JPH05246920A - 匂いの良好なグリコールエーテル及びその製造法 - Google Patents

匂いの良好なグリコールエーテル及びその製造法

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JPH05246920A
JPH05246920A JP4463492A JP4463492A JPH05246920A JP H05246920 A JPH05246920 A JP H05246920A JP 4463492 A JP4463492 A JP 4463492A JP 4463492 A JP4463492 A JP 4463492A JP H05246920 A JPH05246920 A JP H05246920A
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glycol ether
ether
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steam
basic compound
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JP4463492A
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Hiroshi Nagumo
博 南雲
Toshinao Ukiana
俊直 浮穴
Yukinaga Yokota
行永 横田
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 塗料、印刷インキ等の溶剤、界面活性剤、化
粧料原料等に有用な、匂いの良好なグリコールエーテル
を提供する。 【構成】 粗グリコールエーテル(I)、及び/又は粗
グリコールエーテル(I)に蒸留、水蒸気吹き込み及び
/又は不活性ガスの吹き込みを行って得られたグリコー
ルエーテル(I)と、無機性の塩基性化合物及び金属水
素化物とを接触させ、ついで、該塩基性化合物及び金属
水素化物の存在下に蒸留を行い、低沸点物質を分離後、
グリコールエーテル(I)を留出させ、その後得られた
グリコールエーテル(I)へ水蒸気及び/又は不活性ガ
スを吹き込んで、760 mmHgにおける沸点が80〜180 ℃で
ある化合物の含量が100 ppm 以下である、一般式(I)
で表される、匂いの良好なグリコールエーテルを得る。 RO(AO)n H (I) 〔式中、R は炭素数1〜4のアルキル基、又はフェニル
基、A は炭素数2〜3のアルキレン基、n は1〜5の数
を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塗料、印刷インキ等の溶
剤、界面活性剤、化粧料原料等に有用な、高品質のグリ
コールエーテル及びその製造法に関するものであり、特
に匂いの良好なグリコールエーテル及びその製造法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】グリコ
ールエーテルはその優れた可溶化力より、塗料、印刷イ
ンキ等の溶剤、界面活性剤、化粧料原料等として多用さ
れている。グリコールエーテルは、通常アルコールにエ
チレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加さ
せ、蒸留により各組成の分離を行っている。このため、
グリコールエーテル中には完全に分離できなかった低沸
点物が不純物として存在する。また、グリコールエーテ
ルは分子中にエーテル結合を有するために、空気中の酸
素により酸化され、種々の有機過酸化物を生成し、これ
らも不純物として存在する。このため、これら不純物の
ため本来のグリコールエーテル臭とは異なる臭気が含ま
れ、化粧料等に使用される際大きな問題となる。このた
め、市販されているグリコールエーテル中より、これら
不純物を除去する脱臭方法の確立が必要である。
【0003】粗グリコールエーテル(アルコールにアル
キレンオキシドを付加させて得られるグリコールエーテ
ル)の脱臭方法としては、常圧又は減圧下で水蒸気もし
くは窒素ガスを吹き込む方法、あるいは活性炭などの吸
着剤を用いる方法などが考えられるが、これらの方法で
は十分にその目的を達することはできない。
【0004】又、特開昭51−95008 号公報には、粗グリ
コールエーテルに対して 0.1〜5重量%の有機性又は無
機性の塩基性化合物を加えた後蒸留する方法が開示され
ているが、本発明者らが、目標とする匂いを達成するに
は不十分なものであった。又、特開昭55−89236 号公報
には、粗グリコールエーテルを無機性の塩基性化合物と
接触させた後に蒸留を行い、更に低沸点物質を蒸留分離
する方法を開示しているが、過酸化物、カルボニル類の
除去が不十分であり、本発明者が目標とする匂いを満足
するものではなかった。又、特開平1−27544 号公報に
は、粗グリコールエーテルを水素添加する方法が開示さ
