JPH05240713A - 耐火物監視用温度センサおよび耐火物の侵食状態計測方法 - Google Patents
耐火物監視用温度センサおよび耐火物の侵食状態計測方法Info
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- JPH05240713A JPH05240713A JP4092792A JP4092792A JPH05240713A JP H05240713 A JPH05240713 A JP H05240713A JP 4092792 A JP4092792 A JP 4092792A JP 4092792 A JP4092792 A JP 4092792A JP H05240713 A JPH05240713 A JP H05240713A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】本発明は、製鉄業における各種炉(高炉,転炉
など)および各種樋(主樋,脱珪樋など)や、非鉄,ガラ
ス,セメントなど各種精錬・窯業分野における溶融炉な
どの耐火物の広域温度計測,侵食監視に用いて好適の技
術に関し、保護管との間の絶縁抵抗を分離可能にし広範
囲の連続的検知や侵食位置特定の精度を向上するととも
に、再利用,連続使用を可能にすることを目的とする。 【構成】そこで、筒状の導体管1−1〜1−3と各導体
管1−1〜1−3から離隔しながら導体管1−1〜1−
3の中心部を貫くように配置される導体線2−1〜2−
3とを対としてなるセンサ素子3−1〜3−3を、一つ
の保護管4内に複数そなえ、各センサ素子3−1〜3−
3を、保護管4の長手方向の異なる位置まで延設すると
ともに、各センサ素子3−1〜3−3における導体管1
−1〜1−3と導体線2−1〜2−3との間および保護
管4内の各センサ素子3−1〜3−3相互間に、高温状
態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物5を充填したこと
を特徴とする。
など)および各種樋(主樋,脱珪樋など)や、非鉄,ガラ
ス,セメントなど各種精錬・窯業分野における溶融炉な
どの耐火物の広域温度計測,侵食監視に用いて好適の技
術に関し、保護管との間の絶縁抵抗を分離可能にし広範
囲の連続的検知や侵食位置特定の精度を向上するととも
に、再利用,連続使用を可能にすることを目的とする。 【構成】そこで、筒状の導体管1−1〜1−3と各導体
管1−1〜1−3から離隔しながら導体管1−1〜1−
3の中心部を貫くように配置される導体線2−1〜2−
3とを対としてなるセンサ素子3−1〜3−3を、一つ
の保護管4内に複数そなえ、各センサ素子3−1〜3−
3を、保護管4の長手方向の異なる位置まで延設すると
ともに、各センサ素子3−1〜3−3における導体管1
−1〜1−3と導体線2−1〜2−3との間および保護
管4内の各センサ素子3−1〜3−3相互間に、高温状
態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物5を充填したこと
を特徴とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鉄業における各種炉
(高炉,転炉など)および各種樋(主樋,脱珪樋など)や、
非鉄,ガラス,セメントなど各種精錬・窯業分野におけ
る溶融炉などの耐火物の広域温度計測,侵食監視に用い
て好適の耐火物監視用温度センサおよび耐火物の侵食状
態計測方法に関する。
(高炉,転炉など)および各種樋(主樋,脱珪樋など)や、
非鉄,ガラス,セメントなど各種精錬・窯業分野におけ
る溶融炉などの耐火物の広域温度計測,侵食監視に用い
て好適の耐火物監視用温度センサおよび耐火物の侵食状
態計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このような高温炉,耐火物容器,樋等の
内張耐火物の温度状況を正確,迅速に検知することは、
炉等の安全操業や製品の品質管理の上から極めて重要な
ポイントである。このため、従来より、耐火物の温度,
侵食状況を監視するために各種のセンサや監視装置が提
案されている。
内張耐火物の温度状況を正確,迅速に検知することは、
炉等の安全操業や製品の品質管理の上から極めて重要な
ポイントである。このため、従来より、耐火物の温度,
侵食状況を監視するために各種のセンサや監視装置が提
案されている。
【0003】例えば特開昭53−122608号公報に
記載された溶銑樋監視方法では、溶銑樋でその樋材の損
耗の激しい個所(樋材継目,溶銑面レベル)に、温度変化
を電気抵抗変化として検出しうるセンサを設置してい
る。このセンサには、常時、定電流を流し、センサから
取り出される抵抗を計測する。湯もれや樋材の損耗があ
ると、樋外壁部分の温度が上昇し、これによりセンサの
電気抵抗も変化する。この変化を検知することで、湯も
れや樋侵食損耗による事故が未然に防止される。
記載された溶銑樋監視方法では、溶銑樋でその樋材の損
耗の激しい個所(樋材継目,溶銑面レベル)に、温度変化
を電気抵抗変化として検出しうるセンサを設置してい
る。このセンサには、常時、定電流を流し、センサから
取り出される抵抗を計測する。湯もれや樋材の損耗があ
ると、樋外壁部分の温度が上昇し、これによりセンサの
電気抵抗も変化する。この変化を検知することで、湯も
れや樋侵食損耗による事故が未然に防止される。
【0004】特願平1−135756号に記載された耐
火物監視用温度センサの一例では、図7に示すように、
1つの保護管18の中に複数(図中6本)の導線19−1
〜19−6を、絶縁物17を介して平行に配し、2本の
導線19−1と19−2;19−3と19−4;19−
5と19−6をそれぞれ一対とし、保護管18の長手方
向の異なった位置(監視範囲)まで延設・配置した構造の
ものが用いられる。
火物監視用温度センサの一例では、図7に示すように、
1つの保護管18の中に複数(図中6本)の導線19−1
〜19−6を、絶縁物17を介して平行に配し、2本の
導線19−1と19−2;19−3と19−4;19−
5と19−6をそれぞれ一対とし、保護管18の長手方
向の異なった位置(監視範囲)まで延設・配置した構造の
ものが用いられる。
【0005】ここで、導線19−1,19−2が最も長
く、ついで導線19−3,19−4、導線19−5,1
9−6が最も短くなっている。また、絶縁物17として
