JPH05248442A - 摺動部材 - Google Patents

摺動部材

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JPH05248442A
JPH05248442A JP4719992A JP4719992A JPH05248442A JP H05248442 A JPH05248442 A JP H05248442A JP 4719992 A JP4719992 A JP 4719992A JP 4719992 A JP4719992 A JP 4719992A JP H05248442 A JPH05248442 A JP H05248442A
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JP
Japan
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sliding
sliding member
ceramics
speed
less
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JP4719992A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Katayama
哲也 片山
Osamu Komura
修 小村
Akira Yamakawa
晃 山川
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高速回転に耐えうる摺動部材を提供する。 【構成】 複合軸受け体50は、ステータ21とロータ
22から構成されている。このステータ21とロータ2
2は、所定のクリアランスを介して設置されている。ま
た、ロータ22はステータ21に対して回転可能であ
る。このステータ21とロータ22の少なくとも摺動面
が、セラミックスからなり、摺動面の表面粗さの最大値
max が0.3μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動部材に関し、特に
高速摺動においても十分対応できる摺動部材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】摺動運動をする軸受けは、NIKKEI
MECHANICAL 1991.4.1 P94に
紹介されているように、転がり運動と滑り運動をする軸
受けに分類できる。前者の運動をする転がり軸受けの応
用例としてはボールベアリングがある。このボールベア
リングは、一般的に複雑な構造となる。後者の滑り運動
をする軸受けには、接触型(メタル・ブッシュ軸受け、
含油軸受け)と無接触型(油軸受け、空気軸受け、磁気
軸受け)の軸受けがある。これらの軸受けは、前者の軸
受けに比較して非常に簡単な構造である。
【0003】一般に、レーザプリンタ,ファクシミリ,
バーコード読取装置などに採用される摺動部材には、高
速回転に耐えうるものが要求される。たとえば、レーザ
プリンタでは印字速度の高速化に伴い、ポリゴンミラー
(多面鏡)の回転装置には20000r.p.m.以上
の回転速度が要求されるようになってきた。従来、この
回転装置における摺動部には、たとえば軸受け部にはボ
ールベアリングが用いられてきた。しかしながら、従来
のボールベアリングでは焼付や耐久性などの問題によ
り、16000r.p.m.程度の回転速度が実用化の
限度であった。
【0004】一方、高速摺動の下では摺動部材に耐摩耗
性が要求される。耐摩耗性に優れた摺動部材として、従
来よりセラミックスが注目されてきた。このセラミック
スとして、Al2 3 ,ZrO2 ,SiC,Si3 4
などの開発が進められている。また、レーザプリンタに
おけるポリゴンミラーをさらに高速度で回転させるため
に、セラミックスを用いた空気軸受け(動圧気体軸受
け)が特開平2−173616号公報に開示されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の摺
動部材には、セラミックスの採用が試みられている。し
かしながら、摺動部材にセラミックスを採用した場合で
も、その摺動表面の表面粗さRmax はJIS規格で規定
される0.7〜0.8μmのものしか得られていなかっ
た。このため、従来のセラミックスよりなる摺動部材で
は、外乱などを起因とする摺動部分の突発的な接触に対
して摩耗が生じやすいという問題点があった。
【0006】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、高速摺動に耐えうる摺動部材を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、上記に
