JPH05248U - 射出成形装置の射出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形装置において射出位置を容易に変更
し得るようにするとともに，射出芯出しを不要にした射
出装置を提供する。 【構成】 固定盤に射出フレームを摺動自在，取付け取
りはずし可能に取付け，射出フレームに射出シリンダを
固定し，射出フレームと射出シリンダの下にそれぞれジ
ャッキを配置し，全部のジャッキを同調させて上下動可
能に設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，ダイカマトマシンや射出成形機等の射出成形装置において，使用す る金型等の射出条件に対応して，射出位置を上下方向に変え得るようにした射出 成形装置の射出装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来より，例えば，ダイカストマシンにおいて，射出位置を変える場合は，図 ５に示すような装置が用いられていた。 図５において，１は固定金型を取付ける固定盤，２は固定盤１の後端面にボル ト３で固定したＣ形フレーム，４はＣ形フレーム２の反固定盤１側である後端面 にボルト５で固定した射出シリンダ，６は射出シリンダ４の後部に取付けたバル ブやアキュームレータ等の付属装置，７は射出スリーブ，８は射出シリンダ４の ピストンロッド９とカップリング１０を介して同軸上に一体に取付けられた射出 プランジャ，１１は射出シリンダ４の重心部の下に設けられた射出シリンダ１昇 降用の１個の油圧シリンダ，１２はマシンベースである。 射出位置を変更する場合は，カップリング１０をはずし，射出スリーブ７と射 出プランジャ８を所望の位置に移動させるとともに，ボルト５をはずして射出シ リンダ４とＣ形フレーム２との連結を断ち，油圧シリンダ１１を作動させて射出 シリンダ４を所望の位置まで上下方向に移動させる。その後，ボルト５で射出シ リンダ４をＣ形フレーム２に取付けるとともに，カップリング１０で射出プラン ジャ８をピストンロッド９に取付ける。

【０００３】

【本考案が解決しようとする課題】

このような装置において射出位置を上下に変える場合は，１個の油圧シリンダ １１で射出シリンダ４全体を上下に移動させるので，安定性が悪く，段取作業に 時間がかかる。また，射出位置を変更すると，射出シリンダ４や射出プランジャ ８と，固定盤に取付けた射出スリーブ７との間の芯出し精度が悪くなり，その結 果，面倒で難しい芯出し作業が必要である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

このような課題を解決するために，本考案においては，固定金型取付用の固定 盤に射出フレームの前端面を上下動摺動可能に取付け，射出フレームの後端面に 射出シリンダを固定し，射出フレームの下側と射出シリンダの下側にそれぞれジ ャッキを設け，全部のジャッキを同一駆動源に連結して設け，全部のジャッキを 同時に上下動可能に設けた。

【０００５】

【作用】

射出位置を上下方向に変更する場合は，射出フレームの固定盤への取付け部分 をはずし，駆動源を作動させて全部のジャッキを同時に上下動させて，射出フレ ーム，射出シリンダ，射出スリーブを所望の高さ位置まで移動させる。その後は ，射出フレームの前面部を固定盤に取付けておく。

【０００６】

【実施例】

図１〜図４によって，本考案の１実施例を説明する。 図１はダイカストマシンの射出装置の正面図，図２は図１のＡ−Ａ線断面図， 図３は図１のＢ−Ｂ線断面図，図４は図３のＣ−Ｃ線断面図である。

【０００７】 図１〜図４において，１は固定金型を取付ける固定盤，１ａは射出スリーブ取 付穴，１ｂはコラムである。１５は射出フレームであり，射出フレーム１５は， フレーム本体部分１５ａが図１において手前側下側と向う側上側の２つの部分か らなっており，したがって，図３からもわかるように，上方と上方手前部分は， 大きくあいており，ラドルで溶湯を射出スリーブ７内に容易に供給し得るように なっており，下方と下方向う側も大きくあいており，掃除や射出スリーブ７の取 換え等の邪魔にならないようになっている。射出フレーム１５の前端部には円筒 状の射出スリーブ保持部１５ｂが設けられていて，固定盤１に設けた切欠部内に 位置させ得るようになっており，射出スリーブ保持部１５ｂ内と固定盤１の射出 スリーブ取付穴１ａ内で，射出スリーブ７を保持し得るようになっており，射出 スリーブ７は射出スリーブ保持部１５ｂすなわち射出フレーム１５と一体に取付 けられる。射出スリーブ保持部１５ｂの後端部には２つの部分からなるフレーム 本体部分１５ａの前端部がフランジ部１５ｃによって一体に連結されており，２ つの部分からなるフレーム本体部分１５ａの後端部はフランジ１５ｄに一体に連 結されている。

【０００８】 射出フレーム１５の固定盤１側外側のフランジ部１５ｅは，ボルト１５ｆで固 定盤１に取付け取りはずし可能に取付けられている。また，このフランジ部１５ ｅの外側両面は垂直面１５ｇになっていて，この垂直面１５ｇは，固定盤１にボ ルト１６ａで取付けられたかぎ形状のガイド部材１６で上下方向に摺動自在にガ イドされている。図３において，１ｃはボルト取付穴であり，射出フレーム１５ を下段位置に移動したときに，ボルト１５ｆでフランジ部１５ｅを固定盤１に取 付けるときに使用される。

【０００９】 １７は射出シリンダであり，射出シリンダ１７の先端面部はボルトによって射 出フレーム１５の後端面に固定されている。１８は図示していないバルブやアキ ュームレータ等の付属装置１９を取付けたマニホールドであり，マニホールド１ ８は射出シリンダ１７の後端部に取付けられている。

【００１０】 射出フレーム１５や射出シリンダ１７の下のマシンベース１２上には，射出フ レーム１５と射出シリング１７を一体のままで上下動させる昇降装置２０が設け られている。 昇降装置２０は，射出フレーム１５の前部下側の左右に２個，射出シリンダ１ ７の後部下側の左右に２個設けたスクリュジャッキ２１，４個のスクリュジャッ キ２１の昇降部材を同時に同調して上下動させるために各スクリュジャッキ２１ 間を回転自在に連結した軸２２，軸継手２３，傘歯車装置２４，カップリング２ ５，駆動源であるギャードモータ２６等によって構成されている。スクリュジャ ッキ２１の昇降部材の上端面は，射出フレーム１５と射出シリンダ１７の下面に 接触可能に設けられており，固定盤１と連結を断った射出フレーム１５と射出シ リンダ１７を所望の位置まで上下動させ得るようになっている。 射出シリンダ１７の後端部下側の左右にはガイド棒２７が設けられており，一 方，マシンベース１２上にはガイド棒２７をガイドするための筒状のガイド２８ が設けられており，射出シリンダ１７の昇降を円滑に行い得るようにしている。

【００１１】 なお，図示していないが，射出シリンダ１７のピストンロッドの先端部には， 図５のやり方と同様に，カップリングによって射出プランジャ８が取付けられて おり，射出プランジャ８の先端部は射出スリーブ７の内面に摺動自在に配置され ている。

【００１２】 図１，図３は，射出装置が上段部にある図を示しているが，射出位置を下段部 に変える場合は，つぎのようにして行う。 まず，ギャードモータ２６を作動させて，軸１２や傘歯車装置２４を介してス クリュジャッキ２１の昇降部材を上昇させて，射出フレーム１５と射出シリンダ １７の下面にそれぞれ接触させておく。つぎに，ボルト１５ｆを取って，射出フ レーム１５と固定盤１の連結を断つ。この状態では，射出フレーム１５と射出シ リンダ１７がジャッキの上に乗った状態で保持されている。この状態で，ギャー ドモータ２６を作動させて，全部のジャッキ２１の昇降部分を同時に下降させ， 射出フレーム１５と射出シリンダ１７を同時に下降させ，射出位置を下段部へ持 って来る。この移動のときは，射出フレーム１５の前部側面ではフランジ部１５ ｅがガイド部材１６にガイドされ，射出シリンダ１７の後部下側ではガイド棒２ ７がガイド２８にガイドされ，しかも，４個のジャッキ２１全部が同調して同時 に下降するので，射出フレーム１５と射出シリンダ１７，および射出スリーブ７ や射出プランジャ８等は，すべて一体となって円滑に下降する。

【００１３】 射出フレーム１５と射出シリンダ１７等が下段部の射出位置に来たら，ボルト １５ｆで射出フレーム１５を固定盤１に取付けておく。 なお，射出位置を変える場合，射出フレーム１５，射出シリンダ１７，射出ス リーブ７，射出プランジャ８はすべて一体となって上下動させることができるの で，いちいち芯出しを行う必要はない。 射出位置を下段側から上段側へ移動させるときは，これと同様なやり方で行う 。

【００１４】

【考案の効果】

本考案においては，固定金型取付用の固定盤に射出フレームの前端面を上下動 摺動可能に取付け，射出フレームの後端面に射出シリンダを固定し，射出フレー ムの下側と射出シリンダの下側にそれぞれジャッキを設け，全部のジャッキを同 一駆動源に連結して設け，全部のジャッキを同時に上下動可能に設けたので，射 出フレームと射出シリンダ等の上下動をバランス良く，円滑に容易に行うことが できる。 また，射出フレーム，射出シリンダ，射出スリーブ，射出プランジャを一体の まま，全体を上下動させ得るので，射出芯の精度が良く，芯出し作業が不要であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の１実施例を示す装置の正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】図１のＢ−Ｂ線断面図である。

【図４】図３のＣ−Ｃ線断面図である。

【図５】本考案に類した従来の装置の１例を示す正面図
である。

【符号の説明】

１ 固定盤 ７ 射出スリーブ ８ 射出プランジャ １５ 射出フレーム １５ｅ フランジ部 １６ ガイド部材 １７ 射出シリンダ ２０ 昇降装置 ２１ スクリュジャッキ ２５ ギャードモータ ２７ ガイド棒 ２８ ガイド

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 固定金型取付用の固定盤に射出フレーム
   の前端面を上下動摺動可能に取付け，射出フレームの後
   端面に射出シリングを固定し，射出フレームの下側と射
   出シリンダの下側にそれぞれジャッキを設け，全部のジ
   ャッキを同一駆動源に連結して設け，全部のジャッキを
   同時に上下動可能に設けた射出成形装置の射出装置。