JPH05248165A - トンネル構築方法 - Google Patents

トンネル構築方法

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JPH05248165A
JPH05248165A JP8341192A JP8341192A JPH05248165A JP H05248165 A JPH05248165 A JP H05248165A JP 8341192 A JP8341192 A JP 8341192A JP 8341192 A JP8341192 A JP 8341192A JP H05248165 A JPH05248165 A JP H05248165A
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Sakae Nakai
栄 中井
Masataka Uozumi
雅孝 魚住
Hiroshi Kamiide
浩志 神出
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】中継地に立坑を設けずに無制限距離推進し、カ
ーブ施工可能な、押管によるトンネル構築方法を提供す
る。 【構成】シールド装置12を推進させて、まず、長円環
状のプレキャスト管11の断面形状に対応した形で通常
の断面の坑道31を掘削形成し、該坑道31に坑口3a側
からプレキャスト管11を押し込み、その後、坑道3を
拡幅する形で中継部33を掘削形成し、該中継部33か
ら再び通常の断面の坑道31を掘削形成すると共に、該
坑道31にプレキャスト管11を、中継部33まで搬送
してきてここで反転させてから押し込む作業を、所定の
距離分繰返す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に水路等に用いる為
の小断面トンネルに適用するに好適なトンネル構築方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水路等に用いる為の比較的小断面
トンネルにおいては、これを経済効率良く構築する方法
として、掘削機により坑道を掘削形成する一方でその坑
口側から、環状に形成されたプレキャスト管による覆工
部材を、油圧ジャッキ等により地盤中に順に押し込んで
これを複数接合する形で覆工する、所謂推進工法或いは
押管工法と呼称されるトンネル構築方法が既に知られて
いる。こういったトンネル構築方法においては、油圧ジ
ャッキの圧入能力に限定される形で覆工部材の伸延可能
長、即ち1スパンあたりの推進距離が限られており、ま
た、こういった方法ではカーブ施工が極めて困難である
ところから、例えば200メートル1スパン毎とか、カ
ーブ施工箇所毎に、立坑を掘削形成して、当該立坑をプ
レキャスト管の推進中継基点として再び油圧ジャッキ等
を設置して、トンネル構築作業を進めていく。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
方法ではトンネル長が長くなるにつれて多くの立坑を掘
削形成しなければならず、当該立坑掘削にかかる地上要
素への影響及び工期と経費の増大が当然予想される為
に、長大トンネルには適用され難い、という欠点があ
る。また、トンネル構築位置の上側に障害物があった
り、道路や構築物等の地上要素に制限を受ける場合に
は、これをいちいち避けて立坑を設けなければならず、
すると、極めて困難なるトンネルのカーブ施工や該カー
ブ施工に起因する立坑設置本数の更なる増大、というよ
うな不都合が生じる。特に近年、地上に構造物が密集し
ている地域においても、こういった水路等に用いる為の
小断面トンネルを経済的且つ効率的に構築せんとする要
求が高まり、上述したように覆工部材を地盤中に押込ん
でこれを推進させる方法を用いて、道路や構築物等の地
上要素に影響を与えることなく無制限に長距離トンネル
を施工することが出来れば、このような要求に存分に対
応することが出来る。そこで本発明は、上記事情に鑑
み、カーブ施工に対応出来るようにして、中継位置に立
坑を掘削する必要なく、プレキャスト管等による覆工部
材が無制限に長距離推進出来るようにした、トンネル構
築方法を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、坑道
(3)の先頭(3c)部分に掘削手段(12)を配設す
ると共に、坑道(3)の後(3a)側に、該坑道(3)
中に断面が細長い環状に形成された覆工部材ピース(1
1)を押込み得る押込手段(5)を設けておき、前記掘
削手段(12)を地盤(2)中に推進させて、前記覆工
部材ピース(11)に対応した断面で該地盤(2)を掘
削することにより通常断面坑道(31)を形成すると共
に、前記押込手段(5)により前記通常断面坑道
(31)に、前記掘削手段(12)の後側に接続する形
で前記覆工部材ピース(11)を押込み、前記掘削手段
(12)が所定距離推進して前記押込み手段(5)によ
り前記覆工部材ピース(11)を所定距離押込んだとこ
ろで、前記掘削手段(12)により前記通常断面坑道
(31)の先頭位置から該通常断面坑道(31)より大き
な断面積をなす形の拡大坑道(33)を掘削形成し、前
記拡大坑道(33)を掘削形成したところで、該拡大坑
道(33)の先頭位置から再び前記掘削手段(12)に
より前記通常断面坑道(31)を掘削形成すると共に、
前記拡大坑道(33)に前記押込手段(5)を配置し、
前記拡大坑道(33)に前記覆工部材ピース(11)
を、前記構築済みの通常断面坑道(31)を通過させる
形で搬送し、前記拡大坑道(33)の先頭位置から再び
掘削形成された前記通常断面坑道(31)に、該拡大坑
道(33)に搬送した覆工部材ピース(11)を、該拡
