JPH0525125A - 新規なプロリン誘導体 - Google Patents

新規なプロリン誘導体

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JPH0525125A
JPH0525125A JP3252710A JP25271091A JPH0525125A JP H0525125 A JPH0525125 A JP H0525125A JP 3252710 A JP3252710 A JP 3252710A JP 25271091 A JP25271091 A JP 25271091A JP H0525125 A JPH0525125 A JP H0525125A
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ethyl
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Koji Kobayashi
孝次 小林
Kazuhiko Nishii
一彦 西井
Kunio Iwata
邦男 岩田
Itsuro Uchida
逸郎 内田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A;−O−,−NH−又は単結合を、 X;−S−,−SO−,−SO−,−O−又は−NH
−を、 Y,Z;水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、ア
ミノ基、ニトロ基、水酸基、低級アルコキシ基を、 R;水素原子、ハロゲン原子又は低級アルコキシ基
を、 n;1〜6の整数を、 1;0〜3の整数を表す)で示される新規なプロリン誘
導体。 【効果】本発明に係る新規なプロリン誘導体は、プロリ
ルエンドペプチダーゼに対して特異的に強い阻害活性を
有し、TRH、サブスタンスP、ノイロテンシン、バソ
プレッシン等の分解、不活性化を抑制する。従って抗痴
呆薬または抗健忘剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロリルエンドペプチダ
ーゼ阻害活性を有する新規なプロリン誘導体に関するも
のであり、医薬の分野で利用される。
【0002】
【従来の技術】高齢化社会の到来に伴い老人医療の問題
が重要視されてきており、なかでも老人性痴呆は社会的
にも深刻な問題となってきている。そして、これに対応
するべく新たな医薬品の開発が種々なされている。しか
しながら、これまでの健忘症や痴呆等の治療薬は、その
作用メカニズムから脳循環改善薬、脳代謝賦活薬あるい
は脳機能改善薬といった曖昧な表現が多く、いずれも意
欲障害、感情障害、行動異常など周辺症状の改善には有
効であるが、記憶障害や見当識障害など痴呆の中核症状
に対しては、その効果が必ずしも明確ではなく、より確
実な作用効果をもたらす薬剤の開発が望まれている。
【0003】一方、プロリルエンドペプチダーゼ(Pr
oryl endopeptidase;EC,3.
4.21.26)は、プロリンを含むペプチドに作用す
る酵素であり、プロリンのカルボキシル基側を特異的に
切断することが知られている。本酵素は、サイロトロピ
ン放出ホルモン(TRH)やサブスタンスP、ノイロテ
ンシンなどの神経伝達物質に作用するとともに、学習、
記憶の過程に関与しているとされているバソプレシンに
も作用し、これらを分解、不活性化することが知られて
いる。
【0004】これらの知見から、本酵素に対して阻害活
性を有する化合物を得ることができるならばこれら化合
物は、バソプレシン等の分解、不活性化を抑制し、痴呆
の中核症状に直接作用する薬剤として、健忘症又は痴呆
の予防や治療に応用できる可能性が期待され(生化学、
55、831(1983):日薬理誌、89、243
(1987):J.Pharmacobio−Dy
n.、10、730(1987)参照)、またTRH、
サブスタンスP、ノイロテンシンなどのホルモン、神経
伝達物質の分解、不活性化を抑えることにより、これら
の物質の分解、不活性化に帰因する諸疾患の症状改善に
も有効性を示すことが期待される。このような観点か
ら、従来よりプロリルエンドペプチダーゼ阻害剤に関す
る開発が種々行われており、例えば、特開昭60−18
8317号公報、特開昭62−148467号公報、特
開昭64−42475号公報又は特開平2−28149
号公報等には各種のプロリン誘導体が記載、開示されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明者らは、
前述の知見に基づき、アミノ酸、特にプロリン残基をフ
ラグメントとして有し、プロリルエンドペプチダーゼの
作用を特異的にかつ強く阻害する化合物を見出すべく鋭
意研究を重ねた結果、前記一般式〔1〕で示される新規
なプロリン誘導体が、特異的かつ強力なプロリルエンド
ペプチダーゼ阻害活性を有することを見出し、本発明を
完成した。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式〔1〕
【化5】
【化6】 (但し、kは1乃至3の整数を、Rは水素原子又は低
級アルキル基を意味する)、Wは
【化7】 又はCH−を(但し、Rは水素原子、ハロゲン原子
又は低級アルコキシ基を意味する)、Xは−S−,−S
O−,−SO−,−O−又は−NH−を、Rは
【化8】 又は低級アルキル基を(但し、1は0乃至3の整数を、
Y及びZは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、
フッ素原子で置換されてもよい低級アルキル基、アミノ
基、ニトロ基、水酸基、低級アルコキシ基を意味する。
更にYとZは一緒になって飽和または不飽和の五および
六員環を形成してもよい)、nは1乃至6の整数を意味
する〕で示される新規なプロリン誘導体を提供すること
を目的とするものであり、また本発明の他の目的は上記
新規なプロリン誘導体〔1〕を有効成分として含有する
プロリルエンドペプチダーゼ阻害剤として有用な医薬組
成物を提供することである。
【0007】なお、本明細書において使用する各種置換
基の定義は以下の通りである。「ハロゲン原子」とは塩
素、臭素、フッ素、ヨウ素である。「低級アルキル基」
とは炭素数1乃至5の直鎖または分枝状の炭化水素鎖を
意味し、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等
である。「低級アルコキシ基」とは、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等であ
る。本発明に係る一般式〔1〕で示される新規なプロリ
ン誘導体は、例えば下記に示す反応工程に従い製造する
ことができる。
【0008】
【化9】
【化10】 上記それぞれの反応工程について更に説明する。 な
お、記号A、B、W、X、R、k及びn等については前
記と同義である。
【0009】反応(A) 一般式〔2〕で示される化合物を、強塩基の存在下でト
リメチルスルホニウムヨーダイドあるいはトリメチロキ
ソスルホニウム ヨーダイドより誘導されるサルファー
イリドと反応させ、一般式〔3〕で示されるエポキシド
を得るものである。この反応は、例えば、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、へキサンなどの無水の不活性溶媒
中n−ブチルリチウム又は水素化ナトリウム−ジメチル
スルホキシドを用いて上記のスルホニウム塩よりサルフ
ァーイリドを生じさせ、次いで化合物〔2〕と反応させ
ることにより達成させる。反応温度は−70℃乃至還流
温度、好ましくは−10℃乃至室温で行う。
【0010】反応(B) 一般式〔3〕で示される化合物を、塩基の存在下又は非
存在下、適当な溶媒中において、一般式HX−R (X
=S,O,NH)で示される化合物〔4〕と反応させ、
一般式〔5〕で示されるアルコール体を得るものであ
る。具体的に述べるならば、例えば、Xがイオウ原子で
ある HS−Rとの反応は、トリエチルアミン、N−メ
チルモルホリンなど三級アミンの存在下、メタノール、
ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中にて実
施される。Xが酸素原子であるHO−Rとの反応の場合
には、メタノール中ナトリウムメトキシドを用いるか、
又はジオキサン、ジメチルホルムアミドなどの溶媒中水
素化ナトリウムを用いてHO−Rをアニオン O−Rと
した後に〔3〕との反応を行う。XがNHである H
N−Rとの反応は、メタノール、ジオキサンなどの溶媒
中で実施される。反応温度は、いずれの場合も室温乃至
還流温度である。
【0011】反応(C) 一般式〔5〕あるいは
〔9〕で示される中間体のアミノ
保護基であるt−ブトキシカルボニル基(Boc基)を
公知の方法に従って除去し、これを式〔6〕で示される
化合物と縮合反応させて、各々、化合物〔7〕及び〔1
0〕を得るものである。アミノ保護基であるBoc基の
除去は、式〔5〕又は
〔9〕で示される中間体を、公知
の方法により臭化水素酸/酢酸、塩酸/ジオキサン、ギ
酸、塩酸/酢酸、トリフルオロ酢酸等を用い、−30℃
乃至70℃、好ましくは0℃ 乃至30℃で酸処理する
事により除去できる。次に、このようにして得られた脱
Boc体を、常法により化合物〔6〕と縮合反応させて
アミノ酸誘導体〔7〕あるいは〔10〕を得る。このペ
ブチド形成反応はそれ自体公知の手法を採用できる。通
常使用できる手法としては、N,N’−ジシクロヘキシ
ルカルボジイミド(DCC)を縮合剤とする方法、活性
エステル法、混合酸無水物法等が挙げられる。反応は不
活性溶媒中、0℃乃至加温下で行う。好適な溶媒として
はクロロホルム、ジエチルエーテル、ジメチルホルムア
ミド、酢酸エチル、ジクロロメタン、テトラヒドロフラ
ン等を用いることができる。活性エステル法は、上記化
合物〔6〕を不活性溶媒中で、DCCの存在下、p−ニ
トロフェノール、チオフェノール、p−ニトロチオフェ
ノール、N−ヒドロキシスクシンイミド等と反応させる
ことによって活性エステル(例えば、N−ヒドロキシサ
クシンイミドとのエステル)となし、これを単離又は単
離することなく、更に上記の脱Boc体と不活性溶媒中
0℃乃至40℃で反応させてペプチド結合を形成するも
のである。混合酸無水物法は、不活性溶媒中で第三級ア
ミン(例えば、ピリジン、トリエチルアミン)の存在下
に、上記化合物〔6〕と酸ハライド(例えば、ピバロイ
ルクロライド、トシルクロライド、オキザリルクロライ
ド)又は酸誘導体(例えば、クロロギ酸エチル、クロロ
ギ酸イソブチル)を0℃乃至40℃で反応させることに
より混合酸無水物となし、更にこの混合酸無水物を上記
の脱Boc体と0℃乃至40℃で反応させてペプチド結
合を形成するものである。また、DCC法は、不活性溶
媒中でトリエチルアミン等の上記第三級アミンの存在下
または非存在下、または、好適なアディティブ(例え
ば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、
N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボ
ン酸イミド(HONB))の添加または非添加の条件下
で、DCCを縮合剤として、上記脱Boc体と〔6〕を
反応させることにより所望のペプチド結合を形成するも
のである。
【0012】反応(D) 一般式〔7〕、〔8〕または〔11〕で示されるアルコ
ール体を適当な酸化剤を用いて酸化し、最終目的物
〔1〕を得るものである。本反応は、例えば、ベンゼ
ン、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド等の不活性溶
媒中で0℃乃至還流温度、好ましくは0℃乃至室温で、
モレキュラーシーブの存在下、または非存在下、ピリジ
ニウム クロロクロメートあるいはピリジニウム ジク
ロメートを用いるか、または、塩化メチレン等の不活性
溶媒中で−80℃乃至室温、好ましくは−80℃乃至0
℃で、塩化オキザリルとトリエチルアミンの存在下、ジ
メチルスルホキシドを用いるか、又は不活性溶媒(例え
ばベンゼン)の共存下又は非共存下で0℃乃至室温に
て、ピリジン、トリフルオロ酢酸、ジメチルスルホキシ
ドの存在下、DCCを用いるか、あるいは不活性溶媒
(例えばベンゼン)の共存下又は非共存下で−10℃乃
至室温にて、トリエチルアミンなどの三級アミン及びジ
メチルスルホキシドの存在下、三酸化イオウ−ピリジン
錯体を用いることにより達成される。
【0013】反応(E) 一般式〔7〕で示される化合物のうち、Xがイオウ原子
である化合物をm−クロロ過安息香酸などの過酸を用い
て酸化し、一般式〔8〕で示されるスルホキシド体、ス
ルホン体を得るものである。具体的には、塩化メチレ
ン、クロロホルム、ベンゼンなどの不活性溶媒中、−2
0℃乃至還流温度、好ましくは0℃乃至室温で1当量あ
るいは2当量のm−クロロ過安息香酸を用いることによ
り、各々スルホキシド体あるいはスルホン体を得ること
ができる。
【0014】反応(F) XがNHである一般式〔5〕で示される化合物を、ペプ
チド化学において公知の方法を用い、アミノ保護基R
を導入して化合物
