JPH05238911A - イネ種子用殺菌剤 - Google Patents

イネ種子用殺菌剤

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JPH05238911A
JPH05238911A JP7562792A JP7562792A JPH05238911A JP H05238911 A JPH05238911 A JP H05238911A JP 7562792 A JP7562792 A JP 7562792A JP 7562792 A JP7562792 A JP 7562792A JP H05238911 A JPH05238911 A JP H05238911A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 農作業の効率化に資するイネ種子用殺菌剤の
創製。 【構成】ベノミル、TMTD、プロクロラズ、ペフラゾ
エート、ヒドロキシイソキサゾール、メタラキシルから
選ばれる1種以上の化合物と炭酸カルシウム、塩基性炭
酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウ
ム、炭酸水素カリウムから選ばれる炭酸塩を有効成分と
して含有することを特徴とするイネ種子用殺菌剤、及び
さらに前記有効成分に2価の銅イオンの水酸化物、塩、
複塩、キレート化合物から選ばれる銅化合物を加えたイ
ネ種子用殺菌剤。 【効果】本発明のイネ種子用殺菌剤は、育苗期に発生す
るイネ籾枯細菌病菌、イネ苗立枯細菌病菌及びイネ褐条
病菌などの細菌によるイネ苗腐敗症、及び糸状菌による
イネ馬鹿苗病、イネいもち病、イネごま葉枯病及びイネ
苗立枯病など対し、種子浸漬処理、育苗箱用培土への混
和処理、または種子粉衣処理で高い防除効果を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は育苗期に発生するイネ馬
鹿苗病、イネいもち病、イネごま葉枯病及びイネ苗立枯
病などの糸状菌に起因する病害とイネ籾枯細菌病菌、イ
ネ苗立枯細菌病菌及びイネ褐条病菌などの細菌に起因す
るイネ苗腐敗症の防除に対する農園芸用殺菌剤に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の一方の有効成分であるベノミ
ル、TMTD、プロクロラズ、ペフラゾエートは、育苗
期に発生する糸状菌に起因するイネ馬鹿苗病、イネいも
ち病、イネごま葉枯病、イネ苗立枯病などに有効である
ことが知られているが、イネ育苗期に発生する細菌に起
因するイネ苗腐敗症の防除は不可能である。また、ヒド
ロキシイソキサゾール、メタラキシルは、育苗期に発生
する糸状菌に起因するイネ苗立枯病に有効であることが
知られているが、これらの薬剤でイネ育苗期に発生する
細菌に起因するイネ苗腐敗症の防除は不可能である。ま
た、他方の有効成分である炭酸水素カリウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カ
ルシウム等が糸状菌に起因する植物病害の防除剤として
有効であることが知られている(特開昭51−6393
2号公報)。当該発明は、植物に寄生する糸状菌が一般
に酸性側で良好に生育し、塩基性側では生育を阻害され
るという性質を利用したものであり、植物病原性細菌に
起因する病害に対して十分な効果は得られない。 ま
た、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリ
ウム等を作物に薬害のでる殺菌性金属塩化合物と組み合
わせることによって、効果の増加、効果の持続及び薬害
が軽減されることが知られている(特開昭55−271
64号公報及び特開昭60−123410号公報)。し
かしながら、当該組成物は上記のアルカリ類及び塩類に
よる塩基性によって、直接的な静菌力がもたらされ、殺
菌力のある金属イオンの急激な放出が抑制されるため
に、相乗的かっ緩行的に植物病原菌抑制効果を発揮する
ものであって、これらは金属イオン調節剤としての働き
が主であり、アルカリ類及び塩類単独による病害防除効
果は十分なものではない。また、炭酸カルシウムは、散
布処理によって野菜のモザイク病(ウイルス性)を予防
できることが報告されているが、細菌病に関する記載は
ない(特開昭48−13522号公報)。水酸化第二銅
などの銅化合物は、各種作物における細菌の繁殖に起因
する病害の防除剤として一般に利用されている。しか
し、種子用殺菌剤としての効果は充分なものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】稲作栽培は機械移植が
導入されたのに伴い、育苗法もほとんどが箱育苗法に変
わっている。本育苗法ではイネ苗を32℃前後の高温多
湿条件下に置くことになる。このため、培土中あるいは
籾表面に生息する病原菌にとっては繁殖に好適な環境条
件をあたえることになり、ピシウム属菌、リゾプス属
菌、フザリウム属菌、トリコデルマ属菌、シュードモナ
ス属菌などによるイネ苗立枯病が発生し易く、イネ苗が
軟弱になりやすい。特に、イネばか苗病菌(ジベレラ
フジクロイ;Gibbellera fujikuroi)によって引き起こ
されるイネばか苗病、イネ籾枯細菌病菌(シュードモナ
ス グルメ;Pseudomonas glumae)、イネ苗立枯細菌病
(シュードモナス プランタリ;Pseudomonas plantari
i)、あるいはイネ褐条病(シュードモナス アベナ;Ps
eudomonas avenae)によって引き起こされるイネ苗腐敗
症は近年徐々に増加の傾向にあり、イネ苗の育苗にとっ
て大きな問題となっている。しかし、現在実用化されて
いる種子消毒剤で糸状菌と細菌に起因する病害に同時に
有効なものはない。また、特に細菌によるイネ苗腐敗症
に対する防除薬剤は数が少なく、また使用方法に制限が
あり、効果も必ずしも万全ではない。このため、安価で
なおかつ環境への影響が少ない防除薬剤の開発が望まれ
ている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
を解決するために鋭意検討した結果、ベノミル、TMT
D、プロクロラズ、ペフラゾエートから選ばれる1種以
上の化合物と炭酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸水素
カリウムから選ばれる炭酸塩を有効成分とする組成物を
イネ種子または育苗培土に処理することによりイネ馬鹿
苗病、イネいもち病、イネごま葉枯病及びイネ苗立枯病
などの糸状菌に起因する病害とイネ籾枯細菌病菌、イネ
苗立枯細菌病菌及びイネ褐条病菌などの細菌に起因する
イネ苗腐敗症に同時に極めて優れた防除効果を示すこと
を見いだした。また、ヒドロキシイソキサゾール又は、
メタラキシルと上記の炭酸塩を有効成分とする組成物を
イネ種子または育苗培土に処理することにより、イネ苗
立枯病の糸状菌に起因する病害とイネ籾枯細菌病菌、イ
ネ苗立枯細菌病菌及びイネ褐条病菌などの細菌に起因す
るイネ苗腐敗症に同時に極めて優れた防除効果を示すこ
とを見いだした。さらに、上記組成物に銅化合物を混合
することにより細菌に起因する病害に対し、的確かつ安
定的な防除効果を発揮することをみいだし、本発明を完
成させた。
【0005】即ち、本発明はベノミル、TMTD、プロ
クロラズ、ペフラゾエート、ヒドロキシイソキサゾー
ル、メタラキシルから選ばれる1種以上の化合物と炭酸
カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウ
ム、重炭酸アンモニウム及び炭酸水素カリウムから選ば
れる炭酸塩を有効成分として含有するイネ種子用殺菌剤
であり、さらに、これら有効成分に銅化合物を加えたイ
ネ種子用殺菌剤である。本発明で使用する化合物の構造
は次のとうり。ベノミル:
【0006】
【化1】 チオファネートメチル:
【0007】
【化2】 TMTD:
【0008】
【化3】 プロクロラズ
【0009】
【化4】 ペフラゾエート
【0010】
【化5】 トリフルミゾール
【0011】
【化6】 ヒドロキシイソキサゾール
【0012】
【化7】 メタラキシル
【0013】
【化8】
【0014】本発明の種子用殺菌剤は、通常、種子浸
漬、種子粉衣、培土混和等の方法で用いられる。即ち、
製剤を水で100ppm〜10000ppmに希釈した
水溶液に種籾を浸漬するか、粉末状にした薬剤を0.1
%〜2.0%の割合で種子粉衣して用いることができ
る。また、イネ育苗箱当り3g〜60gを播種前の培土
全体に混和、イネ育苗箱当り3g〜60gを覆土用培土
に混合し播種後覆土、或いはイネ育苗箱当り3g〜60
gを床土に混和し播種後覆土する等いずれの方法でも使
用可能である(数値はいずれも総有効成分量を表
す。)。
【0015】本発明の薬剤は有効成分をそのまま用いて
もよいが、一般に汎用されている農薬製剤に製剤化して
使用する。即ち、有効成分に担体、界面活性剤、分散
剤、補助剤等を配合し、粉剤、水和剤、微粒剤、粒剤、
水性懸濁液剤(ゾル剤)等に製剤化する。担体としては、
例えばクレ−、タルク、ベントナイト、カオリン、珪藻
土、ホワイトカ−ボン、珪砂、硫安、尿素、バ−ミキュ
ライト等の担体が挙げられる。界面活性剤及び、分散剤
としては、例えば、ジアリ−ルアルキルジスルホン酸、
アルコール硫酸エステル類、アルキルアリ−ルスルホン
酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアル
キルアリ−ルエ−テル、ポリオキシエチレンソルビタン
モノアルキレ−ト等が挙げられる。補助剤としては、例
えば、カルボキシメチルセルロ−ス、ポリエチレングリ
コ−ル、アラビアゴム等が挙げられる。
【0016】各製剤における有効成分の配合割合は、必
要に応じて適宜選ばれるが、有効成分は、粉剤、微粒
剤、粒剤、水性懸濁液は1から50%(重量)、水和剤
は10から95%(重量)の範囲が適当である。また、
ベノミル、TMTD、プロクロラズ、ペフラゾエート
は、製剤中に1から40%(重量)、炭酸塩は製剤中に
10〜80%(重量)の配合が適当であり、ベノミル、
TMTD、プロクロラズ、ペフラゾエートと炭酸塩の配
合割合は必要に応じて適宜選ばれるが、重量比として
1:0.1から1:50、好ましくは1:0.5〜1:
10である。銅化合物を加える場合は、製剤中1から1
0重量%が適当である。ヒドロキシイソキサゾール、メ
タラキシルは製剤中に0.5から40%(重量)、炭酸
塩は製剤中に10〜80%(重量)の配合が適当であ
り、ヒドロキシイソキサゾール、メタラキシルと炭酸塩
の配合割合は必要に応じて適宜選ばれるが、重量比とし
て1:0.1から1:50、好ましくは1:0.5〜
1:10である。銅化合物を加える場合は、製剤中に1
から10重量%配合が適当である。銅化合物としては例
えば、2価の銅イオンの水酸化物、塩、複塩、キレ−ト
化合物であって、このようなものとしては、硫酸銅、水
酸化第二銅、塩基性硫酸銅、ヒドロキシキノリン銅、塩
化第二銅などが挙げられる。
【0017】本発明の施用量は使用される化合物の種
類、発生傾向、被害の程度、環境条件、剤型及び施用方
法等によって異なる。例えば、種子浸漬処理の場合には
500ppm〜5000ppmの濃度、種子粉衣処理の
場合には0.1%〜2.0%(乾種子重比)の粉衣量、
またイネ育苗用培土混和の場合には育苗箱当り3g〜6
0gの混和量が適当である(数値はいずれも総有効成分
量を表す。)。
【0018】
【実施例】次に、実施例をあげて本発明の農園芸用殺菌
剤の製剤、用途及び効果を具体的に説明するが、有効成
分及びその他成分の配合割合は本発明の主旨を損なわな
い範囲で任意に変更し得るものである。また、下記実施
例中の%は重量百分率を示す。
【0019】製剤例1(粉剤) TMTD2%、炭酸カルシウム50%、珪藻土5%及び
クレー43%を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0020】製剤例2(粉剤) プロクロラズ2%、炭酸アンモニウム20%、珪藻土5
%及びクレー73%を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0021】製剤例3(粉剤) ヒドロキシイソキサゾール4%、メタラキシル0.5
%、重炭酸アンモニウム50%、珪藻土5%及びクレー
40.5%を均一に混合粉砕して粉剤とした。
【0022】製剤例4(水和剤) ペフラゾエート20%、炭酸カルシウム40%、珪藻3
5%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2%及
びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合粉砕
して水和剤とした。
【0023】製剤例5(水和剤) プロクロラズ15%、TMTD15%、塩基性炭酸マグ
ネシウム25%、珪藻土40%、ジナフチルメタンジス
ルホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリ
ウム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0024】製剤例6(水和剤) ヒドロキシイソキサゾール30%、メタラキシル4%、
炭酸カルシウム50%、珪藻土11%、ジナフチルメタ
ンジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸
ナトリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0025】製剤例7(水和剤) ベノミル20%、TMTD20%、塩基性炭酸マグネシ
ウム40%、珪藻土15%、ジナフチルメタンジスルホ
ン酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリウム
3%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0026】製剤例8(水和剤) ペフラゾエ−ト30%、炭酸水素カリウム50%、珪藻
土15%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2
%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合
粉砕して水和剤とした。
【0027】製剤例9(水和剤) ベノミル15%、TMTD15%、塩基性炭酸マグネシ
ウム25%、水酸化第二銅5%、珪藻土35%、ジナフ
チルメタンジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニンス
ルホン酸ナトリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤と
した。
【0028】製剤例10(水和剤) トリフルミゾール25%、TMTD15%、炭酸水素カ
リウム25%、水酸化第二銅5%、珪藻土25%、ジナ
フチルメタンジスルホン酸ナトリウム2%及びリグニン
スルホン酸ナトリウム3%を均一に混合粉砕して水和剤
とした。
【0029】製剤例11(水和剤) プロクロラズ20%、炭酸カルシウム60%、水酸化第
二銅10%、珪藻土5%、ジナフチルメタンジスルホン
酸ナトリウム2%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3
%を均一に混合粉砕して水和剤とした。
【0030】製剤例12(ゾル剤) ペフラゾエート15%、炭酸カルシウム15%、ポリオ
キシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩4%、エ
チレングリコール10%及び水56%を湿式粉砕してゾ
ル剤とした。
【0031】製剤例13(ゾル剤) ペフラゾエート15%、塩基性炭酸マグネシウム15
%、水酸化第二銅2.5%、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル硫酸塩4%、エチレングリコール1
0%及び水53.5%を湿式粉砕してゾル剤とした。
【0032】製剤例14(粒剤) ペフラゾエート4%、塩基性炭酸マグネシウム40%、
ラウリルアルコール硫酸エステルのナトリウム塩2%、
リグニンスルホン酸ナトリウム5%、カルボキシメチル
セルロース2%及びクレー47%を均一に混合粉砕す
る。この混合物に水20%を加えて練合し、押出式造粒
機を用いて14〜32メッシュの粒状に加工したのち、
乾燥して粒剤とした。
【0033】製剤例15(水和剤) ベノミル10%、塩基性炭酸マグネシウム30%、珪藻
土55%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2
%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合
粉砕して水和剤とした。
【0034】製剤例16(水和剤) トリフルミゾ−ル25%、炭酸カルシウム25%、珪藻
土45%、ジナフチルメタンジスルホン酸ナトリウム2
%及びリグニンスルホン酸ナトリウム3%を均一に混合
粉砕して水和剤とした。
【0035】試験例1 イネ籾枯細菌病菌に起因するイ
ネ腐敗症に対する種子浸漬処理による防除試験 製剤例4及び7に準じて調製した薬剤を用いて、所定有
効成分濃度の水溶液を作製した。この薬液に、あらかじ
めイネ籾枯細菌病菌を浸漬接種したイネ種子(品種;黄
金晴)を24時間浸漬した後、直ちに風乾した。薬剤処
理した種子を水に浸種した(3日間)後、30℃で24
時間催芽させ、鳩胸状態にして育苗箱1箱あたり120
g量を均一に播種した。播種10日後に、育苗箱あたり
100苗を任意に選抜し、下記の基準と式(数1、数
2)により、発病状況を調査し発病度及び防除価を算出
した。結果を表1に示す。
【0036】
【数1】
【0037】N0.....発病していない苗数 N1.....葉鞘及び不完全葉にだけ発病している苗数 N2.....本葉第1葉にまで発病している苗数 N3.....本葉第2葉にまで発病している苗数 N4.....腐敗枯死した苗数
【0038】
【数2】
【0039】
【表1】
【0040】試験例2 イネ籾枯細菌病菌に起因するイ
ネ腐敗症に対する種子浸漬処理による防除試験 製剤例11,12,13及び15に準じて調製した薬剤
を用い、試験例1と同様に処理、調査を行なった。結果
を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】試験例3 イネ籾枯細菌病菌に起因するイ
ネ腐敗症に対する種子粉衣処理による防除試験 イネ籾枯細菌病菌を浸漬接種したイネ種子(品種;黄金
晴)に、製剤例7及び8に準じて調製した薬剤の所定製
剤量を湿粉衣した。薬剤処理した種子を水に浸種した
(3日間)後、30℃で24時間催芽させ、鳩胸状態に
して育苗箱1箱あたり120g量を均一に播種した。播
種10日後に、育苗箱あたり100苗を任意に選抜し、
試験例1記載の基準と式により、発病状況を調査し発病
度及び防除価を算出した。結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】試験例4 イネ籾枯細菌病菌に起因するイ
ネ腐敗症に対するイネ育苗用培土混和処理による防除試
験 イネ籾枯細菌病菌を浸漬接種したイネ種子(品種;黄金
晴)を水に浸種し、30℃で24時間催芽させ、鳩胸状
態にして育苗箱1箱あたり120g量を均一に播種し
た。製剤例1及び3に準じて調製した薬剤の所定製剤量
を1箱の育苗箱の床土(パールマット;片倉チッカリン
社製)に混和した。播種10日後に、育苗箱あたり10
0苗を任意に選抜し、試験例1記載の基準と式により、
発病状況を調査し発病度及び防除価を算出した。結果を
表4に示す。尚、比較薬剤として有効成分単剤の他に、
カスガマイシン2%粒剤(カスミン粒剤)を通常使用さ
れる薬量で使用した。
【0045】
【表4】
【0046】試験例5 イネ立枯細菌病菌に起因するイ
ネ腐敗症に対する種子浸漬処理による防除試験 製剤例5,9,10及び16に準じて調製した薬剤を用
いて、所定有効成分濃度の水溶液を作製した。この薬液
に、イネ立枯細菌病菌を出穂期に圃場で接種して得たイ
ネ種子(品種;ササニシキ)を24時間浸漬した後、直
ちに風乾した。薬剤処理した種子を水に浸種した(3日
間)後、30℃で24時間催芽させ、鳩胸状態にして育
苗箱1箱あたり120g量を均一に播種した。播種15
日後に、育苗箱あたり100苗を任意に選抜し、試験例
1の基準と式(数1、数2)により、発病状況を調査し
発病度及び防除価を算出した。結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
【0048】
【発明の効果】本発明のイネ種子消毒用殺菌剤は上述の
試験結果から明かな様に、育苗期に発生するイネ籾枯細
菌病菌、イネ苗立枯細菌病菌及びイネ褐条病菌などの細
菌によるイネ苗腐敗症、及び糸状菌によるイネ馬鹿苗
病、イネいもち病、イネごま葉枯病及びイネ苗立枯病な
ど対し、種子浸漬処理、育苗箱用培土への混和処理、ま
たは種子粉衣処理で高い防除効果を有するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A01N 47/38 C 8930−4H 59/00 D 7106−4H 59/06 Z 7106−4H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベノミル、TMTD、プロクロラズ、ペフ
    ラゾエート、ヒドロキシイソキサゾール、メタラキシル
    から選ばれる1種以上の化合物と炭酸カルシウム、塩基
    性炭酸マグネシウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモ
    ニウム、炭酸水素カリウムから選ばれる炭酸塩を有効成
    分として含有することを特徴とするイネ種子用殺菌剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載の有効成分に2価の銅イオン
    の水酸化物、塩、複塩、キレート化合物から選ばれる銅
    化合物を加えたイネ種子用殺菌剤。
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