JPH0523811A - 連続鋳造における湯面レベル制御方法 - Google Patents

連続鋳造における湯面レベル制御方法

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JPH0523811A
JPH0523811A JP20004591A JP20004591A JPH0523811A JP H0523811 A JPH0523811 A JP H0523811A JP 20004591 A JP20004591 A JP 20004591A JP 20004591 A JP20004591 A JP 20004591A JP H0523811 A JPH0523811 A JP H0523811A
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孝行 加地
Kazuya Asano
一哉 浅野
Kazuo Arai
和夫 新井
Masaki Takashi
昌樹 高士
Shuji Tanaka
修二 田中
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 あらゆる外乱に対して迅速且つ適切に対応し
て湯面レベルを常に安定に保つことができる連続鋳造に
おける湯面レベル制御方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 湯面レベル変動を引き起す外乱量を流量外乱
Qωとし且つランプ状又は正弦波状に変化すると仮定し
て推定し、該外乱量推定値Qωハット(及び該外乱量推
定値の微分量Qωドットハット)を用いて前記外乱量Q
ωを打消す補正信号Uc を演算し、該補正信号Uc をフ
ィードバック演算信号Uoの補正信号として流入流量を
制御するアクチュエータ46に加える構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続鋳造における湯面
レベル制御方法に係り、特に、ストッパあるいはスライ
ディングノズル等の溶融金属のモールドへの流入流量を
制御するアクチュエータを備えた連続鋳造機により、ス
ラブ、ビレット等の鋳片を連続的に製造する際に用いる
のに好適な、バルジングと呼ばれる非定常外乱や、速い
応答性が要求されるノズル詰まりやその剥離に対して
も、安定且つ良好な湯面レベル制御性を実現することが
でき、モールド内の湯面レベル変動を抑制することが可
能な湯面レベル制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融金属からスラブ、ビレット等の鋳片
を連続的に製造する連続鋳造機(以下、連鋳機と称す
る)は、例えば図4に示す如く構成されており、レード
ル12内の溶鋼10は、タンディッシュ14及びノズル
16を通って、モールド18に注入される。例えば水冷
されているモールド18内で表面層が凝固した溶鋼は、
ピンチロール20で引抜かれ、更に冷却されて凝固した
後に、カッタ22で所定の長さに切断され、鋳片24と
なって後方の圧延工程に送られる。
【0003】この連鋳機において、モールド18内の溶
鋼10の湯面レベルを安定に保つことは、良好な鋳片品
質を確保する上で極めて重要である。即ち、湯面レベル
の変動は、耐火物、溶融スラグ等の介在物の溶鋼中への
巻込みを生じ、凝固鋳片24の表皮部に捕捉されてピン
ホール発生や皮下介在物生成により欠陥をもたらした
り、不均一な抜熱による割れが生じたりする。従って、
一般に連続鋳造においては、モールド18内の湯面レベ
ルを検出する湯面レベル計26からの信号を受け、スト
ッパ28やスライディングノズル等を流量制御アクチュ
エータとした湯面レベル一定制御が行われている。特
に、最近の鋳造速度の高速化により、湯面レベル制御の
重要性は、ますます高まっている。
【0004】従来、湯面レベル制御は、例えば特開昭5
9−30460や特開昭63−192545に開示され
ているように、図5に示す如く、タンディッシュ14か
らモールド18への流路を絞ることにより流量を制御す
るアクチュエータである前記ストッパ28と、該ストッ
パ28を所望位置に制御するストッパ制御器30と、モ
ールド18内の湯面レベルを検出する前記湯面レベル計
26と、湯面レベル目標設定器32と、湯面レベルの目
標値と検出値とを比較して、その偏差e を出力する比較
