JPH0525215A - プロピレン系低重合体の製造方法 - Google Patents

プロピレン系低重合体の製造方法

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JPH0525215A
JPH0525215A JP26519191A JP26519191A JPH0525215A JP H0525215 A JPH0525215 A JP H0525215A JP 26519191 A JP26519191 A JP 26519191A JP 26519191 A JP26519191 A JP 26519191A JP H0525215 A JPH0525215 A JP H0525215A
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正美 渡辺
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伸英 石原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 アルミノキサン等の助触媒を使用せず、少量
の有機アルミニウム化合物を使用して、プロピレン系低
重合体を製造し、従って脱灰工程を簡略化して製造プロ
セス全体を簡略化し、コスト低減を図る。 【構成】 下記化合物(A)及び(B)又は下記化合物
(A)、(B)及び(C)を触媒としてプロピレンの単
独重合又はプロピレンとプロピレン以外のオレフィンと
の共重合を行なう。 (A)下記一般式(I)で表わされる遷移金属化合物 (R55mMX4-m ・・・(I) [式中R55は炭化水素基置換シクロペンタジエニル
基、Mはジルコニウム原子又はハフニウム原子、Xは水
素原子,ハロゲン原子又は炭化水素基を示す。mは1〜
4の整数を示す。5個のRは同一でも異なっていてもよ
い。m個のR55は同一でも異なっていてもよい。4−
m個のXは同一でも異なっていてもよい。] (B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する化合物 (C)有機アルミニウム化合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学合成原料,ポリマ
ー原料,潤滑油基材,化粧品等として有効に使用される
プロピレン低重合体又はプロピレンとプロピレン以外の
オレフィンとの低重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】化学合
成原料,ポリマー原料,潤滑油基材,化粧品基材等とし
て、プロピレン低重合体あるいはプロピレンとプロピレ
ン以外のオレフィンとの低重合体が使用されている。上
記プロピレン系低重合体の製造方法として、従来、ジル
コニウム及び/又はハフニウムのアルキル置換シクロペ
ンタジエニル化合物とアルミノキサンとからなる触媒を
用いて、プロピレン単独又はプロピレンと他のオレフィ
ンとを反応させる方法が知られている(特開平1-207248
号公報)。
【0003】しかし、上記方法は、助触媒であるアルミ
ノキサンを主触媒である遷移金属化合物に対して高い比
率で使用しなければ十分な活性を得ることができない
上、大量のアルミニウム化合物を使用するため、重合後
に生成物の脱灰を十分に行なう必要がある。また、アル
ミノキサンは高価であるため、その使用量を可及的に減
らすか、無使用にすることが望ましい。
【0004】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、アルミノキサン等の助触媒を使用することなく、あ
るいは少量の有機アルミニウム化合物の使用により、プ
ロピレン系低重合体を製造することができ、従って脱灰
工程を簡略化して製造プロセス全体を簡略化することが
できると共に、コスト低減を図ることが可能なプロピレ
ン系低重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、上記
目的を達成するため、下記化合物(A)及び(B)又は
下記化合物(A)、(B)及び(C)を触媒としてプロ
ピレンの単独重合又はプロピレンとプロピレン以外のオ
レフィンとの共重合を行なうことを特徴とするプロピレ
ン系低重合体の製造方法を提供する。 (A)下記一般式(I)で表わされる遷移金属化合物 (R55mMX4-m ・・・(I) [式中R55は炭化水素基置換シクロペンタジエニル
基、Mはジルコニウム原子又はハフニウム原子、Xは水
素原子,ハロゲン原子又は炭化水素基を示す。mは1〜
4の整数を示す。5個のRは同一でも異なっていてもよ
い。m個のR55は同一でも異なっていてもよい。4−
m個のXは同一でも異なっていてもよい。] (B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する化合物 (C)有機アルミニウム化合物
【0006】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明で用いる(A)の化合物において、上記(I)式
中R又はXで示される炭化水素基としては、特に限定は
