JPH05249721A - 電子写真用感光体 - Google Patents
電子写真用感光体Info
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- JPH05249721A JPH05249721A JP4894192A JP4894192A JPH05249721A JP H05249721 A JPH05249721 A JP H05249721A JP 4894192 A JP4894192 A JP 4894192A JP 4894192 A JP4894192 A JP 4894192A JP H05249721 A JPH05249721 A JP H05249721A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】セレン・テルル系感光体の耐熱性,耐磨耗性を
改善して、少なくともコピー枚数4万枚以上の使用寿命
が安定して得られる感光体とする。 【構成】導電性の基体1上にアモルファスSeまたはア
モルファスSe−Te合金からなる電荷輸送層2,アモ
ルファスSe−Te合金からなりそのTe濃度が電荷輸
送層2との界面では電荷輸送層2のTe濃度と同等であ
り電荷発生層4との界面では電荷発生層4のTe濃度と
同等となる濃度勾配を有する正孔注入層3,微量のAs
を含むアモルファスSe−Te合金からなりそのAs濃
度が正孔注入層3との界面では低く電荷発生層4の表面
に向かって高くなる濃度勾配を有する電荷発生層4が順
次積層されてなる感光層を備えた感光体とする。
改善して、少なくともコピー枚数4万枚以上の使用寿命
が安定して得られる感光体とする。 【構成】導電性の基体1上にアモルファスSeまたはア
モルファスSe−Te合金からなる電荷輸送層2,アモ
ルファスSe−Te合金からなりそのTe濃度が電荷輸
送層2との界面では電荷輸送層2のTe濃度と同等であ
り電荷発生層4との界面では電荷発生層4のTe濃度と
同等となる濃度勾配を有する正孔注入層3,微量のAs
を含むアモルファスSe−Te合金からなりそのAs濃
度が正孔注入層3との界面では低く電荷発生層4の表面
に向かって高くなる濃度勾配を有する電荷発生層4が順
次積層されてなる感光層を備えた感光体とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、セレン−テルル合金
を電荷発生材料として用いるセレン・テルル系電子写真
用感光体に関し、詳しくは、その使用寿命の改善に関す
る。
を電荷発生材料として用いるセレン・テルル系電子写真
用感光体に関し、詳しくは、その使用寿命の改善に関す
る。
【0002】
【従来の技術】白色光を露光に用いる電子写真方式の複
写機において、色再現性に優れた電子写真用感光体とし
て、従来よりアモルファスセレン−テルル合金を電荷発
生材料として用いるセレン・テルル系電子写真用感光体
が用いられてきた。なかでも、アモルファスセレンまた
は電荷発生層より低テルル濃度のアモルファスセレン−
テルル合金からなる電荷輸送層上に、テルル濃度が電荷
輸送層より高く電荷発生層より低いアモルファスセレン
−テルル合金からなる正孔注入層を介して、テルルを1
0重量%程度含むアモルファスセレン−テルル合金から
なる電荷発生層を積層した感光層を設けた機能分離型の
感光体は、高感度で帯電特性も良くさらに疲労特性も良
好で多用されている。
写機において、色再現性に優れた電子写真用感光体とし
て、従来よりアモルファスセレン−テルル合金を電荷発
生材料として用いるセレン・テルル系電子写真用感光体
が用いられてきた。なかでも、アモルファスセレンまた
は電荷発生層より低テルル濃度のアモルファスセレン−
テルル合金からなる電荷輸送層上に、テルル濃度が電荷
輸送層より高く電荷発生層より低いアモルファスセレン