鑑みて種々検討した結果、摺動部材の摺動表面を制御す
ることが高速回転における摺動特性に有効であることを
見出した。
【0008】本発明に従った摺動部材は、少なくとも摺
動面がセラミックスからなり、摺動面の表面の凹凸の最
大高低差が0.3μm以下である。
【0009】この発明の好ましい第1の局面によれば、
摺動部材の少なくとも摺動面のセラミックスがSi系セ
ラミックスである。
【0010】この発明の好ましい第2の局面によれば、
摺動部材の少なくとも摺動面のセラミックスがSi3
4 相を含んでいる。
【0011】この発明の好ましい第3の局面によれば、
摺動部材のセラミックスが大気中で加熱処理を施されて
いる。
【0012】この発明の好ましい第4の局面によれば、
摺動部材の摺動面の表面の凹凸の最大高低差が0.1μ
m以下である。
【0013】この発明の好ましい第5の局面によれば、
加熱処理は800℃以上の温度で施されている。
【0014】この発明の好ましい第6の局面によれば、
摺動部材が滑り軸受け体として使用されている。
【0015】この発明の好ましい第7の局面によれば、
摺動部材が回転多面鏡の滑り軸受け体として使用されて
いる。
【0016】
【作用】本発明の摺動部材においては、摺動面の表面の
凹凸の最大高低差が0.3μm以下である。これによ
り、従来の摺動部材に比較して、摩耗率および同一回転
数における駆動トルクの低減を図ることができる。
【0017】この理由については、以下のように考えら
れる。研削のような機械加工を施したセラミックスの表
面には、表面荒れなどといった表面欠陥が形成される。
この表面荒れは、摺動材料の性能に対し、致命的な因子
となり得るものである。この摺動面の表面荒れは、表面
の凹凸の最大高低差を0.3μm以下に制御することに
よって小さくできる。換言すれば、摺動面が比較的滑ら
かになる。このため、外乱などによる摺動部分の突発的
な接触などによっても、摩耗粉が発生し難くなる。すな
わち、摩耗率が低下する。これにより、摩耗粉が摺動面
に介在することによって生じる振動が抑制される。した
がって、少なくとも振動の抑制分だけ摺動部材を駆動さ
せるトルクの低減を図ることが可能となり、高速摺動に
対応することができる。
【0018】セラミックスがSi系セラミックスである
と、摺動の際に微細かつ緻密なシリカ等の表面層が容易
に形成されるため、たとえば摩擦係数低減など摺動特性
向上の効果が期待できる。
【0019】セラミックスがSi3 4 相を含むと、結
晶粒子の脱落などによって、少なくとも摺動面を構成す
るセラミックスの表面が欠損することなく、耐チッピン
グ性にも優れる。少なくとも摺動面がSi3 4 相を含
むセラミックスからなる摺動部材は、たたき摩耗現象を
伴った高速摺動に対しても優れた耐摩耗性を備えてい
る。したがって、摺動速度の増加に対する駆動トルクの
上昇を抑制することが可能となる。
【0020】セラミックスは大気中で加熱処理を施され
ることが好ましい。この理由については以下に説明す
る。
【0021】研削を施したセラミックスには、表面荒れ
以外にミクロンあるいはサブミクロンオーダの微細なマ
イクロクラックや残留応力が導入される。これらも、摺
動材料の性能に対し、致命的な因子となり得るものであ
る。セラミックスを大気中で加熱することにより、セラ
ミックス中に反応生成物が形成される。この反応生成物
は、たとえばSi系セラミックスではSiOX (xは任
意の正の定数)である。また、大気中の加熱では、セラ
ミックス中で拡散を介した原子移動が生じている。した
がって、この反応生成物の形成と原子移動とにより、マ
イクロクラックは再結合され、欠陥は修復される。さら
に、大気中での加熱は、残留応力除去の効果も持ってい
る。
【0022】このように、大気中での加熱により、セラ
ミックス中のマイクロクラックや残留応力を除去するこ
とが可能である。このため、外乱などによる摺動部分の
突発的な接触によっても摩耗粉が生じ難くなる。したが
って、摺動速度の上昇に伴う駆動トルクの上昇を抑制す
ることが可能となる。
【0023】摺動面の表面の凹凸の最大高低差が0.1
μm以下であると、上記の0.3μmに比較して、さら
に摺動面の表面荒れが小さく制御できる。このため、摩
耗率と駆動トルクのより一層の低減を図ることが可能と
なる。
【0024】なお、セラミックスを大気中で加熱する温
度は800℃以上であることが好ましい。加熱温度を8
00℃以上とすることにより、セラミックス中での反応
生成物の形成と原子移動を一層促進させることが可能と
なる。このため、高速摺動下での摩耗粉の発生をさらに
抑制することができる。したがって、摺動速度の上昇に
伴う駆動トルクの上昇を一層抑えることができる。