大坑道(33)に配置した前記押込手段(5)により押
込むことによりトンネル(1)を構築して、構成され
る。なお、( )内の番号等は、図面における対応する
要素を示す、便宜的なものであり、従って、本記述は図
面上の記載に限定拘束されるものではない。以下の
【作用】の欄についても同様である。
【0005】
【作用】上記した構成により本発明は、通常断面坑道
(31)の掘削形成と該通常断面坑道(31)への覆工部
材ピース(11)の押込みを、拡大坑道(33)を経由
して所望の回数だけ繰り返すことにより、坑道(3)を
所望の距離だけ伸延させるように作用する。
【0006】
【実施例】図1は本発明によるトンネル構築方法により
構築中のトンネルの一例を示す図、図2は図1のII、II
矢視図、図3は図1のIII、III矢視図、図4は本発明に
よるトンネル構築方法の一工程を示す図、図5は本発明
によるトンネル構築方法の一工程を示す図、図6は本発
明によるトンネル構築方法の一工程を示す図、図7は図
6のVII、VII矢視図、図8は本発明によるトンネル構築
方法の一工程を示す図、図9は図8のIX、IX矢視図、図
10は本発明によるトンネル構築方法の一工程を示す
図、図11は図10のXI、XI矢視図、図12は本発明に
よるトンネル構築方法の一工程を示す図、図13は本発
明によるトンネル構築方法の一工程を示す図である。
【0007】構築中のトンネル1は、図1に示すよう
に、地盤2中に図1矢印A、B方向に伸延する形で、図
1左端部に示す該坑道3の先頭部分に配置するシールド
装置12のマイクロ掘削機15により掘削形成された坑
道3を有しており、坑道3は、略横転長円柱状に形成さ
れた通常の断面の坑道31と、坑道3の伸延方向である
矢印A、B方向に並ぶ通常の断面の坑道31、31間に拡
幅形成された、後述する中継部33とにより構成されて
いる。通常の断面の坑道31は図1紙面と直交方向をな
すその横断面形状が、図2に示すように、トンネル1の
覆工部材として坑道3内に配置される長円環状のプレキ
ャスト管11(図3に図示)の断面形状に対応した形
で、矢印E、F方向に略高さL2’をなし矢印C、D方
向に略幅L3’をなすように、掘削形成されている。と
ころで、図1に示したトンネル1は、該トンネル1の矢
印A、B方向中間部分が図示省略されており、当該トン
ネル1の図示省略部分には前記坑道3の一部を構成する
中継部33が、図6又は図7に示すように、図7矢印
C、D方向に示す横断幅が幅L4をなし、坑道31より
大きな断面積をなす馬蹄形状に坑道3の一部が拡幅形成
される形で、配設されている。
【0008】坑道3の矢印B方向端部には図1に示すよ
うに、坑道3を掘削形成する為のシールド装置12の発
進基端、即ち坑道3の最後端部分である坑口3aが、該
坑口3aの外周に沿って長円環状に現場打ちされたコン
クリート39等により支保された形で、断面形状長円状
に形成配設されている。坑口3aの矢印B方向側には図
1に示すように立坑32が、例えば地上2aから地盤2
中に掘り下げられた形で開削形成されており、立坑32
には元押装置5が、H型鋼等を組立てなる反力架台51
を介して立坑32周囲の地盤2に支持された形で配設さ
れている。元押装置5は、後述する中継元押装置22と
同様に(図11に示すように)、長円環状に形成された
フレーム52を有しており、フレーム52の前側である
矢印A方向側(図11紙面の手前側)には、坑道3にプ
レキャスト管11を押込み得る形の油圧ジャッキ6が、
後述するストラット7の断面形状に沿って複数配設され
ている。各油圧ジャッキ6にはラム61が、図示されな
いジャッキストロークL5に対応する長さ分だけ図1矢
印A、B方向に突出後退駆動自在に設けられており、油
圧ジャッキ6はいま、各ラム61の先端である矢印A方
向側端が、図1に示すように、矢印A、B方向に複数並
ぶストラット7の矢印B方向端面に、それぞれ当接され
た状態を呈している。各ストラット7は図9に示すよう
に、図9上側半分が欠損する形で半長円環状に形成され
た鋼材からなり、各ストラット7は矢印A、B方向に複
数並ぶストラット7からそれぞれ抜き挿し自在になって
いる。ストラット7の前側である矢印A方向側には図1
に示すように、H鋼ブロックを長円環状に組立形成して
なるプレスリング9が、矢印A、B方向に移動自在な形
で配設されており、プレスリング9の前側である矢印A
方向側には前記坑口3aを介して前記坑道3が接続され
ている。
【0009】一方、坑道3の先頭部分である矢印A方向
端部には、図1に示すように、該坑道3の掘進装置であ
るセミオープン型のシールド装置12が配設されてお
り、シールド装置12には坑道3の坑壁3bに沿って略
長円環状に形成された鋼板等からなる外殻13が、矢印
A、B方向に移動自在な形で設けられている。外殻13
内には地盤2の性状に対応したマイクロ掘削機15が配
設されており、マイクロ掘削機15にはカッタヘッド1
51が、その切削刃15aを外殻13aの矢印A方向側
の開口端から突出させて坑道3の前端である切羽3aに
向けた形で、図1矢印E’、F’方向及び図1紙面と交
差方向に揺動駆動自在に装着されている。マイクロ掘削
機15にはカッタヘッド151を操作駆動するための図
示されない油圧ユニットや制御盤等が内蔵されており、
カッタヘッド151の後方には掘削ずり回収機構16が
設けられている。掘削ずり回収機構16には、図1矢印
A方向側からB方向に向けて高傾してさらに矢印B方向
に向けて水平に伸延する形のコンベア161が、マイク
ロ掘削機15の図1下部近傍に集積される掘削ずりをシ
ールド装置12の後方に(坑道3内を矢印B方向に向け
て)搬送し得る形で設けられており、コンベア161の
図1右部に示す後部にはシャトルカー162が、仮軌条
17を介して坑道3中を矢印A、B方向に走行移動自在
な形で配設されている。また、外殻13の図1右部に示
す後部には、シールド装置12を地盤2中に推進させる
為の推進ジャッキ19が、外殻13の内周面に沿って複
数装着されており、各推進ジャッキ19にはピストンロ
ッド191が、該ジャッキ19の油圧ラム等を介して矢
印A、B方向に突出後退駆動自在な形で設けられてい
る。
【0010】ところで、坑道3内には覆工10が、前記
坑口3aとシールド装置12を接続する形で、該坑道3
の内周に沿って長円筒状に構築されつつあり、覆工10
は前記坑道3の伸延方向である矢印A、B方向に隙間な
く並ぶ形の複数のプレキャスト管11により構成されて
いる。各プレキャスト管11は、RCコンクリート等に
よりその断面形状が細長い環状、即ち図3に示すように
断面長円形状をなし図1に示すようにリング幅L1をな
す長円環状をなす形で、予め工場加工されたものであ
り、各プレキャスト管11は図3に示すように、長径L
2をなすその長手方向を図3上下方向に向けて且つ短径
L3をなすその短手方向を図3矢印C、D方向に示す水
平方向に向けた形で、それぞれ立設されている。なお、
覆工10は未だ裏込め定着されていない一次覆工以前の
仮覆工段階にあり、即ち各プレキャスト管11は坑道3
中を未だ矢印A、B方向に移動自在な形で地盤2中に仮
支持されている。また、複数のプレキャスト管11の外
周11aと地盤2との間には、後に裏込され得る形で若
干の間隙2bが形成されている。そして、坑道3中に配
置している複数のプレキャスト管11のうち矢印A方端
部に示す先頭部分のプレキャスト管11は、図1に示す
ように、前記シールド装置12の外殻13の内部に後方
即ち図中右方から若干入り込む形で、該外殻13の後
(矢印B方)側に接続配置されており、前記推進ジャッ
キ19はそれぞれ、先頭部分のプレキャスト管11の先
端である矢印A方向側端面に反力を求める形になってい
る。
【0011】なお、前記中継部33には、トンネル1の
施工工程において時を違える形で、図6に示す中押装置
20や前記ストラット7、図12に示す反転装置21、
図10に示す中継元押装置22や該中継元押装置22の
図11左側に示しトランス類が収容されたトランス座2
5等が、選択的に仮設される。中押装置20には図6に
示すように、複数の油圧ジャッキ201が、例えば鋼製
のフレーム202等に装着支持された形で前記プレキャ
スト管11の側端面に沿って長円周状に複数設けられて
おり、各油圧ジャッキ201はそのピストンロッド部分
がプレキャスト管11の1リングの幅L1に対応する長
さのストローク分だけ矢印A、B方向に突出後退駆動自
在に構成されている。反転装置21は、図12に示すよ
うに、前記仮軌条17等を介して坑道3中を矢印A、B
方向に走行し得る形の車体23を有しており、車体23
の図12左部に示す前部には、プレキャスト管11をそ
の内方側から着脱自在に保持し得る形の反転ビーム24
が、該保持したプレキャスト管11を図12矢印G、H
方向に回動自在で且つ回転中心CT1を回転中心として
図12紙面と交差方向に回転させ得る形で設けられてい
る。中継元押装置22は、図11に示すように、前記元
押装置5と同様に、プレキャスト管11の側端面に沿う
形で長円環状に形成されたフレーム221を有してお
り、フレーム221は図11に示すように、H型鋼等か
らなる支持鋼222、222上に、坑道3の伸延方向で
ある矢印A、B方向(図11紙面と直交方向)に移動自
在な形で載戴支持されている。フレーム221にはプレ
キャスト管11を坑道3に押込み得る複数の油圧ジャッ
キ26が、各ジャッキ26のラム261の突出方向を1
本ごと互い違いに向けた形で、坑道3の内周に沿って長
円周状に装着されており、各ジャッキ26のラム261
は、該フレーム221の前後の面である矢印A、B両側
端面のそれぞれから外方に向けて(図12左右方向に伸
長する形で)、油圧ジャッキ6のジャッキストロークL
5と同一のストローク分だけ図1矢印A、B方向にそれ
ぞれ突出後退駆動自在に設けられている。なお、元押装
置5の油圧ジャッキ6と中継元押装置22の油圧ジャッ
キ26は、その適用様態が異なるだけの同様のジャッキ
であり、従って、中継元押装置22は、ストロークL5
のジャッキ26がそれぞれ左右方向に突出することが出
来るように互い違いに複数装着されて用いられているこ
とから、元押装置5の略2倍のストロークを保有してい
る。
【0012】トンネル1等は以上のような構成を有して
いるので、該トンネル1を構築するには、まず、例えば
地上2a等から公知の手段で適宜掘り下げる形で、立坑
32を開削形成し、該立坑32からシールド装置12
を、例えば元押装置5の反力架台52を利用した図示さ
れない仮設の発進架台等を介して、地盤2中を図1矢印
A方に向けて坑口3aから発進させる。そして、マイク
ロ掘削機15を介して地盤2を矢印B方向側から矢印A
方向に向かって、プレキャスト管11の断面形状に対応
した断面形状(図2矢印E、F方向に略高さL2’をな
し矢印C、D方向に略幅L3’をなす長円状)に切り拓
く形で、シールド装置12を推進させることにより、坑
道3における通常断面部分である坑道31部分から掘削
形成していく。この際、坑口3a近傍の地盤2は、シー
ルド発進以前に適宜支保されていた状態からシールド装
置12により切り破られることにより一時に掻き乱され
るので、これにより地盤2の土圧が坑口3aに集中して
立坑32内へ崩落するのを防止する為、該坑口3aの外
周に沿ってコンクリート39等を長円環状に現場打ちし
ておく。
【0013】シールド装置12の発進初期にはまず、上
述した図示されない発進架台等に推進反力を求める形
で、外殻13の内周面に装着された各推進ジャッキ19
のピストンロッド191を該発進架台に当接支持させて
おく。そしてマイクロ掘削機15を、図1に示すよう
に、その切削刃15aを回転駆動させつつカッタヘッド
151を矢印E’、F’方向及び図1紙面と交差方向に
揺動駆動させると、シールド装置12はセミオープン型
であるために、該切削刃15aが外殻13の前方(矢印
A方)の切羽3cを前進させる形で地盤2を切り拓き、
これにより坑道3が形成される。こうしてマイクロ掘削
機15により坑道3を掘削形成する際、該坑道3の切羽
3cが所定の距離だけ前進すると、シールド装置12全
体が外殻13と共に推進ジャッキ19のジャッキストロ
ーク分まで矢印A方向に前進して、即ちシールド装置1
2は推進する。一方、シールド装置12の推進に連れ
て、外殻13の後端(矢印B方端)と坑口3cとの間に
は、シールド装置12の前進分だけ、未覆工の坑道3が
形成される。
【0014】そこで次に、プレキャスト管11を坑道3
に、該坑道3の先頭部分に位置するシールド装置12の
後側に接続する形で、元押装置5を介して坑口3a側か
ら矢印A方向に向けて押込む。即ち、立坑32内でプレ
キャスト管11を、図3に示すようにその長径L2をな
す長手方向を上下方向に向けて、該管11の軸心CT2
(図12に図示)を坑道3の伸延方向である矢印A、B
方向に一致させた形に向き決めしてから、これを元押装
置5の油圧ジャッキ6の前方に位置させる。こうして、
向き決めしたプレキャスト管11の後(矢印B方)側か
ら、適宜数量のストラット7とプレスリング9を介して
油圧ジャッキ6を当接させた形にしておいて、この状態
でラム61をプレキャスト管11の幅L1分だけ矢印A
方向に突出駆動させる。すると、プレキャスト管11は
坑口3aから坑道3内に、ラム61の突出駆動分だけ
(即ちプレキャスト管11の1リングの幅L1分だけ)
矢印A方向に押し込まれる。こうして一本のプレキャス
ト管11を坑道3内に押し込み配置してから、油圧ジャ
ッキ6を開放することによりラム61を矢印B方向に後
退駆動させると、坑道3内に配置されたプレキャスト管
11とプレスリング9との間には、プレキャスト管11
の1リングの幅L1に対応する空間が配置されるので、
次に、再び新たなプレキャスト管11を立坑32内で上
述したと同様に向き決めしてから、該空間に配置し、こ
れを元押装置5の油圧ジャッキ6により坑道3内に押し
込む。すると、いま新たに坑道3内に押し込まれたプレ
キャスト管11が、先に既に坑道3内に配置していたプ
レキャスト管11を矢印A方向に推進させる。こうし
て、プレキャスト管11を次々と、元押装置5を介して
立坑32から押し込み、これを順次矢印A方向に推進さ
せる形で、坑道3内に配置して、シールド装置12の後
側に接続配置する作業を、元押装置5の押圧能力に対応
する分だけ(即ち各油圧ジャッキ6のジャッキ容量の総
和分だけ)繰返すことが出来る。なお、こうして、元押
装置5を介して立坑32からプレキャスト管11を坑道
3に押し込む作業を行う際、該元押装置5の油圧ジャッ
キ6とプレキャスト管11の間には、プレスリング9を
介してストラット7を何リングか嵌合配置しておくと、
該ストラット7は図9に示すように、その上側半分が断
面欠損した形に形成されていることから、坑口3a部分
が元押装置5により閉塞されてしまうことなく広く開放
されて、坑道3中に作業員や資材、機材等が自在に出入
りすることが出来る。従って、坑口3aを介しての立坑
32におけるプレキャスト管11の押し込み作業に阻害
されることなく、坑道3の先頭部分である切羽3cにお
いても円滑な掘進作業が進められる。
【0015】ところで、シールド装置12は、前述した
ようにその発進初期には、例えば元押装置5の反力架台
51を利用した適当なる発進架台に推進ジャッキ19の
ピストンロッド191を当接させて、該発進架台に推進
反力を求めるが、プレキャスト管11が坑道3中に押し
込み配置されたなら、図1左部に示すように、該プレキ
ャスト管11の先端側面(矢印A方向側端面)から推進
反力を得る形で推進する。即ち、シールド装置12が前
述したように、マイクロ掘削機15を介して切羽3cを
前進させる形で推進したなら、これに連れて推進ジャッ
キ19のピストンロッド191は外殻13に対して後方
(矢印B方向)へ突出する。そこで、シールド装置12
が適宜推進したところで、ピストンロッド191を矢印
A方向へ後退させる形で推進ジャッキ19内に戻すと共
に、前述したように元押装置5を介してプレキャスト管
11を坑道3内に順次押し込む作業を、適宜なサイクル
で繰返す。するとこれにより、シールド装置12の推進
による坑道3の形成と、プレキャスト管11の推進を同
時進行させることが出来る。こうして、シールド装置1
2により、坑道3における通常断面の坑道31部分を、
断面長円形をなす形で形成すると共に、該坑道31に元
押装置5を介してプレキャスト管11を所定の数だけ押
し込み、該プレキャスト管11を順次推進させていくこ
とにより、立坑32を発進基地とする第1のトンネル1
a(図1に図示)を形成していく。なお、シールド装置
12の推進により形成された掘削ずりは、掘削ずり回収
機構16を介して、該シールド装置12の後方に配置さ
れ得るシャトルカー162に積載してから、該シャトル
カー162を既に坑道3内に押し込み接合されたプレキ
ャスト管11内を通過させる形で、容易に坑口3a迄搬
出することができる。
【0016】シールド装置12が地盤2中の所定の位置
まで推進して、坑道3における通常断面の坑道31部分
が所定の距離だけ掘削されると共に、該坑道31に所定
の数だけプレキャスト管11が押し込まれて、これによ
り第1のトンネル1aが掘進形成されたなら次に、図4
に示すように坑道3を、マイクロ掘削機15を介して図
