JPH0524946A - セラミツクス部材と金属部材との接合構造体 - Google Patents
セラミツクス部材と金属部材との接合構造体Info
- Publication number
- JPH0524946A JPH0524946A JP18455991A JP18455991A JPH0524946A JP H0524946 A JPH0524946 A JP H0524946A JP 18455991 A JP18455991 A JP 18455991A JP 18455991 A JP18455991 A JP 18455991A JP H0524946 A JPH0524946 A JP H0524946A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rotor
- shaft
- convex portion
- concave portion
- rotary shaft
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Pressure Welding/Diffusion-Bonding (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明はセラミックス部材と金属部材とが充分
な強度をもって接合できる信頼性の高い接合構造体を提
供することを目的とする。 【構成】凸部５を有するセラミックス製のロータ１と、
凹部６を有しこの凹部がロータの凸部と組合せて焼き嵌
め接合された回転軸２とを具備し、この回転軸の凹部を
囲む壁部の外周面は、凹部の開口に向かうに従って直径
が小さくなるテーパ面７として形成されていること、お
よび回転軸は凹部が形成されている部分の軸体２Ａと、
その他の部分の軸体２Ｂとに分割されて相互に結合され
ているものであることを特徴とする。
な強度をもって接合できる信頼性の高い接合構造体を提
供することを目的とする。 【構成】凸部５を有するセラミックス製のロータ１と、
凹部６を有しこの凹部がロータの凸部と組合せて焼き嵌
め接合された回転軸２とを具備し、この回転軸の凹部を
囲む壁部の外周面は、凹部の開口に向かうに従って直径
が小さくなるテーパ面７として形成されていること、お
よび回転軸は凹部が形成されている部分の軸体２Ａと、
その他の部分の軸体２Ｂとに分割されて相互に結合され
ているものであることを特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明はセラミックス部材と金属
部材とを焼き嵌めにより接合した接合構造体に関する。
部材とを焼き嵌めにより接合した接合構造体に関する。
【０００２】
【従来の技術】近来、広い分野において材料として採用
されているセラミックスは、金属に比較して耐熱性に優
れ、且つ金属なみの機械的強度を有している。例えば窒
化けい素の曲げ強度は常温で１００Kg f／mm2 、１３０
０℃で８０Kg f／mm2 の値を示している。
されているセラミックスは、金属に比較して耐熱性に優
れ、且つ金属なみの機械的強度を有している。例えば窒
化けい素の曲げ強度は常温で１００Kg f／mm2 、１３０
０℃で８０Kg f／mm2 の値を示している。
【０００３】このような優れた耐熱性を有するセラミッ
クスは、金属からなる部品に代って使用条件の過酷な各
種機械部品として採用されつつあり、その一例として内
燃機関のターボチャージャにおけるロータ部の材料に採
用されている。ターボチャージャは、内燃機関の排気エ
ネルギーを利用して排気タービンを回転し、その動力で
コンプレッサを駆動することにより、吸入空気または混
合気を予圧する装置である。このターボチャージャに用
いられるロータ部は、高温の空気にさらされ、且つ高速
で回転する部品であるために、耐熱性に優れたセラミッ
クスで形成することは効果的である。
クスは、金属からなる部品に代って使用条件の過酷な各
種機械部品として採用されつつあり、その一例として内
燃機関のターボチャージャにおけるロータ部の材料に採
用されている。ターボチャージャは、内燃機関の排気エ
ネルギーを利用して排気タービンを回転し、その動力で
コンプレッサを駆動することにより、吸入空気または混
合気を予圧する装置である。このターボチャージャに用
いられるロータ部は、高温の空気にさらされ、且つ高速
