JPH05146292A - 新規プロテア−ゼ - Google Patents

新規プロテア−ゼ

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JPH05146292A
JPH05146292A JP33798291A JP33798291A JPH05146292A JP H05146292 A JPH05146292 A JP H05146292A JP 33798291 A JP33798291 A JP 33798291A JP 33798291 A JP33798291 A JP 33798291A JP H05146292 A JPH05146292 A JP H05146292A
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JP
Japan
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amino acid
dna
protease
gene
fragment
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Application number
JP33798291A
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English (en)
Inventor
Atsuo Aoyama
淳夫 青山
Takashi Yoneya
隆 米屋
Kenichi Kai
建一 甲斐
Toshio Miyake
俊男 三宅
Shunichi Kidokoro
俊一 城所
Yoichiro Miki
洋一郎 三木
Kimiko Endo
きみ子 遠藤
Akimitsu Wada
昭允 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sagami Chemical Research Institute
Tosoh Corp
Original Assignee
Sagami Chemical Research Institute
Tosoh Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】配列表1のアミノ酸配列を有する耐熱性中性プ
ロテア−ゼにおいて、アミノ酸末端から110番目及び
/又は157番目のチロシン残基が他のアミノ酸残基に
置換された新規なプロテア−ゼ 【効果】本発明における変異体酵素は、基質特異性をよ
り厳密にした改良型サ−モリシン様金属プロテア−ゼで
ある。この基質特異性の上昇は、食品加工工程での苦み
の低減や、酵素の自己分解速度の低減等の効果が期待さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】サ−モリシンは工業的に製造され
ている有用な酵素であり、基質特異性が極めて広く、至
適pHが中性付近であることなどの特徴から、その用途
は皮なめし工業、海産物加工、食品製造、化粧品製造
等、広範な分野にわたっている。本発明は、サーモリシ
ン様金属プロテアーゼの改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】サーモリシンは好熱菌の一種であるバチ
ルス サーモプロテオリチカスBacillus thermoprote
olyticus)の培養上清中に見つけられた金属プロテア−
ゼであり(J. Fermentation Tech.,40,346 (1962) 参
照)、これまで数多くの研究が行われてきた。たとえ
ば、酵素蛋白質の一次構造(Titani K.,et al.,Nature
NewBiol.(1972) 238,35-37)や、三次構造( Holmes, M.
A., Matthews, B.W. J. Mol. Biol.(1982) 160,623-63
9)が明らかにされている。しかし、その遺伝子構造はま
だ報告されていない。ところが最近、バチルス ステア
ロサーモフィラスBacillus stearothermophilus ) よ
り耐熱性中性プロテアーゼの遺伝子(nprM)がクロ
ーン化され(Kubo M. and Imanaka T., J.Gen.Microbio
l. (1988) 134,1883-1892)、その塩基配列から推測され
る成熟酵素のアミノ酸配列(配列表1に記載)が、サー
モリシンと極めて類似していることが明らかになった。
以下、本明細書においてはこのnprM遺伝子に由来す
るプロテアーゼを「サーモリシン様金属プロテアーゼ」
と呼ぶ。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本酵素の基質特異性、
至適pH、物理的安定性等はアミノ酸配列により規定さ
れている。工業用酵素として本酵素の利用範囲を拡大す
るためには、これらの諸性質を利用分野に適するよう改
変しなければならない。一般に蛋白質の高次構造はアミ
ノ酸配列に由来しており、蛋白質の性質を改変するため
にはアミノ酸配列を改変することが一つの解決策であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】この様な課題を解決する
ために、本発明者らはタンパク質工学の手法を用いて、
上記 Bacillus stearothermophilus 由来のサーモリシ
ン様金属プロテアーゼの改変を行い、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、配列表1のアミノ酸配列を有す
る上記サーモリシン様金属プロテアーゼにおいて、アミ
ノ末端から110番目のチロシン残基又は157番目の
チロシン残基の一つか或いは両方を他のアミノ酸に置換
することにより、新規なプロテアーゼを作成した。
【0006】置換するアミノ酸としては種々のものが考
えられるが、たとえば110番目のチロシン残基に対し
てはアルギニン、リジン等に、157番目のチロシン残
基に対してはグルタミン酸等に置換した場合に、優れた
性質の酵素が得られることがわかった。以下、これらの
変異体酵素の作成方法について具体的に説明する。組換えDNA技術によるサーモリシン様金属プロテアー
ゼの生産 npr M遺伝子を枯草菌において発現させる方法が報告
されている(Kubo M.and Imanaka T., J. Bacteriol.(19
89) 171, 4080-4082) 。本報告における、プラスミドp
MK1はnprM遺伝子を含み枯草菌で複製される領域
およびカナマイシン耐性遺伝子を有する。本プラスミド
によって形質転換された枯草菌は培地中に多量のサーモ
リシン様金属プロテアーゼを分泌することが見出だされ
た。この結果からnprM遺伝子は枯草菌においても効
率よく発現されることがわかるが、さらに効率の良いプ
ロモーター等を導入することにより発現量を高めること
は可能であると考えられる。また枯草菌内で複製可能な
他のベクターを用いても同様に本遺伝子を発現させるこ
とができるであろう。nprM遺伝子への変異導入 クローン化DNAへの部位特異的な変異導入方法は種々
の方法が報告されている。我々はVandeyarらの方法(Va
ndeyar M.,etal. Gene (1988) 65, 129.) を用いて、
M13ファージにnprM遺伝子の全体または一部をク
ローン化して得られた一本鎖DNAを鋳型とし、化学合
成したオリゴヌクレオチドを変異プライマーとして、変
異体nprM遺伝子断片を作成した。
【0007】鋳型一本鎖DNAの作成はたとえば次のよ
うにして行うことができる。図1に示したように、プラ
スミドpMK1より制限酵素PstIおよびBamHI
で消化して得られる約3.5kbの断片をプラスミドp
UC9にサブクローン化しpUCTZ55なるプラスミ
ドを作成した。
【0008】さらに図2に示したように110番目に変
異を導入する場合にはpUCTZ55よりBamHI、
SphIで消化して得られる約730bpの断片を、M
13ファージmp19にクローン化し(M13TZBa
−Sp)一本鎖DNAを調製した。
【0009】図3に示したように157番目に変異を導
入する場合にはpUCTZ55よりSphI、Bcl
