JPH0524280B2 - - Google Patents

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JPH0524280B2
JPH0524280B2 JP17040684A JP17040684A JPH0524280B2 JP H0524280 B2 JPH0524280 B2 JP H0524280B2 JP 17040684 A JP17040684 A JP 17040684A JP 17040684 A JP17040684 A JP 17040684A JP H0524280 B2 JPH0524280 B2 JP H0524280B2
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JP
Japan
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latex
weight
alkali
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copolymer latex
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JP17040684A
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Masuhiko Nakanishi
Akira Koyama
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication of JPS6155289A publication Critical patent/JPS6155289A/ja
Publication of JPH0524280B2 publication Critical patent/JPH0524280B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、優れた流動性と保水性を持つ塗工液
組成物を与える紙塗工用ラテツクスに関する。 〔従来の技術〕 塗工紙に使用する塗工液組成物は、一般的には
顔料、結合剤、及び保水剤等の添加剤からなつて
いる。 従来、結合剤しては、一般にはスチレン−ブタ
ジエン系共重合体ラテツクスを中心とした合成ゴ
ム系水性分散体とカゼイン、澱粉等の水溶性天然
高分子物質が併用されている。又、顔料にはカオ
リナイトクレー、重質炭酸カルシウム等が用いら
れている。なお保水剤としては、カルボキシメチ
ルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ソ
ーダ等が従来から知られている。 グラビア印刷紙用塗工液組成物を例をとつて述
べると、オイルシヨツク以来特にやかましくなつ
て来た省エネルギーの観点からは、液組成物の高
濃度化が要求される。それは、塗工におけるエネ
ルギー消費の最大のものが、塗工後の脱水、即ち
乾燥によるものだからである。又、塗工における
生産性上(スピードアツプ)の為には、液組成物
の流動性が良いこと、即ち、粘度が高過ぎないこ
とが要求される。特に高濃度においては流動性が
低下する必然性から、流動性の良いことは更に重
要になる。又、液組成物の保水性も重要である。
保水性が低いと、塗工液水分の原紙への急激な浸
透による濃度変化によりストリーク等の操業及び
品質上のトラブルが生じるからである。又、云う
までもなく品質上グラビア印刷性(網点再現性)
が重要である。そして、これらの諸要求がすべて
バランス良く具備されることが必要であるが、こ
れらの性質はそれぞれ互いに相反する要求である
場合が多く、そこで困難な問題があると言える。 これらの諸要求特性の点から見ると、カゼイ
ン、澱粉等の水溶性天然高分子結合剤や、カルボ
キシメチルセルロース、メチルセルロース、アル
ギン酸ソーダ等の保水剤は、液組成物に対し、高
い保水性を付与する長所を有している一方で、液
組成物の流動性の点で問題がある。即ち、低剪断
速度下及び高剪断速度下における塗工液粘度が上
昇し、特に高濃度塗工液ではその傾向が顕著にな
り、塗工液の取扱や良好な塗工が困難となる欠点
を有している。又顔料の面から、流動性の改善の
ために重質炭酸カルシウムが提案されているが、
保水性の点ではカオリナイトクレーに劣る。 グラビア印刷性(網点再現性)の改善には、結
合剤は硬いものより、柔らかなものが優れている
ことは周知であり〔Tappi Journal Vol.67,No.
