JPH05234325A - カード挿入口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 厚手のカードを取り扱うカードリーダ，カー
ドリーダ／ライタにおいて、薄手のカードを受け付けな
いようにできるカード挿入口を提供することを目的とす
る。 【構成】 差し込まれてきた厚手のカード２ａが突起体
６の傾斜面７ａに当接すると突起体６はカード２ａから
の分力を受けて付勢に抗して後退してカード２ａが突起
体６を乗り越えて通過する。薄手のカード２ｂが差し込
まれた場合には、突起体６の傾斜面７ａにカード２ｂが
当接するとカード２ｂが弾性変形して付勢に抗して突起
体６を移動させるだけの分力が発生せず、カード２ｂは
突起体６を乗り越えることができない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動販売機などに使用さ
れているカードリーダー／ライターのカード挿入口に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】自動販売機では現金取り扱いの簡素化に
よる販売処理時間のスピードアップや顧客の固定化など
を目的にして、個人認証機能あるいはプリペード機能を
有したカードで自動販売機を利用できるようになってき
ている。

【０００３】カードを大別するとデータが書き込まれる
磁気ストライプを有した磁気ストライプカードと半導体
メモリなどを埋め込んだＩＣカードとに分けることがで
きる。磁気ストライプカードは材質によって紙カードと
ＰＥＴ〔ポリエチレンテレフタレート〕カードまたはプ
ラスチックカードに分けることができる。そのカードの
厚みは、 紙カード ０．３ミリメートル ＰＥＴカード ０．２３〜０．２６ミリメー
トル プラスチックカード ０．７６ミリメートル であって、ＩＣカードは０．７６ミリメートルである。

【０００４】また、その材質と厚さとによって薄い紙カ
ードとＰＥＴカードとは湾曲し易く、プラスチックカー
ドとＩＣカードは湾曲しにくい性質を持っている。プラ
スチックカードまたはＩＣカードを受け付けるカードリ
ーダ，カードリーダ／ライタの従来のカード挿入口は図
６に示すように構成されている。

【０００５】差込口１から入力された厚手のカード〔プ
ラスチックカードまたはＩＣカード〕２ａは、カード挿
入路３を奥端側４に差し込まれて、プラスチックカード
の場合には磁気ヘッドで磁気ストライプの内容が読み取
られ、カードデータを更新する場合には磁気ヘッドによ
る磁気ストライプへの書き込みが実施されてカード挿入
路３を差込口１に向かってカード２ａが返送される。Ｉ
Ｃカードの場合にはカード挿入路３を奥端側４に差し込
まれカード２ａのコンタクト電極とカードリーダ，カー
ドリーダ／ライタの電極とが接触してデータの読み出し
や書き込みが実施されてカード挿入路３を差込口１に向
かってカード２ａが返送される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の構成
では、厚手のカード２ａを取り扱うカードリーダ，カー
ドリーダ／ライタに図７に示すように薄手のカード〔紙
カードまたはＰＥＴカード〕２ｂを利用者が知らずに差
込口１から入力した場合には、正常な読み取りができな
かったり、差し込まれた薄手のカード２ｂを差込口１へ
返送できない事態が発生する。

【０００７】本発明は厚手のカード２ａを取り扱うカー
ドリーダ，カードリーダ／ライタにおいて、薄手のカー
ド２ｂを受け付けないようにできるカード挿入口を提供
することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載のカード挿
入口は、カード挿入路内に突出する方向に付勢され前記
カード挿入路を閉塞する突出体を設け、この突出体には
差し込まれたカードに当接し前記付勢に抗して後退させ
る方向の分力が発生する傾斜面を形成したことを特徴と
する。

【０００９】請求項２記載のカード挿入口は、カード挿
入路を形成する対面のうちの一方の面側には他方の面に
接近する方向に付勢され前記カード挿入路を閉塞する突
出体を設け、この突出体には差し込まれたカードに当接
し前記付勢に抗して後退させる方向の分力が発生する傾
斜面を形成し、前記他方の面側には突出体の前記傾斜面
に当接して曲げられたカードの先端部分を収容する凹部
を形成したことを特徴とする。

【００１０】

【作用】請求項１の構成によると、突起体の傾斜面に差
し込まれてきた厚手のカードが当接すると突起体はカー
ドからの分力を受けて付勢に抗して後退してカードが突
起体を乗り越えて通過する。薄手のカードが差し込まれ
た場合には、突起体の傾斜面にカードが当接するとカー
ドが弾性変形して付勢に抗して突起体を移動させるだけ
の分力が発生せず、カードは突起体を乗り越えることが
できない。

【００１１】請求項２の構成によると、突起体の傾斜面
に当接して弾性変形した薄手のカードの先端はカード挿
入路の奥端側とは別の凹部に入り込んで、カード挿入路
の奥端側に入り込まないように確実にブロックされる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１〜図５に基づい
て説明する。なお、図６，図７と同様の作用をなすもの
には、同一の符号を付けて説明する。

【００１３】本発明のカード挿入口は図１と図２に示す
ように構成されている。図１の（ａ）に示すように差込
口１からカード挿入路３の奥端側４に続く途中には、圧
縮ばね５で突出する方向に付勢された突起体６が設けら
れている。この突起体６の先端形状は湾曲した傾斜面７
ａ，７ｂに形成されている。カード挿入路３の上面８に
は、カード幅以上の凹部９が形成されている。

