JPH0524346U

JPH0524346U - 糊付装置

Info

Publication number: JPH0524346U
Application number: JP7752591U
Authority: JP
Inventors: 弘佐藤
Original assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Current assignee: Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date: 1991-09-02
Filing date: 1991-09-02
Publication date: 1993-03-30

Abstract

(57)【要約】【目的】糊付装置における糊槽内の糊ダムの拡幅に伴
う糊水面の変動量を減少させるようにし、糊ダム拡幅時
の再設定時間の短縮を図ると共に、不良紙の発生を減少
させる。【構成】コルゲートマシンのシングルフェーサ等に設
備する糊付装置において、主糊槽９ａ内を装置の幅方向
へ移動し、一部を浸漬した糊付ロール１４へ転移供給す
る糊幅を規定する一対の糊ダム８を設け、同糊ダム８の
一部を切欠き、所定のタイミングで主糊槽９ａの内側或
いは外側へ揺動させ得るよう構成した前記切欠き穴用の
遮蔽板１０を設備すると共に、両糊ダム８ａ，８ｂの装
置幅方向外側部に所定量の糊４をストックさせておける
補助糊槽９ｂを設けてなる糊付装置である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はコルゲートマシンのシングルフェーサに設備する糊付装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図７は従来のコルゲートマシンにおける一般的なシングルフェーサの概略構成説明図である。シングルフェーサは図７に示す如く、上段ロール１と同上段ロール１と噛み合って芯紙３を波形状に成形する下段ロール２、同下段ロール２との間を糊付けされた芯紙３とライナ５を加圧しながら通過させる事によって貼着させ、片面段ボールシート６を作成する加圧ロール１５、前記上下段ロール１，２に挟持される事によって成形された芯紙３の波形段頂部に糊４を転移供給する糊付装置７等によって構成されている。

【０００３】ここで前記糊付装置７の構成、機能について説明すると、先ず糊供給部は所定量の糊４を供給しておく主糊槽９ａ、糊４に周面の一部を浸漬し、かつ下段ロール２との隙間を調整可能に設けられた糊付ロール１４、同糊付ロール１４との隙間調整を可能に構成したドクターロール１７、主糊槽９ａ内において段ボールシート６の幅方向に移動設置し、芯紙３への糊転移幅を規定する一対の糊ダム８，８及びオーバーフローする余剰糊を回収する補助糊槽９ｂ等によって構成されている。ドクターロール１７は、主糊槽９ａから糊付ロール１４に供給された糊４の量を、両ロール１４，１７の係合状態（隙間）によってコントロールするもので、必要以上の糊は掻き取られて再び前記主糊槽９ａ内に復流するようになっている。

【０００４】さて片面段ボールシート６の横幅については、最終工程において製造される段ボール箱について必要とする紙幅との関係で、最も有効にとれる規格のものが選定される。このため常に一定のものとは限らず、製造する箱のオーダーによって変更される事が多く、関連して製造される段ボールシート６の幅に対応して糊付ロール１４に転移させる糊幅も変更する必要がある。この糊幅は、前記主糊槽９ａの内部に設けられた一対の糊ダム（仕切板）８，８を幅方向に移動させて調整する方式がとられている。つまり図７に示すように、走行する芯紙３の幅端を左右に設けた各一対の光電管Ｒ₁，Ｒ₂とＬ₁，Ｌ₂によって検出し、対応する主糊槽９ａ内に設けた糊ダム８を移動し、芯紙幅Ｂに対応させる事によって必要な糊の幅を制御するようになっている。糊付ロール１４へ転移する糊の幅は、製造する段ボールシート６の品質や装置の駆動状態に直接的に影響するものであり、例えば芯紙３の幅に対して糊幅が狭くなった場合には段ボールシート６の両側端部に接着されない部分ができ、逆に広すぎた場合には芯紙３から両側へ糊がはみ出し、下段ロール２等へ付着堆積する不具合が発生する。

【０００５】図６に示す如く前記主糊槽９ａ部には、通常糊付ロール１４を介して芯紙段頂部へ転移する糊消費量に対し、約１．２〜１．３倍の糊量が供給できるよう設定されており、その２０〜３０％に相当する過剰供給糊は補助糊槽９ｂへオーバーフローして回収され、所定の再生処理を施された後改めて循環供給されるようになっている。

