JPH05240815A - 誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装置 - Google Patents

誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装置

Info

Publication number
JPH05240815A
JPH05240815A JP32744492A JP32744492A JPH05240815A JP H05240815 A JPH05240815 A JP H05240815A JP 32744492 A JP32744492 A JP 32744492A JP 32744492 A JP32744492 A JP 32744492A JP H05240815 A JPH05240815 A JP H05240815A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
induction heating
inspected
surface temperature
temperature
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32744492A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Endo
敏夫 遠藤
Tomiichi Yagi
富一 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Publication of JPH05240815A publication Critical patent/JPH05240815A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ワイヤ等の取扱い跡のように放射率が周囲の
正常部よりも低下する部分を有する被検査部材について
も精度よく表面欠陥が検出できる誘導加熱探傷法および
誘導加熱探傷装置を提供する。 【構成】 本発明の誘導加熱探傷法は、誘導加熱の影響
がない、誘導加熱前や誘導加熱後一定時間経過後に、補
正用放射温度計3にて補正用データを測定しておき、そ
のデータにより誘導加熱後の探傷用放射温度計2の測定
データを補正し、補正探傷データを得ることを特徴とす
るものである。また、本発明の誘導加熱探傷装置は、電
磁誘導加熱手段1と、表面温度測定手段と、演算処理手
段5と、出力手段6とを備えてなり、演算処理手段5に
より、表面温度測定手段の補正用放射温度計3にて得ら
れた誘導加熱前や誘導加熱後一定時間経過後の補正用デ
ータにより、探傷用放射温度計2により得られた誘導加
熱後の測定データを補正し、補正探傷データを得るよう
構成されてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼材の誘導加熱探傷法お
よび誘導加熱探傷装置に関する。さらに詳しくは、測定
精度が向上された誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に同一材質の鋼材を誘導加熱した場
合の表面温度は、表面を流れる誘導電流(渦電流)の電
流密度により決まる。その際に、誘導電流の浸透深さが
表面欠陥よりも浅くなるような周波数を有する電流を用
いると、表面欠陥に沿って誘導電流が流れるため、いわ
ゆるエッジ効果により表面欠陥がある部位(以下、傷部
という)の温度が、表面欠陥がない部位(以下、正常部
という)よりも高くなる。したがって、従来の誘導加熱
探傷法においては、放射温度計によりこの表面温度が高
くなった部分を検出することにより、傷部を検出してい
た。
【0003】しかしながら、放射温度計により被検査部
材の表面温度を測定した場合、放射温度計による測定値
は被検査部材の表面の放射率の影響を受けているため、
必ずしも傷部のみを検出できるとは限らない。というの
は、例えば、被検査部材にワイヤ等の取扱い跡(こすれ
による黒皮はがれ部)などがあると、その部分は金属光
沢を有するようになるため、その部分の放射率εは低下
する。その結果、表面温度は真の表面温度よりも低く測
定されることになる(図9参照)。そのため移動平均値
が下がり、ワイヤ等の取扱い跡の周囲の放射率εの高い
正常部が、傷部として誤検出されるという問題がある。
【0004】なお、図9は放射温度計(検出波長8〜1
3μm)の測定値と真の温度との関係を表したグラフで
ある。
【0005】ところで、誘導電流の浸透深さは比透磁率
と電流周波数との積の平方根に反比例するので、非磁性
材のように比透磁率の小さな素材の場合、電流周波数を
非常に高くしないと、浸透深さを表面欠陥の深さよりも
浅くすることはできない。したがって、現状においては
非磁性材に対する経済的な誘導加熱探傷法は見出されて
いない。そのため、ワイヤ等の取扱い跡のように放射率
εが周囲の正常部よりも低下する部分についての有効な
補正方法も見出されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる従来技
術の問題点に鑑みなされたものであって、ワイヤ等の取
扱い跡のように放射率が周囲の正常部よりも低下する部
分を有する被検査部材にについても精度よく表面欠陥が
検出できる誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装置を提
供することを主たる目的とし、併せて非磁性材の表面欠
陥を精度よく検出することができる誘導加熱探傷法およ
び誘導加熱探傷装置を提供することをも目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく鋭意研究した結果、誘導加熱の影響がなく表
面温度が均一と考えられるときに、被検査部材の表面温
度を放射温度計により測定し、それにより見かけ上の表
面温度の分布を知り、そのデータを用いて、またはさら
に接触温度計などの温度計により測定した表面温度をも
用いて、誘導加熱探傷時の表面温度を補正すれば、ワイ
ヤ等の取扱い跡のように放射率が周囲の正常部よりも低
下する部分を有する部位についても精度よく誘導加熱探
傷が行えることを見出し本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の誘導加熱探傷法は、電
磁誘導により被検査部材に誘導電流を生じせしめ、該誘
導電流によるジュール熱によって前記被検査部材を誘導
加熱し、その際に前記被検査部材の表面に生じる温度分
布を測定することにより、前記被検査部材の表面欠陥を
検出する誘導加熱探傷法であって、誘導加熱の影響がな
い状態において被検査部材の表面温度を測定する工程
と、誘導加熱がなされた状態において被検査部材の表面
温度を測定する工程と、前記誘導加熱の影響がない状態
において測定された被検査部材の表面温度データによ
り、前記誘導加熱がなされた状態において測定された被
検査部材の表面温度データを補正する工程とを含んでな
ることを特徴としている。
【0009】また、本発明の誘導加熱探傷装置は、電磁
誘導加熱手段と、表面温度測定手段と、演算処理手段
と、出力手段とを備えてなる誘導加熱探傷装置であっ
て、前記電磁誘導加熱手段により、被検査部材が誘導加
熱され、前記表面温度測定手段により、誘導加熱がなさ
れた状態における被検査部材の表面温度、および誘導加
熱の影響がない状態における被検査部材の表面温度が測
定され、前記演算処理手段により、前記誘導加熱の影響
がない状態における被検査部材の表面温度データによ
り、前記誘導加熱がなされた状態における被検査部材の
表面温度データの補正がなされ、前記出力手段により補
正後の測定結果が出力されることを特徴としている。
【0010】なお、非磁性材においては前述のごとく経
済的な誘導加熱探傷法が見出されていないため、本発明
者らはさらに研究を重ねた結果、表面欠陥の深さより浸
透深さが深くなる周波数を有する電流を用いて誘導加熱
を行った場合には、誘導電流が傷部を迂回することによ
り傷部周辺の表層での電流密度が低下し(図1参照)、
そのため誘導加熱中の表面温度の上昇は、傷部が正常部
よりも小さくなり、その結果、傷部の温度が正常部のそ
れよりも低くなること(図2参照)を見出すとともに、
誘導加熱後一定時間経過したときは、傷部の温度が正常
部のそれよりも高くなるが、そのときの温度差よりも、
誘導加熱中の傷部と正常部の温度差の方が大きいこと
(図2参照)も見出した。したがって、非磁性材の誘導
加熱探傷においては、誘導加熱中もしくは誘導加熱直後
に、被検査部材の表面温度が周囲よりも低くなる部位を
検出すれば、表面欠陥の探傷が行えるのがわかる。この
場合、何の補正も行わなければ、ワイヤ等の取扱い跡の
ように放射率が周囲の正常部よりも低下する部分も表面
欠陥として判定されることになるが、本発明の誘導加熱
探傷法は、このような部分についても有効に適用するこ
とができる。
【0011】さらに、本発明の非磁性材に対する他の誘
導加熱探傷法は、電磁誘導により非磁性材からなる被検
査部材に誘導電流を生じせしめ、該誘導電流によるジュ
ール熱によって前記被検査部材を誘導加熱し、その際に
前記被検査部材の表面に生じる温度分布を測定すること
により、前記被検査部材の表面欠陥を検出する誘導加熱
探傷法であって、誘導加熱がなされた状態において被検
査部材の表面温度を測定する工程と、誘導加熱から所定
時間経過後において被検査部材の表面温度を測定する工
程と、前記両工程における測定により得られた表面温度
を基準温度と比較し、誘導加熱がなされた状態における
被検査部材の表面温度が前記基準温度よりも低く、か
つ、誘導加熱から所定時間経過後における被検査部材の
表面温度が基準温度よりも高い場合に表面欠陥があると
判定する工程とを含んでなることを特徴としている。
【0012】また、本発明の非磁性材に対する誘導加熱
探傷装置は、電磁誘導加熱手段と、表面温度測定手段
と、演算処理手段と、出力手段とを備えてなる非磁性材
用誘導加熱探傷装置であって、前記電磁誘導加熱手段に
より、被検査部材が誘導加熱され、前記表面温度測定手
段により、誘導加熱がなされた状態における被検査部材
の表面温度、および誘導加熱から所定時間経過後におけ
る被検査部材の表面温度が測定され、前記演算処理手段
により、誘導加熱がなされた状態における被検査部材の
表面温度、および誘導加熱から所定時間経過後における
被検査部材の表面温度が基準温度と比較され、誘導加熱
がなされた状態における被検査部材の表面温度が前記基
準温度よりも低く、かつ、誘導加熱から所定時間経過後
における被検査部材の表面温度が基準温度よりも高い場
合に表面欠陥があると判定されることを特徴としてい
る。
【0013】
【作用】本発明の誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装
置においては、誘導加熱の影響がない状態で被検査部材
の表面温度を放射温度計により測定し、そのときに得ら
れたデータにより、誘導加熱時の放射温度計の測定デー
タを補正しているので、誘導加熱探傷の精度を向上させ
ることができる。また、ワイヤ等の取扱い跡を表面欠陥
として誤検出することもない。
【0014】一方、本発明の他の態様の非磁性材用誘導
加熱探傷法および誘導加熱探傷装置によれば、非磁性材
の表面欠陥を精度よく検出することができる。
【0015】
【実施例】以下、添付図面を参照しながら本発明を実施
例に基づいて説明するが、本発明はかかる実施例のみに
限定されるものではない。
【0016】いま、被検査部材の表面温度を放射温度計
で測定したとき、 誘導加熱中または誘導加熱後の真の温度を Th(x,y) 〔K〕 そのときの測定温度を Tmh(x,y) 〔K〕 誘導加熱の影響のないときの真の温度を Tc 〔K〕 そのときの測定温度を Tmc(x,y) 〔K〕 被検査部材の放射率を ε(x,y) 放射率が1のときの放射輝度を L 〔W/(sr・m2)〕 とすると、誘導加熱中または誘導加熱後では、 L{Tmh(x,y)}=ε(x,y)・L{Th(x,y)} (1) また誘導加熱の影響のないときは、 L{Tmc(x,y)}=ε(x,y)・L{Tc} (2) の関係が成り立つ。ここに、yは被検査部材の移動方向
位置を、xは被検査部材表面のyと直角方向の位置であ
る。
【0017】一方、放射輝度と温度の関係式としては、
下記式が一般に用いられている。
【0018】 L(T)=C・exp{−c2/(AT+B)} (3) ここに、 T:被検査部材の温度 〔K〕 A,B,C:放射温度計により決まる定数 c2:放射第2定数(0.014388m・k) 上記式よりε(x,y)を消去し、Tmh(x,y)に
対する補正温度量ΔT(x,y)ついての実用式を求め
ると下記式が得られる。
【0019】 ΔT(x,y)={Tc-Tmc(x,y)}・〔{Tmh(x,y)+W}/{Tmc(x,y)+W}〕2 (4) ここに、 W=B/A
【0020】上記式において、2乗項の変化の幅が小さ
いときは、それを定数K1として以下のように簡略化する
ことができる。
【0021】 ΔT(x,y)=K1{Tc-Tmc(x,y)} (5)
【0022】さらに、移動平均値との差により傷部を判
定する場合には、温度差のみが重要であるため、Tcを定
数K2としてもよい。その場合、上記式は下記のようにさ
らに簡略化することができる。
【0023】 ΔT(x,y)=K1{K2-Tmc(x,y)} (6)
【0024】なお、定数K2はTmc(x,y)の最大値とするこ
ともできる。
【0025】図3は式(6)にしたがった本発明の誘導
加熱探傷法に用いる誘導加熱探傷装置の概略図である。
図において、1は誘導加熱装置、2は探傷用放射温度
計、3は補正用放射温度計、4は移動量測定器、5は演
算処理装置、6は出力装置、7は被検査部材を示す。
【0026】誘導加熱装置1は、磁性材用および非磁性
材用についても従来と同様のものが用いられる。
【0027】探傷用放射温度計2は、誘導加熱後の被検
査部材の表面温度を測定するのもである。補正用放射温
度計3は、被検査部材7が誘導加熱の影響のない時点で
の表面温度を測定するものである。補正用放射温度計3
は、探傷用放射温度計2の測定温度の補正を容易にする
ために、探傷用放射温度計2と同一型式のものを選定す
るのが好ましい。本実施例においては、この探傷用放射
温度計2および補正用放射温度計3が表面温度測定手段
を構成する。また、探傷用放射温度計2および補正用放
射温度計3は、計測部を2ヵ所とし、出力部を一つにま
とめて構成することもできる。この場合には、計測部と
出力部とが一体となって表面温度測定手段を構成する。
【0028】移動量測定器4としては、いわゆるパルス
ジェネレータなどを用いることができる。移動量測定器
4は、探傷用放射温度計2および補正用放射温度計3に
てそれぞれ測定したデータの被検査部材7表面の測定位
置を知るためのものである。
【0029】演算処理装置5としては、例えば、入出力
インターフェース、CPU、ROM、RAM等を備えた
コンピュータが用いられる。このROMには前記演算に
必要なプログラムおよび後述する演算に必要なプログラ
ムが格納されている。また、RAMには測定温度が一時
的に格納される。
【0030】出力装置6としては、例えばレーザプリン
タが用いられる。
【0031】図3に示す装置は、前述のごとく式(6)
を用いて補正を行う場合のものであるが、式(5)を用
いて補正用温度を求める場合は、補正用放射温度計3の
測定個所近辺を接触式温度計などの温度計により測定し
真の温度Tcを求める。簡便な方法としては室温にて代
用してもよい。
【0032】前記式(1)〜(6)における変数xは放
射温度計2,3と被検査部材との配置関係が決まれば自
動的に決定されるものである。また、変数yは移動量測
定器4により測定される。
【0033】補正用放射温度計3で測定した温度データ
(以下、補正用データという)と探傷用放射温度計2で
測定した温度データ(以下、探傷データという)は、移
動量測定器4の信号を用いて被検査部材7の表面位置に
対応させられる。式(6)の場合は、同じ表面位置の補
正用データと探傷データを用いて、式(5)の場合は、
さらに測定した真の温度も用いて補正量ΔT(x,y)を演算
する。この補正量により探傷データを補正し、補正され
た探傷データ(以下、補正探傷データという)を求め
る。
【0034】以後、補正探傷データを用いて従来と同様
にして傷部を探傷する。
【0035】図4は本発明の他の態様の非磁性材探傷装
置の概略図を示し、図において、11は誘導加熱装置、
12および13は放射温度計、14は移動量測定器、1
5は演算処理装置、16は出力装置、17は非磁性材か
らなる被検査部材を示す。誘導加熱装置11、放射温度
計12および13、移動量測定器14、演算処理装置1
5、および出力装置16は、図3に示したものと同様の
ものが用いられる。ここでは、放射温度計12および1
3が表面温度測定手段を構成する。
【0036】図4において、放射温度計12は誘導加熱
がなされた状態における被検査部材17の表面温度を測
定し、放射温度計13は誘導加熱から所定時間経過後の
被検査部材17の表面温度を測定する。ここで、この放
射温度計13は、誘導による加熱の影響を受けない位置
に設定する。
【0037】演算処理装置15は、放射温度計12およ
び13からの測定値を比較し、放射温度計12からの測
定値が基準温度よりも低く、かつ、放射温度13の測定
値が基準温度よりも高い場合に、表面欠陥ありと判定す
る。この判定結果は、出力装置16より出力される。
【0038】ここで、基準温度としては、放電加工など
の手段にて、人工的に加工した標準試験片の測定値をも
とに設定する。
【0039】なお、基準温度は傷が深いほど大きな値と
なる。
【0040】以下、より具体的な実施例に基づいて、本
発明をより詳細に説明する。
【0041】実施例1 誘導加熱装置1を用い、周波数100KHzの電流に
て、図5に示すような表面状態を有するS25Cの15
3ミリx153ミリの部材7を、送り速度40m/mi
nで送りながら誘導加熱を行い、誘導加熱前後における
表面温度を補正用放射温度計3および探傷用放射温度計
2で測定した。結果を図6に、補正用データおよび探傷
データとして示した。補正用データの落ち込んでいる部
分が、ワイヤ等の取扱い跡で放射率εの低い部分であ
る。この部分は探傷データでも落ち込んでいるが、先に
述べたごとくこの部分は表面欠陥ではないので、補正用
データを基にして演算処理装置5により演算処理して探
傷データから除去すれば、表面欠陥部のみを表示してい
る補正探傷データが得られる。このようにして得られた
補正探傷データを図6に併せて示した。
【0042】実施例2 誘導加熱装置1を用い、周波数150KHzの電流に
て、図5に示すような表面状態を有するSUS304の
145ミリx145ミリの部材7を、送り速度40m/
minで送りながら誘導加熱を行い、誘導加熱前後にお
ける表面温度を補正用放射温度計3および探傷用放射温
度計2で測定した。結果を図7に、補正用データおよび
探傷データとして示した。補正用データと探傷データの
両方共に落ち込んでいる部分が、ワイヤ等の取扱い跡で
放射率εの低い部分である。この部分は先に述べたごと
く表面欠陥ではないので、補正用データを基にして演算
処理装置5により演算処理して探傷データから除去すれ
ば、表面欠陥部のみを表示している補正探傷データが得
られる。このようにして得られた補正探傷データを図7
に併せて示した。
【0043】このように本発明の誘導加熱探傷法によれ
ば、ワイヤ等の取扱い跡などが表面欠陥として誤検出さ
れることが防止される。
【0044】なお、前記実施例においては、誘導加熱装
置1の前に補正用放射温度計3を配置したが、その位置
はかかる位置に限定されるものではなく、誘導加熱の影
響がない位置に配置されればよく、例えば誘導加熱後に
おいて傷部と正常部の温度差がなくなる位置に配置して
もよい。
【0045】また、被検査部材7を2回移動させて、誘
導加熱する場合としない場合の2回測定すれば、探傷用
放射温度計2を補正用放射温度計3として兼用すること
もできる。
【0046】実施例3 誘導加熱装置11を用い、周波数150KHzの電流に
て、種々の模擬人口傷を有するSUS304の145ミ
リx145ミリの部材17を、送り速度20m/min
で送りながら誘導加熱を行い、誘導加熱装置11の直後
に置かれた放射温度計2、および誘導加熱装置11より
100mm下流側に置かれた放射温度計13により部材
17の表面温度を測定した。結果を図8に示した。図8
より0.6mm以上の深さを有する傷の部分では、放射
温度計12の測定値が基準温度より低く、かつ、放射温
度計13の測定値が基準温度より高くなっているのがわ
かる。
【0047】このことから、図4に示す誘導加熱探傷装
置の演算処理装置15において、前述した判定をさせれ
ば、非磁性材における所定深さ以上の有害な表面欠陥を
検出することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように本発明の誘導加熱探
傷法によれば、従来雑音に埋もれて検出が困難であった
浅い表面欠陥の検出が可能となると同時に、誤検出が大
幅に減少する。したがって、現在傷深さが深い表面欠陥
しか探傷できないため、広く実用化されていない誘導加
熱探傷法の普及に貢献することができる。
【0049】また、従来の誘導加熱探傷法では、適用検
査部材の表面性状に大きな制約があったが、本発明によ
ればその制約が大幅に取り除かれる。
【0050】さらに、本発明の他の非磁性材用誘導加熱
探傷方法および誘導加熱探傷装置によれば、非磁性材の
所定深さ以上の表面欠陥を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導電流が傷部を迂回する様子を示す説明図で
ある。
【図2】誘導加熱後の傷部と正常部の温度差の変化を示
すグラフである。
【図3】本発明の誘導加熱探傷装置の一実施例の概略図
である。
【図4】本発明の非磁性材用誘導加熱探傷装置の一実施
例の概略図である。
【図5】実施例1〜2の被検査部材の表面状態を示す説
明図である。
【図6】実施例1の測定結果を示すグラフである。
【図7】実施例2の測定結果を示すグラフである。
【図8】実施例3の測定結果を示すグラフである。
【図9】放射温度計の測定値と真の温度との関係を示す
グラフである。
【符号の説明】
1,11 誘導加熱装置 2 探傷用放射温度計 3 補正用放射温度計 4,14 移動量測定器 5,15 演算処理装置 6,16 出力装置 7 被検査部材 12,13 放射温度計 17 非磁性材の被検査部材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電磁誘導により被検査部材に誘導電流を
    生じせしめ、該誘導電流によるジュール熱によって前記
    被検査部材を誘導加熱し、その際に前記被検査部材の表
    面に生じる温度分布を測定することにより、前記被検査
    部材の表面欠陥を検出する誘導加熱探傷法であって、誘
    導加熱の影響がない状態において被検査部材の表面温度
    を測定する工程と、誘導加熱がなされた状態において被
    検査部材の表面温度を測定する工程と、前記誘導加熱の
    影響がない状態において測定された被検査部材の表面温
    度データにより、前記誘導加熱がなされた状態において
    測定された被検査部材の表面温度データを補正する工程
    とを含んでなることを特徴とする誘導加熱探傷法。
  2. 【請求項2】 前記誘導加熱の影響がない状態において
    被検査部材の表面温度を測定する工程が、誘導加熱前に
    なされることを特徴とする請求項1記載の誘導加熱探傷
    法。
