JPH0524523A - ブレーキ制御装置 - Google Patents

ブレーキ制御装置

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JPH0524523A JP18270391A JP18270391A JPH0524523A JP H0524523 A JPH0524523 A JP H0524523A JP 18270391 A JP18270391 A JP 18270391A JP 18270391 A JP18270391 A JP 18270391A JP H0524523 A JPH0524523 A JP H0524523A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ブレーキング中における前後輪の接地荷重のバ
ランスを適切に制御する。 【構成】後輪に設けられたエンコーダ22によって車輪
角速度を検出してコントロールユニット24に導入す
る。コントロールユニット24において車輪角加速度を
演算し、予め設定された車輪角加速度内にある場合、ま
たは下限加速度以下の場合には、後輪の接地荷重が低下
していると判断し、モータコントロール部18を介して
直流モータ16に電流を付勢する。前記直流モータ16
の軸の回転駆動により、通常制動時において上死点に保
持されていたカムベアリング50により弁開時であった
カットバルブ56が弁閉時の状態となり、マスタシリン
ダ32より発生したブレーキ油圧をキャリパシリンダ3
4への伝達を阻止若しくは減少させることが可能となり
後輪の接地荷重の低下を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブレーキ制御装置に関
し、一層詳細には、二輪車の後輪の車輪速度の変化より
後輪の接地荷重の低下を検出し、前輪ブレーキの制動力
を制御するブレーキ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、二輪車のブレーキ制御装置で
は、ディスクブレーキ装置を前後輪の両方に付設し、夫
々別系統の入力によりブレーキされるか、あるいは1系
統の入力により前後が連動される場合には、前輪、後輪
のキャリパ圧力を分圧して前記前輪および後輪を制御し
ている。また、ブレーキング時において車輪のロック状
態を回避する、所謂アンチロックブレーキ装置を付設し
た二輪車においては、前後輪の車輪速度をエンコーダ等
を介して検知し、これらを夫々独立に制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の従来
技術においては、ブレーキングした際の前後ブレーキの
入力が別系統(独立)であり、また、前後が連動される
場合も前後のキャリパ圧力の分圧比が予め固定されてお
り、このため、ブレーキングの程度によっては、後輪の
接地荷重が低下し、路面からのフィードバック情報をラ
イダーが受け取り難くなる場合があり、これにより制動
フィーリングが劣化する可能性がある。
【0004】本発明は、前記の不都合を克服するために
なされたものであって、二輪車において前輪をブレーキ
ングした際に、後輪の接地荷重を特に低下させることな
く、制動力を制御することのできるブレーキ制御装置を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めに、本発明は、自動二輪車のブレーキ制御装置におい
て、後輪の回転速度を検出する検出手段と、前記回転速
度から後輪の減速度を算出する算出手段と、少なくとも
前輪のブレーキ操作中において、前記減速度が第1の設
定値よりも大である場合、または、前記減速度が前記第
1設定値より小である第2の設定値よりも小である場
合、後輪の接地荷重が所定値以下と判断する判断手段
と、前記所定値以下との判断に基づき前輪ブレーキの制
動力を減衰制御する制御手段と、を備えることを特徴と
する。
【0006】
【作用】上記の本発明に係るブレーキ制御装置では、二
輪車の走行中に前輪のブレーキ装置を駆動させた際、車
輪の回転速度を検出し、前記回転速度から車輪の減速度
を演算し、この演算された減速度が予め設定された第1
および第2設定値間にない場合、後輪の接地荷重が低下
していると判断し、前輪の制動力を減少させる。
【0007】
【実施例】次に、本発明に係るブレーキ制御装置につい
て好適な実施例を挙げ、添付の図面を参照しながら以下
詳細に説明する。
【0008】図1は、本発明に係るブレーキ制御装置を
搭載した自動二輪車Xの全体側面図であり、図2は、該
ブレーキ制御装置の構成図である。ブレーキ制御装置1
0は、フロントフォーク12の上部に設けられた本体部
14と、前記本体部14に結合された直流モータ16を
駆動制御するためのモータコントロール部18に電気的
に接続され、本体部14を制御するコントロールユニッ
ト24とから構成されている。この場合、コントロール
ユニット24は、後輪Wrに設けられたエンコーダ22
(検出手段)を介して車輪角速度ωを検出し、前記車輪
角速度ωのパルス信号から車輪角加速度dω/dt(以
下、dω/dt=αとする)を演算して前記モータコン
トロール部18に信号を導出する。ここで、コントロー
ルユニット24は、図3に示すように、角速度算出部2
3および算出手段として機能する角加速度算出部25
と、判断手段として機能する判断部27を有する。エン
コーダ22から検知された信号は、角速度算出部23に
導入されて車輪角速度ωが演算され、前記車輪角速度ω
から角加速度算出部25で車輪角加速度αが算出され
る。判断部27は、該車輪角加速度αが設定値内にある
かどうかを判断し、その判断結果をモータコントロール
部18に導出する。
【0009】前輪ブレーキ装置は、ハンドル28に設け
られたブレーキレバー30によって駆動されるマスタシ
リンダ32と前輪Wfを制動するキャリパシリンダ34
を備え、マスタシリンダ32とキャリパシリンダ34は
フロントフォーク12の上部に装着した本体部14を介
して相互に接続されている。このマスタシリンダ32
は、ブレーキレバー30の作用下に油圧の調節を行い、
後述するカットバルブ56に伝達するものであり、一
方、キャリパシリンダ34は、前記カットバルブ56に
よって制御された油圧に基づいてディスクプレート20
を制動する作用をなすものである。
【0010】ブレーキ制御装置10は、詳細には、図2
に示すように、駆動源としての直流モータ16を有し、
前記直流モータ16の駆動軸にはピニオン36が連結さ
れ、前記ピニオン36に噛合してギヤ38が設けられて
いる。前記ギヤ38の中心には、クランク軸40が固定
されており、このクランク軸40にはクランク腕42を
介してクランクピン44の一端部が連結される。なお、
クランクピン44の他端部には、クランク腕46が連結
され、このクランク腕46にクランクピン44の偏位角
度を検出するポテンショメータ48が連結される。前記
クランクピン44の外周には、カムベアリング50が回
転自在に装着される。該カムベアリング50はリターン
スプリング52を介して上方向に押圧されている。前記
カムベアリング50の上面には、該カムベアリング50
の偏位作用の下に上下に変位するエキスパンダピストン
54が当接し、前記エキスパンダピストン54の上下運
動の作用下にカットバルブ56が弁開閉を行う。カット
バルブ56は、カットバルブ収納部58に上下変位自在
に配置されている。該カットバルブ56の上面には、マ
スタシリンダ32に連通する入力ポート60が設けられ
ており、また、カットバルブ収納部58とエキスパンダ
ピストン54の連設部位には、キャリパシリンダ34に
連通する出力ポート62が設けられている。前記入力ポ
ート60と出力ポート62は、カットバルブ56の外周
面に画成された連通孔64によって連通している。
【0011】本発明に係るブレーキ制御装置10は、基
本的に以上のように構成されるものであり、次にその動
作を説明する。
【0012】通常制動時には、リターンスプリング52
の弾発力によってカムベアリング50が上死点に保持さ
れ、エキスパンダピストン54を押し上げた状態を形成
している。これにより、カットバルブ56がエキスパン
ダピストン54を介して押し上げられて強制的に開弁す
る。ブレーキレバー30を把持することによりマスタシ
リンダ32において発生したブレーキ油圧は、通路66
を介して入力ポート60、連通孔64、出力ポート6
2、通路68を通じてキャリパシリンダ34に伝達され
る。
【0013】そこで、自動二輪車Xが所望の車輪角速度
ωで走行中に、前輪Wfのブレーキングを行い、車輪角
速度ωが減速することにより低下する後輪Wrの接地荷
重を検知する場合について図4に示すフローチャートに
沿って説明する。
【0014】先ず、後輪Wrの接地荷重が低下し、路面
からのフィードバック情報が受け取り難くなる限界接地
過重(以下、WLiM という)となるためには、自動二輪
車Xの車体速度がある設定値以上で減速されていること
が必要であり、これを前輪Wfの角加速度α(以下、前
輪角加速度αf という)と設定値αL/V とを比較して検
出する(ステップS1)。なお、前輪角加速度αf は、
前記減速により負の値となるため−αf とし、前記設定
値αL/V を正の値とする。設定値αL/V は、車体のディ
メンションおよびテストデータから予め設定される後輪
Wrの接地荷重がWLiM となる時の値である。この場
合、前記前輪角加速度αf は、後輪Wrに設けられたエ
ンコーダ22から検知された信号が角速度算出部23を
介して角加速度算出部25に導入され、前記角加速度算
出部25で演算される。そこで、判断部27は、前記角
加速度算出部25から出力された前輪角加速度−αf
設定値αL/V より大きいか否かを判断する。
【0015】ここで、自動二輪車Xの車体速度を減速さ
せる場合として、図5に示すように、時刻t1 において
前輪Wfのブレーキ装置のみを駆動させる場合(ステッ
プS2乃至S4参照)と、図6に示すように、時刻t1
において前輪Wfおよび後輪Wrのブレーキ装置を同時
に駆動させる場合(ステップS6、S7参照)とがあ
る。
【0016】前者の場合、図5の車輪角速度曲線A1に
示すように、時刻t1 から所定時間経過後の時刻t2
おいて、後輪Wrの車輪角速度ωは略一定値となる。こ
のことを後輪Wrの車輪角加速度曲線A2に対応させる
と、前記車輪角速度曲線A1が略一定値を保持して継続
する時、後輪Wrの車輪角加速度α(以下後輪車輪角加
速度αr という)を表す車輪角加速度曲線A2は、予め
0に近く設定された車輪角加速度α0 (α0 >0)と車
輪角加速度−α0 の範囲内にあり、この状態が予め設定
された時間TL/V を超過した場合(ステップS2、S
4)、後輪Wrの接地荷重が低下していると判断するこ
とができる(ステップS3、S7)。何故なら、後輪W
rの接地荷重が低下し、フリーに近い状態で回転するた
め車輪角速度曲線A1は減少することなく略一定値とな
り、それに対応する車輪角加速度曲線A2も0に近い値
を示すからである。
【0017】一方、後者の場合、図6の車輪角速度曲線
B1に示すように、時刻t1 から所定時間経過後の時刻
2 において、急速に後輪Wrの車輪角速度ωが減少す
る。この後輪Wrの車輪角速度ωの減少に対応して、後
輪車輪角加速度αr が予め設定された下限車輪角加速度
αmin 以下の場合には、後輪Wrの接地荷重が低下して
いると判断することができる(ステップS6)。けだ
し、後輪Wrの接地荷重が低下すると、前記後輪Wrが
ブレーキ装置の作用により急速に停止し、後輪Wrの車
輪角加速度αr は、大きな負の値をとるからである。
【0018】図7は、コントロールユニット24におけ
る判断部27の論理を説明するものである。図7におい
て、後輪Wrの車輪角加速度αr が0に近い許容範囲±
α0 内にあるとされる場合(ステップS3)、または、
一定の下限車輪角加速度αmi n 以下にある場合(ステッ
プS6)は、後輪Wrの接地荷重が低下していると判断
する(ステップS7)。
【0019】コントロールユニット24で後輪Wrの接
地荷重が低下していると判断された場合、コントロール
ユニット24は、モータコントロール部18を介して、
直流モータ16を付勢、滅勢する制御を行う。直流モー
タ16を付勢した場合、直流モータ16の回転軸(図示
せず)が回転駆動し、同軸に連結されたピニオン36が
回転する。前記ピニオン36の回転に伴って、ピニオン
36と噛合するギヤ38および該ギヤ38に固着された
クランク軸40、クランク腕42を介してクランクピン
44が回転する。このクランクピン44の回転作用は、
カムベアリング50を上死点から移動させ、エキスパン
ダピストン54を下降させる。これによりカットバルブ
56が閉弁して前輪Wfのキャリパシリンダ34に伝達
されるブレーキ油圧の供給が停止される。この状態より
さらにエキスパンダピストン54が下降すると、キャリ
パシリンダ34に対するブレーキ油圧の伝達が減少して
前輪Wfの車輪角速度ωが上昇し、この結果、後輪Wr
の接地荷重の低下が回避されることになる。
【0020】図8は、本発明に係るブレーキ制御装置1
0における判断部27の他の論理の説明図である。この
場合、本体部14の作動中において、後輪Wrの車輪角
加速度αr が下限車輪角加速度αmin 以下であるか、ま
たは前記後輪車輪角加速度α r の絶対値が許容範囲α0
内にあるかどうかを判定して後輪Wrの接地荷重が低下
しているか否かを判断することができる。また、前記判
断は、本体部14の作動中の代わりに前輪Wfのブレー
キ装置の操作中に行ってもよい。さらに、本実施例にお
いては、前輪Wfにブレーキ制御装置10を付設して説
明しているが、後輪Wr若しくはその両者に付設しても
よいことは勿論である。
【0021】また、車輪角加速度αを演算する角速度算
出部23および角加速度算出部25に代えて、加速度セ
ンサ等により直接後輪Wrの減速度を測定する装置を付
設し、この出力に基づいて後輪Wrの接地荷重を検出す
ることも可能である。さらに、キャリパシリンダ34に
供給されるブレーキ油の液圧を圧力センサ等で測定し
て、ある一定の液圧以上において後輪Wrの接地荷重を
検出することもできる。
【0022】本実施例では、後輪Wrにセンサを設け、
前輪Wf側ブレーキを制御する手段を具備したものにつ
いて説明を行ったが、前後輪にセンサ、ブレーキ制御手
段の両方を備えた形式や他の形式でも同様の制御を行う
ことが可能である。
【0023】
【発明の効果】本発明に係るブレーキ制御装置によれ
ば、以下の効果が得られる。
【0024】すなわち、後輪の接地荷重の低下を後輪の
車輪の減速度より判断することが可能となる。前記判断
結果に基づいて前輪ブレーキの制動力を減衰制御するこ
とにより、後輪の接地荷重のさらなる低下を好適に回避
することができる。これにより、常に好適な前後輪の接
地状態を得ることができ、常に良好なフィーリングでブ
レーキングすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るブレーキ制御装置を搭載した自動
二輪車の全体側面図である。
【図2】本発明に係るブレーキ制御装置の構成図であ
る。
【図3】本発明に係るブレーキ制御装置におけるコント
ロールユニットの構成図である。
【図4】本発明に係るブレーキ制御装置の動作を示すフ
ローチャートである。
【図5】車輪角速度と車輪角加速度との関係を示す説明
図である。
【図6】車輪角速度と車輪角加速度との関係を示す説明
図である。
【図7】本発明に係るブレーキ制御装置の動作説明図で
ある。
【図8】本発明に係るブレーキ制御装置の動作説明図で
ある。
【符号の説明】
10…ブレーキ制御装置 14…本体部 16…直流モータ 18…モータコントロール部 22…エンコーダ 24…コントロールユニット 32…マスタシリンダ 34…キャリパシリンダ 44…クランクピン 54…エキスパンダシリンダ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自動二輪車のブレーキ制御装置において、 後輪の回転速度を検出する検出手段と、 前記回転速度から後輪の減速度を算出する算出手段と、 少なくとも前輪のブレーキ操作中において、前記減速度
    が第1の設定値よりも大である場合、または、前記減速
    度が前記第1設定値より小である第2の設定値よりも小
    である場合、後輪の接地荷重が所定値以下と判断する判
    断手段と、 前記所定値以下との判断に基づき前輪ブレーキの制動力
    を減衰制御する制御手段と、 を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 【請求項2】自動二輪車のブレーキ制御装置において、 前輪のブレーキ操作による前輪のロック状態を回避すべ
    く前輪ブレーキの制動力を制御する制御手段と、 後輪の回転速度を検出する検出手段と、 前記回転速度から後輪の減速度を算出する算出手段と、 前記制御手段の作動中において、前記減速度が第1の設
    定値よりも大である場合、または、前記減速度が前記第
    1設定値より小である第2の設定値よりも小である場
    合、後輪の接地荷重が所定値以下と判断する判断手段
    と、 を備え、後輪の接地荷重が前記所定値以下の場合に前記
    制御手段が前輪ブレーキの制動力を減衰制御することを
    特徴とするブレーキ制御装置。
  3. 【請求項3】自動二輪車のブレーキ制御装置において、 後輪の回転速度を検出する検出手段と、 前記回転速度から後輪の減速度を算出する算出手段と、 少なくとも前輪のブレーキ操作中において、前記減速度
    が第1の設定値よりも大となる状態が一定時間以上継続
    した場合、または、前記減速度が前記第1設定値より小
    である第2の設定値よりも小となる状態が一定時間以上
    継続した場合、後輪の接地荷重が所定値以下と判断する
    判断手段と、 前記所定値以下との判断に基づき、前輪ブレーキの制動
    力を減衰制御する制御手段と、 を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の装置に
    おいて、検出手段および算出手段に代えて、減速度を検
    出する減速度検出手段を備えることを特徴とするブレー
    キ制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の装置に
    おいて、前輪ブレーキのキャリパ液圧を検出する液圧検
    出手段を備え、 判断手段は、前記キャリパ液圧が所定の液圧設定値より
    も大である場合、後輪の接地荷重が所定値以下と判断す
    ることを特徴とするブレーキ制御装置。
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