JPH05250671A - 光学的情報記録媒体の記録部検査法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 短時間で、しかも、高精度でのトラッキング
エラー信号の測定ができ、正確な検査結果が得られるよ
うにした光学的記録媒体の記録部検査法を提供する。 【構成】 記録媒体にグルーブ部およびランド部を交互
に配列することで構成された記録部の任意のトラックに
沿って光ビームを照射し、その反射光から得られたトラ
ッキングエラー信号で上記記録媒体の特性を検査する、
光学的情報記録媒体の記録部検査法において、上記トラ
ックの任意の位置よりランド部に光ビームによるサーボ
を掛けて所定周期の間のトレースで与えられたトラッキ
ングエラー信号と、上記トレースの開始位置から隣接の
グルーブ部に光ビームによるサーボを掛けて同じ周期の
間のトレースで与えられたトラッキング信号とを比較演
算し、上記記録媒体の特性を検出することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、主として、ディスク型
の光磁気記録媒体などの大容量記録媒体の特性を検査す
る、光学的情報記録媒体の記録部検査法に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、上述のような光学的情報記録媒体
には、グルーブ部およびランド部を交互に配列すること
で、記録部が構成されており、上記グルーブ部をガイド
トラックとして光ビームを正確に追跡（トラッキング）
することがなされている。これは、所謂「プッシュプル
法」と呼ばれるもので、この方法では、上記グルーブ部
で反射回折された光ビームを、そのトラック中心に対し
て左右対称に配置された受光素子で受け、その光量に基
く出力信号を比較演算して、差信号（トラッキングエラ
ー信号）を得、これに基いて光ビーム位置をフィードバ
ック制御している。この場合の差信号は、図４に示すよ
うなＳ字曲線となる。これは、記録媒体上の光スポット
がトラックを横切るとき、グルーブ部とランド部とでは
反射回折光量が変化するからである。また、上記トラッ
キングエラー信号は、図５に示すように、グルーブ部の
溝深さにより変化し、λ／８の時、最大となる。従っ
て、このトラッキングエラー信号を測定することで、上
記記録部におけるグルーブ部の欠陥や記録転写の状態を
知ることができる。

【０００３】そこで、従来から、製品検査の方法とし
て、光ビームを所定位置に固定的に照射し、光学的記録
媒体を旋回して、その偏心などが原因するトラックの左
右のゆらぎから、トラッキングエラー信号を取出し、あ
るいは、記録媒体に光ビームをアクセスするため光ピッ
クアップをシークした時のトラック横断信号をデジタル
信号処理して取り込み、その結果を基準値と比較して、
良否の判定を行うことがなされてきた。

【０００４】

【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、上
述の測定法では、記録媒体のディスク偏心量の相違で、
差信号の波形（Ｓ字の周波数）が一定しておらず、特
に、偏心量が大きい場合には、図６に示すように、信号
振幅が小さくなって、正確なトラッキングエラー信号が
得られないという場合があった。また、測定を自動化す
ると、ディスクの周方向に関して数カ所に設けられたア
ドレス用プリピットの信号が混入してしまい、図７のよ
うな信号波形となり、所要の信号処理が困難になる。加
えて、光ビームがトラックを斜めに横切るために、周方
向に場所むらがあると、正確な測定ができないという問
題もある。

【０００５】

【発明の目的】本発明は、上記事情にもとづいてなされ
たもので、その目的は、短時間で、しかも、高精度での
トラッキングエラー信号の測定ができ、正確な検査結果
が得られるようにした光学的記録媒体の記録部検査法を
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このため、本発明では、
記録媒体にグルーブ部およびランド部を交互に配列する
ことで構成された記録部の任意のトラックに沿って光ビ
ームを照射し、その反射光から得られたトラッキングエ
ラー信号で上記記録媒体の特性を検査する、光学的情報
記録媒体の記録部検査法において、上記トラックの任意
の位置よりランド部に光ビームによるサーボを掛けて所
定周期の間のトレースで与えられたトラッキングエラー
信号と、上記トレースの開始位置から隣接のグルーブ部
に光ビームによるサーボを掛けて同じ周期の間のトレー
スで与えられたトラッキング信号とを比較演算し、上記
記録媒体の特性を検出するのである。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の検査法の一実施例を図面を参
照して具体的に説明する。図１には、本発明において採
用した２つの受光素子（検査対象のトラック中心に対し
て左右対称の位置に設置される）より得られた出力差信
号が、横軸に時間、縦軸に出力差信号レベルを設定した
グラフの形で、示されている。ここで、符号１は、記録
媒体のランド部に光ビームのサーボを掛けてトラックに
沿ってトレースした時のトラッキングエラー信号であ
り、符号２は、同じく、上記ランド部に隣接したグルー
ブ部にサーボを掛けてトラックに沿ってトレースした時
のトラッキングエラー信号であり、グラフ上では両者を
重ねて示している。なお、ランド部のトレースからグル
ーブ部のトレースへとサーボを切換えるのは、トラッキ
ングサーボの極性を切換えることで達成できる。

【０００８】通常、上記記録媒体には、ランド部上にト
ラックのアドレスを知るためのプリピットが設けられて
いて、これがトラッキングエラー信号にノイズとして重
畳されるが、これは、測定時の周期的なノイズの形にな
るから、ディスク回転のためのスピンドルのクロック信
号あるいはセクターマーク信号などを用いて簡単に削除
することができる。