【００１４】このように構成したため、差込口１から差
し込まれた厚手のカード２ａは先端が突起体６の前記傾
斜面７ａに当接し、この状態でカード２ａが更に押し込
まれると、傾斜面７ａには突起体６を圧縮ばね５の付勢
に抗して押し下げる方向の分力が発生して突起体６が図
１の（ｂ）に示すように後退してカード２ａが突起体６
を乗り越えて奥端側４に進入する。

【００１５】薄手のカード２ｂが差込口１から差し込ま
れた場合には、カード２ｂの先端が突起体６の前記傾斜
面７ａに当接し、この状態でカード２ｂが更に押し込ま
れるとカード２ｂ自身が図１の（ｃ）に示すように弾性
変形して凹部９に入り込んで、凹部９の終端に当接して
それ以上にカード２ｂを差し込むことができなくなっ
て、薄手のカード２ｂがカード挿入路３の奥端側４に侵
入する事態を確実に防止できる。

【００１６】凹部９が形成されていない状態でもカード
２ｂがカード挿入路３の奥端側４に侵入する事態を防止
できるけれども、この場合には突起体６の傾斜面７ａに
当接して弾性変形して曲げられたカード２ｂの先端がカ
ード挿入路３の上面８に衝突して再び弾性変形して上面
８と突起体６の先端との当接面または隙間に向かって曲
がった状態が発生した場合には、さらにカード２ｂが差
し込まれると、カード挿入路３の奥端側４に進入する可
能性が残されている。

【００１７】上記の実施例では突起体６は図２に示すよ
うに差込口１のほぼ全幅にわたって設けたが、これは図
３に示すように差込口１の中央にだけ設けたり、図４に
示すように幅の短い突起体６ａ，６ｂを間隔をあけて設
けても同様である。

【００１８】上記の実施例では突起体６の先端形状は湾
曲した傾斜面７ａ，７ｂに形成したが、これは湾曲して
いない平面で形成された傾斜面であっても同様である。
図５は別の実施例を示し、カード挿入路３の上面８には
突起体９の先端を収容する窪み10が形成されており、こ
の窪み10の奥端に凹部９が形成されている。

【００１９】この構成によると、薄手のカード２ｂをよ
り確実に凹部９に導くことができる。

【００２０】

【発明の効果】請求項１の構成によると、カード挿入路
内に突出する方向に付勢され前記カード挿入路を閉塞す
る突出体を設け、この突出体には差し込まれたカードに
当接し前記付勢に抗して後退させる方向の分力が発生す
る傾斜面を形成したため、厚手のカードが差し込まれた
場合には、差し込まれてきたカードが突起体の傾斜面に
当接すると突起体はカードからの分力を受けて付勢に抗
して後退してカードが突起体を乗り越えて通過し受け付
けることができる。薄手のカードが差し込まれた場合に
は、突起体の傾斜面にカードが当接するとカードが弾性
変形して付勢に抗して突起体を移動させるだけの分力が
発生せず、カードは突起体を乗り越えることができない
ため受け付けないため、薄手のカードが内部で詰まった
り返送不能に陥るような事態の発生を回避できる。

【００２１】請求項２の構成によると、カード挿入路を
形成する対面のうちの一方の面側には他方の面に接近す
る方向に付勢され前記カード挿入路を閉塞する突出体を
設け、この突出体には差し込まれたカードに当接し前記
付勢に抗して後退させる方向の分力が発生する傾斜面を
形成し、前記他方の面側には突出体の前記傾斜面に当接
して曲げられたカードの先端部分を収容する凹部を形成
したため、突起体の傾斜面に当接して弾性変形した薄手
のカードは、その先端がカード挿入路の奥端側とは別の
凹部に入り込んで、カード挿入路の奥端側に入り込まな
いように確実にブロックされ、信頼性がさらに向上する
ものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のカード挿入口の縦断面図である。

【図２】本発明のカード挿入口の正面図である。

【図３】別の実施例の正面図である。

【図４】別の実施例の正面図である。

【図５】別の実施例の縦断面図である。

【図６】従来のカード挿入口に厚手のカードが差し込ま
れた状態の縦断面図である。

【図７】従来のカード挿入口に薄手のカードが差し込ま
れた状態の縦断面図である。

【符号の説明】

１ 差込口 ２ａ 厚手のカード ２ｂ 薄手のカード ３ カード挿入路 ４ 奥端側 ５ 圧縮ばね ６ 突起体 ７ａ，７ｂ 傾斜面 ９ 凹部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カード挿入路内に突出する方向に付勢さ
   れ前記カード挿入路を閉塞する突出体を設け、この突出
   体には差し込まれたカードに当接し前記付勢に抗して後
   退させる方向の分力が発生する傾斜面を形成したカード
   挿入口。
2. 【請求項２】 カード挿入路を形成する対面のうちの一
   方の面側には他方の面に接近する方向に付勢され前記カ
   ード挿入路を閉塞する突出体を設け、この突出体には差
   し込まれたカードに当接し前記付勢に抗して後退させる
   方向の分力が発生する傾斜面を形成し、前記他方の面側
   には突出体の前記傾斜面に当接して曲げられたカードの
   先端部分を収容する凹部を形成したカード挿入口。