JPH0525022A - 毛髪化粧料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 フッ素イオンと反応して水難溶性塩を形成す
る金属イオンを含有する第１剤とフッ素イオンを含有す
る第２剤とからなる毛髪化粧料、及びこの毛髪化粧料で
毛髪を処理することを特徴とする、毛髪のつや付与方
法。 【効果】 本発明によれば、毛髪に自然なつやを付与す
ることができ、その効果はシャンプー等により容易に低
下することなく持続し、更に毛髪の感触を損なうことが
ない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は毛髪化粧料に関し、更に
詳細には毛髪の感触を損なうことなく、毛髪に自然で持
続性のあるつやを付与することのできる毛髪化粧料に関
する。

【０００２】

【従来の技術】近年、毛髪化粧料には種々の作用が求め
られており、その代表的な作用としてはパサつきを防
ぐ、つやを出す、髪をしっとりさせる、髪の傷み・枝毛
を防ぐ、ヘアスタイルを長持ちさせる等が挙げられる。
これらの作用のうち、「毛髪のつやを出す」という作用
に関しては、従来主に高級アルコール等の油剤、高分子
シリコーン等の屈折率の高い物質を毛髪表面に塗布する
ことにより解決が図られてきた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油剤を
用いた場合、毛髪に不自然なぎらつきが生じ、表面がべ
たつくなど感触を損ね、更に、シャンプーによる洗浄で
油剤が容易に除去されるため持続性がなかった。また高
分子シリコーンを用いた場合、毛髪表面にシリコーンの
皮膜が生じるため、つやは付与されるが、表面がつるつ
るした感触となり、またブラッシング等によって皮膜が
剥離するスケーリングが起こって美観の持続性に欠ける
という欠点があった。従って、本発明の目的は毛髪の感
触を損なうことなく、毛髪に対し自然で、かつ持続性の
あるつやを付与することのできる毛髪化粧料を提供する
ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】かかる実状において、本
発明者らは毛髪表面への塗布でない新たなつや付与手段
を求めて鋭意検討した結果、特定の金属イオンとフッ素
イオンとで毛髪を処理することにより、毛髪に自然なつ
やを付与することができ、しかもその効果が持続するこ
とを見出し、本発明を完成した。

【０００５】すなわち、本発明はフッ素イオンと反応し
て水難溶性塩を形成する金属イオンを含有する第１剤と
フッ素イオンを含有する第２剤とからなる毛髪化粧料を
提供するものである。

【０００６】また、本発明はこの毛髪化粧料で毛髪を処
理することを特徴とする毛髪のつや付与方法をも提供す
るものである。

【０００７】本発明毛髪化粧料の第１剤に使用されるフ
ッ素イオンと反応して水難溶性塩を形成する金属イオン
としては、例えばアルミニウムイオン、マグネシウムイ
オン、リチウムイオン等が挙げられる。これらの金属イ
オンは、第１剤中にそれらの金属塩化物として配合され
るのが好ましい。これらの金属イオンは第１剤中に０．
０１〜２Ｍ、特に０．０５〜１Ｍ配合するのが好まし
い。

【０００８】また、第２剤に使用されるフッ素イオン
は、アルカリ金属塩の形で配合するのが好ましい。これ
らのフッ素イオンは、第２剤中に０．０１〜２Ｍ、特に
０．０５〜１Ｍ配合するのが好ましい。

【０００９】本発明化粧料の第１剤及び第２剤は、いず
れも水溶液とするのが好ましい。なお、これらの第１
剤、第２剤中には、アルコール類等の溶剤や還元剤を配
合することもできる。さらに、毛髪化粧料に汎用の任意
成分を、本発明の効果を損なわない範囲で配合すること
もできる。

【００１０】本発明毛髪化粧料を用いて毛髪を処理すれ
ば、毛髪に持続性のある、自然なつやを付与することが
できる。毛髪の処理は、毛髪に第１剤（または第２剤）
を塗布して１５秒以上、好ましくは１分以上放置し、そ
の後第２剤（または第１剤）を塗布して１５秒以上、好
ましくは１分以上放置し、次いで所望により毛髪をすす
ぐことにより行なわれる。ここで、第１剤による処理を
先に行なうのが好ましく、後に行なう第２剤による処理
は数回くり返すことがより好ましい。また、本発明毛髪
化粧料による毛髪処理の前に、還元剤処理を行なうこと
もできる。

【００１１】

【発明の効果】本発明によれば、毛髪に自然なつやを付
与することができ、その効果はシャンプー等により容易
に低下することなく持続し、更に毛髪の感触を損なうこ
とがない。かかる本発明の効果は、毛髪の内部に水難溶
性の金属フッ化物が析出し、これが毛髪の反射強度を上
昇せしめるために生ずるものと推察される。

【００１２】

【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。

【００１３】実施例１ 毛髪１本を０．０７９mol/ｌ塩化アルミニウム水溶液に
２分間浸漬し、タオルで水分をふきとった後０．１mol/
ｌフッ化ナトリウム水溶液に１０分浸してとり出し、タ
オルで水分をふきとってまたつけるという処理を１０回
くり返した。（毛髪内部にフッ化アルミニウムを塩析さ
せる）。この処理前と処理後の毛髪サンプルの最大反射
強度（ゴニオフォトメーター（村上色彩研究所（株）
製）で測定）を比較してみると、処理後の最大反射強度
は約５０％上がっていた。また目視でも有意につやが上
がったと認められた。

【００１４】実施例２ 毛髪１本を、１mol/ｌの塩化マグネシウム水溶液に２分
間浸漬し、タオルで水分をふきとった後０．１mol/ｌフ
ッ化ナトリウム水溶液に１０分浸漬した後、タオルドラ
イという処理を１０回くり返した。（毛髪内部にフッ化
マグネシウムを塩析させる）。この処理前後で最大反射
強度は約２５％上がった。また目視でも有意につやが上
がったと認められた。

【００１５】実施例３ 長さ２０cmの毛束２０ｇを使用して下記（１）、（２）
または（３）の処理をし、処理直後の毛髪の感触、つや
及びシャンプー後のつやを専門パネラー１０名により評
価した。結果を表１に示す。毛髪処理 （１）実施例１の処理 （２）油剤ミリスチン酸イソプロピル２０％含有つや付
与剤２ｇを塗布 （３）２５℃における粘度が10,000csである高分子量ジ
メチルポリシロキサンを２５℃における粘度が５csであ
るジメチルポリシロキサンに２０％分散させたものを１
０％含有するつや付与剤２ｇを塗布つやの評価基準（目視） ○：自然なつやが付与された。 △：つやはあるが不自然（テカリがある） ×：処理前のつやと同じ

【００１６】

【表１】

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 フッ素イオンと反応して水難溶性塩を形
   成する金属イオンを含有する第１剤とフッ素イオンを含
   有する第２剤とからなる毛髪化粧料。
2. 【請求項２】 請求項１記載の毛髪化粧料で毛髪を処理
   することを特徴とする、毛髪のつや付与方法。