で消化して得られる約550bpの断片を、M13ファ
ージmp18にクローン化し(M13TZSp−Bc)
一本鎖DNAを調製した。変異プライマーは110番目
のチロシン残基または157番目のチロシン残基のコド
ンを含む鋳型一本鎖DNAと部分的に相補性があれば良
く、例えば次のようなものが考えられる。
【0010】110番目のチロシン残基を他のアミノ酸
に置換する場合の例 アルギニン 5´AGCCAAGGCCGTAATAACGCA 3´ リジン 5´AGCCAAGGCAAAAATAACGCA 3´ ヒスチジン 5´AGCCAAGGCCATAATAACGCA 3´ アスパラギン 5´AGCCAAGGCAATAATAACGCA 3´ アスパラギン酸 5´AGCCAAGGCGATAATAACGCA 3´ バリン 5´AGCCAAGGCGTTAATAACGCA 3´ アラニン 5´AGCCAAGGCGCTAATAACGCA 3´ フェニルアラニン5´AGCCAAGGCTTTAATAACGCA 3´ トリプトファン 5´AGCCAAGGCTGGAATAACGCA 3´ ロイシン 5´AGCCAAGGCCTTAATAACGCA 3´ イソロイシン 5´AGCCAAGGCATTAATAACGCA 3´ メチオニン 5´AGCCAAGGCATGAATAACGCA 3´ トレオニン 5´AGCCAAGGCACTAATAACGCA 3´ セリン 5´AGCCAAGGCAGTAATAACGCA 3´ グルタミン 5´AGCCAAGGCCAAAATAACGCA 3´ グルタミン酸 5´AGCCAAGGCGAAAATAACGCA 3´ グリシン 5´AGCCAAGGCGGGAATAACGCA 3´ システイン 5´AGCCAAGGCTGTAATAACGCA 3´ プロリン 5´AGCCAAGGCCCTAATAACGCA 3´ 157番目チロシン残基を他のアミノ酸に置換する場合
の例 アルギニン 5´GGACTCATTCGTCAAAACGAA 3´ リジン 5´GGACTCATTAAACAAAACGAA 3´ ヒスチジン 5´GGACTCATTCATCAAAACGAA 3´ アスパラギン 5´GGACTCATTAATCAAAACGAA 3´ アスパラギン酸 5´GGACTCATTGATCAAAACGAA 3´ バリン 5´GGACTCATTGTTCAAAACGAA 3´ アラニン 5´GGACTCATTGCTCAAAACGAA 3´ フェニルアラニン5´GGACTCATTTTTCAAAACGAA 3´ トリプトファン 5´GGACTCATTTGGCAAAACGAA 3´ ロイシン 5´GGACTCATTCTTCAAAACGAA 3´ イソロイシン 5´GGACTCATTATTCAAAACGAA 3´ メチオニン 5´GGACTCATTATGCAAAACGAA 3´ トレオニン 5´GGACTCATTACTCAAAACGAA 3´ セリン 5´GGACTCATTAGTCAAAACGAA 3´ グルタミン 5´GGACTCATTCAACAAAACGAA 3´ グルタミン酸 5´GGACTCATTGAACAAAACGAA 3´ グリシン 5´GGACTCATTGGGCAAAACGAA 3´ システイン 5´GGACTCATTTGTCAAAACGAA 3´ プロリン 5´GGACTCATTCCTCAAAACGAA 3´ 110番目及び157番目のチロシン残基を同時に他の
アミノ酸残基で置換する場合は、記述の2グル−プのア
ミノ酸残基のいずれの組み合わせでも良い。
【0011】これらの変異プライマーを用いることによ
り所望のアミノ酸に置換することができる。部位特異的
変異導入を行った後、変異体M13ファージをクローン
化し、DNA塩基配列を決定することによって目的のア
ミノ酸置換が起こっていることを確認した。
【0012】変異体M13ファージの二本鎖DNAから
変異体nprM遺伝子断片を切り出し、プラスミドpU
CTZ55の相当領域と置換することにより変異体np
M遺伝子を含むプラスミドpUCTZ55(muta
nt)が得られた。2か所に変異を導入する場合には、
はじめにどちらかの変異体を作製し、得られた変異型一
