JP3074028B2 - 圧力流体衝撃処理用分割性複合繊維およびその繊維集合物 - Google Patents

圧力流体衝撃処理用分割性複合繊維およびその繊維集合物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、圧力水などの圧力流体
の物理的衝撃処理によって分割が容易な複合繊維及びそ
の集合物に関する。
【0002】
【従来の技術】同じ種類の素材、特にポリエステルまた
はポリオレフィンからなる繊維断面が異形の極細繊維
は、粒子の濾過効果が高く、濾過布、エアーフィルタ
ー、抄紙用カンバスなど化学特性の均一性も必要とする
濾過用途の産業資材などに展開することが期待されてい
る。
【0003】従来、化学特性の均一性がある、すなわち
同じ素材でなる極細繊維は海島繊維の海成分を溶出させ
島成分からなる極細繊維のみで、該繊維は円形断面であ
り、また海成分を溶出除去するため非経済的で資源の浪
費が極めて大きく、これらを解決するため化学特性は不
均一であるが、すなわち2種の異なる素材を用いた分割
性複合繊維より作られる異形断面の極細繊維が開発され
た。
【0004】従来、細デニール繊維を得る方法として分
割性のある複合繊維を利用することが知られている。例
えば特公昭53−47414号、特公昭53−4741
6号、特公昭63−14098号及び特開昭62−13
3164号各公報などで提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記公報など
で開示された複合繊維は、いずれも異なる種類のポリマ
ーを構成単位として組み合わせたものである。
【0006】例えばポリエステルとポリオレフィン、ポ
リエステルとポリアミド、ポリアミドとポリオレフィン
という組み合わせである。このような成分が1本の繊維
に組み合わせられて複合繊維になっているので、これを
分割し細デニールの繊維を得たときは当然のことながら
異種のポリマーからなる繊維が混在しており、この繊維
を原料とする製品は耐酸、耐アルカリ性、耐溶剤性、耐
湿熱性などの耐薬品性、融点、軟化点、熱分解温度、実
用上の最大使用可能温度などの熱特性、適合染料の種
類、染着度合いなどの染色性など各成分固有の化学特性
を混在して持っているのである。単なる粒子の濾過特性
はどの組み合わせの分割性複合繊維を用いても従来の円
断面を持つ繊維からなる濾過布よりも良い結果をいずれ
も示すが、構成素材に耐薬品性の均一性が要求される濾
過布、抄紙用カンバスなどの濾過用産業資材では、従来
の分割性複合繊維、例えばポリエステル/ポリアミドの
組み合わせの繊維では実用できない場合が極めて多く、
使用上同一種の組み合わせの分割性複合繊維、特にポリ
エステル/ポリエステルの組み合わせの分割性複合繊維
の実現が望まれていたが、ポリエステル同士の相溶性が
大きく(場合によっては界面で共重合反応を起こす)実
用的には製造することができなかったという課題があ
る。
【0007】また本発明者がすでに提案しているポリプ
ロピレン(PP)/高密度ポリエチレン(HDPE)等
のポリオレフィン/ポリオレフィンの組み合わせ、ある
いはナイロン−6(NY6)/ナイロン−12(NY1
2)あるいはMXD6ナイロン(MXD6)/ナイロン
−6(NY6)等のポリアミド/ポリアミドの組み合わ
せからなる分割性複合繊維は、従来のポリエステル/ポ
リアミドあるいはポリエステル/ポリオレフィンの組み
合わせの分割性複合繊維よりも分割性に劣るため、生産
上分割性の向上が要求されている。
【0008】なお、従来の市販されている分割性複合繊
維は構成成分が異質の熱可塑性樹脂の組み合わせからな
る繊維のため、各成分は同一種の染料で同時に染色する
ことが不可能であり、生産上、経済上の問題もあった。
【0009】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、圧力水などの圧力流体の物理的衝撃処理によって
分割が容易な同一種類の熱可塑性樹脂からなる複合繊維
及びその集合物を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の圧力流体衝撃処理用分割性複合繊維は、融
点(Tm℃)が100<Tm<350の範囲の同一種類
の熱可塑性樹脂の組み合わせからなる第1成分と第2成