【０００９】また、ランド部のトレース開始点位置とグ
ルーブ部のトレース開始点位置とを揃えるには、先ず、
例えば、ランド部における上述のアドレスピットなどを
任意の読込み開始点として捕らえ、そこからの所定周期
の間のトレースにおけるデーターを測定する。この場
合、上記周期はセクターマークあるいはスピンドルクロ
ック信号などを用いて設定するとよい。この後、同様に
して、上記ランド部の任意の位置（上記読込み開始点）
に光ビームが到達したときに、トラッキングサーボの極
性を切換えて、隣接のグルーブ部を上記光ビームで走査
するのである。そして、この場合も、所定周期の間のト
レースにおけるデーターを取り込む。その結果から、比
較演算、例えば、両データー信号の振幅の減算を行な
い、あるいは／および、変調度計算を行ない、これを基
準値に照らして、製品の「良」あるいは「不良」を判定
するのである。

【００１０】なお、実際には、測定に際して、ディスク
の偏心が大きいと、対物レンズによるディスク上の光ス
ポットの中心位置がトラック中心に対して片寄り、信号
誤差を生じる。この場合には、その誤差修正のために、
上記光ビームのレンズ位置信号を用いて、上記比較演算
における情報処理を行なうとよい。このことを図２を参
照して以下に説明する。図２（ａ）には、図１の信号に
レンズ位置信号を付加したものが示されていて、レンズ
中心を「０」位置とした場合の、中心からの片寄りで、
上下した状態をトレースしてある。従って、このレンズ
位置信号に、或る一定のコンパレートレベル（±Ａ）を
設けて、これを越えた場合は、偏心が大きいものとし
て、レンズ中心位置「０」付近の所定範囲のデータ
（Ｂ）のみを取り込むか（図２（ｂ）参照）、あるい
は、偏心が大きいものを除外した範囲のデーター（Ｃ）
のみを取り込む（図２（ｃ）参照）。その結果、データ
ーのポイント数は少なくなるが、誤差の少ないデーター
が得られることになる。

【００１１】次に、図８を参照して、光学的記録媒体の
生産ラインにおける本発明による光学的情報記録媒体の
検査法の一例を説明する。先ず、前述のように、ステッ
プＳ１で、当該記録媒体のトラックに沿ったランド部に
対して光ビームによるサーボを掛ける。そして、ステッ
プＳ２で、所定周期の間のトラッキングエラー信号を取
り込む。次に、ステップＳ３で、サーボの極性を反転
し、隣接のグルーブ部に対してサーボを掛ける。そし
て、同じく、ステップＳ４で、所定周期の間のトラッキ
ングエラー信号を取り込む。その結果を、ステップＳ５
で減算処理（信号振幅計算）し、差信号として取出す。
この差信号は、次のステップＳ６で、規格値（予め定め
られた合格基準値）と比較される。規格内のものは、次
に、ステップＳ７にもたらされ、変調度計算により、所
要の演算値を取出される。そして、ステップＳ８で、規
格値（予め定められた合格変調度）と比較される。この
ようにして、光学的記録媒体の特性検査が終了する。

【００１２】

【発明の効果】以上のように本発明の検査法によれば、
記録媒体を回転させ、そのディスク上の任意のトラック
での所定周期のトレースにおいて、ランド部およびグル
ーブ部にサーボを掛け、それぞれのトラッキングエラー
信号から、比較演算処理により、短時間で、しかも、高
精度の検査結果が得られるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の検査法で得られたトラッキングエラー
信号を示した図である。

【図２】上記実施例において、レンズ位置信号を付加し
た場合の信号のレベルを示した図である。

【図３】上記実施例におけるランド部およびグルーブ部
を示す図である。

【図４】トラッキングエラー信号のＳ字曲線を示す図で
ある。

【図５】トラッキングエラー信号とグルーブ部の溝深さ
との関係を示す図である。

【図６】従来法によるトラッキングエラー信号を示す図
である。

【図７】従来法によるトラッキングエラー信号を示す図
である。

【図８】本発明の方法を適用した生産ラインでのフロー
チャートである。

【符号の説明】

１ ランド部におけるトラッキングエラー信号 ２ グルーブ部におけるトラッキングエラー信号

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 記録媒体にグルーブ部およびランド部を
   交互に配列することで構成された記録部の任意のトラッ
   クに沿って光ビームを照射し、その反射光から得られた
   トラッキングエラー信号で上記記録媒体の特性を検査す
   る、光学的情報記録媒体の記録部検査法において、上記
   トラックの任意の位置よりランド部に光ビームによるサ
   ーボを掛けて所定周期の間のトレースで与えられたトラ
   ッキングエラー信号と、上記トレースの開始位置から隣
   接のグルーブ部に光ビームによるサーボを掛けて同じ周
   期の間のトレースで与えられたトラッキング信号とを比
   較演算し、上記記録媒体の特性を検出することを特徴と
   する光学的情報記録媒体の記録部検査法。
2. 【請求項２】 上記光ビームのレンズ位置信号を用い
   て、上記比較演算における情報処理を行なうことを特徴
   とする請求項１に記載の光学的情報記録媒体の記録部検
   査法。