本鎖DNAを鋳型として第2の変異導入を行わずに目的
物を得る方法がある。どちらの方法によっても2か所に
変異をもったプラスミドは得られた。変異体nprM遺伝子の枯草菌における発現 図4に示したように、まず野性型サーモリシン様金属プ
ロテアーゼの遺伝子の一部を欠失したプラスミドpMK
8を作成した。これは以下の操作において野性型酵素の
組換体の出現を防ぐために重要な意味を持つ。
【0013】図5に示す様に、pMK8およびpUCT
Z55(mutant)をそれぞれBamHIで切断
し、DNAリガーゼで連結し、枯草菌を形質転換するこ
とによってpMK9(mutant)を作成した。本プ
ラスミドにより形質転換された枯草菌は変異体酵素を培
地中に分泌発現することができる。
【0014】分泌された酵素は通常の方法、たとえば疎
水クロマトグラフィーやゲル濾過によって均一に精製す
ることが出来る。
【0015】合成ペプチド(L−ペプチド)はLWMR
FAの6個のアミノ酸がつながったヘキサペプチドで、
野性型サ−モライシン様金属プロテア−ゼで消化すると
まずアルギニンとフェニルアラニンの間で優先的に切断
がおこり、次いでトリプトファンとメチオニンの間で切
断が起こる(図6及び図7)。
【0016】一方、変異体酵素Y110RやY157E
ではLW断片の生成量が低いことから第二段階のトリプ
トファンとメチオニンの間の消化が極めて遅く、2か所
に変異を持つY110R/Y157EではLW断片が検
出されないことからこの部位は消化されなかったことが
わかる(図6及び図8〜10)。このことは110番目
や157番目に変異を導入すると酵素の基質特異性が変
化することを示唆している。なお変異体酵素の表わし方
として、例えば110番目のチロシン残基をアルギニン
に置換したものをY110Rと示した。また157番目
のチロシン残基をグルタミン酸に置換したものをY15
7Eと示し、又、両方のチロシン残基を置換したものを
Y110R/Y157Eと示した。
【0017】本発明の新規プロテア−ゼは、上記で詳細
に記載したアミノ酸配列を有するポリペプチドの他に、
これと実質上同じアミノ酸配列を有するポリペプチドを
包含する。特定の酵素活性を有するポリペプチド中の酵
素活性に関与しない領域においてアミノ酸配列に変更を
加えても、当該酵素活性が影響を受けない場合があるこ
とは、当業者により良く知られている。従って、その様
な変更を含むポリペプチドも、本発明の特徴を保持して
いる限り、即ち配列表1において110番目のチロシン
残基あるいは157番目のチロシン残基を置換したもの
である限り、本発明の範囲に属するものである。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明するが、これら
の実施例は本発明を何等限定するものでない。
【0019】実施例1 Bacillus stearothermophilus MK232 株由来のサ−モリ
シン様金属プロテア−ゼ遺伝子、nprMを含むプラス
ミドpMK1、1μgを20μlの反応液(50mM
トリス−塩酸 pH7.5 10mM 塩化マグネシウ
ム 100mM食塩 1mM DTT)にPstI5ユ
ニットおよびBamHI5ユニットを加えて37℃で2
時間反応させた。このサンプルを1%アガロ−スゲル電
気泳動で約3.5kbのDNA断片を分離し、バイオ1
01社ジ−ンクリ−ンDNA精製キットを用いて精製し
た。
【0020】一方、プラスミドベクタ−pUC9、1μ
gを含む20μリットルの反応液(50mM トリス−
塩酸 pH7.5 10mM 塩化マグネシウム100
mM 食塩 1mM DTT)にPstI、BamHI
各5ユニットを加えて37℃で2時間反応させた。
【0021】このようにして得られたnprM遺伝子の
PstI−BamHI断片と、pUC9のPstI−
amHI消化物を宝酒造社製DNAライゲ−ションキッ
トを用いて反応させ、常法に従って大腸菌JM109に
形質転換し、nprM遺伝子のPstI−BamHI断
片を含む組換体プラスミド(pUCTZ55)を得た。
組換体プラスミドpUCTZ55、1μgを含む20
μリットルの反応液(50mMトリス−塩酸 pH7.
