JP3435867B2 - 不織布成型物及びその製造法 - Google Patents

不織布成型物及びその製造法

Info

Publication number
JP3435867B2
JP3435867B2 JP33163294A JP33163294A JP3435867B2 JP 3435867 B2 JP3435867 B2 JP 3435867B2 JP 33163294 A JP33163294 A JP 33163294A JP 33163294 A JP33163294 A JP 33163294A JP 3435867 B2 JP3435867 B2 JP 3435867B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
woven fabric
fiber
fibers
yarn
molded product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP33163294A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08158228A (ja
Inventor
賢 西島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JNC Corp
Original Assignee
Chisso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chisso Corp filed Critical Chisso Corp
Priority to JP33163294A priority Critical patent/JP3435867B2/ja
Publication of JPH08158228A publication Critical patent/JPH08158228A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3435867B2 publication Critical patent/JP3435867B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、気体や液体もしくは粉
体などの産業用フィルタ−として好ましく使用される不
織布成型物及びその製造法に関する。
【0002】
【従来技術】近年、産業は高性能、高純度、超微細方面
への発展がめざましく、それらの分野で用いられる気
体、液体、粉体は、精密濾過を必要とする。従来、この
様な精密フィルタ−として、極細のガラス繊維不織布や
合成繊維不織布等が使用されていた。しかしながら、前
記ガラス繊維不織布は、アルカリに弱く、また成形加工
性に劣る等の課題がある。一方合成繊維不織布は、ガラ
ス繊維不織布に較べ軽量でかつ容易に成形できる等の利
点を持っている。この様なものとしてポリエステルスパ
ンボンド不織布やポリプロピレンメルトブロ−不織布等
が使用されている。しかしながら、これらの不織布は成
形保持性を上げるために補強材と貼り合わせする必要が
ある(特開平1−194912号公報、特開平4−34
6805号公報)。貼り合わせする方法として加熱圧着
がとられているが、成形保持性を十分維持し、通気抵抗
を損なわず、孔径安定性を維持する事は困難である。例
えば、成形保持性を維持するために、十分な熱を加え貼
り合わせると、濾材である極細不織布も溶融し、通気抵
抗が著しく高くなる。また、エンボスロ−ル法により熱
圧着されたものは、熱圧着部以外は接着していないため
補強材への十分な貼り合わせが出来ない、また、極細不
織布の繊維も自由に動く事が出来るため、孔径安定性に
劣るという欠点がある。また、加熱圧着法以外として高
圧水流による貼り合わせが考えられるが、メルトブロ−
不織布では極細繊維の強度が弱く、高圧水流にて繊維が
切断されたり、交絡した場合でも剥離する等の問題があ
る。また、成形基材に直接メルトブロ−法にて極細繊維
積層体を形成する方法が提案されている(特開平4−6
5568)。この方式は、あらかじめ成形された成形基
材上に不織布を積層融着するため、成形保持性は優れて
いる。しかしながら、メルトブロ−法による直接吹き付
け接着のため、基材に対する接着性が劣り、また、吹き
付けによるため比較的複雑な形状には成形できない等の
欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の課題である成形保持性を維持し、通気抵抗を
損なわず、複雑な形状に容易に加工出来る不織布成型物
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、熱可塑性分割型複合
繊維を、熱融着性繊維の交点を融着接合した織り密度
0.5〜25本/25mmで織製した織布状物からなる
ネット状成型基材の少なくとも片面に積層し、その上か
ら高圧水流を噴射すると、熱可塑性分割型複合繊維が分
割され、且つ分割された熱可塑性分割極細繊維が前記熱
融着性繊維と強固に交絡された不織布成型物が得られる
事が判明した。その結果、所期の目的が達成されること
を知り、本発明を完成するに至った。
【0005】本発明は、次の構成を有する。 (1) 熱融着性繊維の交点を融着接合した織り密度
0.5〜25本/25mmで織製した織布状物からなる
成型基材の少なくとも片面に、0.75デニ−ル以下の
熱可塑性分割極細繊維が分散かつ相互に交絡されて成型
基材と一体化されていることを特徴とする不織布成型
物。 (2) 熱融着性繊維が、複合繊維である(1)項に記
載の不織布成型物。 (3) 熱融着性繊維が、フィラメント糸である(1)
若しくは(2)項に記載の不織布成型物。 (4) フィラメント糸が、モノフィラメント糸である
(3)項に記載の不織布成型物。 (5) 熱融着性繊維が、モノフィラメント糸である
(2)項に記載の不織布成型物。 (6) フィラメント糸が、マルチフィラメント糸であ
る(3)項に記載の不織布成型物。 (7) 熱融着性繊維が、紡績糸である(1)若しくは
(2)項に記載の不織布成型物。 (8) 熱融着性繊維が、モノフィラメント糸、マルチ
フィラメント糸若しくは紡績糸のうちの同種又は異種の
少なくとも2成分からなる混繊糸である(1)若しくは
(2)項に記載の不織布成型物。 (9) 熱融着性繊維が、融点差10℃以上を有する少
なくとも2種の混繊糸である(8)項に記載の不織布成
型物。 (10) 熱可塑性分割極細繊維が、ポリオレフィン系
繊維である(1)若しくは(2)項に記載の不織布成型
物。 (11) 熱可塑性分割極細繊維が、ポリオレフィン系
繊維である(5)項に記載の不織布成型物。 (12) 熱可塑性分割極細繊維が、ポリプロピレン/
ポリエチレンからなる複合繊維である(10)若しくは
(11)項に記載の不織布成型物。 (13) 熱可塑性分割極細繊維が、異形断面である
(1)、(2)若しくは(10)項の何れかに記載の不
織布成型物。 (14) 熱可塑性分割極細繊維が、異形断面である
(5)若しくは(11)項に記載の不織布成型物。(15) (1)項に記載された不織布成型物を用いた
フィルター。 (16) 高圧水流によって分割する熱可塑性分割型複
合繊維を、熱融着性繊維同士の交点を融着接合した織り
密度0.5〜25本/25mmで織製した織布状物から
なる成型基材の少なくとも片面に積層した後、高圧水流
を噴射することを特徴とする不織布成型物の製造法。 (17) 高圧水流の水圧が60Kg/cm2以上であ
る(16)項に記載の不織布成型物の製造法。 (18) 高圧水流の噴射が、貼り合わせ面の両面につ
いて行われる(16)項に記載の不織布成型物の製造
法。 (19) 高圧水流の噴射が、貼り合わせ面の両面につ
いて行われる(17)項に記載の不織布成型物の製造
法。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
用いられる熱可塑性分割型複合繊維においては、ポリオ
レフィン系、ポリアミド系あるいはポリエステル系樹脂
等を用いることができる。これらのうちで互いに相溶性
の小さい、少なくとも2種以上の樹脂を複合紡糸して得
る事ができる。このうち、耐薬品性、易成形性の点から
特にポリオレフィン系の熱可塑性分割型複合繊維が好ま
しい。本発明の熱可塑性分割型複合繊維に用いられるポ
リオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、ブテ
ンー1若しくは4ーメチルペンテンー1等の単独重合
体、及びこれらと他のα−オレフィン、即ち、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテンー1、ヘキセン
ー1、ヘプテンー1、オクテンー1あるいは4−メチル
ペンテン−1などのうちの1種以上とのランダム若しく
はブロック共重合体あるいはこれらを組み合わせた共重
合体のことであり、またはこれらの混合物である。ポリ
アミド系樹脂としてはナイロン4、ナイロン6、ナイロ
ン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン66、ナ
イロン610、ポリメタキシリデンアジパミド、ポリパ
ラキシリデンデカンアミド、ポリビスシクロヘキシルメ
タンデカンアミド若しくはこれらのコポリアミドを用い
ることができる。ポリエステル系樹脂としてはポリエチ
レンテレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンオキシベンゾエート、ポリ(1,4ー
ジメチルシクロヘキサンテレフタレート)若しくはこれ
らの共重合体を用いることができる。これらの樹脂のう
ち、互いに相溶性の小さい、少なくとも2種以上の樹脂
を図1〜図4に示されるように、放射状または平行ある
いは並列に複合紡糸することにより本発明の熱可塑性分
割型複合繊維が得られる。樹脂の組み合わせとしてはポ
リプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレ
ート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポ
リプロピレン、ナイロン66/ポリエチレン、ナイロン
66/ポリプロピレン等の組み合わせが好ましいがこの
中でもポリプロピレン/ポリエチレンの組み合わせが特
に好ましい。また、それらの熱可塑性分割型複合繊維
は、本発明の目的を外れない範囲内で繊維内に機能性を
付与する添加剤を配合することが可能であり、用途に合
わせて選択し、適宜配合することができる。
【0007】本発明の熱可塑性分割型複合繊維の単糸繊
度は、0.7デニ−ル〜6.0デニ−ルのものであり、
特に1.0〜4.0デニ−ルのものが好ましい。単糸繊
度が0.7デニ−ル未満の場合、不織布加工時のカ−デ
ィング工程によるウエブ形成時にネップの発生、シリン
ダ−への沈み等が起こり加工性不良になる。また、別方
式である湿式法つまり繊維の水中分散によるウエブ形成
法では0.7デニ−ル未満のものは、分散性不良となる
場合が多い。一方、6.0デニ−ルを越える場合、分割
後の繊度が太くなるためフィルタ−性能が劣り好ましく
ない。分割後に得られる熱可塑性分割極細繊維の繊度は
0.02〜0.75デニ−ルのものが好ましい。より好
ましくは0.02〜0.40デニ−ルのものがフィルタ
−性能、柔軟性、拭き取り性に優れたものが得られる。
【0008】本発明において用いられる成形基材とは、
熱融着性繊維を織編等の加工を行うことで織り密度0.
5〜25本/25mmで織製した織布状物を形成し、熱
処理によって繊維同士の交点を融着したものである。成
型基材に用いられる熱融着性繊維は、前記熱可塑性分割
型複合繊維に用いられた樹脂を用いることができる。こ
れらのうちでポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチ
レンテレフタレート、ナイロン6若しくはナイロン66
が好ましいが、ポリプロピレン、ポリエチレンが耐薬品
性の面から特に好ましい。熱融着性繊維は熱可塑性分割
型複合繊維と同種または異種の樹脂を用い、それらの樹
脂を通常の紡糸法で紡糸、または複合紡糸法により鞘芯
型にあるいは並列型に複合紡糸することにより得られる
繊維を以下に述べるように加工することにより得ること
ができる。熱融着性繊維の形態としては、単一成分から
なる構造、複合構造のいずれも使用できるが、交点での
均一な接合構造形成し易い点から一般的には複合構造が
好ましい。これらのうちでもポリプロピレン/ポリエチ
レンから成る鞘芯型あるいは並列型に複合防止すること
により得られる繊維が特に好ましい。
【0009】また、形状はフィラメント糸、ステープル
糸、紡績糸で使用できるが、成型基材としての形態安定
性の面から、フィラメント糸(モノフィラメント糸、マ
ルチフィラメント糸)が特に好ましい。モノフィラメン
ト糸は適度な範囲の繊度を選ぶことにより、また、マル
チフィラメント糸は適度な範囲の繊度とヨリ数のバラン
スを図ることにより熱融着後でもフレキシブルで形態安
定性に優れた成型基材が得られる。マルチフィラメント
糸は同種類のフィラメントから構成されるものに限らず
異種類のフィラメントから構成されるものでも良い。ま
た、紡績糸の場合は単独で成型基材として使用するより
も剛性率の大きいフィラメント糸を主体に併用(被覆糸
を含む混繊、混織)することにより形態安定性はフィラ
メント糸に一任し、紡績糸は独特の突出する毛羽で後述
する熱可塑性分割極細繊維の絡み合いを支持補助し、熱
可塑性分割極細繊維を一層蜘蛛巣状に分散させ、ミクロ
ポ−ラス構造を形成させる効果が大きいので好ましい。
紡績糸についても異なる種類のステープル糸、例えば単
一成分からのものと複合繊維からのものの混合物から調
製したものを使用することもできる。
【0010】単一成分からなる繊維に基づくものあるい
は複合繊維に基づくものを問わず、モノフィラメント
糸、マルチフィラメント糸若しくは紡績糸のうちの同種
又は異種の少なくとも2成分からなる混繊糸も使用する
ことができる。繊度についても異なるものを使用するこ
とができるのは当然である。同様に混織の場合も縦糸及
び横糸にモノフィラメント糸、マルチフィラメント糸若
しくは紡績糸のうちの同種又は異種の2成分以上を使用
することができる。その他、例えば、複合繊維を全く含
まなくても低融点樹脂からなる繊維と高融点樹脂からな
る繊維を混繊、混織などにより、あるいはこれらの併用
により、本発明の成型基材として使用できる。本発明の
成型基材に使用される熱融着性繊維の繊度は、モノフィ
ラメント糸あるいはステープル糸で40〜2500デニ
−ルのものであり、易成形性、成形保持性の点で100
〜1500デニ−ルの物が特に好ましい。また、マルチ
フィラメント糸では、繊維が柔軟性が富んでいるため7
5〜5000デニ−ルが好ましく、易成形性、成形保持
性の点で200〜3500デニ−ルの物が特に好まし
い。また、紡績糸は、短紡糸、長紡糸のいずれも使用す
ることができ、通常紡績糸の番手は20S〜40S、3
0/2S〜60/2Sが好ましい。成型基材の織り密度
は、熱融着性繊維が太くなるほど低密度となり、細くな
るにつれて密度を増加することができるが、濾過機能を
重視した用途については0.5〜25本/25mmで織
製したものが好ましい。
【0011】本発明の不織布成型物は、熱可塑性分割型
複合繊維のウエブと熱融着性繊維ネットの積層交絡構造
で構成される。つまり、本発明の不織布成型物は、熱可
塑性分割型複合繊維をカ−ディング工程等でウエブと
し、これを熱融着性繊維同士の交点を融着接合した網状
物または織布状物からなる成型基材と重ね合わせた積層
構成物の、片面または両面から高圧水流を噴射すること
によって交絡させると共に分割させて形成する。本発明
で用いられる熱可塑性分割型複合繊維は、坪量が30〜
200g/m2であり、好ましくは、40〜150g/
2 である。上記の範囲を逸脱すると、不織布の強度不
足、不均一性、分割不足等の結果を招き好ましくない。
熱可塑性分割型複合繊維は、高圧水流により分割する。
その結果得られる熱可塑性分割極細繊維の分割率が65
%以上であることが好ましい。特に濾過性能の点から8
0%以上であることが好ましい。その分割状態及び分割
率は高圧水流の水圧、ライン速度、段数、噴出孔とウエ
ブの距離等により変化する。従って上記65%以上の分
割率を得るためには、水圧として60kg/cm2 以上
が好ましく、より好ましくは80kg/cm2以上、更
に好ましくは、100〜120kg/cm2 が望まし
い。水圧が60kg/cm2未満の場合、分割率が低く
なり濾過性能が劣る場合があるが、他の条件を選択する
ことにより本発明の不織布成型物を得ることもできる。
【0012】本発明の不織布成型物は、熱可塑性分割極
細繊維が成型基材と隙間を介して相互に交絡されてい
る。この交絡は成型基材にまとわり付くように強固に一
体化されている。しかも、単純に分割されているので不
織布成型物は厚み方向に対しても連続したミクロポ−ラ
ス構造を形成し、通気抵抗度を損なわない構造になって
いる。また、一般の不織布に行われるような熱融着性極
細繊維を用いて熱融着加工を処理したものは繊維の接着
によって不織布が粗硬になるが、本発明の不織布成型物
は、上記の構成を有するので柔軟であり様々な形状に対
する成型がスム−ズに行われ形態安定性にも優れるよう
になる。さらに本発明の不織布成型物は、全てが熱融着
性繊維で構成されるため、成型加工温度を上げる事によ
り成型体の剛性を上げる事が可能である。また、本発明
の不織布成型物は、成型基材である熱融着性複合繊維の
繊維交点が熱接着されているため目ズレが発生しないた
め、成型加工での伸びによる不織布の不均一化が発生し
にくい。また、不織布成型物の製造に際し、成型基材の
織り密度、熱可塑性分割極細繊維の繊度、分割率などを
変化させた物を順次複数積層し、層間に密度勾配を有す
る不織布成型物としたものは、密度勾配に準じたミクロ
ポ−ラス構造が形成され、高精度な濾過機能を有する物
が得られる。本発明の不織布成型物は、熱可塑性分割極
細繊維が成型基材と強固に一体化しているため、易成型
加工性、形態安定性、フィルタ−性、柔軟性等に優れ、
また熱可塑性分割極細繊維が異形断面であるため優れた
拭き取り性を有し、その上成型基材と一体化しているた
め、不織布の伸びが小さく、汚れた後の洗浄によって不
織布が破壊される事が少ない。本発明の不織布成型物
は、上記構成によりフィルタ−、ワイピングクロス、マ
スク、手術衣、ブラカップ、包装布、ブラインドカ−テ
ン、装飾造形品等に使用できる。
【0013】以下本発明を実施例にて更に詳細に説明す
るが本発明はその要旨を越えない限り以下の実施例、比
較例に限定されるものではない。なお、各例において繊
維の物性の評価並びに、成型性等の評価は以下に示す方
法で行った。 (1)分割率:試料をワックスに包埋し、ミクロト−ム
で繊維軸に対しほぼ直角に切断し試料片を得る。これを
顕微鏡で観察し、得られた断面像から画像処理にて、分
割した熱可塑性分割極細繊維と未分割の分割型複合繊維
の断面積を測定し、以下の式で算出した。 分割率=〔分割極細繊維の総断面積/(分割極細繊維の
総断面積+分割型複合繊維の総断面積)〕×100 (2)通気度:フラジ−ル型通気度試験機を用い、JI
S L 1006Aの方法で通気度を求めた。単位cc
/cm2・sec。 (3)濾過性:30リットルの水を入れた水槽、ポン
プ、濾過機からなる循環式濾過試験機を用いた。毎分3
0リットルの流量で循環させながら、水槽にカ−ボラン
ダム#600(主粒径10〜33μ)を5g添加する。
添加後3分後濾過水を採取し目視により水の濁りを観察
した。同様にカ−ボランダム#1200(主粒径5〜1
5μ)を5g添加し、同様に濾水を採取し目視により水
の濁りを観察した。#1200で水の濁りが無いものを
濾過性良(○)。#600で水の濁りのあるものを濾過
性不良(×)。#600で濁りが無く、#1200で濁
りがあるものを濾過性やや不良(△)として評価した。 (4)成型性:図4の金型を用いて成型試験より評価し
た。成型試験用の金型は、くさび状の部分と半球状の部
分からなりそれぞれの部分から不織布成型物の型追従
性、形態安定性等を観察した。成型方法は、不織布成型
物を140℃のオ−ブンで5分間予熱し、図5の金型を
用いて冷却プレス成型を行った。得られた成型体がシワ
の発生、型くずれがなく均一に成型され、しかも成型体
を指等で強くこすっても毛羽立ちが起きないものを成型
性良(○)。シワの発生、型くずれ、毛羽立ちのいずれ
かが発生するものは成型性不良(×)。シワの発生、毛
羽立ちは無いが、やや形態安定性に欠けるものは成形性
やや不良(△)として評価した。それらの結果は、表1
に示した。
【0014】成型基材として次のネット1〜ネット6を
使用した。 (ネット1)メルトフロ−レ−ト(以下MFRと略記す
る)MFR8(g/10分、230℃)のポリプロピレ
ンを芯成分とし、MFR15(g/10分、190℃)
の高密度ポリエチレンを鞘成分とし、鞘芯型複合繊維紡
糸用口金を用いて、鞘芯比が5対5であり繊度250デ
ニ−ルの複合モノフィラメント糸を得た。この複合モノ
フィラメント糸を用い、経緯共17×17本/25mm
の織り密度で織製し、織布を得た。この織布をテンタ−
型加熱機を用い温度145℃で加熱し、鞘芯型複合繊維
の交点が熱融着したネットを得た。
【0015】(ネット2)MFR5(g/10分、23
0℃)のポリプロピレンを芯成分とし、MFR10(g
/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを鞘成分と
し、鞘芯型複合繊維紡糸口金を用いて、鞘芯比が5対5
であり繊度1000デニ−ルの複合モノフィラメント糸
を得た。この複合繊維を用い、経緯共10×10本/2
5mmの織り密度で織製し、織布を得た。この織布をテ
ンタ−型加熱機を用い温度145℃で加熱し、鞘芯型複
合繊維の交点が熱融着したネットを得た。
【0016】(ネット3)MFR8(g/10分、23
0℃)のポリプロピレンを紡糸用口金を用いて繊度25
0デニ−ルのポリプロピレンモノフィラメント糸を得
た。このフィラメント糸を用い、経緯共17×17本/
25mmの織り密度で織製し、織布を得た。
【0017】(ネット4)MFR8(g/10分、23
0℃)のポリプロピレンを芯成分とし、MFR15(g
/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを鞘成分と
し、鞘芯型複合繊維紡糸用口金を用いて、鞘芯比が5対
5であり繊度400デニ−ル(40フィラメント)の複
合マルチフィラメント糸(ヨリ数300回/m)を得
た。この複合マルチフィラメント糸を用い、経緯共10
×10本/25mmの織り密度で織製し、織布を得た。
この織布をテンタ−型加熱機を用い温度145℃で加熱
し、複合マルチフィラメント糸の交点が熱融着し、更に
複合マルチフィラメント糸自体が熱融着したネットを得
た。
【0018】(ネット5)一方でMFR17(g/10
分、230℃)のポリプロピレンを芯成分とし、MFR
15(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを
鞘成分とし、鞘芯型複合繊維紡糸用口金を用いて、鞘芯
比が5対5であり繊度2デニ−ルの鞘芯型複合繊維を得
た。他方でMFR17(g/10分、230℃)のポリ
プロピレンを紡糸口金を用い2デニ−ルのポリプロピレ
ン繊維を得た。それぞれの繊維を38mmにカットし鞘
芯型複合繊維70%、ポリプロピレン繊維30%で混繊
し、30番手(綿番手)の紡績糸を得た。この紡績糸を
ヨコ糸に用い、タテ糸としてネット1で用いた250デ
ニ−ルの複合モノフィラメント糸を用い、経緯10×1
7本/25mmの織り密度で織製し、織布を得た。この
織布をテンタ−型加熱機を用い温度145℃で加熱し、
それぞれの繊維交点が熱融着したネットを得た。
【0019】(ネット6)MFR8(g/10分、23
0℃)のポリプロピレンを芯成分とし、MFR15(g
/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを鞘成分と
し、鞘芯型複合繊維紡糸用口金を用いて、鞘芯比が5対
5の複合繊維を得た。この複合繊維を延伸後、クリンパ
ーで捲縮数約7山/吋に捲縮加工を施しカットした。単
糸繊度100デニールで繊維長102mmのステープル
ファイバーを得た。得られたステープルファイバーをロ
ーラーカード機で目付200g/m2のウエブとし、厚
みを2mmに調整しながら145℃で熱風処理を行い、
鞘芯型複合繊維の交点が熱融着したネット状積層体を得
た。
【0020】(実施例1)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約17山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニ−ルで
繊維長45mmのステ−プルファイバ−を得た。得られ
たステ−プルファイバ−をロ−ラカ−ド機で目付け60
g/m2のウエブとし、ネット1の上に積層した後、両
面より80kg/cm2の高圧水流で交絡と共に分割処
理を行った。得られた不織布成型物を140℃で予熱し
成型評価を行った。得られた成型体は、シワ、型くずれ
もなく、濾過性は濁りがみられず良好であった。
【0021】(実施例2)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約17山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニ−ルで
繊維長45mmのステ−プルファイバ−を得た。得られ
たステ−プルファイバ−をロ−ラカ−ド機で目付け10
0g/m2のウエブとし、ネット2の上に積層した後、
両面より100kg/cm2の高圧水流で交絡と共に分
割処理を行った。得られた不織布成型物を140℃で予
熱し成型評価を行った。得られた成型体は、シワ、型く
ずれもなく、濾過性は濁りがみられず良好であった。
【0022】(実施例3)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率5.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約20山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度1.0デニ−
ルで繊維長38mmのステ−プルファイバ−を得た。得
られたステ−プルファイバ−をロ−ラカ−ド機で目付け
30g/m2のウエブとし、その上にネット1を積層
し、さらに30g/m2のウエブを積層した3層構成体
とした後、両面より100kg/cm2の高圧水流で交
絡と共に分割処理を行った。得られた不織布成型物を1
40℃で予熱し成型評価を行った。得られた成型体は、
シワ、型くずれもなく、濾過性は濁りがみられず良好で
あった。
【0023】(実施例4)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率5.0倍で延伸後、捲縮加工せずにカットした。単
糸繊度0.7デニ−ルで繊維長10mmのチョップドス
トランドを得た。得られたチョップドストランドを水中
で分散し湿式法にて目付け40g/m2のウエブとし、
その上にネット1を積層し、さらに40g/m2のウエ
ブを積層した3層構成体とした後、両面より80kg/
cm2の高圧水流で交絡と共に分割処理を行った。得ら
れた不織布成型物を140℃で予熱し成型評価を行っ
た。得られた成型体は、シワ、型くずれもなく、濾過性
は濁りがみられず良好であった。
【0024】(実施例5)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図2の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率5.0倍で延伸後、捲縮加工せずにカットした。単
糸繊度0.7デニ−ルで繊維長10mmのチョップドス
トランドを得た。得られたチョップドストランドを水中
で分散し湿式法にて目付け40g/m2のウエブとし、
その上にネット1を積層し、さらに40g/m2のウエ
ブを積層した3層構成体とした後、両面より80kg/
cm2の高圧水流で交絡と共に分割処理を行った。得ら
れた不織布成型物を140℃で予熱し成型評価を行っ
た。得られた成型体は、シワ、型くずれもなく、濾過性
は濁りがみられず良好であった。
【0025】(実施例6)MFR25(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR19
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図3の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約15山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度6デニ−ルで
繊維長51mmのステ−プルファイバ−を得た。得られ
たステ−プルファイバ−をロ−ラカ−ド機で目付け10
0g/m2のウエブとし、ネット2の上に積層した後、
両面より100kg/cm2の高圧水流で交絡と共に分
割処理を行った。得られた不織布成型物を140℃で予
熱し成型評価を行った。得られた成型体は、シワ、型く
ずれもなく、濾過性は濁りがみられず良好であった。
【0026】(実施例7)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図3の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約17山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニ−ルで
繊維長45mmのステ−プルファイバ−を得た。得られ
たステ−プルファイバ−をロ−ラカ−ド機で目付け60
g/m2のウエブとし、ネット1の上に積層した後、両
面より60kg/cm2の高圧水流で交絡と共に分割処
理を行った。得られた不織布成型物を140℃で予熱し
成型評価を行った。得られた成型体は、シワ、型くずれ
もなく、濾過性はカ−ボランダム#1200でやや濁り
がみられたのでやや不良であった。
【0027】(実施例8)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約17山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニ−ルで
繊維長45mmのステープルファイバーを得た。得られ
たステープルファイバーをロ−ラカ−ド機で目付け40
g/m2のウエブとし、その上にネット4を積層し、さ
らに40g/m2のウエブを積層した3層構成体とした
後、両面より80kg/cm2の高圧水流で交絡と共に
分割処理を行った。得られた不織布成型物を140℃で
予熱し成型評価を行った。得られた成型体は、シワ、型
くずれもなく、濾過性は濁りがみられず良好であった。
【0028】(実施例9)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約17山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニ−ルで
繊維長45mmのステープルファイバーを得た。得られ
たステープルファイバーをロ−ラカ−ド機で目付け40
g/m2のウエブとし、その上にネット5を積層し、さ
らに40g/m2のウエブを積層した3層構成体とした
後、両面より80kg/cm2の高圧水流で交絡と共に
分割処理を行った。得られた不織布成型物を140℃で
予熱し成型評価を行った。得られた成型体は、シワの発
生は無いが、やや柔軟性に優れ形態安定性にやや欠けた
が、濾過性は濁りがみられず良好であった。
【0029】(参考例1) MFR80(g/10分、230℃)のポリプロピレン
を第1成分として、MFR70(g/10分、190
℃)の高密度ポリエチレンを第2成分とし、分割型複合
繊維紡糸用口金を用いて、第1成分と第2成分の体積比
が5対5である図4の断面を有する中空繊維である分割
型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸倍率
6.0倍で延伸後、クリンパーで捲縮数約17山/吋に
捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニールで繊維
長45mmのステープルファイバーを得た。得られたス
テープルファイバーをカード機で目付60g/m2のウ
エブとし、ネット6の上に積層した後、両面より40K
g/cm2の高圧水流で交絡と共に分割処理を行った。
得られた成形体は、シワ、型くずれもなく、濾過性は濁
りがみられず良好であった。
【0030】(比較例1)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約17山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニ−ルで
繊維長45mmのステ−プルファイバ−を得た。得られ
たステ−プルファイバ−をロ−ラカ−ド機で目付け60
g/m2のウエブとし、ネット1の上に積層した後、両
面より40kg/cm2の高圧水流で交絡と共に分割処
理を行った。得られた不織布成型物を140℃で予熱し
成型評価を行った。得られた成型体は、シワ、型くずれ
もなく、成型性は良好であったが濾過性は濁りがみられ
不良であった。
【0031】(比較例2)MFR17(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR20
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、鞘芯型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である鞘芯型複合繊維を
得た。この鞘芯型複合繊維を、延伸倍率4.0倍で延伸
後、クリンパ−で捲縮数約17山/吋に捲縮加工を施し
カットした。単糸繊度2デニ−ルで繊維長45mmのス
テ−プルファイバ−を得た。得られたステ−プルファイ
バ−をロ−ラカ−ド機で目付け60g/m2のウエブと
し、ネット1の上に積層した後、両面より80kg/c
2の高圧水流で交絡処理を行った。得られた不織布成
型物を140℃で予熱し成型評価を行った。得られた成
型体は、シワ、型くずれもなく、成型性は良好であった
が濾過性は濁りがみられ不良であった。
【0032】(比較例3)MFR30(g/10分、2
30℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR25
(g/10分、190℃)の高密度ポリエチレンを第2
成分とし、分割型複合繊維紡糸用口金を用いて、第1成
分と第2成分の体積比が5対5である図1の断面を有す
る分割型複合繊維を得た。この分割型複合繊維を、延伸
倍率6.0倍で延伸後、クリンパ−で捲縮数約17山/
吋に捲縮加工を施しカットした。単糸繊度2デニ−ルで
繊維長45mmのステ−プルファイバ−を得た。得られ
たステ−プルファイバ−をロ−ラカ−ド機で目付け60
g/m2のウエブとし、ネット3の上に積層した後、両
面より80kg/cm2の高圧水流で交絡と共に分割処
理を行った。得られた不織布成型物を140℃で予熱し
成型評価を行った。得られた成型体は、ネット3が目ズ
レし易く形態安定性が不良で型くずれを起こした。
【0033】(比較例4)MFR120(g/10分、
230℃)のポリプロピレンを第1成分とし、MFR1
20(g/10分、190℃)の線状低密度ポリエチレ
ンを第2成分とし、並列型複合メルトブロ−口金から複
合メルトブロ−紡糸を行った。得られた不織布は、平均
繊維径3μm(約0.06デニ−ル)で目付け50g/
2であった。得られた不織布でネット1の両面に重ね
合わせサクション式加熱にて145℃で熱処理を行いネ
ットと不織布を熱接着した。得られた不織布成型物を1
40℃で予熱し成型評価を行った。得られた成型体は、
成型後不織布の剥離がみられ成型性不良であった。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の不織布成型物は熱融着性繊維か
らなる成型基材に熱可塑性分割極細繊維が分散且つ相互
に交絡されて成型基材と一体化されているので柔軟で、
成型加工が容易であり、形態安定性に優れる。また熱融
着加工していないので通気抵抗も損なわれない。しかも
比較的単純な工程でかつ安価に高性能なフィルタ−を得
ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】図1〜4は熱可塑性分割型複合繊維の断面図で
ある。各々斜線部分は第1成分、白抜き部分は第2成分
を表す。ただし、図4の中心部分は中空を示す。
【図5】本発明で成型試験を行った金型である。(図は
オス型のみ、対応する メス型は図省略。)
【符号の説明】
A 平面図 B 正面図 C (右)側面図

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱融着性繊維の交点を融着接合した織り
    密度0.5〜25本/25mmで織製した織布状物から
    なる成型基材の少なくとも片面に、0.75デニ−ル以
    下の熱可塑性分割極細繊維が分散かつ相互に交絡されて
    成型基材と一体化されていることを特徴とする不織布成
    型物。
  2. 【請求項2】 熱融着性繊維が、複合繊維である請求項
    1に記載の不織布成型物。
  3. 【請求項3】 熱融着性繊維が、フィラメント糸である
    請求項1若しくは2に記載の不織布成型物。
  4. 【請求項4】 フィラメント糸が、モノフィラメント糸
    である請求項3に記載の不織布成型物。
  5. 【請求項5】 熱融着性繊維が、モノフィラメント糸で
    ある請求項2に記載の不織布成型物。
  6. 【請求項6】 フィラメント糸が、マルチフィラメント
    糸である請求項3に記載の不織布成型物。
  7. 【請求項7】 熱融着性繊維が、紡績糸である請求項1
    若しくは2に記載の不織布成型物。
  8. 【請求項8】 熱融着性繊維が、モノフィラメント糸、
    マルチフィラメント糸若しくは紡績糸のうちの同種又は
    異種の少なくとも2成分からなる混繊糸である請求項1
    若しくは2に記載の不織布成型物。
  9. 【請求項9】 熱融着性繊維が、融点差10℃以上を有
    する少なくとも2種の混繊糸である請求項8に記載の不
    織布成型物。
  10. 【請求項10】 熱可塑性分割極細繊維が、ポリオレフ
    ィン系繊維である請求項1若しくは2に記載の不織布成
    型物。
  11. 【請求項11】 熱可塑性分割極細繊維が、ポリオレフ
    ィン系繊維である請求項5に記載の不織布成型物。
  12. 【請求項12】 熱可塑性分割極細繊維が、ポリプロピ
    レン/ポリエチレンからなる複合繊維である請求項10
    若しくは11に記載の不織布成型物。
  13. 【請求項13】 熱可塑性分割極細繊維が、異形断面で
    ある請求項1、2若しくは10の何れかに記載の不織布
    成型物。
  14. 【請求項14】 熱可塑性分割極細繊維が、異形断面で
    ある請求項5若しくは11に記載の不織布成型物。
  15. 【請求項15】 請求項1に記載の不織布成型物を用い
    たフィルター。
  16. 【請求項16】 高圧水流によって分割する熱可塑性分
    割型複合繊維を、熱融着性繊維同士の交点を融着接合し
    織り密度0.5〜25本/25mmで織製した織布状
    物からなる成型基材の少なくとも片面に積層した後、高
    圧水流を噴射することを特徴とする不織布成型物の製造
    法。
  17. 【請求項17】 高圧水流の水圧が60Kg/cm2
    上である請求項16に記載の不織布成型物の製造法。
  18. 【請求項18】 高圧水流の噴射が、貼り合わせ面の両
    面について行われる請求項16に記載の不織布成型物の
    製造法。
  19. 【請求項19】 高圧水流の噴射が、貼り合わせ面の両
    面について行われる請求項17に記載の不織布成型物の
    製造法。
JP33163294A 1994-06-20 1994-12-08 不織布成型物及びその製造法 Expired - Fee Related JP3435867B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33163294A JP3435867B2 (ja) 1994-06-20 1994-12-08 不織布成型物及びその製造法

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6-162646 1994-06-20
JP16264694 1994-06-20
JP25867794 1994-09-27
JP6-258677 1994-09-27
JP33163294A JP3435867B2 (ja) 1994-06-20 1994-12-08 不織布成型物及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08158228A JPH08158228A (ja) 1996-06-18
JP3435867B2 true JP3435867B2 (ja) 2003-08-11

Family

ID=27322035

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33163294A Expired - Fee Related JP3435867B2 (ja) 1994-06-20 1994-12-08 不織布成型物及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3435867B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6827764B2 (en) * 2002-07-25 2004-12-07 3M Innovative Properties Company Molded filter element that contains thermally bonded staple fibers and electrically-charged microfibers

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08158228A (ja) 1996-06-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102713034B (zh) 海岛复合纤维、超细纤维以及复合喷丝头
CN101617072B (zh) 具有高表面积纤维的改进的复合过滤介质
JP4467560B2 (ja) パターン接合不織布
KR100323320B1 (ko) 여과재및이의제조방법
TWI658182B (zh) 海島複合纖維、複合極細纖維及纖維製品
KR950004162B1 (ko) 적층부직포 및 그 제조방법
US4310594A (en) Composite sheet structure
US20050215157A1 (en) Multi-component fibers, fiber-containing materials made from multi-component fibers and methods of making the fiber-containing materials
CN105764682A (zh) 包含极细纤维的纤维层压体及包含纤维层压体的过滤器
JPH10280267A (ja) 柔軟性スパンボンド不織布
JPH1088460A (ja) 複合長繊維不織布及びその製造方法
JP3736014B2 (ja) 積層不織布
KR100367542B1 (ko) 원통형성형품및이의제조방법
JP3435867B2 (ja) 不織布成型物及びその製造法
JP3326808B2 (ja) フィルター
JPH04194013A (ja) 極細繊維発生繊維
JPH05263344A (ja) 伸縮性長繊維不織布及びその製造方法
JPH10251958A (ja) 嵩高不織布
EP1330567A1 (en) Melt processable perfluoropolymer forms
JPH073606A (ja) 積層不織布およびその製造方法
JP2000271417A (ja) 濾材シ−トおよびこれを用いたプリ−ツフィルタ−
JP3102450B2 (ja) 三層構造不織布及びその製造方法
JPH04153351A (ja) 積層不織布及びその製造方法
JPH1096156A (ja) 使い捨て衣料用基布
JP4026279B2 (ja) 分割型複合繊維及びこれを用いた繊維成形体

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080606

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090606

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees