    エラスタ−ゼを培地中から取得することを特徴とするエ
    ラスターゼの製造方法。
JP5345992A 1992-03-12 1992-03-12 変異型エラスターゼ遺伝子 Pending JPH05252960A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5345992A JPH05252960A (ja) 1992-03-12 1992-03-12 変異型エラスターゼ遺伝子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5345992A JPH05252960A (ja) 1992-03-12 1992-03-12 変異型エラスターゼ遺伝子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05252960A true JPH05252960A (ja) 1993-10-05

Family

ID=12943450

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5345992A Pending JPH05252960A (ja) 1992-03-12 1992-03-12 変異型エラスターゼ遺伝子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05252960A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970004938B1 (ko) 서브틸리신 돌연변이체
US5204015A (en) Subtilisin mutants
RU2136756C1 (ru) Модифицированный субтилизин, днк, кодирующая модифицированный субтилизин, вектор экспрессии, кодирующий днк, и штамм культуры клетки хозяина
JP2000210081A (ja) 耐熱性アルカリセルラ―ゼ遺伝子
JP2001520045A (ja) 複数置換プロテアーゼ変異体
Van den Burg et al. A highly thermostable neutral protease from Bacillus caldolyticus: cloning and expression of the gene in Bacillus subtilis and characterization of the gene product
JPH04166085A (ja) 新規プロテアーゼ
EP0443476B1 (en) Thermostable mutants of neutral protease and means for their preparation
JP3915983B2 (ja) プロテアーゼ、このプロテアーゼをコードするdna、プロテアーゼの製造方法
EP0647710A1 (en) Novel protease
CA2090463A1 (en) Isolation and characterization of a novel protease from streptomyces lividans
JPH05252960A (ja) 変異型エラスターゼ遺伝子
JPH09255A (ja) 変異型サーモリシンyt73及びその遺伝子
JPH0670765A (ja) プロテアーゼ、それをコードする遺伝子、そのプロテアーゼの製造方法および用途
JPH05199873A (ja) 新規プロテア−ゼ
JP2961143B2 (ja) アミノペプチダーゼ遺伝子、該遺伝子を含むプラスミドベクターおよび形質転換体
JPH07250679A (ja) 変異型サーモリシンty140及びその遺伝子
JP2001046075A (ja) 耐塩性グルタミナーゼ遺伝子
JPH0646850A (ja) 新規プロテア−ゼ
US20040253703A1 (en) Novel aminopeptidase derived from bacilius licheniformis, gene encoding the aminopeptidase, expression vector containing the gene, transformant and method for preparation thereof
JPH05199872A (ja) 新規プロテア−ゼ
JPH05146292A (ja) 新規プロテア−ゼ
JPH04258294A (ja) 分泌ベクター、該ベクターで形質転換した微生物及び該微生物から産生される産物の製造法
JPH11318454A (ja) プロリンジペプチダーゼをコードする遺伝子
JPH05244957A (ja) シュードモナス属細菌由来ペプスタチン非感受性酸性プロテアーゼ遺伝子