JPH05230862A - 水洗便器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 局部洗浄ノズル７の洗浄機能を備えた温水洗
浄装置、便器ボール内側壁に沿って洗浄水を噴出させる
第１洗浄手段６、汚物を便器より排出する第２洗浄手段
１１、および便器使用時に第１洗浄手段５と局部洗浄ノ
ズル７の洗浄機能とを同時に作動させる自動制御手段と
を備える 【効果】 便器ボール面５および局部洗浄ノズル７への
汚物付着を確実に、かつ効率よく防止することのできる
簡単な構造の温水洗浄装置付き便器が提供される。その
結果、便器使用時の汚物付着による不快感、不潔感が解
消されるとともに、便器の清掃も容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、水洗便器に関するも
のである。さらに詳しくは、この発明は、便器ボール面
および局部洗浄ノズルへの汚物の付着を防止し、常に清
潔な状態での使用を可能とする簡単な構造からなる温水
洗浄装置付き水洗便器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より、様々な意匠と構造からなる腰
掛式等の水洗便器が知られており、たとえば図４に示し
たような、局部洗浄ノズル（ア）から温水を噴出させ
て、便器使用後に局部を洗浄する温水洗浄装置付きの水
洗便器が普及してきてもいる。このような水洗便器にお
いては、種々の機能を備えた温水洗浄装置が用いられて
いるが、たとえば図５に模式的に示したように貯水タン
ク（イ）の水をポンプ（ウ）によって温水タンク（エ）
に給水し、温水タンク（エ）内の圧力を上昇させること
により、予め適温に保温した温水タンク（エ）の洗浄水
を局部洗浄ノズルブロック（オ）に供給するようにして
いる。

【０００３】そして、この局部洗浄ブロック（オ）にお
いて、洗浄水は、まず、図６（ａ）にもその側断面図を
示したように、局部洗浄ノズル（ア）の洗浄に用いられ
る。すなわち、便器の使用直前からその使用中において
は、電磁弁（カ）を閉じており、洗浄水を図中斜線で示
したように、ノズル洗浄経路（キ）に通水する。この
時、ノズル洗浄経路（キ）に介在する圧力弁（ク）は開
いており、洗浄水は局部洗浄ノズル（ア）周囲の吐水口
（ケ）から噴出させ、局部洗浄ノズル（ア）を洗浄す
る。

【０００４】一方、便器使用後は、図６（ｂ）に示した
ように、電磁弁（カ）を開き、洗浄水を局部洗浄経路
（コ）に通水し、局部洗浄ノズル（ア）の吐水口（サ）
から噴出させて局部を洗浄する。この時、ノズル洗浄経
路（キ）の圧力弁（ク）は、局部洗浄経路（コ）からの
分岐経路（シ）を通水する洗浄水の圧力によって閉じた
状態になっている。

【０００５】このように、従来の温水洗浄装置の場合に
は、便器の使用直前から使用中にかけて、局部洗浄ノズ
ル（ア）自体を洗浄することによって、汚物がそのノズ
ル（ア）に付着しないように工夫されている。また、便
器ボール面への汚物の付着防止についても種々の工夫が
なされており、たとえば図７に示したように、便器ボー
ル内側壁（ス）に配設したノズル（セ）から洗浄水を噴
出させ、便器ボール面（ソ）に予め水膜を形成させるこ
とによって汚物の付着を防止するようにした水洗便器も
提案されている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、たとえ
ば図６（ａ）（ｂ）に例示したような機能を有する温水
洗浄装置の場合には、局部洗浄ノズル（ア）の吐水口
（サ）から洗浄水を噴出させる時のみ、それに先立って
ノズル（ア）の洗浄を行なうため、局部洗浄の頻度が低
い場合にはノズル（ア）に汚れが付着しやすくなるとい
う問題があった。

【０００７】また、このような温水洗浄装置に加えて、
図７に例示したような水膜形成用のノズル（セ）を配設
した場合には、貯水タンク（イ）からこのノズル（セ）
に給水するための専用ポンプやその制御装置等を新たに
設置する必要があり、これらの収納スペースを確保する
ために便器本体が大型化し、内部構造も複雑化するとい
う問題が避けられなかった。