ないが、例えば炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基、アリールアルキル基、アルキルアリール基等を好ま
しく挙げることができる。ここで、炭素数1〜20のア
ルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−
ブチル基、アミル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、ノニル基、カプリル基、ウンデシル基、ラウリル
基、トリデシル基、ミリスチル基、ペンタデシル基、セ
チル基、ヘプタデシル基、ステアリル基、ノナデシル
基、エイコシル基等を挙げることができる。炭素数1〜
20のアリール基、アリールアルキル基としては、例え
ばフェニル基,ベンジル基、フェネチル基等を挙げるこ
とができる。炭素数1〜20のアルキルアリール基とし
ては、例えばp−トリル基,p−n−ブチルフェニル基
等を挙げることができる。また、上記(I)式におい
て、mは1又は2、特に2であることが好ましい。
【0007】(I)式の化合物として、具体的には、例
えば、 [(CH3552Hf(CH2Ph)2、[(CH35
52Zr(CH2Ph)2、[(CH355]HfP
3、[(CH355]ZrPh3、[(CH355
2Hf(C64−p−CH32、[(CH3552
r(C64−p−CH32、[(CH3552Hf
(CH32、[(CH3552Zr(CH32
[(C25552Hf(CH32、[(C255
52Zr(CH32
【0008】[(nC37552Hf(CH32
[(nC37552Zr(CH32、[(CH35
52HfH(CH3)、[(CH3552ZrH
(CH3)、[(C25552HfH(CH3)、
[(C25552ZrH(CH3)、[(C375
52HfH(CH3)、[(C37552ZrH
(CH3)、
【0009】[(CH3552Hf(H)2、[(C
3552Zr(H)2、[(C25)(CH3
452Hf(CH32、[(C25)(CH345
2Zr(CH32、[(nC37)(CH3452
f(CH32、[(nC37)(CH3452Zr
(CH32、[(nC49)(CH3452Hf(C
32、[(nC49)(CH3452Zr(C
32、[(CH3552HfCl2、[(CH35
52ZrCl2、[(CH3552HfH(C
l)、[(CH3552ZrH(Cl)、などを好適
に使用することができるが、中でも、
【0010】[(CH3552Hf(CH2Ph)2
[(CH3552Zr(CH2Ph)2、[(CH35
52Hf(CH32、[(CH3552Zr(CH
32、[(CH3552HfH(CH3)、[(C
3552ZrH(CH3)、[(CH3552
f(H)2、[(CH3552Zr(H)2、[(C2
5)(CH3452Hf(CH32、[(C25
(CH3452Zr(CH32、[(nC37)(C
3452Hf(CH32、[(nC37)(C
3452Zr(CH32、[(nC49)(C
3452Hf(CH32、[(nC49)(C
3452Zr(CH32、などのペンタアルキルシ
クロペンタジエニル化合物が好ましく、特にハフニウム
化合物が好ましい。なお、(I)式の化合物は一種を単
独で用いることもできるし、二種以上を組合せて用いる
こともできる。
【0011】本発明において用いる化合物(B)として
は、遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成す
る化合物であればいずれのものでも使用することができ
る。このような化合物としては、例えば、カチオンと複
数の基が元素に結合したアニオンとからなる化合物、特
に配位錯化合物を好ましく挙げることができる。
【0012】化合物(B)としては、下記式(II)、
(III)又は(IV)で示される化合物を好適に使用する
ことができる。 ([L1−H]g+h([M212…Xn(n-m)-i ・・・(II) ([L2g+h([M312…Xn(n-m)-i ・・・(III) (但し、L2はM4,R235又はR4 3Cである) ([L1−Z]g+h([M212…Xn(n-m)-i ・・・(IV) [(II),(III)及び(IV)式中、L1はルイス塩基、
Zはアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、ア
ルキルアリール基等の炭化水素基、M2及びM3はそれぞ
れ周期律表のVB族,VIB族,VIIB族,VIII族,IB
族,IIB族,IIIA族,IVA族及びVA族から選ばれる元
素、M4は遷移金属、好ましくは周期律表のIB族,IIB
族,VIII族から選ばれる金属、M5は周期律表のVIII族
から選ばれる金属、X1〜Xnはそれぞれ水素原子,ジア
ルキルアミノ基,アルコキシ基,アリール基,置換アリ
ール基,アリールオキシ基,アルキル基,置換アルキル
基,有機メタロイド基又はハロゲン原子を示し、R2
びR3はそれぞれシクロペンタジエニル基,置換シクロ
ペンタジエニル基,インデニル基又はフルオレニル基、
4はアルキル基,置換アルキル基,アリール基,置換
アリール基,アリールアルキル基,置換アリールアルキ
ル基,アルキルアリール基又は置換アルキルアリール基
を示し、各R4は同じでも異なっていてもよい。mは
