JPH0524150U - 鋳型の型抜き装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳枠内の鋳型をこれの下方から押し上げて、
鋳型を鋳枠から抜くようにした鋳型の型抜き装置におい
て、鋳型を押し抜く押抜きヘッドを昇降させるシリンダ
の寿命を長くする。 【構成】 シリンダのピストンロッドと押抜きヘッドと
を水平に延びる可動フレームを介し連結して、シリンダ
と押し抜きヘッドとを互いに水平方向へ離した状態に配
設して、鋳枠内から落下する鋳物砂がシリンダ等に直接
かからないようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、注湯後の鋳型を内蔵する鋳枠からその鋳型を押し抜くいわゆる鋳型 の型抜き装置の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、鋳型の型抜き装置のーつとして、特開昭５９ー８５３６２号公報で開示 されるように、上向きのシリンダによって昇降される押抜きヘッドにより、鍔付 きローラコンベヤによって移送されてきた鋳枠の注湯済鋳型を、この鋳型の下方 から上方へ押し上げて抜き出すように構成されたものがある。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、このような従来の鋳型の型抜き装置では、鋳枠と押抜きヘッドとの隙 間を通って落下した高温の鋳物砂が、前記シリンダのピストンロッドや、押抜き ヘッドのガイドロッドに付着したり、シリンダ蓋とピストンロッドとの隙間や、 ガイドロッドとガイドロッドホルダとの隙間に侵入し、これに伴ってシリンダの 伸縮作動が不可能になったり、押抜きヘッドが昇降不能になるなどの問題があっ た。しかも、この従来の鋳型の型抜き装置では、鋳型を押し上げてピストンが伸 長している状態のときに、押抜きヘッド上の鋳型が横方向の力によって押抜きヘ ッド上から押し出されるようになっているため、前記ピストンロッドに曲げモー メントがかかり、このことが繰り返されてピストンロッドとシリンダ蓋との隙間 や、ガイドロッドとガイドロッドホルダとの隙間が大きくなり、その結果、それ らの隙間に鋳物砂が侵入しやすくなり、上述した問題の進行が加速されるなどの 問題もあった。 本考案は上記の問題を解消するために成されたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために本考案の鋳型の型抜き装置は、シリンダのピストン ロッドと押抜きヘッドとを水平に延びる可動フレームを介し連結して、シリンダ と押抜きヘッドとを互いに水平方向へ離した状態に配設し、この結果、鋳物砂が 直接シリンダ上やガイドロッド上等に落下しないこととなる。

【０００５】

【実施例】

実施例について図面に基づき説明すると、ー部断面正面図である図１に示すよ うに、複数の柱を立設して門型状に構成した基台１には下向きのシリンダ２がブ ラケット３を介して枢支され、シリンダ２のピストンロッド２ａの下端には、水 平に延びる可動フレーム４が中央付近でブラケット５を介してピン連結されてい る。この可動フレーム４の右側部には、鋳枠７の内側寸法に近い外側寸法を有す る四角柱状の押抜きヘッド６が立設されており、押抜きヘッド６は、後述する鍔 付きローラコンベヤ９と鋳枠７を上下に貫通可能であり、かつ上端部が平坦状を 成し、さらに上部に鋳枠７の内面を清掃するブラシ８が装着されている。また、 押抜きヘッド６の上方には鋳枠７を前後方向へ移送する鍔付きローラコンベヤ９ が設置され、鍔付きローラコンベヤ９における前記押抜きヘッド６の直上方位置 には、鋳枠７の上昇を阻止するストッパ１０が鍔付きローラコンベヤ９と所要の 間隔をおき前記基台１に装着されて配設されており、ストッパ１０は内部を鋳型 Ｍが通過可能なように四角筒状を成している。

【０００６】 また、前記可動フレーム４の左側部には、上方へ延びる支持部材１１の下部が 固着され、支持部材１１の上・下位置には２個の車輪１２、１２が垂直面内で回 転可能に装着されている。２個の車輪１２、１２には、これらを上下方向へ案内 するー対のガイドレール１３、１３が係合されており、ガイドレール１３、１３ は前記基台１に装着されている。 また、前記ストッパ１０の上方には、押抜きヘッド６上の鋳型Ｍを右方へ押し 出す押出しヘッド１４が、台車１５を介して左右方向へ往復移動可能に配設され ており、押出しヘッド１４は上端部で台車１５の右端に固着されている。台車１ ５は前記基台１上に左右方向へ移動可能に配設されており、さらに台車１５上に は、基台１上に枢支した横向きシリンダ１６のピストンロッドの先端がピン連結 されている。 なお、図中１７はホッパ、１８は砂飛散防止用のゴム廉である。

【０００７】 次に、このように構成された装置の作動について説明する。図１に示すように 、注湯済の鋳型Ｍを内蔵しかつ鍔付きローラコンベヤ９上を間欠的に移送された 鋳枠７を、押抜きヘッド６の直上方位置にー時停止させる。次いで、シリンダ２ を収縮作動すると、可動フレーム４は支持部材１１、車輪１２、１２およびガイ ドレール１３、１３を介して安定した状態で上昇され、この可動フレーム４の上 昇に伴って押抜きヘッド６が上昇される。上昇する押抜きヘッド６は鋳型Ｍとー 緒に鋳枠７を押し上げるが、鋳枠７はストッパ１０により上昇を阻止されて鋳型 Ｍだけが押し上げられ、その結果、鋳型Ｍは、押し上げられて鋳枠７から押し抜 きされた後、２点鎖線で示すように、ストッパ１０内を通ってストッパ１０の上 方へ押し上げられることとなる。次いで、シリンダ１６を伸縮作動して、押出し ヘッド１４により、押抜きヘッド６上の鋳型Ｍを右方へ押し出し、続いて、シリ ンダ２を収縮作動して、可動フレーム４、押抜きヘッド６等を下降させて１サイ クルを終了する。

【０００８】

【考案の効果】

以上の説明からも明らかなように本考案は、シリンダのピストンロッドと押抜 きヘッドとを、水平に延びる可動フレームを介し連結して、シリンダと押抜きヘ ッドとを互いに水平方向へ離した状態に配設したから、従来のこの種の装置のよ うに、落下する鋳物砂がピストンロッドやガイドロッドに付着したり、シリンダ 蓋とピストンロッドとの隙間や、ガイドロッドとガイドロッドホルダとの隙間に 鋳物砂が侵入したり、ピストンロッドやガイドロッドに曲げモーメントがかかっ たりすることはなく、したがって、シリンダやガイドロッドの寿命が長くなると ともに、これらのメンテナンスが容易になるなどの優れた実用的効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のー実施例を示すー部断面正面図であ
る。

【符号の説明】

２ シリンダ ４ 可動フレーム ６ 押抜きヘッド ７ 鋳枠 ９ 鍔付きローラコンベヤ １０ ストッパ １１ 支持部材 １２ 車輪 １３ ガイドレール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 水平に延びる可動フレーム４を、この可
   動フレーム４の中央付近に連結したシリンダ２をもって
   昇降可能にして配設し、前記可動フレーム４のー側部に
   は、上下方向へ指向して鋳枠７内の鋳型を押し抜く押抜
   きヘッド６を装着し、この押抜きヘッド６の上方には、
   前記鋳枠７を移送しかつ前記押抜きヘッド６が上下方向
   へ貫通可能な鍔付きローラコンベヤ９を設置し、この鍔
   付きローラコンベヤ９の上方における前記押抜きヘッド
   ６の直上方位置には、前記鋳枠７の上昇を阻止するスト
   ッパ１０を前記鍔付きローラコンベヤ９と所要の間隔を
   おいて固定配設し、前記可動フレーム４の他側部には、
   支持部材１１を介しかつ上下方向へ所要の間隔をおいて
   ２個の車輪１２、１２を垂直面内で回転自在に装着し、
   さらに、前記支持部材１１付近には、前記２個の車輪１
   ２、１２を上下方向へ案内するガイドレール１３、１３
   を固定配設したことを特徴とする鋳型の型抜き装置。