分で少なくとも構成された複合繊維において、溶融紡糸
温度で液相となる耐熱性化合物が第1成分と第2成分の
間の界面の少なくとも一部に存在し、繊維断面方向から
見て前記複数成分のうち少なくとも1成分が2個以上に
分割されており、各成分は各々が繊維断面の構成単位と
なっており、各構成単位は互に異なる成分の構成単位と
隣接し、かつ実質的に大部分の各構成単位はその一部を
繊維表面に露出しており、かつ圧力流体の物理衝撃によ
って分割が可能であることを特徴とする。
【0011】前記構成においては、溶融紡糸温度で液相
となる耐熱性化合物がオルガノポリシロキサンおよびこ
れらの変性体であることが好ましい。
【0012】また本発明の繊維集合物は、前記の圧力流
体衝撃処理用分割性複合繊維が少なくとも30重量%含
まれており、かつ前記複合繊維が圧力流体の物理衝撃に
よって分割されてなるという構成を備えたものである。
【0013】
【作用】前記本発明の構成によれば、溶融紡糸温度で液
相となる耐熱性化合物が第1成分と第2成分の間の界面
の少なくとも一部に存在し、繊維断面方向から見て前記
複数成分のうち少なくとも1成分が2個以上に分割され
ており、各成分は各々が繊維断面の構成単位となってお
り、各構成単位は互に異なる成分の構成単位と隣接し、
かつ実質的に大部分の各構成単位はその一部を繊維表面
に露出しているので、圧力水などの圧力流体の物理的衝
撃処理によって分割が容易な複合繊維及びその集合物と
することができる。また複合繊維の構成成分であるポリ
マの種類を問わずに分割できる。
【0014】また、溶融紡糸温度で液相となる耐熱性化
合物がオルガノポリシロキサンおよびこれらの変性体で
あるという本発明の好ましい構成によれば、さらに分割
が容易となる。
【0015】また、本発明の繊維集合物の構成によれ
ば、極細の分割繊維を含み、絡合一体性にも優れている
ので、濾過布、抄紙用カンバスなどの濾過用産業資材な
どに有用なものとすることができる。
【0016】
【実施例】以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に
説明する。なお以下の実施例において、単に%と表示し
ているのは重量%を意味する。本発明に用いる熱可塑性
樹脂は、第1成分と第2成分ともにポリエステル類、ポ
リアミド類、ポリオレフィン類等の同一種類のポリマー
であり、全く同一のポリマーであっても良いが、実用生
産を考えると同一種類であっても溶融表面張力(γ;dy
ne/cm at265℃)あるいは溶解パラメータ値(SP値
δ:Cal1/2cm3/2 )に差の大きい種類のポリマーの
組み合わせがより好ましい。例えばポリエステル/ポリ
エステルの組み合わせであるポリエチレンテレフタレー
ト(PET)/ポリブチレンテレフタレート(PB
T)、ポリオレフィン/ポリオレフィンの組み合わせで
あるPP/HDPEあるいはポリアミドの組み合わせで
あるNY6/NY12、MXD6/NY6の組み合わせ
であるが、特にこれに限定はしない。
【0017】また従来は分割繊維としては全く考えられ
なかった組み合わせのPET/PETなどの組み合わせ
でも、分割可能である。用いることのできる熱可塑性樹
脂は、融点が100〜350℃の樹脂を用いることが可
能だが組み合わせの都合上融点が100〜300℃の樹
脂が好ましく、用いる両成分を区分する化合物の熱分解
などを考慮すると紡糸温度(T℃)を300℃以下にす
ることが好ましいため、融点が100〜270℃の樹脂
が最も好ましく、融点が100℃未満の樹脂は、繊維製
造の時延伸条件等の制限を生じやすく好ましくない。用
いることのできる熱可塑性樹脂は、PET、PBTなど
のポリエステル類(T)、ナイロン−6(NY6)、ナ
イロン−66(NY66)、ナイロン−6,10(NY
610)、ナイロン−11(NY11)、ナイロン−1
2(NY12)、MXD6ナイロン(MXD6)などの
ポリアミド類(NY)およびPP、PE、ポリメチルペ
ンテン(PMP)、エチレン共重合体、プロピレン共重
合体などのポリオレフィン類(O)のホモポリマー、コ
ポリマーおよび変性体が好ましく、ポリカーボネート、
ポリスチレンなどの融点が100〜350℃の熱可塑性
樹脂を用いることができる。
【0018】本発明に用いる化合物は、いずれか一方の
熱可塑性樹脂に混練りして繊維に導入する方法と、3成