【０００６】次に図６（ａ）（ｂ）は従来型糊付装置の不具合点説明図であり、オーダーチェンジに伴い芯紙３幅が図中Ｂ₁から幅広のＢ₂に変更された場合の状態を例示している。図６（ａ）（ｂ）に示す如く、芯紙３幅の変更により糊ダム８ａ，８ｂは実線位置Ｂ₁から一点鎖線位置Ｂ₂まで移動する事になるが、その移動速度（主糊槽部の容量増加速度）は、糊付ロール１４を介して芯紙波形段頂部へ転移する消費量に比して２０〜３０％増で、補給される余剰糊量によって制約されるものである。つまり余剰供給糊量以上の主糊溜容量増加は、糊面水位を低下させ糊付ロール１４との隙間を作る事になる。以上の制約により、糊ダム８の拡幅移動設定には長い時間が必要であり、シートを連続走行させる場合、その時間内において走行するシートにはかなりの長さにわたって非貼着部分ができる事になる。そしてその不良紙量（長さ）Ｓは、シート走行速度ｖと糊ダム８拡幅再設定時間ｔｓとの関数であり、この不良紙量Ｓを極力短くするために、これまでシートの走行速度ｖを低速に切替える、或いは停止させる等の方法がとられる事もあった。しかし前記対策は、小ロット化により紙幅Ｂの頻繁な変更が要求される今日、生産性を著しく低下させる大きな要因となってきており、課題として不良紙の量を少なくし、かつ段ボールシート６の生産性を低下させない対策が強く要望されていた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

前述の如く従来の糊付装置では、糊の転移供給幅を規制する糊ダムを急激に拡幅すると、主糊溜内の糊面水位が低下して糊付ロールの浸漬量が減少し、極端な場合は糊付ロールが糊水面から離れる事があり、芯紙段頂部への糊供給ができなくなる欠点があった。つまり糊溜に供給する糊補給量は、糊循環に伴う劣化を防止すべく、通常消費量の約１．２〜１．３倍に設定されたもので、オーバーフローさせていた２０〜３０％の余剰（過剰供給）量のみが糊ダムの移動に伴う容積増大として許容できる。従って段ボールシート幅が広くなった場合は、次オーダーに対する糊ダムの再設定に時間がかかり、設定完了まで両幅端に非貼着部分が残り、不良紙が大量に発生する。或いはシートの走行停止、低速化によって生産性が著しく低下する等の問題があった。本考案は前記従来の課題に対処すべく提案されたものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

このため本考案は、コルゲートマシンのシングルフェーサ等に設備する糊付装置において、主糊槽内を装置の幅方向へ移動し、一部を浸漬した糊付ロールへ転移供給する糊幅を規定する一対の糊ダムを設け、同糊ダムの一部を切欠き、所定のタイミングで主糊槽の内側或いは外側へ揺動させ得るよう構成した前記切欠き穴用の遮蔽板を設備すると共に、両糊ダムの装置幅方向外側部に所定量の糊をストックさせておける補助糊槽を設けてなるもので、これを課題解決のための手段とするものである。

【０００９】

【作用】

本考案では、オーダーチェンジに伴う段ボールシートの拡幅に関連して糊ダムを幅方向外側へ移動させる場合は、糊ダムに具備させた切欠き穴用遮蔽板を中央側（或いは各外側）へ揺動させ、糊ダムの移動に伴い同糊ダムの外側部へストックさせてあった糊を流入させる。つまり糊ダム外側へ予めストックさせている糊を糊ダム内側へ効果的に補充する事によって、糊ダムの拡幅に伴う糊水面の変動量（低下）を減少させるよう構成し、糊ダム拡幅時の再設定時間を大幅に短縮でき、装置稼働率の向上或いは連続生産において段ボールシートの両幅端に非貼着部が残る不良紙の発生を極力減少させることができる。これによって生産性の大幅な向上を図ることができる。

【００１０】

【実施例】

以下本考案を図面の実施例について説明すると、図１〜図６は本考案の実施例を示す。図において上下段ロール１，２によって芯紙３を段繰りし、波形段頂部に糊４を転移供給した後、他経路を通って送り込まれたライナ５と共に挟持搬送する事によって、連続した片面段ボールシート６を製造するシングルフェーサとしての一連の構成、機能は、前記従来技術のものと同様であるので、ここではこれらの説明は省略し、前記従来と異なる点について説明する。

【００１１】さて本考案の実施例に係る糊付装置は、図１及び図２に示す如く主糊槽９ａ内を装置幅方向へ移動し、一部を浸漬した糊付ロール１４へ転移供給する糊幅を規定する一対の糊ダム８（８ａ，８ｂ）を設け、同糊ダム８の一部を切欠き、主糊槽９ａの内側（或いは外側）へ揺動させ得るよう構成した前記切欠き穴用遮蔽板１０ａ，１０ｂを設置すると共に、両糊ダム８ａ，８ｂの装置幅方向外側部に設けた補助糊槽９ｂ内へ所定量の糊をストックさせておけるよう構成したものである。切欠き穴用遮蔽板１０は、主糊槽９ａ底面に摺接しモータ等の開閉手段１１を介して、例えば実線の閉口位置と一点鎖線の開口位置とを所定のタイミングで揺動すべく駆動がコントロールできる。なお、図中１３は糊供給用ポンプで、従来型糊付装置と同様糊付ロール１４を介して芯紙３の段頂部へ転移供給する量（消費量）の約１．２〜１．３倍の糊が、常時補給できるよう設定されている。

【００１２】一方主糊槽９ａ内糊ダム８ａ，８ｂの両外側部へは、バルブ１２等を経て所定量の糊が送られ、かつその状態でストックできるようになっている。段ボールシート６の製造に伴う糊消費量に対し、前記の如く過剰に補給される約２０〜３０％に相当する糊は、従来型方式と同様オーバーフローによって補助糊槽９ｂ内へ回収された後所定の循環装置を介して濾過昇温され、再度新しい糊として供給される事になる。

【００１３】次に作用を説明すると、図３はオーダーチェンジに伴い芯紙３が図中Ｂ₁から幅の広いＢ₂に変更された場合を例示したものである。さてＢ₁幅位置にあった糊ダム８ａ，８ｂは、公知の如く芯紙３幅端を検知する光電管Ｒ₁，Ｒ₂とＬ₁ ，Ｌ₂の信号によって矢印方向へ移動する。またこれと連動して切欠き穴用遮蔽板１０は、同図一点鎖線の如く糊槽９の中央側へ揺動すべく制御される。これによって糊ダム８ａ，８ｂの外側へストックさせていた糊は、切欠き穴Ｈを通って内側へ流入し、糊ダム間の容積増加に伴う糊面水位の低下が減少、或いは糊ダム再設定時間の短縮を図ることができる。前記切欠き穴用遮蔽板１０は、糊ダム８の位置調整の完了と共に閉口作動し、中央に溜まった糊の流出を防止すべく機能する。なお、糊付ロール１４へ係合した糊ダム８上方部の僅かな容積は、過剰供給する余剰糊量によって補充させる。また前記例と逆にオーダーチェンジによって芯紙幅がＢ₂からＢ₁へ狭くなる場合は、糊ダム８の内側への移動によって糊ダム８ａ，８ｂ間の容積が減少する事になり、発生した余分な糊は従来の場合と同じく主糊槽９ａから補助糊槽９ｂ側へオーバーフローさせて回収する。

【００１４】図４及び図５は本考案に係る他の実施例を示し、前記図１の切欠き穴用遮蔽板１０をヒンジ１６を介して上下方向に揺動すべく構成したものであるが、この場合も図１及び図２の場合と同様の機能が得られる。本考案は以上の如く構成、機能するもので、オーダーチェンジに伴う糊転移幅の拡大、縮小再設定が極めて迅速にでき、後述する種々の効果を得る事ができる。また切欠き穴用遮蔽板１０は、例示した以外外側へ揺動する方法もある。つまり構造、駆動方法等については種々多様な形式が考えられる。

【００１５】

【考案の効果】

以上詳細に説明した如く本考案によると、オーダーチェンジに伴って段ボールシート幅が広くなった場合、糊槽の両側端にストックさせていた糊の補給により糊面の水位を大幅に低下させる事なく、かつ迅速に糊ダムの移動設定ができる。また糊ダム縮幅時においても略類似した機能が得られる。従ってオーダーチェンジによる段ボールシート幅の変動に際して、連続生産の場合には糊ダム設定完了までに走行するシートの走行量（不良紙）を少なくする事ができる。またシングルフェーサの停止、低速切替え時間の短縮によって装置の稼働率が高くなり、生産性を大幅に向上させる事ができると共に、これらの効果は小ロット化（多種少量生産）の要求が高まる今日において、益々大きな期待ができる。また片段シートの段頂に糊付けするグルーマシンにおいても、同様の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す糊付装置の平面図であ
る。

【図２】図１の側断面図である。

【図３】図１における糊ダムの作用の説明図である。

【図４】図１と異なる実施例の糊ダムを示す平面図であ
る。

【図５】図４のＡ〜Ａ断面図である。

【図６】従来の糊付装置における糊ダムの作用の説明図
である。

【図７】従来のコルゲートマシンにおけるシングルフェ
ーサの側断面図である。

【符号の説明】

１上段ロール２下段ロール３芯紙４糊５ライナ６片面段ボールシート７糊付装置８，８ａ，８ｂ糊ダム９ａ主糊槽９ｂ補助糊槽１０切欠き穴用遮蔽板１１遮蔽板開閉手段１２電磁弁１３糊供給用ポンプ１４糊付ロール１５加圧ロール１６ヒンジ１７ドクターロール

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】コルゲートマシンのシングルフェーサ等
に設備する糊付装置において、主糊槽内を装置の幅方向
へ移動し、一部を浸漬した糊付ロールへ転移供給する糊
幅を規定する一対の糊ダムを設け、同糊ダムの一部を切
欠き、所定のタイミングで主糊槽の内側或いは外側へ揺
動させ得るよう構成した前記切欠き穴用の遮蔽板を設備
すると共に、両糊ダムの装置幅方向外側部に所定量の糊
をストックさせておける補助糊槽を設けたことを特徴と
する糊付装置。