JPH052438Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、小物製品の収納に用いて好適な包装
容器に関し、とくに収納時には収納品を完全に箱
体内に収納させ取り出し時には収納品を取り出し
易くするとともに収納品を大きく露出させその表
示効果を発揮させ、同時に安定した姿勢を保つこ
とのできる包装容器に関する。

［従来の技術］ 箱体からなる包装容器としては各種のものが知
られているが、製品を単に箱体内に収納するだけ
では、箱体の蓋を開けて収納製品を取り出す際取
り出しにくいことが多々ある。また、包装をより
完全にするために、包装用箱体を内箱と外箱との
二重箱にし、内箱内に製品を収納するようにした
ものも知られている。しかし単に二重箱とするだ
けでは、上述の製品取り出し時の取り出しにくさ
の問題は依然残るとともに、取り出し時に外箱に
対し内箱を完全に取り外すか部分的に取り出す操
作が要求されることが多く、包装はより完全にな
るものの取り出し操作がより面倒になることが多
い。

本考案に関連して、小物製品用包装容器とし
て、カセツトテープ収納ケース式の内箱を出し入
れ可能に収納させる構造が特表昭58−500115号公
報に開示されているが、単に外箱を開いただけの
状態では、包装容器全体を安定した姿勢をもつて
載置しづらいという問題がある。また、内箱は外
箱から取り外す必要がある。

［考案が解決しようとする課題］ 本考案の目的は、いわゆる二重箱型式の包装容
器において、内箱を外箱から取り外す必要がなく
ごく簡単な開操作で収納製品を容易に取り出せる
ようにでき、かつ取り出し時状態では収納製品を
大きく露出させてその表示効果を奏することがで
き、しかも包装容器全体を安定した姿勢をもつて
載置可能な、コンパクトな包装容器を提供するこ
とにある。

［課題を解決するための手段］ この目的に沿う本考案の包装容器は、略直方体
形状の箱体からなり、前壁、両側壁および底壁に
対し、後壁および該後壁に接続する上壁が後壁と
底壁との接続部を支点に開閉可能に構成された外
箱と、 該外箱の前記上壁の前縁に一縁が回動可能に接
続された箱体からなり、前記外箱の後壁および上
壁開時に、該開時状態における自身の前壁が外箱
の前壁内面に、両側壁が外箱の側壁内面に、底壁
が外８５の底壁上面にそれぞれ当接し、かつ該開
時状態において少なくとも上方に向けておよび前
記自身の前壁以外の部分で前方に向けて開放され
た内箱と、から成る。

［作用］ このような包装容器においては、外箱が、その
後壁および上壁が折りたたみ形式で開閉可能とな
つており、閉時には内箱が外箱内に収納され、開
時には内箱が外箱に接続された状態で大きく露出
される。内箱が外箱に接続されているので内箱を
外箱から取り外す必要がなく、開時には全体が組
立て箱形式に構成され、外箱は大きく露出された
内箱の支持部の役目を果す。開状態では、内箱の
前壁、両側壁、底壁が外箱の前壁、両側壁、底壁
の内面にそれぞれ支持され、かつ内箱の一縁は外
箱の上壁の前縁に接続されているので、内箱は安
定した姿勢に保たれる。しかも外箱も、略直方体
形状に形成され、平坦面からなる底壁下面を適当
な場所に安定した姿勢をもつて載置できるので、
包装容器全体として安定した姿勢に保たれる。そ
して大きく露出され、上方および前方に向けて開
放された内箱からは容易に収納製品が取り出され
るとともに、大きく露出させたことによる製品表
示効果も得られる。

［実施例］ 以下、本考案の望ましい実施例を、図面に参照
して説明する。

第１図ないし第３図は、本考案の一実施例に係
る包装容器を示している。図において、１は包装
容器全体を示しており、包装容器１は閉時に略直
方体形状の箱体からなる外箱２と、該外箱２内に
収納可能な箱体からなる内箱３からなつている。
外箱２、内箱３は、比較的剛性が高く、折り目に
可撓性を有する材料、たとえは比較的厚手の紙、
プラスチツクフイルム、プラスチツクシートから
なる。

外箱２は、その前壁２ａ、両側壁２ｂ、底壁２
ｃに対し、後壁２ｄおよび該後壁２ｄに接続する
上壁２ｅが後壁２ｄと底壁２ｃとの接続部２ｆを
支点に第１図および第３図に示すように開閉（回
動）可能に支持されている。両側壁２ｂは、本実
施例では前壁２ａの側縁全体に接続し、そこから
上縁が底壁２ｃ後端まで斜めに延びて直角三角形
の側壁を形成しているが、前壁２ａおよび底壁２
ｃに接続する他の形状に形成されてもよく、内面
が後述の内箱の両側壁に当接可能な形状であれば
よい。