5 10mM 塩化マグネシウム 100mM食塩 1
mM DTT)にBamHI、SphI各5ユニットを
加えて37℃で2時間反応させた。このサンプルを1%
アガロ−スゲル電気泳動で約730bpのDNA断片を
分離し、バイオ101社ジ−ンクリ−ンDNA精製キッ
トを用いて精製した。
【0022】一方、ファ−ジベクタ−M13mp19、
1μgを20μリットルの反応液(50mM トリス−
塩酸 pH7.5 10mM 塩化マグネシウム100
mM 食塩 1mM DTT)にBamHI、Sph
各5ユニットを加えて37℃で2時間反応させた。
【0023】このようにして得られたnprM遺伝子の
BamHI−SphI断片と、M13mp19のBam
HI−SphI消化物を宝酒造社製DNAライゲ−ショ
ンキットを用いて反応させ、常法に従って大腸菌JM1
09に形質転換し、nprM遺伝子のBamHI−Sp
I断片を含む組換体ファ−ジ(M13TZBa−S
p)を得た。
【0024】得られたM13TZBa−Spから、常法
に従って1本鎖DNAを調製し、変異の導入に用いた。
変異の導入に用いたオリゴヌクレオチドはアプライドバ
イオシステムズ社製380B型DNA合成装置を用いて
作成し、その塩基配列の一例を以下に記す。
【0025】 5´AGCCAAGGCCGTAATAACGCA3´ 変異の導入は、東洋紡社製T7−GENインビトロミュ
−タゲネシスキットを用いて行い、DNAの配列決定に
よって確認した。
【0026】変異を導入したM13TZBa−Sp及
び、pUCTZ55の二本鎖DNAを、常法に従って調
整し、それぞれ1μgを含む20μリットルの反応液
(50mM トリス−塩酸 pH7.5 10mM 塩
化マグネシウム 100mM 食塩 1mM DTT)
BamHI、SphI各5ユニットを加えて37℃で
2時間反応させた。このサンプルを1%アガロ−スゲル
で電気泳動しM13TZBa−Sp消化物からは、73
0ベ−スペアのDNA断片を分離し、pUCTZ55消
化物からは、5.1キロベ−スペアのDNA断片を分離
し、バイオ101社ジ−ンクリ−ンDNA精製キットを
用いて精製した。このようにして得られたnprM遺伝
子の変異の導入されたBamHI−SphI断片と、p
UCTZ55のBamHI−SphI断片を宝酒造社製
DNAライゲ−ションキットを用いて反応させ、常法に
従って大腸菌JM109に形質転換し、nprM遺伝子
の変異の導入されたPstI−BamHI断片を含む組
換体プラスミドpUCTZ55(Y110R)を得た。
【0027】プラスミドpMK1、1μgを含む20μ
リットルの反応液(50mM トリス−塩酸 pH7.
5 10mM 塩化マグネシウム 100mM 食塩
1mM DTT)にBamHI、5ユニットを加えて3
7℃で2時間反応させた。pMK1消化物を1%アガロ
−スゲルで電気泳動し、15.8キロベ−スペアのDN
A断片を分離し、バイオ101社ジ−ンクリ−ンDNA
精製キットを用いて精製した。
【0028】このようにして得られたpMK1のBam
HI断片を宝酒造社製DNAライゲ−ションキットを用
いて反応させ、常法に従って枯草菌MT−2株(trp
C2leuC7 hsdR hsdM Npr−)に形
質転換し、5μg/mリットルカナマイシンを含むLB
寒天培地に塗布し、37℃にて一夜培養し、コロニ−を
単離することにより、組換体プラスミドpMK8を持っ
た形質転換体を得た。これより定法に従ってプラスミド
DNAを調整した。
【0029】プラスミドpMK8およびpUCTZ55
(N227H)それぞれ1μgを20μリットルの反応
液(50mM トリス−塩酸 pH7.5 10mM
塩化マグネシウム 100mM 食塩 1mM DT
T)にBamHI、5ユニットを加えて37℃で2時間
反応させた。これらを宝酒造社製DNAライゲ−ション
キットを用いて反応させ、常法に従って枯草菌MT−2
株に形質転換し、1%カゼイン、5μg/ミリリットル
のカナマイシンを含むLB寒天培地に塗布し、37℃に
て一夜培養し、ハロー形成コロニーを単離することによ
り、組換体プラスミドpMK9(Y110R)を持った
形質転換体を得た。
【0030】実施例2 組換体プラスミドpUCTZ55、1μgを含む20μ
リットルの反応液(50mM トリス−塩酸 pH7.
