JP3086741B2 - 農園芸用殺菌剤組成物 - Google Patents

農園芸用殺菌剤組成物

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JP3086741B2
JP3086741B2 JP04040724A JP4072492A JP3086741B2 JP 3086741 B2 JP3086741 B2 JP 3086741B2 JP 04040724 A JP04040724 A JP 04040724A JP 4072492 A JP4072492 A JP 4072492A JP 3086741 B2 JP3086741 B2 JP 3086741B2
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agricultural
dithiocarbamate
methyl
anilino
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真一郎 前野
恵介 長谷川
茂 林
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Kumiai Chemical Industry Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農園芸用殺菌剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】本発明の農園芸用殺菌剤組成物の一方の
有効成分である2−アニリノ−4−メチル−ピリミジン
系化合物は、イネいもち病、キュウリべと病、各種作物
の灰色かび病、リンゴ斑点落葉病などに卓効を示す農園
芸用殺菌剤として知られる公知化合物である(特開昭6
2−106084号公報、同63−208581号公報
及び東独特許第151404号)。また、他方の有効成
分であるジチオカーバメート系及び環状ジチオカーバメ
ート系化合物も現在、各種病害防除剤として広く使用さ
れている公知の化合物である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】農園芸作物の栽培に当
たり、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されて
いる。しかしながら、同時期に複数の病害が発生し、1
種の有効成分だけではその防除効果が不十分であること
がしばしばある。本発明の農園芸用殺菌剤組成物の一方
の有効成分である2−アニリノ−4−メチル−ピリミジ
ン系化合物は、各種蔬菜類及びマメ類に発生する灰色か
び病に対しては有効な防除効果を有するものの、同時期
に発生する菌核病に対しては効果が不安定である。一
方、他方の有効成分であるジチオカーバメート系及び環
状ジチオカーバメート系化合物は比較的安価で幅広い抗
菌スペクトラムを有するものの、各種蔬菜類及びマメ類
に発生する灰色かび病及び菌核病に対しては効果が劣
る。従って、両剤共共力剤の出現が望まれている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意検討した結果、2−アニリノ−4−
メチル−ピリミジン系化合物とジチオカーバメート系及
び環状ジチオカーバメート系から選ばれる化合物を有効
成分とする農園芸用殺菌剤組成物が、同時期に発生する
複数の病害に極めて高い防除効果を示し、また、混合す
ることにより共力作用を発揮することを見いだし本発明
を完成したものである。即ち、本発明は一般式
【0005】
【式2】
【0006】(式中、Rはメチル基、エトキシ基、ハロ
ゲン原子または1−プロピニル基を示す。)にて表され
る2−アニリノ−4−メチル−ピリミジン系化合物とジ
チオカーバメート系及び環状ジチオカーバメート系から
選ばれる化合物を有効成分として含有することを特徴と
する農園芸用殺菌剤組成物を提供するものである。
【0007】更に詳しくは、2−アニリノ−4−メチル
−ピリミジン系化合物とジラム、チウラム、アンバム、
ポリカーバメート、ジネブ、マンネブ、マンゼブまたは
プロピネブ{農薬ハンドブック1985年版530頁〜
532頁(社団法人 日本植物防疫協会発行)記載の
普通名称}から選ばれる化合物を有効成分として含有す
ることを特徴とする農園芸用殺菌剤組成物を提供するも
のであり、2−アニリノ−4−メチル−ピリミジン誘導
体の代表化合物として2−アニリノ−4,6−ジメチル
−ピリミジン(化合物1)、2−アニリノ−4−エトキ
シ−6−メチル−ピリミジン(化合物2)、2−アニリ
ノ−4−ヨード−6−メチル−ピリミジン(化合物
3)、2−アニリノ−4−ブロム−6−メチル−ピリミ
ジン(化合物4)及び2−アニリノ−4−メチル−6−
(1−プロピニル)ピリミジン(化合物5)が挙げられ
る。なお、化合物番号は以下の記載に於いて参照され
る。
【0008】本発明の殺菌剤組成物は各種蔬菜類、マメ
類の灰色かび病はもちろん、菌核病、うどんこ病に有効
である。また、リンゴ斑点落葉病及びうどんこ病、ナシ
黒斑病のほか、リンゴ及びナシの黒星病にも高い効果を
示す。
【0009】本発明の農園芸用殺菌剤組成物を施用する
場合、有効成分に他の成分を加えずにそのまま使用して
もよいが、通常は担体、界面活性剤、分散剤または補助
剤などを配合して常法により水和剤、粉剤、水性懸濁液
剤に製剤する。これらの製剤には有効成分として0.5
%〜90.0%、好ましくは2.0%〜80.0%を含有
する。また、2−アニリノ−4−メチル−ピリミジン誘
導体とジチオカーバメート系及び環状ジチオカーバメー
ト系から選ばれる化合物の重量比は1:0.05〜1:
50、好ましくは1:0.1〜1:10である。
【0010】好適な担体としては、例えばクレー、タル
ク、ベントナイト、カオリン、珪藻土、ホワイトカーボ
ン、炭酸カルシウム、消石灰、珪砂、硫安、尿素、バー
ミキュライト等の固体担体があげられる。界面活性剤及
び分散剤としては、例えばジアリールアルキルジスルホ
ン酸塩、アルコール硫酸エステル類、アルキルアリール
スルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチ
レングリコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノ
アルキレート等があげられる。補助剤としては、例えば
カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコー
ル、アラビアゴム等があげられる。これらの製剤を適宜
な濃度に希釈して散布するかまたは直接施用する。
【0011】本発明の農園芸用殺菌剤の施用量は、使用
される化合物の種類、対象病害、発生傾向、被害の程
度、環境条件、使用する剤型などによって変動するが、
粉剤のようにそのまま使用する場合は有効成分として1
0アール当り0.1g〜5kg好ましくは、1g〜1k
gの範囲から適宜に選ぶのがよい。また、水和剤あるい
は懸濁剤のように最終的に液状で使用する場合は、0.
1〜10,000ppm、好ましくは10〜3,000p
pmの範囲から適宜に選ぶのがよい。
【0012】次に実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、有効成分及びその他成分の配合割合は本発明の
主旨を損なわない範囲で任意に変更しうるものである。
また、実施例中の%は重量を意味する。
【0013】実施例1 化合物1 10%、チウラム10%、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル5%及びクレー75%を均
一に粉砕混合して水和剤を得る。
【0014】実施例2 化合物5 2%、ジラム2%、珪藻土5%及びクレー9
1%を均一に粉砕混合して粉剤を得る。
【0015】実施例3 化合物2 2%、ジネブ4%、珪藻土5%及びクレー8
9%を均一に粉砕混合して粉剤を得る。
【0016】実施例4 化合物5 2%、マンネブ4%、珪藻土5%及びクレー
89%を均一に粉砕混合して粉剤を得る。
【0017】実施例5 化合物3 2%、ポリカ−バメ−ト2%、珪藻土5%及
びクレー91%を均一に粉砕混合して粉剤を得る。
【0018】実施例6 化合物1 2%、マンゼブ4%、珪藻土5%及びクレー
89%を均一に粉砕混合して粉剤を得る。
【0019】実施例7 化合物5 2%、プロピネブ4%、珪藻土5%及びクレ
ー89%を均一に粉砕混合して粉剤を得る。
【0020】実施例8 化合物4 7%、チウラム35%、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテル硫酸塩4%、エチレングリコ
ール10%及び水44%を湿式粉砕して懸濁剤を得る。
【0021】実施例9 化合物1 10%、チウラム20%、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル5%及びクレー65%を均
一に粉砕混合して水和剤を得る。
【0022】実施例10 化合物5 7%、チウラム35%、ポリオキシエチレン
アルキルアリールエーテル5%及びクレー53%を均一
に粉砕混合して水和剤を得る。
【0023】実施例11 化合物5 10%、チウラム35%、ジラム21%、ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル5%及びク
レー29%を均一に粉砕混合して水和剤を得る。
【0024】次に試験例をあげて本発明の農園芸用殺菌
剤組成物の奏する効果を具体的に説明する。 試験例1 インゲン菌核病予防効果試験 9cm×9cmの塩化ビニール製鉢各々にインゲン種子
(品種:江戸川)を6粒づつ播種し、温室内で7日間育
成させた。初生葉が展開したインゲン幼苗に実施例1及
び9に準じて調製した水和剤を所定濃度になるように水
