JPH05239718A - 分割性複合繊維及び繊維集合物ならびに繊維集合物の製造方法 - Google Patents

分割性複合繊維及び繊維集合物ならびに繊維集合物の製造方法

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JPH05239718A
JPH05239718A JP3961992A JP3961992A JPH05239718A JP H05239718 A JPH05239718 A JP H05239718A JP 3961992 A JP3961992 A JP 3961992A JP 3961992 A JP3961992 A JP 3961992A JP H05239718 A JPH05239718 A JP H05239718A
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fiber
component
fibers
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splittable
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JP3961992A
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Yosuke Takai
庸輔 高井
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Daiwabo Create Co Ltd
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  • Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
  • Multicomponent Fibers (AREA)
  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステル等の同一ポリマーまたは単一ポ
リマーをシリコーンオイル等で複数に区分した複合繊維
とすることにより、高圧水などで容易に分割できる繊維
とし、濾過性に優れた繊維集合体に形成する。 【構成】 複合溶融紡糸方法を用いて、たとえばポリエ
チレンテレフタレート(PET)成分1をたとえばシリ
コーンオイル2で被覆または分割して複合糸を得る。P
ET成分1の各構成単位はその一部を繊維表面に露出し
ている。この複合繊維を水、高圧水または有機溶剤によ
り分割する。この界面を有する分割繊維を少なくとも3
0重量%含む不織布などの繊維集合物に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濾過布、エアーフィル
ター、抄紙用カンバスなどに有用な分割性複合繊維及び
繊維集合物ならびに繊維集合物の製造方法に関する。さ
らに詳しくは、同一種類ポリマー系または単一ポリマー
系からなる複合繊維を用いて極細繊維を形成する発明に
関する。
【0002】
【従来の技術】同一種類ポリマー系または単一ポリマー
系素材、特にポリエステルまたはポリオレフィンからな
る繊維断面が異形の極細繊維は、粒子の濾過効果が高
く、濾過布、エアーフィルター、抄紙用カンバスなど化
学特性の均一性も必要とする濾過用途の産業資材などに
展開することが期待されている。従来、化学特性の均一
性がある、すなわち同じ素材でなる極細繊維は海島繊維
(たとえばポスチレン)の海成分を溶出させ、島成分
(たとえばポリエステル)からなる極細繊維が提案され
ている。この極細繊維は円形断面であって濾過効果に問
題があり、また海成分を溶出除去するため非経済的で資
源の浪費が大きいという問題があった。この問題を解決
するため、化学特性は不均一であるが、2種の異なるポ
リマー素材を用いた分割性複合繊維より作られる異形断
面の極細繊維が提案されている。これら細デニール繊維
を得る方法としては、例えば、特公昭53−47414
号、特公昭53−47416号、特公昭63−1409
8号および特開昭62−133164号各公報などがあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来例の
複合繊維は、いずれも異なる種類のポリマーを構成単位
として組み合わせたものである。例えばポリエステルと
ポリオレフィン、ポリエステルとポリアミド、ポリアミ
ドとポリオレフィンという組み合わせである。このよう
な成分が1本の繊維に組み合わせられて複合繊維になっ
ているので、これを分割し細デニールの繊維を得たとき
は当然のことながら異種のポリマーからなる繊維が混在
しており、この繊維を原料とする製品は耐酸、耐アルカ
リ性、耐溶剤性、耐湿熱性などの耐薬品性、融点、軟化
点、熱分解温度、実用上の最大使用可能温度などの熱特
性、適合染料の種類、染着度合いなどの染色性など各成
分固有の化学特性を混在して持っているのである。
【0004】単なる粒子の濾過特性は、どの組み合わせ
の分割性複合繊維を用いても従来の円断面を持つ繊維か
らなる濾過布よりも良い結果をいずれも示すが、構成素
材に耐薬品性の均一性が要求される濾過布、抄紙用カン
バスなどの濾過用産業資材では、従来の分割性複合繊
維、例えばポリエステル/ポリアミドの組み合わせの繊
維では実用化が困難である場合が多い。また、使用上同
一種の組み合わせの分割性複合繊維、特にポリエステル
/ポリエステルの組み合わせの分割性繊維の実現が望ま
れていたが、通常の複合紡糸の手段ではポリエステル同
志の相溶性が大きく(場合によっては界面で共重合反応
を起こす)実用的には製造することが困難であった。
【0005】尚、従来の市販されている分割性複合繊維
は、構成成分が異質の熱可塑性樹脂の組み合わせからな
る繊維のため、各成分は同一種の染料で同時に染色する
ことが不可能であり、生産上、経済上の問題もあった。
【0006】本発明は、前記従来技術を解決するため、
圧力水などの圧力流体の物理的衝撃処理もしくは温水ま
たは溶剤処理によって分割が容易であり、分割した繊維
が同一種類ポリマー系または単一ポリマー系からなる分
割性複合繊維及び繊維集合物ならびに繊維集合物の製造
方法を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の分割性複合繊維は、融点(Tm℃)が10
0<Tm<350の範囲の繊維成形性熱可塑性樹脂から
なる第一成分と、Tm+10≦Ts<350の範囲の溶
融紡糸温度(Ts℃)で液相であり、常温で液相または
固相である第二成分とで形成されている複合繊維であっ
て、前記複合繊維は繊維断面方向からみて第一成分が第
二成分によって少なくとも3個に区分されているととも
に、実質的に第一成分の大部分の各構成単位はその一部
を繊維表面に露出し、かつ水もしくは高圧水または有機
溶剤により分割可能であるという構成を備えたものであ
る。
【0008】前記構成においては、第一成分がポリエス
テル、ポリオレフィンポリアミドから選ばれる少なくと
も一種のポリマーであり、第二成分がポリオキシエチレ
ン、鉱物性ワックス、オルガノポリシロキサンおよびこ
れらの変性体から選ばれる少なくとも一種の物質である
ことが好ましい。
【0009】次に本発明の繊維集合物は、前記記載の分
割性複合繊維を少なくとも3個に分割した界面を有する
分割繊維を少なくとも30重量%含み、かつ不織布形態
であるという構成を備えたものである。
【0010】次に本発明の繊維集合物の製造方法は、融
点(Tm℃)が100<Tm<350の範囲の繊維成形
性熱可塑性樹脂からなる第一成分と、Tm+10≦Ts
<350の範囲の溶融紡糸温度(Ts℃)で液相であ
り、常温で液相または固相である第二成分とで形成さ
れ、繊維断面方向からみて第一成分が第二成分によって
少なくとも3個に区分されているとともに、実質的に第
一成分の大部分の各構成単位はその一部を繊維表面に露
出している複合繊維を用いて、水もしくは高圧水または
有機溶剤により前記複合繊維を少なくとも3個に分割
し、前記分割した界面を有する分割繊維を少なくとも3
0重量%含む繊維集合物に形成することを特徴とする。
【0011】
【作用】前記本発明の構成によれば、繊維断面方向から
みて第一成分が第二成分によって少なくとも3個に区分
されているとともに、実質的に第一成分の大部分の各構
成単位はその一部を繊維表面に露出し、かつ水もしくは
高圧水または有機溶剤により分割可能であることによ
り、圧力水などの圧力流体の物理的衝撃処理によって、
もしくは温水または溶剤処理によって第一成分からなる
各構成単位の界面剥離もしくは界面を形成する第二成分
の消失により、第一成分の各構成単位は各々1本ずつの
分割された極細繊維に形成することができる。この手法
によれば、用いることのできる第一成分はポリマーの種
類に限定がほとんどなく、容易に同一種類のポリマーま
たは単一ポリマー系の極細繊維の集合物を得ることが可
能となる。