5、10mM 塩化マグネシウム、100mM食塩、1
mM DTT)にSphI、BclI各5ユニットを加
えて37℃で2時間反応させた。このサンプルを1%ア
ガロ−スゲルで電気泳動しで約550bpのDNA断片
を分離し、バイオ101社ジ−ンクリ−ンDNA精製キ
ットを用いて精製した。
【0031】一方、ファ−ジベクタ−M13mp18、
1μgを20μリットルの反応液(50mM トリス−
塩酸 pH7.5,10mM 塩化マグネシウム、10
0mM 食塩、1mM DTT)にSphI、Bam
I各5ユニットを加えて37℃で2時間反応させた。
【0032】このようにして得られたnprM遺伝子の
SphI−BclI断片と、M13mp18のSph
BamHI消化物とを宝酒造社製DNAライゲ−ショ
ンキットを用いて反応させ、常法に従って大腸菌JM1
09に形質転換し、nprM遺伝子のSphI−Bcl
I断片を含む組換体ファ−ジ(M13TZPSp−B
c)を得た。
【0033】得られたM13TZSp−Bcから、常法
に従って1本鎖DNAを調製し、変異の導入に用いた。
変異の導入に用いたオリゴヌクレオチドはアプライドバ
イオシステムズ社製380B型DNA合成装置を用いて
作成し、その塩基配列の一例を以下に記す。
【0034】 5´GGACTCATTGAACAAAACGAA3´ 変異の導入は、東洋紡社製T7−GENインビトロミュ
−タゲネシスキットを用いて行い、DNAの配列決定に
よって確認した。
【0035】変異を導入したM13TZSp−Bc及
び、pUCTZ55の二本鎖DNAを、常法に従って調
整し、それぞれ1μgを含む20μリットルの反応液
(50mM トリス−塩酸 pH7.5,10mM 塩
化マグネシウム,100mM 食塩,1mM DTT)
SphI、AatI各5ユニットを加えて37℃で2
時間反応させた。このサンプルを1%アガロ−スゲルで
電気泳動しM13TZSp−Bc消化物からは、550
ベ−スペアのDNA断片を分離し、pUCTZ55消化
物からは、5.3キロベ−スペアのDNA断片を分離
し、バイオ101社ジ−ンクリ−ンDNA精製キットを
用いて精製した。
【0036】このようにして得られたnprM遺伝子の
変異の導入されたSphI−AatI断片と、pUCT
Z55のSphI−AatI断片を宝酒造社製DNAラ
イゲ−ションキットを用いて反応させ、常法に従って大
腸菌JM109に形質転換し、nprM遺伝子の変異の
導入されたPstI−BamHI断片を含む組換体プラ
スミドpUCTZ55(Y157E)を得た。
【0037】プラスミドpMK8およびpUCTZ55
(Y157E)それぞれ1μgを含む20μリットルの
反応液(50mM トリス−塩酸 pH7.5、10m
M塩化マグネシウム、100mM 食塩、1mM DT
T)にBamHI、5ユニットを加えて37℃で2時間
反応させた。これらを宝酒造社製DNAライゲ−ション
キットを用いて反応させ、常法に従って枯草菌MT−2
株に形質転換し、1%カゼイン、5μg/ミリリットル
のカナマイシンを含むLB寒天培地に塗布し、37℃に
て一夜培養し、ハロー形成コロニーを単離することによ
り、組換体プラスミドpMK9(Y157E)を持った
形質転換体を得た。
【0038】実施例3 pUCTZ55(Y110R)を1μg含む20μリッ
トルの反応液(50mM トリス−塩酸 pH7.5、
10mM 塩化マグネシウム、100mM 食塩、1m
M DTT)にSphI、AatI各5ユニットを加え
て37℃で2時間反応させた。このサンプルを1%アガ
ロ−スゲルで電気泳動し、消化物から約5.3キロベ−
スペアのDNA断片を分離し、バイオ101社ジ−ンク
リ−ンDNA精製キットを用いて精製した。
【0039】このようにして得られたpUCTZ55
(Y110R)のSphI−AatI断片と、実施例2
で単離した157番目をグルタミン酸に変異したM13
TZSp−BcのSphI−AatI断片を宝酒造社製
DNAライゲ−ションキットを用いて反応させ、常法に
従って大腸菌JM109に形質転換し、nprM遺伝子
の変異の導入されたPstI−BamHI断片を含む組
換体プラスミドpUCTZ55(Y110R/Y157
E)を得た。
【0040】プラスミドpMK8およびpUCTZ55
(Y110R/Y157E)をそれぞれ1μgを含む2
0μリットルの反応液(50mM トリス−塩酸pH
7.5、10mM 塩化マグネシウム、100mM 食
