JPH05237336A - 排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置 - Google Patents

排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置

Info

Publication number
JPH05237336A
JPH05237336A JP4193096A JP19309692A JPH05237336A JP H05237336 A JPH05237336 A JP H05237336A JP 4193096 A JP4193096 A JP 4193096A JP 19309692 A JP19309692 A JP 19309692A JP H05237336 A JPH05237336 A JP H05237336A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
liquid hydrocarbon
gas purification
hydrocarbon
nox
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4193096A
Other languages
English (en)
Inventor
Seiji Makino
誠二 牧野
Satoshi Kadoya
聡 角屋
Yoshikazu Takahashi
嘉一 高橋
Masataka Furuyama
雅孝 古山
Akira Abe
晃 阿部
Kiyohide Yoshida
清英 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Riken Corp filed Critical Riken Corp
Publication of JPH05237336A publication Critical patent/JPH05237336A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N2610/00Adding substances to exhaust gases
    • F01N2610/03Adding substances to exhaust gases the substance being hydrocarbons, e.g. engine fuel

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディーゼルエンジン等の排ガスに含まれるNO
x を、実際の自動車の排ガス温度程度の比較的低温で、
効果的に除去することができる浄化方法を提供する。 【構成】 排ガスの流路の途中に、耐熱性を有する多孔
質の排ガス浄化材3を設置し、前記排ガス浄化材3の上
流側で前記排ガス中に液状炭化水素55を添加するに際
し、管49からの空気をノズル50から吐出することに
より前記液状炭化水素55を微粒化し、ガス化した前記
炭化水素を還元剤として作用させて前記排ガス中の窒素
酸化物を還元除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジン等の内
燃機関より排出される排ガスを浄化する方法及びそれを
実施するための装置に関し、特に、ディーゼルエンジン
等の排ガス中に含まれる窒素酸化物を効果的に還元除去
することができる排ガス浄化方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
地球規模の環境汚染が問題となってきているが、中でも
大気汚染は深刻であり、大気中の窒素酸化物(以下NOx
と呼ぶ)による光化学スモッグや、酸性雨等の問題が未
解決のまま残っている。特に大都市圏におけるNOx によ
る大気汚染は深刻なものであり、対策が急務となってい
る。NOx の発生源としては、自動車のエンジン、とりわ
けディーゼルエンジンや、大型の燃焼装置(たとえばコ
ジェネレーション用内燃機関)等が挙げられる。
【0003】排ガス中のNOx を除去する方法には、たと
えばガソリンエンジンの排ガスに対しては、いわゆる3
元触媒を用いる方法があり、また、大規模な固定燃焼装
置(工場等の大型燃焼機等)に対しては、排ガスにアン
モニアを混入し、これにより排ガス中の窒素酸化物を還
元する選択的接触還元法がある。
【0004】しかしながら、ディーゼルエンジンから排
出される排ガスのように、酸素濃度が比較的高い排ガス
に対しては、ガソリンエンジンの排ガス浄化に用いられ
る3元触媒方式では効率のよいNOx の除去は行えない。
また、排ガスにアンモニアを混入してNOx を還元除去す
る方法は、アンモニアが高価であること、またアンモニ
アは毒性を有すること、一般に装置が大型になること等
の問題点があり、自動車等の移動する排ガス発生源には
適用できない。
【0005】したがって、ディーゼルエンジンの排ガス
等にみられるような酸素濃度が比較的高い排ガス中のNO
x を低減(除去)する新規な方法の確立が望まれてお
り、これまでに様々な試みがなされてきた。
【0006】たとえば、排ガス中に炭化水素を導入し
て、この炭化水素により排ガス中のNOx を還元除去する
方法がある。その一例として、特公昭44−13002
号には、白金族触媒を担持したハニカム状のセラミック
フィルタに温度及び流量を制御しながら排ガスを通すと
ともに、ガス状の還元性燃料(具体的にはメタン等)を
添加する方法が開示されている。
【0007】しかしながら、この方法ではディーゼルエ
ンジン等の排ガス中のNOx を効率よく還元するには十分
ではない。本発明者等の研究によれば、ディーゼルエン
ジンの排ガスに対し、標準状態でガス状となる低炭素数
の炭化水素(メタン、プロパン等)をNOx の還元剤とし
て添加しても、それ程大きなNOx 除去率が得られないこ
とがわかった。
【0008】また、酸素及びNOx を含有する排ガスに炭
化水素を混合し、酸素と炭化水素とを反応させて炭化水
素を部分酸化させ、還元性の水素と一酸化炭素に変性さ
せるとともに酸素濃度を減少させた上、この生成変性ガ
スと排ガスに含まれるNOx とを反応させて、窒素、炭酸
ガス及び水に分解する方法(特開昭49−122474
号)もあるが、この方法ではNOx の還元反応を600℃
程度の比較的高温で行わなければならず、自動車の排ガ
