JPH05240328A - 鋼板製プーリ - Google Patents

鋼板製プーリ

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JPH05240328A
JPH05240328A JP4361192A JP4361192A JPH05240328A JP H05240328 A JPH05240328 A JP H05240328A JP 4361192 A JP4361192 A JP 4361192A JP 4361192 A JP4361192 A JP 4361192A JP H05240328 A JPH05240328 A JP H05240328A
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Eiichiro Ikeda
英一郎 池田
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豊 古川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸1又はスリーブ4の外周に中心孔9,11
を有する断面テーパ状の鋼板製シーブ8,10を嵌合し
て一体に溶接する溶接構造の鋼板製プーリを、溶接後に
歪みを矯正する後加工や高精度の加工を要することなく
製造できるようにして、比較的高精度の寸法を持つ鋼板
製プーリが安価に製造できるようにする。 【構成】 シーブ8,10の中心孔9,11と軸1又は
スリーブ4の外周との間に間隙14を設けておいて、こ
の間隙14により溶接時の歪みを吸収し、溶接のままで
プーリ回転時のシーブ8,10のプーリ溝面12aの振
れ量が所定範囲以下になるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ベルト伝動装置に使
用されるプーリに関し、特に鋼板製のプーリに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のベルト伝動装置の一
種であるVベルト式無段変速機におけるプーリとして、
プーリの半部を構成するシーブを軸又はスリーブと一体
成形した鋳物製のものが一般に使用されているが、コス
トの面で不利であり、このコストダウンを達成できるも
のとして鋼板製プーリが公知である。すなわち、この鋼
板製プーリは、プーリを構成するシーブを鋼板で製作し
て軸やスリーブに一体に溶接したものである。
【0003】従来の鋼板製プーリのシーブは、通常、そ
の中心部に軸又はスリーブを嵌合させる中心孔が設けら
れ、この中心孔に軸又はスリーブを嵌合した後、全周溶
接又はスポット溶接等の溶接により一体に接合される。
そして、一般には、シーブ中心孔の内径及び軸又はスリ
ーブの外径は隙間嵌め、中間嵌め、しまり嵌め等、比較
的近似した嵌合い公差に仕上げられる。
【0004】ところで、このような鋼板製プーリでは、
シーブの溶接時に部材の内部に歪みが生じるので、溶接
後のプーリの寸法精度に大きな影響が現れる。この歪み
の影響を少なくするためには、シーブの中心孔の周囲部
分を構成する内曲げ状ボス部の軸又はスリーブへの嵌合
長さを長くすればよいが、そのときにはプーリの軸方向
の幅寸法が大きくなる傾向があり、コンパクト化にはな
り難い。また、軸径の関係上、ボス部の嵌合長さを余り
大きくとることもできない。しかし、嵌合長さが短い
と、特に溶接部の軸径に対し外径が大きいプーリでは、
たとえ鋼板製プーリや軸、スリーブ等が高精度に仕上げ
られており、かつ溶接時に各部材が治具で高精度に保持
されていたとしても、溶接時の歪みの影響は免れ得ず、
この影響によってプーリ溝面での振れが大きくなる。従
って、このような溶接構造のプーリは、従来、比較的小
さな外径のものか、或いはさほど高い寸法精度を必要と
しない用途のものに使用されている。
【0005】例えば、Vベルトを用いるベルト式無段変
速機に上記のような振れの大きいプーリを搭載すると、
伝動能力の低下やベルトの破損等の不具合が生じる。こ
のため、大きな外径の変速プーリを鋼板で製作すること
は困難とされていた。
【0006】上記の問題を解決する方法としては、溶接
後に歪みを矯正する方法や、鋼板製シーブを軸又はスリ
ーブに対し摩擦溶接する方法等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
溶接後に歪みを矯正する方法では、加工工数が増加する
という問題がある。一方、後者の摩擦溶接する方法で
は、プーリや軸又はスリーブを高精度で加工することが
要求され、多額の設備が必要である。つまり、いずれの
方法でも、品質の確保のためには費用の増加を伴い、鋼
板製プーリを安価に製造することは困難であった。
【0008】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
で、その目的は、上記のようなVベルト式無段変速機用
のプーリに限らず、シーブを軸又はスリーブに対し溶接
する鋼板製プーリに対し、その溶接時の態様を改良する
ことで、比較的高精度の寸法を持つ鋼板製プーリを安価
に製造できるようにすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、請求項1の発明では、鋼板製プーリにおけるシーブ
の中心孔と軸又はスリーブの外周との間に間隙を設けて
おき、この間隙により溶接時の歪みを吸収する、つまり
溶接により発生する歪みをうまく利用してシーブのプー
リ側面(例えばVプーリにあってはプーリ溝面)を適正
範囲に変位させるようにした。
【0010】すなわち、この発明では、鋼板製シーブの
中心孔に軸又はスリーブの外周を嵌合して溶接により一
体に接合してなる鋼板製プーリとして、上記シーブの中
心孔の内径は軸又はスリーブの嵌合部の外径よりも大き
くされていて、シーブの中心孔と軸又はスリーブの嵌合
部との間に間隙が設けられ、該間隙により溶接に伴う各
部材の歪みが吸収されていて、プーリ回転時のシーブの
プーリ側面の振れ量が所定範囲以下になるように構成さ
れていることを特徴とする。
【0011】また、請求項2の発明では、シーブを断面
テーパ状として、鋼板製プーリを主にVベルト式無段変
速機に用いられるものとする。
【0012】請求項3の発明では、上記請求項1又は2
の鋼板製プーリにおいて、シーブの中心部に軸線方向に
内曲げされた円筒状のボス部が形成され、該ボス部の内
部に中心孔が形成されている構成とする。請求項4の発
明では、シーブの中心部に、該中心部を貫通状に切り欠
いてなる中心孔が形成されていることを特徴とする。
【0013】請求項5の発明では、請求項1又は2の鋼
板製プーリにおいて、シーブのプーリ側面の所定位置で
発生するであろう、溶接時の歪みによる最大振れ量を
a、プーリ側面の所定位置から軸又はスリーブへの嵌合
部までのプーリ側面に沿った方向の距離をl、シーブの
ボス部の軸又はスリーブへの嵌合長さをxとするとき、
シーブの中心孔と軸又はスリーブの嵌合部との間の間隙
δが、 δ>(a/2l)・x … の式を満たすように構成する。
【0014】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、シー
ブ中心孔と軸又はスリーブの嵌合部との間に設けられた
間隙により、溶接に伴う各部材の歪みが吸収されて、プ
ーリ回転時のシーブのプーリ側面の振れ量が所定範囲以
下になるので、溶接構造の鋼板製プーリの振れ量を小さ
くして、その寸法精度を向上させることができる。
【0015】また、溶接時の歪みによりシーブのプーリ
側面を適正な位置に位置付けるので、溶接直後のままで
正しい寸法精度が得られ、溶接後に歪みを矯正する後加
工が不要となり、加工時間や加工工数を低減することが
できる。しかも、シーブの中心孔の内径を軸又はスリー
ブの嵌合部の外径よりも大きくして、シーブ中心孔と軸