【0012】また、溶融紡糸温度で液相となる耐熱性化
合物が、ポリオキシエチレン(エチレングリコールとも
いう)、鉱物性ワックス(パラフィンともいう)、オル
ガノポリシロキサン(その一部はシリコンオイル、シリ
コングリースともいう)およびこれらの変性体であると
いう本発明の好ましい構成によれば、更に分割が容易と
なる。ポリオキシエチレンは水溶性であり、たとえば温
水中でもみ作用を与えることにより分割繊維に形成でき
る。また、鉱物性ワックスは常温で固体の場合はもろ
く、容易に破砕可能であり、炭化水素系有機溶剤に可溶
であって分割処理が容易である。
【0013】また、本発明の繊維集合物の構成によれ
ば、極細の分割繊維を含み、絡合一体性にも優れている
ので、濾過布、抄紙用カンバスなどの濾過用産業資材な
どの不織布に有用なものとすることができる。
【0014】さらに、本発明の繊維集合物の製造方法の
構成によれば、前記繊維集合物を効率よく合理的に製造
することができる。
【0015】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。尚、以下の実施例において、単に%と表示し
ているのは重量%を意味する。
【0016】本発明に用いる第一成分の繊維成形性熱可
塑性樹脂第一成分は、用途を考えるとポリエステル類、
ポリアミド類、ポリオレフィン類等のポリマーが好まし
い。第一成分にポリオレフィン類を用いる場合は、第二
成分は相溶性の点で鉱物性ワックスを用いないことが好
ましい。
【0017】また本発明においては、第一成分として同
一種類のポリマー、たとえばポリエチレンテレフタレー
ト(PET)およびポリブチレンテレフタレート(PB
T)などのポリエステル系ポリマーの組み合わせ、もし
くはナイロン−6(NY6)およびナイロン−66(N
Y66)などのポリアミド系ポリマーの組み合わせから
なる極細繊維などが可能である。また、第一成分として
単一系ポリマーでも使用できる。また、繊維成形性熱可
塑性樹脂第一成分は、融点(Tm℃)が100〜350
℃の樹脂を用いることが可能であり、組み合わせの都合
上融点が100〜300℃の樹脂が好ましい。さらに第
二成分化合物の熱分解などを考慮すると、紡糸温度(T
s℃)を300℃以下にすることが好ましいため、融点
が100〜270℃の樹脂が最も好ましく、融点が10
0℃未満の樹脂は、繊維製造のとき延伸条件等の制限を
生じやすく好ましくない。
【0018】本発明で使用できる繊維成形性熱可塑性樹
脂からなる第一成分は、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)な
どのポリエステル類(T)、ナイロン−6(NY6)、
ナイロン−66(NY66)、ナイロン−6、10(N
Y610)、ナイロン−11(NY11)、ナイロン−
12(NY12)、MXD6ナイロン(商品名、三菱ガ
ス化学株式会社製)などのポリアミド類(NY)、ポリ
プロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリメチ
ルペンテン(PMP)、エチレン共重合体、プロピレン
共重合体などのポリオレフィン類(PO)のホモポリマ
ー、コポリマーおよび変性体が好ましく、ポリカーボネ
ート、ポリスチレンなどの融点が100〜350℃の熱
可塑性樹脂も用いることができる。
【0019】第二成分の化合物は、たとえば第一成分を
2つに分け、溶融した一方の第一成分の各構成単位を該
化合物で被覆し、もう一方の第一成分の各構成単位と交
互に配置することで各構成単位間の界面に各化合物を導
入する方法(第1の紡糸方法)と、第二成分を1成分と
して交互に第一成分と第二成分を隣接させるような繊維
断面構造に配置する方法(第2の紡糸方法)などによっ
て本発明の分割性繊維に形成することができる。
【0020】第二成分化合物は、第一成分に非相溶で、
溶融紡糸時は液状である化合物を選択する。すなわち、
溶融紡糸時にガス化もしくはガス状物を生じたり、溶融
状態の繊維を発泡状態にならない化合物を選択する。こ
のため、沸点もしくは熱分解してガスを発生開始する温
度が好ましくは溶融紡糸温度(Ts℃)より20℃以上
高い化合物が好ましい。また、溶融紡糸温度で両成分よ
り金属に対する濡れ性(親和性)が良い化合物が好まし
く、より好ましくは常温で液状で、分割処理後容易に除
去可能な化合物である。第二成分化合物は、たとえばジ
メチルポリシロキサン(DMPS)、ジフェニルポリシ
ロキサン(DPPS)などのシリコンオイル(以下Si