ス浄化には適さない。
【0009】さらに別な方法として、燃焼排ガスの高温
部に還元剤として石油系燃料を単独あるいは燃焼排ガス
の一部または空気と燃焼排ガスの一部とで希釈して添加
し、その下流に空気を添加して燃焼排ガス中のNOx を低
減するにあたり、比(燃焼排ガス中の残存酸素量/添加
する石油系燃料の完全燃焼に要する酸素量)が特定の範
囲内となるように、メタン、プロパン、ガソリン、灯
油、ナフサ、重油等の石油系燃料を複数段に分けて添加
し、NOx を低減する方法がある(特開昭54−7916
1号)。
【0010】しかしながら、この方法では、還元剤とNO
x とを反応させる部位を1000℃以上に保持しないと
効果的なNOx の除去ができず、これも自動車の排ガス浄
化には適さない。
【0011】したがって本発明の目的は、ディーゼルエ
ンジンの排ガス等に含まれるNOx を、実際の自動車の排
ガス温度程度の比較的低温で、効果的に除去することが
できる排ガス浄化方法、及びそれを実施するための装置
を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、耐熱性を有する多孔質の排ガス浄
化材を排ガス導管の途中に設置し、特定の液状炭化水素
を排ガス浄化材の上流側に噴霧して微粒子の状態で排ガ
スに混入してやれば、排ガス浄化材の周辺部分を特に加
熱してやらなくとも、導入した炭化水素により排ガス中
のNOx を効率良く還元除去することができることを発見
した。また、この液状炭化水素を噴霧する際に、微粒化
した液状炭化水素とともに空気を混入することにより排
ガス中の酸素濃度を調節してやれば、NOx の還元浄化能
がさらに向上することを発見した。本発明は以上の発見
に基づくものである。
【0013】すなわち、本発明の第一の排ガス浄化方法
は、排ガスの流路の途中に、耐熱性を有する多孔質の排
ガス浄化材を設置し、前記排ガス浄化材の上流側で前記
排ガス中に液状炭化水素を噴霧し、微粒化されガス化さ
れた前記炭化水素を還元剤として作用させて前記排ガス
中の窒素酸化物を還元除去することを特徴とする。
【0014】また、本発明の第二の排ガス浄化方法は、
排ガスの流路の途中に、耐熱性を有する多孔質の排ガス
浄化材を設置し、前記排ガス浄化材の上流側で前記排ガ
ス中に液状炭化水素を添加するに際し、空気を吐出する
ことにより前記液状炭化水素を微粒化し、ガス化した前
記炭化水素を還元剤として作用させて前記排ガス中の窒
素酸化物を還元除去することを特徴とする。
【0015】さらに、本発明の排ガス浄化装置は、排ガ
スの流路の途中に設置された耐熱性の多孔質の排ガス浄
化材と、前記排ガス浄化材の上流側において前記排ガス
中に液状炭化水素を噴霧する装置とを有することを特徴
とする。
【0016】
【実施例】以下、本発明を添付図面を参照して詳細に説
明する。図1は本発明の一実施例による排ガス浄化装置
を示す模式図である。排ガス浄化装置1は、排ガス導管
2の途中に設置された耐熱性の多孔質の排ガス浄化材3
と、排ガス浄化材3の上流側で排ガス中に液状炭化水素
を噴霧する装置4とを有する。
【0017】本実施例においては、液状炭化水素の噴霧
装置4は、液状炭化水素を供給する装置41と、液状炭
化水素を噴霧するための空気の供給装置44とを有す
る。液状炭化水素を供給する装置41は、液状炭化水素
貯蔵タンク42と、液状炭化水素の噴霧用ノズル50に
連通する液状炭化水素供給パイプ43とを有する。図1
に示すように、排ガス浄化装置1において、液状炭化水
素貯蔵タンク42には液状炭化水素55が貯蔵されてお
り、この液状炭化水素55の深い部分(すなわち液状炭
化水素貯蔵タンク42のほぼ底部)にまで液状炭化水素
供給パイプ43の端部が達している。また、空気供給装
置44は、圧縮空気アキュムレータ45と、圧縮空気ア
キュムレータ45からノズル50まで連通する空気供給
パイプ49と、この空気供給パイプ49の途中に取りつ
けられた圧縮空気開閉弁46と、圧縮空気流量絞り弁4
7と、圧縮空気用圧力計48とを有し、圧縮空気開閉弁
46と、圧縮空気流量絞り弁47と、圧縮空気用圧力計
48は、その順に圧縮空気アキュムレータ45からノズ
ル50までの間に設置されている。ノズル50は、液状
炭化水素の供給装置41と、空気供給装置44の共通部
分となり、空気供給装置44による空気流により液状炭
化水素を微粒化(霧化)する部位である。
【0018】図2は図1に示した排ガス浄化装置1のノ
ズル50を示す部分拡大断面図である。ノズル50の本
体部51の中央部には圧縮空気の流路52が設けられて
おり、この流路52は継手53を介して空気供給パイプ
49に連続している。また、圧縮空気の流路52の開口
部52aは径が次第に大きくなるジョーゴ状の形状を有
する。開口部52aの内には、流路52から吐出される
空気の流れに実質的に垂直となるようにパイプ43の開
口端43aが位置している。このような構成のノズル5
0において、ノズル本体部51内の流路52から空気が
吐出されると、液状炭化水素の供給パイプ43の開口端
部で負圧が発生し、これにより液状炭化水素55が貯蔵
タンク42から吸い上げられてノズル50まで達し、そ
して供給パイプ43の開口端43aで霧化(微粒化)さ
れて、排ガス中に供給される。液状炭化水素は、いわば
霧吹きの原理で排ガス中に微粒化された状態で導入され
るのである。このとき、排ガス導管2内の排ガス浄化材
3の上流側のガス圧と、液状炭化水素貯蔵タンク42内
の圧力(タンク42内の液状炭化水素55の上部の空間
の圧力)とが実質的に同等となるようにしておけば、僅
かな圧縮空気量で液状炭化水素を霧化することができ
る。
【0019】排ガス導管2内に添加される液状炭化水素
はできるだけ微細な粒子とすることが望ましいので、ノ
ズル50の構造はそれを達成するように適宜工夫する。
用いる液状炭化水素により多少の変更はあるが、例え
ば、液状炭化水素として軽油を用いる場合には、ノズル
本体部51内の流路52の内径を0.1〜2mm程度と
し、圧縮空気の圧力を10〜980kpa として流路52
から空気を吐出させるのがよい。
【0020】排ガス中に吐出する空気のために排ガス浄
化材付近での排ガスの温度が下がってNOx の浄化能が低
下するような場合には、排ガス中に吐出する空気をあら
かじめ加熱しておくのがよい。この加熱には、高温の排
ガスを熱源として用いることができ、そのときは、空気
