JPH05239138A - オレフィン重合用触媒 - Google Patents

オレフィン重合用触媒

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JPH05239138A
JPH05239138A JP4371292A JP4371292A JPH05239138A JP H05239138 A JPH05239138 A JP H05239138A JP 4371292 A JP4371292 A JP 4371292A JP 4371292 A JP4371292 A JP 4371292A JP H05239138 A JPH05239138 A JP H05239138A
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JP
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component
compound
cyclopentadienyl
bis
titanium
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JP4371292A
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English (en)
Inventor
Kazuo Soga
我 和 雄 曽
Takashi Fujita
田 孝 藤
Toshihiko Sugano
野 利 彦 菅
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Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Petrochemical Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)、(B)及び(C)からなるオレフィ
ン重合用触媒。 (A):遷移金属化合物((C5-n MX
4-m 〔M=Ti、Zr、Hf、X=H、ハロゲン、1価
1 〜10炭化水素残基、基C5-n は金属Mに配
位する五員環配位子であって、Rは1価C1 〜20の炭化
水素残基であるか、その2個からなる少なくとも一組が
それ自身相互に結合して環を形成するC4 〜 20の2価の
基であるか、のいずれか、0≦n≦5、1≦m≦3〕)
をシリカゲルに担持させてなる成分 (B):有機金属化合物(アルモキサンを除く) (C):ルイス酸。 【効果】 アルモキサンを使用しないため、触媒コスト
の大幅な低減が可能であり、重合体の分子量制御が可能
である。また、共重合性がよいオレフィン共重合体が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】〔発明の背景〕
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン重合用触媒
に関するものである。更に詳しくは、本発明は、特定の
遷移金属化合物と有機金属化合物とルイス酸とから成る
オレフィン重合用触媒を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】アルモキサンおよび遷移金属化合物を組
み合わせてポリα‐オレフィンを製造する方法は良く知
られている(特開昭58−45205号、同58−19
309号、同60−35007号、同61−13031
4号、同62−230802号、同63−142004
号、同63−234009号、同64−51408号、
同64−66214号各公報)。しかし、これらの先行
例では、アルミニウム原子あたりの活性が低いため製造
コストが高く、また多量のアルミニウムがオレフィン重
合体中に残存してしまうため、工業上の問題があると思
われる。
【0003】これらの問題を解決する目的で、種々の提
案がなされている(特開昭61−211307号、同6
3−130601号、同64−16803号、特開平2
−22308号、同2−167307号各公報)。これ
らの提案により、アルミニウムあたりの活性は多少改善
されているが、このようなアルモキサンは溶解性が悪
く、取り扱いにくい上にアルミニウム除去が難しいた
め、オレフィン重合体の品質の低下や色相の悪化等の原
因となっており、さらに改良が必要である。
【0004】別の提案として、メチルアルモキサンにそ
の他の有機アルミニウム化合物等を共存させる方法が開
示されている(特開昭60−260602号、同60−
130604号、同63−89506号、同63−17
8108号、同63−218707号、同64−920
6号、特開平1−315407号、同2−22306
号、同2−167310号各公報)。これらの提案によ
り、メチルアルモキサンの使用量を低下させることがで