Oという)と、ジメチルポリシロキサンの末端水素化物
のアルケン(C10〜C50)およびプロピレン付加物(以
下NRBという)などのオルガノポリシロキサン(O
S)およびこれらの変性体、または付加体、エチレング
リコールなどのポリオキシエチレン(POG)、流動パ
ラフィン、及びパラフィンワックスなどの鉱物性ワック
ス(PW)などが好ましい。しかし、これらに限定され
るものではない。
【0021】尚、ポリオキシエチレンは熱水可溶であ
り、パラフィンは炭化水素有機溶剤に可溶のため分割処
理が容易である。前記した第2成分はいずれも100℃
前後では液相であるため、溶融押出機を用いずに、加熱
しながら高圧ポンプで紡糸口金に導入してもよい。シリ
コンオイルを用い、PETのみからなる分割性繊維を得
る前記第1の紡糸方法の場合は、PETを2つに分け、
一方のPETの各構成単位は図4に示すような流路で作
り、図5に示すように、シリコンオイル(第二成分)で
被覆されたPET構成単位(第一成分)を流路(14)
から供給し、PETのみでなる構成単位(第一成分)を
流路(12)から供給し、合流させてシリコンオイル層
等の第二成分2でPETの等の第一成分1を区分して、
たとえば断面が図1(c)の形の繊維とする。尚、シリ
コンオイルで完全に各構成単位を区分けしてしまうと延
伸時にバラバラになるので、ステープル(たとえばカッ
ト長38mmまたは51mm)として用いる場合は図1
(h)または(e)、(i)のように不完全区分するこ
とが好ましい。もっとも紙用短カット品(たとえばカッ
ト長4mmまたは6mm)の場合は、完全に各構成単位
を区分けしても良い。
【0022】本発明に用いる前記第2の紡糸方法の場合
は、例えば図2に示す紡糸口金を用いる場合、第一成分
を上方向の流路(12)を上方向から、本発明に用いる
紡糸温度で液相となる化合物すなわち第二成分を横方向
の流路(11)を横方向から勢い良く噴出し、第一成分
からなる各構成単位間に圧入させ界面を形成させ、図1
(e)に示すような繊維断面を形成させるのである。
【0023】本発明の分割性複合繊維の繊維断面は、例
えば図1(a)〜(i)に示すような第一成分が少なく
とも3個以上に分割され、第一成分と第二成分は各々が
繊維断面の構成単位となっており、第一成分の各構成単
位は第二成分の層を介し隣接し、且つその一部と繊維表
面に露出している構造であり、両成分の容積比は95/
5〜70/30の範囲にあるのが好ましい。尚、本発明
において「実質的に大部分の各構成単位はその一部を繊
維表面に露出している」という意味は、ウォータージェ
ット等の流体による物理的衝撃処理によって分割できる
程度に各構成単位が繊維表面に露出していればよいこと
を意味する。したがって、例えば繊維内部に幾らかの構
成成分が存在していても良いし、製造上の都合から繊維
全体がある一つの構成成分によって薄く被覆されている
状態であっても良く、図1(b)のように第一成分の構
成単位の半数が第二成分に覆われていても良い。
【0024】本発明の分割性繊維は、0.5〜100デ
ニールの繊度の繊維であり、マルチフィラメント、ステ
ープルおよび紙用短カットなどの少なくとも2倍に延伸
された繊維形態が好ましく、スタフィングボックスなど
の物理的折りたたみ方式の捲縮付与あるいは打梳綿機を
用いるなど物理的な繊維分割促進処理を施した後、さら
にウォータージェット装置などの物理的衝撃発生装置を
用いて分割処理する、もしくは温水または溶剤処理によ
って第二成分の化合物を消失させて分割処理することな
どにより細繊度繊維に分割できる。
【0025】本発明の分割性繊維は、ポリエステル、ア
クリル、ナイロン、レーヨンなどの他の繊維もしくはパ
ルプ、合成パルプなどの繊維状物と混綿混合および/ま
たは層状に重ねた繊維集合物として用いることができ
る。この繊維集合物とは、フェルト、不織布、紙、紡績
糸とその織編物、フロッキー加工品およびマルチフィラ
メントとその織編物など繊維加工品をいい、繊維集合物
中に本発明の複合繊維は少なくとも部分的には分割され
た状態で含まれるものである。そして保水性、保湿性に
効果的な極細繊維もしくは拭き取り性に優れた繊維断面
にシャープな角を持つ繊維として存在する。これらの効
果を有効に発揮するには本発明の複合繊維を少なくとも
30重量%含む。
【0026】本発明の分割性繊維は、ポリエステルの
み、ポリオレフィンのみ、およびポリアミドのみのよう
な1種類の熱可塑性樹脂でなる分割性繊維とすることが
できる。これらは従来の分割性繊維としては考えられな
かった成分同志の組み合わせである。特に一般濾材の分
野で極めて広く使用されているポリエステル繊維に替
え、ポリエステルのみが残る分割性繊維を分割して極細
繊維として用いると、従来と同じ使用条件下で、さらに
細かい粒子を捕集することが可能となり、極めて有用で
ある。また、耐熱性はあまり要求されない分野で耐酸、
耐アルカリ性の両方が要求される濾過材には、ポリプロ
ピレン(PP)のみが残る分割性繊維を形成できる。ま
た、第二成分をオルガノポリシロキサンとすると繊維中
に残留してもこれは耐熱、耐酸、耐アルカリ性と無毒性
に優れているため、用途上の制限が少なく都合が良い。
【0027】以下、具体的実施例及び比較例を説明す
る。 実施例1〜11、比較例1〜2 第一成分と第二成分の容積比率は表1〜2に示す通り
で、第一成分は第二成分によって8分割されている。各
成分間の界面は透過型光学顕微鏡で未延伸糸の繊維断面
を拡大観察し、界面の有無を判定した。第一成分は表1
〜2に示すような成分、温度で紡糸口金に導入し、第二
成分をオルガノポリシロキサンとし、200℃に加熱し
てギヤーポンプを用いて紡糸口金に導入した。得られた
未延伸糸を熱水中で延伸、繊維処理剤を含浸しながらス
タッファボックスを通して機械捲縮を与え、110℃の
ネットコンベア式熱風貫通型乾燥機で15分間乾燥し、
45mmに切断してステープル繊維とした。このステー
プル繊維をローラーカードで目付90g/m2 のウェッ
ブとした後、100〜170kg/cm2 の圧力水で5
秒間処理し、繊維が分割するか否かを評価し、更に下記
の条件で染色し評価した。以上の条件と結果を表1〜2
に示す。また第二成分を用いない例として比較例1〜2
を表3に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】なお表1〜3における測定条件は下記の通
りであった。 A.分割率(%) 分割性複合繊維100本中の分割した繊維の本数をい
い、%で表す。 B.染色条件および評価 (a)分散染料の場合 カヤロンポリエスターRed BR-S;1g/l 、テキサトンTHS-
100;0.3g/lおよび硫酸アンモニウム200g/lと酢酸3.3ml/
l のPH調整液10ml/lからなる染色中に浴比1:30で
浸漬し130℃で30分間高圧染色し、ソーダ灰;2g/l
およびハイドロサルファイト; 2g/lを含む80℃の浴中
で5分間処理した後、乾燥して染色物とした。
【0032】(b)酸性染料の場合 住友化学製ソーラピュアーブルーAFX;1g/l および染
色助剤として無水硫酸ナトリウム;3.3g/l 、酢酸;0.7g/
l を用い浴比1:30で1時間煮沸して染色、乾燥して
染色物とした。 評価 ◎:濃色に染色できた。 ○:やや淡く染色できた。 △:片成分だけ染色できた。 ×:染色できず。
【0033】実施例12 比較例2のPBTを2等分し、一方のPBTを図3のよ
うに常温では粘度の高いシリコンオイルで満たした口金
に導入し、図4のようにシリコンオイル(17)で被覆
されたPBT(16)の構成単位とする。図5の紡糸口
金システムを用い、上方の流路(14)からシリコンオ
イルで被覆されたPBTを、横方向の流路(15)から
PBTを導入して溶融紡糸し、図1(b)の繊維断面と
なった繊維を溶融紡糸し、シリコンオイル量がPBT重
量に対して5重量%程度の未延伸糸を採取し、実施例1
と同様にして処理した。繊維断面は実施例1より明確で
あり、150kg/cm2 の圧力水で5秒間処理したも
のは分割率70%であった。
【0034】以上説明した通り、本実施例の分割性繊維
は従来分割が困難と考えられていた同一種類のポリマー
または単一ポリマー系でなる分割性繊維とすることがで
きる。特にポリエステルのみでなる分割性繊維から得ら
れる極細繊維を用いてフィルターに形成した場合は、分
割面が実質的に平坦に近いため、従来品より微細粒子ま
で捕集することが可能となる。このため産業用フィルタ
ー分野で好都合である。また、化学的に不活性なためメ
ディカル不織布、あるいは耐酸、耐アルカリ性の両方が
要求されるポリプロピレンなどのポリオレフィンのみで
なる分割性繊維も容易に分割可能とすることができる。
また、前記のようにして得られた不織布は分割繊維の絡
み合いが良く、フェルト状に一体化し、繊維に付着した
シリコンオイルのため、不織布は撥水性に優れたもので
あった。
【0035】
【発明の効果】本発明の分割性繊維によれば溶融紡糸温
度で液相となる第二成分が複数に区分けされた第一成分
の間の界面に少なくとも一部が存在し、繊維断面方向か
らみて、個々の第一成分からなる構成単位は第二成分に
よって区分けされて、互いに隣接し、且つ実質的に大部
分の第一成分からなる構成単位はその一部を繊維表面に
露出しているので、圧力水などの圧力流体の物理的衝撃
処理もしくは第二成分を温水または溶剤抽出処理するこ
とによって分割が容易な分割性繊維およびその繊維集合
物とすることができる。この手法では繊維成形性のある
ポリマーの種類を問わずに分割できる。また、本発明の
繊維集合物によれば、極細繊維を含み、絡合一体性にも
優れているので、濾過布、抄紙用カンバスなどの濾過用
産業資材などに有用なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の複合繊維の繊維断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例の複合紡糸の概念モデル図で
ある。
【図3】本発明の別の実施例の紡糸の概念モデル図であ
る。
【図4】本発明の別の実施例の紡糸の概念モデル図であ
る。
【図5】本発明の別の実施例の紡糸の概念モデル図であ
る。
【符号の説明】
1 第一成分 2 第二成分 11 シリコンオイルの流路 12 第一成分のポリマーの流路 13 シリコンオイルもしくはその変性体の流路 14 シリコンオイルで被覆された第一成分の流路 15 第二成分の流路 16 PBT 17 シリコンオイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点(Tm℃)が100<Tm<350
    の範囲の繊維成形性熱可塑性樹脂からなる第一成分と、
    Tm+10≦Ts<350の範囲の溶融紡糸温度(Ts
    ℃)で液相であり、常温で液相または固相である第二成
    分とで形成されている複合繊維であって、前記複合繊維
    は繊維断面方向からみて第一成分が第二成分によって少
    なくとも3個に区分されているとともに、実質的に第一
    成分の大部分の各構成単位はその一部を繊維表面に露出
    し、かつ水もしくは高圧水または有機溶剤により分割可
    能である分割性複合繊維。
  2. 【請求項2】 第一成分がポリエステル、ポリオレフィ
    ン、ポリアミドから選ばれる少なくとも一種のポリマー
    であり、第二成分がポリオキシエチレン、鉱物性ワック
    ス、オルガノポリシロキサンおよびこれらの変性体から
    選ばれる少なくとも一種の物質である請求項1記載の分
    割性繊維。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の分割性複合繊維を少な
    くとも3個に分割した界面を有する分割繊維を少なくと
    も30重量%含み、かつ不織布形態である繊維集合物。
  4. 【請求項4】 融点(Tm℃)が100<Tm<350
    の範囲の繊維成形性熱可塑性樹脂からなる第一成分と、
    Tm+10≦Ts<350の範囲の溶融紡糸温度(Ts
    ℃)で液相であり、常温で液相または固相である第二成
    分とで形成され、繊維断面方向からみて第一成分が第二
    成分によって少なくとも3個に区分されているととも
    に、実質的に第一成分の大部分の各構成単位はその一部
    を繊維表面に露出している複合繊維を用いて、水もしく
    は高圧水または有機溶剤により前記複合繊維を少なくと
    も3個に分割し、前記分割した界面を有する分割繊維を
    少なくとも30重量%含む繊維集合物に形成することを
    特徴とする繊維集合物の製造方法。
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WO2002077333A1 (de) * 2001-03-27 2002-10-03 Carl Freudenberg Kg Splittfähige garne, fasern oder filamente und verfahren zur deren herstellung sowie vorrichtung
CN107974054A (zh) * 2016-10-25 2018-05-01 合肥杰事杰新材料股份有限公司 一种无浮纤的玻纤增强pet组合物及其制备方法

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