供給パイプ49を排ガス導管2に接触するような構造と
しておけばよい。なお、排ガス中に吐出する空気の温度
は200〜300℃程度であるのが好ましい。
【0021】次に、排ガス浄化材3について説明する。
排ガス浄化装置1内に設置する浄化材3としては、耐熱
性、耐熱衝撃性等に優れた多孔質のものを用いるが、こ
れまでに排ガスコンバータとして提案されてきたセラミ
ック製や金属製の多孔質のフィルタを用いることができ
る。また、多孔質のペレット状物又は粒状物をケーシン
グに充填した浄化材や、耐熱性の繊維状物をケーシング
に充填した浄化材であってもよい。耐久性等を考えると
セラミック製のフィルタを用いるのがよく、フォーム型
やハニカム型のフィルタを好適に用いることができる。
製造の安易さ等を考えると、セラミック製のフォーム型
フィルタを用いるのが好ましい。
【0022】フィルタを形成するセラミックスとして
は、アルミナ、シリカ、ジルコニア、シリカ−アルミ
ナ、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、シリ
カ−チタニア、シリカ−ジルコニア、チタニア−ジルコ
ニア、ムライト、コージェライト等を用いることができ
る。好ましいセラミック材としてはコージェライト、ム
ライト、アルミナ及びその複合体等が挙げられる。
【0023】排ガスが浄化材内を通過する際に、排ガス
中のNOx と排ガス中に微粒状に添加されガス化した液状
炭化水素とが反応し、NOx が還元除去されるが、この還
元反応を効果的に進行させるためには、浄化材として、
圧力損失が許容範囲内にあるとともに、ガスとの接触面
積が大きいものを用いるのが好ましく、この点で、浄化
材の空孔率は20〜90%であるのが好ましい。空孔率
が20%未満であると浄化材内を排ガスが通過しにくく
なり、NOx の還元反応を助長できずNOx の除去率が低下
する。また、90%を超えるものとすると、浄化材の強
度が低下し、また排ガスがあまりにも容易に通過してし
まうので、やはりNOx の除去率を低下させる。密度につ
いては、フィルタの材質及び空孔率により決まるが、デ
ィーゼルエンジン用としては、一般に0.3〜0.7g
/mlであるのが好ましい。密度が0.3g/ml未満では
強度が低くすぎて実用的ではなく、また、炭素微粒子の
補集効率が低くなる。一方、0.7g/mlを超えると、
排ガスの流れがスムーズでなくなり、圧損が高くなる。
【0024】特に、浄化材をフォーム型のフィルタとす
る場合には、空孔率を40〜60%、密度を0.3〜
0.5g/mlとするのがよい。またそのときの孔径は3
0〜800μmとするのがよい。なお、孔径が1000
μmを超えると、排ガスとの接触面積が小さくなりす
ぎ、還元効率が低下する。
【0025】本発明では、排ガス浄化材3として、上述
した材料からなるセラミックフィルタ表面上に、さら
に、多孔質のセラミック層を設けたものを使用してもよ
い。多孔質のセラミック層としては、シリカ、アルミ
ナ、チタニア、ジルコニア、チタニア−アルミナ、シリ
カ−アルミナ、ジルコニア−アルミナ、シリカ−チタニ
ア、シリカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニア等が挙
げられる。NOx の低減効果をより追求するためには、こ
の多孔質のセラミック層として、アルミナ系のセラミッ
クス(アルミナ又はアルミナと他の酸化物との複合セラ
ミックス)か、ジルコニア、チタニア、チタニア−ジル
コニア等のセラミック材を用いるのが好ましい。
【0026】多孔質で表面積の大きいセラミック層をフ
ィルタの表面上に形成することにより、排ガスに対する
浄化材の接触面積が大きくなり、もって排ガス中のNOx
、酸素と、排ガス中に添加した炭化水素とが効果的に
反応することになる。また、その反応温度領域も広くな
り、より良好なNOx の浄化が可能となる。
【0027】多孔質セラミックフィルタの表面に多孔質
セラミックス層を形成する方法はいくつかあるが、公知
のウォッシュコート法やゾル−ゲル法によるのがよい。
【0028】さらに、本発明では、上述した排ガス浄化
材に以下に記す触媒を担持してもよい。触媒としては、
(a) アルカリ金属元素の1種又は2種以上と、(b) 周期
表のIB族、IIB族、VA族、VIA族、VII A族、VIII
族の遷移金属及びSnからなる群から選ばれた1種または
2種以上の元素と、(c) 希土類元素の1種又は2種以上
とからなるものを使用することができる。このような構
成の触媒を用いると、広範囲の酸素濃度下で、炭化水
素、酸素、及びNOx 間の反応を促進し、効果的なNOx の
低減を広い温度範囲で行うことができる。これは、アル
カリ金属と遷移金属と希土類元素とが共存することによ
り生じる相乗効果によるものと思われる。好ましい触媒
としては、(a) アルカリ金属元素としてセシウム、カリ
ウム、(b)の元素としてIB族元素としては銅、IIB族
元素としてはZn、VA族元素としてはバナジウム、VIA
族元素としてはMo、VII A族元素としてはMn、VIII族元
素としてはCoを選択するのがよい。また、(c) 希土類元
素としては、ランタン、セリウム、プラセオジム等が好
ましい。特に好ましい組合せは(a) セシウム、(b) 銅、
(c) ランタン、又は(a) 成分としてセシウム、また(b)
及び(c) 成分としては、(b) が銅の他にCo、Mn、(c) が
La、Ce、Prのそれぞれのグループからそれぞれ少なくと
も1 種選択する。
【0029】上記の触媒各成分(a) 、(b) 及び(c) の配
合量は、(a) が10〜50重量%、(b)が15〜65重量%、(c)
は10〜50重量%とするのが好ましい。(a) が10重量%
未満又は50重量%を超えるとNOx と炭化水素の反応特性
が低下する。(b) が15重量%未満又は65重量%を超す
と、炭化水素とNOx の反応特性が低下する。さらに、
(c) についても、10重量%未満又は50重量%を超すと、
排ガス中に導入した炭化水素によるNOx の還元反応が効
率良く進まなくなる。より好ましい配合は、(a) が15〜
40%、(b) が20〜50%で、(c) が15〜40%である。
【0030】上述した触媒を担持する方法としては、
公知の含浸法、沈澱法等により直接多孔質のフィルタに
担持する方法と、フィルタ上に設けたフィルタより多
孔性で表面積の大きいセラミック層に触媒を担持させる
