JPH05137955A - 排ガス浄化方法 - Google Patents

排ガス浄化方法

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JPH05137955A
JPH05137955A JP3326943A JP32694391A JPH05137955A JP H05137955 A JPH05137955 A JP H05137955A JP 3326943 A JP3326943 A JP 3326943A JP 32694391 A JP32694391 A JP 32694391A JP H05137955 A JPH05137955 A JP H05137955A
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JP
Japan
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exhaust gas
nox
oxygen
molded body
catalyst
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JP3326943A
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Akira Muramatsu
暁 村松
Kiyohide Yoshida
清英 吉田
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ディーゼルエンジンの排ガス等にみられるよ
うな、比較的酸素濃度の大きい排ガス中に含まれるNOx
を、実際の自動車の排ガス温度程度の比較的低温で、効
果的に除去することができる排ガス浄化方法を提供す
る。 【構成】 アルカリ金属元素と特定の遷移金属元素とか
らなる触媒を有する排ガス浄化材を排ガス導管の途中に
設置し、鎖式含酸素有機化合物を排ガス浄化材の上流側
に添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車エンジン等の内
燃機関より排出される排ガスを浄化する方法に関し、特
に、ディーゼルエンジン等の排ガス中に含まれる窒素酸
化物を効果的に還元除去することができる排ガス浄化方
法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
地球規模の環境汚染が問題となってきているが、中でも
大気汚染は深刻であり、大気中の窒素酸化物(以下NOx
と呼ぶ)による光化学スモッグや、酸性雨等の問題が未
解決のまま残っている。特に大都市圏におけるNOx によ
る大気汚染は深刻なものであり、対策が急務となってい
る。NOx の発生源としては、自動車のエンジン、とりわ
けディーゼルエンジンや、大型の燃焼装置(たとえばコ
ジェネレーション用内燃機関)等が挙げられる。
【0003】排ガス中のNOx を除去する方法には、たと
えばガソリンエンジンの排ガスに対しては、いわゆる3
元触媒を用いる方法があり、また、大規模な固定燃焼装
置(工場等の大型燃焼機等)に対しては、排ガスにアン
モニアを混入し、これにより排ガス中の窒素酸化物を還
元する選択的接触還元法がある。
【0004】しかしながら、ディーゼルエンジンから排
出される排ガスのように、酸素濃度が比較的高い排ガス
に対しては、ガソリンエンジンの排ガス浄化に用いられ
る3元触媒方式では効率のよいNOx の除去は行えない。
また、排ガスにアンモニアを混入してNOx を還元除去す
る方法は、アンモニアが高価であること、またアンモニ
アは毒性を有すること、一般に装置が大型になること等
の問題点があり、自動車等の移動する排ガス発生源には
適用できない。
【0005】したがって、ディーゼルエンジンの排ガス
等にみられるような酸素濃度が比較的高い排ガス中のNO
x を低減(除去)する新規な方法の確立が望まれてお
り、これまでに様々な試みがなされてきた。
【0006】たとえば、銅を含有するゼオライトやAl2
3 などの触媒を用い、排ガスに炭素数の少ない炭化水
素を添加してNOx を還元する方法が提案されている(S
AETechnical paper 900496, 1990、特開昭63−100919
号等)。しかしながら、この方法は、酸素濃度が高いと
きのNOx 還元特性や、耐久性等においてまだ問題が残っ
ており、実用的ではない。
【0007】また、排ガス中に炭化水素を導入して、こ
の炭化水素により排ガス中のNOx を還元除去する方法が
ある。その一例として、特公昭44−13002 号には、白金
族触媒を担持したハニカム状のセラミック成形体に温度
及び流量を制御しながら排ガスを通すとともに、ガス状
の還元性燃料(具体的にはメタン等)を添加する方法が
開示されている。
【0008】しかしながら、この方法ではディーゼルエ
ンジン等の排ガス中のNOx を効率よく還元するには十分
ではない。本発明者等の研究によれば、ディーゼルエン
ジンの排ガスに対し、標準状態でガス状となる低炭素数
の炭化水素(メタン、プロパン等)をNOx の還元剤とし
て添加しても、それ程大きなNOx 除去率が得られないこ
とがわかった。
【0009】また、酸素及びNOx を含有する排ガスに炭
化水素を混合し、酸素と炭化水素とを反応させて炭化水
素を部分酸化させ、還元性の水素と一酸化炭素に変性さ
せるとともに酸素濃度を減少させた上、この生成変性ガ
スと排ガスに含まれるNOx とを反応させて、窒素、炭酸
ガス及び水に分解する方法(特開昭49−122474号)もあ
るが、この方法ではNOx の還元反応を600 ℃程度の比較
的高温で行わなければならず、自動車の排ガス浄化には
適さない。
【0010】さらに別な方法として、燃焼排ガスの高温
部に還元剤として石油系燃料を単独あるいは燃焼排ガス
の一部または空気と燃焼排ガスの一部とで希釈して添加
し、その下流に空気を添加して燃焼排ガス中のNOx を低
減するにあたり、比(燃焼排ガス中の残存酸素量/添加
する石油系燃料の完全燃焼に要する酸素量)が特定の範
囲内となるように、メタン、プロパン、ガソリン、灯
油、ナフサ、重油等の石油系燃料を複数段に分けて添加
し、NOx を低減する方法がある(特開昭54−79161
号)。
【0011】しかしながら、この方法では、還元剤とNO
x とを反応させる部位を1000℃以上に保持しないと効果
的なNOx の除去ができず、これも自動車の排ガス浄化に
は適さない。
【0012】したがって本発明の目的は、ディーゼルエ
ンジンの排ガス等にみられるような、比較的酸素濃度の
大きい排ガス中に含まれるNOx を、実際の自動車の排ガ
ス温度程度の比較的低温で、効果的に除去することがで
きる排ガス浄化方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者等は、アルカリ金属元素と特定の遷移
金属元素とからなる触媒を有する排ガス浄化材を排ガス
導管の途中に設置し、鎖式含酸素有機化合物を排ガス浄
化材の上流側に添加してやれば、排ガス中のNOx を効率
良く還元除去することができることを発見し、本発明を
完成した。
【0014】すなわち、本発明の排ガス浄化方法は、耐
熱多孔性成形体上に設けた多孔質のセラミック層に(a)
アルカリ金属元素の1種又は2種以上と、(b)Cu 、Co、
Mn及びVの1種又は2種以上とからなる触媒を担持して
なる排ガス浄化材を排ガスの流路の途中に設置し、前記
排ガス浄化材の上流側で前記排ガス中に鎖式含酸素有機
化合物を添加し、前記鎖式含酸素有機化合物を還元剤と
して作用させて前記排ガス中の窒素酸化物を還元除去す
ることを特徴とする。
【0015】以下、本発明を詳細に説明する。排ガスの
流路の途中に設置する浄化材の基材となる成形体として
は、耐熱性、耐熱衝撃性等に優れた多孔質のものを用い
るが、これまでに排ガスコンバータとして提案されてき
たセラミック製や金属製の多孔質の成形体を用いること
ができる。また、多孔質のペレット状物又は粒状物をケ
ーシングに充填した浄化材や、耐熱性の繊維状物をケー
シングに充填した浄化材であってもよい。耐久性等を考
えるとセラミック製の成形体を用いるのがよく、フォー
ム型やハニカム型の成形体を好適に用いることができ
る。製造の安易さ等を考えると、セラミック製のフォー
ム型成形体を用いるのがよい。
【0016】成形体を形成するセラミックスとしては、
アルミナ、シリカ、ジルコニア、シリカ−アルミナ、ア
ルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニア、シリカ−チ
タニア、シリカ−ジルコニア、チタニア−ジルコニア、
ムライト、コージェライト等を用いることができる。好
ましいセラミック材としてはコージェライト、ムライ
ト、アルミナ及びその複合体等が挙げられる。
【0017】排ガスが成形体内を通過する際に、排ガス
中のNOx と排ガス中に添加された鎖式含酸素有機化合物
(詳しくは後述する)とが反応し、NOx が還元除去され
るが、この還元反応を効果的に進行させるためには、成
形体として、圧力損失が許容範囲内にあるとともに、ガ
スとの接触面積が大きいものを用いるのがよく、この点
で、成形体の空孔率は40〜90%であるのがよい。空孔率
が40%未満であると成形体内を排ガスが通過しにくくな
り、NOx の還元反応を助長できずNOx の除去率が低下す
る。また、90%を超えるものとすると、成形体の強度が
低下し、また排ガスがあまりにも容易に通過してしまう
ので、やはりNOx の除去率を低下させる。密度について
は、成形体の材質及び空孔率により決まるが、ディーゼ
ルエンジン用としては、一般に0.3 〜0.7 g/mlである
のが好ましい。密度が0.3 g/ml未満では強度が低くす
ぎて実用的でない。一方、0.7 g/mlを超えると、排ガ
スの流れがスムーズでなくなる。
【0018】特に、成形体をフォーム型とする場合に
は、空孔率を50〜85%、密度を0.3 〜0.5 g/mlとする
のがよい。またそのときの孔径は30〜800 μmとするの
がよい。なお、孔径が1000μmを超えると、排ガスとの
接触面積が小さくなりすぎ、還元効率が低下する。
【0019】上述した成形体上に設ける多孔質のセラミ
ック層としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコ
ニア、チタニア−アルミナ、シリカ−アルミナ、ジルコ
ニア−アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−ジルコニ
ア、チタニア−ジルコニア等が挙げられる。NOx の低減
効果をより追求するためには、この多孔質のセラミック
層として、アルミナ系のセラミックス(アルミナ又はア
ルミナと他の酸化物との複合セラミックス)か、ジルコ
ニア、チタニア、チタニア−ジルコニア等のセラミック
材を用いるのが好ましい。
【0020】多孔質で表面積の大きいセラミック層を成
形体の表面上に形成することにより、排ガスに対する浄
化材の接触面積が大きくなり、もって排ガス中のNOx 、
酸素と、排ガス中に添加した鎖式含酸素有機化合物とが
効果的に反応することになる。また、その反応温度領域
も広くなり、より良好なNOxの浄化が可能となる。
【0021】多孔質セラミック成形体の表面に多孔質セ
ラミックス層を形成する方法はいくつかあるが、後述す
る公知のウォッシュコート法やゾル−ゲル法によるのが
よい。
【0022】多孔質セラミック層からなる担体層の量
は、セラミック成形体の場合、成形体の3〜15重量%、
特に5〜12重量%が好ましい。
【0023】上記の成形体上に設けた多孔質のセラミッ
ク層上に担持する触媒としては、(a) アルカリ金属元素
の1種又は2種以上と、(b)Cu 、Co、Mn及びVの1種又
は2種以上の元素とからなるものを使用することができ
る。このような構成の触媒を用いると、広範囲の酸素濃
度下で、鎖式含酸素有機化合物、酸素、及びNOx 間の反
応を促進し、効果的なNOx の低減を広い温度範囲で行う
ことができる。これは、触媒成分(a) と(b) とが共存す
ることにより生じる相乗効果によるものと思われる。
(a) アルカリ金属元素としては、特にセシウム、ナトリ
ウム、カリウムのうちの少なくとも一種を用いるのが好
ましい。
【0024】また、上記の(a) 及び(b) 成分に、さらに
(c) 希土類元素(Ce、La、Nd、Sm等) を加えた構成の触
媒を用いることができる。このように触媒中に(c) 希土
類元素を加えると、排ガス中に存在する炭素微粒子も還
元剤として作用し、NOxを還元除去することができる。
(c) 希土類元素としては、ランタン、セリウム等が好ま
しい。
【0025】なお、本明細書において、触媒成分(a) 〜
(c) は金属元素として表示しているが、通常の浄化材の