きるようになったが、しかし、アルミニウムあたりの活
性は不充分であり、さらに改善が望まれる。
【0005】一方、新たな試みとして、二種以上のアル
キル基を保有するアルモキサン化合物からなるオレフィ
ン重合用触媒成分が提案されている(特開平2−247
201号公報)。しかし、活性の改良は充分であるとは
思われず、従って、より一層の活性改良が望まれる。
【0006】また、上記のアルモキサンを使用する触媒
の課題のひとつとして、生成する重合体の分子量を充分
に制御できないことがあげられる。特に重合体の分子量
を増大させるための方法があまりなく、よって、生成重
合体の分子量を有効に制御する重合触媒の開発が望まれ
ている。
【0007】〔発明の概要〕
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、上記の従来の技術に見られた数々の問題点
を解決することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
<要旨>本発明は、上記問題点を解決するために検討を
行なった結果なされたものである。即ち、本発明による
オレフィン重合用触媒は、下記の成分(A)〜(C)か
らなること、を特徴とするものである。
【0009】成分(A) 下記の一般式で表わされる遷移金属化合物をシリカゲル
に担持させてなる成分 (C5-n MX4-m 〔ここで、Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウ
ムである。Xは、水素、ハロゲンまたは1価の炭素数1
〜10の炭化水素残基である。基C5-n は金属
Mに配位する五員環配位子であって、Rは1価の炭素数
1〜20の炭化水素残基であるか、その2個からなる少
なくとも一組がそれ自身相互に結合して環を形成しその
合計炭素数4〜20の2価の基であるか、のいずれかで
ある。nは0≦n≦5の数、mは1≦m≦3の数であ
る。nまたはmの規定によりR、(C5-n )ま
たはXが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であ
っても異なっていてもよい。〕
【0010】成分(B) 有機金属化合物(ただし、アルモキサンを除く) 成分(C) ルイス酸
【0011】<効果>本発明によるオレフィン重合用触
媒を使用すると、下記に示す数々の利点が得られる。
【0012】第一点として、本発明の触媒は有機金属成
分として比較的高価なアルモキサンを使用しないため、
触媒コストの大幅な低下が計られ、工業生産上、極めて
有利である。
【0013】第二点として、本発明による触媒によれ
ば、得られる重合体の分子量の制御が可能かつ容易であ
る。特に、従来のアルモキサンを使用する触媒に比べ
て、分子量を大きくできるという特色を有する。
【0014】第三点として、本発明の触媒によるオレフ
ィン共重合体(例えばプロピレン‐エチレン、エチレン
‐ブテン等)は、いわゆる共重合性がよくて、例えばフ
ィルム等の用途において透明性がよいベタツキの少ない
製品が得られる。
【0015】また、第四点として、本発明の触媒で特定
の条件でプロピレン等の重合を行なうと、通常の1,2
‐結合とは異なる2,1‐結合を多量に有する重合体が
得られる。このことは、熱可塑性エラストマー製造触媒
として知られているバナジウム系触媒の特色と類似する
ものであって、従って本発明によるオレフィン重合用触
媒は、熱可塑性エラストマー製造用触媒としても期待さ
れるものである。
【0016】〔発明の具体的説明〕 〔触媒〕本発明によるオレフィン重合用触媒は、特定の
成分(A)、成分(B)および成分(C)よりなるもの
である。ここで「よりなる」ということは、成分が挙示
のもの(すなわち、(A)、(B)および(C))のみ
であるということを意味するものではなく、合目的的な
第四成分の共存を排除しない。
【0017】<成分(A)>本発明で使用する成分
(A)は、特定の遷移金属化合物をシリカゲルに担持さ
せてなる成分である。
【0018】遷移金属化合物 本発明での遷移金属化合物は下記の一般式で表わされる
ものである。 (C5-n MX4-m ここで、Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウム
である。Xは、水素、ハロゲンまたは1価の炭素数1〜
10の炭化水素残基である。基C5-n は金属M
に配位する五員環配位子であって、Rは1価の炭素数1
〜20の、好ましくは1〜10の、炭化水素残基である
か、その2個からなる少なくとも一組がそれ自身相互に
結合して環を形成しその合計炭素数4〜20の、好まし
くは4〜10の、2価の基であるか、のいずれかであ
る。
【0019】すなわち、この(C5-n )の一つ
の具体例は、R基置換(ただし、Rは一価である)また
は非置換の五員環配位子、すなわちシクロペンタジエニ
ル基である。(C5-n )の他の具体例は、Rが
2価の基であって、その2個からなる少なくとも一組が
五員環上の炭素少なくとも2個と共にそれ自身相互に結
合して環、すなわち五員環に対する縮合環、を形成して
いる場合である。
【0020】五員環由来の縮合環中の2個のRは隣接し
たものであることが好ましい。この一組の2価の基Rは
合計炭素数が4〜20であるから、五員環由来の炭素原
子が2個である場合に形成される縮合環は六員環であ
る。この一組を成す2個のRは不飽和であってもよく、
また合計炭素数は4より多くてもよいから縮合環は置換
または非置換ベンゼン環でありうる。また、このような
縮合環は複数組、特に2組、存在してもよい。
【0021】従って、この五員環配位子は、置換または
非置換の、シクロペンタジエニル基、インデニル基およ
びフルオレニル基のいずれをも包含するものである。n
は0≦n≦5の数、mは1≦m≦3の数である。nまた
はmの規定によりR、(C5-n )またはXが複
数存在する場合、それらはそれぞれ同一であっても異な
っていてもよい。m=1又は2が好ましい。
【0022】この遷移金属化合物の代表的な具体例とし
ては、次のようなものがあげられる。 (イ)M=Zr、m=1の化合物 (1) (シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリ
ド、(2) (メチルシクロペンタジエニル)ジルコニムト
リクロリド、(3) (ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニムトリクロリド、(4) (トリメチルシクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムトリクロリド、(5) (テトラメ
チルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロリ
ド、(6) (ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコ
ニウムトリクロリド、(7) (インデニル)ジルコニウム
トリクロリド、(8) (フルオレニル)ジルコニウムトリ
クロリド、(9) (シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリドモノハイドライド、(10)(シクロペンタジエ
ニル)メチルジルコニウムジクロリド、(11)(シクロペ
ンタジエニル)エチルジルコニウムジクロリド、(12)
(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムジクロ
リド、
【0023】(ロ) M=Zr、m=2の化合物 (1) ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、(2) ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(3) ビス(トリメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、(4) ビ
ス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロリド、(5) ビス(ペンタメチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロリド、(6) ビス(インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(7) ビス(フルオレニ
ル)ジルコニウムジクロリド、(8) ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライ
ド、(9) ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニ
ウムモノクロリド、(10)ビス(シクロペンタジエニル)
エチルジルコニウムモノクロリド、(11)ビス(シクロペ
ンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド、
【0024】(ハ) M=Ti、m=1の化合物 (1) (シクロペンタジエニル)チタニウムトリクロリ
ド、(2) (メチルシクロペンタジエニル)チタニウムト
リクロリド、(3) (ジメチルシクロペンタジエニル)チ
タニウムトリクロリド、(4) (トリメチルシクロペンタ
ジエニル)チタニウムトリクロリド、(5) (テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)チタニウムトリクロリド、
(6) (ペンタメチルシクロペンタジエニル)チタニウム
トリクロリド、(7) (インデニル)チタニウムトリクロ
リド、(8) (フルオレニル)チタニウムトリクロリド、
(9) (シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリドモ
ノハイドライド、(10)(シクロペンタジエニル)メチル
チタニウムジクロリド、(11)(シクロペンタジエニル)
エチルチタニウムジクロリド、(12)(シクロペンタジエ
ニル)フェニルチタニウムジクロリド、
【0025】(ニ) M=Ti、m=2の化合物 (1) ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリ
ド、(2) ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニウ
ムジクロリド、(3) ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド、(4) ビス(トリメチルシク
ロペンタジエニル)チタニウムジクロリド、(5) ビス
(テトラメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジク
ロリド、(6) ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド、(7) ビス(インデニル)チ
タニウムジクロリド、(8) ビス(フルオレニル)チタニ
ウムジクロリド、(9) ビス(シクロペンタジエニル)チ
タニウムモノクロリドモノハイドライド、(10)ビス(シ
クロペンタジエニル)メチルチタニウムモノクロリド、
(11)ビス(シクロペンタジエニル)エチルチタニウムモ
ノクロリド、(12)ビス(シクロペンタジエニル)フェニ
ルチタニウムモノクロリド、
【0026】(ホ) M=Hf、m=1の化合物 (1) (シクロペンタジエニル)ハフニウムトリクロリ
ド、(2) (メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムト
リクロリド、(3) (ジメチルシクロペンタジエニル)ハ
フニウムトリクロリド、(4) (トリメチルシクロペンタ
ジエニル)ハフニウムトリクロリド、(5) (テトラメチ
ルシクロペンタジエニル)ハフニウムトリクロリド、
(6) (ペンタメチルシクロペンタジエニル)ハフニウム
トリクロリド、(7) (インデニル)ハフニウムトリクロ
リド、(8) (フルオレニル)ハフニウムトリクロリド、
(9) (シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリドモ
ノハイドライド、(10)(シクロペンタジエニル)メチル
ハフニウムジクロリド、(11)(シクロペンタジエニル)
エチルハフニウムジクロリド、(12)(シクロペンタジエ
ニル)フェニルハフニウムジクロリド、
【0027】(ヘ) M=Hf、m=2の化合物 (1) ビス(シクロペンタジエニル)ハフニウムジクロリ
ド、(2) ビス(メチルシクロペンタジエニル)ハフニウ
ムジクロリド、(3) ビス(ジメチルシクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジクロリド、(4) ビス(トリメチルシク
ロペンタジエニル)ハフニウムジクロリド、(5) ビス
(テトラメチルシクロペンタジエニル)ハフニウムジク
ロリド、(6) ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ハフニウムジクロリド、(7) ビス(インデニル)ハ
フニウムジクロリド、(8) ビス(フルオレニル)ハフニ
ウムジクロリド、(9) ビス(シクロペンタジエニル)ハ
フニウムモノクロリドモノハイドライド、(10)ビス(シ
クロペンタジエニル)メチルハフニウムモノクロリド、
(11)ビス(シクロペンタジエニル)エチルハフニウムモ
ノクロリド、(12)ビス(シクロペンタジエニル)フェニ
ルハフニウムモノクロリド。
【0028】これらの中で好ましい化合物は、(シクロ
ペンタジエニル)チタニウムトリクロライド、(メチル
シクロペンタジエニル)チタニウムトリクロライド、
(トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムトリク
ロライド、(シクロペンタジエニル)ジルコニウムトリ
クロライド、(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムトリクロライド、(インデニル)チタニウム
トリクロライド、(インデニル)ジルコニウムトリクロ
ライド、(フルオレニル)チタニウムトリクロライド、
(シクロペンタジエニル)ハフニウムトリクロライド、
(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムトリクロ
ライド、ビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジク
ロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)チタニ
ウムジクロライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジル
コニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド、等である。
【0029】シリカゲル 本発明の成分(A)を製造するために使用するシリカゲ
ルとしては、一般的に知られているものが使用可能であ
るが、下記の様なものが好ましい。平均粒径は、好まし
くは1〜1000ミクロンの範囲内、更に好ましくは1
0〜500ミクロンの範囲内、である。また、細孔容積
は、好ましくは0.01〜5cc/グラムの範囲内、更に
好ましくは0.1〜3cc/グラムの範囲内、であり、平
均細孔径は、好ましくは10〜1000オングストロー
ムの範囲内、更に好ましくは50〜500オングストロ
ームの範囲内、である。比表面積は1〜1000m2
g、好ましくは10〜500m2 /g程度のものが好ま
しい。
【0030】前記遷移金属化合物のシリカゲルへの担持
は、両者を接触させて行なうのが普通である。接触条件
は、本発明の効果が認められるかぎり任意のものであり
うるが、一般的には次の条件が好ましい。接触温度は、
−50℃〜200℃、好ましくは0〜100℃、であ
る。
【0031】また、上記二成分は不活性希釈剤の存在
下、攪拌により接触させるのが一般的である。このとき
使用する不活性希釈剤としては、脂肪族または芳香族の
炭化水素およびハロ炭化水素、ポリシロキサンなどが好
ましい。前記遷移金属成分とシリカゲルとの量比は、本
発明の効果が認められるかぎり任意のものであるうる
が、一般的には次の範囲内が好ましい。遷移金属成分中
の金属成分とシリカゲルの重量%で、0.01〜10重
量%程度、さらに好ましくは0.1〜5重量%、であ
る。
【0032】<成分(B)>成分(B)は、有機金属化
合物(ただし、アルモキサンは除く)である。金属とし
ては、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニ
ウム、スズ、亜鉛、チタンが代表的である。これらの金
属と結合して有機金属化合物を形成すべき有機基は、ア
ルキル(炭素数1〜12程度、好ましくは1〜8、のも
の)、およびフェニル、シクロペンタジエン、これらの
アルキル(炭素数5〜20程度)置換体、が代表的であ
る。これらの金属の原子価の少なくとも1つは、このよ
うな有機基で充足されている必要があるが、残りの原子
価は他の原子ないし原子団で充足されていてもよい。そ
のような原子ないし原子団としては、例えばハロゲン原
子、水素原子、アルコキシ基等を挙げることができる。
【0033】具体的には(イ)n‐ブチルリチウム、t
ert‐ブチルリチウム、フェニルリチウムなどの有機
リチウム化合物、(ロ)シクロペンタジエニルナトリウ
ム、メチルナトリウムなどの有機ナトリウム化合物、
(ハ)ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグ
ネシウム、エチルマグネシウムブロミド、ブチルマグネ
シウムブロミドなどの有機マグネシウム化合物、(ニ)
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムハラ
イド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミ
ニウムブロミド、ジエチルアルミニウムエトキサイド、
エチルアルミニウムセスキクロリド、メチルアルモキサ
ン、イソブチルアルモキサン等の有機アルミニウム化合
物、(ホ)テトラエチルスズ、テトラブチルスズ、トリ
ブチルスズクロリド、テトラフェニルスズ等の有機スズ
化合物、(ヘ)ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜
鉛化合物、(ト)ジシクロペンタジエニルチタニウムジ
メチル等の有機チタン化合物、が例示される。これらの
うち好ましくは有機アルミニウム化合物および有機マグ
ネシウム化合物である。これらの化合物は、複数混合し
て用いることもできる。
【0034】有機金属化合物の使用量は、成分(A)中
の遷移金属化合物に対し、モル比で0.01〜100
0、好ましくは0.1〜500、さらに好ましくは1〜
200、である。
【0035】<成分(C)>本発明で使用する成分
(C)は、ルイス酸である。本発明では、本発明の効果
が認められるものであれば、いずれも使用可能である。
そのようなものとしては、例えばハロゲン化ホウ素もし
くはハロゲン化アルミニウム、およびフェニル化ホウ素
化合物、それらの錯体等を例示することができる。その
中でも好ましくは、BF、BCl、AlF、BP
(Ph=フェニル)、B(C、Ph
・B(C等があげられる。成分(C)の使用
量は、成分(A)の金属に対するモル比で0.1〜10
000の範囲内でよく、好ましくは1〜1000の範囲
内である。
【0036】<触媒の形成>本発明による触媒は、成分
(A)ないし(C)からなるものであって、このような
触媒は、上記三成分および必要に応じて第四成分を、重
合槽内であるいは重合させるべきオレフィンの共存下
に、あるいは重合槽外であるいは重合させるべきオレフ
ィンの存在下に、一時に、段階的にあるいは分割して数
回にわたって接触させることによって形成させることが
できる。
【0037】成分(A)ないし(C)の接触場所への供
給法には特に制限はないが、それぞれヘキサン、ヘプタ
ン等の脂肪族炭化水素溶媒に分散させて、それぞれ別々
に重合槽に添加しあるいはあらかじめ接触させて重合槽
に添加するのがふつうである。成分(A)は、固体の状
態で成分(C)とは別々に重合槽に添加することもでき
る。
【0038】<オレフィンの重合>本発明の触媒は、通
常のスラリー重合に適用されるのはもちろんであるが、
実質的に溶媒を用いない液相無溶媒重合、溶液重合、ま
たは気相重合法にも適用される。また連続重合、回分式
重合または予備重合を行なう方式にも適用される。スラ
リー重合の場合の重合溶媒としては、ヘキサン、ヘプタ
ン、ペンタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等
の飽和脂肪族または芳香族炭化水素の単独あるいは混合
物が用いられる。重合温度は−100〜200℃程度、
好ましくは−50〜100℃、であり、そのとき分子量
調節剤として補助的に水素を用いることができる。
【0039】本発明の触媒系で重合するα‐オレフィン
は、一般式R−CH=CH(ここでRは水素原子
または炭素数1〜10の炭化水素残基であり、分枝基を
有してもよい。)で表わされるものである。具体的に
は、エチレン、プロピレン、ブテン‐1、ペンテン‐
1、ヘキセン‐1、4‐メチルペンテン‐1などのオレ
フィン類がある。好ましくはエチレンおよびプロピレン
である。これらの重合の場合に、エチレンに対して50
重量%までの上記オレフィンとの共重合を行なうことが
でき、プロピレンに対して50重量%までの上記オレフ
ィン、特にエチレン、との共重合を行なうことができ
る。その他の共重合性モノマー(たとえば酢酸ビニル、
ジオレフィン等)との共重合を行なうこともできる。
【0040】
【実施例】
〔実施例1〕 <成分(A)の製造>充分に精製した窒素で充分に置換
した0.5リットルのフラスコに、精製したトルエンを
100ml導入し、次いで、窒素気流下、800℃、6時
間焼成したSiO(富士デビィソン#952)を3グ
ラム導入し、さらに(メチルシクロペンタジエニル)チ
タニウムトリクロライドを0.1モル導入して、110
℃で3時間接触させた。接触終了後、濾過により上澄み
を除去し、n‐ヘプタンで充分に洗浄してこれを成分
(A)とした。なお、このものの一部分をとり出して成
分(A)中のチタン含量を測定したところ、1.20重
量%であった。
【0041】<成分(A)と成分(B)との接触>ま
ず、充分に精製した窒素で充分に置換した0.5リトル
のフラスコに、トルエンを100ml導入し、次いで上記
の成分(A)を800mg、成分(B)してAl(C
を144mg導入して、0℃で10分間接触させ
た。接触終了後、トルエンで充分に洗浄して成分(A)
と成分(B)の接触物を得た。
【0042】<プロピレンの重合>充分に精製した窒素
で充分に置換した攪拌機を有する0.1リットルのオー
トクレーブに充分に精製したトルエンを20ml、前記の
成分(A)と(B)の接触生成物を全量、および成分
(C)としてPhC・B(Cを2ミリモル
導入し、プロピレンを液体窒素温度で0.3モル導入
し、40℃に昇温し、18時間重合操作を行なった。重
合終了後、10%HClメタノールで触媒を失活させ
た。次いで、シリカゲルを得られたポリマーより分離す
るために沸とうo‐ジクロロベンゼンで10時間処理し
た。その結果、1.6グラムのポリマー(PP)が得ら
れた。触媒活性=8.0Kg・PP/モルチタンであり、
GPCより得られるMn=107,000であり、2,
1結合含量は14.5%であった。
【0043】〔実施例2〜6〕実施例1の成分(A)と
成分(B)の接触において表1に示す化合物を成分
(B)または成分(C)としてそれぞれ使用した以外
は、全く同様に成分(A)と成分(B)の接触を行な
い、そしてプロピレンの重合も全く同様に行なった。得
られた結果は、表1に示す通りであった。
【0044】〔比較例1〕実施例1の重合条件において
成分(C)を使用しなかった以外は、全く同様に重合を
行なった。その結果、ポリマーは全く得られなかった。
【0045】〔実施例7〕実施例2の成分(A)の製造
において、遷移金属化合物として、(メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムトリクロライドのかわりに(シ
クロペンタジエニル)チタニウムトリクロライドを使用
した以外は全く同様に成分(A)の製造を行ない、プロ
ピレンの重合も全く同様に行なった。触媒活性=6.1
Kg・PP/モルチタン、2,1結合=13.2%であっ
た。
【0046】〔実施例8〕実施例2の重合条件におい
て、成分(C)として、BPhのかわりにB(C
を使用した以外は、全く同様に重合を行なった。
触媒活性=11.6Kg・PP/モルTi、2,1結合=
18.5%であった。
【0047】〔実施例9〕 <プロピレン‐エチレン共重合>実施例7で製造した成
分(A)と成分(B)の接触生成物を使用し、プロピレ
ン/エチレン(モル比)=0.855/0.145の混
合ガスを使用した以外は、全く同様の条件で重合を行な
った。触媒活性=1.9Kgポリマー/モルチタン、Mn
=70,000、エチレン含量=41.5モル%、γ
・γ=1.1、ρ=1であり、ランダム共重合性が非
常に良好であった。
【0048】なお、γγ、ρは下記の式によって求
め、エチレン含量は13C−NMRを用いるJ.C.Ra
ndall,“Macromolecules”、Vo
l.11.33(1978)に記載の方法によって求め
た。 〔PP〕=I(Sαα) 〔EP〕=I(Sαγ)+I(Sαδ) 〔EE〕=(1/2)〔I(Sβδ)+I(Sδδ)〕 +(1/4)I(Sγδ) 〔P〕=〔PP〕+(1/2)〔EP〕 〔E〕=〔EE〕+(1/2)〔EP〕
【0049】 表 1 触媒活性 2,1結合 実施例 成分(B) 成分(C) (Kg・PP/ モルTi) (%) 1 Al(CH ) Ph C・B(C F ) 8.0 14.5 3 3 3 6 5 4 2 Al(CH ) BPh 3.3 18.0 3 3 3 3 Al(CH ) AlF 0.6 15.5 3 3 3 4 Al(C H ) BPh 0.8 11.4 2 5 3 3 5 Al(i-C H ) BPh 0.9 19.8 4 9 3 3 6 Mg(C H ) BPh 4.8 16.7 6 13 2 3
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、触媒コストの大幅な低
下が計られること、得られる重合体の分子量の制御が可
能であること、共重合性のよいオレフィン共重合体が得
られること、2,1‐結合を多量に有する重合体が得ら
れることは、「発明の概要」の項において前記したとこ
ろである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(A)〜(C)よりなるオレフィ
    ン重合用触媒。 成分(A) 下記の一般式で表わされる遷移金属化合物をシリカゲル
    に担持させてなる成分 (C5-n MX4-m 〔ここで、Mは、チタン、ジルコニウムまたはハフニウ
    ムである。Xは、水素、ハロゲンまたは1価の炭素数1
    〜10の炭化水素残基である。基C5-n は金属
    Mに配位する五員環配位子であって、Rは1価の炭素数
    1〜20の炭化水素残基であるか、その2個からなる少
    なくとも一組がそれ自身相互に結合して環を形成しその
    合計炭素数4〜20の2価の基であるか、のいずれかで
    ある。nは0≦n≦5の数、mは1≦m≦3の数であ
    る。nまたはmの規定によりR、(C5-n )ま
    たはXが複数存在する場合、それらはそれぞれ同一であ
    っても異なっていてもよい。〕 成分(B) 有機金属化合物(ただし、アルモキサンを除く) 成分(C) ルイス酸
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0632830A (ja) * 1992-06-05 1994-02-08 Solvay & Cie 触媒系の調製法、オレフィンの単独重合及び共重合法並びに少なくとも一種のオレフィンのポリマー及びコポリマー
EP0994126A1 (en) * 1998-10-15 2000-04-19 Enichem S.p.A. Process for the preparation of vinylaromatic polymers with a high degree of syndiotacticity
WO2021193650A1 (ja) 2020-03-25 2021-09-30 日本ポリプロ株式会社 オレフィン重合用触媒、オレフィン重合用触媒の製造方法、及び、当該オレフィン重合用触媒を用いたオレフィン重合体の製造方法

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