JPH05246686A - 旋回式クレーン - Google Patents

旋回式クレーン

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Publication number
JPH05246686A
JPH05246686A JP4704392A JP4704392A JPH05246686A JP H05246686 A JPH05246686 A JP H05246686A JP 4704392 A JP4704392 A JP 4704392A JP 4704392 A JP4704392 A JP 4704392A JP H05246686 A JPH05246686 A JP H05246686A
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JP
Japan
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boom
main sheave
pin
main
sheave
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Application number
JP4704392A
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English (en)
Inventor
Hideaki Yoshimatsu
英昭 吉松
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 旋回式クレーンにおいて、巻上ロープの旋回
方向の振れ角を正確に検出できるようにする。 【構成】 メインシーブ6を回転自在に支持するメイン
シーブピン13の両端部を、ブーム先端部に設けられた
メインシーブピン孔21に対し締まりばめ状態で嵌合さ
せて、同ピンを両側支持状態でブーム先端部に取付け、
この両側支持点に作用するシーブピン軸心と直角方向の
荷重を荷重センサ15a,15b、16a,16bで検
出するとともに、ブーム4の仰角をブーム角度センサ1
8で検出し、これら検出値から鉛直線に対する巻上ロー
プの旋回方向の振れ角を演算器19で演算するするよう
にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉛直線に対する旋回方向
の巻上ロープの振れ角を検出する装置を備えた旋回式ク
レーンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】旋回式クレーンにおいては、旋回、走行
等の各動作の加速または減速時に吊荷(空荷の場合には
吊り具)の旋回方向の振れが生じ、この所謂荷振れがク
レーン停止時まで残る場合がある。
【0003】とくに、所定の二位置間でクレーン動作が
自動的に行なわれる自動運転時に荷振れが残ると、吊荷
を所定位置に正確に下せなかったり、吊荷が周囲の物や
人に当ったりする等の問題が生じる。
【0004】また、吊荷を地面から吊り上げる瞬間の所
謂地切り時においても、吊荷がブーム先端の鉛直下方に
ないことにより、地切り後に同様の荷振れが生じる場合
がある。
【0005】そこで、このような荷振れを防止するため
のクレーン制御が必要となり、その前提として、鉛直線
に対する吊荷の左右の振れ角、すなわち巻上ロープの旋
回方向の振れ角を検出することが必要となる。
【0006】従来、クレーンにおいて、巻上ロープの振
れ角を検出する手段として、特開昭60−157497
号公報に示されているように、巻上ロープが通されるメ
インシーブの支持ピン(メインシーブピン)に歪ゲージ
等の荷重センサを組込み、巻上ロープの張力によってこ
のメインシーブピンに作用する剪断力を、この荷重セン
サにより、ピン軸心と直角な異なる二方向(たとえば水
平方向と垂直方向)の成分に分解して検出し、この検出
値からロープの振れ角を演算するものが公知となってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来のロープ振れ角検出手段によると、メインシーブピン
の中間部1点に作用する直角二方向の剪断荷重からロー
プの振れ角を求めるため、鉛直線に対する前後方向のロ
ープの振れ角は検出できるものの、左右方向のロープの
振れに対しては検出不能であった。
【0008】このため、このような検出手段を用いて荷
振れ防止のためのクレーン制御を行っても、左右方向の
荷振れが重要な問題となる旋回式クレーンにおいては実
効が薄いものとなっていた。
【0009】そこで本発明は、巻上ロープの旋回方向の
振れ角を検出することができる旋回式クレーンを提供す
るものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、ブー
ムの先端部に、一乃至複数枚のメインシーブと、巻上ロ
ープをこのメインシーブに向けてガイドするアイドラシ
ーブとが設けられた旋回式クレーンにおいて、上記メイ
ンシーブを回転自在に支持するメインシーブピンの両端
部を、ブーム先端部に設けられたメインシーブピン孔に
対し締まりばめ状態で嵌合させて同ピンをブーム先端部
に両側支持状態で取付け、この両側支持部分に作用する
ピン軸心と直角方向の荷重を検出する荷重センサと、ブ
ームの仰角を検出するブーム角度センサと、これら各セ
ンサの検出値から鉛直線に対する巻上ロープの旋回方向
の振れ角を演算する演算器とを具備してなるものであ
る。
【0011】請求項2の発明は、ブームの先端部に、複
数枚のメインシーブと、巻上ロープをこのメインシーブ
に向けてガイドするアイドラシーブとが設けられたクレ
ーンにおいて、上記各メインシーブのうち上記アイドラ
シーブから出た巻上ロープが最初に通されるメインシー
ブを回転自在に支持する第1メインシーブピンと、他の
メインシーブを回転自在に支持する第2メインシーブピ
ンとを互いに独立して設け、このうち第1メインシーブ
ピンは、ブーム先端部に設けられたメインシーブピン孔
に対し両端部を締まりばめ状態で嵌合させて両側支持状
態でブーム先端部に取付け、この両側支持部分に作用す
る同ピン軸心と直角方向の荷重を検出する荷重センサ
と、ブームの仰角を検出するブーム角度センサと、これ
ら各センサの検出値から鉛直線に対する巻上ロープの旋
回方向の振れ角を演算する演算器とを具備してなるもの
である。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2の構
成において、メインシーブピン孔に円筒状のスリーブを
締まりばめ状態で嵌合させ、このスリーブには内周面に
リング状の凸部を設け、請求項1のメインシーブピン、
請求項2の第1メインシーブピンの両端部をこの凸部に
接触する状態でスリーブに嵌合させて両側支持状態でブ
ーム先端部に取付けたものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の構成におい
て、請求項1のメインシーブピン、請求項2の第1メイ
ンシーブピンの両端部を、スリーブの凸部内側に締まり
ばめ状態で嵌合させたものである。
【0014】
【作用】このように、シーブピンの両側支持部分に作用
する荷重を検出することにより、ロープの旋回方向の振
れ角を検出することが可能となる。
【0015】一方、複数枚のメインシーブを備え、吊り
上げ荷重やブーム長さに応じて巻上ロープを掛け変える
クレーンにおいて、請求項2のように、ロープ掛け数に
関係なくアイドラシーブのつぎに巻上ロープが通される
第1メインシーブを他のメインシーブとは独立して第1
メインシーブピンで支持し、この第1メインシーブピン
の両側支持荷重を検出する構成とすると、ロープの掛け
変えによるピン荷重の変化の幅が従来装置の場合よりも
狭くなる。
【0016】すなわち、最大ピン荷重と最小ピン荷重の
差が小さくなり、それだけ荷重センサがカバーすべき検
出荷重範囲が狭くなるため、ロープの振れ角の検出精度
が向上する(軽量の吊り荷に対しても正確にロープの振
れ角を検出することができる。 しかも、請求項1,2
ではメインシーブピン両端部をピン孔に締まりばめ状態
で取付けたから、両側支持部分でのブーム先端部とシー
ブピンとの接触点(両側支持点)が、荷重によるメイン
シーブピン、ブームの撓み等によって軸方向に変動する
おそれがない。このため、ロープ振れ角を演算するため
一要素であるシーブピン中心から両側支持点までの距離
が、予め設定された値から大きく外れるおそれがない。
従って、ロープ振れ角を正確に検出することができる。