7に示すように、通常断面の坑道31より大きな断面積
で図7矢印C、D方向に示す横断幅がL4をなす馬蹄形
状に拡幅形成する形で、中継部33を形成していく。な
お、プレキャスト管11の中継部33中における推進作
業に先立ち(即ち前述した第1のトンネル1aの掘進作
業中には)、中押装置20を構成している油圧ジャッキ
201が図6に示すように第1のトンネル1aを構成し
ている所定の数量のプレキャスト管11の先頭位置に配
置され得る形になるように、矢印A、B方向に隣接する
プレキャスト管11、11間にこれを予め坑口3a部分
で挾み込んでおき、この状態でシールド装置12とプレ
キャスト管11の推進作業を継続する。従って、図4に
示すようにシールド装置12が中継部33を掘削開始す
る時点において、第1のトンネル1a部分には、後に該
第1のトンネル1aの覆工10を構成する所定の数量の
プレキャスト管11の前(矢印A方向)側に、後に中継
元押装置22を介して第2のトンネル1bに押し込まれ
るべき所定の数量のプレキャスト管11が、中押装置2
0を介して第1のトンネル1aを構成するプレキャスト
管11を先導する形で配置されている。
【0017】こうして、シールド装置12をマイクロ掘
削機15及び推進ジャッキ19を介して図4に示す状態
から図5に示すように掘削推進させると共に、プレキャ
スト管11を元押装置5を介して押し込み推進させる
と、中継部33は通常断面の坑道31部分より大きな断
面積をなす馬蹄形状を呈していることから、該中継部3
3にはプレキャスト管11の外周11aと坑壁3bとの
間に空間33aが形成される。そこで、中継部33には
図5に示すように、その坑壁3bに沿ってショットクリ
ート36を所定の厚さW1だけ吹き付けると共に、該シ
ョットクリート36の内側に沿って型鋼等からなる支保
工35を矢印A、B方向に所定のピッチL6をなす形で
立て込むことにより、中継部33を一次的に覆工支保し
ておく。また、中継部33にはインバート部分にもプレ
キャスト管11の外周11aとの間に空間33bが形成
されることから、該空間33bには図7に示すように、
切羽3aで形成される掘削ズリ37を適宜な厚さW2だ
け充填することにより、該中継部33中を推進するプレ
キャスト管11の底面を安定させる。なお、空間33b
に充填される掘削ずりは、トンネル構築作業が進行して
後にも除去される必要はないので、当該空間33bへの
充填量に対応した分だけ、坑口3aへのずり搬出量を削
減することになる。
【0018】こうしておいて、中継部33を図6に示す
ように、矢印A、B方向に所定の長さL7分だけ掘削及
び覆工形成すると、中継部33には、矢印A、B方向に
隣接するプレキャスト管11、11間に挾まれる形で、
中押装置20の油圧ジャッキ201が配置される。な
お、こうして中継部33の掘削及び覆工が完了すると共
に中押装置20が中継部33に位置した段階で、これに
続く作業時には、第1のトンネル1aのプレキャスト管
11が元押装置5を介して推進する必要は既にないの
で、そこで、プレキャスト管11と地盤2との間の間隙
2bにモルタル、セメントミルク等の裏込材を充填する
ことにより、複数のプレキャスト管11を地盤2に定着
させると、立坑32を発進基地とする第1のトンネル1
a(図1に図示)の覆工10を直ちに形成することが出
来る。また、この時点で元押装置5の解体作業を開始し
て何等差し支えない。中継部33が図6に示すように、
矢印A、B方向に所定の長さL7分だけ掘削形成された
なら、再び地盤2をマイクロ掘削機15を介して断面長
円形をなす形で切り拓くことにより通常断面の坑道31
を掘削形成する形で、シールド装置12を図6に示す状
態からさらに推進させて、これにより、中継部33の前
(矢印A方向)側である図6左側に接続する第2のトン
ネル1bを構築していく。
【0019】第2のトンネル1bの掘進初期には、図8
に示すように、既に元押装置5により坑道3内に押し込
まれたプレキャスト管11のうち、中押装置20より前
側即ち矢印A方側の中継部33に配置していた所定の数
量のプレキャスト管11を、中押装置20を介して推進
させると共に、該所定の数量のプレキャスト管11の推
進動作に後続させる形で、これ等のプレキャスト管11
の最後端と中押装置20との間に、図8に示すようにプ
レスリング9を介してストラット7を1ヶづつ嵌め込む
形で、所定の数だけ配置させる。なお、ストラット7
は、図9に示すように上半分断面欠損したした形で形成
されていることから、既に構築された第1のトンネル1
aの坑道3中を矢印A、B方向に通過させる形で、これ
等を坑口3aから中継部33まで搬送することが容易に
出来る。また、第2のトンネル1bの掘進開始と同時
に、中押装置20の後側のプレキャスト管11の外周1
1aと地盤2との間の間隙2bには、図8右部に示すよ
うに、コンクリートを現場打ちする形で反力壁27を環
状に構築形成しておく。すると、第1のトンネル1aの
先頭部分を構成しているプレキャスト管11が、中継部
33の坑壁3bに堅固に定着されて、これにより、上述
した中押装置20によるストラット7を介してのプレキ
ャスト管11の押し込み時に、該中押装置20に十分な
反力を提供することが出来る。こうしてストラット7
を、図8に示すように、所定の数量だけ中継部33に配
置させると、既に元押装置5により押し込まれて中押装
置20より前側に配置していたプレキャスト管11は、
ストラット7を介して中押装置20の油圧ジャッキ20
1により矢印A方向に押される形で、該ストラット7の
配置数量に対応する長さ分だけ(即ち図8に示す長さL
8分だけ)第2のトンネル1bの坑道31中に押し込まれ
る。
【0020】こうして、中押装置20より前側(矢印A
方向側)の中継部33に、図8に示すようにストラット
7が所定の本数だけ設置されて、中押装置20より前側
に既に配置されていたプレキャスト管11の後端(矢印
B方向端部)がある程度矢印A方向に進行したところ
で、次に、図10に示すように、中継部33に設置され
たストラット7を中押装置20と共に一旦除去する。す
ると、中継部33には、図11に示すように、シールド
装置12により掘削形成された侭の、通常断面の坑道3
1部分より大きな断面の馬蹄形状をなす形の坑道空間が
復元配置されるので、そこで、次に中継部33に、図1
1に示すように、トランス座25及び中継元押装置22
を設置する。なお、中継部33におけるインバート部分
には、図10に示すように、適当なる敷板29を敷設し
ておき、該敷板29上に、前記第1のトンネル1aより
前(矢印A方)側に引き続き構築される第2のトンネル
1bの坑道3中にプレキャスト管11を押込む為の中継
元押装置22やトランス座25を組立設置したり、反転
装置21の車体23を固定したりする形で、中継部33
におけるインバート部分にこれ等の仮設機材を支持させ
る。また、中継元押装置22を設置する際には、図10
に示すように、該元押装置22の前後(矢印A、B両方
向側)にプレスリング9、9を、第1のトンネル1aの
最先頭部分を構成しているプレキャスト管11の前端面
(矢印A方向側端面)、及び第2のトンネル1bの後端
部分を構成しているプレキャスト管11の後端面(矢印
B方向側端面)との間に挾む形で仮設装着して、この状
態で該中継元押装置22を用いる。また、中継元押装置
22のフレーム221は、図11に示すように、プレキ
ャスト管11の側端面に沿う形で長円環状に形成されて
いることから、断面馬蹄形状をなす中継部33にこれを
仮設すると、該フレーム221の側方(矢印C又はD
方)に空間33c(図11に図示)が形成される。そこ
で、中継部33の空間33cにトランス座25を仮設し
て、該トランス座25にトランス類を収容することによ
り、第1のトンネル1a部分等の通常断面の坑道31中に
これを配置して、その作業空間を狭めることを回避する
ことが出来、これにより第1のトンネル1a部分の断面
長円形をなす通常断面の坑道31を、中継部33より前
側(矢印A方向側)で必要とされる資材、機材の搬送経
路として広く開放しておくことが出来る。
【0021】こうして中継部33に、中継元押装置22
が設置されたところで、まず、中継元押装置22を、図
10に示すように、フレーム221の前後の面である矢
印A、B両側端面に装着されている油圧ジャッキ26の
全てを、各ラム261を後退させることにより、最縮長
状態にすると共に、該フレーム221を支持鋼222、
222上をスライドさせる形で中継部33内の後部(矢
印B方側)に配置する。するとこれにより、中継部33
には、中継元押装置22の前側に空間33d(図10に
図示)が形成される。こうして形成された空間33d
は、断面長円形をなす通常断面の坑道31より大きな断
面積で、長さL7で横断幅L4をなす馬蹄形状に拡幅形
成された形の中継部33の、略半分の十分大きなスペー
スを有しているところから、該空間33dにおいて、一
リングのプレキャスト管11を自在な方向に反転させる
ことが出来る。そこで、引き続き第2のトンネル1bの
坑道3に押し込まれるべきプレキャスト管11を、以下
に延べるように反転ビーム24に保持させることにより
反転装置21の車体23に搭載した状態にして、これ
を、坑口3a等から仮軌条17等を介して前述した第1
のトンネル1a部分の坑道3内に配設されたプレキャス
ト管11内を通過させて、図10に図示される空間33
dに搬送すると共に、該空間33dにおいて該プレキャ
スト管11の反転作業を行う。プレキャスト管11を中
継部33の空間33dに搬送する際には、図12に示す
ように、該プレキャスト管11の長手方向を坑道伸延方
向である矢印A、B方向に向けた形の横倒し状態にし
て、これを車体23の反転ビーム24に保持させる。す
ると、前述したように元押装置5により押し込まれて第
1のトンネル1aの坑道3に配置しているプレキャスト
管11は、図3に示すように、長径L2をなすその長手
方向を図3上下方向に向けて且つ短径L3をなすその短
手方向を水平方向に向けた形でそれぞれ立設されている
ことから、上述したように横倒し状態で反転ビーム24
に保持されたプレキャスト管11は、立設されたプレキ
ャスト管11の内部を矢印B方向側から矢印A方向に向
けて通過する形で、坑道3中を円滑に搬送される。
【0022】こうして車体23を介して第1のトンネル
1aの坑道3中を通過させる形でプレキャスト管11が
中継部33の空間33dに搬送されたなら、図12に示
すように、まず反転ビーム24を図12矢印G又はH方
向に適宜回転させて、該ビーム24に保持されたプレキ
ャスト管11を図12において一点鎖線で示すように起
立させる。そして、次に、反転ビーム24を、図12回
転中心CT1を中心として図12紙面と交差方向に回転
させることにより、プレキャスト管11の軸心CT2
を、第2のトンネル1bにおける坑道3の伸延方向であ
る矢印A、B方向に向けた形にする。こうしておいて、
反転ビーム24に保持されているプレキャスト管11
を、図12において第2のトンネル1bの後端(矢印B
端)部に配置しているプレキャスト管11の後側端面に
整合させる形で、位置決めしてから、図13に示すよう
に、油圧ジャッキ26のラム261を突出駆動させる。
すると、フレーム221の後(矢印B方)の油圧ジャッ
キ26のラム261が、反力壁27により中継部33の
後端部分の坑壁3bに堅固に定着支持された形の第1の
トンネル1aの先頭部分のプレキャスト管11の先端側
面に、プレスリング9を介して当接して、一方フレーム