分複合繊維の手法を用い、第1成分と第2成分を該化合
物を介して接する繊維断面構造に配置する方法の2つの
方法によって本発明の分割性複合繊維に導入することが
できる。前者に用いる化合物は、両成分に非相溶で、溶
融紡糸時は液状でかつ溶融紡糸時にガス化もしくはガス
状物を生じ溶融状態の繊維を発泡状態としない様に沸点
もしくは熱分解してガスを発生開始する温度(TB ℃)
が好ましくは溶融紡糸温度(T℃)より20℃以上高
く、溶融紡糸温度で、両成分より金属に対する濡れ性
(親和性)が良い化合物が好ましく、より好ましくは常
温で液状で、分割処理後容易に除去可能な化合物であ
る。現在本発明の効果を確認している具体例は、ジメチ
ルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンなどのシ
コーンオイル(以下SiOという)と、ポリメチル水
素シロキサンのアルケン(C10〜C50)およびプロピレ
ン付加物(以下NR−Bという)などのオルガノポリシ
ロキサン(OS)およびこれらの変性体、付加体である
が、これに限定されるものではない。
【0019】シリコーンオイルを用いPET/PBTの
分割性複合繊維を得る場合は、たとえば1μm以下の粒
径でシリコーンオイルを5重量%以上練り込んだペレッ
トを溶融し、図2に示すような紡糸口金部において溶融
樹脂の流れに11の垂直方向から流し、12の流れに平
行な方向から流入する他の成分と合流させて断面が図1
(c)の形の繊維とする。
【0020】垂直方向の溶融樹脂の流路11は、金属と
の接触面積が大きく取ってあり、シリコーンオイルの液
滴が凝縮し、該金属面を濡し、該流路の排出口から出る
樹脂成分は、少なくとも一部がシリコーンオイルでおお
われた状態で他の成分と合流するため両成分はシリコー
オイルを介して接する繊維断面を形成するのである。
なお、シリコーンオイルで完全に両成分が区分されてし
まうと延伸時バラバラになるのでステープルとして用い
る場合は、不完全区分が好ましい。
【0021】本発明に用いる後者の方法は、例えば図2
に示す紡糸口金を用いる場合、図3のように本発明に用
いる紡糸温度で液相となる化合物の海13(シリコーン
オイルを微分散したポリマ又はシリコーンオイル若しく
はシリコーン変性体でもよい)に、他のポリマ成分12
を流下させ、図4のように本発明に用いる化合物13で
おおわれた状態の成分とし、他の成分と合流させて両成
分が本発明に用いる化合物を介して接する繊維断面を形
成させる。
【0022】本発明の分割性複合繊維の繊維断面は図1
(a)〜(e)に示す様な2成分の内少なくとも1成分
が2個以上に分割され、各成分は各々が繊維断面の構成
単位となっており、各構成単位は互に異なる成分の構成
単位と隣接し、且つその一部を繊維表面に露出している
構造であり、両成分の容積比は30/70〜70/30
の範囲にあるのが好ましい。なお、本発明において「実
質的に大部分の各構成単位はその一部を繊維表面に露出
している」という意味は、ウォータージェット等の流体
による物理的衝撃処理によって分割できる程度に各構成
単位が繊維表面に露出していればよいことを意味する。
したがって、例えば繊維内部に幾らかの構成成分が存在
していても良いし、製造上の都合から繊維全体がある一
つの構成成分によって薄く被覆されている状態であって
も良い。
【0023】本発明の分割性複合繊維は0.5〜100
デニールの繊度の繊維であり、マルチフィラメント、ス
テープルおよび紙用短カットなどの少なくとも2倍に延
伸された繊維形態が好ましく、スタフィングボックスな
どの物理的折りたたみ方式の捲縮付与あるいは打梳綿機
を用いるなど物理的な繊維分割促進処理を施した後、さ
らウォータージェット装置などの物理的衝撃発生装置を
用いて分割処理して細繊度繊維に分割できる。
【0024】本発明の分割性複合繊維はポリエステル、
アクリル、ナイロン、レーヨンなどの他の繊維もしく
成パルプなどの繊維状物と混綿混合および/または層
状に重ねた繊維集合物として用いることが出来、該複合
繊維の分割処理は、混用前もしくは混用後のいずれであ
ってもよい。該繊維集合物とは、フェルト、不織布、
紙、紡績糸とその織編物、フロッキー加工品およびマル
チフィラメントとその織編物など繊維加工品をいい、該
繊維集合物中に該複合繊維は少なくとも部分的には分割
された状態で含まれ、保水性保湿性に効果的な微細繊維
もしくはふき取り性に優れた繊維断面にシャープな角を
持つ繊維として存在する。これらの効果を有効に発揮す
るには本発明の複合繊維を少なくとも30重量%含むの
が好ましい。
【0025】本発明の複合繊維はポリエステル/ポリエ
ステル、ポリオレフィン/ポリオレフィンおよびポリア
ミド/ポリアミドの様な同一種類の熱可塑性樹脂の組み
合わせの分割性複合繊維を含み、これらは従来の分割性
繊維としては考えられなかった成分同士の組み合わせも
分割可能とした。さらに全く同一の熱可塑性樹脂の組み
合わせ、例えばPET/PETも分割できる可能性があ
り、この手法では、用いる両成分分離用化合物の耐熱性
と、両成分の耐熱性に制限を受けるのみでほとんどあら
ゆる熱可塑性樹脂の組み合わせでも分割性を有する分割
性複合繊維とできると推定される。
【0026】特に一般濾過材の分野で極めて広く使用さ
れているポリエステル繊維に替え、ポリエステル/ポリ
エステルの組み合わせの分割性複合繊維を分割して微細
繊維として用いると従来と同じ使用条件下で、今までよ
りもさらに細かい粒子を捕集することが可能となり、極
めて有用である。また、耐熱性はあまり要求されない分
野で耐酸、耐アルカリ性の両方が要求される濾過材には
PP/HDPEの組み合わせの分割性複合繊維を本発明
を適用しない場合よりはるかに容易に分割可能とでき有
用である。
【0027】また第3成分として用いる本発明に用いる
化合物をオルガノポリシロキサンとすると繊維中に残留
してもこれは耐熱、耐酸、アルカリ性と無毒性に優れて
いるため、用途上の制限が少なく都合が良い。以下具体
的実験例を説明する。
【0028】実施例1〜7、比較例1〜5 表1〜2に示す様に種々熱可塑性樹脂の組み合わせのも
のを図1(c)に示すような風車状に配列した断面を持
つ複合繊維として溶融紡糸して未延伸糸とした。両成分
の容積比率は50:50で、両成分は互いに相手成分に
よって8分割されている。各成分間の界面は透過型光学
顕微鏡で未延伸糸の繊維断面を拡大観察し界面の有無を
判定した。オルガノポリシロキサンは、第1成分に添
加、色相類似の成分の組み合わせの場合は第2成分に淡
く原料着色マスターバッチを添加した。紡糸した未延伸
糸を95℃熱水中で延伸、繊維処理剤を含浸しながらス
タッファボックスを通して機械捲縮を与え、110℃の
ネットコンベア式熱風貫通型乾燥機で15分間乾燥し、
45mmに切断してステープル繊維とした。
【0029】このステープルファイバーをローラーカー
ドで90g/m2目付のウェブとした後、100〜17
0Kg/cm2 の圧力水で5秒間処理し複合繊維が分割す
るか否かを評価したさらに下記条件で染色を実施した。
【0030】A.分割率 分割性複合繊維100本中の分割した繊維の本数をい
い、%で表わす。
【0031】B.染色条件および評価 評価 ◎:濃色に染色できた。 ○:やや淡く染色できた。 △:片成分だけ染色できた。 ×:染色できず。
【0032】a)分散染料の場合 カヤロンポリエスターRed BR-S;1g/l 、テキサトンTHS-
100;0.3g/lおよび硫酸アンモニウム200g/lと酢酸3.3ml/
l のPH調整液10ml/lからなる染色液中に浴比1:30
で浸漬し130℃で30分間高圧染色し、ソーダ灰;2g
/lおよびハイドロサルファイト;2g/lを含む80℃の浴
中で5分間処理した後乾燥して染色物とした。
【0033】b)酸性染料の場合 住友化学ソーラピュアーブルーAFX1g/lおよび染色助
剤として無水硫酸ナトリウム;3.3g/l、酢酸0.7g/lを用
い浴比1:30で1時間煮沸して染色、乾燥して染色物
とした。
【0034】実施例8 比較例2の組み合わせで紡糸口金部PBT側の溶融樹脂
流路に実施例1より粘度の高いシリコーンオイルを供給
た後、比較例2と同様にして複合繊維を溶融紡糸し、
シリコーンオイル量がPBT重量に対し5%程度の未延
伸糸を採取し、実施例2と同様にして処理した。繊維断
面は実施例2より明確であり、170kg/cm2 の圧
力水で5秒間処理したものは分割率20%であった。
【0035】以上の条件及び結果を表1〜2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】以上説明した通り、本実施例の分割性複合
繊維は、従来難分解もしくは分割不可能と考えられてい
た同一種類の熱可塑性樹脂の組み合わせであり、これら
を分割可能とした。特にポリエステル/ポリエステルの
組み合わせの繊維は従来品より微細粒子まで捕集可能な
ため産業用フィルター分野で好都合であり、化学的に不
活性なためメディカル不織布、あるいは耐酸と耐アルカ
リ性の両方が要求されるポリオレフィン/ポリオレフィ
ンの組み合わせの繊維を容易に分割処理可能とすること
ができた。また前記のようにして得られた不織布は、分
割繊維の絡み合いが良く、フェルト状に一体化している
ものであった。またポリマ中に微分散されたシリコーン
オイルの存在により、不織布は撥水性に優れたものであ
った。
【0039】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の複合繊維に
よれば、溶融紡糸温度で液相となる耐熱性化合物が第1
成分と第2成分の間の界面の少なくとも一部に存在し、
繊維断面方向から見て前記複数成分のうち少なくとも1
成分が2個以上に分割されており、各成分は各々が繊維
断面の構成単位となっており、各構成単位は互に異なる
成分の構成単位と隣接し、かつ実質的に大部分の各構成
単位はその一部を繊維表面に露出しているので、圧力水
などの圧力流体の物理的衝撃処理によって分割が容易な
複合繊維及びその集合物とすることができる。また複合
繊維の構成成分であるポリマの種類を問わずに分割でき
る。
【0040】また、溶融紡糸温度で液相となる耐熱性化
合物がオルガノポリシロキサンおよびこれらの変性体で
あるという本発明の好ましい構成によれば、さらに分割
が容易となる。
【0041】また、本発明の繊維集合物によれば、極細
の分割繊維を含み、絡合一体性にも優れているので、濾
過布、抄紙用カンバスなどの濾過用産業資材などに有用
なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の複合繊維の繊維断面図であ
る。
【図2】本発明の一実施例の複合紡糸の概念モデル図で
ある。
【図3】本発明の一実施例の複合紡糸の概念モデル図で
ある。
【図4】本発明の一実施例の複合紡糸の概念モデル図で
ある。
【符号の説明】
1 A成分 2 B成分 11 シリコーンオイル分散ポリマの流路 12 通常のポリマの流路 13 シリコーンオイル分散ポリマ又はシリコーンオイ
ル若しくはその変性体の流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/00 - 8/18 D04H 1/00 - 18/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点(Tm℃)が100<Tm<350
    の範囲の同一種類の熱可塑性樹脂の組み合わせからなる
    第1成分と第2成分で少なくとも構成された複合繊維に
    おいて、溶融紡糸温度で液相となる耐熱性化合物が第1
    成分と第2成分の間の界面の少なくとも一部に存在し、
    繊維断面方向から見て前記複数成分のうち少なくとも1
    成分が2個以上に分割されており、各成分は各々が繊維
    断面の構成単位となっており、各構成単位は互に異なる
    成分の構成単位と隣接し、かつ実質的に大部分の各構成
    単位はその一部を繊維表面に露出していることを特徴と
    する分割性複合繊維。
  2. 【請求項2】 溶融紡糸温度で液相となる耐熱性化合物
    がオルガノポリシロキサンおよびこれらの変性体である
    請求項1記載の分割性複合繊維。
  3. 【請求項3】 請求項1の分割性複合繊維が少なくとも
    30重量%含まれており、かつ前記複合繊維が分割され
    てなる繊維集合物。
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WO2000053831A1 (fr) * 1999-03-08 2000-09-14 Chisso Corporation Fibre conjuguee clivee, procede de production associe, et article forme a l'aide de cette fibre
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