JPH0524477B2 - - Google Patents

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JPH0524477B2
JPH0524477B2 JP59168658A JP16865884A JPH0524477B2 JP H0524477 B2 JPH0524477 B2 JP H0524477B2 JP 59168658 A JP59168658 A JP 59168658A JP 16865884 A JP16865884 A JP 16865884A JP H0524477 B2 JPH0524477 B2 JP H0524477B2
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control rod
reactor
core
neutron
pellet
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Shusaku Sawada
Kunikazu Kaneto
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Hitachi Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Thermistors And Varistors (AREA)
  • Gripping On Spindles (AREA)
  • Inorganic Insulating Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、制御棒要素、特に高速増殖炉の制御
棒要素に関するものである。
〔発明の背景〕
第1図は電気出力100万KWの高速増殖炉の炉
心の水平断面、第2図はその垂直断面、第3図は
高速増殖炉の垂直断面を示している。高速増殖炉
の炉心は、一般に柱状に形成され、刻分裂性物質
が存在する内側炉心領域1、その外側に設けられ
ている内側炉心領域1より刻分裂性物質が高密度
に存在する外側炉心領域2、これらの内側及び外
側炉心領域1,2の外側を取り囲んで設けられて
いる主として燃料親物質からなる径方向ブランケ
ツト領域3及び軸方向ブランケツト領域4から構
成されている。また、炉心の外側には炉心から漏
れ出てくる中性子から炉内構造物を守るために中
性子遮蔽体領域5が配置されている。さらに、内
側炉心領域1及び外側炉心領域2には制御棒集合
体(主系統制御棒集合体)6及び制御棒集合体
(後備系統制御棒集合体)7が分散配置されてい
る。そして、原子炉容器8内の炉心構成する燃料
集合体9内に設けられている案内管10,11に
接続する上部案内管12,13を介して遮蔽プラ
グ14に設けられている制御棒駆動機構15,1
6によつてエクステンシヨンロツド17,18に
係止されている制御棒集合体6,7により制御が
行なわれる。
内側炉心領域1及び外側炉心領域2は第4図に
示すような炉心燃料集合体9aから構成される。
炉心燃料集合体9aは、それ自体を炉内に装荷あ
るいは炉内より取り出す際に用いられるハンドリ
ングヘツド19、ラツパ管20、中性子の上部へ
の漏洩を低減させるため設けられている上部中性
子遮蔽体21、同じく下部に設けられている下部
中性子遮蔽体22、内部に核分裂性物質及び燃料
親物質を含む複数の棒状の燃料要素23、炉心燃
料集合体9aを保持し、かつ冷却材であるナトリ
ウムを炉心燃料集合体9a内部に導入するための
流入口24を有するエントランスノズル25、炉
心燃料集合体9a間の間隙を保つためのスペーサ
パツド26から構成されている。
燃料要素23は第5図に示すように、核分裂性
物質を含む複数のペレツト27、これらのペレツ
ト27をはさむようにこれらのペレツト27の上
部及び下部に配置された燃料親物質からなるペレ
ツト28、これらのペレツト27及び28を内包
する被覆管29、ペレツトの移動を防ぐための押
え金具30、押えバネ31、バネ押え金具32、
ガス状核分裂性物質をためるための上部ガスプレ
ナム33、下部ガスプレナム34、プレナムを形
成するためのプレナムスリーブ35、上下の端栓
36及び37、中間の端栓38、及び燃料要素2
3間の間隙を保つためのワイヤスペーサ39から