〔9〕を得るものである。アミノ保護
基Rとしては各種のものが考えられるが、次反応
〔9〕→〔10〕)における脱Boc化の為の酸処理
に対し安定でなければならず、例えば、アシル型保護基
であるホルミル基、トリフルオロアセチル基などやウレ
タン型保護基である9−フルオレニルメチルオキシカル
ボニル基、メチルスルホニルエチルオキシカルボニル基
などがある。これら保護基の導入は公知の方法(「ペプ
チド合成の基礎と実験」、泉屋ら著、丸善)により達成
できる。例えば、トリフルオロアセチル基の導入は、メ
タノールなどの溶媒中、トリエチルアミンなどの三級ア
ミンの存在下、0℃乃至室温、好ましくは室温において
トリフルオロ酢酸エチルエステルとの反応により行われ
る。本反応においては、必要であれば事前に遊離水酸基
を適当な保護基で保護した後にRを導入してもよい。
【0015】反応(G) 一般式〔10〕で示される化合物のアミノ保護基R
除去して化合物〔11〕を得るものである。アミノ保護
基Rの除去法は、保護基の種類により異なるが、ペプ
チド化学において公知の方法を用いることができ、上記
反応(F)との兼ね合いから、主に接触還元、あるいは
塩基処理により達成される。例えば、トリフルオロアセ
チル基の除去は、メタノールなどの溶媒中、塩基として
炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニアなどを用
い、0℃乃至還流温度、好ましくは室温において行われ
る。
【0016】次に前述の一般式〔6〕で示される公知又
は新規な中間体化合物について述べる。中間体化合物Q
−COOHは、さらに詳しくは次の一般式 W−(CH−A−CO−B−COOH (式中、A,B,W,nは前記と同じ)で示され、市販
として入手不能な場合には、例えば、次の如き方法によ
り製造することができる。 反応 W−(CH−A−CO−Y +H−B−COOMe ─→W−(CH−A−CO−B−COOMe ─→W−(CH−A−CO−B−COOH 反応 W−(CH−A−H +V−CO−B−COOMe ─→W−(CH−A−CO−B−COOMe ─→W−(CH−A−CO−B−COOH (式中、Vはクロル原子又は水酸基を示す。尚、上記
反応においてはメチルエステルを用いたが、これに限定
されるものではなく、例えばベンジル エステル等を用
いることもできる) 特に上記反応は、Aが酸素原子又は単結合でかつBが
【化11】 反応は、Aが−NH−又は−CONH−でかつBが
【化12】 又は−(CH−の場合に有効な方法である。これ
らの反応について更に詳しく説明すれば次の通りであ
る。
【0017】反応 一般式H−B−COOMeで示されるアミノ化合物を、
塩化メチレン、クロロホルム、ジオキサン、水等の溶媒
中、トリエチルアミン、N−メチルモルホリン等の三級
アミンあるいは水酸化ナトリウムの存在下0℃乃至室温
において一般式W−(CH−A−CO−Clで示
される化合物と反応させるか、又は、前記反応(C)に
おいて詳述したペプチド結合形成反応を用いて一般式W
−(CH−A−CO−OH と反応させる。次い
で得られた一般式 W−(CH−A−CO−B−COOMe で示される化合物を常法により、水酸化ナトリウム、水
酸化リチウムなどの塩基を用い、0℃乃至室温で加水分
解する。
【0018】反応 一般式W−(CH−A−H で示されるアミノ
(又はアミド)化合物を、塩化メチレン、クロロホル
ム、ジオキサン、水等の溶媒中、トリエチルアミン、N
−メチルモルホリン等の三級アミン又は水酸化ナトリウ
ムの存在下、0℃乃至室温において、一般式Cl−CO
−B−COOMe で示される酸クロリドと反応させる
か、又は、前記反応(C)において詳述したペプチド結
合形成反応を用いて一般式 HO−CO−B−COOM
eで示されるカルボン酸と反応させる。次いで得られた
一般式W−(CH−A−CO−B−COOMe
(式中Rは適当なアミノ保護基)で示される化合物を
反応の場合と同様に加水分解する。次に、前記におい
て、化合物〔7〕及び化合物〔10〕は各々化合物
〔5〕又は化合物
〔9〕を化合物〔6〕と縮合反応する
ことにより調製しているが、以下のように段階的に行っ
てもよい。すなわち、Bが−(CH−、
【化13】 以外の場合には、反応(K)に示すように一般式R
B−COOH(Rは適当なアミノ保護基)で示される
化合物を前記反応(C)の場合と同様にして化合物
〔5〕との縮合反応を行うことにより一般式〔17〕で
示される化合物を得る。次いで、反応(L)に示すよう
に本化合物〔17〕のアミノ保護基Rを公知の方法に
より除去した後に、一般式W−(CH−A−H
(AがO、NH、CONH、の場合)又は一般式W−
(CH−COOH(Aが単結合の場合)で示され
る化合物と反応することにより目的とする化合物〔7〕
を得ることができる。前者においては、例えば、W−
(CH−A−Hをジオキサン、テトラヒドロフラ
ンなどの適当な溶媒中で、トリエチルアミンなどの三級
アミンの存在下、−20℃から室温において、ホスゲ
ン、ジホスゲン、カルボニルジイミダゾールなどと反応
し、次いで化合物〔17〕の脱保護体と反応させること
により達成される。必要であれば、化合物〔17〕の遊
離水酸基を適当な保護基を用いて保護した後に実施して
もよい。後者におけるAが単結合の場合には、化合物
〔17〕の脱保護体を前述の反応(C)で述べた方法を
用い、W−(CH−COOHとの縮合反応を行う
ことにより達成される。一方、Bが−(CH−、
【化14】 の場合には、反応(M)に示すように、一般式R−O
−CO−B−COOH(式中Rは適当なカルボニル保
護基)で示される化合物を前記反応(C)の場合と同様
にして化合物〔5〕との縮合反応を行い化合物〔18〕
を得る。次いで反応(N)に示すように、本化合物〔1
8〕のカルボニル保護基Rを常法により除去した後、
一般式W−(CH−A−Hで示される化合物との
反応を行うことにより目的とする化合物〔7〕を得るこ
とができる。具体的にはW−(CH−OHを用い
ての常法によるエステル化反応、W−(CH−N
を用いての前記反応(C)に述べたアミド結合生成
反応あるいは化合物〔18〕の脱保護(R)により得
られた遊離カルボン酸を常法により酸クロリド、活性エ
ステルなどに誘導後W−(CH−NHとの反応
を行うことにより達成される。必要であれば、化合物
〔18〕の遊離水酸基を適当な保護基を用いて保護した
後に実施してもよい。化合物〔10〕の調製法に関して
も、Bが−(CH−、
【化15】 以外の場合には、化合物
〔9〕より上記反応(K)と同
様にして一般式〔19〕で示される化合物とした後、上
記と同様に反応(L)を行うことにより目的とする化合
物〔10〕を調製することができる。またBが−(CH
−、
【化16】 の場合には、化合物
〔9〕を上記反応(M)に付するこ
とにより化合物〔20〕とした後、上記と同様に反応
(N)を行うことにより化合物〔10〕を調製すること
ができる。
【0019】このようにして得られた一般式〔1〕で示
される化合物の反応混合物中からの単離、精製は、有機
合成化学の分野で慣用されている任意の手段を用いるこ
とにより実施することができ、例えば、カラムクロマト
グラフィー、溶媒抽出、再結晶等の方法により単離、精
製することができる。単離、精製は、各反応毎に行って
もよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。上
記一連の化合物は各々その分子中に1個乃至3個の不斉
中心を有するが、本発明においては、それぞれの不斉中
心の立体配置はR、Sのいずれでも、またそれらの混合
物であってもよい。それぞれの光学活性物質は、光学活
性な化合物を出発原料として用いるか、又は得られたジ
アステレオマ−混合物をカラムクロマトグラフィー、再
結晶等の方法により精製することにより得ることができ
る。
【0020】なお、下記一般式〔1〕
【化17】 で示される光学活性なスルフィニル化合物は、下記に示
す工程に従い製造することができる。
【化18】 上記それぞれの反応工程についてさらに説明する。ここ
で、記号A、B、W、R及びnは前記と同様であり、ま
た反応(C)、(D)、(K)、(L)、(M)及び
(N)については前述したとおりである。
【0021】反応(H) 一般式〔12〕で示される化合物を文献記載の方法
(P.Pitchen et.al.,J.Am.Ch
em.Soc.,106,8188−8193(198
4);S.H.Zhao et.al.,Tetrah
edron,43,5135−5144(1987)な
ど)に従い、不斉酸化することにより、一般式〔13〕
で示される光学活性なスルホキシドを得るものである。
この反応は、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロ
エタンなどの溶媒中でチタニウム テトライソプロポキ
シド、光学活性な酒石酸ジエチル及び水の存在下、0℃
以下、好ましくは−40℃から−20℃においてt−ブ
チルヒドロペルオキシドあるいはクメンヒドロペルオキ
シドを用いて行う。
【0022】反応(J) 一般式〔13〕で示される光学活性なスルホキシドを塩
基で処理してイリドとし、これを一般式〔14〕または
〔15〕で示されるエステルまたはアルデヒドと縮合さ
せ、各々、一般式〔1〕または〔16〕で示される光学
活性なスルフィニル化合物を得るものである。この反応
は、例えば、光学活性なスルホキシド〔13〕をTH
F、ジオキサンなどの不活性な有機溶媒中、−78℃か
ら室温、好ましくは0℃以下の反応温度においてn−ブ
チルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドなどの塩
基を用いて対応するイリドを生成させ、次いでエステル
〔14〕またはアルデヒド〔15〕を加えて−78℃か
ら室温、好ましくは−78℃から−20℃で縮合反応を
行うことにより達成される。
【0023】本発明の化合物を医薬品として用いるに
は、通常、全身的又は局所的に、経口又は非経口で投与
される。投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与
方法等により異なるが、通常成人一人あたり、一回に1
mg〜500mgの範囲で、1日1回〜数回経口投与さ
れるか、又は成人一人あたり、1回0.2mg〜100
mgの範囲で1日1回〜数回非経口投与される。本発明
化合物は、経口投与のための固体組成物、液体組成物又
は非経口投与のための注射剤、坐剤等の形態で用いられ
る。経口投与のための固体組成物には錠剤、丸剤、カプ
セル剤、散剤、顆粒剤等が含まれる。このような固体組
成物においては、ひとつ又はそれ以上の活性物質が、少
なくともひとつの不活性な希釈剤と混合して用いられ、
必要に応じて賦形剤、結合剤、潤滑剤、崩壊剤、溶解補
助剤や安定化剤等を含有してもよい。錠剤又は丸剤は、
必要に応じ胃溶性又は腸溶性物質のフィルムで被膜して
もよい。カプセル剤にはハードカプセル及びソフトカプ
セルが含まれる。経口投与のための液体組成物として
は、溶液剤、乳濁剤、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル
剤が含まれる。このような液体組成物においては、一般
的に用いられる不活性な希釈剤が含まれ、それ以外に、
湿潤剤、懸濁剤のような補助剤、甘味剤、風味剤、芳香
剤、防腐剤を含有していてもよい。非経口投与のための
注射剤としては、無菌の水性または非水性の溶液剤、懸
濁剤、乳濁剤が含まれる。このような注射剤において
は、ひとつ又はそれ以上の活性物質が、少なくともひと
つの不活性な水性の希釈剤や不活性な非水性の希釈剤と
混合して用いられ、必要に応じて、さらに防腐剤、湿潤
剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤のような補
助剤を含有していてもよい。これらは通常、濾過(バク
テリア保留フィルター等)、殺菌剤の配合又はガンマー
線照射によって無菌化されるか、又はこれらの処理をし
た後、凍結乾燥等の方法により固体組成物とし、使用直
前に無菌水、又は無菌の注射用希釈剤を加えて使用され
る。
【0024】〔実施例〕以下、実施例を挙げて本発明を
更に具体的に説明する。なお、実施例中で使用した略号
は以下の意味を表わす。 DMF ジメチルホルムアミド DMSO ジメチルスルホキシド THF テトラヒドロフラン HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール DCC N,N’−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド H NMR ブロトン核磁気共鳴スペクトル CI−MS 化学イオン化質量分析スペクトル FAB−MS 高速原子衝撃質量分析スペクトル EI−MS 電子衝撃イオン化質量分析スペクトル
【0025】実施例1 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔(フェニルチオ)アセチル〕ピロリ
ジン(化合物1) A)(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
(1,2−エポキシエチル)ピロリジン 水素化ナトリウム(Na含有率60%,1.55g)に
DMSO(20ml)を加え、70℃で1時間攪拌し
た。反応液を室温にもどしTHF(20ml)を加えた
後、−5℃とし、トリメチルスルホニウム ヨウダイド
(7.90g)のDMSO(30ml)溶液を3分かけ
て滴下した。1分間攪拌した後、t−ブトキシカルボニ
ル−L−プロリナール(5.13g)のTHF(15m
l)溶媒を素早く加え、次いで室温で1時間攪拌した。
反応液を氷水(300ml)中に注ぎ、クロロホルムで
抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウ
ムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(溶離液:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製
し、(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
(1,2−エボキシエチル)ピロリジンの2種のジアス
テレオマー、低極性体3.12g及び高極性体1.28
gを得た(両者のエポキシ部の立体については未決
定)。以下の反応においては低極性体を用いた。
【0026】B)(2S)−1−(t−ブトキシカルボ
ニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルチオ)
エチル〕ピロリジン (2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
(1,2−エポキシエチル)ピロリジン(3.00g)
のメタノール(100ml)溶液にチオフェノール
(1.5ml)とトリエチルアミン(2.0ml)を加
え2時間還流攪拌した。反応液を濃縮して得た残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン
−酢酸エチル)にて精製し、(2S)−1−(t−ブト
キシカルボニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェ
ニルチオ)エチル〕ピロリジン(4.14g)を得た。
【0027】C)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシー
−2−(フェニルチオ)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−〔1
−ヒドロキシ−2−(フェニルチオ)エチル〕ピロリジ
ン(4.90g)に4N塩酸−ジオキサン(57ml)
を加え、室温で1時間攪拌した。反応液を濃縮乾燥して
得られた残渣をDMF(100ml)に溶かし、公知の
N−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリン(3.7
9g)、N−メチルモルホリン(1.54g)及びHO
Bt(3.08g)を加えた。反応液を−25℃に冷却
後、DCC(3.13g)を加え、反応液を−25℃か
ら0℃で3時間、次いで室温で16時間攪拌した。析出
したジシクロヘキシルウレアを濾去後、濾液を濃縮し
た。残渣を酢酸エチルに溶かし、飽和重曹水、飽和食塩
水で順次洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ク
ロロホルム−メタノール)にて精製し、(2S)−1−
(N−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリル)−2
−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルチオ)エチル〕ピ
ロリジン(6.56g)を得た。
【0028】D)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔(フェニルチオ)
アセチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルチ
オ)エチル〕ピロリジン(908mg)をDMSO(3
ml)とベンゼン(3ml)に溶かし、次いでピリジン
(162μl)、トリフルオロ酢酸(78μl)および
DCC(1.24g)を順次加え、室温で1時間攪拌し
た。反応液に酢酸エチル(50ml)を加え、次いでシ
ュウ酸(540mg)のメタノール(5ml)溶液を加
え30分間攪拌した。反応液に水(50ml)を加え、
析出したジシクロヘキシルウレアを濾去した。濾液を1
N塩酸、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム−メタノ
ール)にて精製し、(2S)−1−(N−ベンジルオキ
シカルボニル−L−プロリル)−2−〔(フェニルチ
オ)アセチル〕ピロリジン(714mg)を得た(表1
参照)。
【0029】実施例2 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔(フェニルスルフィニル)アセチ
ル〕ピロリジン(化合物2) A)(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−
L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニ
スルフィニル)エチル〕ピロリジン 実施例1のC)で調製した(2S)−1−(N−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒド
ロキシ−2−(フェニルチオ)エチル〕ピロリジン(9
08mg)の塩化メチレン(30ml)溶液にm−クロ
ロ過安息香酸(380mg)を加え、氷冷下2時間攪拌
した。反応液をクロロホルムで希釈後、氷冷した10%
亜硫酸ナトリウム、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄
し、硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム
−メタノール)にて精製し、(2S)−1−(N−ベン
ジルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒ
ドロキシ−2−(フェニルスルフィニル)エチル〕ピロ
リジン(895mg)を得た。
【0030】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔(フェニルスルフ
ィニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルス
ルフィニル)エチル〕ピロリジン(850mg)を、実
施例1のD)におけると同様にしてDMSO−DCC酸
化に付し、(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボ
ニル−L−プロリル)−2−〔(フェニルスルフィニ
ル)アセチル〕ピロリジン(672mg)を得た(表1
参照)。
【0031】実施例3 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔(フェニルスルホニル)アセチル〕
ピロリジン(化合物3) A)(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−
L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニ
ルスルホニル)エチル〕ピロリジン 実施例1のC)で調製した(2S)−1−(N−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒド
ロキシ−2−(フェニルチオ)エチル〕ピロリジン(5
16mg)の塩化メチレン(30ml)溶液に、m−ク
ロロ過安息香酸(440mg)を加え、室温で3時間攪
拌した。反応液を実施例2のA)の場合と同様にして処
理、精製し、(2S)−1−(N−ベンジルオキシカル
ボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−
(フェニルスルホニル)エチル〕ピロリジン(540m
g)を得た。
【0032】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔(フェニルスルホ
ニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルス
ルホニル)エチル〕ピロリジン(500mg)を、実施
例1のD)におけると同様にして、DMSO−DCC酸
化に付し、(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボ
ニル−L−プロリル)−2−〔(フェニルスルホニル)
アセチル〕ピロリジン(412mg)を得た(表1参
照)。
【0033】実施例4 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−(フェノキシアセチル)ピロリジン
(化合物4) A)(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
(1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル)ピロリジン 実施例1のA)で調製した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−(1,2−エポキシエチル)ピロ
リジン(1.50g)のメタノール(30ml)溶液に
フェノール(1.50g)、ナトリウムメトキシド(3
80mg)を加え、16時間攪拌還流した。反応液を濃
縮後、残渣をエーテルに溶かし、1N塩酸、飽和重曹
水、飽和食塩水で順次洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥
後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィ−(溶離液:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、
(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−(1
−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル)ピロリジン
(1.10g)を得た。
【0034】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−ブロリル)−2−(1−ヒドロキシ−
2−フェノキシエチル)ピロリジン (2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−(1
−ヒドロキシ−2−フェノキシエチル)ピロリジン
(1.10g)に4N塩酸−ジオキサン(16ml)を
加え、室温で1時間撹拌した。反応液を濃縮乾燥して得
られた残渣をDMF(10ml)に溶かし、公知のN−
ベンジルオキシカルボニル−L−プロリン(850m
g)、N−メチルモルホリン(0.38ml)及びHO
Bt(0.68g)を加えた。反応液を−25℃に冷却
後、DCC(0.72g)を加え、−25℃から0℃で
3時間、次いで室温で12時間攪拌した。析出したジシ
クロヘキシルウレアを濾去後、濾液を濃縮した。残渣を
酢酸エチルに溶かし、飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗
浄し硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホル
ム−メタノール)にて精製し、(2S)−1−(N−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−(1−
ヒドロキシ−2−フェノキシエチル)ピロリジン(34
0mg)を得た。
【0035】C)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−(フェノキシアセチ
ル)ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノキシエ
チル)ピロリジン(393mg)を、実施例1のD)に
おけると同様にしてDMSO−DCC酸化に付し、(2
S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−プロ
リル)−2−(フエノキシアセチル)ピロリジン(32
8mg)を得た(表1参照)。
【0036】実施例5 (2S)−1−{N−〔(2−オキソ−1−ピロリジニ
ル)アセチル〕−L−プロリル}−2−〔(フェニルス
ルフィニル)アセチル〕ピロリジン(化合物5)A)N
−〔(2−オキソ−1−ピロリジニル)アセチル〕−L
−プロリン メチルエステル L−プロリン メチルエステル塩酸塩(8.28g)の
DMF(100ml)溶液に氷冷下、N−メチルモルホ
リン(5.50ml)、(2−オキソ−1−ピロリジニ
ル)酢酸(7.15g)及びHOBt(10.12g)
を加えた。混合液を−25℃に冷却し、DCC(10.