器34と、予め定められた制御パラメータにより、該偏
差e を零とするようなストッパ位置指令値u を演算し
て、比例積分微分(PID)制御を行うPID調節計3
6と、からなる湯面レベル制御系を用いて実施されるの
が一般的であった。
【0005】このような湯面レベル制御系の動作は、図
6に示す如くである。即ち、湯面レベル計26によって
湯面レベルLが検出され、比較器34によって湯面レベ
ルの目標値Lref と測定値Lの偏差 e(=Lref −L)
が算出され、この偏差e に基づいて、PID調節計36
がストッパ制御器30に対し、ストッパ位置指令値uを
送る。ストッパ制御器30は、該指令値u に従って、ス
トッパ28を所定位置に制御し、該ストッパ位置x (図
6の例では、ストッパ制御器30の出力自体)とモール
ドへ流入する溶鋼流量との関係を表わす流量ゲインGc
によって決まる溶鋼流量qを調節することにより、湯面
レベルLを制御している。即ち、常に湯面レベル検出値
Lを監視し、それをフィードバックして制御を行ってい
る。図6において、ディーQo /ディーV(Qo のVに
よる偏微分)は、鋳込み速度Vから、モールドから流出
する溶鋼流量Qo への影響係数を表わす。
【0006】モールドへの溶鋼流量を制御するアクチュ
エータとしては、スライディングノズルと称する丸い穴
の開いた板を2枚組合わせ、それらをスライドさせるも
のもあるが、基本的な制御方法はストッパの場合と同一
である。
【0007】実際の連鋳機においては、タンディッシュ
14の出口のノズル16内にアルミナが付着してノズル
詰まりが生じたり、その付着物が突然剥れたり、あるい
は、ストッパ28とタンディッシュ14の接触部付近へ
のアルミナの付着、ストッパ28やノズル16の溶損等
による外乱が生じる。このために、ストッパ開度からモ
ールドへ流入する流量への特性を表わす前記流量ゲイン
Gc が大きく変動する。又、連鋳機下方において、鋳片
24が、これを支持するピンチロール20間で膨張・収
縮を周期的に繰返すバルジングと称する非定常現象のた
めに、鋳片内の溶鋼が押し上げられ、湯面レベル変動を
引起こすことがある。しかしながら、これらの現象が生
じると、前記のような通常のPID制御系では対処する
ことができず、大きな問題となつていた。即ち、連続鋳
造における湯面レベルの制御モデルは、モールドへの流
入流量が積分されて湯面レベルとなるため、積分が系の
特性を支配するモデルとなる。従って、微分動作が湯面
レベル維持に有効であるが、微分動作は一般にノイズの
影響を強く受けるため、希望する高いゲインを使用する
ことは困難であり、必ずしも単純なPID調節計だけで
は、安定で且つ良好な結果を得られなかった。
【0008】このような問題に対して、前記特開昭63
−192545においては、湯面レベル、ストッパ開度
及び鋳片鋳込み速度の各検出値を用いて推定した流量ゲ
イン推定値G1 を用いて、フィードバック制御手段の出
力 uの修正値 u′を次式により演算するゲイン補償手段
を備えている。
【0009】u′=(K10/G1 ) u ………(1)
【0010】ここで、K10は正の定数である。
【0011】又、日本鉄鋼協会第117回(春季)講演
大会(平成元年4月4日〜6日)の予稿集第308頁の
講演番号245の講演に対する予稿(以下、CAMP−
ISIJ−245と表わす)においては、非定常バルジ
ングに起因する周期的な湯面レベル変動に対処するべ
く、渦流式レベル計の検出値から、湯面レベルの変動量
と周期を演算処理し、各々が設定範囲内である場合に湯
面変動を打消すように補正出力を算出し、これを湯面変
動の周期に合わせてPID調節計の出力に加算すること
によって、湯面レベル変動を安定化させるようにしたも
のが開示されている。
【0012】又、特公昭60−144では、交番電流で
駆動される励磁コイルと検知コイルを使用して、湯面レ
ベルの微分に相当するノズル内の流速を検出して湯面レ
ベル制御を行っており、この方法によれば、ノズル詰ま
りやノズル詰まりの剥離など、ノズル内の流量変化には
対処可能である。
【0013】
【発明が達成しようとする課題】しかしながら、この方
法では、流速測定であるため高い測定精度を得ることが
難しく、又、鋳片内の現象を起因とするバルジングに対
しては対処できない。更に、高温という測定環境の悪さ
に加えて、狭い空間での機器配置となるため、高い検出