【０００８】このため、局部洗浄ノズル（ア）の洗浄機
能をも有する温水洗浄装置と、便器ボール面（ソ）への
汚物付着防止機能を併せ持つような水洗便器の実現は困
難であった。この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであり、従来の水洗便器の利点を利用しつつ
その欠点を解消し、便器ボール面および局部洗浄ノズル
への汚物の付着を効率よく防止することのできる簡単な
構造からなる新しい水洗便器を提供することを目的とし
ている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、局部洗浄ノズルの洗浄機能を備
えた温水洗浄装置、便器ボール内側壁に沿って洗浄水を
噴出させる第１洗浄手段、汚物を便器より排出する第２
洗浄手段、および便器使用時に第１洗浄手段と局部洗浄
ノズルの洗浄機能とを同時に作動させる自動制御手段と
を有してなることを特徴とする水洗便器を提供する。

【００１０】

【作用】この発明の水洗便器においては、便器を使用す
る毎に、便器ボール面を洗浄する第１洗浄手段と、温水
洗浄装置の局部洗浄ノズルの洗浄機能とが同時に作動す
る。このため、便器使用時には常にボール面に水膜が形
成され汚物が付着しにくく、しかも局部洗浄を行なわな
い場合でも局部洗浄ノズルは常に清潔な状態に保たれ
る。

【００１１】しかも、第１洗浄手段と温水洗浄装置の温
水タンクへは同一のポンプから洗浄水を供給するため、
構造を簡略化することができ、便器本体が大型化するこ
ともない。

【００１２】

【実施例】以下、添付した図面に沿って実施例を示し、
この発明についてさらに詳しく説明する。図１は、この
発明の水洗便器の一実施例を示した側断面図である。た
とえばこの図１に示したように、この発明の水洗便器に
は、便器本体（１）の上部後方に本体ケース（２）をと
りつけ、この本体ケース（２）の前方には、便座（３）
および便蓋（４）を開閉自在に固定している。

【００１３】さらにこの水洗便器の便器本体（１）は、
そのボール面（５）の後部側壁に、便器の使用に先立っ
てボール面に水膜を形成するための第１洗浄水を吐水す
る第１洗浄ノズル（６）と、便器使用後に局部に温水洗
浄水を射水する局部洗浄ノズル（７）を備えている。な
お、この局部洗浄ノズル（７）には、第１洗浄水の吐水
と同時に、ノズル洗浄水が噴出するようになっている。
また、この便器本体（１）のリム通水路（８）は、給水
室（９）を介して本体ケース（２）に配設した貯水タン
ク（１０）と連通し、便器使用後はリム通水路（８）の
射水口（１１）から第２洗浄水が吐水し、ボール面
（５）を流れ落ちて汚物を排出口（１２）へと排出する
ようにもなっている。

【００１４】このように、この発明の水洗便器は、その
使用の前後に、それぞれ異なった種類の洗浄水を利用す
ることができるが、これらのうち、第１洗浄ノズル
（６）を用いる第１洗浄と、局部洗浄ノズル（７）を用
いる局部温水洗浄、および局部洗浄ノズル（７）自体の
洗浄は、各々、本体ケース（２）に配設した制御装置に
よって作動するようになっている。

【００１５】図２は、これらの各洗浄手段の制御装置の
構成を例示した便器平面図である。たとえばこの図２に
示したように、この発明の水洗便器においては、本体ケ
ース（２）の内部に、ポンプ（１３）、温水タンク（１
４）、局部洗浄ノズルブロック（１５）および制御回路
（１６）を配設し、これらによって温水洗浄装置を形成
するとともに、第１洗浄のための電磁弁（１７）をも配
設している。

【００１６】ポンプ（１３）は接続ホース（１８ａ）を
介して貯水タンク（１０）に連通し、さらにこのポンプ
（１３）は分岐パイプ（１９）を介して温水タンク（１
４）および電磁弁（１７）に通水している。電磁弁（１
７）は接続ホース（１８ｂ）によって、便器ボール面
（５）の内側壁に設けた第１洗浄ノズル（６）に通水
し、一方、温水タンク（１４）は接続ホース（１８ｃ）
によって局部洗浄ノズルブロック（１５）に通水する。
また、制御回路（１６）は、本体ケース（２）や便座
（３）、便蓋（４）等に設置した感圧センサー等の感知
手段を接続している。