1,p86〜88(1984)〕、例えばスチレン−ブタジ
エン系共重合体ラテツクスのブタジエン含量を増
加するこが提案されている。そして前述の水溶性
天然高分子物質はいずれも硬い高分子物質であ
り、又、前述の保水剤も硬い高分子物質であり、
印刷性の点からはいずれも好ましくない。又、重
質炭酸カルシウムは、カオリナイトに比べ塗工紙
の平滑性を低下させるため、グラビア印刷した時
の網点再現性に悪影響を及ぼすので、印刷性の点
からは好ましくない。 〔発明が解決しようとする問題点〕 叙述のとおり、省エネルギー、生産性、品質の
点で重要な、紙塗工用成物の流動性、保水性、及
び塗工紙の平滑性等の諸性質は互いに相反する性
質であり、一方を立てれば一方が立たず、すべて
を向上させるこは、極めて困難なことが理解され
よう。 本発明の目的は、上記の諸性質をすべて満足で
きる紙塗工用組成物を与える紙塗工用ラテツクス
を提供することである。 発明者らは、上記目的達成のため鋭意研究行
い、その結果、結合剤であるアルカリ不溶性共重
合体ラテツクス及び料からなる成物に、本発明で
云うアルカリ可溶性共重合体ラテツクスを添加す
ることにより、その目的を達成し、本発明に到達
した。更に、アルカリ可溶性共重合体ラテツクス
の単量体成分組成、及びアルカリ不溶性共重合体
ラテツクスの単量体成分組成とそのゲル含有量、
更に該ラテツクスから得られるポリマーフイルム
のモジユラスを規定することによつて一層の効果
を奏することを見いだした。 〔問題点を解決するための手段と作用〕 本発明は、(A)単量体組成として、酢酸ビニル5
〜20重量%、エチレン系不飽和モノカルボン酸30
〜50重量%、炭素数が1〜8のアルキル基を有す
るアクリル酸アルキルエステル30〜65重量%から
なるアルカリ可溶性共重合体ラテツクスと、(B)ア
ルカリ可溶性共重合体ラテツクスからなる混合物
であり、かつ、(A)成分と(B)成分の混合比が固形分
換算で、50:50乃至0.5:99.5の範囲にあること
を特徴とする紙塗工用ラテツクスに関するもので
ある。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明における(A)成分のアルカリ可溶性共重合
体ラテツクスとは、後で定義するものを云うが、
単量体組成として、酢酸ビニル5〜20重量%、エ
チレン系不飽和モノカルボン酸30〜50重量%、炭
素数が1〜8のアルキル基を有するアクリル酸ア
ルキルエステル30〜65重量%からなるものであ
る。 上記エチレン系不飽和モノカルボン酸として
は、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ジ
カルボン酸のハーフエステル等が挙げられ、特に
メタクリル酸及び/又はアクリル酸が好ましい。 この単量体成分量が50重量%を超えると、乳化
重合時に多量の残渣が生じ、安定なラテツクスが
得られないし、30重量%未満では、充分な保水効
果を持つ塗工用組成物が得られない。 炭素数が1〜8のアルキル基を有するアクリル
酸アルキルエステルとしては、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート等が挙げら
れる。 この成分の量は、エチレン系不飽和モノカルボ
ン酸及び酢酸ビニルの量から必然的に決まるもの
である。 酢酸ビニルは、その量が20重量%をこえると、
乳化重合時に多量の残渣が生じ、安定なラテツク
スが得られない。又、5重量%未満では、充分な
保水効果を持つ塗工用組成物が得られない。 本発明の特徴の一つは、成分(A)のアルカリ可溶
性共重合体ラテツクスの共重合体の分子量の調節
によつて紙塗工用組成物の粘度を自由に調整でき
ることであるが、この分子量の調節には、一般に
使用されている連鎖移動剤、例えばt−ドデシル
メルカプタン、四塩化炭素、ブロモホルム、チオ
グリコール酸を用いることができる。 本発明における(B)成分のアルカリ不溶性共重合
体ラテツクスは、単量体成分組成として、ブタジ
エン60〜70重量%、エチレン系不飽和モノカルボ
ン酸1〜5重量%、アクリル酸エステル及び/又
はメタクリル酸エステルの中から選ばれる少なく
