JPH05144103A - 光磁気情報記録媒体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 信頼性が高く再フォーマット可能な光磁気情
報記録媒体を低価格で提供する。 【構成】 アドレス領域にアドレス情報を光磁気情報の
形態で記録する。この記録のために、同期信号領域５を
設ける。 【効果】 アドレス情報を光磁気情報の形態でアドレス
領域に記録することにより、アドレス領域とデータ領域
とで反射率の変動がなくなり、再フォーマットも可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は光磁気ディスク等の光磁
気情報記録媒体に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】光磁気ディスクは同心円状または螺旋状
のトラックを有しており、該トラックは周方向にいくつ
かの領域（セクタ）に分割されている。各セクタの先頭
の領域にはトラックアドレス番号とセクタアドレス番号
とからなるアドレス情報が記録されている。この領域は
アドレス領域と呼ばれ、データ情報記録のためのデータ
領域と区別される。従来は、このアドレス情報はディス
ク基板成形時に同時にプリピットとして形成していた。
そして、ディスクに対する情報の記録再生の際には、光
学ヘッドからの光ビーム照射によりディスクに形成され
る光スポットからの反射光量（以下、「反射率」とい
う）が上記プリピットが存在するか否かにより変化する
ことを利用して、この反射率変化を検知してアドレス情
報を読取っていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では次の様な問題があった： １．アドレス領域では反射率が大きく変動するため、こ
れがサーボ系に漏れ込んで悪影響を与えたり、所望トラ
ックへとアクセスするシーク時にトラックカウントミス
を引き起こしたりすることがあった； ２．光磁気情報信号は一般に差動検出信号であり、これ
に対しアドレス情報信号は和信号であるため、記録再生
のためのドライブ装置側では高周波信号処理回路を２系
統用意しなければならなかった； ３．精密なプリピットをディスク全面にわたって形成す
る技術は高度で困難を伴うため、ディスク原盤の作製工
程及び該原盤を用いた転写成形工程に大きな設備負担を
生じており、良品率の向上が難しかった； ４．ディスクの反射率欠陥検査を行うと、アドレス領域
を欠陥として誤検知することがあり、ディスクを正確に
検査することが困難であった； ５．一旦形成されたプリピットは書き換えできないた
め、異なるドライブシステムで再フォーマットして使用
することができなかった。

【０００４】本発明は、以上の様な実情に鑑み、信頼性
が高く再フォーマット可能な光磁気情報記録媒体を低価
格で提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記目
的を達成するものとして、アドレス情報を記録するため
のアドレス領域とデータ情報を記録するためのデータ領
域とからなる単位を複数有する光磁気情報記録媒体であ
って、前記アドレス情報を光磁気情報の形態で記録する
ようにしてなることを特徴とする、光磁気情報記録媒
体、が提供される。

【０００６】本発明においては、記録再生時における光
学ヘッドとの相対運動と同期させて光磁気情報を記録す
るための同期信号領域を設けることができる。また、本
発明の光磁気情報記録媒体の形態としては、前記アドレ
ス領域とデータ領域とからなる単位を複数配列してなる
トラックが同心円状または螺旋状をなしている所謂光磁
気ディスクが挙げられる。

【０００７】

【作用】アドレス情報を光磁気情報の形態でアドレス領
域に記録することにより、アドレス領域とデータ領域と
で反射率の変動がなくなり、再フォーマットも可能とな
る。

【０００８】

【実施例】以下、図面を参照しながら本発明の実施例を
説明する。

【０００９】図１は本発明による光磁気ディスクの第１
の実施例を示す平面図であり、図２はその部分拡大図で
ある。これらの図において、１は光磁気ディスクであ
り、２は該ディスク１の有効領域であり、ここに通常の
データ情報が記録される。３は最内周領域であり、４は
最外周領域であり、これらは有効領域１の内側及び外側
に隣接する領域である。５は回転同期信号を得るための
同期信号領域である。図２はディスク１の有効領域２と
最内周領域３との境界部における同期信号領域５の近傍
を示すものであり、６はグルーブと呼ばれる案内溝であ
り、７は隣接する２つのグルーブに挟まれたランドと呼
ばれる情報記録用の平坦部である。グルーブ６はランド
７に対して概略８分の１波長程度の段差を有しており、
光スポットがランド７にある場合には、グルーブ６との
干渉効果により、該グルーブがない場合に比べて反射率
が減少する。図示されている様に、同期信号領域５は、
ランド７と同一平面上にあり且つグルーブ６が形成され
ていない平坦部からなる。