【００１７】次に、この発明の水洗便器における、それ
ぞれの洗浄手段の作動状態を、図３に例示した模式図に
沿って説明する。まず、感知手段（２０）がこの便器の
使用を感知すると、その信号が制御回路（１１）に入力
され、制御回路（１１）はその出力信号によってポンプ
（１３）および電磁弁（１７）を一定時間作動させる。
その結果、貯水タンク（２）から第１洗浄ノズル（６）
に洗浄水が給水され、ボール面（５）に水膜を形成する
ための第１洗浄が行なわれる。同時に、貯水タンク
（２）の水がポンプ（１３）から分岐パイプ（１９）を
介して温水タンク（１４）へ給水されるため、タンク内
の水圧が上昇し、タンク内の温水が接続ホース（１８
ｃ）を介して局部洗浄ノズルブロック（１５）に供給さ
れる。ただし、この段階では、まだ局部洗浄を行なわな
いため、局部洗浄ノズルブロック（１５）の電磁弁（２
１）は閉じている。このため、温水はノズル洗浄経路
（２２）を通水し、開放状態の圧力弁（２３）を通過し
て局部洗浄ノズル（７）の周囲に噴出する。

【００１８】ポンプ（１３）は、一定時間作動したのち
自動的に停止するため、これらの第１洗浄および局部洗
浄ノズル（７）に対する洗浄も停止する。なお、ポンプ
（１３）の吸水量を手動または自動で変化させることに
より、第１洗浄の洗浄範囲や洗浄水量、あるいは局部洗
浄ノズル（７）に対する洗浄水量をコントロールするこ
とができる。このようなポンプ（１３）の制御は、電圧
制御やデューティ制御等を用いて行なうことができる。

【００１９】次いで、便器使用後に局部温水洗浄を行な
う場合には、制御回路（１１）からの信号によって、第
１洗浄手段の電磁弁（１７）を閉じ、ポンプ（１３）の
みを作動させる。また、局部洗浄ノズルブロック（１
５）内の電磁弁（２１）は開放状態とする。その結果、
貯水タンク（２）の水は温水タンク（１４）にのみ供給
され、温水タンク（１４）内の温水が局部洗浄ノズルブ
ロック（１５）の局部洗浄経路（２４）を介して局部洗
浄ノズル（７）の射水口（２５）から局部へと射水す
る。

【００２０】この場合もポンプ（１３）は一定時間の
後、自動的に停止するため、局部温水洗浄も自動的に停
止する。もちろんこの発明は、以上の例によって限定さ
れるものではなく、細部については様々な態様が可能で
あることは言うまでもない。

【００２１】

【発明の効果】以上詳しく説明した通り、この発明によ
って、便器ボール面および局部洗浄ノズルへの汚物付着
を確実に、かつ効率よく防止することのできる簡単な構
造の温水洗浄装置付き便器が提供される。その結果、便
器使用時の汚物付着による不快感、不潔感が解消される
とともに、便器の清掃も容易となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の一実施例を示した側断面図である。

【図２】図１に例示した水洗便器の平面透視図である。

【図３】この発明における各洗浄手段の構成を例示した
模式図である。

【図４】温水洗浄装置付き便器を例示した斜視図であ
る。

【図５】従来の温水洗浄装置の構成を例示した模式図で
ある。

【図６】（ａ）（ｂ）は、各々、局部洗浄ノズルに対す
る洗浄時および局部洗浄時における温水流水状態を示し
た側面模式図である。

【図７】第１洗浄手段を備えた水洗便器を例示した平面
図である。

【符号の説明】

１ 便器本体 ２ 本体ケース ３ 便座 ４ 便蓋 ５ ボール面 ６ 第１洗浄ノズル ７ 局部洗浄ノズル ８ リム通水路 ９ 給水室 １０ 貯水タンク １１ 噴水口 １２ 排出口 １３ ポンプ １４ 温水タンク １５ 局部洗浄ノズルブロック １６ 制御回路 １７、２１ 電磁弁 １８ａ、１８ｂ、１８ｃ 接続ホース １９ 分岐パイプ ２０ 感知手段 ２２ ノズル洗浄回路 ２３ 圧力弁 ２４ 局部洗浄経路 ２５ 射水口

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南山 貴哉 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 能間 紀夫 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 山崎 晴夫 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 三岡 嘉昭 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 局部洗浄ノズルの洗浄機能を備えた温水
   洗浄装置、便器ボール内側壁に沿って洗浄水を噴出させ
   る第１洗浄手段、汚物を便器より排出する第２洗浄手
   段、および便器使用時に第１洗浄手段と局部洗浄ノズル
   の洗浄機能とを同時に作動させる自動制御手段とを有し
   てなることを特徴とする水洗便器。
2. 【請求項２】 自動制御手段に接続した感知手段を、便
   座もしくは便蓋に有してなる請求項１の水洗便器。
3. 【請求項３】 同一ポンプから分岐した洗浄水を局部洗
   浄ノズルおよび第１洗浄手段に給水する請求項１の水洗
   便器。