は、高温になると絶縁抵抗が低下するもの(例えばMg
O)を用いる。
く、ついで導線19−3,19−4、導線19−5,1
9−6が最も短くなっている。また、絶縁物17として
は、高温になると絶縁抵抗が低下するもの(例えばMg
O)を用いる。
【0006】このように構成された温度センサ26は、
例えば、溶銑21に接する耐火物20内に埋設されると
ともに、所定の検出回路に接続されて、この検出回路に
より、導線19−1〜19−6の各組間の絶縁抵抗に基
づき、耐火物20の監視範囲(部分I〜III)内における
温度および温度上昇の発生箇所つまり耐火物20の侵食
状態が検知される。
例えば、溶銑21に接する耐火物20内に埋設されると
ともに、所定の検出回路に接続されて、この検出回路に
より、導線19−1〜19−6の各組間の絶縁抵抗に基
づき、耐火物20の監視範囲(部分I〜III)内における
温度および温度上昇の発生箇所つまり耐火物20の侵食
状態が検知される。
【0007】検出回路は、例えば、抵抗測定装置22,
部分抵抗演算器23および侵食部位判定装置24から構
成されている。抵抗測定装置22は、リード線25を介
して対になっている各導線19−1〜19−6間の各絶
縁抵抗R12,R34,R56を測定するものであり、部分抵
抗演算器23は、抵抗測定装置22からの絶縁抵抗
R12,R34,R56に基づいて、センサ長手方向の部分的
な抵抗つまり各部分I〜IIIにおける抵抗RI,RII,
RIIIを演算するものであり、侵食部位判定装置24
は、抵抗測定装置からの絶縁抵抗R12,R34,R56およ
び部分抵抗演算器23からの部分抵抗RI,RII,RII
Iに基づいて、耐火物20の侵食量とその侵食発生箇所
とを判断するものである。
部分抵抗演算器23および侵食部位判定装置24から構
成されている。抵抗測定装置22は、リード線25を介
して対になっている各導線19−1〜19−6間の各絶
縁抵抗R12,R34,R56を測定するものであり、部分抵
抗演算器23は、抵抗測定装置22からの絶縁抵抗
R12,R34,R56に基づいて、センサ長手方向の部分的
な抵抗つまり各部分I〜IIIにおける抵抗RI,RII,
RIIIを演算するものであり、侵食部位判定装置24
は、抵抗測定装置からの絶縁抵抗R12,R34,R56およ
び部分抵抗演算器23からの部分抵抗RI,RII,RII
Iに基づいて、耐火物20の侵食量とその侵食発生箇所
とを判断するものである。
【0008】上述の構成により、常時、導線19−1,
19−2間の絶縁抵抗R12と、導線19−3,19−4
間の絶縁抵抗R34と、導線19−5,19−6間の絶縁
抵抗R56とが、抵抗測定装置22により測定されてい
る。温度センサ26を耐火物20に設置した当初には、
耐火物20の厚さも侵食されておらず十分にあり、セン
サ設置部の温度も低いので、抵抗測定装置22にて測定
された絶縁抵抗R12,R34,R56は無限大となってい
る。
19−2間の絶縁抵抗R12と、導線19−3,19−4
間の絶縁抵抗R34と、導線19−5,19−6間の絶縁
抵抗R56とが、抵抗測定装置22により測定されてい
る。温度センサ26を耐火物20に設置した当初には、
耐火物20の厚さも侵食されておらず十分にあり、セン
サ設置部の温度も低いので、抵抗測定装置22にて測定
された絶縁抵抗R12,R34,R56は無限大となってい
る。
【0009】このような状態から、もし、図7中の部分
I内で異常侵食が発生すると、この部分Iにある導線1
9−1,19−2付近の温度が上昇するため、各絶縁抵
抗R12,R34,R56は、図8(a)に示すように推移す
る。従って、部分Iのみで耐火物20の侵食が発生する
と、絶縁抵抗R12のみが低下し部分Iで侵食が進んでい
ることが判明する。
I内で異常侵食が発生すると、この部分Iにある導線1
9−1,19−2付近の温度が上昇するため、各絶縁抵
抗R12,R34,R56は、図8(a)に示すように推移す
る。従って、部分Iのみで耐火物20の侵食が発生する
と、絶縁抵抗R12のみが低下し部分Iで侵食が進んでい
ることが判明する。
【0010】また、部分II内で異常侵食が発生した場
合、および、部分I,II内で異常侵食が発生した場合の
各絶縁抵抗R12,R34,R56の推移を、それぞれ図8
(b),(c)に示す。これらの場合、図8(b),(c)に示
すように、いずれも絶縁抵抗R1 2,R34が低下している
ために、部分II内のみで異常侵食が発生したのか、部分
IおよびIIの両方で異常侵食が発生したのかの判別が行
なえない。
合、および、部分I,II内で異常侵食が発生した場合の
各絶縁抵抗R12,R34,R56の推移を、それぞれ図8
(b),(c)に示す。これらの場合、図8(b),(c)に示
すように、いずれも絶縁抵抗R1 2,R34が低下している
ために、部分II内のみで異常侵食が発生したのか、部分
IおよびIIの両方で異常侵食が発生したのかの判別が行
なえない。
【0011】そこで、このような場合の判別を行なうた
めに、部分I,II,IIIの各区分での線間絶縁抵抗(以
下、部分抵抗という)RI,RII,RIIIを、部分抵抗演
算器23にて演算する。抵抗測定装置22にて測定でき
る絶縁抵抗R12,R34,R56は、部分抵抗RI,RII,
RIIIを用いると、それぞれ図9(a),(b),(c)に示
すように表せる。即ち、抵抗R12は抵抗RI,RII,R
IIIを並列接続し、抵抗R34は抵抗RII,RIIIを並列接
続し、抵抗R56は抵抗RIIIを接続したものと等価であ
る。従って、図9(a)〜(c)の式を解くことにより、部
分抵抗RI,RII,RIIIが演算されることになる。つ
まり、RI=R12・R34/(R34−R12),RII=R34・R
56/(R56−R34),RIII=R56となる。こられの演算を
部分抵抗演算器23にて行なうことにより、部分抵抗R
I,RII,RIIIが求められる。
めに、部分I,II,IIIの各区分での線間絶縁抵抗(以
下、部分抵抗という)RI,RII,RIIIを、部分抵抗演
算器23にて演算する。抵抗測定装置22にて測定でき
る絶縁抵抗R12,R34,R56は、部分抵抗RI,RII,
RIIIを用いると、それぞれ図9(a),(b),(c)に示
すように表せる。即ち、抵抗R12は抵抗RI,RII,R
IIIを並列接続し、抵抗R34は抵抗RII,RIIIを並列接
続し、抵抗R56は抵抗RIIIを接続したものと等価であ