【0025】この摺動部材が滑り軸受け体に使用される
と、駆動トルクの低減が図れるため、小さい駆動トルク
で高速の滑り運動が可能となる。
【0026】この摺動部材が回転多面鏡の滑り軸受け体
として使用されると、小さい駆動トルクで回転多面鏡を
高速回転させることができる。このため、印字速度の高
速化を図ることが可能となる。
【0027】
【実施例】本願発明者らは、セラミックスの中でも強靱
性に優れるSi3 4 系セラミックスを対象として以下
の実験を行なった。
【0028】まず、平均粒径0.3μm、粒度分布3σ
=0.2μm、α結晶化率96.5%、酸素量1.4重
量%であるSi3 4 の原料粉末を準備した。このSi
3 4 の原料粉末を92重量%、平均粒径が0.8μm
のY2 3 粉末を4重量%、平均粒径0.5μmのAl
2 3 粉末を3重量%、平均粒径1.0μmのAlN粉
末を1重量%の割合で混合した。この混合粉末を、エタ
ノール中で100時間ボールミルによる湿式混合を行な
った。その後、乾燥後の混合粉末を5000kg/cm
2 の圧力でCIP(冷間静水圧成形)処理を施した。得
られた成形体を1気圧の窒素ガス雰囲気下において、1
600℃で4時間加熱保持した。さらに、1750℃で
6時間の焼結処理を施すことにより焼結体を得た。その
後、この焼結体を1700℃、1000気圧で窒素ガス
雰囲気中で2時間のHIP(熱間静水圧成形)処理を施
した。このようにして得られたSi3 4 系焼結体は、
長さ30μm当りの線密度が35個以上である結晶粒子
を含み、その粒界相の体積率が15体積%以下で最大径
20μm以下の気孔を含み、その気孔率が3%以下であ
った。また、このSi3 4 系焼結体は、平均長軸粒径
5μm以下、アスペクト比4以上、最大の長軸粒径15
μm以下であった。さらに、この焼結体は、JIS三点
曲げ強度80kg/mm2 以上、破壊靭性値5MPa・
1/2 以上であった。この特性を有する焼結体を、円筒
研削盤により円筒研削を行なった。そのときの条件は、
周速140r.p.m.,送り速度260m/min.
であった。また、円筒研削盤の砥石を200メッシュか
ら800メッシュにすることより、所望の表面粗さR
max に仕上げた。このようにして得られた試料が以下の
表1に示す試料No.1,2,3である。この円筒研削
を施した後、加熱炉において1000℃で1時間の加熱
処理を施した。その後、周速140r.p.m.、送り
速度260m/min.、研磨液としてダイヤモンドラ
ッピング液を用いたバフ研磨機によりバフ研磨を行なっ
た。このようにして得られた試料が、以下の表1に示す
試料No.4,5,6である。
【0029】
【表1】
【0030】上記のようにして得られた表1の試料N
o.1〜6の試料について、アムスラー式摩耗試験によ
る耐摩耗性評価を実施した。アムスラー式摩耗試験は、
2個のリング状試片(外φ16mm×内φ30mm×8
mm)を用い、所定の荷重Pおよび回転速度Vで摺動試
験を行なった後、両者の重量減少を測定することにより
評価した。
【0031】図1は、表1に示す各試料についてアムス
ラー式摩耗試験を行なった実験結果を示す図である。図
1を参照して、横軸は負荷荷重Pと回転速度Vの積(P
・V値)である。また、縦軸は摩耗率である。図中の
○,●等の印は、表1に示す各試料に対応している。な
お、比較として窯業協会誌1985年第93巻p73で
示されたSi3 4 系焼結体である5Y5A材および5
Y5L材の結果も実線および二点鎖線で示す。この図か
ら明らかなように、表面粗さRmax が小さいほど耐摩耗
性は向上する。さらに、1000℃で1時間の加熱処理
を併用すれば、耐摩耗性はさらに向上することがわか
る。また、表面粗さがRmax で0.3μm以下であれば
その効果は著しいものになっていることがわかる。
【0032】以上のように、仕上げ表面粗さRmax
0.3μm以下のSi3 4 系焼結体は非常に耐摩耗性
に優れていることが判明した。また、このSi3 4
焼結体に加熱処理を施すことによって、耐摩耗性がさら
に向上することも判明した。
【0033】なお、上記の処理をAl系、Zr系セラミ
ックスに施した場合も材料本質の機械的性質(たとえ
ば、曲げ強度など)の値を超えない条件下で、同様に耐
摩耗性が向上する効果が得られることも確認されてお
り、上記の処理はすべてのセラミックスに対し適用でき
るものである。
【0034】次に、本発明材を採用した軸受けの摺動部
材としての性能について以下の実験を行なった。
【0035】まず、材料にはHIP処理まで上記と同様
の処理を施した。HIP処理を施した焼結体を平面研削
盤により平面研削を行なった。このときの条件は、周速
1800r.p.m.、送り速度260m/min.で