2,M3の原子価で1〜7の整数、nは2〜8の整数、
gは L1−H,L2のイオン価数で1〜7の整数,hは
1以上の整数,i=(h×g)/(n−m)である。]
【0013】上記ルイス塩基の具体例としては、ジメチ
ルエーテル,ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン等
のエーテル類、テトラヒドロチオフェン等のチオエーテ
ル類、エチルベンゾエート等のエステル類、アセトニト
リル,ベンゾニトリル等のニトリル類、ジメチルアニリ
ン,ピリジン,2−シアノピリジン,3−シアノピリジ
ン,4−シアノピリジン,トリエチルアミン,2,2−
ビピリジン,フェナントロリン等のアミン類、トリエチ
ルホスフィン,トリフェニルホスフィン等のホスフィン
類などが挙げられる。Zの具体例としては、メチル基,
エチル基,ベンジル基,トリチル基等が挙げられる。M
2及びM3の具体例としては、B,Al,Si,P,A
s,Sb等,M4の具体例としては、Ag,Cu等,M5
の具体例としてはFe,Co,Ni等が挙げられる。X
1〜Xnの具体例としては、例えば、ジアルキルアミノ基
としてジメチルアミノ基,ジエチルアミノ基;アルコシ
キ基としてメトキシ基,エトキシ基,n−ブトキシ基;
アリール基,置換アリール基としてフェニル基,4−ト
リル基,3,5−キシリル基,ベンジル基,ペンタフル
オロフェニル基,3,5−ジ(トリフルオロメチル)フ
ェニル基,4−ターシャリ−ブチルフェニル基等の炭素
数6〜20のもの;アリールオキシ基としてフェノキシ
基,2,6−ジメチルフェノキシ基,ナフチルオキシ
基;アルキル基としてメチル基,エチル基,n−プロピ
ル基,iso−プロピル基,n−ブチル基,n−オクチ
ル基,2−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20のも
の;有機メタロイド基として五メチルアンチモン基,ト
リメチルシリル基,トリメチルスタンニル基;ハロゲン
としてF,Cl,Br,I等が挙げられる。R2及びR3
の置換シクロペンタジエニル基の具体例としては、メチ
ルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペンタジエニ
ル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基,トリフル
オロメチルテトラメチルシクロペンタジエニル基,ニト
ロシクロペンタジエニル基,エトキシカルボニルシクロ
ペンタジエニル基,シアノシクロペンタジエニル基が挙
げられる。R4の具体例としては、メチル基,エチル
基,フェニル基,p−トリル基,p−メトキシフェニル
基,p−ジメチルアミノフェニル基等が挙げられる。
【0014】上記(II),(III),(IV)式の化合物
の中で、具体的には、下記のものを特に好適に使用でき
る。(II)式の化合物 テトラフェニル硼酸トリメチルアンモニウム,テトラフ
ェニル硼酸トリエチルアンモニウム,テトラフェニル硼
酸トリ(n−ブチル)アンモニウム,テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸ジメチルアニリニウム,テトラ
(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリエチルアンモニウ
ム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸トリ(n−
ブチル)アンモニウム,ヘキサフルオロ砒素酸トリエチ
ルアンモニウム,
【0015】(III)式の化合物 テトラフェニル硼酸フェロセニウム,テトラフェニル硼
酸トリチル,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸フ
ェロセニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸
メチルフェロセニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸デカメチルフェロセニウム,テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸銀,テトラ(ペンタフルオロフェ
ニル)硼酸トリチル,テトラフルオロ硼酸銀,ヘキサフ
ルオロ砒素酸銀,ヘキサフルオロアンチモン酸銀,
【0016】(IV)式の化合物 テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベンジル
−2−シアノピリジニウム),テトラ(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸(N−ベンジル−3−シアノピリジニウ
ム),テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N−ベ
ンジル−4−シアノピリジニウム),テトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)硼酸(N−メチル−2−シアノピリジ
ニウム),テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸(N