で回転する部品であるために、耐熱性に優れたセラミッ
クスで形成することは効果的である。
【０００４】ところで、ターボチャージャのロータ部は
ロータを回転軸に支持した構造をなしており、ロータを
固定する回転軸はターボチャージャに組み込むために高
い加工精度を要求される。このため、このロータと、加
工精度の高い回転軸の両方をセラミックスで一体に形成
することは困難である。そこで、この問題を解決するた
めに、ターボチャージャのロータ部では、熱負担の高い
ロータをセラミックスで形成し、加工精度が高い回転軸
を金属で形成し、両者を接合する構造が一般的に採用さ
れている。
ロータを回転軸に支持した構造をなしており、ロータを
固定する回転軸はターボチャージャに組み込むために高
い加工精度を要求される。このため、このロータと、加
工精度の高い回転軸の両方をセラミックスで一体に形成
することは困難である。そこで、この問題を解決するた
めに、ターボチャージャのロータ部では、熱負担の高い
ロータをセラミックスで形成し、加工精度が高い回転軸
を金属で形成し、両者を接合する構造が一般的に採用さ
れている。
【０００５】このセラミックス製のロータと金属製の回
転軸とを接合する構造は種々考えられているが、ロータ
の回転中心に凸部を形成し、回転軸の端部に凹部を形成
し、回転軸の凹部をロータの凸部に嵌合して焼き嵌めす
る構造が簡便なものとして多く採用されている。すなわ
ち、焼き嵌めとは、金属の回転軸を高温に加熱して凹部
をセラミックス製のロータの凸部と嵌合し、この高温よ
り低い温度で両者の熱膨張率の差により凹部が凸部を締
め付けるものである。
転軸とを接合する構造は種々考えられているが、ロータ
の回転中心に凸部を形成し、回転軸の端部に凹部を形成
し、回転軸の凹部をロータの凸部に嵌合して焼き嵌めす
る構造が簡便なものとして多く採用されている。すなわ
ち、焼き嵌めとは、金属の回転軸を高温に加熱して凹部
をセラミックス製のロータの凸部と嵌合し、この高温よ
り低い温度で両者の熱膨張率の差により凹部が凸部を締
め付けるものである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】このようにセラミック
ス製のロータと金属製の回転軸とを接合した接合構造体
には次に述べる問題がある。回転軸の凹部をロータの凸
部に嵌合した接合部において、ロータの凸部の根元部分
が破断して凸部と凹部との接合が困難になることがあ
る。また、回転軸にたわみが発生してその寸法精度が低
下し、この結果ロータと回転軸との接合構造体の全体の
寸法精度が低下することがある。このように従来の接合
構造体では接合信頼性および寸法精度の面で問題があっ
た。
ス製のロータと金属製の回転軸とを接合した接合構造体
には次に述べる問題がある。回転軸の凹部をロータの凸
部に嵌合した接合部において、ロータの凸部の根元部分
が破断して凸部と凹部との接合が困難になることがあ
る。また、回転軸にたわみが発生してその寸法精度が低
下し、この結果ロータと回転軸との接合構造体の全体の
寸法精度が低下することがある。このように従来の接合
構造体では接合信頼性および寸法精度の面で問題があっ
た。
【０００７】本発明は前記事情に基づいてなされたもの
で、セラミックス部材と金属部材とを高い信頼性をもっ
て接合できるとともに、金属部材の寸法精度の低下を防
止した接合構造体を提供することを目的とする。
で、セラミックス部材と金属部材とを高い信頼性をもっ
て接合できるとともに、金属部材の寸法精度の低下を防
止した接合構造体を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段と作用】本発明の発明者
は、セラミックス部材と金属部材の接合構造体において
発生する問題の解決について、セラミックス製のロータ
と金属製の回転軸との接合構造体を対象にして研究を重
ねてきた。この結果、次のことがわかった。
は、セラミックス部材と金属部材の接合構造体において
発生する問題の解決について、セラミックス製のロータ
と金属製の回転軸との接合構造体を対象にして研究を重
ねてきた。この結果、次のことがわかった。
【０００９】ロータの凸部と回転軸の凹部とを焼き嵌め
した接合部において、ロータの凸部が破断する原因は次
の通りである。ロータの凸部と回転軸の凹部とは焼き嵌
めするためにしめ代をもって非常に小さな隙間をもって
嵌合している。このため、焼き嵌めを行う時に回転軸の
凹部を囲む周壁部に発生した歪みがロータの凸部に作用
する度合いが大きく、この結果凸部が破損することがあ
る。そして、この凹部を囲む周壁部に発生する歪みは、
凹部の開口端に近付く程大きくなることがわかった。
した接合部において、ロータの凸部が破断する原因は次
の通りである。ロータの凸部と回転軸の凹部とは焼き嵌
めするためにしめ代をもって非常に小さな隙間をもって
嵌合している。このため、焼き嵌めを行う時に回転軸の
凹部を囲む周壁部に発生した歪みがロータの凸部に作用
する度合いが大きく、この結果凸部が破損することがあ
る。そして、この凹部を囲む周壁部に発生する歪みは、
凹部の開口端に近付く程大きくなることがわかった。
【００１０】そこで、回転軸において凹部を囲む周壁部
の外周面を、凹部の開口端に向けて細くなるテーパ面を
形成して、凹部を囲む周壁部を凹部の開口端に向けて順
次薄肉になるように形成することにより、周壁部に発生
する熱応力を効果的に低減させ、周壁部に発生する歪み
を効果的に低減させることができる。これにより炊き嵌
め時に凹部を囲む周壁部に発生する歪みがロータの凸部
に対して作用する度合いが小さくなり凸部が破断するこ
とを防止できることを見出した。
の外周面を、凹部の開口端に向けて細くなるテーパ面を
形成して、凹部を囲む周壁部を凹部の開口端に向けて順
次薄肉になるように形成することにより、周壁部に発生
する熱応力を効果的に低減させ、周壁部に発生する歪み
を効果的に低減させることができる。これにより炊き嵌
め時に凹部を囲む周壁部に発生する歪みがロータの凸部
に対して作用する度合いが小さくなり凸部が破断するこ
とを防止できることを見出した。
【００１１】また、回転軸にたわみを生じる原因は次の
通りである。ロータの凸部と回転軸の凹部とを焼き嵌め
する時に、回転軸の凹部を形成した部分を加熱する。こ
の加熱により回転軸にたわみが発生することがわかっ
た。そこで、回転軸を、凹部を形成した部分の軸体と、
その他の部分の軸体とに分割して相互に結合する構成と
する。そして、凹部を形成した部分軸体をロータの凸部
に焼き嵌めし、その後に凹部を形成した部分の軸体とそ
の他の部分の軸体とを結合することにより、焼き嵌めの
熱が回転軸の他の部分に及ぶことを回避してたわみの発
生を防止できることを見出した。
通りである。ロータの凸部と回転軸の凹部とを焼き嵌め
する時に、回転軸の凹部を形成した部分を加熱する。こ
の加熱により回転軸にたわみが発生することがわかっ
た。そこで、回転軸を、凹部を形成した部分の軸体と、
その他の部分の軸体とに分割して相互に結合する構成と
する。そして、凹部を形成した部分軸体をロータの凸部
に焼き嵌めし、その後に凹部を形成した部分の軸体とそ
の他の部分の軸体とを結合することにより、焼き嵌めの
熱が回転軸の他の部分に及ぶことを回避してたわみの発
生を防止できることを見出した。
【００１２】さらに、ロータの突部の根元部分を円弧状
に形成することにより、凸部の根元部分における応力集
中を緩和し、この根元部分に亀裂が生じることを防止で
きることを見出した。本発明はこのような知見に基づい
てなされたものである。
に形成することにより、凸部の根元部分における応力集
中を緩和し、この根元部分に亀裂が生じることを防止で
きることを見出した。本発明はこのような知見に基づい
てなされたものである。
【００１３】すなわち、本発明のセラミックス部材と金
属部材との接合構造体は、凸部を有するセラミックス部
材と、凹部を有しこの凹部が前記セラミックス部材の凸
部と組合せて焼き嵌め接合された金属部材とを具備し、
この金属部材の前記凹部を囲む壁部の外周面は、前記凹
部の開口に向かうに従って直径が小さくなるテーパ面と
して形成されていることを特徴とする。
属部材との接合構造体は、凸部を有するセラミックス部
材と、凹部を有しこの凹部が前記セラミックス部材の凸
部と組合せて焼き嵌め接合された金属部材とを具備し、
この金属部材の前記凹部を囲む壁部の外周面は、前記凹
部の開口に向かうに従って直径が小さくなるテーパ面と
して形成されていることを特徴とする。
【００１４】また、本発明の接合構造体は、金属部材
は、凹部が形成された部分と、その他の部分とに分割さ
れ、これら分割された各部分が相互に結合されているこ
とを特徴とする。さらに、セラミックス部材の凸部の基
部が曲面をなしている。
は、凹部が形成された部分と、その他の部分とに分割さ
れ、これら分割された各部分が相互に結合されているこ
とを特徴とする。さらに、セラミックス部材の凸部の基
部が曲面をなしている。
【００１５】
【実施例】以下、本発明を図面で示す一実施例を図面に
ついて説明する。この実施例は、内燃機関のターボチャ
ージャに設けるロータと、回転軸とを一体に接合した構
造体に適用したものである。図１は接合構造体を示し、
図２はロータと回転軸との接合部を示している。
ついて説明する。この実施例は、内燃機関のターボチャ
ージャに設けるロータと、回転軸とを一体に接合した構
造体に適用したものである。図１は接合構造体を示し、
図２はロータと回転軸との接合部を示している。
【００１６】図中１はセラミックス部材であるロータで
あり、窒化けい素、炭化けい素、サイアロンなどの耐熱
強度に優れたセラミックスで形成されている。２は金属
部材である回転軸で、クロムーモリブデン鋼、ステンレ
ス鋼などの耐熱性に優れた金属で形成されている。
あり、窒化けい素、炭化けい素、サイアロンなどの耐熱
強度に優れたセラミックスで形成されている。２は金属
部材である回転軸で、クロムーモリブデン鋼、ステンレ
ス鋼などの耐熱性に優れた金属で形成されている。
【００１７】ロータ１は、軸部３と、この軸部３の中間
位置に放射状に配置された複数の羽根部４とを一体に形
成したものである。軸部３の一端には凸部５が軸方向に
沿って突出形成されている。この凸部５は断面円形のボ
ス形をなすもので、軸部３に比較して小さい直径と、回
転軸２の凹部６に組合せるのに必要な長さを有してい
る。また、凸部５の根元部分は円弧面５ａとして形成さ
れている。
位置に放射状に配置された複数の羽根部４とを一体に形
成したものである。軸部３の一端には凸部５が軸方向に
沿って突出形成されている。この凸部５は断面円形のボ
ス形をなすもので、軸部３に比較して小さい直径と、回
転軸２の凹部６に組合せるのに必要な長さを有してい
る。また、凸部５の根元部分は円弧面５ａとして形成さ
れている。
【００１８】回転軸２は丸棒をなすもので、軸体２Ａと
軸体２Ｂとに分割され、これら軸体２Ａと軸体２Ｂが相
互に結合することにより構成されている。一方の軸体２
Ａの一端には（ロータ１の凸部５と対向する端部）には
凹部６が形成されている。この凹部６は回転軸２の端面
で開放する丸孔をなすもので、凸部５に対してしめ代を
もって組合さる大きさの直径と、凸部５と同じ大きさの
長さを有している。この凹部６を囲む周壁部の外周面に
は、凹部６の開口端に向けて順次細くなるテーパ面７が
形成されている。すなわち、凹部６を囲む周壁部を凹部
６の開口端に向けて順次薄肉になるように形成すること
ができる。
軸体２Ｂとに分割され、これら軸体２Ａと軸体２Ｂが相
互に結合することにより構成されている。一方の軸体２
Ａの一端には（ロータ１の凸部５と対向する端部）には
凹部６が形成されている。この凹部６は回転軸２の端面
で開放する丸孔をなすもので、凸部５に対してしめ代を
もって組合さる大きさの直径と、凸部５と同じ大きさの
長さを有している。この凹部６を囲む周壁部の外周面に
は、凹部６の開口端に向けて順次細くなるテーパ面７が
形成されている。すなわち、凹部６を囲む周壁部を凹部
６の開口端に向けて順次薄肉になるように形成すること
ができる。
【００１９】また、軸体２Ａの他端部にはねじ孔８が軸
方向に沿って形成され、この軸体２Ａの他端部に対向す
る他方の軸体２Ｂの一端部にはねじ孔８に螺合するねじ
９が軸方向に沿って形成されている。すなわち、軸体２
Ｂのねじ９を軸体２Ａのねじ孔８に螺合することにより
軸体２Ａと軸体２Ｂとが結合される。なお、ねじ孔８を
囲む軸体２Ａの周壁部から軸体２Ｂのねじ９にかけて回
り止めピン１０が挿入される。
方向に沿って形成され、この軸体２Ａの他端部に対向す
る他方の軸体２Ｂの一端部にはねじ孔８に螺合するねじ
９が軸方向に沿って形成されている。すなわち、軸体２
Ｂのねじ９を軸体２Ａのねじ孔８に螺合することにより
軸体２Ａと軸体２Ｂとが結合される。なお、ねじ孔８を
囲む軸体２Ａの周壁部から軸体２Ｂのねじ９にかけて回
り止めピン１０が挿入される。
【００２０】そして、ロータ１の凸部５は回転軸２の軸
体２Ａの凹部６に挿入して組合され焼き嵌めを施して接
合されている。すなわち、回転軸２を高温に加熱して凹
部６にロータ１の凸部５を挿入し、この高温より低い温
度でロータ１と回転軸２との熱膨張率の差により凹部５
が凸部６を締め付け固定している。なお、回転軸２は焼
き嵌めに際して軸体２Ａと軸体２Ｂとを分離しておき、
焼き嵌めの後に軸体２Ａと軸体２Ｂとを結合する。この
実施例においてロータ１と回転軸２との接合構造体には
次に述べる効果を有している。
体２Ａの凹部６に挿入して組合され焼き嵌めを施して接
合されている。すなわち、回転軸２を高温に加熱して凹
部６にロータ１の凸部５を挿入し、この高温より低い温
度でロータ１と回転軸２との熱膨張率の差により凹部５
が凸部６を締め付け固定している。なお、回転軸２は焼
き嵌めに際して軸体２Ａと軸体２Ｂとを分離しておき、
焼き嵌めの後に軸体２Ａと軸体２Ｂとを結合する。この
実施例においてロータ１と回転軸２との接合構造体には
次に述べる効果を有している。
【００２１】回転軸２の軸体２Ａにおいて凹部６を囲む
周壁部の外周面に、凹部６の開口端に向けて細くなるテ
ーパ面７を形成して、凹部６を囲む周壁部を凹部６の開
口端に向けて順次薄肉になるように形成することによ
り、周壁部に発生する熱応力を効果的に低減させて歪み
を効果的に低減させている。これにより焼き嵌め時に軸
体２Ａの凹部６を囲む周壁部に発生する歪みが、ロータ
１の凸部５に対して作用する度合いを小さくして凸部５
が破断することを防止できる。
周壁部の外周面に、凹部６の開口端に向けて細くなるテ
ーパ面７を形成して、凹部６を囲む周壁部を凹部６の開
口端に向けて順次薄肉になるように形成することによ
り、周壁部に発生する熱応力を効果的に低減させて歪み
を効果的に低減させている。これにより焼き嵌め時に軸
体２Ａの凹部６を囲む周壁部に発生する歪みが、ロータ
１の凸部５に対して作用する度合いを小さくして凸部５
が破断することを防止できる。
【００２２】また、回転軸２を凹部６を形成した部分の
軸体２Ａと、その他の部分の軸体２Ｂとに分割し、これ
ら各軸体２、２Ｂを相互に結合する構成としているの
で、凹部６を有する軸体２Ａとロータ１の凸部５とを焼
き嵌めし、その後に凸部６を形成した部分の軸体２Ａと
その他の部分の軸体２Ｂとを結合する。このため、軸体
２Ａを焼き嵌めする時の熱が、軸体２ｂに伝達されず、
回転軸２全体として焼き嵌めする時の熱によりたわみを
生じることがない。
軸体２Ａと、その他の部分の軸体２Ｂとに分割し、これ
ら各軸体２、２Ｂを相互に結合する構成としているの
で、凹部６を有する軸体２Ａとロータ１の凸部５とを焼
き嵌めし、その後に凸部６を形成した部分の軸体２Ａと
その他の部分の軸体２Ｂとを結合する。このため、軸体
２Ａを焼き嵌めする時の熱が、軸体２ｂに伝達されず、
回転軸２全体として焼き嵌めする時の熱によりたわみを
生じることがない。
【００２３】ここで、回転軸２において軸体２Ａと軸体
２Ｂとの結合位置の寸法について述べる。図１に示すよ
うにロータ１の凸部５の長さをＬ１，凸部５の根元から
軸体２Ａの一端面までの長さをＬ２とすると、Ｌ１：Ｌ
２は例えば１：４である。
２Ｂとの結合位置の寸法について述べる。図１に示すよ
うにロータ１の凸部５の長さをＬ１，凸部５の根元から
軸体２Ａの一端面までの長さをＬ２とすると、Ｌ１：Ｌ
２は例えば１：４である。
【００２４】さらに、ロータ１の凸部５の根元部分を円
弧面５ａとして形成しているので、することにより、凸
部５の根元部分における応力集中を緩和し、この根元部
分に亀裂が生じることを防止できる。
弧面５ａとして形成しているので、することにより、凸
部５の根元部分における応力集中を緩和し、この根元部
分に亀裂が生じることを防止できる。
【００２５】なお、軸体２Ａの凹部６の底面に突起１１
が形成され、軸体２Ａに凹部６の内部と外部とを連通す
る孔１２が形成されている。軸体２Ａの凹部６をロータ
１の凸部５に嵌合すると、凹部６内の空気が凸部５に押
されて孔１２から押し出される。また、凸部５の先端が
凹部６内の突起１１に当接し、凸部５を凹部６内の空気
に阻害されることなく凹部６に挿入することができる。
ターボチャージャに使用するセラミックス製のロータ１
と金属製の回転軸２とを接合した構造体の具体的な一例
について述べる。
が形成され、軸体２Ａに凹部６の内部と外部とを連通す
る孔１２が形成されている。軸体２Ａの凹部６をロータ
１の凸部５に嵌合すると、凹部６内の空気が凸部５に押
されて孔１２から押し出される。また、凸部５の先端が
凹部６内の突起１１に当接し、凸部５を凹部６内の空気
に阻害されることなく凹部６に挿入することができる。
ターボチャージャに使用するセラミックス製のロータ１
と金属製の回転軸２とを接合した構造体の具体的な一例
について述べる。
【００２６】ロータ１は窒化けい素で形成され、凸部５
の直径が１０mm、長さが１０mmである。回転軸２はスレ
ンレス鋼で形成され、凹部６の直径が９．９８mm、長さ
が１０mmである。凸部５と凹部６との間のしめ代は０．
２mmである。凸部５と凹部６とを焼き嵌めする処理は、
回転軸２は温度６００℃で加熱し、ロータは温度２００
℃に保留し、ロ−タ１の凸部５を自然落下により回転軸
２の凹部６に挿入している。
の直径が１０mm、長さが１０mmである。回転軸２はスレ
ンレス鋼で形成され、凹部６の直径が９．９８mm、長さ
が１０mmである。凸部５と凹部６との間のしめ代は０．
２mmである。凸部５と凹部６とを焼き嵌めする処理は、
回転軸２は温度６００℃で加熱し、ロータは温度２００
℃に保留し、ロ−タ１の凸部５を自然落下により回転軸
２の凹部６に挿入している。
【００２７】本発明は、ターボチャージャに使用するセ
ラミックスロータと金属回転軸とを接合した構造体に限
定されずに、他の広い分野の用途に使用される接合構造
体に適用できる。
ラミックスロータと金属回転軸とを接合した構造体に限
定されずに、他の広い分野の用途に使用される接合構造
体に適用できる。
【００２８】
【発明の効果】以上説明したように本発明のセラミック
ス部材と金属部材との接合構造体は、金属部材の凹部を
囲む周壁部の外周面を凹部の開口端に向けて細くなるテ
ーパ面を形成したので、この周壁部に発生する歪みを効
果的に低減させ、凹部と焼き嵌め接合するセラミックス
部材の凸部の破断を防止できる。
ス部材と金属部材との接合構造体は、金属部材の凹部を
囲む周壁部の外周面を凹部の開口端に向けて細くなるテ
ーパ面を形成したので、この周壁部に発生する歪みを効
果的に低減させ、凹部と焼き嵌め接合するセラミックス
部材の凸部の破断を防止できる。
【００２９】また、金属部材を、凹部を形成した部分と
その他の部分とに分割して相互に結合する構成とするこ
とにより、セラミックス部材と金属部材とを焼き嵌めす
る時の熱により金属部材がたわむことを防止できる。
その他の部分とに分割して相互に結合する構成とするこ
とにより、セラミックス部材と金属部材とを焼き嵌めす
る時の熱により金属部材がたわむことを防止できる。
【００３０】さらに、セラミックス部材の凸部の根元部
分を円弧状に形成することにより、凸部の根元部分にお
ける応力集中を緩和し、この根元部分に亀裂が生じるこ
とを防止できる。従って、本発明のセラミックス部材と
金属部材との接合構造体は、高い接合信頼性と寸法精度
を獲得することができる。
分を円弧状に形成することにより、凸部の根元部分にお
ける応力集中を緩和し、この根元部分に亀裂が生じるこ
とを防止できる。従って、本発明のセラミックス部材と
金属部材との接合構造体は、高い接合信頼性と寸法精度
を獲得することができる。
【図１】本発明の一実施例の接合構造体を示す一部切欠
正面図。
正面図。
【図２】接合構造体におけるロータと回転軸との接合部
を拡大して示す断面図。
を拡大して示す断面図。
１…ロータ、２…回転軸、２Ａ…軸体、２Ｂ…軸体、５
…凸部、５ａ…円弧面、６…凹部、７…テーパ面。
…凸部、５ａ…円弧面、６…凹部、７…テーパ面。
Claims (3)
- 【請求項１】 凸部を有するセラミックス部材と、凹部
を有しこの凹部が前記セラミックス部材の凸部と組合せ
て焼き嵌め接合された金属部材とを具備し、この金属部
材の前記凹部を囲む壁部の外周面に、前記凹部の開口に
向かうに従って細くなるテーパ面が形成されていること
を特徴とするセラミックス部材と金属部材との接合構造
体。 - 【請求項２】 凸部を有するセラミックス部材と、凹部
を有しこの凹部が前記セラミックス部材の凸部と組合せ
て焼き嵌め接合された金属部材とを具備し、この金属部
材は前記凹部が形成された部分と、その他の部分とに分
割され、これら分割された各部分が相互に結合されてい
るものであるセラミックス部材と金属部材との接合構造
体。 - 【請求項３】 セラミックス部材の凸部の根元部分が曲
面をなしている請求項１または２記載のセラミックス部
材と金属部材との接合構造体。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18455991A JPH0524946A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | セラミツクス部材と金属部材との接合構造体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18455991A JPH0524946A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | セラミツクス部材と金属部材との接合構造体 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0524946A true JPH0524946A (ja) | 1993-02-02 |
Family
ID=16155328
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18455991A Pending JPH0524946A (ja) | 1991-07-24 | 1991-07-24 | セラミツクス部材と金属部材との接合構造体 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0524946A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101436968B1 (ko) * | 2013-01-24 | 2014-09-04 | 한국기계연구원 | 압축기 및 터빈 임펠러 일체형 회전체의 제조 방법 |
-
1991
- 1991-07-24 JP JP18455991A patent/JPH0524946A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR101436968B1 (ko) * | 2013-01-24 | 2014-09-04 | 한국기계연구원 | 압축기 및 터빈 임펠러 일체형 회전체의 제조 방법 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US4614453A (en) | Metal-ceramic composite body and a method of manufacturing the same | |
| JPH0415361B2 (ja) | ||
| US5365661A (en) | Ceramic-metal composite joint body | |
| JP2531708Y2 (ja) | セラミックス・金属結合体 | |
| JPS61219767A (ja) | 金属・セラミツクス結合体 | |
| JPH0336787B2 (ja) | ||
| US4908256A (en) | Ceramic-metal composite bodies | |
| US5129784A (en) | Ceramic rotor and metal shaft assembly | |
| JPH1172002A (ja) | 回転する構成部分の摩擦接続・形状接続式の結合部 | |
| JPH0524946A (ja) | セラミツクス部材と金属部材との接合構造体 | |
| JPH0524947A (ja) | セラミツクス部材と金属部材との接合構造体 | |
| JPH0744722Y2 (ja) | セラミックタービンロータと金属軸との結合軸構造 | |
| JPH061701U (ja) | 金属製回転軸とセラミック製回転体との接合構造 | |
| JPS6325281Y2 (ja) | ||
| JPH0646001B2 (ja) | セラミツクタ−ボロ−タ | |
| JPS6224605B2 (ja) | ||
| JPH0217123Y2 (ja) | ||
| JPH0410198Y2 (ja) | ||
| JPS6347601Y2 (ja) | ||
| JPH0692722B2 (ja) | セラミツクタ−ボロ−タ | |
| JPS61123701A (ja) | セラミツクス製タ−ビンロ−タ | |
| JPS59159409A (ja) | 機械要素 | |
| JPS58196323A (ja) | 軸継手 | |
| JPS59185541A (ja) | 軸と軸の結合方法 | |
| JPH0351319Y2 (ja) |