る。従って、図9(a)〜(c)の式を解くことにより、部
分抵抗RI,RII,RIIIが演算されることになる。つ
まり、RI=R12・R34/(R34−R12),RII=R34・R
56/(R56−R34),RIII=R56となる。こられの演算を
部分抵抗演算器23にて行なうことにより、部分抵抗R
I,RII,RIIIが求められる。
【0012】部分抵抗RI,RII,RIIIの推移を、図
8(a),(b),(c)に対応させてそれぞれ図10(a),
(b),(c)に示す。図10(a)は部分Iのみで異常侵食
が発生した場合であり、この場合には部分抵抗RIのみ
が低下する。また、図10(b)は部分IIのみで異常侵食
が発生した場合であるが、この場合には、部分抵抗RII
のみが低下する。次に、図10(c)は部分IおよびIIで
異常侵食が発生した場合には、部分抵抗RI,RIIが低
下する。
8(a),(b),(c)に対応させてそれぞれ図10(a),
(b),(c)に示す。図10(a)は部分Iのみで異常侵食
が発生した場合であり、この場合には部分抵抗RIのみ
が低下する。また、図10(b)は部分IIのみで異常侵食
が発生した場合であるが、この場合には、部分抵抗RII
のみが低下する。次に、図10(c)は部分IおよびIIで
異常侵食が発生した場合には、部分抵抗RI,RIIが低
下する。
【0013】このようにして、図8(a)〜(c)に示すよ
うに絶縁抵抗R12,R34,R56だけでは判断できなかっ
た侵食状況が、部分抵抗RI,RII,RIIIに基づい
て、図10(a)〜(c)に示すように細かく判断できるよ
うになる。このような判断が、侵食部位判定装置24に
て行なわれる。
うに絶縁抵抗R12,R34,R56だけでは判断できなかっ
た侵食状況が、部分抵抗RI,RII,RIIIに基づい
て、図10(a)〜(c)に示すように細かく判断できるよ
うになる。このような判断が、侵食部位判定装置24に
て行なわれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の侵食監視手段やセンサでは、それぞれ下記のよ
うな課題がある。
た従来の侵食監視手段やセンサでは、それぞれ下記のよ
うな課題がある。
【0015】前者の監視手段では、異常侵食を検知する
ためには、1200〜1500℃程度での抵抗変化を検
出しなければならないが、この温度範囲では導体の抵抗
変化は少なく検出が困難である。また、広い範囲で侵食
を監視する場合、侵食位置の特定を行なえない。さらに
センサの溶損により、侵食を検知するため、センサの再
利用や連続使用ができない。
ためには、1200〜1500℃程度での抵抗変化を検
出しなければならないが、この温度範囲では導体の抵抗
変化は少なく検出が困難である。また、広い範囲で侵食
を監視する場合、侵食位置の特定を行なえない。さらに
センサの溶損により、侵食を検知するため、センサの再
利用や連続使用ができない。
【0016】また、後者のセンサでは、所定の監視範囲
I〜III内の1ヵ所だけで侵食が発生した場合には、そ
の位置および侵食程度を検出することはできるが、例え
ば、部分IIIである程度の侵食が発生すると、全ての導
線対の抵抗が低下し、領域I,IIでの侵食監視が困難で
ある。さらに、実際に抵抗測定装置22により測定され
る絶縁抵抗R12,R34,R56は、各導線19−1〜19
−6の対相互間のみの抵抗ではなく、図11に示すよう
に、保護管18と各導線19−1〜19−6との絶縁抵
抗R01,R02,R03も含まれることになり、部分抵抗演
算器23によって各部分抵抗RI,RII,RIIIを正確
に分離することは困難であり、各部分抵抗RI,RII,
RIIIの算出に際して誤差が大きくなり精度が悪い。
I〜III内の1ヵ所だけで侵食が発生した場合には、そ
の位置および侵食程度を検出することはできるが、例え
ば、部分IIIである程度の侵食が発生すると、全ての導
線対の抵抗が低下し、領域I,IIでの侵食監視が困難で
ある。さらに、実際に抵抗測定装置22により測定され
る絶縁抵抗R12,R34,R56は、各導線19−1〜19
−6の対相互間のみの抵抗ではなく、図11に示すよう
に、保護管18と各導線19−1〜19−6との絶縁抵
抗R01,R02,R03も含まれることになり、部分抵抗演
算器23によって各部分抵抗RI,RII,RIIIを正確
に分離することは困難であり、各部分抵抗RI,RII,
RIIIの算出に際して誤差が大きくなり精度が悪い。
【0017】本発明は、上述のような課題を解消するた
めになされたもので、保護管との間の絶縁抵抗を分離で
きるようにして広範囲の連続的検知や侵食位置特定の精
度を向上するとともに、再利用,連続使用を可能にした
耐火物監視用温度センサを得ることを目的とする。
めになされたもので、保護管との間の絶縁抵抗を分離で
きるようにして広範囲の連続的検知や侵食位置特定の精
度を向上するとともに、再利用,連続使用を可能にした
耐火物監視用温度センサを得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の耐火物監視用温度センサ(請求項1)は、筒
状の導体管と該導体管から離隔しながら該導体管の中心
部を貫くように配置される導体線とを対としてなるセン
サ素子を、一つの保護管内に複数そなえ、前記の各セン
サ素子を、前記保護管の長手方向の異なる位置まで延設
するとともに、前記の各センサ素子における導体管と導
体線との間および前記保護管内の各センサ素子相互間
に、高温状態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物を充填
したことを特徴としている。
に、本発明の耐火物監視用温度センサ(請求項1)は、筒
状の導体管と該導体管から離隔しながら該導体管の中心
部を貫くように配置される導体線とを対としてなるセン
サ素子を、一つの保護管内に複数そなえ、前記の各セン
サ素子を、前記保護管の長手方向の異なる位置まで延設
するとともに、前記の各センサ素子における導体管と導
体線との間および前記保護管内の各センサ素子相互間
に、高温状態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物を充填
したことを特徴としている。
【0019】また、前記保護管内に、筒状の導体管と該
導体管の中心部を貫き且つ先端部で前記導体管に接する
ように配置される導体線とからなる異常検知素子をそな
えてもよい(請求項2)。
導体管の中心部を貫き且つ先端部で前記導体管に接する
ように配置される導体線とからなる異常検知素子をそな
えてもよい(請求項2)。
【0020】さらに、本発明の耐火物の侵食状態計測方
法(請求項3)は、請求項1または2記載の耐火物監視
用温度センサを監視対象の耐火物内に埋設し、前記の
各センサ素子をなす導体管と導体線との間の絶縁抵抗を
測定し、にて測定された絶縁抵抗に基づき、前記の
各センサ素子の配置位置により規定される複数の特定領
域について、各特定領域内の絶縁抵抗を算出し、に
て算出された絶縁抵抗に基づき、前記の各特定領域内で
の温度と温度上昇を生じた特定領域とを求め、該温度
に基づき前記耐火物の侵食状態を判断するとともに、該
温度上昇を生じた特定領域に基づき前記耐火物における
侵食発生位置を判断することを特徴としている。
法(請求項3)は、請求項1または2記載の耐火物監視
用温度センサを監視対象の耐火物内に埋設し、前記の
各センサ素子をなす導体管と導体線との間の絶縁抵抗を
測定し、にて測定された絶縁抵抗に基づき、前記の
各センサ素子の配置位置により規定される複数の特定領
域について、各特定領域内の絶縁抵抗を算出し、に
て算出された絶縁抵抗に基づき、前記の各特定領域内で
の温度と温度上昇を生じた特定領域とを求め、該温度
に基づき前記耐火物の侵食状態を判断するとともに、該
温度上昇を生じた特定領域に基づき前記耐火物における
侵食発生位置を判断することを特徴としている。
【0021】
【作用】上述した本発明の耐火物監視用温度センサ(請
求項1)では、耐火物の侵食等の状況が、センサ自体の
溶損ではなく、侵食等により高温になることに起因する
絶縁物の絶縁抵抗変化により検知されるほか、センサ素
子を配設した範囲全域において温度センシングを行なう
ことができる。このとき、センサ素子をなす導体線は導
体管内に配設され保護管から絶縁されているため、保護
管とセンサ素子との間の絶縁抵抗を分離することができ
る。
求項1)では、耐火物の侵食等の状況が、センサ自体の
溶損ではなく、侵食等により高温になることに起因する
絶縁物の絶縁抵抗変化により検知されるほか、センサ素
子を配設した範囲全域において温度センシングを行なう
ことができる。このとき、センサ素子をなす導体線は導
体管内に配設され保護管から絶縁されているため、保護
管とセンサ素子との間の絶縁抵抗を分離することができ
る。
【0022】また、筒状の導体管と該導体管の中心部を
貫き且つ先端部で導体管に接するように配置される導体
線とからなる異常検知素子を保護管内に配置することに
より(請求項2)、センサにおける断線等の異常を検知可
能になる。つまり、異常検知素子をなす導体管と導体線
との間の抵抗は、通常、センサ自体に異常がなければ低
い値となる。一方、センサ内のいずれかの箇所で断線が
発生したとすると、異常検知素子の導体管,導体線でも
対応する箇所で断線が発生することになり、異常検知素
子をなす導体管と導体線との間は導通しなくなり、その
抵抗はほぼ無限大となって、異常が検知される。
貫き且つ先端部で導体管に接するように配置される導体
線とからなる異常検知素子を保護管内に配置することに
より(請求項2)、センサにおける断線等の異常を検知可
能になる。つまり、異常検知素子をなす導体管と導体線
との間の抵抗は、通常、センサ自体に異常がなければ低
い値となる。一方、センサ内のいずれかの箇所で断線が
発生したとすると、異常検知素子の導体管,導体線でも
対応する箇所で断線が発生することになり、異常検知素
子をなす導体管と導体線との間は導通しなくなり、その
抵抗はほぼ無限大となって、異常が検知される。
【0023】さらに、本発明の耐火物の侵食状態計測方
法(請求項3)では、前述した請求項1または2の耐火物
監視用温度センサが監視対象の耐火物内に埋設され、各
センサ素子をなす導体管と導体線との間の絶縁抵抗が測
定される。そして、その測定結果に基づき、各センサ素
子の配置位置により規定される各特定領域内の絶縁抵抗
が算出され、その算出結果に基づき、各特定領域内での
温度と温度上昇を生じた特定領域とが求められ、これら
の温度および温度上昇発生領域に基づいて、耐火物の侵
食状態,その侵食発生箇所が判断される。
法(請求項3)では、前述した請求項1または2の耐火物
監視用温度センサが監視対象の耐火物内に埋設され、各
センサ素子をなす導体管と導体線との間の絶縁抵抗が測
定される。そして、その測定結果に基づき、各センサ素
子の配置位置により規定される各特定領域内の絶縁抵抗
が算出され、その算出結果に基づき、各特定領域内での
温度と温度上昇を生じた特定領域とが求められ、これら
の温度および温度上昇発生領域に基づいて、耐火物の侵
食状態,その侵食発生箇所が判断される。
【0024】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例としての
耐火物監視用温度センサについて説明すると、図1(a)
はその縦断面図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib断面
図、図2はその温度センサに接続される検出回路の例を
示すブロック図、図3(a),(b)はその動作を説明する
ためのグラフ、図4(a)〜(c)はその温度センサにおけ
る絶縁抵抗と部分抵抗との関係を示す等価回路図であ
る。
耐火物監視用温度センサについて説明すると、図1(a)
はその縦断面図、図1(b)は図1(a)のIb−Ib断面
図、図2はその温度センサに接続される検出回路の例を
示すブロック図、図3(a),(b)はその動作を説明する
ためのグラフ、図4(a)〜(c)はその温度センサにおけ
る絶縁抵抗と部分抵抗との関係を示す等価回路図であ
る。
【0025】図1(a),(b)に示すように、本実施例で
は、筒状の導体管1−1〜1−3と、各導体管1−1〜
1−3から離隔しながら各導体管1−1〜1−3の中心
部を貫くように配置される導体線2−1〜2−3とを対
として、センサ素子3−1〜3−3がそれぞれ構成さ
れ、これら3組のセンサ素子3−1〜3−3が一つの保
護管4内に互いに平行にそなえられている。
は、筒状の導体管1−1〜1−3と、各導体管1−1〜
1−3から離隔しながら各導体管1−1〜1−3の中心
部を貫くように配置される導体線2−1〜2−3とを対
として、センサ素子3−1〜3−3がそれぞれ構成さ
れ、これら3組のセンサ素子3−1〜3−3が一つの保
護管4内に互いに平行にそなえられている。
【0026】なお、導体管1−1〜1−3,導体線2−
1〜2−3としては、例えば、カンタル線が用いられ
る。また、図1(a)中、各センサ素子3−1〜3−3
は、上下方向に等間隔をあけて配置した状態で図示され
ているが、実際には、図1(b)に示すように同心円状に
配置されている。
1〜2−3としては、例えば、カンタル線が用いられ
る。また、図1(a)中、各センサ素子3−1〜3−3
は、上下方向に等間隔をあけて配置した状態で図示され
ているが、実際には、図1(b)に示すように同心円状に
配置されている。
【0027】ここで、各センサ素子3−1〜3−3は、
保護管4の長手方向の異なる位置まで延設されている。
つまり、本実施例では、センサ素子3−1が最も長く、
ついでセンサ素子3−2、センサ素子3−3が最も短く
なっている。また、各センサ素子3−1〜3−3を構成
する導体管1−1〜1−3と導体線2−1〜2−3との
間や、保護管4内の各センサ素子3−1〜3−3の相互
間には、高温状態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物
(例えばMgO)5が充填されている。
保護管4の長手方向の異なる位置まで延設されている。
つまり、本実施例では、センサ素子3−1が最も長く、
ついでセンサ素子3−2、センサ素子3−3が最も短く
なっている。また、各センサ素子3−1〜3−3を構成
する導体管1−1〜1−3と導体線2−1〜2−3との
間や、保護管4内の各センサ素子3−1〜3−3の相互
間には、高温状態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物
(例えばMgO)5が充填されている。
【0028】このように3組のセンサ素子3−1〜3−
3,保護管4,絶縁物5からなる温度センサ6は、例え
ば、図2に示すように、溶銑21に接する耐火物20内
に埋設されるとともに、所定の検出回路に接続されて、
この検出回路により、各センサ素子3−1〜3−3をな
す導体管1−1〜1−3と導体線2−1〜2−3との間
の絶縁抵抗に基づき、耐火物20の監視範囲(図2に示
す領域I〜III)内における温度および温度上昇の発生個
所つまり耐火物20の侵食状況が検知される。
3,保護管4,絶縁物5からなる温度センサ6は、例え
ば、図2に示すように、溶銑21に接する耐火物20内
に埋設されるとともに、所定の検出回路に接続されて、
この検出回路により、各センサ素子3−1〜3−3をな
す導体管1−1〜1−3と導体線2−1〜2−3との間
の絶縁抵抗に基づき、耐火物20の監視範囲(図2に示
す領域I〜III)内における温度および温度上昇の発生個
所つまり耐火物20の侵食状況が検知される。
【0029】検出回路は、抵抗測定装置8,部分抵抗演
算器9,侵食状態判定装置10から構成されている。こ
こで、抵抗測定装置8は、リード線7を介して各センサ
素子3−1〜3−3をなす導体管1−1〜1−3と導体
線2−1〜2−3との間の絶縁抵抗R1,R2,R3を測
定するものであり、部分抵抗演算器9は、抵抗測定装置
8からの絶縁抵抗R1,R2,R3に基づいて、後述する
演算手段によりセンサ長手方向の部分的な(図2に示す
各領域I〜III毎の)抵抗RI,RII,RIIIを演算する
ものであり、侵食状態判定装置10は、抵抗測定装置8
からの絶縁抵抗R1,R2,R3および部分抵抗演算器9
からの部分抵抗RI,RII,RIIIに基づいて、耐火物
20の侵食量(侵食状態)とその侵食発生箇所とを判断す
るものである。
算器9,侵食状態判定装置10から構成されている。こ
こで、抵抗測定装置8は、リード線7を介して各センサ
素子3−1〜3−3をなす導体管1−1〜1−3と導体
線2−1〜2−3との間の絶縁抵抗R1,R2,R3を測
定するものであり、部分抵抗演算器9は、抵抗測定装置
8からの絶縁抵抗R1,R2,R3に基づいて、後述する
演算手段によりセンサ長手方向の部分的な(図2に示す
各領域I〜III毎の)抵抗RI,RII,RIIIを演算する
ものであり、侵食状態判定装置10は、抵抗測定装置8
からの絶縁抵抗R1,R2,R3および部分抵抗演算器9
からの部分抵抗RI,RII,RIIIに基づいて、耐火物
20の侵食量(侵食状態)とその侵食発生箇所とを判断す
るものである。
【0030】上述の構成により、本実施例の温度センサ
6およびこの温度センサ6に接続された検出回路は次の
ように動作する。
6およびこの温度センサ6に接続された検出回路は次の
ように動作する。
【0031】常時、センサ素子3−1の導体管1−1と
導体線2−1との間の絶縁抵抗R1と、センサ素子3−
2の導体管1−2と導体線2−2との間の絶縁抵抗R2
と、センサ素子3−3の導体管1−3と導体線2−3と
の間の絶縁抵抗R3とが、抵抗測定装置8により測定さ
れている。温度センサ6を耐火物20に設置した当初に
は、耐火物20の厚さも侵食されておらず十分にあり、
センサ設置部の温度も低いので、抵抗測定装置8にて測
定された絶縁抵抗R1,R2,R3は無限大となってい
る。
導体線2−1との間の絶縁抵抗R1と、センサ素子3−
2の導体管1−2と導体線2−2との間の絶縁抵抗R2
と、センサ素子3−3の導体管1−3と導体線2−3と
の間の絶縁抵抗R3とが、抵抗測定装置8により測定さ
れている。温度センサ6を耐火物20に設置した当初に
は、耐火物20の厚さも侵食されておらず十分にあり、
センサ設置部の温度も低いので、抵抗測定装置8にて測
定された絶縁抵抗R1,R2,R3は無限大となってい
る。
【0032】このような状態から、もし、図2中の領域
I内で侵食が発生すると、この領域Iにあるセンサ素子
3−1付近の温度が上昇するため、絶縁抵抗R1のみが
低下し、他の絶縁抵抗R2,R3の低下は生じず、領域I
で侵食が進んでいることが判明する。同様に、領域IIで
侵食が発生すると、この領域IIに埋設されている部分の
絶縁抵抗が低下するため、絶縁抵抗R1とR2とが低下す
るが、絶縁抵抗R3は低下しない。また、領域IIIで侵食
が発生すると、絶縁抵抗R1,R2,R3は3つとも同様
に低下する。従って、侵食量判定装置10により、絶縁
抵抗R1,R2,R3の低下パターンに基づいて侵食位置
の特定が可能となるとともに、絶縁抵抗R1,R2,R3
の低下程度により、侵食程度を判定できる。
I内で侵食が発生すると、この領域Iにあるセンサ素子
3−1付近の温度が上昇するため、絶縁抵抗R1のみが
低下し、他の絶縁抵抗R2,R3の低下は生じず、領域I
で侵食が進んでいることが判明する。同様に、領域IIで
侵食が発生すると、この領域IIに埋設されている部分の
絶縁抵抗が低下するため、絶縁抵抗R1とR2とが低下す
るが、絶縁抵抗R3は低下しない。また、領域IIIで侵食
が発生すると、絶縁抵抗R1,R2,R3は3つとも同様
に低下する。従って、侵食量判定装置10により、絶縁
抵抗R1,R2,R3の低下パターンに基づいて侵食位置
の特定が可能となるとともに、絶縁抵抗R1,R2,R3
の低下程度により、侵食程度を判定できる。
【0033】ところで、図2に示すように、領域Iで程
度の軽い侵食が生じると同時に、領域IIで程度の重い侵
食が生じた場合には、図3(a)に示すように、抵抗測定
装置8により測定される絶縁抵抗R1,R2,R3のうち
R1,R2が同時に低下することになる。このとき、絶縁
抵抗R1,R2が同時に低下するため、領域I,IIの両方
で侵食が発生したのか、領域IIのみで侵食が発生したの
かを判別できない。
度の軽い侵食が生じると同時に、領域IIで程度の重い侵
食が生じた場合には、図3(a)に示すように、抵抗測定
装置8により測定される絶縁抵抗R1,R2,R3のうち
R1,R2が同時に低下することになる。このとき、絶縁
抵抗R1,R2が同時に低下するため、領域I,IIの両方
で侵食が発生したのか、領域IIのみで侵食が発生したの
かを判別できない。
【0034】そこで、このような場合の判別を行なうた
めに、領域I,II,IIIの各区分での絶縁抵抗(以下、部
分抵抗という)RI,RII,RIIIを、部分抵抗演算器9
にて演算する。抵抗測定装置8にて測定できる絶縁抵抗
R1,R2,R3は、部分抵抗RI,RII,RIIIを用いる
と、それぞれ図4(a),(b),(c)に示すように表せ
る。即ち、絶縁抵抗R1は部分抵抗RI,RII,RIIIを
並列接続し、絶縁抵抗R2は抵抗RII,RIIIを並列接続
し、抵抗R3は抵抗RIIIを接続したものと等価である。
従って、図4(a)〜(c)の式を解くことにより、部分抵
抗RI,RII,RIIIが演算されることになる。つま
り、RI=R1・R2/(R2−R1),RII=R2・R3/(R3−
R2),RIII=R3となる。こられの演算を部分抵抗演算
器9にて行なうことにより、部分抵抗RI,RII,RII
Iが求められる。
めに、領域I,II,IIIの各区分での絶縁抵抗(以下、部
分抵抗という)RI,RII,RIIIを、部分抵抗演算器9
にて演算する。抵抗測定装置8にて測定できる絶縁抵抗
R1,R2,R3は、部分抵抗RI,RII,RIIIを用いる
と、それぞれ図4(a),(b),(c)に示すように表せ
る。即ち、絶縁抵抗R1は部分抵抗RI,RII,RIIIを
並列接続し、絶縁抵抗R2は抵抗RII,RIIIを並列接続
し、抵抗R3は抵抗RIIIを接続したものと等価である。
従って、図4(a)〜(c)の式を解くことにより、部分抵
抗RI,RII,RIIIが演算されることになる。つま
り、RI=R1・R2/(R2−R1),RII=R2・R3/(R3−
R2),RIII=R3となる。こられの演算を部分抵抗演算
器9にて行なうことにより、部分抵抗RI,RII,RII
Iが求められる。
【0035】耐火物20に図2に示すような侵食が生じ
た場合に、部分抵抗演算器9により上述のごとく算出さ
れた部分抵抗RI,RII,RIIIは、図3(b)に示すよ
うに推移する。つまり、程度の軽い侵食が生じた領域I
での部分抵抗RIの低下はわずかであり、程度の重い侵
食が生じた領域IIでの部分抵抗RIIの低下は大きくなっ
て、部分抵抗RIとRIIとを分離でき、部分抵抗演算器
9にて算出された部分抵抗RI,RII,RIIIに基づ
き、いずれの領域I〜IIIでどの程度の侵食が生じたか
を侵食状態判定装置10において判定することが可能に
なる。なお、ここでは、領域I,IIにおいて程度の異な
る侵食が同時に生じた場合について説明したが、領域I
〜IIIにおいて他のパターンで侵食が生じても、その侵
食状態を同様に判定できることは言うまでもない。
た場合に、部分抵抗演算器9により上述のごとく算出さ
れた部分抵抗RI,RII,RIIIは、図3(b)に示すよ
うに推移する。つまり、程度の軽い侵食が生じた領域I
での部分抵抗RIの低下はわずかであり、程度の重い侵
食が生じた領域IIでの部分抵抗RIIの低下は大きくなっ
て、部分抵抗RIとRIIとを分離でき、部分抵抗演算器
9にて算出された部分抵抗RI,RII,RIIIに基づ
き、いずれの領域I〜IIIでどの程度の侵食が生じたか
を侵食状態判定装置10において判定することが可能に
なる。なお、ここでは、領域I,IIにおいて程度の異な
る侵食が同時に生じた場合について説明したが、領域I
〜IIIにおいて他のパターンで侵食が生じても、その侵
食状態を同様に判定できることは言うまでもない。
【0036】このように、本実施例において各部分抵抗
RI,RII,RIIIを完全に分離できるのは、各センサ
素子3−1〜3−3をなす導体線2−1〜2−3はそれ
ぞれ導体管1−1〜1−3内に配設され保護管4から絶
縁されているため、図4(a)〜(c)に示すごとく、保護
管4とセンサ素子3−1〜3−3との間の絶縁抵抗
R01,R02,R03を分離でき、部分抵抗演算器9におい
て各絶縁抵抗RI,RII,RIIIを極めて精度良く演算
できるからである。
RI,RII,RIIIを完全に分離できるのは、各センサ
素子3−1〜3−3をなす導体線2−1〜2−3はそれ
ぞれ導体管1−1〜1−3内に配設され保護管4から絶
縁されているため、図4(a)〜(c)に示すごとく、保護
管4とセンサ素子3−1〜3−3との間の絶縁抵抗
R01,R02,R03を分離でき、部分抵抗演算器9におい
て各絶縁抵抗RI,RII,RIIIを極めて精度良く演算
できるからである。
【0037】以上のように、本実施例によれば、耐火物
20の侵食等の状況が、センサ自体の溶損ではなく、異
常侵食等により高温になることに起因する絶縁物5の絶
縁抵抗変化にて検知されるため、温度センサ6の損傷が
少なく温度センサ6の再利用,連続使用が可能となるほ
か、保護管4との間の絶縁抵抗R01,R02,R03を分離
でき広範囲の連続的検知や侵食位置特定の精度が大幅に
向上する利点もある。
20の侵食等の状況が、センサ自体の溶損ではなく、異
常侵食等により高温になることに起因する絶縁物5の絶