−メチル−3−シアノピリジニウム),テトラ(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸(N−メチル−4−シアノピリ
ジニウム),テトラ(ペンタフルオロフェニル)硼酸ト
リメチルアニリニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニ
ル)硼酸トリメチル(m−トリフルオロメチルフェニ
ル)アンモニウム,テトラ(ペンタフルオロフェニル)
硼酸ベンジルピリジニウム,
【0017】(C)成分である有機アルミニウム化合物
としては、特に限定されないが、例えば下記式(V)で
表わされるものが挙げられる。 AlR5 3 ・・・(V) (式中、R5は水素原子,ハロゲン原子又は炭素数1〜
8のアルキル基を示す。) 具体的には、トリイソブチ
ルアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、ト
リメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ジエ
チルアルミニウムクロリド等を特に好適に使用すること
ができる。また、上記以外のものとして、メチルアルミ
ノキサン,エチルアルミノキサン等のアルミノキサンを
挙げることができる。
【0018】本発明で用いる触媒は、上記成分(A)及
び(B)又は上記成分(A),(B)及び(C)からな
るものである。この場合、これら成分の使用条件は限定
されないが、(A)成分:(B)成分の使用比は1:
0.1〜1:100、特に1:0.5〜1:10、中で
も1:0.8〜1:5とすることが好ましい。(A)成
分及び(B)成分の使用態様は制限されない。例えば、
(A)成分及び(B)成分を予め接触させ、反応物を分
離,洗浄して使用してもよく、(A)成分及び(B)成
分を同時又は別々に重合系に添加してもよい。
【0019】また、(C)成分の使用量は、(C)成分
/(A)成分のモル比として1〜1000、特に10〜
700、中でも20〜500とすることが好ましい。
(C)成分の使用態様は制限されない。例えば、(A)
成分と(B)成分との接触生成物及び(C)成分を重合
系に添加したり、(A)成分と(C)成分との接触生成
物及び(B)成分を重合系に添加したり、(A)成分、
(B)成分及び(C)成分を同時又は別々に重合系に添
加したりすることができる。
【0020】本発明においては、プロピレン単独を、又
はプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを、前記
触媒の存在下に重合する。前記プロピレン以外のオレフ
ィンとしては、特に制限はないが、通常、炭素数2〜1
6、好ましくは2〜8程度のα−オレフィン、特に末端
ビニル基含有オレフィンなどを好適に用いることができ
る。
【0021】好適に用いることのできるα−オレフィン
としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、
1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセ
ン、1−ヘキサデセン、1,4−ペンタジエン、1,5
−ヘプタジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカ
ジエン、4−メチル−1−ペンテン、ネオヘキセン、ビ
ニルシクロヘキサン、4−ビニルシクロヘキセンなどが
挙げられる。これらの中で、特に好ましいのは、エチレ
ン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘ
プテン、1−オクテンである。上記プロピレン以外のオ
レフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を
併用してもよい。
【0022】プロピレンとプロピレン以外のオレフィン
との使用割合については特に制限はなく、[プロピレ
ン]:[プロピレン以外のオレフィン]の値を適宜選択
することによって、生成物のプロピレン系低重合体の組
成等を調節することができる。ここで、末端ビニル化合
物の選択率を高めるためには、プロピレン以外のオレフ
ィンに対してプロピレンの比率を高めることが望まし
い。なお、プロピレン以外のオレフィンは、反応系にそ
れぞれ別途に供給してもよいし、あるいは予め混合して
供給してもよい。
【0023】プロピレン単独の低重合反応又はプロピレ
ンとプロピレン以外のオレフィンとの低重合反応におい
て、反応温度は特に制限されないが、通常、0〜100
℃、好ましくは20〜80℃である。圧力は任意に設定
することができ、例えば10Kg/cm2G以下の低圧で、あ
るいは所望により常圧下で前記低重合反応を行なうこと
ができる。反応温度に関しさらに説明すると、反応温度
が低いと重合度の高いものが生成し易く、逆に反応温度
が高い場合には二量体、三量体等の低重合度のものが得
られるので、所望する生成物に応じて反応温度を適宜に
決定すれば良い。但し、0〜100℃の範囲を逸脱する
と触媒の活性が低下することがある。
【0024】前記プロピレン単独の低重合反応又はプロ
ピレンとプロピレン以外のオレフィンとの低重合反応に
おいては、溶媒を使用することができる。上記溶媒とし
ては、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、クメン、メシチレン、ナフタレン、テトラリ
ン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベン
ゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチ
ルベゼン、ドデシルベンゼン、ビフェニル等の芳香族炭
化水素;2−メチルブタン、ヘキサン、2−メチルペン
タン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタ
ン、ヘプタン、オクタン、2,2,3−トリメチルペン
タン、イソオクタン、ノナン、2,2,5−トリメチル
ヘキサン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素;その
他シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、
デカリン等の脂環族炭化水素;石油エーテル、石油ベン
ジン、石油ナフサ、リグロイン、工業ガソリン、ケロシ
ン;クロロベンゼン、フェニルメチルエーテル、ジメチ
ルアニリン、フェニルメチルチオエーテル等の極性基含
有溶媒等を挙げることができる。重合形式としては、溶
液重合法、塊状重合法、気相重合法などのいずれであっ
てもよいが、触媒活性の観点からは溶液重合法が好まし
い。
【0025】本発明のプロピレン系低重合体の製造方法
によると、主として次の一般式
【化1】 で表わされる分子末端にビニル基を有するプロピレンの
低重合体の混合物を、簡易かつ温和な条件下に、高い選
択率で得ることができる。本発明者がさらに検討したと
ころによると、プロピレン単独を、又はプロピレンとプ
ロピレン以外のオレフィンとを低重合させるに際し、前
記反応条件において水素を存在させると、重合活性が向
上し、また意外なことに、重合反応中に水素を存在させ
てもオレフィンの水素添加反応が生じず、オレフィンの
選択率を低下させることなくオレフィンの転化率の向上
を図ることができることを見出した。すなわち、前記化
合物(A),(B)又は(A),(B),(C)からな
る触媒と水素との存在下に、プロピレン単独を、又はプ
ロピレンとプロピレン以外のオレフィンとを重合させる
ことによって、高い選択率でプロピレン系低重合体を製
造することができる。
【0026】前記水素は、例えば水性ガスの変性、石油
類のガス化、石炭の完全ガス化、天然ガスの変性などに
より得られるものを用いることができる。水素の使用量
は任意であるが、通常、原料プロピレンに対して1〜1
00モル%であり、特に5〜20モル%の範囲内で用い
るのが好ましい。この発明の方法により得られるプロピ
レン系低重合体の種類や割合は、用いるプロピレン以外
のオレフィンの種類、このオレフィンとプロピレンとの
使用割合、反応条件などによって様々に調節することが
できる。
【0027】
【実施例】次に、実施例及び比較例により本発明を具体
的に示すが、本発明は下記実施例に限定されるものでは
ない。実施例1 内容積1リットルのオートクレーブに、アルゴン気流下
において、トルエン400ml,(C)成分としてトリ
イソブチルアルミニウム(TIBA)3×10-3mol
(2mol/リットル−トルエン溶液)、(A)成分と
しての遷移金属化合物としてビス(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)ハフニウムジメチル1×10-5mol
(0.1mol/リットル−トルエン溶液)、(B)成
分としての配位錯化合物としてテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリエチルアンモニウム1×10-5mo
l(0.05mol/リットル−トルエン溶液)を順次
加え、55℃に昇温した。水素を1Kg/cm2仕込
み、その後プロピレンを連続的に導入して、プロピレン
圧を9Kg/cm2Gに保持しつつ、55℃で4時間反
応させた。反応終了後、生成物を3規定の塩酸150m
lを用いて脱灰し、トルエン層を分離して、この溶液の
解析をガスクロマトグラフィー,赤外吸収スペクトル,
プロトン核磁気共鳴スペクトルにより行なった。
【0028】その結果、得られた低重合体は、末端ビニ
ル基の含有割合が、末端ビニリデン基との比(モル比)
にして[末端ビニル/末端ビニリデン=98/2]であ
り、下記に示す構造のものが主生成物であった。
【化2】 また、全収量は300gであり、その組成を調べた結
果、2量体が108g、3量体が96g、4量体以上が
81gであった。さらに、2量体について詳細に分析し
た結果、4−メチル−1−ペンテンが99%、2−メチ
ル−1−ペンテンが1%であった。結果を表1示す。
【0029】実施例2〜13 表1のごとく実験条件を変えたほかは、実施例1に従っ
た。結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例14 内容積1リットルのオートクレーブに、アルゴン気流下
において、トルエン400ml,(C)成分としてトリ
イソブチルアルミニウム(TIBA)3×10-3mol
(2mol/リットル−トルエン溶液)、(A)成分と
しての遷移金属化合物としてビス(ペンタメチルシクロ
ペンタジエニル)ハフニウムジメチル1×10-5mol
(0.1mol/リットル−トルエン溶液)、(B)成
分としての配位錯化合物としてテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)硼酸トリエチルアンモニウム1×10-5mo
l(0.05mol/リットル−トルエン溶液)を順次
加え、55℃に昇温した。水素を1Kg/cm2仕込
み、さらに1−ブテンを20g、つづいてプロピレンを
分圧が2Kg/cm2になるように仕込み、55℃で4
時間反応させた。反応終了後、生成物を3規定の塩酸1
50mlを用いて脱灰し、トルエン層を分離して、この
溶液の解析をガスクロマトグラフィー,赤外吸収スペク
トル,プロトン核磁気共鳴スペクトルにより行なった。
全収量は、24.5gであった。結果を表2に示す。
【0032】実施例15〜18 表2のごとく実験条件を変えたほかは,実施例14に従
った。結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例19〜22 表3のごとく実験条件を変えたほかは,実施例1に従っ
た。結果を表3に示す。比較例1,2 実施例21,22において、触媒成分(b),(c)の
代わりにメチルアルミノキサンを用いた以外は、実施例
21,22に従った。結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】以上の実施例及び比較例の結果より、本発
明製造方法によれば、プロピレン系低重合体を高価なア
ルミノキサンを用いることなく低コストで製造できるこ
と、また単位アルミニウム当たりの活性が高いため少量
の有機アルミニウム化合物を用いてプロピレン系低重合
体を製造することができ、オリゴマー製造工程において
脱灰工程を省略もしくは簡略化するのに有利であること
が分かる。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、主として数平均重合度
が2〜20で、かつ分子末端にビニル基を有するプロピ
レン低重合体又はプロピレンとプロピレン以外のオレフ
ィンとの低重合体を、アルミノミサン等の助触媒を用い
ることなく、若しくは少量の有機アルミニウム化合物を
用いることにより、高い選択率で効率良く製造すること
ができる。従って、本発明によれば、かかるプロピレン
系低重合体を脱灰工程を簡略化した工程によって低コス
トで製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明のプロピレン系低重合体の製造方
法を示すフロー図である。☆要
【要約】 (修正有)
【目的】 アルミノキサン等の助触媒を使用せず、少量
の有機アルミニウム化合物を使用して、プロピレン系低
重合体を製造し、従って脱灰工程を簡略化して製造プロ
セス全体を簡略化し、コスト低減を図る。
【構成】 下記化合物(A)及び(B)又は下記化合物
(A)、(B)及び(C)を触媒としてプロピレンの単
独重合又はプロピレンとプロピレン以外のオレフィンと
の共重合を行なう。 (A)下記一般式(I)で表わされる遷移金属化合物 (R55mMX4-m ・・・(I) [式中R55は炭化水素基置換シクロペンタジエニル
基、Mはジルコニウム原子又はハフニウム原子、Xは水
素原子,ハロゲン原子又は炭化水素基を示す。mは1〜
4の整数を示す。5個のRは同一でも異なっていてもよ
い。m個のR55は同一でも異なっていてもよい。4−
m個のXは同一でも異なっていてもよい。] (B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
する化合物 (C)有機アルミニウム化合物

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化合物(A)及び(B)を触媒とし
    てプロピレンの単独重合又はプロピレンとプロピレン以
    外のオレフィンとの共重合を行なうことを特徴とするプ
    ロピレン系低重合体の製造方法。 (A)下記一般式(I)で表わされる遷移金属化合物 (R55mMX4-m ・・・(I) [式中R55は炭化水素基置換シクロペンタジエニル
    基、Mはジルコニウム原子又はハフニウム原子、Xは水
    素原子,ハロゲン原子又は炭化水素基を示す。mは1〜
    4の整数を示す。5個のRは同一でも異なっていてもよ
    い。m個のR55は同一でも異なっていてもよい。4−
    m個のXは同一でも異なっていてもよい。] (B)遷移金属化合物と反応してイオン性の錯体を形成
    する化合物
  2. 【請求項2】 化合物(A)及び(B)に加えて(C)
    有機アルミニウム化合物を触媒として用いる請求項1記
    載のプロピレン系低重合体の製造方法
  3. 【請求項3】 水素の存在下で重合を行なう請求項1又
    は2記載のプロピレン系低重合体の製造方法。
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