使用温度条件では触媒成分(a) 〜(c) は酸化物の状態で
存在する。
【0026】上記の触媒各成分(a) 、(b) 及び(c) の配
合量は、以下の通りとするのがよい。まず、触媒が(a)
成分と(b) 成分とからなる場合には、それぞれ金属分に
換算して、(a) が10〜50重量部、(b) が30〜90重量部と
するのがよい。また、触媒が(a) 、(b) 及び(c) ならな
る場合には、(a) が10〜50重量部、(b) が30〜90重量
部、(c) が50重量部以下とするのがよい。
【0027】また、触媒活性種は、その合計((a) +
(b) 、又は(a) +(b) +(c) )が前記担体層の0.05〜10
重量%、特に0.1 〜5重量%とするのがよい。
【0028】上述した触媒の排ガス浄化材への担持は、
公知の含浸法、沈澱法等により直接多孔質の成形体に
担持する方法と、成形体上に設けた成形体より多孔性
で表面積の大きいセラミック層に触媒を担持させる方法
とがある。
【0029】含浸法では、触媒を形成する金属の炭酸
塩、硝酸塩、酢酸塩、塩化物、水酸化物などの水溶液
に、耐熱多孔性の成形体を浸漬することにより触媒の担
持をする。Vの担持では、NH4 VO3 としゅう酸の溶液を
用いることができる。またアルカリのバナジン酸塩を用
い、アルカリ金属とVとを同時に担体することもでき
る。沈澱法には、セラミックスを構成する金属元素の硝
酸塩等の水溶液と、触媒となる金属の塩の水溶液とを用
い、共沈法により触媒を担持したセラミックスとする方
法がある。
【0030】上記の間接的な担持方法では、ウォッシ
ュコート法やゾル−ゲル法等により成形体上に担体層を
形成することができる。ウォッシュコート法は、上記し
た多孔性の担体のスラリー中に成形体を浸漬し、乾燥す
ることにより成形体上に担体層を形成する方法である。
この方法により触媒を担持する場合、(イ)先ず多孔性
の担体層をウォッシュコート法により成形体上に形成
し、その後、公知の含浸法や沈澱法等により担体層に触
媒を担持する方法や、(ロ)あらかじめ含浸法や沈澱法
等により触媒活性種を担持しておいたセラミックス粉末
等を用いてウォッシュコートを行い、成形体上に触媒を
担持した多孔性の層を形成する方法が採用できる。この
後者の方法によれば、一回の工程で触媒を有する担体層
を形成することができる。
【0031】また、ゾル−ゲル法による触媒の担持には
以下の2通り方法がある。第一の方法は、担体層用セラ
ミックスを形成する金属の有機塩(例えばアルコキシ
ド)を加水分解し、得られたゾルを成形体にコーティン
グし、水蒸気等との接触によりコロイド粒子の膜を生成
させた後、乾燥、焼成して触媒の担体層を成形体上に形
成し、最後に触媒活性種の担持を行う方法である。例え
ば、担体層用セラミックスとしてチタニア(TiO2 )を
用い、これに触媒活性種を担持させる場合、まずTiのア
ルコキシド(例えば、Ti(O-isoC3 7 4 )のアルコ
ール溶液に、CH3 COOH、HNO3 、HCl等の酸を加えたコ
ーティング液を生成する。このコーティング液に成形体
を浸漬し、引き上げた後、水蒸気あるいは水と反応させ
てゲル化を行う。次いで、成形体を乾燥、焼成すれば、
成形体の空孔表面にチタニアの膜が形成される。次に、
触媒活性種の炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物などの
水溶液を含浸して、再び乾燥、焼成し、触媒の担持を行
う。
【0032】第二の方法は、担体層用セラミックスと触
媒活性種を成形体に同時にコーティングする方法であ
る。例えば、まずTiアルコキシドのアルコール溶液にCH
3 COOH、HNO3 、HCl等の酸と、さらに触媒活性金属種
の塩の水溶液とを加えて、コーティング液を生成する。
次いで、そのコーティング液に成形体を浸漬した後、水
蒸気あるいは水と反応させてゾル化、さらにはゲル化を
行う。その後、成形体を乾燥、焼成し、触媒を担持した
チタニアからなるコーティング層を形成する。
【0033】触媒活性金属種の塩としては、水に溶解す
るものであれば、炭酸塩、硝酸塩、酢酸塩、水酸化物な
ど、どのような種類のものでも用いることができる。ま
た、アルコキシドのアルコール溶液中に触媒金属の塩を
均一に分散させることを目的に、エチレングリコール等
の分散剤を添加するのが好ましい。
【0034】ゾル−ゲル法において、酸はゲル化の際の
加水分解反応の触媒として添加するものである。しか
し、酸の代わりにアルカリを添加しても、加水分解反応
を促進することができる。
【0035】なお、以上において担体層用セラミックス
としてチタニアを例に説明したが、それ以外のセラミッ
クの場合でも、同様にゾル−ゲル法により担持すること
ができる。例えば、触媒活性種をアルミナに担持させる
場合は、アルミニウムのアルコキシドを用い、上述のチ
タニアの場合と同様の方法で行う。その他の多孔質担体
を用いるときも同様である。
【0036】ゾル−ゲル法によれば、成形体中に触媒を
極めて均一に担持させることが可能であり、従って、触
媒活性が高まり、排ガス浄化能が向上する。
【0037】本発明における鎖式含酸素有機化合物とし
ては、標準状態で液体状態の鎖式含酸素有機化合物を用
いるのが好ましい。具体的には、炭素数2以上の鎖式ア
ルコール(例えばエタノール、プロパノール等)、ケト
ン(例えばエチルメチルケトン、ジメチルケトン等)、
エーテル(例えば、プロピルエーテル、ブチルエーテル
等)等が挙げられる。本発明において、含酸素有機化合
物を鎖式のものに限定しているのは、脂環式または芳香
族の含酸素有機化合物を用いると還元特性、実用性等の
点で好ましくないからである。また、450 ℃を超す沸点
を有する鎖式含酸素有機化合物(以下含酸素有機化合物
と呼ぶ)を用いると、通常のエンジン運転状況における
排ガスの温度では含酸素有機化合物が気化しにくく、NO
x の還元反応があまり進行しない。
【0038】含酸素有機化合物の添加量は、排ガス中に
含まれるNOx 量に対して、比(含酸素有機化合物の重量
/排ガス中のNOx の重量)で0.2 〜5とするのがよい。
この比が0.2 未満となると、含酸素有機化合物を添加し
た効果が顕著とならず、NOxの除去率が低下する。ま
た、5を超えると、添加した含酸素有機化合物が過剰と
なり、大気に放出される排ガス中に含酸素有機化合物が
残存することになる。
【0039】含酸素有機化合物の排ガス中への添加は、
噴霧等の公知の方法で行うことができる。
【0040】排ガス浄化装置内の排ガスの温度は、用い
る含酸素有機化合物(の沸点)により多少変更する必要
があるが、少なくとも200 〜500 ℃に保持する。この温
度範囲より下回ると、添加した含酸素有機化合物がガス
化しにくく、またその分解も起きにくくなり、NOx の効
果的な還元が得られない。また、この温度範囲を超える
高温とすると、添加した含酸素有機化合物自体が燃焼す
ることになるので、やはりNOx の低減率が低下する。
【0041】ところで、実際の自動車の排ガス温度は、
エンジンの運転状況によって刻々変化する。そこでNOx
の浄化を確実にするためには、排ガス温度を上述の温度
範囲内に制御するのがよい。その制御の一例として、た
とえば以下のような方法がある。すなわち、排ガス浄化
装置より上流側に排ガス流量を調節する弁を設け、排ガ
ス浄化装置内の排ガス温度をモニターしておき、排ガス
温度が上記範囲を下回った時点で弁を絞り排ガス温度を
上げる。なお、排ガス温度を下げる場合には、上述の操
作の反対の操作を行えばよい。
【0042】
【実施例】本発明の方法を以下の具体的実施例によりさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されな
い。
【0043】実施例1 コージェライト製セラミックからなるフォーム型の成形
体(見かけの体積2リットル、密度0.65g/ml)に、ウォ
ッシュコート法によりTiO2 −ZrO2 を成形体に対して
10%(重量%、以下同じ) コートした。
【0044】得られた成形体に、CsNO3 、CuCl2 及びLa
(NO 3 ) 3 の水溶液を用いて、TiO2 −ZrO2 に対して
Csを0.2 %、Cuを1%及びLaを0.2 %含浸し、乾燥後、
700℃で焼成し、浄化材を得た。なお、この浄化材にお
いて、Cs、Cu及びLaは酸化物として存在している。
【0045】この浄化材について、排気量510 ccのディ
ーゼルエンジンを用い、排ガス浄化材の上流側でエタノ
ール (排ガス中の濃度:500ppm)を添加し、排ガス浄化材
内の温度が300 ℃のときのNOx の転化率を求めた。な
お、排ガス浄化材の手前で排ガス中の炭素微粒子をフィ
ルタに捕捉し、予め炭素微粒子を除去しておいた排ガス
のみを浄化材に通した。エンジンの運転は、回転数を20
00rpm とし、負荷80%とした。この運転条件での排ガス
中のHCは全炭化水素の合計で90ppm、COは460ppm、NOx
は500 ppm 、O2 は10%、及びSO2 は200 ppm であっ
た。結果を表1に示す。
【0046】実施例2〜12 実施例と同様のフォーム型の成形体に、ウォッシュコー
ト法によりTiO2 −ZrO2 を成形体に対して10%コート
した。得られた各成形体に、CsNO3 、 CuCl 2 、CoC
l2 、酢酸マンガン、バナジン酸アンモニウム、Ce(NO
3 ) 3 及び/又はLa(NO 3 ) 3 の各水溶液を用いて、実
施例1と同様にして、以下の触媒活性種を有する浄化材
を作製した。また、各触媒活性種の担持量は、TiO2
ZrO2 に対してCu、Co、Mn及びVはそれぞれ1%となる
ようにし、またCs、Ce及びLaはそれぞれ0.2 %となるよ
うにした。
【0047】
【0048】得られた各浄化材について、実施例1と同
様にしてNOx の浄化率を求めた。結果を表1に合わせて
示す。
【0049】比較例1 実施例1と同様のフォーム型の成形体に、ウォッシュコ
ート法によりTiO2 −ZrO2 を成形体に対して10%コー
トした。得られた成形体に CuCl 2 の水溶液を用いてTi
2 −ZrO2 に対して Cu を1%担持し、エタノールの
代わりにプロピレンを添加した以外は実施例1と同様に
して浄化材を作製し、実施例1と同様にしてNOx の浄化
率を求めた。結果を表1に合わせて示す。
【0050】 表1例No. NOx 浄化率(1) 実施例1 62 実施例2 60 実施例3 58 実施例4 58 実施例5 56 実施例6 52 実施例7 55 実施例8 55 実施例9 50 実施例10 50 実施例11 50 実施例12 45 比較例1 2 表1注(1) :成形体通過前と、通過後の排ガス中のNOx
量から計算したNOxの浄化率(%)
【0051】表1から明らかなように、各実施例の排ガ
ス浄化材は、比較例1に比して高いNOx 浄化率を有す
る。
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明の方法によれ
ば、比較的低温で排ガス中のNOx を効果的に低減するこ
とができる。
【0052】本発明の方法は、ディーゼルエンジンの排
ガス等にみられるような酸化性雰囲気の排ガスに特に好
適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱多孔性成形体上に設けた多孔質のセ
    ラミック層に(a) アルカリ金属元素の1種又は2種以上
    と、(b)Cu 、Co、Mn及びVの1種又は2種以上とからな
    る触媒を担持してなる排ガス浄化材を排ガスの流路の途
    中に設置し、前記排ガス浄化材の上流側で前記排ガス中
    に鎖式含酸素有機化合物を添加し、前記鎖式含酸素有機
    化合物を還元剤として作用させて前記排ガス中の窒素酸
    化物を還元除去することを特徴とする排ガス浄化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の排ガス浄化方法におい
    て、前記鎖式含酸素有機化合物がアルコール、ケトン及
    びエーテルから選ばれた1種又は2種以上からなること
    を特徴とする排ガス浄化方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の排ガス浄化方法
    において、前記触媒がさらに(c) 希土類元素を含有する
    ことを特徴とする排ガス浄化方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の排ガ
    ス浄化方法において、前記排ガス浄化材を通る排ガスの
    温度を200 〜500 ℃に保つことを特徴とする排ガス浄化
    方法。
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