れているが、低沸点物の除去ができないため、本発明者
らが目標とする匂いを満足するものではなかった。又、
DE 2831210には、グリコールエーテルを金属水素化物と
接触させた後に、水を添加し金属水素化物を加水分解
し、脱水、蒸留する方法を開示しているが、低沸点物の
除去が不十分であり、本発明者らが目標とする匂いを満
足するものではなかった。
【0005】このような状況において、本発明の課題
は、粗グリコールエーテルから、匂いに影響を及ぼす低
沸点化合物、過酸化物、カルボニル化合物類を効率良く
除去し、匂いの良好なグリコールエーテル及びその製造
法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討した結果、グリコールエーテ
ルにおいて、760mmHg における沸点が80〜180 ℃である
化合物の含量を100ppm以下とすれば匂いが良好に
なることを見い出し、本発明を完成した。即ち、本発明
は、760mmHg における沸点が80〜180 ℃である化合物(
以下、A成分と言う)の含量が100ppm以下である、一般
式(I)で表される、匂いの良好なグリコールエーテ
ル、及びその製造法を提供するものである。
【0007】 RO(AO)n H (I) 〔式中、R ;直鎖又は分岐鎖の、炭素数1〜4のアルキ
ル基、又はフェニル基を示す。 A ;炭素数2〜3のアルキレン基を示し、n個のA は同
一でも異なっていてもよい。 n ;1〜5の数を示す。〕 本発明が提供する匂いの良好なグリコールエーテル
(I)中のA成分の含量は100ppm以下、好ましくは50pp
m 以下であり、100ppmを超える量のA成分を含む場合に
は、本発明が所望する、匂いの良好なグリコールエーテ
ルは得られない。
【0008】本発明が提供する、匂いの良好なグリコー
ルエーテルの製造法は、特に限定されないが、工業的に
は、次の方法で行うことができる。 一般式(II) ROH (II) 〔式中、R は前記の意味を示す。〕で表されるアルコー
ルに炭素数2〜3のアルキレンオキシドを付加させて得
られる、前記一般式(I)で表されるグリコールエーテ
ル(以下、粗グリコールエーテル(I)と言う)につい
て、下記の工程(a) 及び(b) を行う。
【0009】工程(a) ; (イ)粗グリコールエーテル(I)、及び/又は粗グリ
コールエーテル(I)を蒸留、水蒸気吹き込み及び不活
性ガスの吹き込みからなる群から選ばれる少なくとも一
操作を行って得られたグリコールエーテル(I)と、
(ロ)無機性の塩基性化合物及び金属水素化物とを接触
させ、ついで、該塩基性化合物及び金属水素化物の存在
下に蒸留を行い、低沸点物質を分離後、グリコールエー
テル(I)を留出させることにより回収する工程。工程(b) ;工程(a) にて得られたグリコールエーテル
(I)へ水蒸気及び/又は不活性ガスを吹き込む工程。
【0010】本発明の製造法において使用される粗グリ
コールエーテル(I)としては、一般に市販されている
もの、またはアルコールもしくはフェノールとエチレン
オキシド及び/又はプロピレンオキシドとを反応させる
ことにより製造されたもの等であり、これらは低級アル
デヒド類、相当するアルコール類、フェノール類、エス
テル類、有機酸又は有機過酸化物類など種々の不純物を
含んでいる。特に代表的な粗グリコールエーテル(I)
としては、炭素数1〜4のアルコールもしくはフェノー
ルにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを
1〜5モル付加させることにより製造されたものであ
り、例えば粗製のエチレングリコールノモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコー
ルモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエ
チレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ
エチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエー
テルなどがあげられる。
【0011】以下、本発明の工程について詳細に説明す
る。工程(a) ;本工程において、無機性の塩基性化合物及び
金属水素化物を接触させる(イ)の粗グリコールエーテ
ル(I)は、上記のような粗グリコールエーテル
(I)、或いはこの粗グリコールエーテル(I)を蒸
留、水蒸気吹き込み及び不活性ガスの吹き込みからなる
群から選ばれる少なくとも一操作を行って得られるグリ
コールエーテル(I)、或いはこれらの混合物である。
蒸留、水蒸気吹き込み、不活性ガスの吹き込みの操作方
法については、従来公知の方法で良い。
【0012】本工程において使用される、無機性の塩基
性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウムなどがあるが、水酸化ナトリウム
又は水酸化カリウムが好ましい。これら無機性の塩基性