  3. 【請求項3】 電磁誘導により非磁性材からなる被検査
    部材に誘導電流を生じせしめ、該誘導電流によるジュー
    ル熱によって前記被検査部材を誘導加熱し、その際に前
    記被検査部材の表面に生じる温度分布を測定することに
    より、前記被検査部材の表面欠陥を検出する誘導加熱探
    傷法であって、誘導加熱がなされた状態において被検査
    部材の表面温度を測定する工程と、誘導加熱から所定時
    間経過後において被検査部材の表面温度を測定する工程
    と、前記両工程における測定により得られた表面温度を
    基準温度と比較し、誘導加熱がなされた状態における被
    検査部材の表面温度が前記基準温度よりも低く、かつ、
    誘導加熱から所定時間経過後における被検査部材の表面
    温度が基準温度よりも高い場合に表面欠陥があると判定
    する工程とを含んでなることを特徴とする誘導加熱探傷
    法。
  4. 【請求項4】 電磁誘導加熱手段と、表面温度測定手段
    と、演算処理手段と、出力手段とを備えてなる誘導加熱
    探傷装置であって、前記電磁誘導加熱手段により、被検
    査部材が誘導加熱され、前記表面温度測定手段により、
    誘導加熱がなされた状態における被検査部材の表面温
    度、および誘導加熱の影響がない状態における被検査部
    材の表面温度が測定され、前記演算処理手段により、前
    記誘導加熱の影響がない状態における被検査部材の表面
    温度データにより、前記誘導加熱がなされた状態におけ
    る被検査部材の表面温度データの補正がなされ、前記出
    力手段により補正後の測定結果が出力されることを特徴
    とする誘導加熱探傷装置。
  5. 【請求項5】 前記表面温度測定手段の測定部が、前記
    誘導加熱手段の前後に配設されることにより、前記誘導
    加熱がなされた状態における被検査部材の表面温度、お
    よび誘導加熱の影響がない状態における被検査部材の表
    面温度の測定がなされることを特徴とする請求項4記載
    の誘導加熱探傷装置。
  6. 【請求項6】 電磁誘導加熱手段と、表面温度測定手段
    と、演算処理手段と、出力手段とを備えてなる非磁性材
    用誘導加熱探傷装置であって、前記電磁誘導加熱手段に
    より、被検査部材が誘導加熱され、前記表面温度測定手
    段により、誘導加熱がなされた状態における被検査部材
    の表面温度、および誘導加熱から所定時間経過後におけ
    る被検査部材の表面温度が測定され、前記演算処理手段
    により、誘導加熱がなされた状態における被検査部材の
    表面温度、および誘導加熱から所定時間経過後における
    被検査部材の表面温度が基準温度と比較され、誘導加熱
    がなされた状態における被検査部材の表面温度が前記基
    準温度よりも低く、かつ、誘導加熱から所定時間経過後
    における被検査部材の表面温度が基準温度よりも高い場
    合に表面欠陥があると判定されることを特徴とする非磁
    性材用誘導加熱探傷装置。
  7. 【請求項7】 前記温度測定手段の温度測定部が、前記
    誘導加熱手段の下流側に所定の間隔をおいて配設されて
    なることを特徴とする請求項6記載の非磁性材用誘導加
    熱探傷装置。
JP32744492A 1991-12-18 1992-11-11 誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装置 Pending JPH05240815A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3-353707 1991-12-18
JP35370791 1991-12-18

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05240815A true JPH05240815A (ja) 1993-09-21

Family

ID=18432677

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32744492A Pending JPH05240815A (ja) 1991-12-18 1992-11-11 誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05240815A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185468A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toshiba Corp インリーク流量計測装置およびインリーク流量計測方法
JP2010117259A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Fujitsu Ltd 建造物壁面の変状部検出方法、変状部検出装置および変状部検出プログラム
JP2011038886A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Chugoku Electric Power Co Inc:The 気密判定装置及び気密判定方法
CN103940852A (zh) * 2014-04-17 2014-07-23 江苏理工学院 能导磁的导体缺陷磁封闭电磁热激励检测装置及检测方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185468A (ja) * 2007-01-30 2008-08-14 Toshiba Corp インリーク流量計測装置およびインリーク流量計測方法
JP2010117259A (ja) * 2008-11-13 2010-05-27 Fujitsu Ltd 建造物壁面の変状部検出方法、変状部検出装置および変状部検出プログラム
JP2011038886A (ja) * 2009-08-10 2011-02-24 Chugoku Electric Power Co Inc:The 気密判定装置及び気密判定方法
CN103940852A (zh) * 2014-04-17 2014-07-23 江苏理工学院 能导磁的导体缺陷磁封闭电磁热激励检测装置及检测方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2549913C2 (ru) Термографический способ контроля и контрольная установка для осуществления способа
SG128465A1 (en) Methods for determining the depth of defects
US20160341699A1 (en) Surface property inspection device and method
US10048227B2 (en) Surface property inspection method and apparatus
JP2010164306A (ja) 焼入れ深さ測定方法および焼入れ深さ測定装置
WO1999026062A1 (en) Multiple frequency quantitative coating characterization
US11193901B2 (en) Thermal conductivity measuring device, thermal conductivity measuring method and vacuum evaluation device
KR920003536B1 (ko) 강편(billet)에서의 결함 검출 방법
JPH05240815A (ja) 誘導加熱探傷法および誘導加熱探傷装置
JP6618046B2 (ja) 鋼材製品の表面特性検査方法及び表面特性検査装置
JP2006284191A (ja) 渦流式センサによる表面欠陥検出方法
JPS63126242A (ja) 外観検査方法および装置
KR101116422B1 (ko) 부분적으로 경화된 공작물의 연화 존 영역의 폭을정량적으로 결정하기 위한 방법
JPS55106693A (en) Resistance welding quality evaluating monitor
JPH0628690Y2 (ja) 金属板の欠陥検出装置
Svenman et al. Investigation of effects from realistic influences on inductive gap measurement
JPS586458A (ja) 鋼材の熱間渦流探傷方法
JPH0470561A (ja) 金属内異質層検出方法およびその装置
SU857837A1 (ru) Способ тепловой дефектоскопии
JPH1073548A (ja) 誘導加熱探傷方法および誘導加熱探傷装置
JPS61126461A (ja) ワイヤの検査方法
JPH04118656U (ja) 誘導加熱疵検出装置
JPH05142171A (ja) 誘導加熱疵検出装置
JPH01169328A (ja) 金属ストリップの温度測定装置
JPH11271278A (ja) 鋼材の欠陥検出方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20010417