構成されており、ペレツト27によつて内側炉心
領域1及び外側炉心領域2が形成され、ペレツト
28によつて軸方向ブランケツト領域4が形成さ
れる。径方向ブランケツト領域3も第4図に示し
た炉心燃料集合体9aとほぼ同様な構造のブラン
ケツト燃料集合体から形成される。ブランケツト
燃料集合体と炉心燃料集合体との主なる相違は、
第5図に示した燃料要素の径がブランケツト燃料
集合体の方が炉心燃料集合体よりも一般的に大き
く、燃料要素内のプレツトがブランケツト燃料集
合体ではすべて燃料親物質で形成されている点で
ある。
次に、制御棒集合体6,7は、第6図a及びそ
のA−A断面図を示す第6図bに示すように、そ
れ自信を炉内に装荷あるいは炉内より取り出す際
に用いられるハンドリングヘツド40、中性子吸
収物質を内包する制御棒41、制御棒41が落下
した際に制御棒41の先端のダツシユラム42で
ともに衝撃を和らげるためのダツシユポツト4
3、制御棒集合体6,7を保持し、かつ制御棒4
1を冷却するための冷却材流入口44を有するエ
ントランスノズル45、隣接する炉心燃料集合体
との間隙を保持するためのスペーサパツド46、
制御棒41の移動路を形成する案内管47が設け
られており、また、制御棒41の上端にはハンド
リングロツド48、さらにそのハンドリングロツ
ド48の上端にはハンドリングヘツド49が設け
られており、このハンドリングヘツド49は第3
図に示した制御棒駆動機構15,16の下部にあ
るエクステンシヨンロツド17,18の下端に取
り付けられているグリツパによりつかむようにな
つており、制御棒駆動機構15,16の駆動によ
つて、制御棒集合体6,7が炉心内に挿入されあ
るいは炉心から引き抜かれる。
そして、制御棒集合体6,7は、中性子吸収物
質をその内部に含む複数の棒状の制御棒要素50
がクラスター状に配置され、またその制御棒要素
50を上端及び下端で固定するための上部タイプ
レート51、下部タイプレート52、冷却材流入
口53が設けられており制御棒要素50を保護す
るための保護管54が設けられている。
制御棒は、一般に原子炉の反応度制御、出力分
布制御ならびに原子炉スクラムの機能を持つ。ま
た炉内に配置された複数の制御棒は、原子炉スク
ラム機能を高めるために複数の系統に分離される
のが一般的である。第1図の例では、制御棒は主
系統制御棒集合体6および後備系統制御棒集合体
7の2系統に分離されており、主系統制御棒集合
体6は原子炉の反応度制御、出力分布制御、原子
炉スクラムの3機能を持ち、一方後備系統制御棒
集合体7は原子炉スクラム機能のみを持つ。
したがつて、原子炉の定格運転中には、第3図
に示すように主系統制御棒集合体6は炉内に挿入
されており、後備系統制御棒集合体7は炉外に引
き抜かれている。その後備系統制御棒集合体7の
引き抜き位置は、通常、後備系統制御棒集合体7
内の中性子吸収物質下端が内側及び外側炉心領域
1,2の上端とほぼ一致する位置である。
主系統制御棒集合体6ならびに後備系統制御棒
集合体7の構造は、基本的にほほ同じであり、既
に示した第6図の如き構造である。すなわち、制
御棒の保護管54の内部の構造は第6図bに示す
ように、保護管54内部には中性子吸収物質を内
包する複数の棒状の制御棒要素50がクラスター
状に配置されている。制御棒要素50は第7図に
示すように、一般的にはペレツト状の中性子吸収
物質55とそれらを内包する被覆管56、左記被
覆管56の上端、下端を閉じる上部端栓57、下
部端栓58から構成されている。中性子吸収物質
55には、一般に炭化硼素(B4C)が使用され
る。天然硼素には硼素−10(10B)が18.7%、硼素
−11(11B)が81.3%含まれており、この10Bが大
きな中性子吸収断面積を持ち、中性子吸収物質と
して作用する。この10Bは中性子を吸収すると、
下記のような原子核反応を経て、アルフア粒子
(ヘリウム原子核)とリチウム−7(7Li)に分解
される。
10B+n→4He+7Li この原子核反応は、10B(n、α)7Liと略記され
る。生成された(7Li)と一部のヘリウム−4
4He)はB4Cペレツト内に保持される。しかし、
一部の4HeはB4Cペレツト外に放出される。この
4Heの放出による制御棒要素50内のガス圧力を
調節するために、制御棒要素50内にはヘリウム
ガスをためるガスプレナム59が設けられてい
る。そして、制御棒要素50内には、その他に
B4Cペレツトの移動を防止するためのペレツト押
え金具60、押えバネ61、バネ押え金具62、
プレナムスリーブ63が設けられており、この他
被覆管56の外面には吸収要素間の間隙を保持す
るために、ワイヤスペーサ64が巻かれている。
なお、10B(n、α)7Li反応により、1反応当り約
2.7MeVのエネルギーが発生するので、制御棒要
素50は冷却されねばならない。そのため、第6
図に示した制御棒集合体6,7のエントランスノ
ズル45の冷却材流入口44から流入した冷却材
であるナトリウムは、制御棒41下端の冷却材流
入口53より制御棒41に流入し、制御棒要素5
0を冷却し、制御棒41上端より流出するように
なつている。
さて、次に制御棒要素50の寿命を決定する因
子について以下に説明する。寿命決定因子には核
的因子と機械的因子の2種がある。前者は10B
(n、α)7Li反応による10Bの減少に伴なう中性子
吸収能力の低下によるものである。一方、後者は
ヘリウム生成に伴なう制御棒要素50内部のガス
圧力の増加による被覆管56のクリープ疲労、お
よびB4Cよりなるペレツト状の中性子吸収物質5
5の膨張によるこの中性子吸収物質55と被覆管
56との機械的相互作用による被覆管56のクリ
ープ疲労によるものである。
制御棒要素50内のガス圧力を低下させ、制御
棒要素50の機械的寿命を延長させる方法とし
て、第7図に示したガスプレナム59を十分大き
くとるという方法が考えられるが、これは制御棒
要素50の全長を長くし、その結果、制御棒集合
体6,7ひいては燃料集合体9の長さを長くし、
最終的には原子炉容器8(第3図参照)の高さを
大きくすることになる。そこで、最近ではガスベ
ント機構付きの制御要素が使用されるようになつ
てきた。これは、吸収体要素内部で発生したヘリ
ウムガスを冷却材中に放出し、制御棒要素内ガス
圧力を寿命中一定に保つようにしたものである。
第8図はガスベント機構付きの制御棒要素の構造
例を示したもので、この例では制御棒要素の上部
にガスベント機構を設けたものである。このガス
ベント機構は、ヘリウムガスが透過できる多孔質
金属プラグ65、炉内装荷特には溶融する低融点
合金プラグ66、ガス放出管67、ナトリウムド
レンおよびガス放出孔68から形成されており、
その他の部分は第7図の制御棒要素50と同一で
ある。この機構では、発生したヘリウムガスは多
孔質金属プラグを透過して冷却材ナトリウム中に
放出されるため吸収体要素内部のガス圧力の増加
を防止でき、かつ制御棒要素内部への冷却材ナト
リウムの侵入を防止できる。
また、ガスベンタ構造以外の制御要素内ガス圧
の低下には、中性子の吸収に伴なうガス発生がな
い中性子吸収物質を使用する方法がある。このよ
うな中性子吸収物質として現在考えられているも
のはタンタル金属(Ta)や酸化ユーロピウム
(Eu2O3)等である。これらの中性子吸収物質は、
優れた中性子吸収性能を持つが、中性子吸収後の
生成物質が放射性核種であるため、崩壊熱除去の
問題を有する。そのため、ガスベンタ機構を設け
る方法が現在有力視されている。そして、このよ
うな手段により、制御棒要素50内部のガス圧力
増加を防止できれば、制御棒要素50の機械的寿
命を制限するのは、B4Cよりなるペレツト状の中
性子吸収物質55と被覆管56間の機械的相互作
用(以下PCMIと称する)によるクリープ疲労で
ある。
さて、B4Cよりなるペレツト状の中性子吸収物
質(以下B4Cペレツトと称する)の膨張の主要因
はスエリング膨張である。このスエリング膨張の
主原因は、10B(n、α)7Li反応によるガス成分
(ヘリウム)のペレツト内での生成である。した
がつて、このスエリング膨張率は10B(n、α)7Li
の反応量に依存する。第9図にスエリングによる
ペレツト直径膨張率と10Bの単位体積あたりの反
応量との関係を示すもので、各軸にはそれぞれ温
度(℃)、10B反応量(1020capture/cm3)ペレツト
直径膨張率ΔD/D(%)がとつてある。同図か
らわかるように、スエリングによるペレツト直径
膨張率は単位体積あたりの10B反応量(即ちヘリ
ウムガス生成量)にほほ比例する。
次に、前述の主系統制御棒集合体ならびに後備
系統制御棒集合体の制御棒要素内で、10B(n、
α)7Li反応が軸方向的にどのような頻度分布で生
じており、どこで炭化硼素ペレツトのスエリング
膨張が最大となるかについて説明する。
第10図は原子炉運転中の制御棒の挿入状態を
示したもので、第2図と同一部分には同一符号が
付してあり、6A,6B,6C,6D,6Eは主
系統制御棒集合体、7A,7Bは後備系統制御棒
集合体を示しており、主系統制御棒集合体6A,
6B,6C,6D,6Eは内側及び外側炉心領域
1,2に挿入(半挿入あるいは全挿入)されてお
り、後備系統制御棒集合体7A,7Bは炉心上端
まで引き抜かれている。このような状態における
制御棒要素50内の10B(n、α)7Li反応の軸方向
頻度分布を第11図、第12図に示す。第11図
は全挿入状態の主系統制御棒集合体の頻度分布を
示しており、横軸、縦軸にはそれぞれ炉中心から
の距離(cm)、10B(n、α)7Li反応率(相対値)が
とつてあり、炉心と軸方向ブランケツトの位置を
示してある。全挿入状態でB4Cペレツトスタツク
部と炉心領域とが軸方向的に一致している例であ
る。この図からわかるように、全挿入状態では
B4Cペレツトスタツク部軸方向中央が最大頻度の
点であり、この点でPCMIが生じ始める。しか
し、主系統制御棒集合体は半挿入状態もあり、実
際にはB4Cペレツトスタツク部軸方向中央より下
部でPCMIが生じ始める。
一方、第12図は、原子炉運転中は必ず全引抜
き状態にある後備系統制御棒の制御棒要素内10B
(n、α)7Li反応の軸方向頻度分布を示すもので、
横軸、縦軸にそれぞれ炉心上端からの距離(cm)、
10B(n、α)7Li反応率(相対値)がとつてあり、
軸方向ブランケツト、ガスプレナム及び遮蔽体の
位置が示してある。全引抜状態でB4Cペレツトス
タツク部下端と炉心領域上端とが一致している例
である。この図からわかるように、B4Cペレツト
スタツク部下端が最大頻度となり、この点で
PCMIが生じ始める。また、全挿入状態と異な
り、B4Cペレツトスタツク部下端の20cm程度の
(高速増殖炉の中性子平均自由行程の約3倍)の
部分だけが高頻度を呈しており、原子炉スクラム
のために全挿入された際に、中性子吸収の主要領
域となるB4Cペレツトスタツク部中央領域の反応
頻度は小さい。したがつて、後備系統制御棒の核
的寿命上上記下端部の高反応頻度は問題にならな
い。
後備系統制御棒は、主系統制御棒と異なり出力
分布平坦化調整機能を持たないため、主系統制御
棒と比べ比較的少ない本数で必要反応度を満足さ
せるという観点からB4C内の10Bの濃縮度を主系
統制御棒集合体のそれより一般的には高めている
(第1図に示した電気出力100万KWクラスの炉心
の例では10Bの濃縮度を約90%としている)。上
記の点は、B4Cペレツトスタツク部下端での10B
(n、α)7Li反応の頻度を特に大きくする要因と
なつている。
以上のように、後備系統制御棒集合体は核的寿
命が尽きていないにもかかわらずB4Cペレツトス
タツク部下端だけのPCMIによつて、短期間で交
換を余儀なくされ、高速増殖炉の経済性が損なわ
れている。
これらの問題を解決するために、次のような方
法も考えられた。すなわち、 第1の方法は、所要の寿命期間中のB4Cペレツ
トのスエリング膨張を見込んで、制御棒要素製作
時にペレツトと被覆管の間隙を十分大きく取つて
おく方法である。しかし、この方法では、間隙の
増加に伴なうギヤツプコンダクタンスの低下によ
るペレツト温度の上昇ひいてはペレツト溶融の可
能性があり、また制御棒の反応度価値も低下す
る。
第2の方法は、後備系統制御棒のB4Cペレツト
スタツク長を炉心高さを同じとし、引抜きストロ
ークを炉心高さより大きくして、後備系統制御棒
全引抜時にB4Cペレツトスタツク部下端を炉心上
面より遠ざけ、中性子照射量を低下させることに
よつて、10B(n、α)7Li反応数さらにはペレツト
のスエリング膨張の低下を計る方法である。この
方法では、制御棒集合体さらには燃料集合体を長
くすることになり、炉容器高さの増大を招く。
第3の方法は、後備系統制御棒の引き抜きスト
ロークは炉心高さと同じとし、B4Cスタツク長を
炉心高さより短くすることにより、第2の方法と
同じ効果をねらうものである。しかし、この方法
では、後備系統制御棒1本の反応度価値が減少
し、後備系統制御棒本数の増加を招く。
第4の方法は、後備系統制御棒のB4Cと全部あ
るいは下部のみをタンタル金属(Ta)のような
スエリングの中性子吸収物質に置きかえる方法で
ある。しかし、この方法は、タンタルが中性子吸
収後、放射性核種となり、崩壊熱除去の問題が生
じる。
〔発明の目的〕
本発明は、このような従来技術の問題点を除去
し、原子炉起動時に引き抜かれ、通常運転中には
炉心領域外に位置し、原子炉の停止が必要な時に
挿入されることにより原子炉停止機能だけを有す
る高速増殖炉の制御棒で機械的に長寿命のものを
提供することを目的とするものである。
〔発明の概要〕
本発明は、通常運転時には炉心外に引き抜か
れ、原子炉を停止する際にのみ炉心内に挿入され
る制御棒内に配置され、中性子吸収物質を内包
し、前記中性子吸収物質の下端部領域における濃
度が残部領域における濃度よりも小さくなつてい
る棒状の制御棒要素において、前記下端部領域
が、前記中性子吸収物質の下端部から炉心の中性
子平均自由行程の3倍以下の長さの部分であるこ
とを特徴とするものである。
本発明は、通常運転中には炉心領域外に位置
し、原子炉の停止が必要な時に挿入されることに
より原子炉停止機能だけを有する高速増殖炉の制
御棒の、PCMIの発生時期を遅らせ、その寿命を
延長するために、中性子吸収物質であるB4Cペレ
ツトのスエリング膨張を低下させるものである。
その手段として、スエリング膨張が10B(n、α)
7Li反応数に比例することに注目し、従来の制御
棒では引き抜き時に反応率が最も大きくなるB4C
ペレツトスタツク部下端の硼素に含まれる10Bの
濃縮度を、それより上部の硼素に含まれる10Bの
濃縮度よりも小さくし、10B(n、α)7Li反応数を
低下させるというものである。濃縮度を小さくす
る範囲は、B4Cペレツト高速増殖炉の中性子平均
自由行程の約3倍(〜20cm)までが適当である。
これは、制御棒が全引抜状態でも、制御棒のペレ
ツトスタツク部下部は上部軸方向ブランケツト内
に挿入されており、この軸方向ブランケツトで
は、中性子束は炉心上端面より中性子平均自由行
程の約3倍程度でほぼ減衰するためである。ま
た、10Bの濃縮度を小さくする範囲をさらに増加
させることは、制御棒を炉内に挿入した際に、そ
の反応価値を大幅に低下させるため、好ましくな
い。
〔発明の実施例〕
以下、実施例について説明する。
第1の実施例は、第1図に示した電気出力100
万KWの高速増殖炉(炉心高さ1000mm、炉心等価
径約3300mm)の後備系統制御棒に本発明を適用し
た例である。この制御棒は第13図に示すよう
に、B4Cペレツトスタツク長1000mm、全引抜時に
スタツク部下端が炉心1の上端面位置に来る引き
抜きストロークを持つ後備系統制御棒において、
スタツク部下端より200mm(高速増殖炉の中性子
平均自由行程の約3倍)までの領域69に、天然
硼素から製造したB4Cペレツトを、それより上部
70に10Bを90%まで濃縮した硼素より製造した
B4Cペレツトを装填したものである。第14図は
この実施例の場合の10B(n、α)7Li反応の軸方向
頻度分布を示すもので、第12図と同様な形式で
表わしてある。この図の曲線Bは従来のように全
10Bを90%濃縮度のB4Cペレツトを使用した場
合の頻度分布、曲線Cはこの実施例による頻度分
布である。この図からわかるように、B4Cペレツ
トスタツク部下端の反応頻度は約1/5に低下し、
その結果ペレツトのスエリング膨張は約1/5に低
下し、PCMIで決定される制御棒要素寿命は約5
倍に増大する。
また、全ヘリウムガス生成量は約1/2に低下し、
その結果、ガスベント機構を用いない、ガスプレ
ナムを有する制御棒要素の場合、ガス圧力による
寿命は約2倍に増加する。なお、制御棒の炉停止
機能の低下(反応度価値の低下)は小さい。
第2の実施例について説明する。この実施例の
制御棒は、第6図に示したように、制御棒要素5
0がクラスター状に配置されているが、クラスタ
ー内の10B(n、α)7Li反応の径方向頻度分布は、
概ね第15図のようになる。この図の横軸、縦軸
にはそれぞれ制御棒中心軸からの距離(相対値)、
10B(n、α)7Li反応率(相対値)がとつてある。
これは外側の吸収体要素によつて内側の吸収体要
素が中性子を遮蔽されるためである。したがつ
て、最外周の制御棒要素のRCMIあるいはガス内
圧による寿命が最も短かくなる。そこで、最外周
の吸収体要素に対してのみ、適用したものが、こ
の実施例である。この実施例によれば、後備系統
制御棒内の制御棒要素の機械的寿命延長を計るこ
とができ、かつ全挿入時の反応度低下が第1の実
施例よりも小さくなる。
以上の如く、実施例記載の制御棒によれば、通
常運転中は炉心外に位置し、原子炉停止機能のみ
を有する制御棒内の制御棒要素の機械的寿命を、
制御棒の反応度価値を損なうことなく達成でき
る。なお、機械的寿命の延長は望まない場合に
は、ペレツト状の中性子吸収物質と被覆管との間
隙を小さくでき、その結果、吸収物質体積率が増
し、制御棒の反応度価値を増すこともできる。
〔発明の効果〕
本発明の制御棒要素は、原子炉起動時に引き抜
かれ、通常運転中には炉心領域外に位置し、原子
炉の停止が必要な時に挿入されることにより原子
炉停止機能だけを有する高速増殖炉の制御棒で機
械的に長寿命のものを提供可能とするもので産業
上の効果の大なるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は電気出力100万KW級の高速増殖炉炉
心の水平断面図、第2図は第1図の炉心の垂直断
面図、第3図は高速増殖炉の垂直断面図、第4図
は炉心燃料集合体の構成説明図、第5図は炉心燃
料要素の構成説明図、第6図は制御棒集合体の構
成説明図、第7図は密封型吸収体要素の構成説明
図、第8図はガスベント機構付き吸収体要素の一
例の構成説明図、第9図はB4Cペレツトの直径膨
張率と10B(n、α)7Li反応量との関係を表わす説
明図、第10図は制御棒の炉心内挿入状態を示す
炉心垂直断面図、第11図は制御棒を炉心内に全
挿入した時の炭化硼素ペレツトスタツク部内の
10B(n、α)7Li反応の軸方向頻度分布の説明図、
第12図は制御棒を全引き抜きした時の、B4Cペ
レツトスタツク部内の10B(n、α)7Li反応の軸方
向頻度分布の説明図、第13図は本発明制御棒要
素の一実施例であるB4Cペレツトスタツク部の天
然硼素より製作したB4Cペレツト領域と、10Bを濃
縮した硼素より製作したB4Cペレツト領域を示す
説明図、第14図は第13図の実施例によるB4C
ペレツトスタツク部の10B(n、α)7Li反応の軸方
向頻度分布の説明図、第15図は他の実施例の制
御棒の吸収体要素クラスター内の10B(n、α)7Li
反応の径方向頻度分布の説明図である。 1……内側炉心領域、2……外側炉心領域、3
……径方向ブランケツト領域、4……軸方向ブラ
ンケツト領域、5……中性子遮蔽体領域、6……
制御棒集合体(主系統制御棒集合体)、7……制
御棒集合体(後備系統制御棒集合体)、9……燃
料集合体、10,11……案内管、12,13…
…上部案内管、15,16……制御棒駆動機構、
17,18……エクステンシヨンロツド。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 通常運転時には炉心外に引き抜かれ、原子炉
    を停止する際にのみ炉心内に挿入される制御棒内
    に配置され、中性子吸収物質を内包し、前記中性
    子吸収物質の下端部領域における濃度が残部領域
    における濃度よりも小さくなつている棒状の制御
    棒要素において、前記下端部領域が、前記中性子
    吸収物質の下端部から炉心の中性子平均自由行程
    の3倍以下の長さの部分であることを特徴とする
    制御棒要素。
JP59168658A 1984-08-10 1984-08-10 制御棒要素 Granted JPS6145992A (ja)

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JPS57173786A (en) * 1981-04-20 1982-10-26 Tokyo Shibaura Electric Co Absorbing pin for vent type control rod

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