あった。また、砥石は200メッシュから800メッシ
ュにすることにより、所望の表面粗さに仕上げた。この
ようにして、以下の表2に示す試料No.A0 ,B0
0 が得られた。また、平面研削された試料に加熱炉中
で1000℃、1時間の加熱処理を施した。その後、周
速1800r.p.m.,送り速度260m/mi
n.、研磨液としてダイヤモンドラッピング液を用いた
バフ研磨機によりバフ研磨を行なった。このようにし
て、以下の表2に示す試料No.A1 ,B1 ,C1 が得
られた。
【0036】
【表2】
【0037】上記の表2に示す試料を用いて、軸受けを
構成した。図2は、軸受けの性能を試験するための複合
軸受け体の構造を示す概略図である。図2を参照して、
複合軸受け体10は、内輪1、外輪2およびスラスト板
3,4から構成されている。内輪1は所定の軸の外周面
を包囲すべく円筒形状を有する。スラスト板3および4
は内輪1の両端面に接触するように設定されている。外
輪2は内輪1とスラスト板3および4に対して所定のク
リアランスを保つように調整されている。また、このク
リアランスは、高速回転中のラジアル回転精度を出すた
め、微小値に調整されている。
【0038】図3は、上記の複合軸受け体の構造を有す
る軸受け性能評価試験機の構成を示す概略図である。内
輪11,外輪12およびスラスト板13,14により、
複合軸受け体が構成されている。この複合軸受け体は、
表2に示すSi3 4 系セラミックス焼結体の各試料か
ら形成されている。外輪12は、内輪11に対して所定
のクリアランスを維持するように設置されている。ま
た、この外輪12は、スラスト板13および14に対し
ても所定のクリアランスを維持している。スラスト板1
3,14が接合された内輪11には、円筒上面から下面
にかけて10mmの内径を有する穴が形成されている。
この穴には回転体15が嵌められている。内輪11はこ
の回転体15とともに回転可能である。回転体15は、
モータ16によって回転可能なように設置されている。
また、このモータ16の駆動トルクはトルク計17によ
り測定される。
【0039】上記のように、軸受け性能評価試験機は構
成されている。この軸受け性能評価機を用いて、回転体
15の回転数を設定値まで到達させた後、10分間保持
させ、その時点での駆動トルクをトルク計17により測
定した。
【0040】図4は、表2の各試料で構成された複合軸
受け体について駆動トルクを測定したときの実験結果を
示す図である。図4を参照して、図中の○,●等の印
は、表2の各試料に対応している。横軸は、各複合軸受
け体が支持される回転体の回転数(r.p.m.)(あ
るいは、内輪の内周面における周速(m/sec))で
ある。縦軸は、駆動トルク(g・cm)である。この図
から明らかなように、回転数(周速)の増加率に対する
駆動トルクの増加率の比は、研削加工後の表面粗さR
max が小さいほど低下していることがわかる。また、加
熱処理を施すことによって、回転数の増加率に対する駆
動トルクの増加率の比は一層小さくなっていることがわ
かる。
【0041】以上の結果から、表面粗さRmax が0.3
μm以下の試料は、回転速度の増加に対する駆動トルク
の上昇を極めて小さく抑制することができることがわか
る。
【0042】さらに、図2に示す複合軸受け体を回転多
面鏡(ポリゴンミラー)の回転部材として採用した場合
の摺動部材としての性能を測定したときの実験結果につ
いて以下に説明する。
【0043】図5は、レーザプリンタに用いられる回転
多面鏡の一実施例を概略的に示す図である。図5を参照
して、ベース36には、支軸35が固定されている。支
軸35には、コイル部34が取付けられている。このコ
イル部34は、支軸35に対して垂直方向に突き出して
いる。また、このコイル部34は、互いに90度をなす
4つの軸にコイルが巻かれた構成となっている。この支
軸35のコイル部34が取付けられた位置よりも上方に
は、複合軸受け体を構成するステータ21が取付固定さ
れている。このステータ21と所定のクリアランスを介
して、複合軸受け体を構成するロータ22が設置されて
いる。この複合軸受け体を構成するステータ21とロー
タ22は、表2に示される加熱処理が施されたそれぞれ
の試料A 1 ,B1 ,C1 から製造されている。ロータ2
2の外周面には、ポリゴンミラー31とフレーム32が
取付固定されている。フレーム32の下端部の内周面側
には、コイル部34と対向するように永久磁石33が取
付けられている。また、ポリゴンミラー31の外周部に
は、アルミニウム製の多面体反射枠37が取付けられて
いる。なお、複合軸受け体のステータ21の外径はφ2
0mm、長さ30mmである。また、ステータ21とロ