【００１０】光磁気ディスク１を不図示のドライブ装置
にかけると、ドライブ装置の光学ヘッドがディスク１の
有効領域１内に光スポットを形成している場合には、領
域５を通過する度に反射率が変動するので、該反射率変
動から回転同期信号を得ることができる。この反射率変
動の様子を図３に示す。一方、光学ヘッドが光磁気ディ
スク１の最内周領域３または最外周領域４内に光スポッ
トを形成している場合には、回転同期信号は得られな
い。

【００１１】従って、ディスク１の径方向に関する光学
ヘッド位置を適宜設定して、先ず最内周領域３または最
外周領域４に光スポットを形成し、次に光学ヘッドをデ
ィスク径方向に外方または内方へと移動させて光スポッ
トを有効領域２の方へと移動させ、最初に回転同期信号
が得られるトラックを先頭トラックとすることにより、
それ以降の全てのトラックアドレス番号を決定すること
ができる。また、セクタアドレス番号は回転同期信号を
トリガとしてドライブ装置内の内部クロックをもとに決
定することができる。従って、ドライブ装置により、光
磁気記録方式にてアドレス領域にトラックアドレス番号
及びセクタアドレス番号からなるアドレス情報を記録す
ることができる。

【００１２】同期信号領域５から得られる回転同期信号
の周波数成分はたかだか１００キロヘルツ程度とするこ
とができ、通常数メガヘルツ程度の周波数成分からなる
アドレス情報信号に比べて低周波数であり、従って信号
処理のための回路は比較的安く簡単な構成とすることが
できる。

【００１３】また、アドレス情報記録後も、同期信号領
域５以外では反射率変動がないために、プリピットによ
りアドレス情報を形成しておく場合に比べて、サーボ系
のノイズが低く良好なサーボ特性が得られる。更に、ア
ドレス領域でも反射率変動がないために、光スポットが
ランド７に位置する場合よりグルーブ６に位置する場合
の方が反射率が低くなることを利用して、シーク時に光
スポットが横切るトラックの本数を正確に計数すること
が可能である（但し、同期信号領域５を避けてシークす
る）。

【００１４】本実施例の光磁気ディスクの原盤作製工程
ではサブミクロンオーダーの精密なプリピットの形成が
不要となり均一な深さのグルーブだけを形成すればよ
く、更に該原盤を用いたディスク基板の転写成形工程で
は微小なプリピットを転写する必要がないので、これら
の工程が容易になり費用が十分に節減でき、安価にディ
スクを製造することができる。

【００１５】更に、本実施例のディスクはアドレス領域
でも反射率変動がないために、同期信号領域５をマスク
するだけで、ＣＣＤラインセンサ等を用いて正確且つ容
易に反射率欠陥検査を行うことができる。

【００１６】加えて、本実施例の光磁気ディスクはアド
レス情報を書き換えることができるため、再フォーマッ
トすることにより、異なるシステムのドライブ装置にも
使用することができる。

【００１７】尚、同期信号領域５は反射率変化を生ずる
ものであればよく、図２に示されている形態のものの他
に、図４に示されている様に断続的に一定周期のグルー
ブ８を形成したものでもよい。この様にすることによ
り、反射率欠陥との区別が容易になる。また、図５に示
されている様に、細長いピット９を形成することによ
り、この領域５の反射率を低下させてもよい。更に、同
期信号領域５を領域３，４まで延長し、これら領域には
同期信号領域５と異なる別の識別マークを形成してもよ
い。領域３，４のいずれか一方を省略してもよいし、領
域５を複数設けてもよい。トラック計数を容易にするた
めに、領域５の幅を一定のトラック数ごとに変化させて
もよい。

【００１８】図６は本発明による光磁気ディスクの第２
の実施例を示す平面図である。図において、１は光磁気
ディスクであり、２は有効領域である。１０は回転同期
信号を得るためのマーク（同期信号領域）であり、該マ
ークは最内周トラックより内方に形成されている。