−テルル合金からなる正孔注入層を介して、テルルを1
0重量%程度含むアモルファスセレン−テルル合金から
なる電荷発生層を積層した感光層を設けた機能分離型の
感光体は、高感度で帯電特性も良くさらに疲労特性も良
好で多用されている。
【0003】ところで、当然のことながら感光体はその
使用寿命が長いことが望ましい。セレン系材料は、アモ
ルファス状で暗抵抗が高く、高い光導電性を示し、上述
のようにアモルファス状で感光体に好適に用いられる
が、そのガラス転移点は純セレンで40数℃程度と低
く、テルルを添加することにより高くはなるが、テルル
を10重量%程度添加しても50℃程度であり、使用時
の熱的ストレス,機械的ストレスなどを受けて結晶化し
易く、また、硬度もビッカース硬度で30kg/mm2
程度と低く、使用時に感光層表面が受ける機械的ストレ
スにより感光層が磨耗し易い。このために、セレン・テ
ルル系感光体の使用寿命はコピー枚数4万枚程度とされ
ている。
使用寿命が長いことが望ましい。セレン系材料は、アモ
ルファス状で暗抵抗が高く、高い光導電性を示し、上述
のようにアモルファス状で感光体に好適に用いられる
が、そのガラス転移点は純セレンで40数℃程度と低
く、テルルを添加することにより高くはなるが、テルル
を10重量%程度添加しても50℃程度であり、使用時
の熱的ストレス,機械的ストレスなどを受けて結晶化し
易く、また、硬度もビッカース硬度で30kg/mm2
程度と低く、使用時に感光層表面が受ける機械的ストレ
スにより感光層が磨耗し易い。このために、セレン・テ
ルル系感光体の使用寿命はコピー枚数4万枚程度とされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】セレン・テルル系感光
体は、上述のように耐熱性,耐磨耗性が低いために、そ
の使用環境により、また、装着される電子写真装置のプ
ロセス条件,構造により感光体品質の劣化の度合いが大
きく左右され、その使用寿命に差が生じ、コピー枚数4
万枚という公称寿命を満たさない感光体も多かった。
体は、上述のように耐熱性,耐磨耗性が低いために、そ
の使用環境により、また、装着される電子写真装置のプ
ロセス条件,構造により感光体品質の劣化の度合いが大
きく左右され、その使用寿命に差が生じ、コピー枚数4
万枚という公称寿命を満たさない感光体も多かった。
【0005】この発明は、上述の点に鑑みてなされたも
のであって、セレン・テルル系感光体の耐熱性,耐磨耗
性を改善して、少なくともコピー枚数4万枚以上の使用
寿命が安定して得られるセレン・テルル系感光体を提供
することを解決しようとする課題とする。
のであって、セレン・テルル系感光体の耐熱性,耐磨耗
性を改善して、少なくともコピー枚数4万枚以上の使用
寿命が安定して得られるセレン・テルル系感光体を提供
することを解決しようとする課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、この発明
によれば、導電性基体上にアモルファスセレンまたはア
モルファスセレン−テルル合金からなる電荷輸送層,ア
モルファスセレン−テルル合金からなりそのテルル濃度
が電荷輸送層との界面では電荷輸送層のテルル濃度と同
等であり電荷発生層との界面では電荷発生層のテルル濃
度と同等となる濃度勾配を有する正孔注入層,微量のひ
素を含むアモルファスセレン−テルル合金からなりその
ひ素濃度が正孔注入層との界面では低く電荷発生層表面
に向かって高くなる濃度勾配を有する電荷発生層が順次
積層されてなる感光層を備えた電子写真用感光体とする
ことによって解決される。
によれば、導電性基体上にアモルファスセレンまたはア
モルファスセレン−テルル合金からなる電荷輸送層,ア
モルファスセレン−テルル合金からなりそのテルル濃度
が電荷輸送層との界面では電荷輸送層のテルル濃度と同
等であり電荷発生層との界面では電荷発生層のテルル濃