とも1種の単量体5〜25重量%、及びこれらと共
重合可能な他のビニル単量体4〜20重量%を含
み、かつ、ゲル含有量が60〜90%であり、さら
に、該ラテツクスから得られるポリマーフイルム
の100%モジユラスが3.0〜6.0Kg/cm2であるもの
であることとが好ましい。 上記のエチレン系不飽和モノカルボン酸として
は、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ジ
カルボン酸のハーフエステル、フマール酸、イタ
コン酸、マレイン酸等が挙げられ、特にフマール
酸、イタコン酸、マレイン酸などのジカルボン酸
が好ましい。 この成分が1重量%未満では、充分なラテツク
スの機械的安定性が得られず、高剪断速度下にお
ける塗工用組成物の安定性が低下し、5重量%を
超えると塗工組成物の粘度が上昇し、特に高濃度
組成物においてその傾向が顕著となり操業性が低
下する。 アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エ
ステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、2−エチルヘキシルアクリレートな
どが挙げられる。 この成分量の範囲は5〜25重量%であり、この
範囲を外れると、組成物の接着力が低下し塗工紙
の表面強度が低下するばかりでなく、塗工紙のカ
レンダー掛け工程においてカレンダーロールに塗
工組成物が付着するダステイングトラブルが発生
し易い。 ブタジエンは60〜70重量%の範囲で使用される
が、ブタジエンの量が60重量%未満では、塗工紙
の表面強度は向上するが、グラビア印刷した時の
網点再現性は低下する。一方70重量%を超える
と、網点再現性は向上するものの塗工紙の表面強
度が著しく低下し、ダステイングトラブルの原因
となる。 又、これらと共重合可能なビニル単量体とし
て、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどのニトリル基を有する化合物や、ヒドロ
キシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート等のヒドロキシ基を有するアルキル基
を持つ(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエ
ステルやスチレン、p−メチルスチレン、ビニル
トルエン、α−メチルスチレン等のエチレン系不
飽和基を持つ芳香族化合物が挙げられる。 この成分の割合は、(B)成分ラテツクスから得ら
れるポリマーフイルムの100%モジユラスが3.0〜
6.0Kg/cm2のの範囲に入るように適宜決められる。
3.0Kg/cm2未満の場合は、塗工紙の表面強度が低
下し、6.0Kg/cm2を超えた場合は、塗工紙をグラ
ビア印刷した時の網点再現性が低下する。 又、(B)成分ラテツクスのゲル含有量は60〜90%
の範囲に調整される。ゲル含有量が60%未満で
は、塗工紙の表面強度及び塗工紙の耐熱性、耐光
性が低下し、90%を超えると、塗工紙の表面強度
もグラビア印刷時の網点再現性も共に低下する。 このゲル含有量の調整には、一般に使用されて
いる連鎖移動剤、例えばt−ドデシルメルカプタ
ン、四塩化炭素、ブロモホルム、チオグリコール
酸を用いることができる。 (A)成分ラテツクス及び(B)成分ラテツクス共に、
公知の乳化重合技術で得ることができる。重合開
始剤には、通常の過硫酸塩、過酸化物、アゾ化合
物、レドツクス触媒等が、単量体に対して0.01〜
約5重量%の範囲で用いられる。特に、過硫酸ナ
トリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム
等の水溶性の過硫酸塩が好ましく、単独又はレド
ツクス系で使用される。 使用乳化剤としては、通常のアニオン性乳化剤
及び/又はノニオン性乳化剤、例えば、n−ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリエチレ
ングリコールのノニルフエニルエーテル類等が、
単量体重量の0.1〜約5重量%の範囲で用いられ
る。 乳化重合は、例えば、単量体混合物を連続的に