ータ22の間のクリアランスは2.5μmである。さら
に、ロータ22を含めた可動体側の重量は約285gに
調節した。
【0044】ポリゴンミラー31は、コイル部34に電
流を流すことによって回転させることができる。
【0045】上記のように、回転多面鏡の一実施例は構
成されている。図5に示す回転多面鏡に、表2の加熱処
理が施された試料A1 ,B1 ,C1 を採用した場合の性
能評価結果を以下の表3に示す。また、表3の結果を図
6に示した。
【0046】
【表3】
【0047】図6は、表2に示される各試料を回転多面
鏡に適用した場合の性能評価の実験結果を示す図であ
る。図中の●等の印は表2の各試料に対応している。図
6を参照して、横軸はロータの回転数である。また、縦
軸は定常時電流である。この定常時電流は、多面鏡が定
常回転に到達したときの駆動モータの電流値であり、駆
動トルクに相当する。この図から明らかなように、表面
粗さRmax が0.3μm以下になると、回転数の増加に
対する定常時電流、すなわち駆動トルクの増加が抑制さ
れることがわかる。
【0048】以上の結果から、表面粗さRmax が0.3
μm以下の複合軸受け体を採用すると、回転数の増加に
対するトルクの増加率が極めて減少することがわかっ
た。
【0049】なお、本発明の摺動部材の実施例として、
回転多面鏡の滑り軸受け体を示したが、これに限定され
ることはない。たとえば、80000〜150000
r.p.m.の高速度で回転する過給機用タービン軸受
け、20000〜30000r.p.m.の高速度で回
転するタービン、コンプレッサ用の軸受け、ロケットエ
ンジン用ターボポンプに用いられる高速回転用軸受け、
CNC超精密旋盤、円筒加工用超精密旋盤、超精密平面
研削盤などの工作機械に用いられている軸受けなどにも
本発明の摺動部材は適用され得る。
【0050】
【発明の効果】本発明の摺動部材においては、摺動面の
表面の凹凸の最大高低差が0.3μm以下である。この
ように、表面の凹凸の最大高低差を0.3μmに制御す
ることで、摺動面の表面荒れを小さくすることができ
る。このため、外乱などによる摺動部分の突発的な接触
などによっても摩耗粉が発生し難くなる。よって、摩耗
粉によって引き起こされる摺動数の増加に対する駆動ト
ルクの増加を抑制することが可能となる。従って、本発
明の摺動部材は摺動数の増加に対応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】表1に示される各試料についてアムスラー式摩
耗試験を行なった実験結果を示す図である。
【図2】表2に示す各試料を軸受けに使用した場合の摺
動特性を試験するための複合軸受け体の構造を示す概略
図である。
【図3】図2に示される複合軸受け体を用いた性能評価
試験機の構成を示す概略図である。
【図4】表2に示される試料を用いて図3に示される性
能評価試験機で性能評価を行なった実験結果を示す図で
ある。
【図5】レーザプリンタに用いられる回転多面鏡の一実
施例を示す概略図である。
【図6】表2の試料を用いて図5の回転多面鏡により性
能評価を行なった実験結果を示す図である。
【符号の説明】
21 ロータ 22 ステータ 50 複合軸受け体

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも摺動面がセラミックスからな
    り、 前記摺動面の表面の凹凸の最大高低差が0.3μm以下
    であることを特徴とする、摺動部材。
  2. 【請求項2】 前記セラミックスがSi系セラミックス
    であることを特徴とする、請求項1に記載の摺動部材。
  3. 【請求項3】 前記セラミックスがSi3 4 相を含む
    ことを特徴とする、請求項3に記載の摺動部材。
  4. 【請求項4】 前記セラミックスが大気中で加熱処理を
    施されていることを特徴とする、請求項1に記載の摺動
    部材。
  5. 【請求項5】 摺動面の表面の凹凸の最大高低差が0.
    1μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の
    摺動部材。
  6. 【請求項6】 前記加熱処理が800℃以上の温度で施
    されていることを特徴とする、請求項4に記載の摺動部
    材。
  7. 【請求項7】 当該摺動部材が滑り軸受け体として使用
    されることを特徴とする、請求項1に記載の摺動部材。
  8. 【請求項8】 当該摺動部材が回転多面鏡の滑り軸受け
    体として使用されることを特徴とする、請求項1に記載
    の摺動部材。
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