JP2614105B2 - エチレングリコールの脱臭方法 - Google Patents

エチレングリコールの脱臭方法

Info

Publication number
JP2614105B2
JP2614105B2 JP2027889A JP2027889A JP2614105B2 JP 2614105 B2 JP2614105 B2 JP 2614105B2 JP 2027889 A JP2027889 A JP 2027889A JP 2027889 A JP2027889 A JP 2027889A JP 2614105 B2 JP2614105 B2 JP 2614105B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meg
odor
recovered
extraction solvent
ethylene oxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2027889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02200649A (ja
Inventor
寛 竹口
幸治 荒川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2027889A priority Critical patent/JP2614105B2/ja
Publication of JPH02200649A publication Critical patent/JPH02200649A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2614105B2 publication Critical patent/JP2614105B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はエチレングリコール(以下EGと略称する)の
脱臭方法に関し、特に酸化エチレンの水和反応によりEG
を製造する工程において、副生するブリードEGから回収
されるエチレングリコール類などの回収EG中の臭気成分
の除去に関するものである。
本発明の方法により、EG製造プラントで得られるモノ
エチレングリコール(MEG)、ジエチレングリコール(D
EG)及びトリエチレングリコール(TEG)等の臭気改良
にも適用可能となる。
[従来の技術] 現在EGは酸化エチレンの水和によって生産されてお
り、無触媒で過剰の水を高温高圧下に反応させ、得られ
た水溶液を濃縮したのち精留して得られるが、酸化エチ
レンの水和反応においては、通常モノエチレングリコー
ルに更に酸化エチレンが付加したジエチレングリコール
(DEG)、トリエチレングリコール(TEG)などが副生す
る。
また、酸化エチレンの製造工程において、生成酸化エ
チレンは吸収塔でアルカリ水に吸収されて未反応ガスと
分離され、未反応ガスは酸化エチレンの反応器に戻され
るが、この吸収塔で酸化エチレンが水に吸収される際に
EGが副生する。酸化エチレンの吸収塔から出た液は酸化
エチレンのストリッパ及び放散塔等を経て酸化エチレン
が回収され、この酸化エチレンの回収工程で副生したEG
をブリードEGと称する。
副生ブリードEGから得られるMEG(回収MEGと略す)
は、ブリードEGを脱塩、脱水処理を行なった後、蒸留に
より製造される。しかしこのようにして得られた回収ME
Gは刺激臭を伴ったコゲ臭が著しいため、脱臭を必要と
する。このため活性炭による脱臭方法、或いは水素添加
による脱臭方法が一般に実施されているが、これら二法
による脱臭方法では、臭気成分は殆ど除去されないた
め、MEG等エチレングリコール類の臭気成分の除去方法
としては不満足であった。例えば活性炭処理による脱臭
回収MEGについて、臭いの規格に合格するには、更に繊
維グレード(無臭グレードと略す)のMEGで希釈する必
要があり、その必要希釈倍数は50〜100倍となる。
[発明が解決しようとする課題] 上記の回収MEGは、MEG純度99.5重量%以上、かつ、不
純物のDEG濃度が0.5重量%以下からなる組成物であっ
て、純度、不純物等機器分析及び科学分析で規定される
品質には問題がないが、刺激臭を伴ったコゲ臭を有する
という点だけで不凍液、繊維向け等一般グレード向けに
は適応せず、その用途が極めて制限され、有効利用が妨
げられている。
本発明は回収MEG等の着臭EGの有効な脱臭方法を提供
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明はこれら親水性のEGに溶解している着臭物質が
意外にも親油性であることを見出し、親油性の溶媒によ
り臭気物質を抽出し、脱臭することに成功した。
すなわち、本発明は、酸化エチレンの水和反応により
EGを製造する工程において、副生するブリードEGを、EG
と実質的に混合しない揮発性の炭化水素類を用いて臭気
成分を抽出除去することを特徴とするEGの脱臭方法であ
る。
本発明の脱臭方法は蒸留によりMEGを回収する前の脱
水処理されたブリードEG自体に適用して脱臭されたEG混
合物を得ることができるが、特に副生ブリードEGを、脱
塩・脱水処理をした後、蒸留によってMEGを回収し、こ
の回収MEGを、エチレングリコールと実質的に混合しな
い揮発性の炭化水素類を用いて抽出処理することにより
脱臭された回収MEGが得られる。
本発明に用いられる抽出溶剤は、EGに実質的に混合せ
ず、かつ、揮発性の炭化水素類である。
実質的に混合しないとは、EGとの相溶性が小さく、混
合して振盪攪拌しても静置状態で分離することを意味す
る。したがって抽出溶媒の一部がEG中に溶解し、また少
量のEGが抽出溶媒中に溶解することは差し支えない。
また、揮発性は抽出溶剤の回収を容易にするためのも
ので、抽出処理後、分離された抽出溶媒層よりの溶媒回
収のほか、分離されたEG層中に溶解している抽出溶媒の
ストリッピングによる除去を容易にする。したがって、
抽出溶媒はMEGよりも蒸気圧が高く、少なくとも常温で
液状である限りその蒸気圧の大きいものが好ましい。
このような抽出溶媒としては、具体的にはヘキサン、
ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の揮発性の
高い炭化水素類が用いられる。
脱臭処理される回収EG類は、できるだけ脱塩脱水処理
されたものが好ましい。
酸化エチレン製造工程における酸化エチレンの吸収塔
では、アルカリ水を使用して酸化エチレンだけを水に吸
収し、未反応ガスと分離する。しかしながら、酸化エチ
レンの合成時に酸化エチレン以外にホルムアルデヒド、
炭酸ガス、蟻酸、酢酸、蓚酸等酸化生成物が生じ、これ
らはアルカリ水により塩として酸化エチレンと共に水側
に分離され、ブリードEGに含まれてくる。これらの有機
塩、無機塩、はブリードEGより生成された回収EGの色相
を悪くするので、予め脱塩処理によって除去しておくこ
とが好ましい。特に、ブリードEGよりMEGのみを単離せ
ず、混合EG類として回収する場合にはこの脱塩処理が必
要である。
脱塩処理は40〜70mmHgの減圧下、温度150〜170℃でフ
ラッシングすることにより塩が除去される。
脱水処理は製品の規格に水分0.1重量%以下の規格が
あり、これを満足させるため120mmHgの減圧下で、温度1
50℃で減圧蒸留して塔頂から水分を除去する。
臭気成分の抽出除去のために添加される抽出溶媒の量
は任意であるが、例えば回収EG1容量部に対し、抽出溶
剤0.2〜2容量部が添加される。
添加後、攪拌又は振盪により5〜20分間激しく流動接
触混合せしめたのち静置させる。上層には抽出溶剤、下
層にはEGからなる二層が生じ、臭気成分は上層の抽出溶
剤層へ分離される。下層のEG中に溶解した抽出溶剤は約
80℃〜120℃においてN2等の不活性ガスを用いてガスス
トリッピング、或いは蒸留等により完全にEGから除去さ
れる。
このような抽出除去方法により臭気成分が除去された
回収EGの脱臭効果の判定は以下のようにして行なった。
50ml三角フラスコに検体を30ml入れ、室温(30℃)で
30分間以上放置した後取り出し、臭覚(5名以上)にて
臭気を0〜8段階の判定基準で判定し、その平均値にて
評価した。
ここで判定基準は以下のようにした。
0:無臭、 2:微かに臭う、 4:明確に臭う、 6:強く臭う、 8:耐え難い程に臭う。
奇数値はそれらの中間の臭気であることを示す。
ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を抽出溶剤として用
いた場合、活性炭処理EGに比し、臭気レベルで2〜4の
臭気改良が期待できる。一方、臭気成分が分離された抽
出溶剤層から抽出溶剤を蒸発除去して得られた成分の臭
気レベルは原料に比し2〜4高くなる。
これらの臭気レベルの評価から回収MEGの臭気改良方
法として、揮発性の炭化水素類を用いた抽出除去による
脱臭方法が非常に効果があることが明かである。
抽出溶剤層に分離された臭気成分の濃縮品の赤外線吸
収スペクトルを測定したところ、官能基としてカルボニ
ル基(ケトン、エステル)が確認され、かつ、抽出溶剤
として炭化水素類を使用していることを加味すると、回
収EGの臭気成分はカルボニル基を有する親油性の化合物
が主である。この結果から臭気成分は酸化加熱劣化をう
けて生じたものと推定される。また、ガスクロマトグラ
フ分析からこれら臭気成分はMEGからトリエチレングリ
コールの沸点領域に多く存在する。したがって、MEG製
造プラントから製出されるMEG、DEG、TEG等のEG類の酸
化劣化による着臭物質の除去方法として、本法による脱
臭方法が適用可能である。
[実施例] 以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
実施例1 ブリードEGから回収したMEG(純度99.5重量%)50ml
を200ml分液ロートにとり、抽出溶剤ベンゼン50mlを加
えて振盪機にかけ激しく10分間振盪させた後静置分離し
た。下層のMEG層を抜きとり、ベンゼン50mlを加え、前
記同様抽出分離した。二層に分離後上層と下層をそれぞ
れ50ml三角フラスコに30ml採取した。
温度100℃のホットプレートに移し、窒素を50ml/分の
流量で流し、抽出溶剤をガスストリッピングして除去し
た。なお、実験は全て室温(25〜30℃)で実施した。こ
の方法で得られたMEGを所定の方法により臭気レベルを
評価した。
評価結果は第1表に示す。
上層の抽出溶剤層は臭気成分の濃縮と化合物の構造を
推定するため、抽出溶剤を前記同様にして除去し、臭い
を嗅ぎ、かつ、赤外線吸収スペクトルを測定した。抽出
溶剤層から得られた物質の臭いは臭気レベル8の耐え難
い程であった。得られた赤外線吸収スペクトルを第1図
に示す。EG類には見られないカルボニル基の特性吸収バ
ンドが1700〜1800cm-1領域に検出された。
比較例1 実施例1と同一の試料を活性炭(武田薬品(株)製白
さぎA)10〜20kgとMEG6トンを攪拌槽に投入し、1時間
バッチ処理を行なった後、フィルタープレスにより活性
炭を分離して得られたMEGについて、臭気レベルを評価
した。
評価結果は第1表に示す。
実施例2 抽出溶剤としてトルエンを用いて実施例1と同様の実
験方法により臭気成分を除去したものについて、臭気レ
ベルを評価した。この結果を第1表に示す。
実施例3 抽出溶剤としてヘキサンを用いて実施例1と同様の実
験方法により臭気成分を除去したものについて、臭気レ
ベルを評価し、第1表に示す。
実施例4 ブリードEGを脱水、脱塩して得られたEG(MEG:68重量
%、DEG:25重量%、TEG:3重量%、水:4重量%)を用
い、実施例1と同一の実験方法により臭気成分を除去し
たものについて、臭気レベルを評価し第1表に示した。
比較例2 実施例4と同一の試料を、触媒としてニッケルを用
い、温度90〜110℃、圧力22kg/cm2のもとで水素添加し
て脱臭処理を行ない、得られた脱臭品の臭気レベルを評
価した処理を第1表に示す。
[発明の効果] 本発明によって得られた回収MEGはMEGの純度を損なわ
ず臭気レベルを2以上改良することが可能である。
これにより、従来回収MEGから無臭グレードのMEGを得
るには無臭グレードMEGを用いて少なくとも50〜100倍希
釈する必要があり、例えば、現状のMEG生産能力に対し
約1%の回収MEGが得られるとすると、すべての回収MEG
を無臭グレード化することは実際上困難であるが、本発
明の脱臭方法を用いることにより、5〜10倍の希釈、即
ち1/10の希釈量で無臭グレードMEGを得ることが可能で
あり、容易に無臭グレード化が計られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は分離された臭気成分の赤外線吸収スペクトルを
示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】酸化エチレンの水和反応によりエチレング
    リコールを製造する工程において、副生するブリードEG
    を、エチレングリコールと実質的に混合しない揮発性の
    炭化水素類を用いて臭気成分を抽出除去することを特徴
    とするエチレングリコールの脱臭方法。
  2. 【請求項2】酸化エチレンの水和反応によりエチレング
    リコールを製造する工程において、副生するブリードEG
    を、脱塩・脱水処理をした後、蒸留により回収されたモ
    ノエチレングリコールを、エチレングリコールと実質的
    に混合しない揮発性の炭化水素類を用いて臭気成分を抽
    出除去することを特徴とするエチレングリコールの脱臭
    方法。
JP2027889A 1989-01-30 1989-01-30 エチレングリコールの脱臭方法 Expired - Fee Related JP2614105B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2027889A JP2614105B2 (ja) 1989-01-30 1989-01-30 エチレングリコールの脱臭方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2027889A JP2614105B2 (ja) 1989-01-30 1989-01-30 エチレングリコールの脱臭方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02200649A JPH02200649A (ja) 1990-08-08
JP2614105B2 true JP2614105B2 (ja) 1997-05-28

Family

ID=12022702

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2027889A Expired - Fee Related JP2614105B2 (ja) 1989-01-30 1989-01-30 エチレングリコールの脱臭方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2614105B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1160228B1 (en) * 2000-05-31 2006-07-12 Shell Internationale Researchmaatschappij B.V. Process for separating ethylene glycol
WO2011159418A2 (en) * 2010-06-16 2011-12-22 Archer Daniels Midland Company Processes for deodorizing renewable-sourced glycols

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02200649A (ja) 1990-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3408267A (en) Extractive distillation of ethanol followed by activated carbon treatment
KR101233605B1 (ko) 메탄올 카보닐화 공정 스트림으로부터의 퍼망가네이트 환원 화합물의 제거 방법
DE69301579T2 (de) Verbessertes Verfahren zur Gleichzeitigen Herstellung von Propylenoxid und Styrolmonomer
CA2671120A1 (en) Hydrogenation of catmint oil
RU2338737C2 (ru) Способ получения формальдегидного сырья с низким содержанием воды
JP2614105B2 (ja) エチレングリコールの脱臭方法
US1704751A (en) Separation of compounds from mixtures of oxygen-containing organic compounds
JP4001861B2 (ja) 水溶液からのギ酸の除去方法
JPH0427221B2 (ja)
CN112390705A (zh) 一种1,3-丁二醇脱味的纯化方法
JP3552306B2 (ja) プロピレンオキシドとスチレンモノマーの製造法
US5591311A (en) Process for purifying a 2,6-dialkylphenol
US2683752A (en) Dephenolization
KR930003935B1 (ko) 2, 2-디메틸프로판-1, 3-디올의 제조공정
US4920096A (en) Method for extracting cedar wood oil
KR101995009B1 (ko) 알칸디올의 정제방법
JP2004115404A (ja) 臭気の少ない水溶性ポリオールの製造方法
JP3238894B2 (ja) メタクリル酸メチルの製造方法
JP2863437B2 (ja) トリオキサンの精製法
KR100734801B1 (ko) β-페닐에틸 알콜의 정제 방법
US2789139A (en) Recovery of allethrolone
JPH06329664A (ja) 反応粗液の製造法および1,3−ブチレングリコ−ルの製造法
JP6760363B2 (ja) フルフラール組成物及びフルフラール組成物の製造方法
EP0634474B1 (en) Treated labdanum oil, process for preparing the same, novel ketone compound, and perfume composition containing the same
US1854165A (en) Method of refining turpentine

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees