JPH0523373U - フツトコントローラ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 足の垂直及び水平両方向の回転操作を円滑且
つ的確に行い得るようにして操作性を向上させる。 【構成】 基台１に軸２で垂直回転ペダル３を枢着して
上方へ付勢し、この垂直回転ペダル３の踵部に水平回転
ガイド５をペダル上面から突出して回転可能に枢着する
と共に、爪先部の裏面に軸６で水平移動操作子７を回動
可能に枢着し、その操作部７ａをペダル面に設けた長孔
３ａを挿通して上面に突出させ、水平回転ガイド５及び
水平移動操作子７上に足を載せた時、足の裏面がペダル
３に接触しないようにする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、足の操作により楽音制御信号を出力させる電子楽器用のフットコ ントローラに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のフットコントローラは足の垂直方向の回動操作により楽音の音量を制 御するエクスプレッションペダルとして用いられるのが普通であったが、シンセ サイザの発達やＭＩＤＩの登場により、上記の音量制御に加えてさらに多くの楽 音制御を行うことが要求されるようになった。

【０００３】 このような目的を達成するための従来技術としては、例えば実開昭５２−１０ ３６１７号公報や実開昭６２−９４３９６号公報に示されるようにペダル自体を 上下・左右に回動操作し得るようにしたもの、実開平２−１４０７２３号公報に 示されるようにペダル全体で上下方向、踵部で左右方向の回動操作を行うように したもの等が知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来のフットコントローラにあっては、いずれも操 作性、特に水平方向の操作性に問題点があった。

【０００５】 すなわち、その第１，第２のものは、足または靴の裏面とペダルとの間に作用 する摩擦力によってペダルを左右方向に回動させるものであるので、足とペダル とが滑りやすい場合などには所要量の回転が得られないおそれがあり、それを回 避するためにはペダルの表面に特殊の滑り止め加工を施すことが必要となって生 産コストの上昇を招く結果となる。

【０００６】 また、第３のものは、爪先をペダル面に接触させた状態のまま、踵で左右方向 の回転を制御しなければならないので操作が難しく、その操作性を向上させるた めに爪先をペダルから放し、踵で回転操作をすると、本来の垂直回転操作ができ ないという問題があった。

【０００７】 この考案は上記の点に鑑みてなされたものであり、垂直，水平両方向の回転操 作性が良好なフットコントローラを安価に提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

この考案は上記の目的を達成するため、独立した２方向の足の操作を検出して 、それぞれ別個の楽音制御信号を出力させる電子楽器用のフットコントローラで あって、上下方向に回動可能な垂直回転ペダルと、この垂直回転ペダルの踵部上 面に突出して回動可能に枢着した水平回転ガイドと、爪先部に突出して左右方向 に変位可能に設けた水平移動操作子とを有し、上記水平回転ガイド及び水平移動 操作子上に載せた足が上記垂直回転ペダルに接触しないようにしたフットコント ローラを提供するものである。

【０００９】

【作用】

この考案によるフットコントローラは上記のように構成することにより、垂直 ペダル上に載せた足を踏み込むことにより、水平移動操作子を介して垂直回転ペ ダルを上下方向に回動させてそれに対応する楽音制御信号を出力させることがで き、水平回転ガイド上に載せた踵を支点として爪先を左右方向に回動させること により、それに対応する別の楽音制御信号を出力させることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、この考案の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。 図１はこの考案の一実施例の外観を示す斜視図、図２はその平面図、図３は図 ２のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。

【００１１】 このフットコントローラは、基台１と、この基台１に軸２で上下方向に揺動回 転可能に枢着された垂直回転ペダル（以下「ペダル」という）３とを備え、基台 １との間に軸２を巡って係着したスプリング（図示しない）によりペダル３を常 時上方へ付勢している。

【００１２】 このペダル３に足または靴を載せた時にその踵に接する踵部に軸４で水平回転 ガイド５を上方へ突出させて回動自在に枢着すると共に、爪先近傍に接する爪先 部の裏面に軸６で水平移動操作子７を軸着し、図３に示すようにその操作部７ａ をペダル３の長孔３ａを挿通して上方へ突出させて、ペダル面からの突出量を水 平回転ガイド５の突出量とほぼ同等とし、足または靴（以下「足Ｆ」という）を 載せた状態でその裏面Ｆ′がペダル３に触れないようにその突出量を設定する。