塩、1mM DTT)にBamHI、5ユニットを加え
て37℃で2時間反応させた。これらを宝酒造社製DN
Aライゲ−ションキットを用いて反応させ、常法に従っ
て枯草菌MT−2株に形質転換し、1%カゼイン、5μ
g/ミリリットルのカナマイシンを含むLB寒天培地に
塗布し、37℃にて一夜培養し、ハロー形成コロニーを
単離することにより、組換体プラスミドpMK9(Y1
10R/Y157E)を持った形質転換体を得た。
【0041】実施例4 反応緩衝液(40mM トリス−塩酸(pH7.5)、
10mM 塩化カルシウム)を9.6ミリリットル、基
質溶液(L−ペプチドの1mM溶液)を0.4ミリリッ
トル及び5μg/ミリリットルの濃度で精製酵素溶液4
0μリットルを混合し、室温で放置した。
【0042】40分ごとにサンプリングし、40℃に保
温したODS−80TMカラムを付したHPLC801
0でペプチドを分離し、生成物のモル比を求めた。溶出
条件は0.2Mリン酸緩衝液(pH2.2)で、アセト
ニトリル10−25%の直線勾配を用いた。検出は21
5nmの吸光度を測定することにより行った。
【0043】結果を図7〜図10に示したが、元の野性
型プロテア−ゼであれば、図6で示した第2段階反応ま
で分解が進むのに対して、本発明の改良型プロテア−ゼ
のうち1置換体では第2段階反応が極めて遅く、2置換
体では第1段階で分解が止まる効果が生じた。
【0044】
【発明の効果】本発明における変異体酵素は、基質特異
性をより厳密にした改良型サ−モリシン様金属プロテア
−ゼである。この基質特異性の上昇は、食品加工工程で
の苦みの低減や、酵素の自己分解速度の低減等の効果が
期待される。
【0045】尚、本発明における配列表1は以下の様に
表現される。
【0046】[配列表1] 配列の長さ:316 トポロジ−:直鎖状 配列の種類:蛋白質 起源:バチルス属 Ile Thr Gly Thr Ser Thr Val Gly Val Gly Arg Gly Val Leu Gly 1 5 10 15 Asp Gln Lys Asn Ile Asn Thr Thr Tyr Ser Thr Tyr Tyr Tyr Leu 20 25 30 Gln Asp Asn Thr Arg Gly Asn Gly Ile Phe Thr Tyr Asp Ala Lys 35 40 45 Tyr Arg Thr Thr Leu Pro Gly Ser Leu Trp Ala Asp Ala Asp Asn 50 55 60 Gln Phe Phe Ala Ser Tyr Asp Ala Pro Ala Val Asp Ala His Tyr 65 70 75 Tyr Ala Gly Val Thr Tyr Asp Tyr Tyr Lys Asn Val His Asn Arg 80 85 90 Leu Ser Tyr Asp Gly Asn Asn Ala Ala Ile Arg Ser Ser Val His 95 100 105 Tyr Ser Gln Gly Tyr Asn Asn Ala Phe Trp Asn Gly Ser Gln Met 110 115 120 Val Tyr Gly Asp Gly Asp Gly Gln Thr Phe Ile Pro Leu Ser Gly 125 130 135 Gly Ile Asp Val Val Ala His Glu Leu Thr His Ala Val Thr Asp 140 145 150 Tyr Thr Ala Gly Leu Ile Tyr Gln Asn Glu Ser Gly Ala Ile Asn 155 160 165 Glu Ala Ile Ser Asp Ile Phe Gly Thr Leu Val Glu Phe Tyr Ala 170 175 180 Asn Lys Asn Pro Asp Trp Glu Ile Gly Glu Asp Val Tyr Thr Pro 185 190 195 Gly Ile Ser Gly Asp Ser Leu Arg Ser Met Ser Asp Pro Ala Lys 200 205 210 Tyr Gly Asp Pro Asp His Tyr Ser Lys Arg Tyr Thr Gly Thr Gln 215 220 225 Asp Asn Gly Gly Val His Ile Asn Ser Gly Ile Ile Asn