又はスリーブの嵌合部との間に間隙を設けるため、シー
ブ中心孔や軸又はスリーブの加工の際に高度の加工精度
や表面粗さ精度が不要であり、また、溶接時に各部材の
位置決めを行えばよいので、プーリや軸等の振れに関す
る寸法誤差をある程度許容することができ、よって高い
寸法精度の鋼板製プーリが安価に得られる。
【0016】請求項2の発明では、シーブが断面テーパ
状で、主にVベルト式無段変速機に用いられる鋼板製プ
ーリであるので、Vベルト式無段変速機に好適な鋼板製
プーリが得られる。
【0017】請求項3の発明では、上記シーブの中心部
に軸線方向に内曲げされた円筒状のボス部内に中心孔が
形成されており、また、請求項4の発明では、シーブの
中心部に、該中心部を貫通状に切り欠いてなる中心孔が
形成されているので、シーブの中心孔と軸又はスリーブ
の外周との間に間隙を設けるという溶接構造の鋼板製プ
ーリが容易に得られる。
【0018】請求項5の発明では、シーブの中心孔と軸
又はスリーブの嵌合部との間の間隙δが上記式を満た
すので、上記請求項1又は2の発明の作用効果が具体的
に確実に得られる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2及び図3は本発明の実施例に係る鋼板製プー
リAの要部を示しており、このプーリAは、ベルト式無
段変速機の駆動プーリ又は従動プーリを構成する変速プ
ーリとして使用される。図2及び図3において、1は中
心孔2を有する円筒状の軸で、その外面にはキー7を内
半部にて嵌合固定するキー取付部3が形成されており、
上記中心孔2に図外の回転軸を挿通して固定すること
で、該回転軸に回転一体に取付支持される。4は円筒状
のスリーブで、その内部には上記軸1を摺動可能にかつ
回転可能に嵌挿せしめる中心孔5が形成され、中心孔5
の内周面には、軸方向に延びていて上記キー7の外半部
を摺動案内するキー溝6が形成されており、スリーブ4
の中心孔5に軸1を挿通し、かつキー7をキー溝6に係
合することにより、スリーブ4を軸1に対し摺動可能に
かつ回転一体に連結している。
【0020】上記軸1外周の図で左端部には他の部分よ
りも大径の大径部1aが段差状に形成されており、この
大径部1a以外の部分に上記スリーブ4が嵌挿されてい
る。また、大径部1a以外で大径部1a近傍がシーブ嵌
合部1bとされ、この嵌合部1bには固定シーブ8が嵌
合されて溶接により一体に接合されている。上記固定シ
ーブ8は、半径方向外側に向かってスリーブ4から離れ
る方向に傾斜する断面テーパ状の鋼板製のもので、その
中心部には軸線方向に沿って内曲げされた円筒状のボス
部8aが形成され、このボス部8a内には貫通状の中心
孔9が設けられている。そして、固定シーブ8の中心孔
9に軸1を図で左側から嵌合して、ボス部8a先端(左
端)を軸1の嵌合部1b左端の大径部1aに当接させ、
その状態でボス部8a先端と軸1の大径部1aとを全周
溶接又はスポット溶接することで、固定シーブ8を軸1
に一体に固定している。
【0021】一方、スリーブ4外周の図で左右中間部に
は他の部分よりも大径の大径部4aが段差状に形成され
ており、この大径部4aの固定シーブ8側部分がシーブ
嵌合部4bとされ、この嵌合部4bには可動シーブ10
が嵌合されて溶接により一体に接合されている。この可
動シーブ10は、上記固定シーブ8と同様に、半径方向
外側に向かって固定シーブ8から離れる方向に傾斜する
断面テーパ状の鋼板製のもので、その中心部には軸線方
向に沿って内曲げされた円筒状のボス部10aが形成さ
れ、このボス部10a内には貫通状の中心孔11が設け
られている。そして、可動シーブ10の中心孔11にス
リーブ4を図で右側から嵌合して、可動シーブ10のボ
ス部10a先端(右端)をスリーブ4の嵌合部4b右端
の大径部4aに当接させ、その状態でボス部10aの先
端とスリーブ4の大径部4aとを全周溶接又はスポット
溶接することで、可動シーブ10をスリーブ4に一体に
固定している。
【0022】以上の構造で、スリーブ4に一体固定され
た可動シーブ10は固定シーブ8に対し、VベルトBが
掛けられる断面V字状のプーリ溝12を形成するように
対向し、かつスリーブ4の軸方向の移動により固定シー
ブ8に対し接離してプーリ溝12でのベルト半径を増減
させ、可動シーブ10が固定シーブ8に接近したときに
はベルト半径を増大させる一方、固定シーブ8から離れ
たときにはベルト半径を減少させるようにしている。
【0023】本発明の特徴は、上記固定シーブ8の軸1
への接合構造及び可動シーブ10のスリーブ4への接合
構造にある。この両方の接合構造は基本的に同じである
ので、以下では可動シーブ10の接合構造について説明
する。すなわち、図1(c)に模式的に示すように、上
記可動シーブ10の中心孔11の内径Dはスリーブ4の
嵌合部4bでの外径dよりも大きくされており、このこ
とで、可動シーブ10の中心孔11とスリーブ4の嵌合
部4bとの間には内径Dから外径dを引いた大きさδを
有する間隙14が設けられている。そして、この中心孔
11とスリーブ4外周との間の間隙14により、溶接に
伴う各部材の歪みが吸収されていて、プーリAの回転時
の可動シーブ10のプーリ溝面12aの振れ量が所定範
囲以下となるように構成されている。
【0024】上記可動シーブ10(又は固定シーブ8)
をスリーブ4(又は軸1)に接合してプーリAを製造す
る方法について説明する。図1(c)に仮想線にて示す
ように、予め、シーブ10をスリーブ4への嵌合したと
きに、シーブ10をスリーブ4に対し偏心させてシーブ
10の中心孔11とスリーブ4の嵌合部4bとの間に間
隙14を設けて治具により保持しておき、溶接時に各部
材の歪みを上記間隙14により吸収して、溶接後のプー
リAの回転時のシーブ10のプーリ溝面12aの振れ量
を所定範囲以下にすればよい。そのとき、シーブ10の
スリーブ4への溶接は、全周溶接又はスポット溶接で行
うことが望ましい。
【0025】ここで、上記可動シーブ10の中心孔11
とスリーブ4の嵌合部4b外周との間の間隙14の大き
さδの適正範囲を図1により考察する。今、図1(a)
に示すように、可動シーブ10の中心孔11の内径Dが
スリーブ4の外径dと略等しい従来構造の場合、可動シ
ーブ10の中心孔11とスリーブ4の嵌合部4b外周と
の間の間隙14の大きさδは略零であり、スリーブ4を
可動シーブ10の中心孔11に嵌合しただけの溶接前の
状態でシーブ10のプーリ溝面12aの振れ量も零であ
る。しかし、図1(b)に示す如く、シーブ10のボス
部10a先端をスリーブ4の大径部4aに溶接して固定
すると、その溶接の際の熱により各部材に歪みが発生し
てシーブ10が変形し、そのプーリ溝面12aの外縁位
置でプーリAの回転時に振れ量aの振れが発生したとす
る(15は振れ量aを図るゲージである)。この発明の
実施例では、上記振れを吸収するために、図1(c)に
仮想線にて示すように、予め、可動シーブ10の中心孔
11の内径Dをスリーブ4の嵌合部での外径dよりも大
きくすることで、シーブ10の中心孔11とスリーブ4
の嵌合部4bとの間に積極的に間隙14を設け、この間
隙14により溶接時の歪みを吸収して、溶接の後に上記
振れ量aをa=0としている。図1(b)に示すよう
に、シーブ10の外縁端(ゲージ15による測定部分)
からスリーブ4までのプーリ溝面12aに沿った方向の
距離をl、シーブ10のボス部10aのスリーブ4への
嵌合長さをx、プーリAの回転時の振れ角をθとする
と、上記振れ角θは微小であるので、図1(b)の状態
において、 sin2θ=2θ=a/l であり、図1(c)の状態において、 sinθ=θ=δ/x となる。上記2式により、シーブ10の中心孔11とス
リーブ4の嵌合部4bとの間の間隙14の大きさδは、 δ=(a/2l)・x である。従って、 δ>(a/2l)・x の式を満たすように間隙14の大きさδを設定すればよ
い。具体的には、例えばx=10mm、l=60mmの
とき、a=2.0mmの振れが発生したとすれば、間隙
14の大きさδは、 δ>(2/2×60)×10=0.17mm とする。
【0026】したがって、上記実施例においては、プー
リAにおけるシーブ8,10の中心孔9,11と軸1又
はスリーブ4の嵌合部1b,4bとの間に設けられた間
隙14により、溶接に伴う各部材の歪みが吸収されて、
プーリAの回転時のシーブ8,10のプーリ溝面12a
の振れ量δが所定範囲以下になるので、溶接構造の鋼板
製プーリAの振れ量を小さくして、その寸法精度を向上
させることができる。
【0027】また、そのとき、溶接時の歪みによりシー
ブ8,10のプーリ溝面12aを適正な位置に位置付け
るので、溶接直後のままで正しい寸法精度が得られ、溶
接後に歪みを矯正する後加工が不要となり、加工時間や
加工工数を低減することができる。
【0028】さらに、シーブ8,10の中心孔9,11
の内径Dを軸1又はスリーブ4の嵌合部1b,4bの外
径dよりも大きくして、シーブ8,10の中心孔9,1
1と軸1又はスリーブ4の嵌合部1b,4bとの間に間
隙14を設けるため、シーブ8,10の中心孔9,11
や軸1、スリーブ4の加工の際に高度の加工精度や表面
粗さ精度が不要である。しかも、溶接時に各部材の位置
決めを行えばよいので、プーリAや軸1等の振れに関す
る寸法誤差をある程度許容することができる。よって高
い寸法精度の鋼板製プーリAが安価に得られ、溶接構造
の鋼板製プーリAの寸法精度の向上及びコストダウン化
を併せ図ることができる。
【0029】本発明者によれば、上記実施例の構造の鋼
板製プーリAにより駆動及び従動プーリを作製して、伝
動能力を測定したところ、図4に実線にて示す結果が得
られた。また、同様の大きさの変速プーリを鋳物で作製
して伝動能力を測定し、その結果を同じ図4に破線にて
示す。図4(a)は、駆動プーリの回転を減速して従動
プーリに伝達するLo状態であり、例えば駆動プーリの
外径は95mm、従動プーリの外径は150mmであ
る。また、図4(b)は、駆動プーリの回転を等速で従
動プーリに伝達する等速状態であり、例えば駆動及び従
動プーリの外径はいずれも120mmである。さらに、
図4(c)は、駆動プーリの回転を増速して従動プーリ
に伝達するHi状態であり、例えば駆動プーリの外径は
145mm、従動プーリの外径は100mmである。図
4の結果を見ると、本発明の鋼板製プーリAは、鋳物製
プーリと同等かそれ以上の伝動効率を示すことが判る。
【0030】尚、上記実施例では、シーブ10(又は
8)に軸線方向の円筒状ボス部10a(又は8a)を設
け、その内部に中心孔11(又は9)を形成している
が、このボス部10a(又は8a)を設けずに、図5に
示すように、シーブ10(又は8)の中心部を直接貫通
状に切り欠くことで、シーブ10(又は8)の中心部に
中心孔11(又は9)のみを形成するようにしてもよ
い。
【0031】また、上記実施例は可変プーリの場合であ
るが、本発明は定速プーリに対しても適用することがで
き、上記実施例と同様の作用効果が得られる。また、本
発明は、Vプーリ以外の例えば平プーリ、シンクロプー
リ、Vリブドプーリ等の他の鋼板製プーリに対しても適
用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1又は2の
発明によると、軸又はスリーブの外周に中心孔を有する
鋼板製シーブを嵌合して一体に溶接する溶接構造の鋼板
製プーリにおいて、シーブの中心孔と軸又はスリーブの
外周との間に間隙を設けておき、この間隙によりシーブ
溶接時の歪みを吸収して、プーリ回転時のシーブのプー
リ側面の振れ量が所定範囲以下になるようにしたので、
溶接後に歪みを矯正する後加工が不要となり、加工時間
や加工工数を低減できるとともに、シーブ中心孔や軸又
はスリーブの加工の際に高度の加工精度や表面粗さが不
要で、しかもプーリや軸等の振れに関する寸法誤差をあ
る程度許容することができ、よって溶接構造の鋼板製プ
ーリの寸法精度の向上及びコストダウン化を併せ図るこ
とができる。
【0033】請求項3の発明では、上記シーブの中心部
に軸線方向に内曲げされた円筒状のボス部を設けて、そ
の内部に中心孔を形成した。また、請求項4の発明で
は、シーブの中心部に、該中心部を貫通状に切り欠いて
なる中心孔を直接形成した。従って、これら発明による
と、シーブの中心孔と軸又はスリーブの外周との間に間
隙を設けるという溶接構造の鋼板製プーリが容易に得ら
れる。
【0034】請求項5の発明によると、シーブの中心孔
と軸又はスリーブの嵌合部との間の間隙δが、δ>(a
/2l)・xを満たすようにしたので、上記請求項1又
は2の発明の作用効果を具体的に確実に奏することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において鋼板製プーリのシーブ
中心孔とスリーブの嵌合部外周との間の間隙の適正範囲
を設定するための原理図である。
【図2】本発明の実施例に係るプーリを示す断面図であ
る。
【図3】図2のIII 方向矢視図である。
【図4】鋼板製プーリの伝動効率特性を従来例たる鋳物
製プーリと比較して示す特性図である。
【図5】シーブの変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
A プーリ 1 軸 1b シーブ嵌合部 4 スリーブ 4b シーブ嵌合部 8 固定シーブ 8a ボス部 9 中心孔 10 可動シーブ 10a ボス部 11 中心孔 12 プーリ溝 12a プーリ溝面 14 間隙

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板製シーブの中心孔に軸又はスリーブ
    の外周を嵌合して溶接により一体に接合してなる鋼板製
    プーリであって、 上記シーブの中心孔の内径は軸又はスリーブの嵌合部の
    外径よりも大きくされていて、シーブの中心孔と軸又は
    スリーブの嵌合部との間に間隙が設けられ、該間隙によ
    り溶接に伴う各部材の歪みが吸収されていて、プーリ回
    転時のシーブのプーリ側面の振れ量が所定範囲以下とな
    るように構成されていることを特徴とする鋼板製プー
    リ。
  2. 【請求項2】 請求項1の鋼板製プーリにおいて、 シーブが断面テーパ状であって、主にVベルト式無段変
    速機に用いられることを特徴とする鋼板製プーリ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の鋼板製プーリにおい
    て、 シーブの中心部に軸線方向に内曲げされた円筒状のボス
    部が形成され、該ボス部の内部に中心孔が形成されてい
    ることを特徴とする鋼板製プーリ。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2の鋼板製プーリにおい
    て、 シーブの中心部に、該中心部を貫通状に切り欠いてなる
    中心孔が形成されていることを特徴とする鋼板製プー
    リ。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2の鋼板製プーリにおい
    て、 シーブのプーリ側面の所定位置での溶接時の歪みによっ
    て発生する最大振れ量をa、上記プーリ側面の所定位置
    から軸又はスリーブへの嵌合部までのプーリ側面に沿っ
    た方向の距離をl、シーブのボス部の軸又はスリーブへ
    の嵌合長さをxとするとき、シーブ中心孔と軸又はスリ
    ーブの嵌合部との間の間隙δが、 δ>(a/2l)・x の式を満たすように構成されていることを特徴とする鋼
    板製プーリ。
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