若しくは断続的に添加する方法や、単量体混合物
を一括仕込で行う方法をとることができる。 かくして得られる(A)成分であるアルカリ可溶性
共重合体ラテツクスの固形分は、10〜32重量%、
好ましくは25〜30重量%、(B)成分であるアルカリ
不溶性共重合体ラテツクスの固形分は、35〜60重
量%、好ましくは45〜55重量%であり、次に所定
の割合で混合され、結合剤して紙塗工用組成物に
供与される。 本発明でアルカリ可溶性共重合体ラテツクスと
は、該ラテツクスの3重量%濃度のものに3重量
%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、該混合物
のPHが7.5以上における粘度が10センチポイズ
(cps)以上で、かつ、該混合物の波長470nmの光
線透過率が40%以上のものを云う。 本発明でアルカリ不溶性共重合体ラテツクスと
は、上記の定義以外の共重合体ラテツクスを云
う。 即ち、本発明における(A)成分のアルカリ可溶性
共重合体ラテツクスは、好ましくはPH7.5未満の
酸性水性媒体中で不溶であり、PH7.5以上で可溶
化するものが良い。 該アルカリ可溶性共重合体ラテツクスを得る為
には、PH7.5未満、好ましくはPH3.0〜5.0の低PH領
域で乳化重合を行う必要がある。重合系内のPHが
7.5以上であると、安定なアルカリ可溶性共重合
体ラテツクスが得られない。 又、(B)成分のアルカリ不溶性共重合体ラテツク
スも、その安定性を考慮すると、前記アルカリ可
溶性共重合体ラテツクスと同様に重合系内のPHが
7.5未満、好ましくはPH3.0〜5.0である方が好まし
い。 本発明の紙塗工用ラテツクスは、(A)成分である
アルカリ可溶性共重合体ラテツクスと(B)成分であ
るアルカリ不溶性共重合体ラテツクスとが、固形
分換算で50:50ないし0.5:99.5の範囲で混合さ
れることを特徴とする。(A)成分であるアルカリ可
溶性共重合体ラテツクスの混合割合が、前記混合
比の50を超えて紙塗工用組成物に使用された場
合、紙塗工用組成物の増粘が激しく操業性の低下
の原因となる。また、(A)成分が前記混合比の0.5
未満で紙塗工用組成物に使用された場合、紙塗工
用組成物に充分な保水効果を与えない。 なお、本発明の紙塗工用ラテツクスの固形分は
32〜55重量%であり、粘度は700cps以下であるこ
とが使用上好ましい。又、本発明の紙塗工用ラテ
ツクスから得られるポリマーフイルムの100%モ
ジユラスは、3.0〜210Kg/cm2の範囲にあり、又ゲ
ル含有量は50〜90%の範囲に入る。 本発明で使用される(A)成分のアルカリ可溶性共
重合体ラテツクスと、(B)成分のアルカリ不溶性共
重合体ラテツクスを前記使用範囲で混合するにあ
たり、両成分のPHは、該アルカリ可溶性共重合体
ラテツクスが不溶であるPH領域、即ち、PH7.5以
下、好ましくはPH3.0〜5.5の範囲が良い。該混合
物のPHが7.5を超えると、粘度増加が激しく取扱
いが困難となる。 本発明で使用される(A)成分のアルカリ可溶性共
重合体ラテツクス及び(B)成分のアルカリ不溶性共
重合体ラテツクスは、各々別々に紙塗工用組成物
に使用することも当然可能であるが、予め混合す
ることにより、紙塗工用組成物の作成時間を飛躍
的に短縮することができる。又、従来から使用さ
れている天然高分子物質に必要な前処理工程(具
体的には、クツキング工程)が省略でき、かつ、
天然高分子物質よりはるかに高濃度の結合剤を提
供することができる。 次に、本発明の紙塗工用ラテツクスを結合剤と
して実際に紙塗工用組成物に使用する例を述べ
る。 紙塗工用組成物に使用する顔料としては、クレ
ー、炭酸カルシウム、酸化チタン、サチン白等の
紙塗工用に一般的に使用されている鉱物性顔料が
挙げられる。更に顔料分散剤、螢光染料、着色顔
料等を任意に配合することができる。 本発明の紙塗工用ラテツクスの使用量は、上記
顔料100重量部に対して、固形分換算で3〜25重
量部の範囲が好ましい。使用量が3重量部未満で
あると、顔料との接着力が低下し、塗工紙の表面
強度の低下が著しく、ダステイングトラブルの原
因となる。又、25重量部を超えて使用すると、塗
工工程において塗工組成物がロールに付着し、ロ
ール汚れの原因となるばかりでなく、塗工紙同士
が付着する所謂ブロツキングトラブルを記こすた
め好ましくない。 更に、本発明の紙塗工用ラテツクスを紙塗工用
組成物として使用する場合、該紙塗工用組成物の
PHを水溶性のアルカリ性物質により7.5〜13.0に
調整する必要がある。紙塗工用組成物のPHが7.5
未満では、(A)成分であるアルカリ可溶性共重合体
ラテツクスが完全に溶けず、塗工用組成物に充分
な保水性を付与しない。又、紙塗工用組成物のPH
が13.0を超えると、塗工用組成物の粘度増加が激
しくなり、操業性が低下する。 PH調整に用いられるアルカリ物質としては、一
般に使用されている例えば水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。 本発明の紙塗工用ラテツクスを使用する場合の
紙塗工用組成物の作成は、充分に分散された顔料
スラリー中に本発明の紙塗工用ラテツクスを添加
し、充分に撹拌した後、アルカリ性物質でPH調整
を行う方法によるのが好ましい。 本発明の紙塗工用ラテツクスを使用した紙塗工
用組成物は、通常,塗工量5.0g/m2以上で塗工
原紙に塗工される。 又、この紙塗工用組成物は、使用に先立ち必要
に応じ、カゼイン、デンプン等の水溶性天然高分
子物質を結合剤として添加することもできるし、
又、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ソ
ーダ等の保水剤との併用も当然可能である。 〔発明の効果〕 本発明によれば、保水性の良好な水溶性天然高
分子物質を少ない量にするか又は全く含有させず
に、充分な保水性を維持し、かつ、流動性の優れ
た、紙塗工用組成物を提供することができ、特に
グラビア印刷紙用塗工液組成物に対しては、網点
再現性や表面強度等の塗工紙の品質を落とすこと
なく、高濃度化による省エネとスピードアツプに
よる生産性の向上に資することができる。 〔実施例〕 次に実施例を示す。以下の%及び部は、特に断
りのない限り重量表示である。 なお、実施例における各物性の測定方法を次に
示す。 塗工液粘度:BL型粘度計(60rpm No.4スピ
ンドル)によつて25℃で測定。 表面強度(ドライピツク):明製作所(株)RI印刷
試験機を使用し、タツク10のインキで数回重
ね刷りを行い、印刷面のピツキング状態を肉
眼判定する。 保水性試験:粒度ゲージ(ヨシミツ科学(株)製)
を使用。塗工液を粒度ゲージに塗布し直ちに
塗工原紙を上からかぶせる。塗工液がゲージ
の深さ70ミクロンまで乾燥する時間を測定す
る。時間が長いほど保水性は良好。 グラビア印刷適性:大蔵省印刷局式グラビア印
刷適性試験機を用い、インクは東洋インキ製
造(株)製グラビアインキOGH91スミをザンカ
ツプNo.3で10秒になるように希釈剤で調製し
たものを用いた。印刷速度60m/min、印圧
10Kg/cm2で印刷し、1cm2あたりの網点の欠落
個数を数え、全体の網点個数に対する欠落率
を求める。欠落率が大きい程グラビア適性は
不良。 ゲル含有量:ラテツクス23℃、湿度60%で2日
間風乾し、厚みが0.1〜0.2mmのフイルムを作
成し、このフイルムを約50重量倍のトルエン
に浸漬し、3時間震盪する。その後200メツ
シユの金網で濾過し、トルエンに不溶である
ゲル部分を算出する。 モジユラス:ゲル含有量の測定と同条件で作成
したフイルムを130℃で15分間加熱処理した
後、引張試験機(TCM−500、新興通信工業
社製を使用し100%モジユラスを測定する。
引張速度は300mm/分、フイルムは幅1cm、
長さ30mm、厚み0.1〜0.2mmのものを使用。 アルカリ可溶性共重合体ラテツクスの判定: 粘度:BL型粘度計(60rpm No.2スピンドル)
によつて25℃で測定。 透過率:フオトエレクトリツクスペクトロメー
ター(平間理化研究所社製、MODEL 6B)
使用し、波長470nmで測定。 製造例 1 アルカリ可溶性共重合体ラテツクス(a−1)
の調製 滴下装置及び撹拌機を備えた耐圧重合容器に水
190部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
2.0部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム0.02
部仕込、85℃に加熱した。容器内を充分に窒素置
換後、酢酸ビニル10部、メタクリル酸35部、エチ
ルアクリレート55部、t−ドデシルメルカプタン
0.1部よりなる単量体混合物と、水35部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、水酸化
ナトリウム0.2部、過硫酸ナトリウム0.8部よりな
る水溶液とを同時に滴下し、温度を85℃に保ちな
がら3時間で滴下を終了し、更に1時間重合を継
続させた。このようにして重合率98.6%、PH4.4、
固形分30.1%、粘度6.5cpsのアルカリ可溶性共重
合体ラテツクス(a−1)得た。次に該アルカリ
可溶性共重合体ラテツクス(a−1)を水で3%
に希釈し、3%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下
しPH6.5における粘度及び透過率を測定し、本発
明で云うアルカリ可溶性共重合体ラテツクスであ
るこを確認した。結果を表1に示す。 製造例 2 アルカリ可溶性共重合体ラテツクス(a−2)
の調整 表1に示した単量体混合物を重合させた以外は
製造例1におけると同一の重合方法で、重合率
98.8%、PH4.4、固形分30%、粘度5.0cpsのアルカ
リ可溶性共重合体ラテツクス(a−2)を得た。
次に製造例1と同じ方法で、アルカリ可溶性共重
合体ラテクスであることを確認した。結果を表1
に示す。 製造例 3 アルカリ不溶性共重合体ラテツクス(b−1)
の調製 アルカリ可溶性共重合体ラテツクス(a−1)
及び(a−2)の調製に使用した重合装置を使用
し、重合容器内に水70部、平均粒径350Åの種ラ
テツクス(スチレン96%、アクリル酸4%から構
成されたスチレン−アクリル酸共重合体ラテツク
ス)1.8部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム0.1部、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
0.02部、イタコン酸3部を仕込み85℃に加熱し
た。容器内を充分に窒素置換した後、減圧にして
スチレン17部、ブタジエン60部、2−エチルヘキ
シルアクリレート20部、t−ドデシルメルカプタ
ン0.8部よりなる単量体混合物と水25部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.1部、水酸化
ナトリウム0.15部、過硫酸ナトリウム0.8部より
なる水溶液を同時に滴下し、容器内の温度を85℃
に保ちながら6時間で滴下を完了した。更に2時
間重合を続けた。このようにして重合率98.3%、
PH3.5、固形分50.6%、粘度160cpsのアルカリ不
溶性共重合体ラテツクス(b−1)を得た。次に
アルカリ不溶性共重合体ラテツクスであることを
確認した。結果を表2に示す。 製造例 4〜6 アルカリ不溶性共重合体ラテツクス(b−2)
〜(b−4)の調製 表2に示した単量体混合物を重合させた以外は
製造例3におけると同一の重合方法でラテツクス
(b−2)〜(b−4)を調製し、次にアルカリ
不溶性共重合体ラテツクスであることを確認し
た。結果を表2に示す。
【表】
【表】 実施例 1 本発明の紙塗工用ラテツクスの作成 アルカリ可溶性共重合体ラテツクス(a−1)
とアルカリ不溶性共重合体ラテツクス(b−1)
とを固形分換算で、9:91の割合で混合すること
により、PH3.7、固形分47.6%、粘度95cps(BL型
粘度計を用い、No.2スピンドルで、60rpmで測
定)の紙塗工用ラテツクス(C−1)を得た。 紙塗工用組成物の作成 紙塗工用ラテツクス(C−1)を用い、以下に
示す配合の組成物(固形分62%)を調製した後、
これを水酸化ナトリウム水溶液でPH9.5に調節す
ることにより塗工用組成物を得た。 成 分 配合量(部) クレー(EMC社製HT) 85 炭酸カルシウム (丸尾カルシウム社製スーパー1700) 15 分散剤(東亜合成社製アロンT−40) 0.3 ラテツクス(C−1) 11 この塗工用組成物の粘度及び保水性を測定し、
次に市販の中質紙に塗工量14g/m2で塗工し、表
面強度及びグラビア印刷試験を行つた。結果を表
3に示す。 実施例 2〜8 (A)成分と(B)成分を表3及び表4に示した組合せ
で混合して紙塗工用ラテツクスを作成し、これを
使用して紙塗工用組成物を作成した。結果を表3
及び表4に示す。 比較例 1〜2 製造例1と同様な重合法で、表5に示す単量体
成分組成で、(A)成分であるアルカリ可溶性共重合
体ラテツクスの単量体組成が本発明の範囲を外れ
た場合の重合を行ないラテツクス(a−3)、(a
−4)を得た。この(A)成分を表5に示す(B)成分と
の組合せで混合して使用し、紙塗工用組成物を作
成した。結果を表5に示す。 比較例 3〜4 製造例1と同様の重合法で、表5に示す単量体
成分組成で、(B)成分であるアルカリ不溶性共重合
体ラテツクスの単量体組成及び該ラテツクスから
得たポリマーフイルムの100%モジユラスが本発
明の範囲を外れた場合の重合を行ないラテツクス
(b−5)、(b−6)を得た。この(B)成分を表5
に示す(A)成分との組合せで混合して使用し、紙塗
工用組成物を作成した。結果を表5に示す。 比較例 5、6 製造例1と同一の重合法で、表6に示す単量体
成分組成で、(B)成分であるアルカリ不溶性共重合
体ラテツクスのゲル含有量が本発明の範囲を外れ
た場合の重合を行ないラテツクス(b−7)、(b
−8)を得た。この(B)成分を表6に示す(A)成分と
の組合せで混合して使用し、紙塗工用組成物を作
成した。結果を表6に示す。 比較例 7〜8 製造例1で得たアルカリ可溶性共重合体ラテツ
クス(a−1)及びアルカリ不溶性共重合体ラテ
ツクス(b−1)の重合比が本発明の範囲を外れ
た場合の結果を表6に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A)単量体組成として、酢酸ビニル5〜20重量
    %、エチレン系不飽和モノカルボン酸30〜50重量
    %、炭素数が1〜8のアルキル基を有するアクリ
    ル酸アルキルエステル30〜65重量%からなるアル
    カリ可溶性共重合体ラテツクスと、(B)アルカリ不
    溶性共重合体ラテツクスからなる混合物であり、
    かつ、(A)成分と(B)成分の混合比が固形分換算で、
    50:50ないし0.5:99.5の範囲にあることを特徴
    とする紙塗工用ラテツクス。 2 (B)成分が単量体組成としてブタジエン60〜70
    重量%、エチレン系不飽和カルボン酸1〜5重量
    %、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸
    エステルの中から選ばれた少なくとも1種の単量
    体5〜25重量%、及びこれらの共重合可能な他の
    ビニル単量体4〜20重量%を含み、かつ、ゲル含
    有量が60〜90%であるアルカリ不溶性共重合体ラ
    テツクスであり、かつ、該ラテツクスから得られ
    たポリマーフイルムの100%モジユラスが3.0〜
    6.0Kg/cm2である特許請求の範囲第1項記載の紙
    塗工用ラテツクス。 3 グラビア印刷紙用ラテツクスであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の紙塗工用ラ
    テツクス。
JP17040684A 1984-08-17 1984-08-17 紙塗工用ラテツクス Granted JPS6155289A (ja)

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WO1995011342A1 (de) * 1993-10-19 1995-04-27 Basf Aktiengesellschaft Bindemittelmischungen für papierstreichmassen
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