Lys Ala 230 235 240 Ala Tyr Leu Ile Ser Gln Gly Gly Thr His Tyr Gly Val Ser Val 245 250 255 Val Gly Ile Gly Arg Asp Lys Leu Gly Lys Ile Phe Tyr Arg Ala 260 265 270 Leu Thr Gln Tyr Leu Thr Pro Thr Ser Asn Phe Ser Gln Leu Arg 275 280 285 Ala Ala Ala Val Gln Ser Ala Thr Asp Leu Tyr Gly Ser Thr Ser 290 295 300 Gln Glu Val Ala Ser Val Lys Gln Ala Phe Asp Ala Val Gly Val 305 310 315 Lys
【図面の簡単な説明】
【図1】プラスミドpMK1からプラスミドpUCTZ
55を構築する工程図である。
【図2】プラスミドpUCTZ55からM13ファージ
M13TZBa−Spを構築する工程図である。
【図3】プラスミドpUCTZ55からM13ファージ
M13TZSp−Bcを構築する工程図である。
【図4】プラスミドpMK1からプラスミドpMK8を
構築する工程図である。
【図5】プラスミドpMK8およびプラスミドpUCT
Z55(mutant)からpMK9(mutant)
を構築する工程図である。
【図6】サ−モリシン様プロテア−ゼによるL−ペプチ
ドの消化パタ−ンを示している。
【図7】野性型サ−モリシン様金属プロテア−ゼにより
生じたL−ペプチド分解物の総量を経時的に表したグラ
フである。
【図8】Y110Rにより生じたL−ペプチド分解物の
総量を経時的に表したグラフである。
【図9】Y157Eにより生じたL−ペプチド分解物の
総量を経時的に表したグラフである。
【図10】Y110R/Y157Eにより生じたL−ペ
プチド分解物の総量を経時的に表したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三宅 俊男 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町4501 (72)発明者 城所 俊一 神奈川県相模原市南台1−9−2 (72)発明者 三木 洋一郎 神奈川県相模原市西大沼4−4−1 (72)発明者 遠藤 きみ子 東京都町田市金森1733−10 (72)発明者 和田 昭允 東京都港区赤坂8−11−4

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表1のアミノ酸配列を有する耐熱性中
    性プロテアーゼにおいて、アミノ末端から110番目の
    チロシン残基が他のアミノ酸残基に置換された新規なプ
    ロテアーゼ
  2. 【請求項2】配列表1のアミノ酸配列を有する耐熱性中
    性プロテアーゼにおいて、アミノ末端から157番目の
    チロシン残基が他のアミノ酸残基に置換された新規なプ
    ロテアーゼ
  3. 【請求項3】配列表1のアミノ酸配列を有する耐熱性中
    性プロテアーゼにおいて、アミノ末端から110番目の
    チロシン残基及び157番目のチロシン残基が他のアミ
    ノ酸残基に置換された新規なプロテアーゼ
  4. 【請求項4】請求項1に記載された他のアミノ酸残基が
    リジン又はアルギニンである新規なプロテアーゼ
  5. 【請求項5】第2項に記載された他のアミノ酸残基がグ
    ルタミン酸である新規なプロテアーゼ
  6. 【請求項6】第3項に記載された他のアミノ酸残基が1
    10番目においてアルギニンであり157番目において
    グルタミン酸である新規なプロテアーゼ
JP33798291A 1991-11-28 1991-11-28 新規プロテア−ゼ Pending JPH05146292A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6300116B1 (en) * 1996-11-04 2001-10-09 Novozymes A/S Modified protease having improved autoproteolytic stability

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