で希釈し、1鉢当たり10ml散布した。風乾後、イン
ゲン菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌糸磨砕
液を噴霧接種し、20〜23℃の湿室内に入れた。接種
4日後に下記基準により初生葉の発病程度を調査し、得
られた数値をもとに数1により被害度を求め、数2によ
り防除価を求めた。結果を表1に示した。尚、無処理区
の被害度は69%であった。
【0025】
【0026】
【数1】
【0027】
【数2】
【0028】試験例2 キュウリ菌核病予防効果試験 9cm×9cmの塩化ビニール製鉢にキュウリ種子(品
種:相模半白)を12粒づつ播種し、温室内で7日間育
成させた。子葉が展開したキュウリ幼苗に実施例1及び
9に準じて調製した水和剤を所定濃度になるように水で
希釈し、1鉢当たり10ml散布した。風乾後、キュウ
リ菌核病菌(Sclerotinia sclerotiorum)の菌糸磨砕液
を噴霧接種し、20〜23℃の湿室内に入れた。接種5
日後に子葉の発病程度を試験例1の基準により調査し防
除価を求めた。結果を表1に示した。尚、無処理区の被
害度は100%であった。
【0029】
【表1】
【0030】試験例3 リンゴ斑点落葉病防除効果試
験 圃場に植えたリンゴ苗木(品種:インド)を強剪定し、
供試した。実施例11に準じて調製した水和剤を所定濃
度になるように水で希釈し、1樹当たり1000ml散
布した。10日間隔、7回散布し、最終散布12日後に
下記基準により1樹当り4徒長枝の葉の発病程度を指数
で調査し、得られた数値をもとに数3により被害度を求
め、数2により防除価を求めた。結果を表2に示した。
尚、無処理区の被害度は78%であった。
【0031】
【0032】
【数3】
【0033】
【表2】
【0034】試験例4 キュウリうどんこ病予防効果
試験 9cm×9cmの塩化ビニール製鉢にキュウリ種子(品
種:相模半白)を12粒づつ播種し、温室内で7日間育
成させた。子葉が展開したキュウリ幼苗に実施例10に
準じて調製した水和剤を所定濃度になるように水で希釈
し、1鉢当たり10ml散布した。風乾後、キュウリう
どんこ病菌(Sphaerotheca fuliginea)の胞子を接種
し、25〜30℃の温室内に入れた。接種10日後に子
葉の発病程度を試験例1の基準により指数調査し防除価
を求めた。結果を表3に示した。尚、無処理区の被害度
は98%であった。
【0035】
【表3】
【0036】試験例5 ナシ黒斑病防除効果試験 圃場に植えたナシ苗木(品種:二十世紀)を強剪定し供
試した。実施例11に準じて調製した水和剤を所定濃度
になるように水で希釈し、1樹当り700ml散布し
た。7日間隔で4回散布し、最終散布16日後に下記基
準により1樹当り10徒長枝の葉の発病程度を指数で調
査し、得られた数値をもとに数3により被害度を求め、
数2により防除価を求めた。結果を表4に示した。尚、
無処理区の被害度は21%であった。
【0037】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】試験例に示した通り、本発明の殺菌剤組
成物はそれぞれの有効成分の単独施用では実用効果の得
られない低薬量施用においても、両者を混合することに
より共力的に作用し相乗効果が得られ、実用的な高い防
除効果を示すものである。その結果、各種蔬菜類及びマ
メ類に発生する灰色かび病及び菌核病に対して、同時防
除を可能とするものである。更に、本発明の殺菌剤組成
物は各種蔬菜類、マメ類のうどんこ病、リンゴ斑点落葉
病及びうどんこ病、ナシ黒斑病のほか、リンゴ及びナシ
の黒星病にも高い効果を示すものである。
【化2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 43/54 A01N 47/14 A01N 47/26

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 【化1】 (式中、Rはメチル基、エトキシ基、ハロゲン原子また
    は1−プロピニル基を示す。)にて表される2−アニリ
    ノ−4−メチル−ピリミジン系化合物とジチオカーバメ
    ート系及び環状ジチオカーバメート系から選ばれる化合
    物を有効成分として含有することを特徴とする農園芸用
    殺菌剤組成物。
  2. 【請求項2】ジチオカーバメート系及び環状ジチオカー
    バメート系化合物が、ジラム、チウラム、アンバム、ポ
    リカーバメート、ジネブ、マンネブ、マンゼブまたはプ
    ロピネブである請求項1記載の農園芸用殺菌剤組成物。
JP04040724A 1991-02-07 1992-01-31 農園芸用殺菌剤組成物 Expired - Lifetime JP3086741B2 (ja)

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