【0017】また、請求項3では、メインシーブピンの
両端部を、メインシーブピン孔に締まりばめで取付けた
スリーブの内周凸部に嵌め込んで取付けたから、メイン
シーブピン両側支持点がこの凸部との接触部分の範囲に
限られる。
【0018】このため、上記したシーブピン中心から両
側支持点までの距離の変動が小さく抑えられる。また、
メインシーブピンをピン孔に締まりばめで取付ける請求
項1,2の場合と比較して、同ピンの取付け、取外しが
簡単となり、同ピンやメインシーブの取替えが容易とな
る。
【0019】一方、メインシーブピンをスリーブの取付
部内側に締まりばめで取付ける請求項4の構成による
と、同ピンの着脱が面倒となる反面、両側支持点の変動
を防止することができる。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を図によって説明する。
【0021】図12に本発明の適用対象である旋回式ク
レーンの一例としてのホイールクレーンの概略構成を示
している。
【0022】同図において、1は下部走行体、2はアウ
トリガ装置、3は上部旋回体、4はブームで、このブー
ム4の先端部にアイドラシーブ5およびメインシーブ6
が設けられている。
【0023】吊荷7を巻上げる巻上ロープ8は、上部旋
回体3に搭載されたウィンチ9からガイドシーブ10を
介して引出され、アイドラシーブ5に通された後、メイ
ンシーブ6とフックシーブ11との間に掛け渡されて吊
荷7を吊持する。
【0024】なお、図では巻上ロープ8をメインシーブ
6とフックシーブ11との間に複数回掛け回す複数本掛
け方式の場合を示しているが、単索・高速吊り作業を行
なう場合には、巻上ロープ8がメインシーブ6を通って
単索用フックに止め付けられる1本掛け方式がとられ
る。
【0025】また、複数本掛け方式をとる場合、巻上ロ
ープ8の端末は、偶数本掛け方式にあってはブーム先端
部に、奇数本掛け方式にあってはフック12にそれぞれ
止め付けられる。
【0026】以下に説明する各実施例では、巻上ロープ
8の旋回方向の振れ角とともに、旋回半径方向の振れ角
およびロープ張力(吊り上げ荷重)をも検出する構成と
している。
【0027】第1実施例(図1〜図5参照) この第1実施例では、メインシーブ6が1枚だけ設けら
れた一本掛け方式をとるクレーンを例にとっている。
【0028】図2および図3において、13はこのメイ
ンシーブ6を回転自在に支持するメインシーブピンで、
このメインシーブピン13は、ピン本体14の軸方向の
両端部内方に、それぞれ第1および第2両荷重センサ1
5a,15bおよび16a,16bが設けられた所謂ピ
ン型ロードセルとして構成され(ピン型ロードセルの詳
細についてはたとえば特開昭60−55237号公報参
照)、巻上ロープ8およびメインシーブ6を介してシー
ブピン13の両端に作用するシーブピン軸心と直角な二
方向の荷重がこれら左右両側の第1および第2荷重セン
サ15a,15b,16a,16bによって検出され
る。
【0029】すなわち、第1荷重センサ15a,15b
は、ブーム軸心Aと平行なX方向の荷重を、第2荷重セ
ンサ16a,16bは、このX方向と直角でかつシーブ
ピン軸心と直角なY方向の荷重を、それぞれメインシー
ブピン13の両端で検出する。
【0030】なお、説明をわかり易くするために、アイ
ドラシーブ5はメインシーブ6と同一径で、かつ、ブー
ム軸線Aと直角方向においてメインシーブ6の真上にあ
るものとする。すなわち、X,Y平面上にてアイドラシ
ーブ5の軸心はY軸上にあるものとする。
【0031】また、ブーム先端部の側面にはブーム4の
仰角(対水平角度)θを検出するブーム角度センサ18
が設けられている。
【0032】これら左右両側の第1および第2各荷重セ
ンサ15a,15b,16a,16bとブーム角度セン
サ18とによる検出値は、上部旋回体等に設置された第
1図に示す演算器19に入力され、この演算器19で巻
上ロープ8の旋回方向および旋回半径方向の振れ角とロ
ープ張力が演算される。
【0033】ところで、従来のクレーンでは、組立の容
易性の観点から、メインシーブピン13の両端部を、ブ
ーム先端部に設けられたメインシーブ取付ボス20のメ
インシーブピン孔21にクリアランス(一般的には0.
1mm〜0.2mm程度のクリアランス)をもって遊挿
しているため、吊り荷重によるシーブピン13、ブーム
先端部の撓み等によって両側支持点(実際に荷重が作用
する点)が軸方向に変動する。
【0034】従って、この構成では、図3,5に示すメ
インシーブピン11の軸方向中心から両端支持点までの
距離b,bが、取付ボス20,20の幅内で、予め設定
された値から大きく変動し、この距離b,bに基づく旋
回方向のロープ振れ角の演算が不正確となる。
【0035】そこで、この点の対策として、このクレー
ンでは、メインシーブピン13の両端部が、メインシー
ブピン孔21,21に対し、締まりばめ(圧入または冷
しばめ)によって取付けられている。
【0036】こうすれば、メインシーブピン13の両側
支持部分において、ブーム先端部とシーブピン13とが
一体化され、同ピン13およびブーム先端部の撓み等に
よっても両者間に相対的な動きが一切生じないため、両
側支持点と同ピン中心までの距離b,bが設定値から変
動するおそれがなくなる。
【0037】次に、ロープ振れ角等の検出作用を図4,
5を用いて詳述する。
【0038】両図において、θはブーム仰角、αはロー
プ8の旋回方向振れ角、βは同旋回半径方向振れ角、R
1X,R2Xはシーブピン両端でのX方向荷重、R1Y,R2Y
は同Y方向荷重、R3はシーブピン軸(Z)方向に作用
する横荷重、aはアイドラおよびメイン両シーブ5,6
のシーブ半径、Wは吊り荷重である。
【0039】両図の状態で、荷重Wが作用している場合
におけるX,Y両方向の力の釣り合いを考えると、X方
向は、
【0040】
【数1】 R1X+R2X=W・ cosα・ sin(θ−β) Y方向は、
【0041】
【数2】 R1Y+R2Y=W・ cosα・ cos(θ−β)−W Z方向は、
【0042】
【数3】R3=W・ sinα となる。
【0043】また、ロープ8の旋回半径方向および旋回
方向の振れによって影響を受けるモーメントの釣り合い
を考えると、X軸まわりのモーメントは、
【0044】
【数4】 b・R1Y=b・R2Y+a・ sin(θ−β)・W・ sinα Y軸まわりのモーメントは、
【0045】
【数5】 b・R1X+a・ cos(θ−β)・W・ sinα=b・R2X Z軸まわりのモーメントは、 a・W=a・W となる。
【0046】ここで、αは実際問題として最大で0.0
871ラジアン(=5°)程度と小なので、 sinα=α、 cosα=1 また、 RX=R1X+R2X:X方向の合剪断力 RY=R1Y+R2Y:Y方向の合剪断力 MY=b(R1X−R2X):Y軸回りのモーメント MX=b(R1Y−R2Y):X軸回りのモーメント とおき、数1〜数5を整理すると、
【0047】
【数6】W・ sin(θ−β)=RX
【0048】
【数7】W・ cos(θ−β)−W=RY
【0049】
【数8】W・α=R3
【0050】
【数9】a・W・α・ sin(θ−β)=MX
【0051】
【数10】a・W・α cos(θ−β)=−MY となる。
【0052】そして、数6および数7から
【0053】
【数11】W=−(R2/2RY) となる。ここで、R2=RX2+RY2また、数6から
【0054】
【数12】β=θ−Sin~1(RX/W) となり、さらに、数9と数10より
【0055】
【数13】α=MX/a・RX が得られる。
【0056】このうち、R1X、R2X、R1Y、R2Yは荷重
センサ15a,15b,16a,16bによって、また
θはブーム角度センサ18によってそれぞれ検出される
ため、この検出値から、RX、RY、R、MX、MYが演算
器19での計算によって求められる。
【0057】従って、数11により吊り荷重(ロープ張
力)Wが、数11を数12に代入して旋回半径方向の振
れ角βが、数13によって旋回方向の振れ角αが、また
数11と数13を数8に代入して、ブーム4にかかる横
曲げ力R3がそれぞれ求められる。
【0058】この場合、数13のMXは、 MX=b(R1Y−R2Y) で求められ、b(メインシーブピン中心から両側支持点
までの距離)が関係するが、このbの値は、前記したよ
うに作業条件に関係なく設定値に保たれるため、旋回方
向のロープ振れ角θを正確に検出することができる。
【0059】ところで、吊荷が旋回方向に振れると、ブ
ーム4に捩りがかかってブーム4が変形するため、シー
ブピン11が水平状態から左右方向に傾く。
【0060】また、図12に示すアウトリガ装置2によ
って機体を持上げて設置する場合に、機体の水平度が正
確に出ていない場合がある。この場合には、シーブピン
13が最初から傾いていることになる。
【0061】そこで、ブーム角度センサ18とともに、
メインシーブピン13(ブーム4)の傾きを検出するセ
ンサをブーム先端部に設け、このセンサの検出値を加味
してロープ振れ角等を求めるようにしてもよい。
【0062】すなわち、ブーム先端でのブーム角度を
θ、シーブピン13のY−Z面での傾きをγとすると、
シーブピン軸を含む鉛直面内でのシーブピン11の傾き
角γ′は、 γ′=γ cosθ となり、このときのロープ8の旋回方向振れ角α′およ
び旋回半径方向振れ角β′は、
【0063】
【数14】α′=α−γ cosθ
【0064】
【数15】β′=θ−Sin~1(RX/W)(=β) となる。
【0065】なお、傾斜センサの形式によってγ′=γ
cosθを直接計測できる場合には、α′=α−γ′とし
て計算できる。
【0066】こうすることにより、ロープ8の振れ角お
よびロープ張力の検出精度を高めることができる。
【0067】第2実施例(図6および図7参照) 図6および図7図には、巻上ロープ8がメインシーブ6
とフックシーブ11との間に二往復して掛け回される4
本掛け方式をとるクレーンを示している。
【0068】なお、説明をわかり易くするために、アイ
ドラシーブ5、メインシーブ6、フックシーブ11はす
べて同一径(寸法a)とし、かつ、2枚ずつのメインシ
ーブ6およびフックシーブ11はいずれも左右対称に配
置されているものとする。また、ここでは、メインシー
ブピン11の傾きはないものとしている。
【0069】図中、Lはメインシーブ中心からフックシ
ーブ中心までの鉛直距離、cはメインシーブ6,6間距
離である。
【0070】ここで、αおよびβは小、L>>a、L>>
b、L>>cであるから、各ロープの振れ角がともにα,
βとして扱うことができる。
【0071】そして、前記した1本掛け方式の場合と同
様に、X,Y,Z方向の力の釣り合い、およびX軸、Y
軸、Z軸まわりのモーメントの釣り合いから方程式をた
て、αは小さいとして解くと、下記式が得られる。
【0072】
【数16】W={RY+√(RY2+8R2)}/8
【0073】
【数17】β=θ−Sin~1(RX/3W)
【0074】
【数18】 α=(3・MX+c・RY+2・c・W)/(a・RX)
【0075】
【数19】R3=3Wα 従って、吊り荷重4W、旋回方向振れ角α、旋回半径方
向振れ角β、ブーム4にかかる横荷重4Wα(=R3+
Wα)が、各センサ15a,15b,16a,16b,
18の検出値から演算器19で計算によって求められ
る。
【0076】第3実施例(図8および図9参照) 第3実施例においては、複数枚(図では三枚の場合を例
示している、以下この例で説明する)のメインシーブの
うち、アイドラシーブ5から出た巻上ロープ8が最初に
通される一端側のメインシーブ(以下、第1メインシー
ブという)6aと、他の二枚のメインシーブ(以下、第
2メインシーブという)6b,6bとを、同軸上におい
て互いに独立して設けた第1および第2両メインシーブ
ピン13a,13bによって別々に支持し、第1メイン
シーブピン13aを、第1および第2両荷重センサ15
a,16aおよび15b,16bを備えたピン型ロード
セルとして構成している。22はこの両メインシーブピ
ン13a,13bの一端側を支持するためにブーム先端
部に設けられた中間部メインシーブピン取付ボス、23
は同ボス22のメインシーブピン孔である。
【0077】なお、第1メインシーブピン13aは、第
1実施例のメインシーブピン13と同様に、両端部がメ
インシーブピン孔21,23に締まりばめによって嵌め
込まれ、両側支持点の軸方向の変動が防止される。
【0078】この実施例では、アイドラシーブ5とメイ
ンシーブ6a,6bをブーム軸線Aと直角な線上に配置
せずに、この直角線に対して或る角度θ1をもって配置
している。こうすれば、ブーム角度が小さくなっても
(たとえば0°)第1メインシーブピン13aに反力が
作用するため、小ブーム角度での荷重検出の感度が良い
ものとなる。
【0079】また、この構成におけるロープ振れ角およ
びロープ張力の演算方法は基本的に第1実施例の場合と
同じであるためここではその説明を省略する。
【0080】この第3実施例の構成によると、ブーム長
さや吊り上げ荷重に応じて巻上ロープ8を掛け変えるク
レーンにおいて、ロープ8の掛け変えによっても、吊り
上げ荷重の作用位置は第1メインシーブピン13aから
変動しないため、荷重センサ15a,16aおよび15
b,16bによる剪断荷重の検出にピン曲げ荷重が影響
を及ぼすおそれがなくなる。
【0081】また、ロープ8の掛け変えによるピン荷重
の変動幅が、第2実施例の構成の場合と比較して小さく
なるため、荷重センサ15a,16aおよび15b,1
6bがカバーすべき検出荷重範囲が狭くなる。このた
め、軽量の吊り荷に対しても感度の良い検出作用を確保
することができる。
【0082】上記二点により、ロープ振れ角およびロー
プ張力の検出精度が良いものとなる。
【0083】第4実施例(図10,11参照) この第4実施例では、メインシーブピン両端部が、上記
両実施例の締まりばめと異なる手段によってブーム先端
部に取付けられている。
【0084】ここでは、メインシーブ6が一枚だけ設け
られた第1実施例の構成を例にとっている。
【0085】両側メインシーブピン孔21,21に、鋼
等の高硬度の材料からなる鍔付き円筒状のスリーブ2
4,24が締まりばめによって取付けられ、このスリー
ブ24,24にメインシーブピン13の両端部が嵌め込
まれている。
【0086】スリーブ24,24の内径寸法は、メイン
シーブピン13の径寸法よりも十分大きく設定され、そ
の軸方向中央部の内周面にリング状の凸部24aが設け
られている。
【0087】この凸部24aの内側寸法Dは、メインシ
ーブピン13が僅かなクリアランスをもって嵌め込まれ
るような寸法に設定され、メインシーブピン13の両端
部がこの凸部24aのみでスリーブ24,24と接触す
る状態で取付けられている。
【0088】従って、この構成によると、メインシーブ
ピン13の両側支持点は、凸部24a,24aとの接触
部分のみに存在し、この両側支持点の変動範囲が接触部
分に限られるため、この凸部24aの軸方向寸法を必要
最小限に小さくしておくことにより、両側支持点とピン
中心との距離bの変動による旋回方向のロープ振れ角の
検出誤差も殆ど無視できる程度まで小さくすることがで
きる。
【0089】ここで、公称平均面圧をPmとし、凸部2
4aの軸方向寸法をB、メインシーブピン13の径寸法
をdとした場合、 Pm=R/(d×B)となる。なお、R=√(Rx2
Ry2)である。
【0090】いま、たとえばR=4000Kgf、d=8
0mm、Pm=40Kgf/mm2とすると、 B=R/(d×Pm) から、B=4000/(80×40)=1.25mm となる。
【0091】また、b=25mmとすると、B/b=
0.05となり、誤差を5%程度に抑えることができ
る。なお、面圧を高くとることによってこの誤差をさら
に小さくすることができる。
【0092】また、この構成によると、メインシーブピ
ン13の取付け、取外しが簡単となり、同ピン13やメ
インシーブ6の取替えが容易となる。
【0093】その他の実施例 (1)上記第4実施例で示したスリーブ24を用いる構
成は、第2および第3実施例で示したメインシーブが複
数枚ある場合のシーブピン支持構造に対しても適用する
ことができる。
【0094】また、第4実施例の変形例として、メイン
シーブピン13又は13aの両端部をスリーブ24の凸
部24aの内側に締まりばめで嵌め込んでもよい。
【0095】こうすれば、メインシーブピン13,13
aの着脱が面倒となる反面、両側支持点の変動を防止す
ることができる。
【0096】(2)上記各実施例では、ブーム仰角を検
出するブーム角度センサ18をブーム先端部に設けた
が、このブーム仰角をブーム基部に設けたブーム角度セ
ンサで検出するようにしてもよい。
【0097】ただし、上記実施例によると、直接、ブー
ム先端部でのブーム仰角を検出するため、ブーム4の撓
みを考慮する必要がなくなる分、検出精度が良いものと
なる。
【0098】(3)上記各実施例では、荷重センサとし
てピン型ロードセルを用いたが、同様の検出機能を有す
る他の荷重センサを用いてもよい。
【0099】たとえば、ピン型ロードセルとして米国特
許第3695096号に示されたものを使用することが
できる。また、他の例として、光学式6軸力センサを用
いることができる。この場合には、センサ外輪がブーム
に固定、内輪がメインシーブピンに挿入され、メインシ
ーブピンにかかった力がラジアル、スラストともにメイ
ンシーブピンを介してセンサ内輪に伝達され、検出され
る。
【0100】
【発明の効果】上記のように請求項1の発明によるとき
は、巻上ロープおよびメインシーブを介して荷重を支持
するメインシーブピンの両側支持点に作用するシーブピ
ン軸心と直角方向の荷重を荷重センサによって検出し、
この検出値とブーム角度センサによって検出したブーム
仰角とに基づいて、演算器によってロープ振れ角を演算
する構成としたから、ロープの旋回方向の振れ角を検出
することができる。
【0101】このため、旋回式クレーンにおいて、この
検出されたロープの振れ角に基づいて旋回方向の振れ止
め制御を行なうことが可能となる。
【0102】一方、請求項2の発明によると、吊り上げ
荷重やブーム長さに応じて巻上ロープを複数枚のメイン
シーブ間で掛け変えるクレーンにおいて、ロープ掛け数
に関係なくアイドラシーブのつぎに巻上ロープが通され
る第1メインシーブを他のメインシーブとは独立して第
1メインシーブピンで支持し、この第1メインシーブピ
ンの両側支持荷重を検出する構成としたから、ロープの
掛け変えによっても、吊り上げ荷重の作用位置が第1メ
インシーブピンから変動しない。このため、荷重センサ
による剪断荷重の検出にピン曲げ荷重が影響を及ぼすお
それがなくなる。
【0103】加えて、ロープの掛け変えによるピン荷重
の変化の幅が狭くなる。すなわち、最大ピン荷重と最小
ピン荷重の差が小さくなり、それだけ荷重センサがカバ
ーすべき検出荷重範囲が狭くなるため、ロープの振れ角
の検出精度が向上する(軽量の吊り荷に対しても正確に
ロープの振れ角を検出することができる。
【0104】この二点により、ロープ振れ角の検出精度
が良いものとなる。
【0105】しかも、請求項1,2の発明においては、
メインシーブピン両端部をピン孔に締まりばめ状態で取
付けたから、両側支持部分でのブーム先端部とシーブピ
ンとの接触点(両側支持点)が、荷重によるメインシー
ブピン、ブームの撓み等によって軸方向に変動するおそ
れがない。このため、ロープ振れ角を演算するため一要
素であるシーブピン中心から両側支持点までの距離が、
予め設定された値から大きく外れるおそれがない。従っ
て、ロープ振れ角を正確に検出することができる。
【0106】また、請求項3の発明においては、メイン
シーブピンの両端部を、メインシーブピン孔に締まりば
め状態で取付けたスリーブの内周凸部に嵌め込んで取付
けたから、メインシーブピン両側支持点がこの凸部との
接触部分の範囲に限られる。
【0107】このため、上記したシーブピン中心から両
側支持点までの距離の変動が小さく抑えられる。また、
メインシーブピンをピン孔に締まりばめで取付ける請求
項1,2の発明と比較して、同ピンの取付け、取外しが
簡単となり、同ピンやメインシーブの取替えが容易とな
る。
【0108】一方、メインシーブピンをスリーブの凸部
内側に締まりばめ状態で取付ける請求項4の発明による
と、同ピンの着脱が面倒となる反面、両側支持点の変動
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる旋回式クレーンに
おけるロープの振れ角およびロープ張力の検出装置のブ
ロック構成図である。
【図2】同装置を構成するセンサが設けられたブーム先
端部の側面図である。
【図3】図2のイ−イ線拡大断面図である。
【図4】同装置によるロープの振れ角検出作用を説明す
るための側面図である。
【図5】同正面図である。
【図6】本発明の第2実施例におけるロープ振れ角およ
びロープ張力の検出作用を説明するための側面図であ
る。
【図7】同正面図である。
【図8】本発明の第3実施例を示すブーム先端部の側面
図である。
【図9】図8のローロ線拡大断面図である。
【図10】本発明の第4実施例を示す図3相当図であ
る。
【図11】図10のハ−ハ線拡大断面図である。
【図12】本発明の対象である旋回式クレーンの一例と
してのホイールクレーンの一般的構成を示す概略側面図
である。
【符号の説明】
4 ブーム 6 ブームメインシーブ 6a,6b ブームメインシーブ 8 巻上ロープ 13 メインシーブピン 13a,13b メインシーブピン 15a,15b,16a,16b メインシーブピンの
両側支持荷重を検出する荷重センサ 18 ブーム角度センサ 19 演算器 21,23 メインシーブピン孔 24 スリーブ 24a スリーブ内面の凸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブームの先端部に、一乃至複数枚のメイ
    ンシーブと、巻上ロープをこのメインシーブに向けてガ
    イドするアイドラシーブとが設けられた旋回式クレーン
    において、上記メインシーブを回転自在に支持するメイ
    ンシーブピンの両端部を、ブーム先端部に設けられたメ
    インシーブピン孔に対し締まりばめ状態で嵌合させて同
    ピンをブーム先端部に両側支持状態で取付け、この両側
    支持部分に作用するピン軸心と直角方向の荷重を検出す
    る荷重センサと、ブームの仰角を検出するブーム角度セ
    ンサと、これら各センサの検出値から鉛直線に対する巻
    上ロープの旋回方向の振れ角を演算する演算器とを具備
    してなることを特徴とする旋回式クレーン。
  2. 【請求項2】 ブームの先端部に、複数枚のメインシー
    ブと、巻上ロープをこのメインシーブに向けてガイドす
    るアイドラシーブとが設けられたクレーンにおいて、上
    記各メインシーブのうち上記アイドラシーブから出た巻
    上ロープが最初に通されるメインシーブを回転自在に支
    持する第1メインシーブピンと、他のメインシーブを回
    転自在に支持する第2メインシーブピンとを互いに独立
    して設け、このうち第1メインシーブピンは、ブーム先
    端部に設けられたメインシーブピン孔に対し両端部を締
    まりばめ状態で嵌合させて両側支持状態でブーム先端部
    に取付け、この両側支持部分に作用する同ピン軸心と直
    角方向の荷重を検出する荷重センサと、ブームの仰角を
    検出するブーム角度センサと、これら各センサの検出値
    から鉛直線に対する巻上ロープの旋回方向の振れ角を演
    算する演算器とを具備してなることを特徴とする旋回式
    クレーン。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の旋回式クレーン
    において、メインシーブピン孔に円筒状のスリーブを締
    まりばめ状態で嵌合させ、このスリーブには内周面にリ
    ング状の凸部を設け、請求項1のメインシーブピン、請
    求項2の第1メインシーブピンの両端部をこの凸部に接
    触する状態でスリーブに嵌合させて両側支持状態でブー
    ム先端部に取付けたことを特徴とする旋回式クレーン。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の旋回式クレーンにおい
    て、請求項1のメインシーブピン、請求項2の第1メイ
    ンシーブピンの両端部を、スリーブの凸部内側に締まり
    ばめ状態で嵌合させたことを特徴とする旋回式クレー
    ン。
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