精度や機器の長寿命は期待できないにも拘わらず、高価
な機器となってしまう等の問題点を有していた。
【0014】更に、前記のような湯面レベル制御方法で
は、いずれも、ノズル詰まりや剥離、非定常バルジング
等の前述したような様々な外乱の全てに統一的に対応す
ることはできず、湯面レベル変動は依然として残るとい
う問題点を有していた。
【0015】湯面レベル制御において、直接操作できる
量は溶鋼の流量であり、それがモールドに蓄積された
量、即ち積分量が制御したい湯面レベルの値となる。即
ち、もともと位相遅れの大きい系であるため、外乱の影
響が結果となって現われるのに時間がかかり、湯面レベ
ルの値だけを見てフィードバック制御をしているので
は、制御が後追いとなり、外乱の影響が大きく残るとい
う性質を持っている。例えば、ノズル内に付着したアル
ミナが突然剥離すると、流量ゲインGc が突発的に増加
し、モールド内に流入する流量は、図7の(A)に示す
如く、ステップ状に変化する。それに対して何も処置を
しないと、湯面レベルは、図7の(B)の如く、ランプ
状に上昇する。これに対する望ましい処置は、ストッパ
等の流量制御アクチュエータを、図7の(C)の如く、
ステップ状に操作して、外乱による流量変動を打消すこ
とであるが、PID制御系のようなフィードバック制御
系では、湯面レベルに変化が現われてから初めて処置が
行われるため、流量制御アクチュエータの操作は、図7
の(D)の如く緩慢なものとなり、図7の(E)に示す
如く、大きな湯面レベル変動をもたらすことになる。
【0016】前記特開昭63−192545において提
案されている湯面レベル制御装置は、このような流量ゲ
インの変動を推定してフィードバック制御出力を修正ゲ
イン補償手段を備えたことを特徴としているが、これが
有効に作用するのは、ノズル内にアルミナが付着してい
く過程等、流量ゲインの変化が極めて遅い場合だけであ
る。従って、たとえ補償手段を備えたにせよ、フィード
バック制御には変わりはなく、前述のような突発的な流
量ゲインの変動には、原理的に対処することが不可能で
ある。又、流量ゲイン変動以外の外乱、例えば非定常バ
ルジング等に対しては、この方法は通常のPID制御系
と何ら変わるところはないため、全く同等の制御性しか
持ち得ない。
【0017】一方、前記CAMP−ISIJ−245で
提案されている湯面レベル制御方法は、PID制御系と
は別に補正出力の算出手段を持つものであり、湯面レベ
ルを測定して、非定常バルジングに起因する周期変動分
の変動量と周期を算出し、これを湯面レベル変動の周期
に合わせてPID調節計の出力に加算することによっ
て、変動を打消そうとするものである。しかしながら、
この方法では、一旦制御が始まって湯面レベルの周期変
動が減少してしまうと、湯面レベルだけを測定していた
のでは非定常バルジングが一見収束したかのように観測
されるため、時々刻々の補正値を正確に算出できない場
合があるという問題が生じる。又、この方法では、非定
常バルジング以外の外乱には全く対処できないのは言う
までもない。
【0018】このように、従来の技術では、前述のよう
な様々な外乱の全てに対して有効な湯面レベル制御方法
はなく、そのために、湯面レベル変動は依然として大き
いまま残され、鋳片品質の低下を招いていた。
【0019】本発明は、前記従来の課題を解決するべく
なされたもので、バルジング等の非定常外乱や、速い応
答性が要求されるノズル詰まり、剥離に対しても、安定
且つ良好な湯面レベル制御性を実現して、湯面レベル変
動を抑制することが可能な、連続鋳造における湯面レベ
ル制御方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、溶融金属のモールドへの流入量を制御す
るアクチュエータを備えた連続鋳造機による鋳片の連続
鋳造に際して、フィードバック制御ループが、フィード
バック演算信号を用いて湯面レベル実績値を湯面レベル
目標値に一致させるべく作用すると共に、外乱量打消制
御ループが、前記アクチュエータの位置指令値又は実績
値と湯面レベル実績値とを用いて湯面レベル変動を引き
起す外乱量を推定し、該推定値を用いて外乱量を打消す
連続鋳造における湯面レベル制御方法において、前記外
乱量を、流量外乱とし且つランプ状又は正弦波状に変化
すると仮定して推定し、少くとも該流量外乱推定値を用
いて前記外乱量を打消す補正信号を演算し、該補正信号
を前記フィードバック演算信号の補正信号として前記ア
クチュエータに加えることを特徴とする。
【0021】
【作用】本発明の連続鋳造における湯面レベル制御方法
によれば、ノズル詰りやその剥離、非定常バルジング等
によって引き起される外乱量、流量外乱として仮定され
且つランプ状又は正弦波状に変化すると仮定されて推定
され、この流量外乱推定値と流量外乱推定値の微分量と
を用いて、外乱量を打消す補正信号が演算される。
【0022】そして、この補正信号がフィードバッ制御
ループのフィードバック演算信号の補正信号としてモー
ルドへの流入流量を制御するアクチュエータに加えられ
て、ノズル詰り等の外乱による湯面レベルの変動が打ち
消される。
【0023】
【実施例】次に、本発明に係る連続鋳造における湯面レ
ベル制御方法の実施例を図面に基づいて説明する。
【0024】図1は、本発明の第1実施例を示すブロッ
ク線図であり、本実施例には前述した図4の連続鋳造機
が適用されている。
【0025】本実施例では、流量制御アクチュエータが
ストッパ28であり、又、モールド18への流入量q が
ストッパ位置実績値x と比例関係で決定され(比例係数
は流量係数Gc (流量ゲイン))、流入流量q から湯面
レベルLへの動特性が積分で表現される場合を例にとっ
て説明する。
【0026】図1中、34は湯面レベルの目標値Lref
と湯面レベル計26で検出した湯面レベル検出値Lとを
比較してその偏差e (Lref−L)を出力する比較器で
ある。
【0027】40は、比例積分(PI)を行うPI調節
計で、予め定められた制御パラメータ(比例ゲインKp
と積分時間TI )により、比較器34から入力した偏差
e を零にするようにストッパ28の位置を指令するスト
ッパ位置指令値Uo を演算して加算器42に出力する。
【0028】加算器42では、ストッパ位置指令値Uo
と後述するストッパ補正信号Uc とが加算され、ストッ
パ位置の実際の指令値u として出力される。
【0029】46は、加算器42からストッパ位置指令
値u によって制御されたストッパ28の動特性を示し、
ストッパ位置指令値u によって制御されたストッパ28
の実際の位置はストッパ位置実績値x として出力され
る。
【0030】47はモールド18の流量特性を示し、ノ
ズル16からモールド18に流入する溶鋼10の流入流
量q はストッパ動特性46で、決定されるストッパ位置
実績値x を比例関係(比例係数は流量係数Gc )を保っ
て出力される。
【0031】44は、流量外乱が生じた場合に、その流
入外乱Qωが流入流量q に加わって、その総流入量Qの
溶鋼10がモールド18に流入することを示す加算器で
ある。
【0032】48は、総流入流量Qの溶鋼10が流入さ
れたモールド18内の現象を示し、湯面レベルLは総流
入流量Qによって決定される。ここで、Aはモールド1
8の断面積、Sはラプラス演算子でである。
【0033】上記の構成により、湯面レベル検出値Lを
湯面レベル目標値Lref に一致させるべく作用するフイ
ードバック制御ループが形成されるが、本実施例は、更
に補正信号演算器50と補正係数乗算器52とで構成さ
れる外乱量打消制御ループを内包している。
【0034】補正信号演算器50は、ストッパ動特性4
6で決定されるストッパ位置実績値x と湯面レベル検出
値Lとから流量外乱推定値Qωハットと該流量外乱推定
値の微分量Qωドットハットとを演算し、これらの推定
値Qωハット、Qωドットハットとからノズル16の詰
りやバルジング等で生じる流量外乱Qωを打消すための
ストッパ補正量指令値UD を算出して出力する演算器で
ある。なお、微分量Qωドットハットの演算は省略し
て、流量外乱推定値Qωハットのみからストッパ補正量
指令値UD を算出することもできる。
【0035】この補正信号演算器50では、次のような
制御モデルによってQωハットとQωドットハットとを
演算する。
【0036】ノズル詰りやバルジング等で生じる流量外
乱Qωは時々刻々と変化するので、仮定する流量外乱は
実際の流量外乱Qωの時間的変化に追従できるものであ
ることが必要である。
【0037】従って、モデルでは、流量外乱として正弦
波状に変化するもの又はランプ状に変化するものを仮定
するのが適している。
【0038】このモデルでは、非定常バルジングと呼ば
れる周期的な湯面レベル変動が生じた場合に優れた外乱
推定を実行することができる正弦波状の流量外乱を仮定
した。
【0039】流量外乱Qωを周波数ω[rad /sec ]の
正弦波状外乱として仮定すると、湯面レベル制御モデル
は状態方程式
【数1】 で表現される。ここでd /dtは微分演算子である。
【0040】補正信号演算器50は、この(1)式を演
算する機能を有し、ストッパ動特性46で決定されたス
トッパ位置実績値x を入力して(1)式に代入して湯面
レベルLを算出する。
【0041】算出された湯面レベルLは湯面レベルの推
定値Lであり、補正信号演算器50はこの湯面レベル補
正値Lと湯面レベル計26を介して入力した湯面レベル
検出値Lとその差を式
【数2】 にて、逐次モデルフィードバックして湯面レベル検出値
Lと湯面レベル推定値Lとを一致させるように機能する
ことができる。ここで、G1 、G2 、G3 は定数であ
る。
【0042】そして、補正信号演算器50は、このモデ
ルによる演算過程において流量外乱推定値Qωハットと
その微分量Qωドットハットを算出し、この推定値Qω
ハットとQωドットハットに基づいて流量外乱Qωをを
打消すストッパ補正指令値UD を式
【数3】 に従って演算し、補正係数乗算器52に出力する。な
お、k1、k2は流量係数Gcとストッパ動特性46とから
決定される定数である。
【0043】補正係数乗算器52は、補正信号演算器5
0からのストッパ補正量指令値UD に補正係数−k を乗
じてストッパ補正信号Uc を加算器42に出力するもの
である。即ち、補正係数乗算機52から出力されるスト
ッパ補正信号Uc は、式 Uc =−k ・UD ………(5) で示される。
【0044】次に、本実施例の作用について説明する。
【0045】湯面レベル計26で検出された溶鋼10の
湯面レベル検出値Lと湯面レベル目標値Lref とが比較
器34で比較されて、これらの偏差eがPI調節計40
に入力され、PI調節計40から偏差e を零とするよう
なストッパ位置指令値Uo が加算器42に出力される。
【0046】一方、補正信号演算器50はストッパ28
の実際の位置を示すストッパ位置実績値x を入力し、前
記(1)式と(2)式とに従って流量外乱推定値Qωハ
ットとその微分量Qωドットハットとを算出して、スト
ッパ補正量指令値UD を出力する。
【0047】ストッパ補正量指令値UD は、補正係数乗
算器52を介して、ストッパ補正信号Uc として加算器
42に入力される。
【0048】ストッパ補正信号Uc とストッパ位置指令
値Uo とは加算器42で加算され、ストッパ位置指令値
u として出力される。
【0049】そして、このストッパ位置指令値u によっ
てストッパ28の位置が制御され、ストッパ動特性46
が決定される。具体的には、ストッパ位置指令値u がス
トッパ位置指令値Uo にストッパ補正信号Uc の値を加
算した値をもつので、ストッパ28は、ノズル16の詰
り、剥離、非定常バルジング等による流量外乱Qωを打
消すような位置に制御される。この結果、ノズル16か
らモールド18内に流入された溶鋼10の湯面レベルは
あらゆる流量外乱Qωに対して安定した値をもつことと
なる。
【0050】このように、本実施例の制御方法は、あら
ゆる外乱に対して迅速且つ適切に対応してモールド18
内の湯面レベルを常に安定に保つことができる。
【0051】なお、本実施例では、流量外乱Qωを周波
数ω[rad /sec ]の正弦波状外乱として仮定したが、
この周波数ωを零とすれば、流量外乱Qωをランプ状の
流量外乱と仮定することができ、補正信号演算器50は
ランプ状の流量外乱に対して各推定値を演算することが
できる。
【0052】図2は、流量外乱Qωをランプ状外乱と仮
定した場合の非定常バルジングに対する制御特性を示し
ている。
【0053】これによれば、図2の(A)に示すよう
に、流量外乱推定値と実際の流量外乱とが略完全に一致
し、図2の(B)に示すように、本実施例の制御方法に
よる湯面レベルの変動量が従来のPI制御による湯面レ
ベル変動量の3分の1になる。
【0054】図3は本実施例の第2実施例を示すブロッ
ク線図である。
【0055】本実施例は、ストッパ動特性46を一次遅
れと仮定して構成されており、補正信号演算器50が、
加算器42から出力されるストッパ位置指令値u と湯面
レベル計26の動特性54を介した湯面レベル検出値L
とを入力して、流量外乱推定値QωハットとQωドット
ハットとを演算する点で第1実施例と異なる。
【0056】従って、本実施例の補正信号演算器50で
は、ストッパ位置実績値x の代わりにストッパ位置指令
値u を用いて前記(1)式及び(2)式が演算されて、
ストッパ補正量指令値UD が出力される。
【0057】その他の構成、作用、効果については第1
実施例と同様であるのでこの記載を省略する。
【0058】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の連続
鋳造における湯面レベル制御方法によれば、ノズル詰
り、その剥離や非定常バルジング等によって引き起され
る流量外乱とその微分量とを推定し、これらの推定値を
用いて流量外乱を打消すように制御するので、あらゆる
外乱に対して迅速且つ適切に対応して湯面レベルを常に
安定に保つことができ、その結果、良好な鋳片品質を保
つことができると共に品質欠陥の発生を防止して歩留り
向上を図ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る連続鋳造におる湯面レベ
ル制御方法の第1実施例の構成を示すブロック線図であ
る。
【図2】図2は、第1実施例の応答と従来例の応答とを
比較して示す線図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施例の構成を示すブロ
ック線図である。
【図4】図4は、本発明が適用される連続鋳造機の一例
の構成を示す全体図である。
【図5】図5は、従来の湯面レベル制御装置の構成を示
す全体図である。
【図6】図6は、図5の装置を伝達関数で表したブロッ
ク線図である。
【図7】図7図は、ノズル内の付着物が剥離した場合の
湯面レベル変動の一例を示す線図である。
【符号の説明】
10…溶鋼、 14…タンディッシュ、 16…ノズル、 18…モールド、 24…鋳片、 26…湯面レベル計、 L…湯面レベル検出値(湯面レベル実績値)、 28…ストッパ(アクチュエータ)、 x …ストッパ位置実績値、 Lref …湯面レベル目標値、 34…比較器、 40…PI調節計、 Uo …ストッパ位置指令値(フィードバック演算信
号)、 u …ストッパ位置指令値、 42、44…加算器、 46…ストッパ動特性、 47…流量特性、 48…モールド内現象、 50…補正信号演算器、 Qω…流量外乱、 Qωハット…流量外乱推定値、 Qωドットハット…流量外乱推定値の微分量、 52…補正係数乗算器、 Uc …ストッパ補正信号(補正信号)、 q …流入流量、 54…レベル計動特性。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新井 和夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (72)発明者 高士 昌樹 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内 (72)発明者 田中 修二 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社千葉製鉄所内

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】溶融金属のモールドへの流入量を制御する
    アクチュエータを備えた連続鋳造機による鋳片の連続鋳
    造に際して、 フィードバック制御ループが、フィードバック演算信号
    を用いて湯面レベル実績値を湯面レベル目標値に一致さ
    せるべく作用すると共に、 外乱量打消制御ループが、前記アクチュエータの位置指
    令値又は実績値と湯面レベル実績値とを用いて湯面レベ
    ル変動を引き起す外乱量を推定し、該推定値を用いて外
    乱量を打消す連続鋳造における湯面レベル制御方法にお
    いて、 前記外乱量を、流量外乱とし且つランプ状又は正弦波状
    に変化すると仮定して推定し、 少くとも該流量外乱推定値を用いて前記外乱量を打消す
    補正信号を演算し、 該補正信号を前記フィードバック演算信号の補正信号と
    して前記アクチュエータに加えることを特徴とする連続
    鋳造における湯面レベル制御方法。
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