内箱３は、その一縁３ａ（開状態における最上
縁）が、外箱２の上壁２ｅの前縁２ｇに回動可能
に接続されている。内箱３は、本実施例では、第
１図に示す開状態において、その上面側が大きく
上方および前方に向けて開口された箱体からなつ
ている。この開口３ｂの形状は、適当な任意の形
状でよい。内箱３内に、小物製品４、たとえばフ
イルム包装されたパンテイストツキング、シヨー
ツ、ハンカチ等あるいは石けん等の雑貨小物製品
が適当数収納される。

内箱３は、内箱３の第１図に示す開時姿勢にお
ける、自身の前壁３ｃが外箱２の前壁２ａ内面
に、両側壁３ｄが外箱２の両側壁２ｂ内面に、底
壁３ｅが外箱２ｃ上面にそれぞれ当接するように
なつている。

上記のように構成された包装容器１の作用につ
いて説明する。

第２図は内箱３を外箱２内に収納した状態、第
３図は外箱２を開く程度、第１図は外箱２を完全
に開き内箱３を所定の露出姿勢にした状態をそれ
ぞれ示している。

まず第２図の状態においては、内箱３は閉じら
れた外箱２内に完全に収納され、内箱３内に収納
された製品４は内箱３と外箱２とによつて完全に
覆い包まれる。また、内箱３は丁度外箱２の容積
内に納められ、かつ製品４も内箱３と外箱２とに
より形成される完全な箱体内に効率よく納められ
るので、収納状態において内部に無駄スペースが
なく、包装容器１全体として持ち運び等に極めて
便利なコンパクトな形状に収められる。

製品取り出し時には、第２図の状態から第３図
に示すように外箱２の後壁２ｄおよび上壁２ｅと
もに内箱３が開かれ（回動され）、続いて第１図
に示すように、内箱３がその上縁３ａを中心に前
方へ回動され、所定の安定姿勢に組立てられる。
この一連の動作は、外箱２の後壁２ｄが底壁２Ｃ
に接続されており、かつ内箱３の上縁３ａが外箱
２の上壁２ｅの前縁２ｇに接続されているので、
ごく容易にかつ円滑に行われる。

第１図の示す開時状態においては、内箱３はと
くにその上面側が大きく露出され、収納された製
品４も大きく露出される。したがつて、製品４の
取り出しはごく簡単に行われ、かつ大きく露出さ
せることによつて、取り出し製品の選択等に便利
な表示効果も得られる。また、内箱３は、その前
壁３ｃ、両側壁３ｄ、底壁３ｅが外箱２の内面に
それぞれ支持され、かつ上縁３ａが外箱２の上壁
２ｅに接続支持されるので、外箱２内にて極めて
安定な姿勢に保たれる。また、第１図の状態にお
いて、外箱２の底壁２ｃの下面は平坦面であるの
で、包装容器１全体を適当な場所に安定した姿勢
をもつて載置できる。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の包装容器による
ときは、二重箱型式の包装形態を採りつつ、内箱
を外箱から取り外すことなくごく簡単な操作で、
内箱を外箱に対し大きく露出させ、収納製品を前
方および上方に向けて表示させるとともに安定し
た姿勢で外箱に支持させるようにしたので、収納
製品取り出しの容易化を達成できると同時に、効
果的に収納製品を表示でき、しかも開状態にて包
装容器全体として適当な場所に自由に載置可能な
安定した姿勢をとることができる。

また、外箱閉状態では、内部に無駄スペースを
作ることなく製品を完全に包むことができ、持ち
運び等に極めて便利なコンパクトな包装容器を実
現できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る包装容器の開
時状態の透視斜視図、第２図は第１図の閉時状態
の側面図、第３図は第１図の包装容器の開操作途
中状態を示す透視斜視図、である。 １……包装容器、２……外箱、２ａ……外箱前
壁、２ｂ……外箱側壁、２ｃ……外箱底壁、２ｄ
……外箱後壁、２ｅ……外箱上壁、２ｆ……接続
部、２ｇ……上壁前縁、３……内箱、３ａ……一
縁（上縁）、３ｂ……開口、３ｃ……内箱前壁、
３ｄ……内箱側壁、３ｅ……内箱底壁、４……収
納製品。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 略直方体形状の箱体からなり、前壁、両側壁お
   よび底壁に対し、後壁およぴ該後壁に接続する上
   壁が後壁と底壁との接続部を支点に開閉可能に構
   成された外箱と、 該外箱の前記上壁の前縁に一縁が回動可能に接
   続された箱体からなり、前記外箱の後壁および上
   壁開時に、該開時状態における自身の前壁が外箱
   の前壁内面に、両側壁が外箱の側壁内面に、底壁
   が外箱の底壁上面にそれぞれ当接し、かつ該開時
   状態において少なくとも上方に向けておよび前記
   自身の前壁以外の部分で前方に向けて開放された
   内箱と、 からなる包装容器。