JPH05242279A - 光学的情報読取装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 読取対象からの距離にかかわらず、読取対象
上の光学的情報の読取不良を防止し、十分な読取性能を
得ることのできる光学的情報読取装置の提供。 【構成】 結像レンズ２７は、レンズ移動用つまみ４
３により主光軸方向に移動してイメージセンサ２９との
距離を調整可能に構成されている。また、距離センサ３
３により測定した読取対象４０との距離に基づき、結像
された映像情報の焦点が合っているか否かを判断し、合
っていない場合はブザー３５で報知する。イメージセン
サ２９から出力され増幅された電気信号レベルが所定の
範囲となるよう照明用ＬＥＤ２１の輝度自体を変化可能
にされている。また、現在の走査位置等を示すためのガ
イド光光源３１は、結像レンズ２７よりも読取対象４０
側にあり結像レンズ２７を通していないため、距離を離
しても読取対象４０上においてガイド光表示が大きくな
り暗くなることもなく確実に判別できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、バーコード等の光学的
情報を読み取る読取装置に係り、特に読取り口径よりも
大きな読取対象の読取りをも可能にした光学的情報読取
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、バーコード、ＯＣＲ文字等の
光学的情報を記録したラベル等の読取対象に対し、照明
手段により照明光を照射し、その反射光による情報映像
を結像用光学系により読取手段（イメージセンサ）の表
面に結像させ、この映像を読取手段の電子走査方式によ
る読取作動により電気信号に変換する光学的情報読取装
置が知られている。

【０００３】そして、操作者が読取装置自体を動かして
読み取りを行う場合、走査している場所が操作者に分か
り難く、主に勘に頼るため、狙った読取対象に走査位置
を合わせられなかったり、読取対象同士が密集している
場合、誤って他の読取対象を読み取ってしまうという不
都合が生じる。そのため、読取手段の表面の一部、詳し
くは読取ラインの両端よりガイド光を発し、結像用光学
系を通して読取対象上にガイド光表示を行い、現在の読
取位置及び読取可能範囲を認識すると共に、ガイド光表
示の大きさ、コントラスト等により焦点距離が合ってい
るかどうかを認識可能にしたものが知られている。

【０００４】また、近年はバーコードが段ボールに印刷
されるなどして、光学的情報読取装置の口径より大きな
バーコードもあり、このように口径よりも大きな読取対
象を読み取る場合には、装置自体を読取対象から離す必
要がある。そして一つの光学的情報読取装置によって、
その読取口に近接した読取対象と、読取口から離れた読
取対象とを共に読取可能にしたいという要求がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、光学的
情報読取装置を読取対象から離して読み取ろうとする場
合、結像用光学系と読取対象との距離によっては読取手
段において結像した際に合焦しないという問題が生じ
る。また、いわゆるオートフォーカスのように、結像用
光学系を移動させて自動的に焦点を合わすものもある
が、大きな読取対象を読み込むために読取装置自体を読
取対象から離すと、照明手段と読取対象との距離が大き
くなり、読取対象上での照度が不足する場合も生じる。
一方、照明手段と読取対象との距離が大きくなった場合
を想定し、読取対象上での照度を保つために照明手段の
輝度を増しておくと、例えば周囲が明るい環境下では、
逆に明るすぎるために読み取りができなくなる場合も生
じる。

【０００６】さらに、上記ガイド光表示は、現在の走査
位置や読取可能範囲、焦点のずれを操作者が認識するこ
とはできるが、大きな読取対象を読み込むために光学的
情報読取装置と読取対象との距離を離すと、ガイド光表
示が大きくなると共に暗くなり、周囲の環境が明るいと
ガイド光表示自体を判別できなくなる。

【０００７】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
ので、読取対象からの距離にかかわらず、読取対象上の
光学的情報の読取不良を防止し、十分な読取性能を得る
ことのできる光学的情報読取装置を提供することを目的
としている。

【０００８】

【課題を解決するための手段及び作用】即ち、この目的
を達成するためになされた本発明の光学的情報読取装置
は、光学的情報の記載された読取対象に光を照射する照
射手段と、上記読取対象から反射してくる反射光による
情報映像を所定の読取位置に結像させる結像用光学系
と、上記映像情報を電子走査方式の読取作動により電気
信号に変換して、上記光学的情報を読み取る読取手段と
を備えた光学的情報読取装置において、上記結像用光学
系と上記読取手段との距離を調整可能に構成すると共
に、上記読取対象との距離を測定する距離センサと、該
距離センサにより測定した距離に基づき、結像された上
記映像情報の焦点が合っているか否かを判断する合焦判
断手段と、上記読取手段における電気信号レベルが所定
の範囲となるよう上記照射手段の輝度を変化させる輝度
制御手段と、上記結像用光学系よりも上記読取対象側に
設けられ、ガイド光を上記読取対象の表面に照射してガ
イド光表示を行うガイド光表示手段と、を備えたことを
特徴とする。

【０００９】上記のように構成された本発明の光学的情
報読取装置においては、照射手段が光学的情報の記載さ
れた読取対象に光を照射し、結像用光学系によって、読
取対象から反射してくる反射光による情報映像を所定の
読取位置に結像させ、読取手段により、映像情報を電子
走査型の読取作動により電気信号に変換して光学的情報
を読み取る。

【００１０】この読み取る際、ガイド光表示手段が、ガ
イド光を読取対象の表面に照射してガイド光表示を行う
ので、現在の走査位置及び読取可能範囲が一目で判り目
的の読取対象を確実に走査することができる。そして、
このガイド光表示手段は結像用光学系よりも読取対象側
に設けられており、従来のもののように結像用光学系を
通していない。そのため、読取装置と読取対象との距離
を離しても、読取対象上においてガイド光表示が大きく
なりその結果暗くなることもほとんどなく、ガイド光表
示を確実に判別できる。

【００１１】こうしてガイド光表示を利用して、読取対
象が読み取れる位置に読取装置自体を移動させる。読取
対象の大きさによって、読取装置の読取対象からの距離
は変わってくるが、距離センサが読取対象との距離を測
定し、合焦判断手段が、距離センサにより測定した距離
に基づき、結像された映像情報の焦点が合っているか否
かを判断する。そして、結像用光学系と読取手段との距
離は調整可能に構成されているので、例えば合焦判断手
段の判断結果に基づき、自動的に合焦させるようにした
り、または、合焦状態を光や音で表示させ、操作者が手
動で距離調整をして合焦させるようにする。

【００１２】一方、輝度制御手段が、読取手段における
電気信号レベルが所定の範囲となるよう照射手段の輝度
を変化させる。従って、周囲の明るさに左右されず、適
正な輝度によって読取対象は照射され、読取対象上の光
学的情報の読取不良を防止し、十分な読取性能を得るこ
とができる。

【００１３】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。図１は、本発明の光学的情報読取装置の一実施例と
して構成されたハンディタイプのバーコードリーダ１の
一部破断断面図である。図１に示す如く、本バーコード
リーダ１は、電源８、コントロールユニット１０、照射
手段としての照明用ＬＥＤ２１、集光レンズ２３、平面
反射鏡２５、結像レンズ２７、一次元の固体撮像素子で
あるイメージセンサ２９、ガイド光光源３１、距離セン
サ３３、ブザー３５、トリガスイッチ３７等を備えてい
る。

【００１４】照明用ＬＥＤ２１からの照明光は、集光レ
ンズ２３を通してバーコードＢ等の光学的情報が記載さ
れた読取対象４０に光を集束させて照射される。そし
て、その読取対象４０からの反射光を平面反射鏡２５が
反射して結像レンズ２７に導き、この結像レンズ２７が
所定位置にあるイメージセンサ２９上に情報映像（本実
施例ではバーコードイメージ）を結像させる。コントロ
ールユニット１０は、この結像された情報映像に対応す
る電気信号を取り込み、増幅処理、２値化処理、デコー
ド処理を行って、光学的情報を解読するものである。

【００１５】上述した結像レンズ２７は、レンズ移動用
つまみ４３により、その主光軸方向に移動可能にされて
いる。また、ガイド光光源３１は結像レンズ２７よりも
平面反射鏡２５側に位置されており、ガイド光光源３１
からのガイド光は、結像レンズ２７を通過することなく
平面反射鏡２５によって反射されて読取対象４０上に結
像するようにされている。なお、このガイド光光源３１
としては、発光ダイオード、レーザ等を用いるとよい。

【００１６】距離センサ３３は、読取対象４０とバーコ
ードリーダ１との距離を測定するもので、バーコードリ
ーダ１の読取開口の近傍に設けられている。また、ブザ
ー３５は、イメージセンサ２９上で焦点が合っているこ
とを音で操作者に知らせるためのものである。

【００１７】次に、本実施例のバーコードリーダ１を用
いてバーコードＢを読み取る場合の作動について説明す
る。ガイド光光源３１からのガイド光を読取対象４０の
表面に照射してガイド光表示を行う。図１に示したもの
は、ガイド光光源３１が２つであり、バーコードＢの両
端２箇所にガイド光ＧＬを当てることにより、操作者
は、本バーコードリーダ１の現在の走査位置及び読取可
能範囲を知ることができるようにされている。

【００１８】なお、ガイド光ＧＬの数及びそれらを当て
る位置については、図２（Ａ）のようにバーコードＢの
両端２箇所にガイド光ＧＬを当てる以外にも、図２
（Ｂ）〜（Ｄ）に示すように種々考えられる。このよう
に、ガイド光ＧＬにより現在の走査位置及び読取可能範
囲が一目で判り目的の読取対象を確実に走査することが
できる。

【００１９】そして、このガイド光光源３１は結像レン
ズ２７よりも平面反射鏡２５側、即ち読取対象４０側に
設けられており、結像レンズ２７を通さないため、バー
コードリーダ１と読取対象４０との距離を離しても、読
取対象４０上においてガイド光ＧＬが大きくなって暗く
なることもほとんどなく確実に判別できる。

【００２０】このようにして、ガイド光ＧＬを利用して
読み取りたい読取対象４０にバーコードリーダ１を向け
た後、トリガスイッチ３７が押されると、距離センサ３
３が作動して読取対象４０とバーコードリーダ１との距
離が測定される。コントロールユニット１０は、その測
定された距離に基づきイメージセンサ２９上で結像され
た映像情報の焦点が合っているか否かを判断し、合って
いない場合には、ブザー３５を鳴らして操作者に知らせ
る。操作者は、レンズ移動用つまみ４３を操作して結像
レンズ２７を移動させ、焦点を合わす。具体的には、ブ
ザー３５が鳴らない位置に移動させればよい。

【００２１】また、トリガスイッチ３７が押されると、
照明用ＬＥＤ２１からの照明光が読取対象４０に照射さ
れ、反射光によるバーコードＢの情報映像がイメージセ
ンサ２９上に結像する。イメージセンサ２９は反射光の
強弱に応じた電気信号を発生してコントロールユニット
に送る。コントロールユニット１０は、上述したよう
に、この電気信号を増幅、２値化、デコード処理を行う
のであるが、バーコードリーダ１と読取対象４０との距
離が大きいと、読取対象４０からの反射光が弱くなり、
バーコードデータへの変換ができない場合がある。この
バーコードデータへの変換ができるか否かの判断は、例
えば増幅後の電気信号レベルを所定の下限値と比較する
ことで判断可能である。

【００２２】従って、コントロールユニット１０は、イ
メージセンサ２９の露光時間を長くしたり、増幅率を大
きくしたりして信号レベルを上げるが、まだ上記下限値
に達しない場合がある。この場合には、照明用ＬＥＤ２
１の輝度を大きくし、読取対象４０からの反射光をさら
に強くし、デコードを行う。

【００２３】逆に、周囲が明るすぎて読取対象４０から
の反射光が強すぎ、イメージセンサ２９の電気出力が飽
和してしまい、バーコードＢのイメージを正確に電気信
号に変換できない場合がある。この場合には、照明用Ｌ
ＥＤ２１の輝度を小さくし、イメージセンサ２９の電気
出力が飽和しないようにする。照明用ＬＥＤ２１を消灯
してもデコードできない場合には、露光時間を短くした
り、増幅率を小さくして信号レベルが所定の上限値を下
回るように制御する。

【００２４】このように、露光時間及び増幅率の変化に
よる調整に加え、照明用ＬＥＤ２１の輝度自体を変化さ
せることで、イメージセンサ２９の受光素子の電気信号
レベルを、デコードが可能な適正範囲内に収めること
で、読取対象４０上のバーコードＢの読取不良を防止
し、十分な読取性能を得ることができる なお、上記ガイド光表示、距離センサ３３の作動、照明
用ＬＥＤ２１からの照明光の照射を、トリガスイッチ３
７が押されると同時に作動し始めるようにしてもよい。
また、例えばコントロールユニット１０において、イメ
ージセンサ２９上で結像された映像情報の焦点が合った
と判断された場合には、ガイド光光源３１を一旦消灯す
るようにしてもよい。そして、再度トリガスイッチ３７
が押されたときに点灯させれば、次のバーコードＢに対
して同様に読取範囲等を知ることができる。

【００２５】上述したように、光学的情報を読み取る
際、ガイド光ＧＬを読取対象の表面に照射してガイド光
表示を行うので、現在の走査位置及び読取可能範囲が一
目で判り目的の読取対象を確実に走査することができ
る。そして、このガイド光光源３１は結像レンズ２７よ
りも読取対象４０側にあり、従来のもののように結像レ
ンズ２７を通していない。そのため、バーコードリーダ
１と読取対象４０との距離を離しても、読取対象４０上
においてガイド光表示が大きくなって暗くなることもほ
とんどなく確実に判別できる。

【００２６】また、距離センサ３３により測定した距離
に基づき、結像された映像情報の焦点が合っているか否
かを判断し、結像レンズ２７を移動させて合焦させて
も、読取対象との距離や、周囲の明るさによっては反射
光が強すぎたり、弱すぎたりする場合がある。この際、
本実施例では露光時間及び増幅率の変化に加え、照明用
ＬＥＤ２１の輝度も変化させて、読取手段における電気
信号レベルが適正範囲となるように制御する。従って、
周囲の明るさに左右されず、適正な輝度によって読取対
象は照射され、読取対象上の光学的情報の読取不良を防
止し、十分な読取性能を得ることができる。

【００２７】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。例えば、イメージセン
サ２９上で焦点が合っているか否かを操作者に知らせる
手段としては、上述したブザー３５に限らず、発光ダイ
オードを用いて視覚に訴えるようにしても良いし、その
両方を用いて、視覚及び聴覚に訴えるようにしてもよ
い。

【００２８】また、結像レンズ２７を、レンズ移動用つ
まみ４３により主光軸方向に移動させるようにしたが、
モータを用いて自動的に焦点があうように構成してもよ
い。さらに、イメージセンサ２９の露光時間を変化させ
たが、電子シャッター等シャッター機能を有するセンサ
を用いてもよい。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の光学的情報
読取装置によれば、読取対象からの距離にかかわらず、
読取対象上の光学的情報の読取不良を防止し、十分な読
取性能を得ることのできるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の光学的情報読取装置の一実施例として
構成されたハンディタイプのバーコードリーダの一部破
断断面図である。

【図２】ガイド光の数及びバーコードに対して当てる位
置を示す概略説明図である。

【符号の説明】

Ｂ…バーコード、 ＧＬ…ガイド光、 １
…バーコードリーダ、１０…コントロールユニット、
２１…照明用ＬＥＤ、 ２３…集光レンズ、２５…平面
反射鏡、 ２７…結像レンズ、 ２９…イメ
ージセンサ、３１…ガイド光光源、 ３３…距離セ
ンサ、 ３５…ブザー、３７…トリガスイッチ、
４０…読取対象

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野尻 忠雄 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 高田 邦宏 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 望月 邦浩 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 鴻巣 光司 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 渡辺 武 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 杉浦 秋男 愛知県刈谷市昭和町１丁目１番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 光学的情報の記載された読取対象に光を
   照射する照射手段と、 上記読取対象から反射してくる反射光による情報映像を
   所定の読取位置に結像させる結像用光学系と、 上記映像情報を電子走査方式の読取作動により電気信号
   に変換して、上記光学的情報を読み取る読取手段とを備
   えた光学的情報読取装置において、 上記結像用光学系と上記読取手段との距離を調整可能に
   構成すると共に、 上記読取対象との距離を測定する距離センサと、 該距離センサにより測定した距離に基づき、結像された
   上記映像情報の焦点が合っているか否かを判断する合焦
   判断手段と、 上記読取手段における電気信号レベルが所定の範囲とな
   るよう上記照射手段の輝度を変化させる輝度制御手段
   と、 上記結像用光学系よりも上記読取対象側に設けられ、ガ
   イド光を上記読取対象の表面に照射してガイド光表示を
   行うガイド光表示手段と、 を備えたことを特徴とする光学的情報読取装置。