【００１９】図７は本実施例の光磁気ディスク１を記録
再生するためのドライブ装置の概略構成図である。１１
はスピンドルモータであり、１２は上記マーク１０に対
応する位置に配置された照明光源付きマーク検出用フォ
トセンサであり、１３は記録再生を行うための光学ヘッ
ドであり、１４は位置センサである。

【００２０】位置センサ１４は光学ヘッド１３の位置を
高精度に検出して先頭トラックの位置決めを行うのに用
いられる。この先頭トラック位置をもとに、以降のトラ
ックアドレス番号を決定することができる。また、セク
タアドレス番号は回転同期信号をトリガとしてドライブ
装置内の内部クロックをもとに決定することができる。
従って、前述の第１の実施例と同様にして、ドライブ装
置により、光磁気記録方式にてアドレス領域にトラック
アドレス番号及びセクタアドレス番号からなるアドレス
情報を記録することができる。

【００２１】本実施例では、ディスク１の有効領域全体
にわたってグルーブの切れ目がなく、一定の反射率が得
られる。従って、本実施例によれば、上記第１の実施例
より更に良好なサーボ、シーク時トラック計数及び反射
率欠陥検査が可能である。

【００２２】尚、上記実施例は光磁気情報記録媒体がデ
ィスクである場合につき示されているが、本発明はディ
スク以外の光磁気情報記録媒体にも同様に適用すること
ができる。

【００２３】

【発明の効果】以上、説明した様に、本発明によれば、
光磁気信号でアドレス情報を記録するので、以下の様な
効果が得られる： １．アドレス領域における反射率の変動がないため、ア
ドレス信号がサーボ系に悪影響を与えることがなく、ま
たシーク時のトラックカウントが正確且つ容易である； ２．高周波信号が差動信号のみであるので、ドライブ装
置の信号処理系を簡素化することができる； ３．精密なプリピットの形成が不要なため、媒体原盤の
作製工程及び該原盤を用いた転写成形工程が容易にな
り、良品率を向上させることができる； ４．反射率欠陥検査を正確に行うことができる； ５．再フォーマットすることができるので、種々のドラ
イブシステムに使用することができ、適用範囲が広い。

【００２４】従って、本発明によれば、信頼性が高く再
フォーマット可能な光磁気情報記録媒体を低価格で提供
することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による光磁気ディスクの第１の実施例を
示す平面図である。

【図２】図１の部分拡大図である。

【図３】反射率変動の様子を示す図である。

【図４】同期信号領域の変形例を示す図である。

【図５】同期信号領域の変形例を示す図である。

【図６】本発明による光磁気ディスクの第２の実施例を
示す平面図である。

【図７】図６の実施例の光磁気ディスクを記録再生する
ためのドライブ装置の概略構成図である。

【符号の説明】

１ 光磁気ディスク ２ 有効領域 ３ 最内周領域 ４ 最外周領域 ５ 同期信号領域 ６ グルーブ ７ ランド ８ グルーブ ９ ピット １０ 同期信号領域 １１ スピンドルモータ １２ フォトセンサ １３ 光学ヘッド １４ 位置センサ

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【手続補正書】

【提出日】平成４年１０月３０日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１０

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１０】光磁気ディスク１を不図示のドライブ装置
にかけると、ドライブ装置の光学ヘッドがディスク１の
有効領域２内に光スポットを形成している場合には、領
域５を通過する度に反射率が変動するので、該反射率変
動から回転同期信号を得ることができる。この反射率変
動の様子を図３に示す。一方、光学ヘッドが光磁気ディ
スク１の最内周領域３または最外周領域４内に光スポッ
トを形成している場合には、回転同期信号は得られな
い。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 アドレス情報を記録するためのアドレス
   領域とデータ情報を記録するためのデータ領域とからな
   る単位を複数有する光磁気情報記録媒体であって、前記
   アドレス情報を光磁気情報の形態で記録するようにして
   なることを特徴とする、光磁気情報記録媒体。
2. 【請求項２】 記録再生時における光学ヘッドとの相対
   運動と同期させて光磁気情報を記録するための同期信号
   領域を設けてなることを特徴とする、請求項１に記載の
   光磁気情報記録媒体。
3. 【請求項３】 前記アドレス領域とデータ領域とからな
   る単位を複数配列してなるトラックが同心円状または螺
   旋状をなしていることを特徴とする、請求項１に記載の
   光磁気情報記録媒体。