度と同等となる濃度勾配を有する正孔注入層,微量のひ
素を含むアモルファスセレン−テルル合金からなりその
ひ素濃度が正孔注入層との界面では低く電荷発生層表面
に向かって高くなる濃度勾配を有する電荷発生層が順次
積層されてなる感光層を備えた電子写真用感光体とする
ことによって解決される。
【0007】電荷輸送層のテルル濃度は多くとも10重
量%以下であることが好ましく、電荷発生層のテルル濃
度は8重量%以上15重量%以下であることが好まし
い。また、電荷発生層のひ素濃度は正孔注入層との界面
では0であり、電荷発生層表面では1.5重量%以上
2.5重量%以下であると好適である。また、感光層を
形成する各層の膜厚は、電荷輸送層の膜厚を40μm以
上70μm以下の範囲内,正孔注入層の膜厚を1μm以
上5μm以下の範囲内,電荷発生層の膜厚を1μm以上
5μm以下の範囲内とすると好適である。
量%以下であることが好ましく、電荷発生層のテルル濃
度は8重量%以上15重量%以下であることが好まし
い。また、電荷発生層のひ素濃度は正孔注入層との界面
では0であり、電荷発生層表面では1.5重量%以上
2.5重量%以下であると好適である。また、感光層を
形成する各層の膜厚は、電荷輸送層の膜厚を40μm以
上70μm以下の範囲内,正孔注入層の膜厚を1μm以
上5μm以下の範囲内,電荷発生層の膜厚を1μm以上
5μm以下の範囲内とすると好適である。
【0008】
【作用】セレンにひ素を添加することによりガラス転移
点および硬度が大幅に上昇してくることは知られてい
る。セレン−テルル系感光体の結晶化は感光層表面から
起き易いので、最表面層を形成する電荷発生層にひ素を
含ませることにより、結晶化を抑えて耐熱性を向上させ
ることができ、また、耐磨耗性も向上させることができ
る。一方、セレンにひ素を添加すると帯電特性,疲労特
性が低下する傾向がでてくるが、この発明においては、
電荷発生層のひ素濃度に表面で高く内部の正孔注入層界
面に向かって低くなる濃度勾配を持たせることにより、
ひ素の添加量を少なくして、帯電特性,疲労特性の悪化
を抑制しながら耐熱性,耐磨耗性を向上させることを可
能とする。また、正孔注入層のテルル濃度に電荷輸送層
との界面では電荷輸送層のテルル濃度と同等であり電荷
発生層との界面では電荷発生層のテルル濃度と同等とな
る濃度勾配を持たせることにより、繰り返し使用時の残
留電位の上昇を低減することができ、感光体の疲労特性
が改善されるので、電荷発生層にひ素を添加することに
よる疲労特性の悪化を補うことができる。
点および硬度が大幅に上昇してくることは知られてい
る。セレン−テルル系感光体の結晶化は感光層表面から
起き易いので、最表面層を形成する電荷発生層にひ素を
含ませることにより、結晶化を抑えて耐熱性を向上させ
ることができ、また、耐磨耗性も向上させることができ
る。一方、セレンにひ素を添加すると帯電特性,疲労特
性が低下する傾向がでてくるが、この発明においては、
電荷発生層のひ素濃度に表面で高く内部の正孔注入層界
面に向かって低くなる濃度勾配を持たせることにより、
ひ素の添加量を少なくして、帯電特性,疲労特性の悪化
を抑制しながら耐熱性,耐磨耗性を向上させることを可
能とする。また、正孔注入層のテルル濃度に電荷輸送層
との界面では電荷輸送層のテルル濃度と同等であり電荷
発生層との界面では電荷発生層のテルル濃度と同等とな
る濃度勾配を持たせることにより、繰り返し使用時の残
留電位の上昇を低減することができ、感光体の疲労特性
が改善されるので、電荷発生層にひ素を添加することに
よる疲労特性の悪化を補うことができる。
【0009】
【実施例】図1は、この発明の感光体の一実施例の模式
的断面図を示し、Al合金からなる導電性の基体1上に
SeまたはSe−Te合金からなる電荷輸送層2,Se
−Te合金からなる正孔注入層3,微量のAsを含むS
e−Te合金からなる電荷発生層4が順次形成されてな
る。
的断面図を示し、Al合金からなる導電性の基体1上に
SeまたはSe−Te合金からなる電荷輸送層2,Se
−Te合金からなる正孔注入層3,微量のAsを含むS
e−Te合金からなる電荷発生層4が順次形成されてな
る。
【0010】実施例1〜6 Al合金からなる円筒状の基体を真空蒸着装置の支持軸
に装着し、その温度を55℃に保ち、1×10-5Tor
rの真空中で高純度Seの入った蒸発源を約300℃に
加熱して膜厚55μmのアモルファス状のSeからなる
電荷輸送層を成膜した。続いて、フラッシュ蒸着法で正
孔注入層を形成する。フラッシュボート温度を340℃
とし、高純度SeとTeを10重量%含むSe−Te合
金とを適当量フラッシュボートに供給しながらフラッシ
ュ蒸着してTe濃度が電荷輸送層との界面で0重量%,
表面で10重量%となるように傾斜した濃度勾配を持つ
膜厚2μmのアモルファス状のSe−Te合金からなる
正孔注入層を成膜した。次に、この正孔注入層の上にフ
ラッシュ蒸着法で電荷発生層を形成して感光体とする。
フラッシュボート温度を340℃とし、Teを10重量
%含むSe−Te合金とTeを10重量%,Asを1重
量%含むSe−Te−As合金とを適当量フラッシュボ
ートに供給しながらフラッシュ蒸着してAs濃度が電荷
輸送層との界面で0重量%,表面で1重量%となるよう
に傾斜した濃度勾配を持つ膜厚3μmのアモルファス状
のSe−Te合金からなる電荷発生層を成膜して実施例
1の感光体とした。フラッシュ蒸着する材料の供給は、
例えば図2の平面図に示すように、ロータリーベルトで
ある搬送ベルト7上にSe−Te−As合金5,Se−
Te合金6を図に示すようなパターンで載せておき、こ
の搬送ベルト7を矢印Pの方向に動かしてフラッシュボ
ート8の上で下方に回転させることにより、フラッシュ
ボート8内に次々と落下させるとよい。同様にして、電
荷発生層に用いるSe−Te−As合金のAsの量を
1.5重量%,2重量%,2.5重量%,3重量%,5
重量%と変えて、表面のAs濃度が1.5重量%,2重
量%,2.5重量%,3重量%,5重量%とそれぞれ異
なる電荷発生層を形成して、実施例2,3,4,5およ
び6の各感光体を作製した。
に装着し、その温度を55℃に保ち、1×10-5Tor
rの真空中で高純度Seの入った蒸発源を約300℃に
加熱して膜厚55μmのアモルファス状のSeからなる
電荷輸送層を成膜した。続いて、フラッシュ蒸着法で正
孔注入層を形成する。フラッシュボート温度を340℃
とし、高純度SeとTeを10重量%含むSe−Te合
金とを適当量フラッシュボートに供給しながらフラッシ
ュ蒸着してTe濃度が電荷輸送層との界面で0重量%,
表面で10重量%となるように傾斜した濃度勾配を持つ
膜厚2μmのアモルファス状のSe−Te合金からなる
正孔注入層を成膜した。次に、この正孔注入層の上にフ
ラッシュ蒸着法で電荷発生層を形成して感光体とする。
フラッシュボート温度を340℃とし、Teを10重量
%含むSe−Te合金とTeを10重量%,Asを1重
量%含むSe−Te−As合金とを適当量フラッシュボ
ートに供給しながらフラッシュ蒸着してAs濃度が電荷
輸送層との界面で0重量%,表面で1重量%となるよう
に傾斜した濃度勾配を持つ膜厚3μmのアモルファス状
のSe−Te合金からなる電荷発生層を成膜して実施例
1の感光体とした。フラッシュ蒸着する材料の供給は、
例えば図2の平面図に示すように、ロータリーベルトで
ある搬送ベルト7上にSe−Te−As合金5,Se−
Te合金6を図に示すようなパターンで載せておき、こ
の搬送ベルト7を矢印Pの方向に動かしてフラッシュボ
ート8の上で下方に回転させることにより、フラッシュ
ボート8内に次々と落下させるとよい。同様にして、電
荷発生層に用いるSe−Te−As合金のAsの量を
1.5重量%,2重量%,2.5重量%,3重量%,5
重量%と変えて、表面のAs濃度が1.5重量%,2重
量%,2.5重量%,3重量%,5重量%とそれぞれ異
なる電荷発生層を形成して、実施例2,3,4,5およ
び6の各感光体を作製した。
【0011】比較例1 電荷発生層のフラッシュ蒸着材料をTeを10重量%含
むSe−Te合金に変えたこと以外は実施例1と同様に
して、従来のセレン・テルル系感光体である比較例1の
感光体を作製した。これらの実施例,比較例各感光体に
ついて、電荷輸送層2,正孔注入層3,電荷発生層4各
層の材料の成分比の厚さ方向のプロファイルを調べた。
そのうちの実施例3の感光体についてのプロファイルを
図3に示す。正孔注入層3のTe量は電荷輸送層2との
界面では0であり、電荷発生層4に向かって増加してい
き、電荷発生層4との界面では10重量%であった。ま
た、電荷発生層4のAs量は正孔注入層3との界面では
0であり、表面に向かって増加していき、表面では2重
量%であった。他の実施例の各感光体についても電荷発
生層4の表面のAs量が異なりその分だけ表面に向かっ
てのAs量の増加の傾斜が変わっていること以外は実施
例3の感光体と同様のプロファイルが得られた。また、
比較例1の感光体についても、電荷発生層にAsが存在
しなかったこと以外は実施例の各感光体と同様のプロフ
ァイルが得られた。
むSe−Te合金に変えたこと以外は実施例1と同様に
して、従来のセレン・テルル系感光体である比較例1の
感光体を作製した。これらの実施例,比較例各感光体に
ついて、電荷輸送層2,正孔注入層3,電荷発生層4各
層の材料の成分比の厚さ方向のプロファイルを調べた。
そのうちの実施例3の感光体についてのプロファイルを
図3に示す。正孔注入層3のTe量は電荷輸送層2との
界面では0であり、電荷発生層4に向かって増加してい
き、電荷発生層4との界面では10重量%であった。ま
た、電荷発生層4のAs量は正孔注入層3との界面では
0であり、表面に向かって増加していき、表面では2重
量%であった。他の実施例の各感光体についても電荷発
生層4の表面のAs量が異なりその分だけ表面に向かっ
てのAs量の増加の傾斜が変わっていること以外は実施
例3の感光体と同様のプロファイルが得られた。また、
比較例1の感光体についても、電荷発生層にAsが存在
しなかったこと以外は実施例の各感光体と同様のプロフ
ァイルが得られた。
【0012】次に、これらの各感光体について帯電特性
および疲労特性を調べた。また、温度35℃,相対湿度
80%の環境下で耐刷加速試験を行って、耐熱性,耐磨
耗性を評価した。その結果、実施例2,3および4の感
光体は比較例1の感光体と比較して特性はほぼ同等であ
り、かつ、良好な画像の得られるコピー枚数が1.5倍
ないし2.5倍に増えて耐熱性,耐磨耗性の向上が認め
られた。ところが、実施例1の感光体は特性は比較例1
の感光体と同等で良好であったが、耐熱性,耐磨耗性に
ついては殆ど改善が認められなかった。また、実施例5
の感光体は比較例1の感光体に比して帯電特性,疲労特
性ともに悪い傾向を有し、実施例6の感光体はさらに特
性の悪化が著しく実用に耐えないものであった。
および疲労特性を調べた。また、温度35℃,相対湿度
80%の環境下で耐刷加速試験を行って、耐熱性,耐磨
耗性を評価した。その結果、実施例2,3および4の感
光体は比較例1の感光体と比較して特性はほぼ同等であ
り、かつ、良好な画像の得られるコピー枚数が1.5倍
ないし2.5倍に増えて耐熱性,耐磨耗性の向上が認め
られた。ところが、実施例1の感光体は特性は比較例1
の感光体と同等で良好であったが、耐熱性,耐磨耗性に
ついては殆ど改善が認められなかった。また、実施例5
の感光体は比較例1の感光体に比して帯電特性,疲労特
性ともに悪い傾向を有し、実施例6の感光体はさらに特
性の悪化が著しく実用に耐えないものであった。
【0013】実施例7〜9 実施例2,3および4において、電荷輸送層を高純度S
eからTeを5.5重量%含むSe−Te合金に変えた
こと、正孔注入層のTe濃度が電荷輸送層との界面で
5.5重量%,表面で10重量%となるように傾斜した
濃度勾配となるようにしたこと以外は実施例2,3およ
び4と同様にして実施例7,8および9の感光体を作製
した。
eからTeを5.5重量%含むSe−Te合金に変えた
こと、正孔注入層のTe濃度が電荷輸送層との界面で
5.5重量%,表面で10重量%となるように傾斜した
濃度勾配となるようにしたこと以外は実施例2,3およ
び4と同様にして実施例7,8および9の感光体を作製
した。
【0014】これらの感光体について、実施例1〜6の
場合と同様にして電荷輸送層2,正孔注入層3,電荷発
生層4各層の材料の成分比の厚さ方向のプロファイルを
調べた。そのうちの実施例8の感光体についてのプロフ
ァイルを図4に示す。電荷輸送層2が5.5重量%のT
eを均一に含んでいることと、正孔注入層3の電荷輸送
層2との界面のTe量が5.5重量%でありその分電荷
発生層界面へ向かってのTe量増加の傾斜が緩やかにな
っていること以外は図3と同じプロファイルであった。
場合と同様にして電荷輸送層2,正孔注入層3,電荷発
生層4各層の材料の成分比の厚さ方向のプロファイルを
調べた。そのうちの実施例8の感光体についてのプロフ
ァイルを図4に示す。電荷輸送層2が5.5重量%のT
eを均一に含んでいることと、正孔注入層3の電荷輸送
層2との界面のTe量が5.5重量%でありその分電荷
発生層界面へ向かってのTe量増加の傾斜が緩やかにな
っていること以外は図3と同じプロファイルであった。
【0015】また、これらの感光体について、帯電特
性,疲労特性,耐熱性,耐磨耗性を実施例1〜6の場合
と同様にして調べたところ、対応する実施例2と7,実
施例3と8,実施例4と9の感光体はそれぞれほぼ同等
の性能を有しており、電荷輸送層を変えたことによる性
能への影響は殆ど認められなかった。
性,疲労特性,耐熱性,耐磨耗性を実施例1〜6の場合
と同様にして調べたところ、対応する実施例2と7,実
施例3と8,実施例4と9の感光体はそれぞれほぼ同等
の性能を有しており、電荷輸送層を変えたことによる性
能への影響は殆ど認められなかった。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、導電性基体上にアモ
ルファスセレンまたはアモルファスセレン−テルル合金
からなる電荷輸送層,アモルファスセレン−テルル合金
からなりそのテルル濃度が電荷輸送層との界面では電荷
輸送層のテルル濃度と同等であり電荷発生層との界面で
は電荷発生層のテルル濃度と同等となる濃度勾配を有す
る正孔注入層,微量のひ素を含むアモルファスセレン−
テルル合金からなりそのひ素濃度が正孔注入層との界面
では低く電荷発生層表面に向かって高くなる濃度勾配を
有する電荷発生層が順次積層されてなる感光層を備えた
感光体とする。このような構成とすることにより、従来
のセレン・テルル系感光体に比べて帯電特性,疲労特性
がほぼ同等で、耐熱性,耐磨耗性が向上し、少なくとも
コピー枚数4万枚以上の使用寿命が安定して得られるセ
レン・テルル系感光体を得ることができる。
ルファスセレンまたはアモルファスセレン−テルル合金
からなる電荷輸送層,アモルファスセレン−テルル合金
からなりそのテルル濃度が電荷輸送層との界面では電荷
輸送層のテルル濃度と同等であり電荷発生層との界面で
は電荷発生層のテルル濃度と同等となる濃度勾配を有す
る正孔注入層,微量のひ素を含むアモルファスセレン−
テルル合金からなりそのひ素濃度が正孔注入層との界面
では低く電荷発生層表面に向かって高くなる濃度勾配を
有する電荷発生層が順次積層されてなる感光層を備えた
感光体とする。このような構成とすることにより、従来
のセレン・テルル系感光体に比べて帯電特性,疲労特性
がほぼ同等で、耐熱性,耐磨耗性が向上し、少なくとも
コピー枚数4万枚以上の使用寿命が安定して得られるセ
レン・テルル系感光体を得ることができる。
【図1】この発明の感光体の一実施例の模式的断面図
【図2】電荷発生層のフラッシュ蒸着時にフラッシュ蒸
着材料を搬送ベルト上に載せるパターンの一例を示す平
面図
着材料を搬送ベルト上に載せるパターンの一例を示す平
面図
【図3】この発明の感光層の材料の感光層厚さ方向の成
分比のプロファイルの一例を示す線図
分比のプロファイルの一例を示す線図
【図4】この発明の感光層の材料の感光層厚さ方向の成
分比のプロファイルの異なる例を示す線図
分比のプロファイルの異なる例を示す線図
1 基体 2 電荷輸送層 3 正孔注入層 4 電荷発生層
Claims (5)
- 【請求項1】導電性基体上にアモルファスセレンまたは
アモルファスセレン−テルル合金からなる電荷輸送層,
アモルファスセレン−テルル合金からなりそのテルル濃
度が電荷輸送層との界面では電荷輸送層のテルル濃度と
同等であり電荷発生層との界面では電荷発生層のテルル
濃度と同等となる濃度勾配を有する正孔注入層,微量の
ひ素を含むアモルファスセレン−テルル合金からなりそ
のひ素濃度が正孔注入層との界面では低く電荷発生層表
面に向かって高くなる濃度勾配を有する電荷発生層が順
次積層されてなる感光層を備えたことを特徴とする電子
写真用感光体。 - 【請求項2】電荷輸送層のテルル濃度が多くとも10重
量%以下であることを特徴とする請求項1記載の電子写
真用感光体。 - 【請求項3】電荷発生層のテルル濃度が8重量%以上1
5重量%以下であることを特徴とする請求項1または2
記載の電子写真用感光体。 - 【請求項4】電荷発生層のひ素濃度が正孔注入層との界
面では0であり、電荷発生層表面では1.5重量%以上
2.5重量%以下であることを特徴とする請求項1ない
し3のうちのいずれかに記載の電子写真用感光体。 - 【請求項5】電荷輸送層の膜厚が40μm以上70μm
以下の範囲内,正孔注入層の膜厚が1μm以上5μm以
下の範囲内,電荷発生層の膜厚が1μm以上5μm以下
の範囲内であることを特徴とする請求項1ないし4のう
ちのいずれかに記載の電子写真用感光体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4894192A JPH05249721A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電子写真用感光体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4894192A JPH05249721A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電子写真用感光体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05249721A true JPH05249721A (ja) | 1993-09-28 |
Family
ID=12817305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4894192A Pending JPH05249721A (ja) | 1992-03-06 | 1992-03-06 | 電子写真用感光体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05249721A (ja) |
-
1992
- 1992-03-06 JP JP4894192A patent/JPH05249721A/ja active Pending
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