方法とがある。
【0031】含浸法では、触媒を形成する金属の炭酸
塩、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、水酸化物などの水溶液
に、耐熱多孔性のフィルタを浸漬することにより触媒の
担持をする。また、フェロシアン化アルカリなどのよう
に複数の卑金属系金属を含む化合物の溶液にフィルタを
浸漬して、触媒を含浸させる方法も可能である。沈澱法
には、セラミックスを構成する金属元素の硝酸塩等の水
溶液と、触媒となる金属の塩の水溶液とを用い、共沈法
により触媒を担持したセラミックスとする方法がある。
【0032】多孔質のフィルタに直接触媒を担持する場
合、触媒の担持量は、フィルタ100重量%に対して、触
媒量を0.05〜15重量%とするのが好ましい。
【0033】また、浄化材の基材となるフィルタの表面
にチタニア等の多孔質のセラミック層を形成し、この多
孔質のセラミック層に触媒を担持する場合(すなわち、
上記の間接的な触媒担持の場合)、触媒の担持層とな
る多孔質のセラミック層は、フィルタの5〜20重量%と
するのが好ましい。より好ましくは10〜15重量%とす
る。また、触媒活性種(上記した(a) 〜(c) 成分)は、
その合計が上記の多孔質セラミック層の0.05〜15重量%
となるように設定するのが好ましい。触媒の担持量が担
体層に対して0.05重量%未満では触媒を担持した効果が
低温側で顕著ではなく、NOx の浄化能が低下する。一
方、15重量%を超す触媒担持量とすると、NOx の除去率
は大きく低下することになる。より好ましくは触媒活性
種量を前記担持層に対して0.1 〜15重量%とする。な
お、一般に、煤分(パティキュレート)がほとんど存在
しないような排ガスが対象となる場合、残存(未燃焼)
炭化水素又は導入した液状炭化水素とNOx との反応性を
上げるには、上述した組成の触媒活性種の量を少なめに
するのが好ましいが、実際には、エンジン特性(排ガス
成分)等を考慮して上記の触媒担持量の範囲で適宜調節
するのが好ましい。
【0034】上述の構成の触媒を有する排ガス浄化材を
用いることによって、排ガス中に導入した液状炭化水素
によりNOx を効果的に除去することができる。このよう
に、比較的低温でNOx の還元が効率よく起こるのは、排
ガス中に導入した液状炭化水素と、NOx と、上記の触媒
成分(a) 、及び(b) が同時に存在することによる相乗効
果によるものと思われる。
【0035】上記の間接的な担持方法では、ウォッシ
ュコート法やゾル−ゲル法等によりフィルタ上に担体層
を形成することができる。ウォッシュコート法は、上記
した多孔性の担体のスラリー中にフィルタを浸漬し、乾
燥することによりフィルタ上に担体層を形成する方法で
ある。この方法により触媒を担持する場合、(イ)先ず
多孔性の担体層をウォッシュコート法によりフィルタ上
に形成し、その後、公知の含浸法や沈澱法等により担体
層に触媒を担持する方法や、(ロ)あらかじめ触媒活性
種を担持しておいたセラミックス粉末の懸濁液等を用い
てウォッシュコートを行い、フィルタ上に触媒を担持し
た多孔性の層を形成する方法が採用できる。
【0036】また、ゾル−ゲル法による触媒の担持には
以下の2通り方法がある。第一の方法は、担体層用セラ
ミックスを形成する金属の有機塩(例えばアルコキシ
ド)を加水分解し、得られたゾルをフィルタにコーティ
ングし、水蒸気等との接触によりコロイド粒子の膜を生
成させた後、乾燥、焼成して触媒の担体層をフィルタ上
に形成し、最後に触媒活性種の担持を行う方法である。
例えば、担体層用セラミックスとしてチタニア(Ti
2 )を用い、これに触媒活性種を担持させる場合、ま
ずTiのアルコキシド(例えば、Ti(O-isoC3 7 4
のアルコール溶液に、CH3 COOH、HNO3 、HCl等の酸を
加えたコーティング液を生成する。このコーティング液
にフィルタを浸漬し、引き上げた後、水蒸気あるいは水
と反応させてゲル化を行う。次いで、フィルタを乾燥、
焼成すれば、フィルタの空孔表面にチタニアの膜が形成
される。次に、触媒活性種の炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、
水酸化物などの水溶液を含浸して、再び乾燥、焼成し、
触媒の担持を行う。
【0037】第二の方法は、担体層用セラミックスと触
媒活性種をフィルタに同時にコーティングする方法であ
る。例えば、まずTiアルコキシドのアルコール溶液にCH
3 COOH、HNO3 、HCl等の酸と、さらに触媒活性金属種
の塩の水溶液とを加えて、コーティング液を生成する。
次いで、そのコーティング液にフィルタを浸漬した後、
水蒸気あるいは水と反応させてゾル化、さらにはゲル化
を行う。その後、フィルタを乾燥、焼成し、触媒を担持
したチタニアからなるコーティング層を形成する。
【0038】触媒活性金属種の塩としては、水に溶解す
るものであれば、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物な
ど、どのような種類のものでも用いることができる。ま
た、アルコキシドのアルコール溶液中に触媒金属の塩を
均一に分散させることを目的に、エチレングリコール等
の分散剤を添加するのが好ましい。
【0039】ゾル−ゲル法において、酸はゲル化の際の
加水分解反応の触媒として添加するものである。しか
し、酸の代わりにアルカリを添加しても、加水分解反応
を促進することができる。
【0040】なお、以上において担体層用セラミックス
としてチタニアを例に説明したが、それ以外のセラミッ
クの場合でも、同様にゾル−ゲル法により担持すること
ができる。例えば、触媒活性種をアルミナに担持させる
場合は、アルミニウムのアルコキシドを用い、上述のチ
タニアの場合と同様の方法で行う。その他の多孔質担体
を用いるときも同様である。
【0041】ゾル−ゲル法によれば、フィルタ中に触媒
を極めて均一に担持させることが可能であり、従って、
触媒活性が高まり、排ガス浄化能が向上する。
【0042】次に、図1に示した排ガス浄化装置1を用
いた排ガス浄化方法を説明する。本発明では、エンジン
から排気口に連通する排ガス導管2の途中に、上述した
排ガス浄化材3を設置し、浄化材3の排ガス上流側の部
分で、排ガス中に液状炭化水素を噴霧する。
【0043】本発明における液状炭化水素とは、標準状
態で液体状態の炭化水素であり、沸点が90〜350℃
の留分をさす。具体的には、軽油、セタン、ヘプタン等
が挙げられる。450℃を超す沸点を有する液状炭化水
素を用いると、通常のエンジン運転状況における排ガス
の温度では液状炭化水素が気化しにくく、NOx の還元反
応があまり進行しない。好ましくは、沸点が160〜3
40℃となる液状炭化水素を用いる。実用性等を考える
と、特に軽油を用いるのがよい。
【0044】液状炭化水素の添加量は、排ガス中に含ま
れるNOx 量に合わせて適宜調節するのがよく、そのため
に、圧縮空気開閉弁46及び圧縮空気流量絞り弁47を
制御することにより圧縮空気の圧力及び流量を調節しな
がら、空気と液状炭化水素の排ガス中への供給をする。
【0045】一般に、圧縮空気の圧力を大きくすれば、
噴霧される液状炭化水素量が多くなり、圧縮空気アキュ
ムレータ45を制御することで排ガス中に導入する液状
炭化水素量を調節することができる。また、圧縮空気の
圧力を一定とした場合でも、圧縮空気流量絞り弁47を
調節することで液状炭化水素量を調節することができ
る。したがって、圧縮空気の圧力及び流量の両方を調節
することにより、排ガス中に導入する液状炭化水素量
と、空気量(したがって排ガスに導入される酸素量)と
を調節することができる。
【0046】排ガス浄化装置内の排ガスの温度(具体的
には排ガス浄化材3を通過中の排ガス温度であり、実際
には排ガス浄化材3の上流側端部近傍の温度を測定する
ことで代用できる)は、用いる液状炭化水素(の沸点)
により多少変更する必要があるが、少なくとも200〜
500℃に保持するのがよい。この温度範囲より下回る
と、NOx の効果的な還元が得られない。また、この温度
範囲を超える高温とすると、添加した液状炭化水素自体
が燃焼し、二酸化炭素と水とになる反応が優先すること
になるので、やはりNOx の低減率が低下する。排ガス浄
化装置内の排ガス温度は、より好ましくは300〜50
0℃とする。
【0047】ところで、実際の自動車の排ガス温度は、
エンジンの運転状況によって刻々変化する。そこでNOx
の浄化を確実にするためには、排ガス温度を上述の温度
範囲内に制御するのがよい。その制御の一例として、た
とえば以下のような方法がある。すなわち、排ガス浄化
装置より上流側に排ガス流量を調節する弁を設け、排ガ
ス浄化装置内の排ガス温度をモニターしておき、排ガス
温度が上記範囲を下回った時点で弁を絞り排ガス温度を
上げる。なお、排ガス温度を下げる場合には、上述の操
作の反対の操作を行えばよい。
【0048】以上、図1に示す排ガス浄化装置1を参照
して本発明を詳細に説明したが、以下に、本発明のもう
一つの排ガス浄化方法及びそれを実行することができる
装置について説明する。
【0049】図3は本発明のもう一つの実施例による排
ガス浄化装置6を示す模式図である。排ガス浄化装置6
は、排ガス導管2の途中に設置した耐熱多孔性の排ガス
浄化材3と、排ガス浄化材3の上流側で排ガス導管2中
に霧状の液状炭化水素を供給する装置60とを有し、液
状炭化水素供給装置60は、液状炭化水素貯蔵タンク6
1と、液状炭化水素供給パイプ62と、液状炭化水素の
噴霧ノズル63とを有する。また、液状炭化水素貯蔵タ
ンク61と噴霧ノズル63との間には、液状炭化水素を
ノズル63まで輸送するポンプ64と、液状炭化水素の
流量絞り弁65と、液流開閉弁66とがその順に設置さ
れており、パイプ62を通過する液状炭化水素の量を調
節することができるようになっている。この方式の装置
6においては、噴霧ノズル63は液状炭化水素を通過さ
せる一本の細い流路(図示せず)のみを有しており、ポ
ンプ64と、液状炭化水素の流量絞り弁65と、液流開
閉弁66との制御により、排ガス中に導入する液状炭化
水素の量を調節する。
【0050】なお、排ガス浄化材3としては、先に説明
した排ガス浄化材と同一のものを使用することができ
る。
【0051】この排ガス浄化装置6によれば、排ガス導
管2中に空気(酸素)を導入することはできないが、供
給する液状炭化水素の量を精確に制御することが可能と
なる。また、噴霧ノズル63の先端部を適宜調節して容
易に微細な液状炭化水素粒を排ガス中に導入することが
できる。なお、この装置6を用いた排ガス中のNOx の浄
化は、排ガス中に空気を導入しないこと以外は、先に示
した例と同様にして行うことができる。
【0052】本発明の方法を以下の具体的実施例により
さらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されな
い。
【0053】実施例1 図2に示す断面を有するノズル50を作製し、これを用
いて図1に示す排ガス浄化装置を作製した。ここで、ノ
ズル本体部51はステンレス鋼製とし、空気の流路52
の径を1.7mmとした。また、ノズル本体部51に接続
する空気供給パイプ49として内径が4mmのステンレス
鋼管を用い、一方、液状炭化水素の供給用パイプ43と
しては、内径が0.5mmのステンレス鋼管を用いた。
【0054】まず、上記した排ガス浄化装置1におい
て、液状炭化水素として軽油を用い、圧縮空気の圧力を
変化させて軽油の噴霧量を測定した。このとき、液状炭
化水素タンク42内の軽油の液面レベルと、液状炭化水
素供給パイプ43の開口端43aとの差を400mmとし
た。結果を図4に示す。図4からわかるように、圧縮空
気の圧力を大きくしていくと、噴霧される軽油量は増大
する。
【0055】次に、コージェライトからなるフォーム型
のフィルタ(見かけの体積4リットル、密度0.45g/m
l、空孔率50%)にウォッシュコート法によりアルミナ
を10重量%(フィルタに対して)コートしたものを浄化
材3とし、図1に示すように排ガス導管2の途中に設置
した。また、排ガス導管2の上流側に、排気量が3.4
リットルのディーゼルエンジンを設置し、ディーゼルエ
ンジンの回転数を2000rpm とし、エンジン負荷を1
/4、1/2、又は3/4として運転し、その時の排ガ
ス浄化材3の手前(ガス入口側)での排ガス中のNOx 濃
度、酸素濃度及び排ガス温度を測定した。この測定結果
を表1に示す。
【0056】 表1 NOx 濃度 酸素濃度 フィルタ入口温度 負荷 (ppm ) (%) (℃) 1/4 360 15.5 250 1/2 570 13.3 340 3/4 650 11.0 410
【0057】さらに、図1に示す排ガス浄化装置1にお
いて、圧縮空気の圧力を98kpa に固定して、圧縮空気
流量絞り弁47を調節して空気流量を変化させることに
より、排ガス導管2内に噴霧する軽油の量を変化させ、
エンジン負荷が1/4、1/2、又は3/4のときのNO
x の浄化率を測定した。軽油噴霧量及びNOx の浄化率の
測定結果を表2に示す。
【0058】 表2 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 6 9 1/4 8 14 1/4 10 20 1/2 6 18 1/2 8 28 1/2 10 40 3/4 6 30 3/4 8 40 3/4 10 50
【0059】実施例2 実施例1で用いた排ガス浄化装置1において、空気供給
パイプ49を排ガス導管2に接触させることにより、ノ
ズル50から噴出するときの空気の温度を200〜30
0℃とするように変更し、他は実施例1と同様にしてエ
ンジン負荷が1/4、1/2、又は3/4のときのNOx
の低減率を測定した。結果を表3に示す。
【0060】 表3 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 6 10 1/4 8 16 1/4 10 23 1/2 6 20 1/2 8 30 1/2 10 44 3/4 6 34 3/4 8 46 3/4 10 60
【0061】実施例3 図3に示す構成の排ガス浄化装置6を作製した。排ガス
導管2、排ガス浄化材3、及びディーゼルエンジンは実
施例1と同一のものを用いた。また、ノズル63はステ
ンレス鋼製で液状炭化水素の流路径が4mmのものを用い
た。液状炭化水素としては軽油を用いた。
【0062】まず、この排ガス浄化装置6において、液
圧(軽油にかけた圧力)を100〜500kpa としたと
きの軽油の噴霧量を測定した。結果を図5に示す。
【0063】次に、実施例1と同様にしてエンジンの負
荷が1/4、1/2、又は3/4のときのNOx の低減率
を測定した。結果を表4に示す。
【0064】 表4 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 10 15 1/4 20 32 1/4 30 42 1/2 10 36 1/2 20 50 1/2 30 60 3/4 10 42 3/4 20 55 3/4 30 70
【0065】実施例4 排ガス浄化材3以外は実施例1と同様の排ガス浄化装置
を作製し、実施例1と同一のディーゼルエンジンから延
出する排ガス導管に接続した。排ガス浄化材3として
は、実施例1で用いたコージェライトからなるフォーム
型のフィルタにゾル−ゲル法によりアルミナをフィルタ
に対して15重量%コートしたものを浄化材として用い
た。
【0066】この排ガス浄化装置を用い、実施例1と同
様の条件でNOx の低減率を測定した。結果を表5に示
す。
【0067】 表5 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 6 24 1/4 8 28 1/4 10 33 1/2 6 30 1/2 8 45 1/2 10 56 3/4 6 45 3/4 8 55 3/4 10 65
【0068】実施例5 実施例4で用いた排ガス浄化装置において、空気供給パ
イプを排ガス導管に接触させることにより、ノズルから
噴出するときの空気の温度を200〜300℃とするよ
うに変更し、他は実施例4と同様にしてエンジン負荷が
1/4、1/2、又は3/4のときのNOx の低減率を測
定した。結果を表6に示す。
【0069】 表6 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 6 26 1/4 8 30 1/4 10 35 1/2 6 32 1/2 8 48 1/2 10 60 3/4 6 48 3/4 8 60 3/4 10 70
【0070】実施例6 排ガス浄化材として、実施例4に用いたアルミナをコー
トした排ガス浄化材を用いた以外は実施例3と同一の装
置、及びディーゼルエンジンを用い、実施例3と同様に
してエンジンの負荷が1/4、1/2、又は3/4のと
きのNOx の低減率を測定した。結果を表7に示す。
【0071】 表7 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 10 28 1/4 20 38 1/4 30 48 1/2 10 40 1/2 20 55 1/2 30 65 3/4 10 48 3/4 20 60 3/4 30 75
【0072】実施例7 排ガス浄化材3以外は実施例1と同様の排ガス浄化装置
を作製し、実施例1と同一のディーゼルエンジンから延
出する排ガス導管に接続した。排ガス浄化材3は、以下
の方法により作製した。まず、コージェライトからなる
フォーム型のフィルタに、ゾル−ゲル法によりTiO2
ZrO2 をフィルタに対して15重量%コートし、これ
を、CuCl2 、CsNO3 、La(NO3 ) 3 の各水溶液に浸漬
し、乾燥、焼成して、Cu、Cs、及びLaを各0.5重量%
(TiO2 −ZrO2 層に対する量であり、各金属とも金属
成分の重量%である)担持した浄化材とした。
【0073】この排ガス浄化装置を用い、実施例1と同
様の条件でNOx の低減率を測定した。結果を表8に示
す。
【0074】 表8 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 6 28 1/4 8 33 1/4 10 38 1/2 6 35 1/2 8 49 1/2 10 62 3/4 6 50 3/4 8 60 3/4 10 70
【0075】実施例8 実施例7で用いた排ガス浄化装置において、空気供給パ
イプを排ガス導管に接触させることにより、ノズルから
噴出するときの空気の温度を200〜300℃とするよ
うに変更し、他は実施例7と同様にしてエンジン負荷が
1/4、1/2、又は3/4のときのNOx の低減率を測
定した。結果を表9に示す。
【0076】 表9 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 6 28 1/4 8 35 1/4 10 40 1/2 6 35 1/2 8 51 1/2 10 65 3/4 6 50 3/4 8 62 3/4 10 73
【0077】実施例9 排ガス浄化材として、実施例7に用いた排ガス浄化材
(触媒を有するTiO2 −ZrO2 層を表面に形成したフィ
ルタ)を用いた以外は実施例3と同一の装置、及びディ
ーゼルエンジンを用い、実施例3と同様にしてエンジン
の負荷が1/4、1/2、又は3/4のときのNOx の低
減率を測定した。結果を表10に示す。
【0078】 表10 軽油噴霧量 NOx 低減率 負荷 (ml/分(%) 1/4 10 15 1/4 20 32 1/4 30 42 1/2 10 36 1/2 20 50 1/2 30 60 3/4 10 42 3/4 20 55 3/4 30 70
【0079】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の方法によれ
ば、特に排ガス浄化材の周辺域を加熱することなく、2
00〜500℃の比較的低温で排ガス中のNOx を効果的
に低減することができる。これは液状炭化水素を微粒化
して排ガス中に導入することにより、NOx と液状炭化水
素との反応が効率良く進行するためであると思われる。
また、排ガス浄化材(フィルタ)にセラミック層を担持
してNOx の除去を高い除去率で行うことができるが、上
述した構成の触媒活性種を担持すれば、NOx の除去をさ
らに効率よく行うことができる。
【0080】特に、圧縮空気により液状炭化水素を微粒
化して排ガス中に導入する方法によれば、排ガス中の酸
素濃度をも調節することが可能となり、より効果的なNO
x の除去ができる。
【0081】本発明の方法は、ディーゼルエンジンの排
ガス等にみられるような酸化性雰囲気の排ガスに特に好
適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による排ガス浄化装置を示す
模式図である。
【図2】図1に示す排ガス浄化装置におけるノズルの部
分を拡大して示す部分断面図である。
【図3】本発明のもう一つの実施例による排ガス浄化装
置を示す模式図である。
【図4】実施例1における圧縮空気圧力と軽油噴霧量の
関係を示すグラフである。
【図5】実施例3における軽油圧と軽油噴霧量の関係を
示すグラフである。
【符号の説明】
1、6 排ガス浄化装置 2 排ガス導管 3 排ガス浄化材 4、60 液状炭化水素噴霧装置 41 液状炭化水素供給装置 42、61 液状炭化水素タンク 43、62 液状炭化水素供給パイプ 44 圧縮空気供給装置 45 圧縮空気アキュムレータ 46 圧縮空気開閉弁 47 圧縮空気流量絞り弁 48 圧力計 49 空気供給パイプ 50、63 ノズル 64 液状炭化水素用ポンプ 65 液状炭化水素流量開閉弁 66 液状炭化水素流量絞り弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古山 雅孝 埼玉県熊谷市末広四丁目14番1号 株式会 社リケン熊谷事業所内 (72)発明者 阿部 晃 埼玉県熊谷市末広四丁目14番1号 株式会 社リケン熊谷事業所内 (72)発明者 吉田 清英 埼玉県熊谷市末広四丁目14番1号 株式会 社リケン熊谷事業所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排ガスの流路の途中に、耐熱性を有する
    多孔質の排ガス浄化材を設置し、前記排ガス浄化材の上
    流側で前記排ガス中に液状炭化水素を噴霧し、微粒化さ
    れガス化された前記炭化水素を還元剤として作用させて
    前記排ガス中の窒素酸化物を還元除去することを特徴と
    する排ガス浄化方法。
  2. 【請求項2】 排ガスの流路の途中に、耐熱性を有する
    多孔質の排ガス浄化材を設置し、前記排ガス浄化材の上
    流側で前記排ガス中に液状炭化水素を添加するに際し、
    空気を吐出することにより前記液状炭化水素を微粒化
    し、ガス化した前記炭化水素を還元剤として作用させて
    前記排ガス中の窒素酸化物を還元除去することを特徴と
    する排ガス浄化方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の排ガス浄化方法におい
    て、前記排ガス中に導入する空気をあらかじめ加熱して
    おくことを特徴とする排ガス浄化方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の排ガス浄化方法
    において、前記排ガス中に導入する空気の圧力及び流量
    を調節することにより、排ガス中の酸素濃度を調節する
    ことを特徴とする排ガス浄化方法。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の排ガ
    ス浄化方法において、前記排ガス浄化材が、多孔質の耐
    熱性フィルタの表面上に、さらに多孔質のセラミック層
    を形成してなることを特徴とする排ガス浄化方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の排ガ
    ス浄化方法において、前記排ガス浄化材に、(a) アルカ
    リ金属元素の1種又は2種以上と、(b) 周期表のIB
    族、IIB族、VA族、VIA族、VII A族、VIII族の遷移
    金属及びSnからなる群から選ばれた1種または2種以上
    の元素と、(c) 希土類元素の1種又は2種以上とからな
    る触媒が担持されていることを特徴とする排ガス浄化方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の排ガ
    ス浄化方法において、前記液状炭化水素として軽油を用
    いることを特徴とする排ガス浄化方法。
  8. 【請求項8】 排ガスの流路の途中に設置された耐熱性
    の多孔質の排ガス浄化材と、前記排ガス浄化材の上流側
    において前記排ガス中に液状炭化水素を噴霧する装置と
    を有することを特徴とする排ガス浄化装置。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の排ガス浄化装置におい
    て、前記液状炭化水素を噴霧する装置が、圧縮空気の吐
    出により前記液状炭化水素を微粒化する機構を有し、前
    記排ガス中に、微粒化した液状炭化水素と空気とを同時
    に供給することを特徴とする排ガス浄化装置。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の排ガス浄化装置にお
    いて、前記排ガスの流路内の前記排ガス浄化材より上流
    側の排ガスの圧力と、前記炭化水素を貯蔵するタンク内
    圧力とが同等となる機構を有することを特徴とする排ガ
    ス浄化装置。
JP4193096A 1991-06-28 1992-06-26 排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置 Pending JPH05237336A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP18331991 1991-06-28
JP3-183319 1991-06-28

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05237336A true JPH05237336A (ja) 1993-09-17

Family

ID=16133625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4193096A Pending JPH05237336A (ja) 1991-06-28 1992-06-26 排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05237336A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6004520A (en) * 1995-12-13 1999-12-21 Daimler-Benz Ag Method for operating a purification device, a purification device and use of the same
JP2003510497A (ja) * 1999-09-30 2003-03-18 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 還元媒体の調量のための装置
KR100475332B1 (ko) * 2001-10-31 2005-03-10 대전광역시도시개발공사 무촉매반응설비(sncr)의 환원제 분사장치

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6004520A (en) * 1995-12-13 1999-12-21 Daimler-Benz Ag Method for operating a purification device, a purification device and use of the same
US6200535B1 (en) 1995-12-13 2001-03-13 Daimlerchrysler Ag Purification device having a porous body for purifying pollutants from an exhaust gas stream
JP2003510497A (ja) * 1999-09-30 2003-03-18 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 還元媒体の調量のための装置
KR100475332B1 (ko) * 2001-10-31 2005-03-10 대전광역시도시개발공사 무촉매반응설비(sncr)의 환원제 분사장치

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5645804A (en) Method for cleaning exhaust gas containing nitrogen oxides
US5534237A (en) Method of cleaning an exhaust gas and exhaust gas cleaner therefor
KR101620644B1 (ko) 배출물 처리 시스템
US5290530A (en) Method of cleaning exhaust gas
JP3574655B2 (ja) 改良されたセリア−アルミナ酸化触媒および使用方法
US7476417B2 (en) Method of manufacturing monolithic catalysts
JP6501115B2 (ja) 二元燃料酸化触媒、二元燃料scr排ガス処理機構、二元燃料ディーゼル内燃機関、および、その制御方法
US4710487A (en) Diesel exhaust gas catalyst
EP0526099B1 (en) Exhaust gas cleaner
JP2007330856A (ja) 脱硝触媒組成物、一体構造型脱硝触媒、及びそれを用いた脱硝方法
JP5030343B2 (ja) 排ガス浄化装置及び排ガス処理方法
JP4448820B2 (ja) 脱硝触媒組成物、一体構造型脱硝触媒、及びそれを用いた脱硝方法
JPH05237336A (ja) 排ガス浄化方法及び排ガス浄化装置
EP0679427A1 (en) Exhaust gas cleaner
JPH0592125A (ja) 排ガス浄化方法
US5744111A (en) Method for cleaning exhaust gas
JPH05115782A (ja) 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法
JPH06235317A (ja) 排ガス浄化装置及び排ガス浄化方法
JPH0531330A (ja) 排ガス浄化方法
JPH06235318A (ja) 排ガス浄化方法
JPH05115789A (ja) 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法
JPH05146643A (ja) 排ガス浄化方法
JPH05137955A (ja) 排ガス浄化方法
JPH05115788A (ja) 排ガス浄化材及び排ガス浄化方法
JPH08229350A (ja) 窒素酸化物分解用触媒およびこれを用いたディーゼルエンジン排ガスの浄化方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees