JPH0524445Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、ジヤイロ研磨機の研磨槽内に収容
される研磨材の偏在を防止する研磨材掻き取り用
のスクレーパに関する。

（従来の技術） 従来のジヤイロ研磨機は、水平回転する円筒状
研磨槽内に挿入した研磨材中に、工作物軸に取付
けた工作物を潜行回転させて研磨するものであつ
た。

（考案が解決しようとする課題） しかし、この従来型のジヤイロ研磨機は、研磨
槽の回転を速めると研磨材が遠心力によつて研磨
槽の外周側に偏在して周壁に固着し、研磨効果を
低減する問題点があつた。そこで、これを防ぐた
めに研磨槽の回転を低速にすると、研磨材は工作
物と接する表層部のみが攪拌されるので、槽内研
磨材は偏在することになり、しかも研磨材は循環
しないので、時間の経過と共に、工作物と接する
研磨材量が減少し、次第に研磨量が低下して、逐
には加工できなくなる欠陥もあつた。

（課題を解決する為の手段） 然るにこの考案は、ジヤイロ研磨機の研磨槽内
へスクレーパを挿脱自在に設置し、研磨槽内へス
クレーパを定期的に挿入して、研磨槽の周壁に固
着した研磨材を掻き取るようにしたものである。

即ちこの考案は回転する研磨槽の研磨材中で、
工作物軸に装着した工作物を回転して、工作物の
表面加工を行うジヤイロ研磨機に用いるスクレー
パであつて、該スクレーパの先端側を研磨槽の内
壁に沿つてその底部まで挿入し、基端側を、前記
研磨槽の外にある機台に横架された回転軸に固定
し、該回転軸を駆動装置と連結したことを特徴と
するジヤイロ研磨機用スクレーパ装置である。ま
たスクレーパは、その中心線を研磨槽の中心部よ
りずれて挿入されたものである。

（作用） スクレーパが研磨槽内へ挿入され、研磨槽の周
壁に固着した研磨材層に接触すると、固着した研
磨材は徐々に掻き取られ、遊離研磨材内へ混合さ
れる。従つて研磨材の偏在を防止することができ
る。

（実施例 １） 次にこの考案の実施例を添付の図面について説
明する。

第１図の左側に公知のジヤイロ研磨機の一部が
示されている。このジヤイロ研磨機は研磨槽１を
回転可能に設置し、該研磨槽１内へ研磨材、要す
れば水及びコンパウンドを装入し、この研磨材内
へ工作物軸３のチヤツク４に把持された工作物２
を回転挿入して、電動機５を駆動して前記研磨槽
１を回転して（第３図）、工作物と研磨材の相対
運動差により工作物２を研磨するものである。こ
の研磨方法は長時間研磨作業を行うと、研磨材が
遠心力で研磨槽１の内面壁に押しつけられる。特
に第１図に示す１ａの部分は遠心力の作用を受け
やすいので、研磨材が偏在し固着することとな
る。従つてこの固着した研磨材を取り除く必要が
あり、この考案のスクレーパ装置６が開発され
た。

スクレーパ装置６は、第１図の右側に示すよう
に、前記ジヤイロ研磨機に隣接して設置された機
台１８上に架設されている。前記スクレーパ装置
６は固着した研磨材を掻き取るべく、研磨槽１の
内壁に沿つて湾曲したスクレーパ７と、該スクレ
ーパ７を前記研磨槽１内へ挿入するための一対の
連結板８，８ａと、該連結板８，８ａを旋回させ
る電動機９とで構成される。前記スクレーパ７は
第３図に示すように、その中心線１０を前記研磨
槽１の中心部１１よりずれるように設定されてい
る。このようにすると掻き取られた固着研磨材
は、スクレーパ７の面７ａに導かれて第３図中矢
示１２のように研磨槽１の内方へ移動するので、
研磨材が十分に混合される効果がある。

前記連結板８，８ａは、機台１８上に設けた軸
受け１３，１３ａに軸承された回転軸１４に固着
されている。前記回転軸１４は、前記機台１８に
取り付けた電動機９、スプロケツト１５、チエー
ン１６、スプロケツト１７（駆動装置）を介して
回転される。前記一対の連結板８，８ａには、そ
の間に停止板１９が取り付けられており、機台１
８上に設けた一対のストツパー２０，２０ａに当
接するようになつている。

即ち、研磨中などでスクレーパ７が不用の時
は、停止板１９をストツパー２０ａに当接してお
く。又固着研磨材の掻き取りが必要になつた時、
若しくは定期的に前記電動機９を駆動して連結板
８，８ａを旋回し、停止板１９をストツパー２０
に当接し、前記スクレーパ７を研磨槽１の所定の
位置へ挿入固定する。これにより研磨槽１の１ａ
部に偏在して固着する研磨材が掻き取られたな
ら、前記連結板８，８ａを旋回して、スクレーパ
７を研磨槽１より取り出し、前記停止板１９をス
トツパー２０ａに当接して退避させておき、次の
研磨作業を行う。

（考案の効果） この考案は、ジヤイロ研磨機の研磨槽内へスク
レーパを挿入自在に設置し、定期的に研磨材を収
容する研磨槽内へスクレーパを挿入して、研磨槽
の周壁に偏在して固着する研磨材を掻き取るよう
にしたので、固着した研磨材はスクレーパにより
徐々に掻き取られ、遊離した研磨材内へ混合され
偏在は防止される。従つて研磨材の磨耗が均一に
行われ、研磨効率を向上させることができる。ま
た研磨材の偏在による工作物の偏磨を防止するこ
とができる。更にクレーパをその中心線が研磨槽
の中心部よりすれるように挿入すれば、固着研磨
材の掻き取り作用と混合作用がより効果的に行わ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の実施例の正面図、第２図は
同じく側面図、第３図は同じく平面図である。 １……研磨槽、２……工作物、６……スクレー
パ装置、７……スクレーパ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 回転する研磨槽の研磨材中で、工作物軸に装
   着した工作物を回転して、工作物の表面加工を
   行うジヤイロ研磨機に用いるスクレーパであつ
   て、該スクレーパの先端側を研磨槽の内壁に沿
   つてその底部まで挿入し、基端側を、前記研磨
   槽の外にある機台に横架された回転軸に固定
   し、該回転軸を駆動装置と連結したことを特徴
   とするジヤイロ研磨機用スクレーパ装置。 (2) スクレーパは、その中心線を研磨槽の中心部
   よりずれて挿入されたことを特徴とする実用新
   案登録請求の範囲第１項記載のジヤイロ研磨機
   用スクレーパ装置。