32g)を加え、室温で16時間攪拌した。析出したジ
シクロヘキシルウレアを濾去後、濾液を濃縮した。残渣
をシリカゲルカラムクロマトグラフイー(溶離液:クロ
ロホルム−メタノール)で精製し、N−〔(2−オキソ
−1−ピロリジニル)アセチル〕−L−プロリン メチ
ルエステル(12.94g)を得た。
【0037】B)N−〔(2−オキソ−1−ピロリジニ
ル)アセチル〕−L−プロリン N−〔(2−オキソ−1−ピロリジニル)アセチル〕−
L−プロリン メチルエステル(5.06g)のメタノ
ール(40ml)溶液に氷冷下、2N水酸化ナトリウム
溶液(12ml)を滴下し、室温で3時間攪拌した。氷
冷下、反応液に3N塩酸を加え、液性をpH5とした。
反応液を濃縮乾固した後、クロロホルムに懸濁させ、濾
過した。濾液を濃縮し、N−〔(2−オキソ−1−ピロ
リジニル)アセチル〕−L−プロリン(4.28g)を
得た。
【0038】C)(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2
−(フェニルチオ)エチル〕−1−{N−〔(2−オキ
ソ−1−ピロリジニル)アセチル〕−L−プロリル}ピ
ロリジン 実施例1のB)で調製した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニ
ルチオ)エチル〕ピロリジン(2.62g)に4N塩酸
−ジオキサン(40ml)を加え、室温で1時間攪拌し
た。反応液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF(20
ml)に溶かし、N−〔(2−オキソ−1−ピロリジニ
ル)アセチル〕−L−プロリン(1.95g)、N−メ
チルモルホリン(0.9ml)、およびHOBt(1.
31g)を加えた。反応液を−30℃に冷却後、DCC
(1.68g)を加え、−30℃から0℃で3時間、次
いで室温で16時間撹拌した。反応液を実施例1のC)
における場合と同様にして処理、精製し、(2S)−2
−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルチオ)エチル〕−
1−{N−〔(2−オキソ−1−ピロリジニル)アセチ
ル〕−L−プロリル}ピロリジン(2.95g)を得
た。
【0039】D)(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2
−(フエニルスルフィニル)エチル〕−1−{N−
〔(2−オキソ−1−ピロリジニル)アセチル〕−L−
プロリル}ピロリジン (2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルチ
オ)エチル〕−1−{N−〔(2−オキソ−1−ピロリ
ジニル)アセチル〕−L−プロリル}ピロリジン(2・
81g)の塩化メチレン(15ml)溶液に、氷冷下、
m−クロロ過安息香酸(1.09g)をくわえ2時間撹
拌した。反応液を実施例2のA)の場合と同様にして処
理後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて
精製し、(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェ
ニルスルフィニル)エチル〕−1−{N−〔(2−オキ
ソ−1−ピロリジニル)アセチル〕−L−プロリル}ピ
ロリジン(2.63g)を得た。
【0040】E)(2S)−1−{N−〔(2−オキソ
−1−ピロリジニル)アセチル〕−L−プロリル}−2
−〔(フェニルスルフィニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルスル
フィニル)エチル〕−1−{N−〔(2−オキソ−1−
ピロリジニル)アセチル〕−L−プロリル}ピロリジン
(938mg)を、実施例1のD)における場合と同様
にしてDMSO−DCC酸化に付し、(2S)−1−
{N−〔(2−オキソ−1−ピロリジニル)アセチル〕
−L−プロリル}−2−〔(フェニルスルフィニル)ア
セチル〕ピロリジン(817mg)を得た(表2参
照)。
【0041】実施例6 (2S)−1−〔4−(4−クロロベンジルアミノ)−
4−オキソブチリル〕−2−〔(フェニルスルフィニ
ル)アセチル〕ピロリジン(化合物6) A)(2S)−1−〔4−(4−クロロベンジルアミ
ノ)−4−オキソブチリル〕−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(フェニルチオ)エチル〕ピロリジン 実施例1のB)で調製した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニ
ルチオ)エチル〕ピロリジン(3.28g)に4N塩酸
−ジオキサン(25ml)を加え、室温で1時間攪拌し
た。反応液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF(20
ml)に溶かし、公知の4−(4−クロロベンジルアミ
ノ)−4−オキソ酪酸(2.46g)、N−メチルモル
ホリン(1.2ml)およびHOBt(1.64g)を
加えた。反応液を−25℃に冷却後、DCC(2.09
g)を加え、−25℃から0℃で3時間、次いで室温で
16時間攪拌した。反応液を実施例1のC)の場合と同
様に処理、精製し、(2S)−1−〔4−(4−クロロ
ベンジルアミノ)−4−オキソブチリル〕−2−〔1−
ヒドロキシ−2−(フェニルチオ)エチル〕ピロリジン
(3.75g)を得た。
【0042】B)(2S)−1−〔4−(4−クロロベ
ンジルアミノ)−4−オキソブチリル〕−2−〔1−ヒ
ドロキシ−2−(フェニルスルフィニル)エチル〕ピロ
リジン (2S)−1−〔4−(4−クロロベンジルアミノ)−
4−オキソブチリル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−
(フェニルチオ)エチル〕ピロリジン(3.75g)
を、実施例2のA)の場合と同様にして塩化メチレン中
で1.1当量のm−クロロ過安息香酸を用いて酸化し、
(2S)−1−〔4−(4−クロロベンジルアミノ)−
4−オキソブチリル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−
(フェニルスルフィニル)エチル〕ピロリジン(3.7
0g)を得た。
【0043】C)(2S)−1−〔4−(4−クロロベ
ンジルアミノ)−4−オキソブチリル〕−2−〔(フェ
ニルスルフィニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−〔4−(4−クロロベンジルアミノ)−
4−オキソブチリル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−
(フェニルスルフィニル)エチル〕ピロリジン(1.0
9g)を、実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO
−DCC酸化に付し、(2S)−1−〔4−(4−クロ
ロベンジルアミノ)−4−オキソブチリル〕−2−
〔(フェニルスルフィニル)アセチル〕ピロリジン(9
74mg)を得た(表2参照)。
【0044】実施例7 (2S)−1−〔N−(4−フェニルブチリル)−L−
プロリル〕−2−〔(フェニルスルフィニル)アセチ
ル〕ピロリジン(化合物7) A)N−(4−フェニルブチリル)−L−プロリン ベ
ンジルエステル L−プロリン ベンジルエステル塩酸塩(7.37g)
の塩化メチレン(80ml)溶液に、氷冷下、N−メチ
ルモルホリン(3.4ml)と4−フェニル酪酸(5.
02g)を加えた。−25℃に冷却後、DCC(6.3
1g)を加え、室温で16時間攪拌した。反応液を、実
施例5のA)の場合と同様にして処理、精製し、N−
(4−フェニルブチリル)−L−プロリン ベンジルエ
ステル(9.42g)を得た。
【0045】B)N−(4−フェニルブチリル)−L−
プロリン N−(4−フェニルブチリル)−L−プロリン ベンジ
ルエステル(9.31g)の99%メタノール(100
ml)溶液に、10%Pd−C(0.90g)を加え、
水素気流下室温にて2時間攪拌した。触媒をセライトを
用いて濾去後、濾液を濃縮し、N−(4−フェニルブチ
リル)−L−プロリン(6.26g)を得た。
【0046】C)(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2
−(フェニルチオ)エチル〕−1−〔N−(4−フェニ
ルブチリル)−L−プロリル〕ピロリジン 実施例1のB)で調製した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニ
ルチオ)エチル〕ピロリジン(3.05g)に4N塩酸
−ジオキサン(23ml)を加え、室温で0.5時間攪
拌した。反応液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF
(18ml)に溶かし、N−(4−フェニルブチリル)
−L−プロリン(2.65g)、N−メチルモルホリン
(1.2ml)とHOBt(1.88g)を加えた。反
応液を−25℃に冷却後、DCC(1.95g)を加
え、−25℃から0℃で2時間、次いで室温で14時間
攪拌した。反応液を実施例1のC)の場合と同様にして
処理、精製し、(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−
(フェニルチオ)エチル〕−1−〔N−(4−フェニル
ブチリル)−L−プロリル〕ピロリジン(2.45g)
を得た。
【0047】D)(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2
−(フェニルスルフィニル)エチル〕−1−〔N−(4
−フェニルブチリル)−L−プロリル〕ピロリジン (2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルチ
オ)エチル〕−1−〔N−(4−フェニルブチリル)−
L−プロリル〕ピロリジン(1.25g)を実施例2の
A)の場合と同様にして、塩化メチレン(9ml)中で
1.1当量のm−クロロ過安息香酸を用いて酸化し、
(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルスル
フイニル)エチル〕−1−〔N−(4−フェニルブチリ
ル)−L−プロリル〕ピロリジン(1.18g)を得
た。
【0048】E)(2S)−1−〔N−(4−フェニル
ブチリル)−L−ブロリル〕−2−〔(フェニルスルフ
ィニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルスル
フィニル)エチル〕−1−〔N−(4−フェニルブチリ
ル)−L−プロリル〕ピロリジン(1.07g)を、実
施例1のD)の場合と同様にしてDMSO−DCC酸化
に付し、(2S)−1−〔N−(4−フェニルブチリ
ル)−L−プロリル〕−2−〔(フェニルスルフィニ
ル)アセチル〕ピロリジン(0.89g)を得た(表2
参照)。
【0049】実施例8 (2S)−1−〔N−(ベンジルオキシカルボニル)グ
リシル〕−2−〔(フェニルスルフィニル)アセチル〕
ピロリジン(化合物8) A)(2S)−1−〔N−(ベンジルオキシカルボニ
ル)グリシル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニ
ルチオ)エチル〕ピロリジン 実施例1のB)で調製した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニ
ルチオ)エチル〕ピロリジン(2.65g)に4N塩酸
−ジオキサン(20ml)を加え、室温で0.5時間攪
拌した。反応液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF
(15ml)に溶かし、公知のN−(ベンジルオキシカ
ルボニル)グリシン(1.71g)、N−メチルモルホ
リン(0.9ml)とHOBt(1.33g)を加え
た。反応液を−25℃に冷却後、DCC(1.70g)
を加え、−25℃から0℃で2時間、次いで室温で14
時間攪拌した。反応液を実施例1のC)の場合と同様に
して処理、精製し、(2S)−1−〔N−(ベンジルオ
キシカルボニル)グリシル〕−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(フェニルチオ)エチル〕ピロリジン(3.06
g)を得た。
【0050】B)(2S)−1−〔N−(ベンジルオキ
シカルボニル)グリシル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2
−(フェニルスルフィニル)エチル〕ピロリジン (2S)−1−〔N−(ベンジルオキシカルボニル)グ
リシル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルチ
オ)エチル〕ピロリジン(1.32g)を実施例2の
A)の場合と同様にして、塩化メチレン(10ml)中
で1.1当量のm−クロロ過安息香酸を用いて酸化し、
(2S)−1−〔N−(ベンジルオキシカルボニル)グ
リシル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルスル
フィニル)エチル〕ピロリジン(1.35g)を得た。
【0051】C)(2S)−1−〔N−(ベンジルオキ
シカルボニル)グリシル〕−2−〔(フェニルスルフィ
ニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−〔N−(ベンジルオキシカルボニル)グ
リシル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−(フェニルスル
フィニル)エチル〕ピロリジン(1.30g)を実施例
1のD)の場合と同様にしてDMSO−DCC酸化に付
し、(2S)−1−〔N−(ベンジルオキシカルボニ
ル)グリシル〕−2−〔(フェニルスルフィニル)アセ
チル〕ピロリジン(0.94g)を得た(表2参照)。
【0052】実施例9 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔(4−メトキシフェニルスルフィニ
ル)アセチル〕ピロリジン(化合物9) A)(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
〔1−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニルチオ)
エチル〕ピロリジン 実施例1のA)で得た(2S)−1−(t−ブトキシカ
ルボニル)−2−(1,2−エポキシエチル)ピロリジ
ン(1.57g)のメタノール(50ml)溶液に4−
メトキシチオフェノール(1.0ml)とトリエチルア
ミン(1.0ml)を加え、1.5時間還流攪拌した。
反応液を濃縮して得た残渣を氷水に加え、酢酸エチルで
抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濃縮した。残渣をヘキサン−酢酸エチルの混
液より再結晶し、無色針状の標題化合物(2.16g)
を得た。
【0053】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(4−メトキシフェニルチオ)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−〔1
−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェニルチオ)エチ
ル〕ピロリジン(2.02g)に4N塩酸−ジオキサン
(15ml)を加え、室温で0.5時間攪拌した。反応
液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF(15ml)に
溶かし、実施例1のC)の場合と同様にして、公知のN
−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリン(1.42
g)と縮合することにより標題化合物(2.51g)を
得た。 C)(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−
L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メ
トキシフェニルスルフィニル)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メトキ
シフェニルチオ)エチル〕ピロリジン(1.51g)を
実施例2のA)の場合と同様にして塩化メチレン中で、
1.1当量のm−クロロ過安息香酸を用いて酸化し、標
題化合物(984mg)を得た。
【0054】D)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔(4−メトキシフ
ェニルスルフィニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メトキ
シフェニルスルフィニル)エチル〕ピロリジン(901
mg)を、実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO
−DCC酸化に付し、標題化合物(652mg)を得た
(表3参照)。
【0055】実施例10 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔(4−ニトロフェニルスルフィニ
ル)アセチル〕ピロリジン(化合物10) A)(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
〔1−ヒドロキシ−2−(4−ニトロフェニルチオ)エ
チル〕ピロリジン 実施例1のA)で得た(2S)−1−(t−ブトキシカ
ルボニル)−2−(1,2−エポキシエチル)ピロリジ
ン(1.39g)のメタノール(50ml)溶液に4−
ニトロチオフェノール(1.21g)とトリエチルアミ
ン(0.91ml)を加え2時間還流攪拌した。反応液
を濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液;ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し標題
化合物(1.85g)を得た。
【0056】B)(2S)−1−(N−べンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(4−ニトロフェニルチオ)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−〔1
−ヒドロキシ−2−(4−ニトロフェニルチオ)エチ
ル〕ピロリジン(1.64g)に4N塩酸−ジオキサン
(20ml)を加え、室温で0.5時間攪拌した。反応
液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF(12ml)に
溶かし、実施例1のC)の場合と同様にして、公知のN
−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリン(1.10
g)と縮合することにより標題化合物(2.03g)を
得た。 C)(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−
L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−ニ
トロフェニルスルフィニル)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−ニトロ
フェニルチオ)エチル〕ピロリジン(1.50g)を、
実施例2のA)の場合と同様にして塩化メチレン中で
1.1当量のm−クロロ過安息香酸を用いて酸化し、標
題化合物(894mg)を得た。
【0057】D)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔(4−ニトロフェ
ニルスルフィニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−ニトロ
フェニルスルフィニル)エチル〕ピロリジン(883m
g)を、実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO−
DCC酸化に付し、標題化合物(673mg)を得た
(表3参照)。
【0058】実施例11 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔(イソプロピルスルフィニル)アセ
チル〕ピロリジン(化合物11) A)(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
〔1−ヒドロキシ−2−(イソプロピルチオ)エチル〕
ピロリジン 実施例1のA)で得た(2S)−1−(t−ブトキシカ
ルボニル)−2−(1,2−エポキシエチル)ピロリジ
ン(2.11g)のメタノール(100ml)溶液にイ
ソプロピルメルカプタン(0.93ml)とトリエチル
アミン(1.39ml)を加え2時間還流攪拌した。反
応液を濃縮して得た残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液;ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し
標題化合物(1.66g)を得た。
【0059】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(イソプロピルチオ)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−〔1
−ヒドロキシ−2−(イソプロピルチオ)エチル〕ピロ
リジン(1.68g)に4N塩酸−ジオキサン(25m
l)を加え、室温で0.5時間攪拌した。反応液を濃縮
乾燥して得られた残渣をDMF(12ml)に溶かし、
実施例1のC)の場合と同様にして、公知のN−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−プロリン(1.46g)と縮
合することにより標題化合物(2.08g)を得た。
【0060】C)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(イソプロピルスルフィニル)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(イソプロピ
ルチオ)エチル〕ピロリジン(1.61g)を、実施例
2のA)の場合と同様にして塩化メチレン中で1.1当
量のm−クロロ過安息香酸を用いて酸化し、標題化合物
(1.40g)を得た。
【0061】D)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔(イソプロピルス
ルフィニル)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(イソプロピ
ルスルフィニル)エチル〕ピロリジン(1.34g)
を、実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO−DC
C酸化に付し、標題化合物(502mg)を得た(表3
参照)。
【0062】実施例12 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{〔(S)−フェニルスルフィニル〕
アセチル}ピロリジン(化合物12) A)(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−
L−プロリル)−2−{1−ヒドロキシ−2−〔(S)
−フェニルスルフィニル〕エチル}ピロリジン 実施例2のA)で得られた(2S)−1−(N−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒド
ロキシ−2−(フェニルスルフィニル)エチル〕ピロリ
ジン(6.72g)を再度中圧シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(溶離液;クロロホルム:メタノール=9
8:2)を用いて精製し、標題化合物(2.51g)、
標題化合物の対応する(R)−フェニルスルフィニル体
(2.20g)及び両者の混合物(1.87g)を得
た。
【0063】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−{〔(S)−フェニ
ルスルフィニル〕アセチル}ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{1−ヒドロキシ−2−〔(S)−フ
ェニルスルフィニル〕エチル}ピロリジン(600m
g)を、実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO−
DCC酸化に付し、得られた反応生成物を中圧シルカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:
メタノール=99.5:0.5)にて精製し、標題化合
物(242mg)を得た(表3参照)。
【0064】実施例13 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{〔(R)−フェニルスルフィニル〕
アセチル}ピロリジン(化合物13) 実施例12のA)で得られた(2S)−1−(N−ベン
ジルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−{1−ヒ
ドロキシ−2−〔(R)−フェニルスルフィニル〕エチ
ル}ピロリジン(1.00g)を、実施例1のD)の場
合と同様にしてDMSO−DCC酸化に付し、得られた
反応生成物を中圧シルカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液;クロロホルム:メタノール=99.5:0.
5)にて精製し、得られた油状物(500mg)をアセ
トン−エーテル−ヘキサンより再結晶し無色針状の標題
化合物(300mg)を得た(表4参照)。
【0065】実施例14 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{〔(S)−4−メトキシフェニルス
ルフィニル〕アセチル}ピロリジン(化合物14) A)(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−
L−プロリル)−2−{1−ヒドロキシ−2−〔(S)
−4−メトキシフェニルスルフィニル〕エチル}ピロリ
ジン 実施例9のC)で得られた(2S)−1−(N−ベンジ
ルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒド
ロキシ−2−(4−メトキシフェニルスルフィニル〕エ
チル}ピロリジン(575mg)を再度中圧シリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム:メ
タノール=98.5:1.5)を用いて精製し、標題化
合物(164mg)、標題化合物の対応する(R)−4
−メトキシフェニルスルフィニル体(221mg)及び
両者の混合物(175mg)を得た。
【0066】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−{〔(S)−4−メ
トキシフェニルスルフィニル〕アセチル}ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{1−ヒドロキシ−2−〔(S)−4
−メトキシフェニルスルフィニル〕エチル}ピロリジン
(152mg)を、実施例1のD)の場合と同様にして
DMSO−DCC酸化に付し、得られた反応生成物をシ
ルカゲル分取薄層クロマタグラフィー(展開溶媒;クロ
ロホルム:メタノール=98:2;二重展開)にて精製
し、標題化合物(97mg)を得た(表4参照)。
【0067】実施例15 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{〔(R)−4−メトキシフェニルス
ルフィニル〕アセチル}ピロリジン(化合物15) 実施例14のA)で得られた(2S)−1−(N−ベン
ジルオキシカルボニル−L−プロリル)−2−{1−ヒ
ドロキシ−2−〔(R)−4−メトキシフェニルスルフ
ィニル〕エチル}ピロリジン(182mg)を、実施例
1のD)の場合と同様にしてDMSO−DCC酸化に付
し、得られた反応生成物をシルカゲル分取薄層クロマト
グラフィー(展開溶媒;クロロホルム:メタノール=9
9:1;三重展開)にて精製し、標題化合物(134m
g)を得た(表4参照)。
【0068】実施例16 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{〔(S)−p−トリルスルフィニ
ル〕アセチル}ピロリジン(化合物16) A)(2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−
L−プロリル)−2−{1−ヒドロキシ−2−〔(S)
−p−トリルスルフィニル〕エチル}ピロリジン ジイソプロピルアミン(0.26ml)のTHF(6m
l)溶液に−78℃で1.62Mn−ブチルリチウム−
ヘキサン溶液(1.12ml)を滴下し0℃で0.5時
間攪拌した。反応液を−30℃に冷却し、(S)−
(−)−メチルp−トリル スルホキシド(255m
g)のTHF(6ml)溶液を滴下し、0℃で0.5時
間攪拌した。反応液を−78℃に冷却後、公知のN−ベ
ンジルオキシカルボニル−L−プロリル−L−プロリナ
ール(300mg)のTHF(6ml)溶液を滴下し
た。0.5時間攪拌後、飽和塩化アンモニウム水を加
え、室温で10分間攪拌した。反応液を酢酸エチルで抽
出し、有機層を飽和重曹水、飽和食塩水で順次洗浄後、
硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液;クロロホルム−メ
タノール)にて精製し標題化合物(388mg)をえ
た。
【0069】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−{〔(S)−p−ト
リルスルフィニル〕アセチル}ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニルーL−
プロリル)−2−{1−ヒドロキシ−2−〔(S)−p
−トリルスルフィニル〕エチル}ピロリジン(357m
g)を、実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO−
DCC酸化に付し、得られた反応生成物を中圧シルカゲ
ルカラムクロマタグラフィー(溶離液;クロロホルム:
メタノール=99:1)にて精製し、標題化合物(16
2mg)を得た(表4参照)。
【0070】実施例17 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−{〔(R)−p−トリルスルフィニ
ル)アセチル〕ピロリジン(化合物17) (S)−(−)−メチルp−トリルスルホキシドのかわ
りに(R)−(+)−メチルp−トリルスルホキシド
(43mg)を用い、実施例16の場合と同じ操作によ
り標題化合物(32mg)を得た(表5参照)。
【0071】実施例18 (2S)−2−{〔(S)−4−メトキシフェニルスル
フィニル〕アセチル}−1−〔N−(3−フェニルプロ
ピオニル)−L−プロリル〕ピロリジン(化合物18) A)N−(3−フェニルプロピオニル)−L−プロリン 4−フェニル酪酸のかわりに3−フェニルプロピオン酸
(13.67g)を用い、実施例7のA)B)の場合と
同じ操作により標題化合物(17.36g)を得た。
【0072】B)N−(3−フェニルプロピオニル)−
L−プロリル−L−プロリン ベンジルエステル L−プロリン ベンジルエステル塩酸塩(0.98g)
の塩化メチレン(20ml)溶液に、氷冷下、N−メチ
ルモルホリン(0.49ml)、N−(3−フェニルプ
ロピオニル)−L−プロリン(1.00g)及びHOB
t(0.60g)を加えた。−25℃に冷却後、DCC
(0.92g)を加え、ー25℃から0℃で2時間、次
いで室温で14時間攪拌した。反応液を、実施例5の
A)の場合と同様にして処理し、精製し、標題化合物
(1.39g)を得た。
【0073】C)(S)−(−)−4−メトキシフェニ
ルメチルスルホキシド チタニウムテトライソプロポキ
シド(1.49ml)の塩化メチレン(50ml)溶液
に(S,S)−酒石酸ジエチル(1.71ml)と水
(90μl)を加え室温で20分間攪拌した。1−メト
キシ−4−(メチルチオ)ベンゼン(0.69ml)を
滴下後、反応液を−20℃に冷却し、3.07Mt−ブ
チルヒドロペルオキシド−トルエン溶液(1.8ml)
を滴下し−20℃で15時間攪拌した。水(0.9m
l)を加えて更に−20℃で1時間、次いで室温で1時
間攪拌した。少量のアルミナを加えた後、反応液をセラ
イトを用いて吸引濾過し、塩化メチレンで十分に洗浄し
た。濾液と洗液を合わせ、5%水酸化ナトリウム−飽和
食塩水を加え室温で1時間攪拌した。有機層を分離し、
硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液;酢酸エチル)にて
精製して得られた残渣(730mg)をエーテル−ペン
タンより再結晶し、[α]−103゜(c=1.9
8、アセトン)の標題化合物(586mg)を得た。 D)(2S)−2−{〔(S)−4−メトキシフェニル
スルフィニル〕アセチル}−1−〔N−(3−フェニル
プロピオニル)−L−プロリル〕ピロリジン ジイソプロピルアミン(0.13ml)のTHF(8m
l)溶液に、−78℃で1.62Mn−ブチルリチウム
−ヘキサン溶液(1.2ml)を滴下し、0℃で0.5
時間攪拌した。反応液を−30℃に冷却後、(S)−
(−)−4−メトキシフェニル メチル スルホキシド
(157mg)のTHF(8ml)溶液を滴下し、0℃
で0.5時間攪拌した。反応液を−78℃に冷却後、N
−(3−フェニルプロピオニル)−L−プロリル−L−
プロリン ベンジルエステル(400mg)のTHF
(8ml)溶液をす早く加え0.5時間攪拌した。反応
液を実施例16のA)の場合と同様に処理して得られた
反応混合物を中圧シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液;クロロホルム:メタノール=99:1)にて
精製し標題化合物(195mg)を得た(表5参照)。
【0074】実施例19 (2S)−1−〔N−(3−フェニルプロピオニル)−
L−プロリル〕−2−{〔(S)−p−トリルスルフィ
ニル〕アセチル}ピロリジン(化合物19) (S)−(−)−4−メトキシフェニルメチルスルホキ
シドのかわりに(S)−(−)−メチル p−トリルス
ルホキシド(142mg)を用い、実施例18のD)の
場合と同じ操作により得られた油状物(231mg)を
ヘキサン−酢酸エチルより再結晶し無色針状の標題化合
物(160mg)を得た(表5参照)。
【0075】実施例20 (2S)−1−〔N−(3−フェニルプロピオニル)−
L−プロリル〕−2−{〔(S)−フェニルスルフィニ
ル〕アセチル}ピロリジン(化合物20) A)(S)−(−)−メチル フェニルスルホキシド 1−メトキシ−4−(メチルチオ)ベンゼンのかわりに
チオアニソール(5.87ml)を用い、実施例18の
C)の場合ど同じ操作により[α]−125°(C=
1.81、アセトン)の標題化合物(4.63g)を得
た。
【0076】B)(2S)−1−〔N−(3−フェニル
ブロピオニル)−L−プロリル〕−2−{〔(S)−フ
ェニルスルフィニル〕アセチル}ピロリジン (S)−(−)−4−メトキシフェニル メチル スル
ホキシドのかわりに(S)−(−)−メチルフェニルス
ルホキシド(129mg)を用い、実施例18のD)の
場合と同じ操作により得られた結晶性物質(202m
g)をヘキサン−酢酸エチルより再結晶し無色針状の標
題化合物(155mg)を得た(表5参照)。
【0077】実施例21 (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔(4−メトキシフェノキシ)アセチ
ル〕ピロリジン(化合物21) A)(2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−
〔1−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エ
チル〕ピロリジン 実施例1のA)で調製した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−(1,2−エポキシエチル)ピロ
リジン(11.70g)のメタノール(50ml)溶液
に4−メトキシフェノール(13.60g)と1Mナト
リウムメトキシド−メタノール溶液(54.9ml)を
加え、70℃で18時間攪拌した。反応液を飽和塩化ア
ンモニウム水中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液
を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濃
縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液;ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し標題化合
物(14.20g)を得た。
【0078】B)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(4−メトキシフェノキシ)エチル〕ピロリジン (2S)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−〔1
−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エチ
ル〕ピロリジン(14.03g)に4N塩酸−ジオキサ
ン(220ml)を加え、室温で1時間攪拌した。反応
液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF(100ml)
に溶かし、実施例1のC)の場合と同様にして、公知の
N−ベンジルオキシカルボニル−L−プロリン(10.
70g)と縮合することにより標題化合物(11.10
g)を得た。
【0079】C)(2S)−1−(N−ベンジルオキシ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔(4−メトキシフ
ェノキシ)アセチル〕ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルオキシカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メトキ
シフェノキシ)エチル〕ピロリジン(10.94g)を
実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO−DCC酸
化に付し、標題化合物 (10.78g)を得た(表6
参照)。
【0080】実施例22 (2S)−2−(フェノキシアセチル)−1−〔N−
(3−フェニルプロピオニル)−L−プロリル〕ピロリ
ジン(化合物22) A)(2S)−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノキシ
エチル)−1−〔N−(3−フェニルプロピオニル)−
L−プロリル〕ピロリジン 実施例4のA)で調製した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノキ
シエチル)ピロリジン(1.20g)を4N塩酸−ジオ
キサン(20ml)に溶かし、室温で0.5時間攪拌し
た。反応液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF(9m
l)に溶かし、実施例1のC)の場合と同様にして、実
施例18のA)で調製したN−(3−フェニルプロピオ
ニル)−L−プロリン(0.96g)とと縮合すること
により標題化合物(461mg)を得た。
【0081】B)(2S)−2−(フェノキシアセチ
ル)−1−〔N−(3−フェニルプロピオニル)−L−
プロリル〕ピロリジン (2S)−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノキシエチ
ル)−1−〔N−(3−フェニルプロピオニル)−L−
プロリル〕ピロリジン(425mg)を、実施例1の
D)の場合と同様にしてDMSO−DCC酸化に付し、
標題化合物(152mg)を得た(表6参照)。
【0082】実施例23 (2S)−2−〔(4−メトキシフェノキシ)アセチ
ル〕−1−〔N−(3−フェニルプロピオニル)−L−
プロリル〕ピロリジン(化合物23) A)(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メト
キシフェノキシ)エチル〕−1−〔N−(3−フェニル
プロピオニル)−L−プロリル〕ピロリジン 実施例21のA)で調製した(2S)−1−(t−ブト
キシカルボニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−
メトキシフェノキシ)エチル〕ピロリジン(455m
g)を4N塩酸−ジオキサン(7ml)に溶かし室温で
0.5時間攪拌した。反応液を濃縮乾燥して得られた残
渣をDMF(7ml)に溶かし、実施例1のC)の場合
と同様にして、実施例18のA)で調製したN−(3−
フェニルプロピオニル)−L−プロリン(335mg)
と縮合することにより標題化合物(138mg)を得
た。
【0083】B)(2S)−2−〔(4−メトキシフエ
ノキシ)アセチル〕−1−〔N−(3−フェニルプロピ
オニル)−L−プロリル〕ピロリジン (2S)−2−〔1−ヒドロキシー2−(4−メトキシ
フェノキシ)エチル〕−1−〔N−(3−フェニルプロ
ピオニル)−L−プロリル〕ピロリジン(128mg)
を、実施例1のD)の場合と同様にしてDMSO−DC
C酸化に付し、標題化合物(45mg)を得た(表6参
照)。
【0084】実施例24 (2S)−1−(N−ベンジルアミノカルボニル−L−
プロリル)−2−(フェノキシアセチル)ピロリジン
(化合物24) A)(2S)−1−〔N−(t−ブトキシカルボニル)
−L−プロリル〕−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノ
キシエチル)ピロリジン 実施例4のA)で調整した(2S)−1−(t−ブトキ
シカルボニル)−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノキ
シエチル)ピロリジン(1.93g)を4N塩酸−ジオ
キサン(31ml)に溶かし室温で0.5時間攪拌し
た。反応液を濃縮乾燥して得られた残渣をDMF(15
ml)に溶かし、N−(t−ブトキシカルボニル)−L
−プロリン(1.36g)、N−メチルモルホリン
(0.69ml)、HOBt(1.02g)及びDCC
(1.30g)を用い、実施例1のC)の場合と同様に
縮合反応を行うことにより標題化合物(2.10g)を
得た。
【0085】B)(2S)−1−(N−ベンジルアミノ
カルボニル−L−プロリル)−2−(1−ヒドロキシ−
2−フェノキシエチル)ピロリジン (2S)−1−〔N−(t−ブトキシカルボニル)−L
−プロリル〕−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノキシ
エチル)ピロリジン(0.99g)を4N塩酸−ジオキ
サン(13ml)に溶かし室温で0.5時間攪拌した。
反応液を濃縮乾燥して得られた残渣を塩化メチレン(1
0ml)に懸濁させ、氷冷下、N−メチルモルホリン
(0.27ml)とベンジルイソシアネート(0.30
ml)を順次滴下した。1.5時間攪拌後、反応液を氷
水中に注ぎ、塩化メチレンで抽出した。有機層を1N塩
酸、飽和重そう水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸
マグネシウムで乾燥し濃縮した。残渣を酢酸エチル−ヘ
キサン混液より再結晶し標題化合物(0.85g)を得
た。
【0086】C)(2S)−1−(N−ベンジルアミノ
カルボニル−L−プロリル)−2−(フェノキシアセチ
ル)ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルアミノカルボニル−L−
プロリル)−2−(1−ヒドロキシ−2−フェノキシエ
チル)ピロリジン(798mg)を実施例1のD)の場
合と同様にしてDMSO−DCC酸化に付し、処理後酢
酸エチル−ヘキサン混液より再結晶し標題化合物(42
7mg)を得た(表6参照)。
【0087】実施例25 (2S)−1−(N−ベンジルアミノカルボニル−L−
プロリル)−2−(4−メトキシフェノキシアセチル)
ピロリジン(化合物25) A)(2S)−1−〔N−(t−ブトキシカルボニル)
−L−プロリル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−
メトキシフェノキシ)エチル〕ピロリジン 実施例21のA)で調製した(2S)−1−(t−ブト
キシカルボニル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−
メトキシフェノキシ)エチル〕ピロリジン(1.57
g)を4N塩酸−ジオキサン(23ml)に溶かし室温
で1時間攪拌した。反応液を濃縮乾燥して得られた残渣
をDMF(15ml)に溶かし、N−(t−ブトキシカ
ルボニル)−L−プロリン(1.00g)、N−メチル
モルホリン(0.51ml)、HOBt(0.75g)
及びDCC(0.96g)を用い、実施例1のC)の場
合と同様に縮合反応を行うことにより標題化合物(1.
41g)を得た。
【0088】B)(2S)−1−(N−ベンジルアミノ
カルボニル−L−プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(4−メトキシフェノキシ)エチル〕ピロリジン (2S)−1−〔N−(t−ブトキシカルボニル)−L
−プロリル〕−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メト
キシフェノキシ)エチル〕ピロリジン(722mg)
を、実施例24のB)の場合と同様にして、4N塩酸−
ジオキサン処理後、ベンジルイソシアネート(0.21
ml)と反応させ標題化合物の結晶を(596mg)得
た。
【0089】C)(2S)−1−(N−ベンジルアミノ
カルボニル−L−ブロリル)−2−(4−メトキシフェ
ノキシアセチル)ピロリジン (2S)−1−(N−ベンジルアミノカルボニル−L−
プロリル)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メトキ
シフェノキシ)エチル〕ピロリジン(557mg)をD
MSO(3ml)、ベンゼン(1.5ml)、トリエチ
ルアミン(0.6ml)の混液に溶かし、氷冷下、三酸
化イオウーピリジン錯体(0.52g)を加えた。5〜
10℃で1時間攪拌後、反応液を氷水中に注ぎ酢酸エチ
ルで抽出した。有機層を1N塩酸、飽和重そう水、飽和
食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃
縮した。残渣を酢酸エチル−ヘキサン混液より再結晶
し、標題化合物を(374mg)得た(表7参照)。
【0090】実施例26 (2S)−1−(N−ベンジルアミノカルボニル−L−
プロリル)−2−{〔(S)−4−メトキシフェニルス
ルフィニル〕アセチル}ピロリジン(化合物26) A)N−(t−ブトキシカルボニル)−L−プロリル−
L−プロリン ベンジルエステル L−プロリンベンジルエステル塩酸塩 (3.37g)
の塩化メチレン懸濁液(60ml)に、氷冷下、N−メ
チルモルホリン(1.54ml)、N−(t−ブトキシ
カルボニル)−L−プロリン(3.00g)、HOBt
(2.08g)及び水溶性カルボジイミド塩酸塩(2.
95g)を順次加え1時間攪拌した。室温でさらに17
時間攪拌後、反応液を酢酸エチル中に注ぎ、1N塩酸、
飽和重そう水、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−酢酸エチル)
にて精製し、標題化合物(5.00g)を得た。
【0091】B)N−ベンジルアミノカルボニル−L−
プロリル−L−プロリンベンジルエステル N−(t−ブトキシカルボニル)−L−プロリル−L−
プロリンベンジルエステル(3.60g)を実施例24
のB)の場合と同様にして4N塩酸−ジオキサン処理
後、ベンジルイソシアネート(1.2ml)と反応させ
標題化合物の結晶(2.98g)を得た。
【0092】C)(2S)−1−(N−ベンジルアミノ
カルボニル−L−プロリル)−2−{〔(S)−4−メ
トキシフェニルスルフィニル〕アセチル}ピロリジン N−ベンジルアミノカルボニル−L−プロリル−L−プ
ロリン ベンジルエステル(2.00g)と実施例18
のC)で調製した(S)−(−)−4−メトキシフェニ
ル メチル スルホキシド(780mg)を用い、実施
例18のD)の場合と同様の反応を行うことにより、無
色針状晶の標題化合物を(629mg)得た(表7参
照)。
【0093】実施例27 (2S)−1−〔N−(4−メトキシベンジルアミノカ
ルボニル)−L−プロリル〕−2−{〔(S)−4−メ
トキシフェニルスルフィニル〕アセチル}ピロリジン
(化合物27) A)N−(4−メトキシベンジルアミノカルボニル)−
L−プロリル−L−プロリンベンジルエステル クロロ蟻酸トリクロロメチル(0.28ml)のTHF
溶液(40ml)に、−20℃にて、4−メトキシベン
ジルアミン(0.61ml)とトリエチルアミン(0.
65ml)のTHF溶液(20ml)を10分間で滴下
した。1時間攪拌後、実施例26のA)で調製したN−
(t−ブトキシカルボニル)−L−プロリル−L−プロ
リンベンジルエステルを4N塩酸−ジオキサン処理して
得たL−プロリル−L−プロリンベンジルエステル塩酸
塩(1.57g)の塩化メチレン溶液(20ml)及び
トリエチルアミン(1.3ml)を順次滴下し0.5時
間攪拌した。反応液を氷水中に注ぎ酢酸エチルで抽出し
た。有機層を1N塩酸、飽和重そう水、飽和食塩水で順
次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し濃縮した。残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢
酸エチル)にて精製し標題化合物を(1.34g)得
た。
【0094】B)(2S)−1−〔N−(4−メトキシ
ベンジルアミノカルボニル)−L−プロリル〕−2−
{〔(S)−4−メトキシフェニルスルフィニル〕アセ
チル}ピロリジン N−(4−メトキシベンジルアミノカルボニル)−L−
プロリル−L−プロリンベンジルエステル(1.30
g)と実施例18のC)で調製した(S)−(−)−4
−メトキシフェニルメチルスルホキシド(480mg)
を用い、実施例18のD)の場合と同様の反応を行うこ
とにより、無色針状晶の標題化合物(460mg)を得
た(表7参照)。
【0095】実施例28 (2S)−1−〔N−(4−メトキシベンジルアミノカ
ルボニル)−L−プロリル〕−2−(4−メトキシフェ
ノキシアセチル)ピロリジン(化合物28) A)(2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メト
キシフェノキシ)エチル〕−1−〔N−(4−メトキシ
ベンジルアミノカルボニル)−L−プロリル〕ピリジン クロロ蟻酸トリクロロメチル(0.20ml)、4−メ
トキシベンジルアミン(449mg)、トリエチルアミ
ン(0.45ml+0.89ml)及び実施例25の
A)で調製した(2S)−1−〔N−(t−ブトキシカ
ルボニル)−L−プロリル〕−2−〔1−ヒドロキシ−
2−(4−メトキシフェノキシ)エチル〕ピロリジンを
4N塩酸一ジオキサン処理して得た(2S)−2−〔1
−ヒドロキシ−2−(4−メトキシフェノキシ)エチ
ル〕−1−(L−プロリル)ピロリジン塩酸塩(1.1
8g)を用い、実施例27のA)と同様の反応を行うこ
とにより標題化合物(661mg)を得た。
【0096】B)(2S)−1−〔N−(4−メトキシ
ベンジルアミノカルボニル)−L−プロリル〕−2−
(4−メトキシフエノキシアセチル)ピロリジン (2S)−2−〔1−ヒドロキシ−2−(4−メトキシ
フェノキシ)エチル〕−1−〔N−(4−メトキシベン
ジルアミノカルボニル)−L−プロリル〕ピロリジン
(614mg)を、実施例25のC)の場合と同様にし
て、三酸化イオウ−ピリジン錯体(0.37g)を用い
て酸化することにより無色針状晶の標題化合物(387
mg)を得た(表7参照)。これら化合物1乃至28の
理化学的性状は表1乃至表7に示した。
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】 また、本発明はこれら実施例に限られるものでないこと
は勿論であり、例えば、表8に示した化合物29乃至4
4も本発明に属するものである。
【表8】
【0085】次に、本発明に係る前記一般式〔1〕で示
されるプロリン誘導体のin vitro系におけるプ
ロリルエンドペプチダーゼ阻害活性及び各種蛋白質分解
酵素に対する阻害活性について試験を行った。 試験例1 プロリルエンドペプチダーゼ阻害活性 0.1Mリン酸カリウム−ナトリウム緩衝液(pH7.
0)2675μl、本発明化合物の0.1Mリン酸カリ
ウム−ナトリウム緩衝液溶液(pH7.0)100μl
及びラットの脳より抽出したプロリルエンドペプチダー
ゼの25mMリン酸ナトリウム緩衝液溶液(123単位
/1,pH6.8,1mMジチオスレイトール及び0.
5mM EDTAを含む。J.Neurochem.,
35,527(1980)に記載の方法を用いた)10
0μlの混合液を、30℃で30分間プレインキュベー
トした。これに0.2mM 7−(N−スクシニル−グ
リシル−プロリル)−4−メチルクマリンアミド
((株)ペプチド研究所製)の0.1Mリン酸カリウム
−ナトリウム緩衝液溶液(pH7.0)125μlを加
え、30℃で1時間インキュベートした。反応液を氷中
(0℃)にひたして反応を停止し、10分後に励起波長
370nm、蛍光波長440nmにおける蛍光強度(a
)を測定した。同時に上記の系で、プロリルエンドベ
プチダーゼ溶液の代わりに25mMリン酸ナトリウム緩
衝液(pH6.8,1mM ジチオスレイトール及び
0.5mM EDTAを含む)を用いた実験と、本発明
化合物溶液の代わりに0.1Mリン酸カリウム−ナトリ
ウム緩衝液(pH7.0)を用いた実験を行い、各々、
蛍光強度aおよびaを測定した(蛋白質核酸酵素、
29,127(1984)参照)。プロリルエンドペプ
チダーゼ阻害率を数1により計算し、50%阻害に必要
な濃度(IC50)を片対数グラフを用いて求めた。試
験結果を表9に示す。
【数1】
【表9】 本試験結果から明らかなように、本発明化合物はプロリ
ルエンドペブチダーゼに対して優れた阻害活性を有する
ことが認められた。
【0086】試験例2 各種蛋白質分解酵素に対する阻害活性 本発明化合物について所定濃度における各種蛋白質分解
酵素に対する阻害活性の特異性について試験したとこ
ろ、表10からも明かな通り、本発明化合物はプロリル
エンドペプチダーゼを特異的に阻害することが認められ
た。
【表10】 なお、プロリルエンドペプチダーゼを除く各種蛋白質分
解酵素阻害活性の測定方法及び阻害率の算出方法は、下
記のとおりである。
【0087】●トリプシン阻害活性の測定 本試験においては、測定用緩衝液としては50mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH8.0)を使用した。同緩衝液8
50μl、本発明化合物の同緩衝液溶液50μl及びト
リプシン(ウシ膵臓由来、シグマ社製)の0.02μM
同緩衝液溶液50μlの混合液に、7−(プロリル−フ
ェニルアラニル−アルギニル)−4−メチルクマリンア
ミド((株)ペプチド研究所製)の200μM同緩衝液
溶液50μlを加え、30℃で1時間インキュベートし
た。反応液を氷中(0℃)に浸して反応を停止し、1時
間後に励起波長370nm、蛍光波長440nmにおけ
る蛍光強度(b)を測定した。同時に上記の系で、ト
リプシン溶液の代わりに同緩衝液を用いた実験と、本発
明化合物溶液のかわりに同緩衝液を用いた実験を行い、
同様にして、各々蛍光強度(b)及び(b)を測定
した。
【0088】●キモトリプシン阻害活性の測定 測定用緩衝液として50mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)を、酵素溶液としてキモトリプシン(ウシ膵臓
由来、シグマ社製)の0.2μM同緩衝液溶液を、基質
溶液として7−(N−スクシニル−ロイシル−ロイシル
−バリル−チロシル)−4−メチルクマリンアミド
((株)ペプチド研究所製)の200μM同緩衝液溶液
を用い、上記と全く同様にして、各々蛍光強度c,c
及びcを測定した。
【0089】●ロイシンアミノペプチダーゼ阻害活性の
測定 測定用緩衝液として50mMトリスー塩酸緩衝液(pH
8.0)を、酵素溶液としてロイシンアミノペプチダー
ゼ(ブタ腎臓由来、シグマ社製)の0.2μM同緩衝液
溶液を、基質溶液として7−ロイシル−4−メチルクマ
リンアミド((株)ペプチド研究所製)の200μM同
緩衝液溶液を用い、上記と全く同様にして、各々蛍光強
度d,d及びdを測定した。
【0090】●エラスターゼ阻害活性の測定 測定用緩衝液として1mMトリスー塩酸緩衝液(pH
8.5)を、酵素溶液としてエラスターゼ(ブタ膵臓由
来、シグマ社製)の0.2μM同緩衝液溶液を、基質溶
液として7−(N−スクシニル−アラニル−プロリル−
アラニル)−4−メチルクマリンアミド((株)ペプチ
ド研究所製)の200μM同緩衝液溶液を用い、上記と
全く同様にして、各々蛍光強度e,e及びeを測
定した。
【0091】●カテプシンB阻害活性の測定 測定用緩衝液として100mMリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.0;1.33mM EDTA・Naを含
む)を、酵素溶液としてカテプシンB(ウシ脾臓由来、
シグマ社製)の0.02μM同緩衝液溶液を、基質溶液
として7−(N−ベンジルオキシカルボニル−フェニル
アラニル−アルギニル)−4−メチルクマリンアミド
((株)ペプチド研究所製)の200μM同緩衝液溶液
を用い、上記と全く同様にして、各々蛍光強度f,f
及びfを測定した。この様にして測定した蛍光強度
,x及びx(xはb,c,d,e及びfを表
す)を用い、各種蛋白質分解酵素に対する阻害率を数2
により計算した。
【数2】
【0092】
【発明の効果】本発明に係る前記一般式〔1〕で示され
る新規プロリン誘導体は、プロリルエンドペプチダーゼ
に対しては非常に強い阻害活性を有するが、トリプシ
ン、キモトリプシン、ロイシンアミノペプチダーゼ、エ
ラスターゼ、カテプシンB等のプロテアーゼに対しては
全く作用しないか、あるいは極めて弱い阻害活性しか示
さないことが認められ、これよりプロリン残基を含む脳
内のホルモン、神経伝達物質や、学習、記憶に関与して
いると考えられているペブチド、例えば、TRH、サブ
スタンスP、ノイロテンシン、バソプレシン等の分解、
不活性化を特異的に抑制する化合物であると考えられ
る。従って、本発明化合物はホルモン、神経伝達物質を
介した諸疾患の症状改善に有効な貢献をなすことが期待
できるとともに、痴呆の中核症状に直接作用する抗痴呆
薬または抗健忘剤として、痴呆及び健忘症の予防及び/
または治療に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 邦男 神奈川県秦野市名古木23番地 日本たばこ 産業株式会社安全性研究所内 (72)発明者 内田 逸郎 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日本 たばこ産業株式会社医薬研究所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式〔1〕 【化1】 〔式中、 Bは 【化2】 Wは 【化3】 又はCH−を(但し、Rは水素原子、ハロゲン原子
    又は低級アルコキシ基を意味する)、Xは−S−,−S
    O−,−SO−,−O−又は−NH−を、Rは 【化4】 又は低級アルキル基を(但し、1は0乃至3の整数を、
    Y及びZは同一又は異なって水素原子、ハロゲン原子、
    フッ素原子で置換されてもよい低級アルキル基、アミノ
    基、ニトロ基、水酸基、低級アルコキシ基を意味する。
    更にYとZは一緒になって飽和または不飽和の五および
    六員環を形成してもよい)、nは1乃至6の整数を意味
    する〕で示される新規なプロリン誘導体。
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