【００１３】 一方、基台１側に例えばラウドネスコントロール回路を組み込んだ第１のコン トロール回路のロータリーボリューム８を固設し、その回転軸８ａをリンク９を 介してペダル３の下面に突出したアーム１０の下端部に連結し、ペダル３の上下 方向の回転に対応して回転軸８ａが回転し、その抵抗値が変化して第１の出力信 号を発生させるようにする。また、ペダル３の先端部下面に例えばビブラートや トレモロ効果用の回路を組み込んだ第２のコントロール回路の角度センサ１１（ 非接触）を設け、水平移動操作子７の回転量をデジタル式に検出して第２の出力 信号を発生させるようにする。

【００１４】 この実施例は上記のような構成からなり、ペダル３上に足Ｆを載せると、その 踵は水平回転ガイド５に当接し、爪先部近傍は水平移動操作子７に当接して足Ｆ の裏面Ｆ′はペダル面から離間した状態となる。

【００１５】 この状態から爪先を踏み込むと、水平移動操作子７を介してペダル３がその付 勢力に抗して下方に回転し、その踏込み量に応じてロータリーボリューム８の回 転軸８ａが回転する。これにより、第１のコントロール回路の出力信号が変化し て楽音信号レベルを増加させると共に、高音域及び低音域の信号レベルが上って ラウドネス効果が得られる。

【００１６】 また、踵を水平回転ガイド５上に載せたまま、爪先を左右方向にねじると、水 平回転ガイド５が回転するとともに水平移動操作子７が揺動回転し、その回転量 を角度センサ１１が検出して第２のコントロール回路の出力信号が増減し、ビブ ラートやトレモロ効果を任意にコントロールすることができる。この時、足Ｆの 裏面Ｆ′とペダル面とは非接触状態に保たれているので、操作性はきわめて良好 である。

【００１７】 これらの２操作はそれぞれ別個に行うことも同時に行うことも可能であり、別 個に行う場合には水平回転ガイド５がペダル３の軸２より後方に位置しているの で、足Ｆに力を入れてもペダル３が下方へ回転するおそれがなく、ペダル３を上 昇位置に保ったまま容易に水平回転を行うことができる。

【００１８】 なお、上記実施例では垂直回転量の検出にロータリーボリュームを用いたが 、光センサ等を用いてもよく、水平回転量の検出に用いた角度センサはアナログ 検出可能な接触式であっても差支えない。また、水平移動操作子は中立点から左 右両方向に操作することによりそれぞれ別個の楽音制御を行うようにすることも でき、その軸は水平回転ガイド５側に設けることも可能である。

【００１９】

【考案の効果】

以上述べたように、この考案によるフットコントローラは、ペダルの踵部に水 平回転ガイドを突設すると共に、爪先部に水平移動操作子を突設し、これらに足 を載せた時に足の裏面がペダル面に接触しないようにしたので、水平方向の回転 に際してペダルとの摩擦による抵抗が排除され円滑で且つきわめて的確な回転が 可能となり、特に水平回転方向の操作性を著しく向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例の外観を示す斜視図であ
る。

【図２】同じくその平面図である。

【図３】図２のＸ−Ｘ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１…基台、２…軸、３…垂直回転ペダル、４…軸、５…
水平回転ガイド、６…軸、７…水平移動操作子、８…ロ
ータリーボリューム、９…リンク、１０…アーム、１１
…角度センサ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 独立した２方向の足の操作を検出して、
   それぞれ別個の楽音制御信号を出力させる電子楽器用の
   フットコントローラであって、 上下方向に回動可能な垂直回転ペダルと、該垂直回転ペ
   ダルの踵部上面に突出して回動可能に枢着した水平回転
   ガイドと、爪先部に突出して左右方向に変位可能に設け
   た水平移動操作子とを有し、前記水平回転ガイド及び水
   平移動操作子上に載せた足が前記垂直回転ペダルに接触
   しないようにしたことを特徴とするフットコントロー
   ラ。