化合物の使用量は、(イ)の粗グリコールエーテル
(I)に対し、0.01〜5.0 重量%の範囲が好ましく、更
に好ましくは 0.1〜1.0 重量%の範囲である。無機性の
塩基性化合物を5.0 重量%より多く使用すると、本工程
(a) における蒸留中にグリコールエーテル(I)が分解
し、低沸点物質の生成を増加させ、匂いの面からもまた
蒸留収率の面からも不利となる。一方、無機性の塩基性
化合物の使用量が0.01重量%未満であると、本発明が所
望する、匂いの良好なグリコールエーテル(I)は得ら
れない。
【0013】更に、本工程(a) において使用される、金
属水素化物としては、例えばNaBH4、LiBH4 、LiAlH4、N
aH などを挙げることができる。これら金属水素化物
は、(イ)の粗グリコールエーテル(I)中の過酸化
物、カルボニル化合物類を還元するのに十分な量を使用
すれば良く、通常、(イ)のグリコールエーテル(I)
に対して0.01〜5.0 重量%の範囲が好ましく、更に好ま
しくは0.02〜0.5 重量%の範囲で使用される。
【0014】本工程(a) においては、(イ)の粗グリコ
ールエーテル(I)へ無機性の塩基性化合物及び金属水
素化物を添加し、必要に応じて加熱した後、通常10分以
上混合させた後、次の低沸点物の蒸留分離処理を施して
もよい。(イ)の粗グリコールエーテル(I)と、無機
性の塩基性化合物及び金属水素化物との混合時の温度
は、高すぎるとグリコールエーテル(I)が分解し、低
沸点物質の生成を増加させるため、150 ℃以下の範囲で
行われ、好ましくは 110℃以下の範囲である。また、
(イ)の粗グリコールエーテル(I)と無機性の塩基性
化合物及び金属水素化物の接触は、空気中でも良いが、
窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性雰囲気中で行う
ことが好ましい。
【0015】本工程(a) において、蒸留は単蒸留、精留
などの公知の蒸留手段のいずれの方法でもよく、また蒸
留条件は製造対象となるグリコールエーテル(I)によ
って適宜設定されるが、例えば通常5〜50mmHgの減圧下
で、温度が 200℃以下、好ましくは 140℃以下になる条
件で蒸留し、低沸点物質を留去する。分離される低沸点
物質の量は、蒸留されるグリコールエーテル(I)に対
し5〜50重量%の範囲が好ましい。次いで、更に蒸留釜
に残っているグリコールエーテル(I)と無機性の塩基
性化合物及び金属水素化物の混合液より、同様の蒸留条
件で低沸点化合物含量の少ないグリコールエーテル
(I)を留出させ、回収する。この様にして得られたグ
リコールエーテル(I)は、グリコールエーテル(I)
が無機性の塩基性化合物の存在により蒸留中に分解して
生じた低沸点化合物を極微量含んでいるため、次に(b)
工程を行う。
【0016】工程(b) ;工程(b) において、工程(a) に
て得られたグリコールエーテル(I)へ水蒸気及び/又
は不活性ガスを吹き込む。本工程(b) において、使用さ
れる不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、アルゴン等
が挙げられるが、通常は、水蒸気の吹き込みを行う。ま
た、不活性ガスと水蒸気とを併用しても良い。水蒸気を
吹き込む場合には、通常5〜100mmHg の減圧下で行い、
温度が 200℃以下、好ましくは 140℃以下になる条件で
行う。水蒸気量は、所望するグリコールエーテル(I)
の匂いにより異なるが、工程(a) にて得られたグリコー
ルエーテル(I)に対し1〜50重量%である。このよう
にして、過酸化物、カルボニル化合物類の含量が少な
く、臭気も殆どない精製されたグリコールエーテルが取
得される。
【0017】
【発明の効果】本発明によれば、極めて高純度のグリコ
ールエーテルを製造することができる。ガスクロマトグ
ラフィーにより組成を調べた結果、得られたグリコール
エーテル(I)は、760mmHg における沸点が80〜180 ℃
である化合物の含量が100ppm以下である。その結果、臭
気も殆どない、匂いの良好なグリコールエーテル(I)
が得られる。
【0018】
【実施例】以下、実施例を挙げて、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるも
のではない。
【0019】実施例1 ジエチレングリコールモノエチルエーテル(三菱油化
製) 4,500gと40%NaOHと12%NaBH4 水溶液(モートン
チオコール社製)22.5gを10リットル4つ口フラスコに
仕込み、80℃で窒素を吹き込みながら1時間攪拌を行っ
た。この混合物を85℃、10mmHgの減圧下、単蒸留にて低
沸点化合物を含む留分を 486g留去した。更に、同条件
により蒸留を行い、ジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルを3,825 g回収した。この回収ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル 3,825gを5リットル4つ口フ
ラスコに仕込み、80℃、15mmHgの減圧下で水蒸気吹き込
みを行った。この時使用した水蒸気量は 383gであり、
フラスコ内には 3,510gのジエチレングリコールモノエ
チルエーテルが残った。このジエチレングリコールモノ
エチルエーテルの匂いを評価(10人のパネラーによる)
した結果、ほとんど無臭であった。また、本ジエチレン
グリコールモノエチルエーテルをFID 検出器付きガスク
ロマトグラフィーで分析した結果、A成分は検出されな
かった。
【0020】ガスクロマトグラフィーの分析条件 カラム Thermon 3000 5% 1.6m 昇 温 80→ 200℃ 10℃/min He キャリアー 検出器 FID 実施例2 ジエチレングリコールモノブチルエーテル(三菱油化
製) 4,500gと40%NaOHと12%NaBH4 水溶液(モートン
チオコール社製)22.5gを10リットル4つ口フラスコに
仕込み、80℃で窒素を吹き込みながら1時間攪拌を行っ
た。この混合物を105 ℃、10mmHgの減圧下、単蒸留にて
低沸点化合物を含む留分を 428g留去した。更に、同条
件により蒸留を行い、ジエチレングリコールモノブチル
エーテルを3,750 g回収した。この回収ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル 3,750gを5リットル4つ口
フラスコに仕込み、85℃、15mmHgの減圧下で水蒸気吹き
込みを行った。この時使用した水蒸気量は 418gであ
り、フラスコ内には 3,460gのジエチレングリコールモ
ノブチルエーテルが残った。このジエチレングリコール
モノブチルエーテルの匂いを評価した結果、ほとんど無
臭であった。また、本ジエチレングリコールモノブチル
エーテルをFID 検出器付きガスクロマトグラフィーで分
析した結果、A成分は検出されなかった。
【0021】実施例3 実施例1と同様の条件にて、低沸点化合物を含む留分を
225g留去した。更に、同条件により蒸留を行い、ジエ
チレングリコールモノエチルエーテルを3,820g回収し
た。この回収ジエチレングリコールモノエチルエーテル
3,820gを実施例1と同様の条件で水蒸気吹き込みを行
った。この時使用した水蒸気量は 115gであり、フラス
コ内には 3,727gのジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルが残った。このジエチレングリコールモノエチル
エーテルの匂いを評価した結果、ほとんど無臭であり、
実施例1と同一条件でガスクロマトグラフィー分析を行
った結果、A成分が42ppm 検出された。
【0022】実施例4 10リットルのオートクレーブに、エタノール3680gとNa
OH 9.6gを仕込み、反応温度90℃でエチレンオキシド33
60gを徐々に注入し、反応温度を100 ℃まで昇温した。
圧力の低下かなくなった時点で冷却を行い。エタノール
のグリコールエーテル化物6550gを得た。このようにし
て得られたエタノールのエーテル化物を精留塔付き10リ
ットル四つ口フラスコに仕込み、10mmHgの減圧下、80℃
以下で留出した留分は除去し、80〜83℃の間で留出した
留分1180gを取得した。本留分を実施例1と同様にガス
クロマトグラフィーで分析した結果、A成分を800 ppm
含むジエチレングリコールモノエチルエーテルであるこ
とが分かった。このジエチレングリコールモノエチルエ
ーテルの匂い評価結果は刺激臭ありであった。このよう
にして得られたA成分800ppmを含むジエチレングリコー
ルモノエチルエーテル700 gと、40%NaOHと12%NaBH4
水溶液3.5 gを1リットル4つ口フラスコに仕込み、実
施例1と同様の条件にて低沸点化合物を含む留分を 126
g留去した。更に、同条件により蒸留を行い、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテルを460 g回収した。こ
の回収ジエチレングリコールモノエチルエーテル 460g
を1リットル4つ口フラスコに仕込み、実施例1と同様
の条件にて水蒸気吹き込みを行った。この時使用した水
蒸気量は80gであり、フラスコ内には 391gのジエチレ
ングリコールモノエチルエーテルが残った。このジエチ
レングリコールモノエチルエーテルの匂いを評価した結
果、ほとんど無臭であった。また、本ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテルをFID 検出器付きガスクロマト
グラフィーで分析した結果、A成分は検出されなかっ
た。
【0023】比較例1 実施例3で得られた回収ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルの匂いを評価した結果、わずかに臭気が認め
られた。また、この回収ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテルを実施例1と同一条件でガスクロマトグラフ
ィー分析を行った結果、A成分が108ppm検出された。
【0024】比較例2 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 4,500gとKO
H(和光純薬製)22.5gを10リットル4つ口フラスコに仕
込み、80℃で窒素を吹き込みながら1時間攪拌を行っ
た。この混合物を85℃、10mmHgの減圧下、単蒸留を行
い、ジエチレングリコールモノエチルエーテルを 4,270
g回収した。このものの匂いを評価した結果、刺激臭が
あった。また、ガスクロマトグラフィーによる分析の結
果、A成分が300ppm検出された。
【0025】比較例3 比較例2で得られたジエチレングリコールモノエチルエ
ーテル 3,000gを5リットル4つ口フラスコに仕込み、
85℃、10mmHgの減圧下、単蒸留を行い、低沸点化合物を
含む留分を 153g留出させた。この時、フラスコ内に残
ったジエチレングリコールモノエチルエーテルの匂いを
測定した結果、わずかに臭気が認められた。また、ガス
クロマトグラフィーによる分析の結果、A成分が142ppm
検出された。実施例1〜4及び比較例1〜3で得られた
結果をまとめて表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】注) *1:実施例4のジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルは、エタノールへのエチレンオキシド付加物より蒸留
にて得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 43/23 D 8619−4H // A61K 7/46 331 9051−4C C11B 9/00 G 2115−4H 9/02 A 2115−4H

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 760mmHg における沸点が80〜180℃であ
    る化合物の含量が100ppm 以下である、一般式(I)で
    表される、匂いの良好なグリコールエーテル。 RO(AO)n H (I) 〔式中、R ;直鎖又は分岐鎖の、炭素数1〜4のアルキ
    ル基、又はフェニル基を示す。 A ;炭素数2〜3のアルキレン基を示し、n個のA は同
    一でも異なっていてもよい。 n ;1〜5の数を示す。〕
  2. 【請求項2】 一般式(II) ROH (II) 〔式中、R は前記の意味を示す。〕で表されるアルコー
    ルに炭素数2〜3のアルキレンオキシドを付加させて得
    られる、前記一般式(I)で表されるグリコールエーテ
    ル(以下、粗グリコールエーテル(I)と言う。)につ
    いて、下記の工程(a) 及び(b) を行うことを特徴とす
    る、請求項1記載の匂いの良好なグリコールエーテルの
    製造法。工程(a) ; (イ)粗グリコールエーテル(I)、及び/又は粗グリ
    コールエーテル(I)を蒸留、水蒸気吹き込み及び不活
    性ガスの吹き込みからなる群から選ばれる少なくとも一
    操作を行って得られたグリコールエーテル(I)と、
    (ロ)無機性の塩基性化合物及び金属水素化物とを接触
    させ、ついで、該塩基性化合物及び金属水素化物の存在
    下に蒸留を行い、低沸点物質を分離後、グリコールエー
    テル(I)を留出させることにより回収する工程。工程(b) ;工程(a) にて得られたグリコールエーテル
    (I)へ水蒸気及び/又は不活性ガスを吹き込む工程。
  3. 【請求項3】 工程(a) において、(イ)のグリコール
    エーテル(I)に対し、無機性の塩基性化合物を0.01〜
    5.0重量%使用し、金属水素化物を0.01〜5.0重量%使用
    することを特徴とする、請求項2記載の匂いの良好なグ
    リコールエーテルの製造法。
  4. 【請求項4】 工程(a) における蒸留において、分離さ
    れる低沸点物質の量が、無機性の塩基性化合物及び金属
    水素化物存在下に蒸留されるグリコールエーテル(I)
    に対し5〜50重量%である、請求項2又は3記載の匂い
    の良好なグリコールエーテルの製造法。
  5. 【請求項5】 工程(b) の水蒸気吹き込み工程におい
    て、水蒸気量が、水蒸気を吹き込まれるグリコールエー
    テル(I)に対し1〜50重量%である、請求項2〜4の
    いずれか一項に記載の匂いの良好なグリコールエーテル
    の製造法。
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Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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