JPH052528Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 「産業上の利用分野」 この考案はケーブル或はワイヤーを巻取るドラ
ムに関する。

「従来の技術」 従来、ケーブル或はワイヤーを巻取るドラムは
例えば巻取りの内径が２メートル、外径が3.2メ
ートルで幅が2.4メートル程度のものが使用され
ており、ケーブル或はワイヤーを巻取つていない
ドラムのみで約１トン程度、製品重量で３トン乃
至10トン程度の重量がある。ドラムの形状は中央
の円筒形胴部両側に丸形のフランジを備える。
尚、多角形のフランジを備えることの提案もあ
る。そして、ドラムは軸心を水平にしてフランジ
外周を床上につけて置かれる。フランジが丸形で
あるため、ころがり易いので保管時はころがり止
めを用いる。

「考案が解決しようとする問題点」 丸形のフランジ付のドラムを運送する際、該ド
ラムを車台に結び付けているワイヤロープが切れ
て道路上にころがり問題となることがある。又、
従来の丸形フランジ付のドラムであるところがり
止めが必ず必要でドラムが大径のため、ころがり
止めも大きなものが必要であり重い。ドラムを移
動する際にはドラムを卸す先においてころがり止
めを準備する必要がある。そのため運送に当つて
は受入先にころがり止めがあるかどうかを確認
し、ない場合は携行しなければならない。又、荷
卸しをする際にも大きく重いころがり止めを作業
者が扱わねばならないという問題点がある。

又、ドラムを吊上げる際に、吊上部の位置が重
心直上に来ていないと吊上げた瞬間、ゆれて危険
であり、ころがり止めをはねとばすおそれもあ
る。

多角形のフランジ付のドラムは丸形フランジ付
のドラムのようにころがることがないが、フラン
ジが偶数角形であるため、多角形の場合に設ける
吊上部が多角形の角に来ることにより、そのまゝ
吊上げると安定が悪く、吊降す場合もフランジの
下辺が水平でないため、床面への着座が不安定で
ある。

この考案は上記従来の問題点を解消できるよう
に安定した荷上げ荷降しと保管ができるケーブル
或はワイヤー用のドラムを提供することを目的と
する。

〔考案の構成〕

「問題点を解決するための手段」 この考案は胴部両端外周側をフランジとした線
状部材巻取り用ドラムにおいて、前記フランジが
奇数の正多角形をしており、フランジの角部に吊
上部を設けたことを特徴とするドラムである。

「作用」 ドラムを吊上部にワイヤロープを掛けて吊上げ
ると正多角形のフランジの最も下側の辺は水平と
なる。床上に置くと該辺は床面と接し、ドラムは
安定する。吊上部は最上位となつており吊上部直
下に軸心があり、重心と吊上部が垂直線上にある
ので次に吊上げる場合、そのまゝ安定状態で吊上
げることができる。

「実施例」 以下、この考案の実施例を図面により説明す
る。第１図は一部軸心を含む縦断面図を含む正面
図、第２図は第１図の左側面図、第１図の背面図
は図示しないが第１図と同様であり、第１図の右
側面図は第２図と対称である。

中空軸１の両端には放射状に七等配して側部リ
ブ２が固定される。３は中空軸１の端に嵌入する
と共に側部リブ２に当接した当板、４は隣り合う
側部リブ２間に夫々溶接したけり板で中央に中空
軸１を中心に回転駆動する際のドライバー挿入穴
５を備える。

中空軸１を中心として円筒形胴部６が形成され
る。胴部６は軸方向に対向する側部リブ２に溶接
したブラケツト７に固定して、対向するブラケツ
ト７間にわたした胴部リブ８及び胴部リブ８に交
叉する周方向のリブ８ａ、端部リブ８ｂの外周に
外板９を張つて円筒形面を得ている。側部リブ２
は胴部６よりも外周側へのび各側部リブ２の端部
は角筒形の外周材１１で直線状に結合されてい
る。胴部６の外周側で軸方向に対向する側部リブ
２、外周材１１の各面には側板１２が溶接されて
いる。

以上のように側部リブ２の一部、外周材１１及
び側板１２により、外周部が正七角形のフランジ
１３が形成されている。

このフランジ１３の角部の一部又は全部に円筒
形吊上用ボス１４が固定されている。フランジ１
３の七角形の角近くで側板１２には夫々端末引止
め用のため引止め穴１５を設け、穴１５の直径を
わたる引止め棒１６を側板１２に溶接してある。

第３図は第２図のＡ−Ａ拡大断面図である。側
部リブ２の一部（第３図に示す側部リブ２）はＩ
型鋼を用いており、該Ｉ型鋼のフランジに短かい
長さの半割パイプ１８を固定し、第２図に示すよ
うに半割パイプ１８の外周側に側部リブ２間をわ
たす中空軸１を中心とする円弧形部材１７を配設
してある。半割パイプ１８間の周方向は側板１２
はなく、ワイヤー又はケーブル等の線状部材の巻
き始め部となつている。

保管に際しては図示のようにフランジ１３の七
角形の一辺を床上に接して置く。このように置く
際に吊上用ボス１４は必ず中空軸１の直上で最上
位に来るようになる。運送する場合は最上位にあ
る吊上用ボス１４にワイヤーロープを掛けて持ち
上げると、該ワイヤーロープを掛けた吊上用ボス
１４の真下に中空軸１があり、重心は中空軸１と
一致するので釣合が保たれ安定してドラムは持上
げられる。ドラムを床上に降す場合も、フランジ
１３の下辺は水平を保つており、安定して床面に
着座する。床面上に置かれたドラムはころがり止
めを施すことなく安定して位置を保つ。

実施例はフランジ１３外周を七角形としたた
め、多角形の角が七つあり、ケーブル或はワイヤ
ーを胴部６に捲回する際、該七角形の角部をとお
り、中空軸１を中心とする円をフランジとする丸
フランジ付のドラムと同量だけ、ケーブル或はワ
イヤーを捲回できるから、才積も特に大きくなる
ことがない。

実施例はフランジ１３外周を七角形としたが一
般には奇数であればよい。このフランジ１３を幾
何の多角形にするかは七角形を境にしてより多辺
のものは安定がよくなく、五角形、三角形のもの
は安定はよいが才積が大きくなる。

実施例は中空軸１を全長にとおるようにしてあ
るが、両端に短かく附してもよい。けり板４は設
けない場合もある。

〔考案の効果〕

この考案は胴部両端外周側をフランジとした線
状部材巻取り用ドラムにおいて、前記フランジが
奇数の正多角形をしており、フランジの角部に吊
上部を設けたことを特徴とするドラムとしたか
ら、ころがり止めを用いることなく安定して床上
に置くことができ且つ、吊上げる場合、最上位に
吊上部が来て重心が吊上部の直下に来ているので
釣合を保ち安定して吊上げることができる。吊下
げる際、フランジ最下辺が水平で床面に同時に着
座するので安定して荷卸しができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の一部断面を含む正
面図、第２図は第１図の側面図、第３図は第２図
のＡ−Ａ拡大断面図、第４図は第１図の縮小平面
図、第５図は第１図の縮小底面図である。 １……中空軸、２……リブ、３……当板、４…
…けり板、５……ドライバー挿入穴、６……胴
部、７……ブラケツト、８……リブ、９……外
板、１１……外周材、１２……側板、１３……フ
ランジ、１４……吊上用ボス、１５……引止め
穴、１６……引止め棒、１７……円弧形部材、１
８……パイプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 胴部両端外周側をフランジとした線状部材巻取
   り用ドラムにおいて、前記フランジが奇数の正多
   角形をしており、フランジの角部に吊上部を設け
   たことを特徴とするドラム。