縁抵抗変化にて検知されるため、温度センサ6の損傷が
少なく温度センサ6の再利用,連続使用が可能となるほ
か、保護管4との間の絶縁抵抗R01,R02,R03を分離
でき広範囲の連続的検知や侵食位置特定の精度が大幅に
向上する利点もある。
【0038】なお、上記実施例において、図5に示すよ
うに、保護管4内に、最も長いセンサ素子3−1に沿っ
て、このセンサ素子3−1と同じ長さの異常検知素子1
1をそなえてもよい。この異常検知素子11は、筒状の
導体管1−4とこの導体管1−4の中心部を貫き且つ先
端部の接点12で導体管1−4に接するように配置され
る導体線2−4とから構成される。
うに、保護管4内に、最も長いセンサ素子3−1に沿っ
て、このセンサ素子3−1と同じ長さの異常検知素子1
1をそなえてもよい。この異常検知素子11は、筒状の
導体管1−4とこの導体管1−4の中心部を貫き且つ先
端部の接点12で導体管1−4に接するように配置され
る導体線2−4とから構成される。
【0039】このような異常検知素子11をなす導体管
1−4と導体線2−4との間の抵抗は、通常、センサ自
体に異常がなければ低い値となる一方、センサ内のいず
れかの箇所で断線が発生したとすると、異常検知素子1
1の導体管1−4,導体線2−4でも対応する箇所で断
線が発生することになり、導体管1−4と導体線2−4
との間は導通しなくなり、その抵抗はほぼ無限大となっ
て異常を検知できる。従って、センサの破損等の異常を
検知でき、信頼性が大きく向上するのである。
1−4と導体線2−4との間の抵抗は、通常、センサ自
体に異常がなければ低い値となる一方、センサ内のいず
れかの箇所で断線が発生したとすると、異常検知素子1
1の導体管1−4,導体線2−4でも対応する箇所で断
線が発生することになり、導体管1−4と導体線2−4
との間は導通しなくなり、その抵抗はほぼ無限大となっ
て異常を検知できる。従って、センサの破損等の異常を
検知でき、信頼性が大きく向上するのである。
【0040】また、上記実施例では、導体管1−1〜1
−4内に配置した導体線2−1〜2−4を線状のものと
したが、図6(a),(b)に示すように、導体線2−1〜
2−4として管状のものを用いてもよい。
−4内に配置した導体線2−1〜2−4を線状のものと
したが、図6(a),(b)に示すように、導体線2−1〜
2−4として管状のものを用いてもよい。
【0041】さらに、上記実施例では、センサ素子3−
1〜3−3を3組そなえた場合について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、図5,図6に
示すように2組であっても、あるいは4組以上であって
もよい。
1〜3−3を3組そなえた場合について説明したが、本
発明は、これに限定されるものではなく、図5,図6に
示すように2組であっても、あるいは4組以上であって
もよい。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐火物監
視用温度センサ(請求項1)およびこの温度センサを利用
した耐火物の侵食状態計測方法(請求項3)によれば、筒
状の導体管と該導体管の中心部を貫くように配置される
導体線とを対としてなるセンサ素子を、一つの保護管内
に複数そなえ、各センサ素子を保護管の長手方向の異な
る位置まで延設するとともに、各センサ素子の導体管と
導体線との間および保護管内の各センサ素子相互間に、
高温状態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物を充填して
なる温度センサを用いることにより、耐火物の侵食等の
状況が、センサ自体の溶損ではなく、異常侵食等により
高温になることに起因する絶縁物の絶縁抵抗変化にて検
知でき、温度センサの再利用,連続使用が可能となるほ
か、保護管との間の絶縁抵抗を分離でき広範囲の連続的
検知や侵食位置特定の精度が大幅に向上する。従って、
耐火物の侵食監視に際し、確実にその侵食状況を把握で
き、耐火物をもつ溶銑樋,高炉等の各種用途に適用でき
安全操業を行なうことができる。
視用温度センサ(請求項1)およびこの温度センサを利用
した耐火物の侵食状態計測方法(請求項3)によれば、筒
状の導体管と該導体管の中心部を貫くように配置される
導体線とを対としてなるセンサ素子を、一つの保護管内
に複数そなえ、各センサ素子を保護管の長手方向の異な
る位置まで延設するとともに、各センサ素子の導体管と
導体線との間および保護管内の各センサ素子相互間に、
高温状態になると絶縁抵抗の低下する絶縁物を充填して
なる温度センサを用いることにより、耐火物の侵食等の
状況が、センサ自体の溶損ではなく、異常侵食等により
高温になることに起因する絶縁物の絶縁抵抗変化にて検
知でき、温度センサの再利用,連続使用が可能となるほ
か、保護管との間の絶縁抵抗を分離でき広範囲の連続的
検知や侵食位置特定の精度が大幅に向上する。従って、
耐火物の侵食監視に際し、確実にその侵食状況を把握で
き、耐火物をもつ溶銑樋,高炉等の各種用途に適用でき
安全操業を行なうことができる。
【0043】また、筒状の導体管と該導体管の中心部を
貫き且つ先端部で導体管に接するように配置される導体
線とからなる異常検知素子を保護管内に配置することに
より(請求項2)、センサの破損等の異常を、異常検知素
子導体管と導体線との間の抵抗増大として検知でき、温
度センサとして信頼性を大きく高めることができる。
貫き且つ先端部で導体管に接するように配置される導体
線とからなる異常検知素子を保護管内に配置することに
より(請求項2)、センサの破損等の異常を、異常検知素
子導体管と導体線との間の抵抗増大として検知でき、温
度センサとして信頼性を大きく高めることができる。
【図1】本発明の一実施例としての耐火物監視用温度セ
ンサを示すもので、(a)はその縦断面図、(b)は(a)の
Ib−Ib断面図である。
ンサを示すもので、(a)はその縦断面図、(b)は(a)の
Ib−Ib断面図である。
【図2】本実施例の温度センサに接続される検出回路の
例を示すブロック図である。
例を示すブロック図である。
【図3】(a),(b)は本実施例の動作を説明するための
グラフである。
グラフである。
【図4】(a)〜(c)は本実施例の温度センサにおける絶
縁抵抗と部分抵抗との関係を示す等価回路図である。
縁抵抗と部分抵抗との関係を示す等価回路図である。
【図5】異常検知素子をそなえた温度センサの構成例を
模式的に示す縦断面図である。
模式的に示す縦断面図である。
【図6】本実施例のセンサ素子の変形例を模式的に示す
もので、(a)はその縦断面図、(b)は(a)のVIb−VIb
断面図である。
もので、(a)はその縦断面図、(b)は(a)のVIb−VIb
断面図である。
【図7】従来の耐火物監視用温度センサとこの温度セン
サに接続される検出回路の例を示すブロック図である。
サに接続される検出回路の例を示すブロック図である。
【図8】(a)〜(c)は従来例の動作を説明するためのグ
ラフである。
ラフである。
【図9】(a)〜(c)は従来例の温度センサにおける絶縁
抵抗と部分抵抗との関係を示す等価回路図である。
抵抗と部分抵抗との関係を示す等価回路図である。
【図10】(a)〜(c)は従来例の動作を説明するための
グラフである。
グラフである。
【図11】(a)〜(c)は従来例の温度センサにおける絶
縁抵抗と部分抵抗との実際の関係を示す等価回路図であ
る。
縁抵抗と部分抵抗との実際の関係を示す等価回路図であ
る。
1−1〜1−4 導体管 2−1〜2−4 導体線 3−1〜3−3 センサ素子 4 保護管 5 絶縁物 6 温度センサ 7 リード線 8 抵抗測定装置 9 部分抵抗演算器 10 侵食状態判定装置 11 異常検知素子 12 接点 20 耐火物 21 溶銑
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 康夫 兵庫県神戸市灘区灘浜東町2番地 株式会 社神戸製鋼所神戸製鉄所内
Claims (3)
- 【請求項1】 筒状の導体管と該導体管から離隔しなが
ら該導体管の中心部を貫くように配置される導体線とを
対としてなるセンサ素子が、一つの保護管内に複数そな
えられ、 前記の各センサ素子が、前記保護管の長手方向の異なる
位置まで延設されるとともに、 前記の各センサ素子における導体管と導体線との間およ
び前記保護管内の各センサ素子相互間に、高温状態にな
ると絶縁抵抗の低下する絶縁物が充填されていることを
特徴とする耐火物監視用温度センサ。 - 【請求項2】 前記保護管内に、筒状の導体管と該導体
管の中心部を貫き且つ先端部で前記導体管に接するよう
に配置される導体線とからなる異常検知素子がそなえら
れていることを特徴とする請求項1記載の耐火物監視用
温度センサ。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の耐火物監視用温
度センサを監視対象の耐火物内に埋設し、 前記の各センサ素子をなす導体管と導体線との間の絶縁
抵抗を測定し、 測定された前記の各センサ素子毎の絶縁抵抗に基づき、
前記の各センサ素子の配置位置により規定される複数の
特定領域について、各特定領域内の絶縁抵抗を算出し、 算出された前記の各特定領域内の絶縁抵抗に基づき、前
記の各特定領域内での温度と温度上昇を生じた特定領域
とを求め、 該温度に基づき前記耐火物の侵食状態を判断するととも
に、該温度上昇を生じた特定領域に基づき前記耐火物に
おける侵食発生位置を判断することを特徴とする耐火物
の侵食状態計測方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092792A JPH05240713A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 耐火物監視用温度センサおよび耐火物の侵食状態計測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4092792A JPH05240713A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 耐火物監視用温度センサおよび耐火物の侵食状態計測方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05240713A true JPH05240713A (ja) | 1993-09-17 |
Family
ID=12594140
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4092792A Withdrawn JPH05240713A (ja) | 1992-02-27 | 1992-02-27 | 耐火物監視用温度センサおよび耐火物の侵食状態計測方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05240713A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018143491A1 (ko) * | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 박성재 | 피가열부재 통합관리 시스템과 이의 제어방법 |
WO2018143616A1 (ko) * | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 엑셀로 주식회사 | 피가열부재 통합관리 시스템과 이의 제어방법 |
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1992
- 1992-02-27 JP JP4092792A patent/JPH05240713A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2018143491A1 (ko) * | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 박성재 | 피가열부재 통합관리 시스템과 이의 제어방법 |
WO2018143616A1 (ko) * | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 엑셀로 주식회사 | 피가열부재 통합관리 시스템과 이의 제어방법 |
US11940218B2 (en) | 2017-02-01 | 2024-03-26 | Seung Jae Park | Integrated heated member management system and method for controlling same |
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