JPH05239127A - 生分解可能な親水性架橋重合体、その製造方法、および、その架橋重合体の用途 - Google Patents

生分解可能な親水性架橋重合体、その製造方法、および、その架橋重合体の用途

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JPH05239127A
JPH05239127A JP4222836A JP22283692A JPH05239127A JP H05239127 A JPH05239127 A JP H05239127A JP 4222836 A JP4222836 A JP 4222836A JP 22283692 A JP22283692 A JP 22283692A JP H05239127 A JPH05239127 A JP H05239127A
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Shigeru Yamaguchi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 キレート作用、および、油性物質や水に難溶
性の無機物質を分散させる作用を有し、水への分散性が
良く、生分解可能な架橋重合体を提供する。 【構成】 この発明の架橋重合体は、分子量5000以
下の成分を50重量%以上含み、かつ、一般式−COO
M〔ここで、Mは水素、一価金属、二価金属、三価金
属、アンモニウム基および有機アミン基のうちのいずれ
かを示す。〕で表される官能基(I)を有する水溶性オ
リゴマーからなる主鎖同士の間に、化学式−CO−O−
で表される基(II)および化学式−CO−NH−で表さ
れる基(III)の少なくとも一つを構成単位として有する
結合が形成されている構造を有し、20重量%水溶液が
20℃で1000cP以下の粘度を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、キレート作用、およ
び、油性物質や水に難溶性の無機物質を分散させる作用
(以下、単に「分散作用」と言う)を有し、しかも、水
への分散性が良く、生分解可能な架橋重合体およびその
製造方法に関し、さらには、その架橋重合体の用途、特
に、洗剤組成物に配合されてその洗浄力を向上させ、か
つ生分解性に優れているビルダーおよびこのビルダーを
含む洗剤組成物に関する。
【0002】この発明は、また、繊維処理剤、無機顔料
分散剤、水処理剤といった、最終的に環境中へ排出され
ることのある用途における生分解可能な薬剤に関する。
【0003】
【従来の技術】ビルダーは洗剤に配合されて、それの持
つキレート作用および分散作用等により、洗剤の洗浄力
を向上させる。ビルダーとしては、従来、トリポリリン
酸ナトリウム等の縮合リン酸塩が、性能、安全性、価格
の点から広く使用されてきた。しかし、これらのリン化
合物は、河川、湖沼等の富栄養化の原因となるため、近
年その使用が制限され急速に代替化が進んできた。
【0004】現在、トリポリリン酸ナトリウム等の縮合
リン酸塩に代わって、富栄養化、安全性の面で問題のな
いゼオライトが使用されている。しかし、ゼオライトは
ビルダー性能が十分ではなく、また、水不溶性であるた
め、液体洗剤への配合ができないことや、被洗濯物への
沈着があるといった問題がある。他方、上記無機化合物
の代わりに有機化合物、たとえばポリアクリル酸塩、ポ
リマレイン酸塩のような高分子電解質もビルダーに用い
られている。ポリアクリル酸塩やポリマレイン酸塩は、
ビルダー性能に優れてはいるが、生分解性に乏しいとい
う欠点がある。
【0005】特開昭54−52196号公報では、生分
解性の改善された高分子系のビルダーとして、ポリアセ
タールカルボキシレートが提案されている。ポリアセタ
ールカルボキシレートは、原料が高価で経済的でないば
かりか、製造工程が煩雑であり実用的でない。特開昭6
3−305199号公報、特開昭63−305200号
公報、特開平1−306411号公報、特開平2−36
210号公報では、少なくとも2個のエチレン性不飽和
二重結合を有する単量体を重合してなる水溶性重合体が
提案されている。このような水溶性重合体は、発明者ら
の研究によれば、分子構造をコントロールすることが困
難であるため、生分解に適した構造を持たない分子をか
なりの割合で含むため、全く生分解しない成分があった
り、生分解に長時間を要したりするという問題がある。
特開昭61−31497号公報では多糖類とアクリル酸
等のグラフト重合物が、特開昭61−31498号公報
では単糖類および/または少糖類とアクリル酸等のグラ
フト重合物が提案されている。これらのグラフト重合物
では、多糖類、単糖類、少糖類の部分のみが生分解さ
れ、アクリル酸等のグラフト部分は分子量が大きく、生
分解されないという問題がある。
【0006】このようにいずれの重合体も各々ビルダー
として欠点を有しており、未だ十分満足すべき重合体は
見いだされていない。繊維処理の分野では、従来よりキ
レート剤と配合してポリアクリル酸塩が分散力向上のた
めに用いられている。また、無機顔料分散剤の分野で
も、ポリアクリル酸塩、マレイン酸/アクリル酸共重合
体塩が分散スラリー液の粘度低下、粘度安定性の向上の
ために使用されている。水処理剤の分野でも、従来のリ
ン系薬剤にかわってポリアクリル酸塩、ポリマレイン酸
塩等のポリマーが、炭酸カルシウムのスケール抑制のた
めに使用されている。
【0007】しかし、これらのポリカルボン酸系ポリマ
ーは、各用途における性能は良好であるが、すべて生分
解性に乏しいという欠点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、キレート
作用および分散作用を有し、水への分散性が良く、か
つ、生分解性に優れた架橋重合体を提供することを第1
の課題とし、そのような架橋重合体を効率良く、あるい
は、簡単な工程で作ることができ、工業的に実施可能な
製造方法を提供することを第2の課題とする。この発明
は、また、洗剤組成物の状態に関わらずこれに配合され
てその洗浄力を向上させることができ、微生物などの生
物により分解可能であり、河川湖沼などに排出されたと
きに富栄養化を起こさず、過度に蓄積しない、安全なビ
ルダーを提供することを第3の課題とする。この発明
は、さらにまた、そのようなビルダーが配合された洗剤
組成物を提供することを第4の課題とする。この発明
は、また、繊維処理剤、無機顔料分散剤、水処理剤等の
最終的に環境に出る用途についても生分解可能な剤を提
供することを第5の課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記欠点を
改善し、キレート作用および分散作用を有し、親水性を
有し、かつ、生分解性に優れた高分子化合物について鋭
意研究した。その結果、これらの性能をすべて満足させ
るためには、本来ならばキレート作用または分散作用は
全くないかまたはあまりないが生分解可能な程度の低分
子量を有する成分をある程度以上含有する水溶性オリゴ
マーの主鎖同士を生分解可能な後述の基(II)および/
または(III)を有する結合を介して結び付けて分子量を
増大させ、キレート作用および分散作用を持たせること
が有効であることを見い出し、この発明を完成させたの
である。
【0010】したがって、この発明は、分子量5000
以下の成分を50重量%以上含みかつ一般式−COOM
〔ここで、Mは水素、一価金属、二価金属、三価金属、
アンモニウム基および有機アミン基のうちのいずれかを
示す。〕で表される官能基(I)を有する水溶性オリゴ
マーからなる主鎖同士の間に、化学式−CO−O−で表
される基(II)および化学式−CO−NH−で表される
基(III)の少なくとも一つを構成単位として有する結合
が形成されている構造を有し、20重量%水溶液が20
℃で1000cP以下の粘度を有する生分解可能な親水
性架橋重合体を提供する。
【0011】この発明は、さらに、分子量5000以下
の成分を50重量%以上含みかつ官能基(I)を有する
水溶性オリゴマーを、基(II)および基(III)の少なく
とも一つを構成単位として有するか、および/または、
形成しうる架橋剤で結合し、20重量%水溶液が20℃
で1000cP以下の粘度を有する生分解可能な親水性
架橋重合体を得る製造方法(以下、この製造方法を「後
架橋方法」と言うことがある)を提供する。
【0012】後架橋方法は、たとえば、上記水溶性オリ
ゴマーとして、炭素数3〜6のモノエチレン性不飽和カ
ルボン酸およびその塩からなる群より選ばれる少なくと
も1つの単量体(a)を50〜100モル%、および、
(a)と共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単量体
(b)を残部とする単量体成分を重合してなり、分子量
5000以下の成分を50重量%以上含みかつ官能基
(I)を有する水溶性オリゴマー(A)を用い、上記架
橋剤として、(A)の有する官能基と反応しうる官能基
(IV) を少なくとも2個有し、かつ、該官能基(IV) の
間に基(II)および基(III)の少なくとも一つを構成単
位として有するか、および/または、官能基(IV)が
(A)の有する官能基と反応して基(II)および基(II
I)の少なくとも一つを形成しうる化合物(B)を用
い、上記水溶性オリゴマー(A)と化合物(B)を、化
合物(B)の有する官能基(IV) と水溶性オリゴマー
(A)の有する官能基のモル比が〔官能基(IV)〕/
〔(A)の有する官能基〕=0.01〜1.0となる量
で用いて反応させる方法である。
【0013】この発明は、さらに、分子量5000以下
の成分を50重量%以上含みかつ官能基(I)を有する
水溶性オリゴマーの構造を持つ主鎖同士の間に、基(I
I)および基(III)の少なくとも一つを構成単位として
有する結合が形成されていて、20重量%水溶液が20
℃で1000cP以下の粘度を有する生分解可能な親水
性架橋重合体からなるビルダーを提供する。このビルダ
ーは、上記後架橋方法により製造された親水性架橋重合
体からなっていてもよい。
【0014】この発明は、さらに、前記ビルダーと界面
活性剤を含む洗剤組成物を提供する。この発明は、ま
た、この発明の親水性架橋重合体を含んでなる、繊維処
理剤、無機顔料分散剤および水処理剤をそれぞれ提供す
る。この発明の親水性架橋重合体は、2以上の主鎖が互
いに、基(II)および基(III)の少なくとも一つを構成
単位として有する結合により架橋されている構造を持っ
ている。この主鎖は、炭素−炭素一重結合のみからなる
か、または、それを主体とする構造を有する。この主鎖
は、架橋鎖が切断されることにより、上記のように設計
された分子量成分を特定の割合で含む水溶性オリゴマー
となるものである。
【0015】水溶性オリゴマーは、分子量5000以下
の成分を50重量%以上含む必要がある。好ましくは分
子量300〜5000の成分を50重量%以上含む。分
子量5000以下の成分が50重量%未満だと、生分解
されない部分が残存するか、または、生分解するのに非
常に長時間を要するという問題がある。水溶性オリゴマ
ーは好ましくは分子量300〜5000の成分を50重
量%以上含むが、分子量300〜5000の成分のう
ち、分子量300〜2500の成分がより多いと生分解
性はさらに好ましくなる。水溶性オリゴマーの各分子
は、官能基(I)を有している必要がある。これは、官
能基(I)がキレート作用および分散作用を発現するか
らである。架橋重合体中の官能基(I)の含有割合は、
特に限定されないが、5mmol/g以上が好ましい。これ
より少ないとキレート作用または分散作用が低下するお
それがある。
【0016】上記基(II)および基(III)の少なくとも
一つを構成単位として有する結合とは、基(II)または
基(III)が主鎖の炭素に直接結合している結合、基(I
I)または基(III)と少なくとも1つの主鎖の炭素との
間に別の基が介在している結合などである。ここで言う
別の基とは、何であってもよく、特に限定されない。こ
の発明の親水性架橋重合体は、20重量%水溶液が20
℃で1000cP以下の粘度を有する必要があり、50
0cP以下の粘度を有するのが好ましい。1000cP
より大きい粘度を有すると、分散性の低下によりキレー
ト作用および分散作用が満足できないものになり、ま
た、取り扱いにくくなるからである。
【0017】この発明の親水性架橋重合体は、好ましく
は、上記後架橋方法により得られる。この後架橋方法に
ついて説明する。単量体(a)を50〜100モル%、
単量体(b)を残部とする単量体成分を重合させて水溶
性オリゴマー(A)を得る。単量体(a)が50モル%
よりも少ないと、言い換えると単量体(b)が50モル
%よりも多いと、得られる架橋重合体のキレート作用お
よび分散作用は満足できないものである。単量体(a)
と単量体(b)より水溶性オリゴマー(A)を得るのに
は、重合開始剤を用いて重合させればよい。重合は溶媒
中での重合や塊状重合の方法により行うことができる。
溶媒中での重合は回分式でも連続式でも行うことがで
き、その際使用される溶媒としては、水;メチルアルコ
ール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の
低級アルコール;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳
香族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;n
−ヘキサン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル;アセト
ン、メチルエチルケトン等のケトン化合物;ジメチルホ
ルムアミド;1,4−ジオキサン等が挙げられる。
【0018】水媒体中で重合を行う時は、重合開始剤と
してアンモニウムまたはアルカリ金属の過硫酸塩あるい
は過酸化水素等の水溶性の重合開始剤が使用される。こ
の際、亜硫酸水素ナトリウム等の促進剤を併用すること
もできる。他方、有機溶剤を溶媒とする重合には、ベン
ゾイルパーオキシドやラウロイルパーオキシド等のパー
オキシド;クメンハイドロパーオキシド等のハイドロパ
ーオキシド;アゾビスイソブチロニトリル等の脂肪族ア
ゾ化合物等が重合開始剤として用いられる。この際、ア
ミン化合物等の促進剤を併用することもできる。さら
に、水−低級アルコール混合溶媒を用いる場合には、上
記の種々の重合開始剤あるいは重合開始剤と促進剤の組
合わせの中から適宜選択して用いることができる。重合
温度は、用いられる溶媒や重合開始剤により適宜設定さ
れるが、通常0〜120℃の範囲内で行われる。
【0019】塊状重合は、たとえば、重合開始剤とし
て、上記有機溶剤を溶媒とする重合に用いるのと同様の
重合開始剤が用いられ、50〜150℃の温度範囲内で
行われる。重合は、チオグリコール酸、メルカプトエタ
ノール、ブタンチオール等の分子量調節剤の存在下で行
ってもよい。
【0020】生成した水溶性オリゴマー(A)と化合物
(B)を反応させてこの発明の親水性架橋重合体を得
る。化合物(B)は、化合物(B)の有する官能基(I
V) と、水溶性オリゴマー(A)の有する官能基のうち
の化合物(B)の有する官能基(IV)との反応性を有する
官能基(IV-A)とのモル比が〔(B)の有する官能基(I
V)〕/〔(A)の有する官能基(IV-A)〕=0.01〜
1.0となる量で用いられる必要がある。水溶性オリゴ
マー(A)の有する官能基(IV-A)とは、官能基(I)お
よび/または(I)以外の官能基である。化合物(B)
が基(II)または基(III) のいずれも構成単位として有
さない場合は、官能基(IV-A)と化合物(B)の有する基
(IV)は反応して基(II)および基(III) の少なくとも
1つを構成単位として形成しなければならない。そうで
ない場合、つまり、化合物(B)が基(II)および基(I
II) の少なくとも1つを構成単位として有する場合は、
官能基(IV-A)と化合物(B)の有する基(IV)は反応し
て基(II)または基(III) 以外の構成単位を形成しても
よい。(I)以外の官能基としては、たとえば、アミノ
基、水酸基およびスルホン酸基等のうちの少なくとも一
種が挙げられるが、これらに限定されない。官能基
(I)は単量体成分である単量体(a)に由来し、
(I)以外の官能基は単量体(b)に由来する。化合物
(B)の比率が前記範囲を下回ると架橋されない水溶性
オリゴマー(A)が多数残存するという問題があり、上
回ると得られる架橋重合体の分散作用が満足されなくな
るという問題がある。水溶性オリゴマー(A)と化合物
(B)を反応させる方法は、特に制限はなく、たとえ
ば、水溶液中で、有機溶剤中で、あるいは、溶剤のない
状態で行われる。反応温度は、水溶性オリゴマー(A)
と化合物(B)が反応する温度であれば特に制限はない
が、好ましくは50〜200℃である。必要に応じて触
媒を用いてもよい。
【0021】架橋反応は、水系において行うことが、省
資源、環境問題、安全性の観点からは好ましい。より好
ましくは、水溶性オリゴマー、および、水溶性オリゴマ
ーと反応しうる物質を50〜200℃の温度で熱処理
し、水分を除去しながら架橋反応を行うのが良い。その
際に使用する装置としては、ドラムドライヤー、ベルト
コンベアー式熱風乾燥機、ベルトコンベアー式伝熱型乾
燥機等の通常の粉体製造用乾燥機を用いることができ
る。この時、反応はスラリー状態で起こることが好まし
く、乾燥と水分添加を繰り返して行うことにより、より
高分子量の親水性架橋重合体を得ることができる。
【0022】この発明で用いられる単量体(a)は、炭
素数3〜6のモノエチレン性不飽和カルボン酸およびそ
の塩であり、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、2
−クロルアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸、シトラコン酸、アニコット酸、およ
び、それらの塩(たとえば、一価金属塩、二価金属塩、
三価金属塩、アンモニウム塩および有機アミン塩)であ
る。この発明では、これらのうちの1種または2種以上
を用いることができる。これらの中で特に好ましいの
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ならび
に、それらの、一価金属塩、二価金属塩、三価金属塩、
アンモニウム塩および有機アミン塩である。
【0023】この発明で用いられる単量体(b)は、単
量体(a)と共重合可能な他のモノエチレン性不飽和単
量体であり、たとえば、(a)と共重合してなる水溶性
オリゴマー(A)が水溶性を維持する範囲内で種々の化
合物が使用される。単量体(b)の具体例を挙げると、
たとえば、エチレン、プロピレン、イソブチレン、n−
ブチレン、イソアミレン、ジイソブチレン等の炭素数2
〜8のα−オレフィン;メチル(メタ)アクリレート、
エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−
ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アク
リレート等の、アクリル酸およびメタクリル酸の炭素数
4〜8のアルキルエステル;ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート、ヒドロキシ−n−プロピル(メタ)アク
リレート、ヒドロキシイソプロピル(メタ)アクリレー
ト、ヒドロキシ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシイソブチル(メタ)アクリレート等の、アクリ
ル酸およびメタクリル酸の炭素数5〜8のヒドロキシア
ルキルエステル;ポリエチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)
アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレン
グリコールモノ(メタ)アクリレート等の炭素数6〜1
04のポリエーテルモノ(メタ)アクリレート;2−ス
ルホエチル(メタ)アクリレート、2−スルホプロピル
(メタ)アクリレート、3−スルホプロピル(メタ)ア
クリレート、1−スルホプロパン−2−イル(メタ)ア
クリレート、2−スルホブチル(メタ)アクリレート、
3−スルホブチル(メタ)アクリレート、4−スルホブ
チル(メタ)アクリレート、1−スルホブタン−2−イ
ル(メタ)アクリレート、1−スルホブタン−3−イル
(メタ)アクリレート、2−スルホブタン−3−イル
(メタ)アクリレート、2−メチル−2−スルホプロピ
ル(メタ)アクリレート、1,1−ジメチル−2−スル
ホエチル(メタ)アクリレート等の炭素数4〜10のス
ルホアルキル(メタ)アクリレート類;スルホエトキシ
ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ス
ルホプロポキシポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、スルホブトキシポリエチレングリコールモ
ノ(メタ)アクリレート、スルホエトキシポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、スルホプロポ
キシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、スルホブトキシポリプロピレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート等の炭素数7〜97のスルホアルコキ
シポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート
類、ならびに、その一価金属塩、二価金属塩、三価金属
塩、アンモニウム塩および有機アミン塩;ポリエチレン
グリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコ
ールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールポリ
プロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレ
ングリコールモノメタリルエーテル、ポリプロピレング
リコールモノメタリルエーテル、ポリエチレングリコー
ルポリプロピレングリコールモノメタリルエーテル等の
炭素数5〜104のポリアルキレングリコールモノ(メ
タ)アリルエーテル類;酢酸ビニル、酢酸プロペニル等
の炭素数4〜7の酢酸アルケニルエステル類(酢酸アル
ケニルエステル類は、重合後、加水分解して1部または
全部をビニルアルコールにすることができる);スチレ
ン、p−メチルスチレン等の炭素数8〜10の芳香族ビ
ニル類;ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等の炭素数
5〜10のアミノエチル(メタ)アクリレート類;(メ
タ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)
アクリルアミド、ジエチルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド等の炭素数3〜12の(メタ)アクリルアミ
ド類;2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、アリルスルホン酸等の炭素数2〜4の
モノエチレン性不飽和スルホン酸類;ビニルホスホン
酸、アリルホスホン酸等の炭素数2〜4のモノエチレン
性不飽和ホスホン類;(メタ)アクリロニトリル、アク
ロレイン、(メタ)アリルアルコール、イソプレノール
などが挙げられ、1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0024】上記後架橋方法では、この発明の親水性架
橋重合体の生分解性向上のために、水溶性オリゴマー
(A)として下記マレイン酸系重合体を用いることが望
ましい。マレイン酸系重合体は、単量体(a)を50〜
100モル%、および、単量体(b)を残部とする単量
体成分であって、その単量体成分のうちの20〜100
重量%が単量体(a)としてマレイン酸およびその塩か
ら選ばれる少なくとも1種であり、残部がマレイン酸お
よびその塩を除く単量体(a)と水溶性を有する単量体
(b)である単量体成分を水溶液重合してなるものであ
る。この水溶液重合は、該単量体成分に対して0.5〜
300ppmの重量比の、鉄イオン、バナジウム原子含
有イオンおよび銅イオンからなる群から選択される1種
以上の金属イオンの存在下、重合触媒に前記単量体成分
1モル当たり8〜500gの割合で過酸化水素を用いて
行う。
【0025】この発明で用いるバナジウム原子含有イオ
ン、鉄イオンおよび銅イオンとしては、たとえば、
2+、V3+、VO2+、VO3 2-、Fe3+、Fe2+、Cu
2+等を挙げることができるが、中でもVO2+、Fe3+
Cu2+が好ましい。重合性向上を図るためにはVO2+
特に好ましい。それらの多価金属イオンの重合系内への
供給形態に特に制限はなく、重合系内でイオン化するも
のであれば多価金属化合物あるいは金属単体として使用
することができる。
【0026】この発明で用いられる化合物(B)は、水
溶性オリゴマー(A)(または上記マレイン酸系重合
体)が有する官能基と反応しうる官能基(IV) を少なく
とも2個有し、かつ、該官能基(IV)の間に上記基(I
I)および基(III)の少なくとも一つを構成単位として
有する化合物、または、官能基(IV)が水溶性オリゴマ
ー(A)(または上記マレイン酸系重合体)の有する官
能基と反応して基(II)および基(III)の少なくとも一
つを形成する化合物である。ここで、官能基(IV)とし
ては、たとえば、水酸基、アミノ基、エポキシ基、イソ
シアナート基などが挙げられ、これらのうちの1種でも
よく、2種以上でもよい。また、水溶性オリゴマー
(A)が水酸基を有する場合は、化合物(B)の有する
官能基(IV) のうちの少なくとも1個はカルボキシル基
であってもよい。
【0027】化合物(B)の具体例は、たとえば、エチ
レングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリ
ン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ポリオキ
シプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロッ
ク共重合体、ジエタノールアミン、トリエタノールアミ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン
脂肪酸エステル、ヒドロキシ酢酸グリコールモノエステ
ル、乳酸グリコールモノエステル、ヒドロキシビバリン
酸ネオペンチレングリコールエステル、ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物等の多価アルコ
ール;両末端ヒドロキシル基を含有するポリε−カプロ
ラクトン等の両末端ヒドロキシル基を含有するラクトン
重合体;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロ
ールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリ
シジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエー
テル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエ
リスリトールポリグリシジルエーテル、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルジグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエー
テル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテ
ル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジ
グリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステ
ル、p−ヒドロキシ安息香酸のグリシジルエステルエー
テル等の多価グリシジル化合物類;エチレンジアミン、
ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テト
ラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポ
リエチレンイミン、フェニレンジアミン等の多価アミン
類;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス
〔3−(1−アジリジニル)プロピオネート〕、1,6
−ヘキサメチレンジエチレンウレア、ジフェニルメタン
−ビス−4,4’−N,N’−ジエチレンウレア等の多
価アジリジン類;グルタルアルデヒド、グリオキサール
等の多価アルデヒド類;2,4−トルイレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソ
シアネート類;酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸等の
カルボキシル基と水酸基の両方を持つ化合物;2,2′
−イミノジコハク酸、3−ヒドロキシ−2,2′−イミ
ノジコハク酸等のイミノ酸類;アスパラギン酸、β−ア
ラニン等のアミノ酸類などが挙げられ、1種または2種
以上が使用される。これらの化合物(B)の中で、水溶
性オリゴマー(A)の有するカルボキシル基と反応して
基(II)および基(III)の少なくとも一つを形成する、
多価アルコール、多価グリシジル化合物および多価アミ
ンから選ばれる少なくとも1つが好ましい。また、架橋
反応により、架橋重合体に組み込まれた化合物(B)部
分もキレート作用、分散作用を示すようにする場合に
は、化合物(B)としてはさらにカルボキシル基を有す
る化合物、たとえば、カルボキシル基と水酸基の両方を
持つ化合物も好ましい。水溶性オリゴマー(A)が水酸
基を持つ場合は、化合物(B)はクエン酸やリンゴ酸等
の水酸基を1個だけしか持たない、カルボキシル基と水
酸基の両方を持つ化合物であってもよい。
【0028】また、水溶性オリゴマー(A)同士を反応
させることにより、基(II)および基(III) の少なくと
も1つの構成単位を形成する場合は、水溶性オリゴマー
(A)の一部を化合物(B)とすることができる。つま
り、この場合の化合物(B)は、水溶性オリゴマー
(A)と同じものである。この発明の親水性架橋重合体
は、キレート作用および分散作用に優れ、親水性(好ま
しくは水溶性)を示し、優れた生分解性を示す。このた
め、この発明の親水性架橋重合体を洗剤のビルダーとし
て用いることができる。この発明のビルダーは、この発
明の親水性架橋重合体からなり、洗剤組成物に配合され
てその洗浄力を向上させる。
【0029】この発明の洗剤組成物は、界面活性剤とこ
の発明のビルダーを必須成分として含むものであり、粉
末、固形、液体のいずれの状態の洗剤でも可能である。
界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン
性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤
をそれぞれ単独で用いたり、2以上併用したりすること
ができる。界面活性剤とこの発明のビルダーは、たとえ
ば、界面活性剤100重量部に対してビルダー0.5〜
100重量部の割合で使用されるが、この割合に限定さ
れない。この範囲よりもビルダーが多いと、経済上好ま
しくないおそれがあり、少ないと、添加することによる
メリットを実用上期待できないおそれがある。
【0030】この発明のビルダーは、従来のビルダー、
たとえば縮合リン酸塩、ゼオライト、クエン酸塩等と組
み合わせて使用することができる。この場合、使用割合
は、適宜設定すればよく、特に制限はない。さらに、こ
の発明の洗剤組成物には、界面活性剤およびビルダーに
加えて、洗剤組成物に通常使用されている他の成分、た
とえば、アルカリ剤、無機電解質、キレート剤、再汚染
防止剤、酵素、漂白剤、蛍光剤、酸化防止剤、可溶化
剤、着色剤、香料等を適宜選択して配合してもよい。配
合量は、たとえば、通常の量でよい。
【0031】この発明の繊維処理剤は、繊維処理におけ
る精錬、染色、漂白、ソーピング等の工程において繊維
に残留する糊、金属塩、金属酸化物、その他汚れ成分の
分散や除去といった目的に使用することができる。適用
できる繊維は特に限定されないが、たとえば、木綿、麻
等のセルロース系繊維;ナイロン、ポリエステル等の化
学繊維;羊毛、絹糸等の動物性繊維;人絹等の半合成繊
維およびこれらの織物または混紡品が挙げられる。この
発明の繊維処理剤は、この発明の親水性架橋重合体のみ
からなっていてもよいが、精錬工程に適用する場合に
は、この発明の親水性架橋重合体とアルカリ剤および界
面活性剤を配合することが好ましく、漂白工程に適用す
る場合には、この発明の親水性架橋重合体と、アルカリ
系漂白剤の分解抑制剤として珪酸ナトリウム等の珪酸系
薬剤等を配合するとよい。
【0032】この発明の無機顔料分散剤は、紙コーティ
ングに用いられる重質ないしは軽質炭酸カルシウム、ク
レイ等の無機顔料の分散剤として良好な性能を発揮す
る。この発明の無機顔料分散剤は、この発明の親水性架
橋重合体のみからなっていてもよいが、他の配合剤とし
て、重合リン酸、その塩、ホスホン酸、その塩、ポリビ
ニルアルコール等をこの発明の効果を損なわない範囲で
用いてもよい。この発明の無機顔料分散剤を、従来の無
機顔料分散剤の代わりに、上記のような無機顔料に少量
(たとえば、無機顔料100重量部に対して0.05〜
2.0重量部の割合)添加して水中に分散することによ
り、低粘度でしかも高流動性を有し、かつ、それらの性
能の経日安定性が良好である高濃度無機顔料スラリー
(たとえば、高濃度炭酸カルシウムスラリー)を製造す
ることができる。この発明の親水性架橋重合体は生分解
性が良好であるので、この発明の無機顔料分散剤を用い
た紙をゴミとして土中へ投入した際にも環境への影響を
最小限にとどめることができる。
【0033】この発明の水処理剤は、冷却水系、ボイラ
ー水系、海水淡水化装置、パルプ蒸解釜、黒液濃縮釜等
でのスケール防止に有用であり、この発明の親水性架橋
重合体を単独で水処理剤として使用しても良いが、重合
リン酸塩、ホスホン酸塩、その他防蝕剤、スライムコン
トロール剤、キレート剤等を配合した組成物とすること
もできる。この発明の水処理剤は、使用後、親水性架橋
重合体を含有する排水が外界へ出ても生分解性が良好で
あるため、環境への影響が非常に小さくなる。
【0034】
【作用】この発明の親水性架橋重合体は、上記基(II)
および(III)の部分で生分解を受けやすく、この生分解
により、分子量5000以下の成分を50重量%以上含
む水溶性オリゴマーを生成する。このような水溶性オリ
ゴマーは、キレート作用や分散作用を発揮するには低分
子量すぎるが、生分解可能である。
【0035】すなわち、この発明の親水性架橋重合体
は、キレート作用および分散作用を発揮するには低分子
量すぎるが、生分解可能な程度の分子量を有する水溶性
オリゴマーの構造を持つ主鎖同士を生分解可能な基を介
して結び付けることにより、キレート作用および分散作
用が発現する分子量にまで高められたものであり、生分
解性と、キレート作用および分散作用との両立を可能に
した。
【0036】上記後架橋方法によれば、一旦、水溶性オ
リゴマーを作ってからこのオリゴマー同士を架橋させる
ので、主鎖の分子量を適宜の大きさに設定しやすい。こ
の発明のビルダーは、上記親水性架橋重合体からなるの
で、水への分散性が良く、生分解性に優れ、洗剤の洗浄
力を高めることができる。この発明の繊維処理剤、無機
顔料分散剤、水処理剤は、以上で説明したこの発明の親
水性架橋重合体を含んでなるものであるため、分散能、
キレート能、生分解性に優れ、各用途に非常に有用なも
のである。
【0037】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。
以下では、「部」は「重量部」を表す。 −実施例1− 温度計、攪拌機、検水管および還流冷却器を備えたガラ
ス製反応器に、ジメチルホルムアミド45.6部と、ポ
リアクリル酸(分子量300〜2500の成分を68重
量%、分子量2500超、5000以下の成分を11重
量%含む(分子量300〜5000の成分を79重量%
含む))28.8部を仕込んで溶解させ、攪拌下にエチ
レングリコール4部と95%硫酸0.3部を加えて15
0℃まで加熱した。留出する水を検水管より除去しなが
ら5時間保持し、反応を完了した。その後、水150部
で希釈した後、10%水酸化ナトリウム水溶液で完全中
和を行った。中和後、2相に分離した溶液の水相部を取
り出し、大量のメタノール中に加えた。これにより生じ
た沈殿物を濾別して60℃で真空乾燥することにより親
水性架橋重合体39部を得た。
【0038】得られた親水性架橋重合体に水を加えて2
0重量%水溶液にし、B型回転粘度計ビスメトロンVG
−A/1型(精機工業研究所製)で20℃の温度で測定
した結果、73cPであった。親水性架橋重合体を10
重量%水溶液とし、48重量%水酸化ナトリウム水溶液
を加えてpH14とし、還流温度で4時間加熱すること
により分解させた。この分解物をゲルパーミエーション
クロマトグラフィーにかけた結果、ポリアクリル酸部分
の分子量分布は、架橋前のポリアクリル酸の分子量分布
と同じであった。このゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィーの条件は次のとおりであった。
【0039】カラム:SHODEX OHpak KB
−806,804,802.5,802,800P(昭
和電工株式会社製) 溶離液:0.2M−KH2 PO4 (NaOHでpH6.
9に調整) 液 量:0.5ml/分 検出器:示差屈折率計(昭和電工株式会社製商品名Sh
odex RI SE−61) −実施例2− 温度計、攪拌機、検水管および還流冷却器を備えたガラ
ス製反応器に、ジメチルホルムアミド45.6部と、ポ
リアクリル酸(分子量300〜2500の成分を36重
量%、分子量2500超、5000以下の成分を28重
量%含む(分子量300〜5000の成分を64重量%
含む))33.1部を仕込んで溶解させ、攪拌下にエチ
レングリコール1部と95%硫酸0.37部を加えて1
50℃まで加熱した。留出する水を検水管より除去しな
がら5時間保持し、反応を完了した。その後、水200
部で希釈した後、10%水酸化ナトリウム水溶液で完全
中和を行った。中和後、2相に分離した溶液の水相部を
取り出し、大量のメタノール中に加えた。これにより生
じた沈殿物を濾別して60℃で真空乾燥することにより
親水性架橋重合体43部を得た。この親水性架橋重合体
について、実施例1と同様にして測定した粘度は150
cP、実施例1と同様にして分解して測定した、ポリア
クリル酸部分の分子量分布は、架橋前のポリアクリル酸
の分子量分布と同じであった。
【0040】−実施例3− 温度計、攪拌機、検水管および還流冷却器を備えたガラ
ス製反応器に、ジメチルホルムアミド35.3部と、ポ
リアクリル酸(分子量300〜2500の成分を46重
量%、分子量2500超、5000以下の成分を29重
量%含む(分子量300〜5000の成分を75重量%
含む))25.6部を仕込んで溶解させ、攪拌下に平均
分子量300のポリエチレングリコール3.88部と9
5%硫酸0.29部を加えて142℃まで加熱した。留
出する水を検水管より除去しながら4時間保持し、反応
を完了した。その後、水200部で希釈した後、10%
水酸化ナトリウム水溶液で完全中和を行った。中和後、
2相に分離した溶液の水相部を取り出し、大量のメタノ
ール中に加えた。これにより生じた沈殿物を濾別して6
0℃で真空乾燥することにより親水性架橋重合体36部
を得た。この親水性架橋重合体について、実施例1と同
様にして測定した粘度は85cP、実施例1と同様にし
て分解して測定した、ポリアクリル酸部分の分子量分布
は、架橋前のポリアクリル酸の分子量分布と同じであっ
た。
【0041】−実施例4− 温度計、攪拌機、検水管および還流冷却器を備えたガラ
ス製反応器に、ジメチルホルムアミド86.4部と、ポ
リアクリル酸(分子量300〜2500の成分を46重
量%、分子量2500超、5000以下の成分を29重
量%含む(分子量300〜5000の成分を75重量%
含む))26.8部を仕込んで溶解させ、攪拌下にテト
ラエチレンペンタミン2.11部を加えて140℃まで
加熱した。留出する水を検水管より除去しながら7時間
保持し、反応を完了した。その後、水200部で希釈し
た後、10%水酸化ナトリウム水溶液で完全中和を行っ
た。中和後、2相に分離した溶液の水相部を取り出し、
大量のメタノール中に加えた。これにより生じた沈殿物
を濾別して60℃で真空乾燥することにより親水性架橋
重合体35部を得た。この親水性架橋重合体について、
実施例1と同様にして測定した粘度は92cP、実施例
1と同様にして分解して測定した、ポリアクリル酸部分
の分子量分布は、架橋前のポリアクリル酸の分子量分布
と同じであった。
【0042】−実施例5− 温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたガラス製反応
器に、ジメチルホルムアミド37.6部と、ポリアクリ
ル酸(分子量300〜2500の成分を46重量%、分
子量2500超、5000以下の成分を29重量%含む
(分子量300〜5000の成分を75重量%含む))
27.2部を仕込んで溶解させ、攪拌下にテレフタル酸
ジグリシジルエステル(ナガセ化成工業株式会社製、商
品名「デナコールEX−711」)1.93部を加えて
105℃まで加熱した。この状態で4時間保持し、反応
を完了した。その後、水200部で希釈した後、10%
水酸化ナトリウム水溶液で完全中和を行った。中和後、
2相に分離した溶液の水相部を取り出し、メタノール1
000部中に加えた。これにより生じた沈殿物を濾別し
て60℃で真空乾燥することにより親水性架橋重合体3
3部を得た。この親水性架橋重合体について、実施例1
と同様にして測定した粘度は82cP、実施例1と同様
にして分解して測定した、ポリアクリル酸部分の分子量
分布は、架橋前のポリアクリル酸の分子量分布と同じで
あった。
【0043】−実施例6− 温度計、攪拌機および還流冷却器を備えたガラス製反応
器に、水84部と、アクリル酸ナトリウム−ビニルアル
コール共重合体(分子量300〜2500の成分を52
重量%、分子量2500超、5000以下の成分を20
重量%含む(分子量300〜5000の成分を72重量
%含む)。アクリル酸ナトリウム/ビニルアルコールの
モル比は8/2)21部を仕込んで溶解させ、攪拌下に
アジピン酸ジグリシジルエステル(ナガセ化成工業株式
会社製、商品名「デナコールEX−701」)1.2部
を加えて95℃まで加熱した。この状態で4時間保持
し、反応を完了した。その後、室温まで冷却した後、メ
タノール1000部中に加えた。これにより生じた沈殿
物を濾別して60℃で真空乾燥することにより親水性架
橋重合体24部を得た。この親水性架橋重合体につい
て、実施例1と同様にして測定した粘度は80cP、実
施例1と同様にして分解して測定した、アクリル酸−ビ
ニルアルコール共重合体部分の分子量分布は、架橋前の
アクリル酸ナトリウム−ビニルアルコール共重合体の分
子量分布と同じであった。
【0044】−実施例7− 温度計、攪拌機、検水管および還流冷却器を備えたガラ
ス製反応器に、水76部と、アクリル酸−マレイン酸共
重合体(分子量300〜2500の成分を41重量%、
分子量2500超、5000以下の成分を27重量%含
む(分子量300〜5000の成分を68重量%含
む)。アクリル酸/マレイン酸のモル比は7/3)20
部を仕込んで溶解させ、攪拌下にアジピン酸ジグリシジ
ルエステル(ナガセ化成工業株式会社製、商品名「デナ
コールEX−701」)1.8部を加えて95℃まで加
熱した。この状態で5時間保持し、反応を完了した。そ
の後、室温まで冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液で
完全中和を行い、メタノール2000部中に加えた。こ
れにより生じた沈殿物を濾別して60℃で真空乾燥する
ことにより親水性架橋重合体21部を得た。この親水性
架橋重合体について、実施例1と同様にして測定した粘
度は320cP、実施例1と同様にして分解して測定し
た、アクリル酸−マレイン酸共重合体部分の分子量分布
は、架橋前のアクリル酸−マレイン酸共重合体の分子量
分布と同じであった。
【0045】−比較例1− 実施例1で用いた、分子量300〜2500の成分を6
8重量%、分子量2500超、5000以下の成分を1
1重量%含む(分子量300〜5000の成分を79重
量%含む)ポリアクリル酸を架橋せずにナトリウム塩に
したものを以下の試験に供した。
【0046】−比較例2− 分子量300〜2500の成分を1重量%、分子量25
00超、5000以下の成分を5重量%、分子量500
0〜50000の成分を65重量%含む(分子量300
〜5000の成分を6重量%含む)ポリアクリル酸ナト
リウムを架橋せずにそのまま以下の試験に供した。
【0047】上記実施例で得られた親水性架橋重合体と
比較例の重合体について、官能基(I)の含有量、重合
体の主鎖間に形成された結合が基(II) または基(III)
を有しているか否か、生分解性、キレート作用、分散作
用を下記のようにして調べた。官能基(I)の含有量
は、重合体の水溶液または水分散液について0.1規定
の水酸化ナトリウム水溶液で自動滴定装置GT−01型
(三菱化成工業株式会社製)を用いて中和滴定し、中和
に要した水酸化ナトリウム水溶液の量から、重合体1g
あたりに含まれるモル数で示した。
【0048】重合体の主鎖間に形成された結合が基(I
I) または基(III)を有しているか否かは、赤外吸収ス
ペクトルによりエステルまたはアミドの吸収の有無によ
り調べた。生分解性は、表1に示す組成を有する培養液
に活性汚泥を加えて30℃で30日間振とう培養し、ゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィーにかけて培養前
と培養後のピークの形状変化(ピーク面積の減少率)に
より下記の基準で評価した。
【0049】◎:ピーク面積の減少が50%以上であっ
た。 ○:ピーク面積の減少が10%以上、50%未満であっ
た。 △:ピーク面積の減少が10%未満であった。 ×:ほとんど変化が見られなかった。
【0050】
【表1】
【0051】キレート作用は、50mlビーカーに架橋重
合体または重合体10mgを計り取り、塩化カルシウムが
1.0×10-3M、塩化カリウムが0.08Mとなるよ
う調製した水溶液50mlに溶解させ、攪拌を行い、溶液
中のカルシウムイオン濃度を二価陽イオン電極(オリオ
ン・リサーチ・インコーポレイテッド(Orion Research
Incorporated)製のMODEL93−32)を用い、イ
オンアナライザー(オリオン・リサーチ・インコーポレ
イテッド(Orion Research Incorporated)製のEA92
0)を使用して測定し、架橋重合体または重合体1gに
よってキレートされるカルシウムイオンを炭酸カルシウ
ムに換算したmg数で示した。
【0052】分散作用は、炭酸カルシウム(ブリリアン
ト1500:白石工業株式会社製の商品名)/水=60
/40(重量比)となるよう調製したスラリーに、架橋
重合体または重合体を炭酸カルシウムに対し0.3重量
%となる量で添加し、3分間攪拌し、1分間静置した後
の粘度をB型回転粘度計ビスメトロンVG−A/1型
(精機工業研究所製)で測定し、センチポイズの単位で
示した。なお、架橋重合体または重合体を添加しない時
は、スラリーは流動性がほとんどなく、粘度測定は不可
能であった。
【0053】以上の結果を表2に示した。
【0054】
【表2】
【0055】表2にみるように、実施例の架橋重合体
は、生分解性、キレート作用および分散作用のすべてを
満足するものであった。これに対し、比較例のものは、
生分解性は満足するが、キレート作用および分散作用は
満足されないものか、キレート作用および分散作用は満
足するが生分解性は満足されないかのどちらかであっ
た。
【0056】−実施例8〜14および比較例3,4− 上記実施例1〜7の架橋重合体と比較例1,2の化合物
をビルダーとして用い、下記の配合で洗剤組成物を得
た。 ・アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム… 25部 ・ビルダー … 20部 ・ケイ酸ナトリウム … 5部 ・無水炭酸ナトリウム … 3部 ・カルボキシメチルセルロース … 0.5部 ・無水硫酸ナトリウム … 40部 ・水 … 残 部 ・洗剤組成物の合計 …100部 上記実施例および比較例の各洗剤組成物について洗浄力
を調べ、結果を表3に示した。
【0057】洗浄力は、次のようにして調べた。上記実
施例の各架橋重合体と比較例の化合物を試料ビルダーと
して用い、上記の配合で得られる洗剤組成物を0.2重
量%の濃度になるように3°DH(Japanese hardness)
の硬度の水道水に溶解して洗浄液を調製し、洗浄装置
(株式会社上島製作所製のターグ−オー−ツーメーター
(Terg-O-Tometer))を用いて洗浄液(温度25℃)に
綿人工汚染布を漬けて(浴比:30倍)、100rpm で
10分間洗浄を行った。この後、同じ装置を用いて3°
DH水道水(25℃)で5分間すすぎを行ってから、風
乾させた。洗浄後の布の汚れ落ちの様子を目視により、
比較例2の化合物を標記ビルダーとし、それと比較して
下記の基準で判定した。
【0058】◎:優れている。 ○:ほとんど同じ。 △:わずかに劣る。 ×:かなり劣る。
【0059】
【表3】
【0060】表3にみるように、実施例の架橋重合体
は、比較例に比べて優れた洗浄力を示した。 −合成例1− 温度計、攪拌機および還流冷却器を備えた容量1リット
ルの四つ口フラスコに無水マレイン酸196部(マレイ
ン酸として232部)、脱イオン水140部、硫酸鉄(I
II) アンモニウム12水和物0.0412部(仕込み単
量体成分1部中、Fe3+として20ppmである)を仕
込んで攪拌混合して水溶液を調製し、該水溶液を常圧下
で沸騰温度まで昇温した。次にこの水溶液に攪拌下で3
5%過酸化水素水777部(仕込み単量体成分1モルに
対して過酸化水素136gの割合)を5時間にわたって
連続的に滴下し、重合反応を完了して、水溶性オリゴマ
ー水溶液(1)(固形分21%)を得た。この水溶性オ
リゴマー水溶液(1)の固形分当たりの酸価を滴定によ
り求め、水溶性オリゴマーの1分子当たりのカルボン酸
単位の数(平均値)および官能基(I)の含有量を計算
により求めた。結果を表4に示した。
【0061】−合成例2− 合成例1と同じ原料を仕込んだ後、攪拌下で35%過酸
化水素水777部と80%アクリル酸水溶液180.2
5部をそれぞれ別々の滴下口より5時間にわたって連続
滴下し重合を完結した以外は、合成例1と同様に重合し
て、水溶性オリゴマー水溶液(2)(固形分27%)を
得た。この水溶性オリゴマー水溶液(2)について合成
例1と同様に分析を行い、結果を表4に示した。
【0062】
【表4】
【0063】−実施例15− 合成例1で得られた水溶性オリゴマー水溶液(1)10
0部、クエン酸50部および48%NaOH2部をガラ
ス製シャーレに入れ、均一に攪拌した後、150℃で2
時間熱風下で水分を除去しながら熱処理し、親水性架橋
重合体(15)を得た。
【0064】得られた親水性架橋重合体(15)の分子
量を上記条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ーにかけて測定し、滴定により酸価を求めた。親水性架
橋重合体(15)について、粘度、主鎖間に形成された
結合が基(II)または(III)を有しているか否か、生分
解性、キレート作用、分散作用を実施例1〜7と同様の
測定を行って求めた。これらの結果を表5に示した。
【0065】親水性架橋重合体(15)の繊維処理剤、
水処理剤としての性能評価を以下に記載した方法で行
い、結果を表6に示した。親水性架橋重合体(15)の
無機顔料分散剤としての評価を、分散作用の評価に加え
て室温1週間放置後の粘度を測定して粘度安定性を調べ
ることにより行った。結果を表6に示した。
【0066】親水性架橋重合体(15)の洗剤としての
評価は、実施例8〜14と同様にして行った。結果を表
6に示した。 〔繊維処理剤としての評価〕 1.染色性向上能と染料分散性(染色助剤としての評
価) 木綿ツイル織物を次の条件で染色した。染色向上剤とし
て実施例15で得られた親水性架橋重合体を水1リット
ルに1gの割合(固形分換算)で用いた。 (染色条件) 使用水の硬度 30°DH(ドイツ硬度) 染料(Kayaras Supra Blue 4BL) 1重量% (日本化薬社製の金属含有型直接染料) 硫酸ナトリウム 10重量% 浴比 1:30 温度 95℃ 時間 30分 染色後の布をスガ試験機社製SMカラーコンピューター
SM−3型により測色し、Hue値(マンセル色相環上
の値)を求めた。Hue値のPBとはPurple(紫)とBl
ue(青)の間の青紫の意味で、値の小さい方が青に近い
青紫であり、染色性が優れていることを示している。ま
た、部分的な色むらを肉眼で目視観察した。さらに、上
記染色に使用した水、染料(0.1%)、親水性架橋重
合体(0.1%)の混合液を300g作製し、24時間
放置後に東洋ろ紙社製5Cろ紙を用いてろ過し、ろ過残
渣なしを○、ろ過残渣若干ありを△、ろ過残渣の多いも
のを×として染料分散性を評価した。 2.漂白性能と縫製性能(漂白助剤としての評価) 精錬した綿天竺編ニットを次の条件で漂白した。漂白助
剤として実施例15で得られた親水性架橋重合体を水1
リットルに1gの割合(固形分換算)で用いた。 (漂白条件) 使用水の硬度 35°DH 浴比 1:25 温度 85℃ 時間 30分 使用薬剤 過酸化水素 10g/l 水酸化ナトリウム 2g/l 珪酸ナトリウム(3号) 5g/l 漂白後の布の風合いは官能検査法により決定し、ソフト
な風合いのものを○、ややハードな風合いのものを△、
かなりハードなものを×とした。また、白色度はスガ試
験機社製SMカラーコンピューターSM−3型により測
色し、下記のLab系の白色度式によって白色度Wを求
めた。
【0067】 W=100−〔(100−L)2 +a2 +b2 1/2 ただし、L=測定された明度 a=測定されたクロマチックネス指数 b=測定されたクロマチックネス指数 さらに、漂白後の布を4枚重ねとして本縫ミシンで針♯
11Sを用いて30cm空縫いした場合の地糸切れ箇所の
数を調べて縫製性を評価した。 〔水処理剤としての評価〕 1.スケール抑制率 容量225mlのガラスビンに水を170g入れ、1.5
6%塩化カルシウム2水塩水溶液10g、および、スケ
ール防止剤として実施例15で得られた親水性架橋重合
体の0.02%水溶液3g(得られる過飽和水溶液に対
して3ppm)を混合し、さらに3%重炭酸ナトリウム
水溶液10gおよび水7gを加え全量を200gとし
た。得られた炭酸カルシウム530ppmの過飽和水溶
液を密栓して70℃で8時間の加熱処理を行った。冷却
した後、沈殿物を孔径0.1μmのメンブランフィルタ
ーでろ過し、ろ液をJIS K0101に従って分析し
た。下式により炭酸カルシウムスケール抑制率(%)を
求めた。
【0068】 スケール抑制率(%)=(C−B)/(A−B) ただし、A:試験前の液中に溶解していたカルシウム濃
度 B:スケール防止剤無添加ろ液中でのカルシウム濃度 C:試験後のろ液中のカルシウム濃度 −実施例16〜21− 水溶性オリゴマーの種類と量、架橋剤の種類と量、48
%NaOHの量を表5に示したとおりとした以外は実施
例15と同様にして親水性架橋重合体(16)〜(2
1)を得た。得られた親水性架橋重合体(16)〜(2
1)について、実施例15と同様にして性能評価を行っ
た。結果を表5に示した。
【0069】また、親水性架橋重合体(16)〜(2
1)について、繊維処理剤、水処理剤、無機顔料分散
剤、洗剤としての評価を実施例15と同様にして行い、
結果を表6に示した。
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】−比較例5〜8− 表7,8に記載した比較剤について、実施例15と全く
同様にして、主鎖間に形成された結合が基(II)または
(III) を有しているか否か、生分解性、キレート作用、
分散作用を調べた結果を表7に、繊維処理剤、無機顔料
分散剤、水処理剤、洗剤としての性能評価を行った結果
を表8に示した。
【0073】
【表7】
【0074】
【表8】
【0075】
【発明の効果】この発明の親水性架橋重合体は、キレー
ト作用、分散作用を有し、水への分散性が良く、かつ、
生分解性に優れている。この発明の親水性架橋重合体の
製造方法は、そのような架橋重合体を効率良く作ること
ができる。
【0076】この発明の親水性架橋重合体を洗剤に用い
ると、洗剤組成物の状態に関わらずこれに配合されてそ
の洗浄力を向上させることができ、微生物などの生物に
より分解可能であり、河川湖沼などに排出されたときに
富栄養化を起こさず、安全なビルダーとして有用であ
る。この発明の親水性架橋重合体を繊維処理剤、無機顔
料分散剤、水処理剤に用いると、各用途における性能が
優れていて、かつ、これらが環境中へ放出された時も生
分解をうけて環境への影響を最小限にとどめるという利
点が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/20 // C11D 3/37 (72)発明者 入江 好夫 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒姫路研究所内 (72)発明者 坪井 啓史 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒姫路研究所内 (72)発明者 山口 繁 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 株式会社日本触媒姫路研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子量5000以下の成分を50重量%
    以上含みかつ一般式−COOM〔ここで、Mは水素、一
    価金属、二価金属、三価金属、アンモニウム基および有
    機アミン基のうちのいずれかを示す。〕で表される官能
    基(I)を有する水溶性オリゴマーからなる主鎖同士の
    間に、化学式−CO−O−で表される基(II)および化
    学式−CO−NH−で表される基(III)の少なくとも一
    つを構成単位として有する結合が形成されている構造を
    有し、20重量%水溶液が20℃で1000cP以下の
    粘度を有する生分解可能な親水性架橋重合体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の親水性架橋重合体からな
    るビルダー。
  3. 【請求項3】 界面活性剤、および、請求項2記載のビ
    ルダーを含む洗剤組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の親水性架橋重合体を含ん
    でなる繊維処理剤。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の親水性架橋重合体を含ん
    でなる無機顔料分散剤。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の親水性架橋重合体を含ん
    でなる水処理剤。
  7. 【請求項7】 分子量5000以下の成分を50重量%
    以上含みかつ一般式−COOM〔ここで、Mは水素、一
    価金属、二価金属、三価金属、アンモニウム基および有
    機アミン基のうちのいずれかを示す。〕で表される官能
    基(I)を有する水溶性オリゴマーを、化学式−CO−
    O−で表される基(II)および化学式−CO−NH−で
    表される基(III)の少なくとも一つを構成単位として有
    するか、および/または、形成しうる架橋剤で結合し、
    20重量%水溶液が20℃で1000cP以下の粘度を
    有する生分解可能な親水性架橋重合体を得る製造方法。
  8. 【請求項8】 水溶性オリゴマーが、炭素数3〜6のモ
    ノエチレン性不飽和カルボン酸およびその塩からなる群
    より選ばれる少なくとも1つの単量体(a)を50〜1
    00モル%、および、(a)と共重合可能な他のモノエ
    チレン性不飽和単量体(b)を残部とする単量体成分を
    重合してなり、分子量5000以下の成分を50重量%
    以上含み官能基(I)を有する水溶性オリゴマー(A)
    であり、架橋剤が、(A)の有する官能基と反応しうる
    官能基(IV) を少なくとも2個有し、かつ、該官能基
    (IV) の間に基(II)および基(III)の少なくとも一つ
    を構成単位として有するか、および/または、官能基
    (IV)が(A)の有する官能基と反応して基(II)およ
    び基(III)の少なくとも一つを形成しうる化合物(B)
    であり、前記水溶性オリゴマー(A)と化合物(B)
    を、化合物(B)の有する官能基(IV) と水溶性オリゴ
    マー(A)の有する官能基のモル比が〔官能基(IV)〕
    /〔(A)の有する官能基〕=0.01〜1.0となる
    量で用いて反応させる請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 水溶性オリゴマー(A)が、マレイン酸
    およびマレイン酸塩から選ばれる少なくとも1種を20
    〜100重量%、および、他の水溶性モノエチレン性不
    飽和単量体を残部とする単量体成分を、該単量体成分に
    対して0.5〜300ppmの重量比の、鉄イオン、バ
    ナジウム原子含有イオンおよび銅イオンからなる群から
    選択される1種以上の金属イオンの存在下、重合触媒に
    前記単量体成分1モル当たり8〜500gの割合で過酸
    化水素を用いて水溶液重合してなり、分子量5000以
    下の成分を50重量%以上含み官能基(I)を有するマ
    レイン酸系重合体である請求項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 50〜200℃の温度で熱処理し、水
    分を除去しながら架橋反応を行う請求項7から9までの
    いずれかに記載の製造方法。
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