221の前(矢印A方)の油圧ジャッキ26のラム26
1がプレスリング9を介して、反転ビーム24に保持さ
れているプレキャスト管11の後(矢印B方向)側端面
に当接する形で、該ビーム24に保持されているプレキ
ャスト管11が第2のトンネル1bに位置している後端
部分のプレキャスト管11の後端側面に押し付けられ
る。この状態で、反転ビーム24の保持状態を適宜解除
すると、第2のトンネル1bの後端部分に位置している
2ヶのプレキャスト管11、11が接合された形で、両
者11、11は共に第2のトンネル1bの坑道3中に矢
印A方向に向けて押込まれる。なお、この際、中継元押
装置22においてはフレーム221が、ラム261の突
出に伴い矢印A方向に押される形で支持鋼222上をス
ライドして、中継元押装置22が最伸長状態を呈する。
すると、中継元押装置22においては、フレーム221
の前後の両側端面に油圧ジャッキ26が、各ラム261
の突出方向を互い違いに向けた形で複数装着されている
ことから、該中継元押装置22は各油圧ジャッキ26の
ストロークの2倍に相当する分だけ伸長することが出
来、従って、中継部33の長さL7にジャッキ26の伸
長ストロークが十分余裕をもって対応することが出来
る。こうして、反転ビーム24に保持された状態で反転
装置21により位置決めされたプレキャスト管11は、
中継元押装置22の油圧ジャッキ26を突出駆動するこ
とにより、第2のトンネル1bの坑道3中に押し込まれ
て、該第2のトンネル1b中にこの時点で配置している
全てのプレキャスト管11が、プレキャスト管11の1
リングの幅L1分だけ矢印A方向に推進する。
【0023】そこで、再び中継元押装置22を、図10
に示すように、油圧ジャッキ26のラム261を後退さ
せることにより最縮長状態にして、そのフレーム221
を中継部33内の後部(矢印B方側)に配置すると、中
継部33には再び、中継元押装置22の前側に前記空間
33d(図10に図示)が形成される。そこで、前述し
たように空間33dに更なるプレキャスト管11を再び
搬送して、該プレキャスト管11を反転させてから坑道
3中に押し込む作業を所定の回数繰返すことにより、前
述したシールド装置12の推進に後続する形で、第2の
トンネル1bの坑道3中に次々とプレキャスト管11が
推進配置される。こうして第2のトンネル1bが所定の
長さまで伸延構築されたところで、前述したと同様に、
再び坑道3中に中継部33を上述したと同様に拡幅形成
すると共に、当該中継部33において、前述した動作を
繰返すことによりトンネル1を無限に矢印A、B方向に
伸延構築することが出来る。この際、中継部33から再
び掘削形成する通常断面の坑道31の伸延方向は、該中
継部33を中継基点として自在に変更することが出来る
ので、トンネル1において、坑道3を任意にカーブさせ
ることが容易に出来る。なお、中継部33において、前
述したように用いられた中継元押装置22や反転装置2
1等は、トンネル1の構築作業が更に進行してこれが不
要となったなら、適宜これ等の仮設機材を解体除去する
と共に、各中継部33においては、該中継部33の前後
(即ち上述した例においては第1のトンネル1aと第2
のトンネル1b部分)に配置する形の通常断面の坑道
1、31の後端及び前端部分に配置するプレキャスト管
11、11を矢印A、B方向に接続する形で適宜覆工す
ることにより、中継部33の覆工10を現場形成する。
すると、これにより第1のトンネル1aと第2のトンネ
ル1bが接続されるので、これを繰返すことにより任意
の伸延距離(矢印A、B方向長さ)のトンネル1を構築
完遂することが出来る。
【0024】なお、上述した実施例においては、トンネ
ル1の覆工部材として、断面長円形状に形成された環状
のプレキャスト管11を用いた例を述べたが、該プレキ
ャスト管11の断面形状は、これが接合されて後その内
部を更なるプレキャスト管11が通過することが出来れ
ば他の形状であっても差し支えなく、即ちその断面が細
長い形状を呈していれば、例えば矩形に形成されていて
も何等差し支えない。また、プレキャスト管11等の覆
工部材ピースは、押込み位置(立坑32の坑口3a近傍
や坑道3中の中継部33)において環状に形成される形
で、予め1リングがいくつかに分割されて加工されてい
るものを用いても差し支えない。また、上述した実施例
においては、坑道3を掘削形成するためにセミオープン
型のシールド装置12を用いた例を述べたが、本発明に
必要とされる掘削機は、坑道3を通常の断面の坑道31
と、拡幅部である中継部33とに掘り分けられることが
出来る掘削機であれば、どのように構成されていても良
い。さらに、上述した実施例において用いた、元押装置
5、中押装置20、中継元押装置22等の油圧ジャッキ
装置は、プレキャスト管11等の覆工部材を地盤に押込
むことが出来れば他の装置を用いても構わず、同様に、
トンネル1を構築する為に上述した実施例において述べ
た各種の機材、資材等は他の適当なる構成のものが用い
られて何等差し支えない。さらにまた、トンネル1は必
ずしも立坑32から発進する必要はなく、その坑口3a
は、山肌或いは丘陵さらには他の地下構造の壁体部分等
の如何なる部分に設けられていても良い。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
切羽3c等の坑道3の先頭部分にシールド装置12等の
掘削手段を配設すると共に、坑口3a等の坑道3の後側
に、該坑道3中に断面が細長い環状に形成されたプレキ
ャスト管11等の覆工部材ピースを押込み得る元押装置
5、中継元押装置22等の押込手段を設けておき、前記
掘削手段を地盤2中に推進させて、前記覆工部材ピース
に対応した断面で該地盤2を掘削することにより坑道3
1等の通常断面坑道を形成すると共に、前記押込手段に
より前記通常断面坑道に、前記掘削手段の後側に接続す
る形で前記覆工部材ピースを押込み、前記掘削手段が所
定距離推進して前記押込み手段により前記覆工部材ピー
スを所定距離押込んだところで、前記掘削手段により前
記通常断面坑道の先頭位置から該通常断面坑道より大き
な断面積をなす形の中継部33等の拡大坑道を掘削形成
し、前記拡大坑道を掘削形成したところで、該拡大坑道
の先頭位置から再び前記掘削手段により前記通常断面坑
道を掘削形成すると共に、前記拡大坑道に前記押込手段
を配置し、前記拡大坑道に前記覆工部材ピースを、前記
構築済みの通常断面坑道を通過させる形で搬送し、前記
拡大坑道の先頭位置から再び掘削形成された前記通常断
面坑道に、該拡大坑道に搬送した覆工部材ピースを、該
拡大坑道に配置した前記押込手段により押込むことによ
りトンネル1等のトンネルを構築するようにして、構成
したので、通常断面坑道の掘削形成と該通常断面坑道へ
の覆工部材ピースの押込みを、拡大坑道を経由して所望
の回数だけ繰り返すことにより、坑道を所望の距離だけ
伸延させることが出来る。従って、坑道3中に立坑32
等の立坑を何箇所も設けたり、予めトンネルの設計伸延
距離に合わせた大容量のジャッキを、坑口3a部分で該
大容量ジャッキに対応する空間を形成してここに反力架
台を設置した上で用いる必要なく、効率的且つ経済的に
無制限に長距離掘進することが出来る。また、トンネル
伸延途中に立坑を設ける必要がないことから、トンネル
を構築する際に道路や構築物等の地上要素に影響を与え
ることが少なく、さらに、構造物の下側等に坑道3を形
成する形で、地盤中の深い部分にトンネルを構築するこ
とも出来る。なお、拡大坑道の先頭位置から再び通常断
面坑道を掘削形成する際には、掘削手段を任意の方向に
発進させることが出来るので、該拡大坑道を介して坑道
3をカーブさせることにより、カーブ施工が容易に出来
る。また、掘削手段が掘削形成する坑道3の殆どは覆工
部材ピースに対応した断面の通常断面坑道であり、拡大
坑道は該坑道の一部のみであるところから、当該通常断
面坑道においては余掘り部分が形成されず、この為、ト
ンネル構築作業全般における掘削及び裏込にかかる経費
及び作業手間に多くが費やされることがないと共に、地
盤を極少しか緩ませない良質なトンネル施工が行われ得
る。従って、地上に構造物が密集しているような地域に
おいて、プレキャスト管を地中に推進させることにより
水路等の小断面トンネルを構築しようとする際に本発明
を適用すれば、上述したようなその効果は尚一層顕著に
発現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトンネル構築方法により構築中の
トンネルの一例を示す図である。
【図2】図1のII、II矢視図である。
【図3】図1のIII、III矢視図である。
【図4】本発明によるトンネル構築方法の一工程を示す
図である。
【図5】本発明によるトンネル構築方法の一工程を示す
図である。
【図6】本発明によるトンネル構築方法の一工程を示す
図である。
【図7】図6のVII、VII矢視図である。
【図8】本発明によるトンネル構築方法の一工程を示す
図である。
【図9】図8のIX、IX矢視図である。
【図10】本発明によるトンネル構築方法の一工程を示
す図である。
【図11】図10のXI、XI矢視図である。
【図12】本発明によるトンネル構築方法の一工程を示
す図である。
【図13】本発明によるトンネル構築方法の一工程を示
す図である。
【符号の説明】
1……トンネル 2……地盤 3……坑道 31……通常断面坑道(坑道) 33……拡大坑道(中継部) 3a……坑道の先頭(切羽) 3c……坑道の後(坑口) 5……押込み手段(元押装置) 22……押込み手段(中継元押装置) 11……覆工部材ピース(プレキャスト管) 12……掘削機(シールド装置)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】坑道の先頭部分に掘削手段を配設すると共
    に、坑道の後側に、該坑道中に断面が細長い環状に形成
    された覆工部材ピースを押込み得る押込手段を設けてお
    き、 前記掘削手段を地盤中に推進させて、前記覆工部材ピー
    スに対応した断面で該地盤を掘削することにより通常断
    面坑道を形成すると共に、 前記押込手段により前記通常断面坑道に、前記掘削手段
    の後側に接続する形で前記覆工部材ピースを押込み、 前記掘削手段が所定距離推進して前記押込み手段により
    前記覆工部材ピースを所定距離押込んだところで、 前記掘削手段により前記通常断面坑道の先頭位置から該
    通常断面坑道より大きな断面積をなす形の拡大坑道を掘
    削形成し、 前記拡大坑道を掘削形成したところで、該拡大坑道の先
    頭位置から再び前記掘削手段により前記通常断面坑道を
    掘削形成すると共に、 前記拡大坑道に前記押込手段を配置し、 前記拡大坑道に前記覆工部材ピースを、前記構築済みの
    通常断面坑道を通過させる形で搬送し、 前記拡大坑道の先頭位置から再び掘削形成された前記通
    常断面坑道に、該拡大坑道に搬送した覆工部材ピース
    を、該拡大坑道に配置した前記押込手段により押込むこ
    とにより構築する、トンネル構築方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114382496A (zh) * 2022-02-22 2022-04-22 山西开源益通矿业设备制造有限公司 矿用坑道深孔微型盾构设备

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