JP2763609B2 - 洗浄給水装置 - Google Patents

洗浄給水装置

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、便器のボウル部とジェット噴出孔へ洗浄水
を独立に供給する装置に関する。
(従来の技術) トラップ排水路へ洗浄水を供給してトラップ排水路に
サイホン作用を発生させ、ボウル部の汚物・汚水を排出
させた後に、ボウル部へ給水してボウル部の洗浄ならび
に封水を行うようにした洗浄給水装置は特公昭55−3009
2号公報で知られている。
(発明が解決しようとする課題) この従来の洗浄給水装置は少量の洗浄水で便器の洗浄
を行うことができるが、汚物・汚水を排出させた後にボ
ウル部への封水給水を行うので、ボウル部の壁面に汚物
等が付着している場合、これが封水中に残り好ましくな
い。
また第7図に示すように、ボウル部100の底部に設け
られたジェット用ノズル101から洗浄水をトラップ排水
路102の上昇管部103へ向けて噴射し、この洗浄水でトラ
ップ排水路102にサイホン作用を発生させる構造のサイ
ホンジェット式便器においては、汚物が上昇管部103の
流入口104を塞ぐ形で存在したり、ジェット用ノズル101
のジェット噴出射孔105の直前にある場合は、この汚物
が噴出孔105から噴射される洗浄水流を妨げるので、サ
イホン作用を効率よく発生させることができない。
このため、便器の洗浄が不十分となったり、あるい
は、複数回の洗浄給水を行うため多量の洗浄水を消費す
ることとなる。
本発明はこのような課題を解決するためなされたもの
で、比較的少量の洗浄水で便器の洗浄を効果的に行わせ
ることのできる洗浄給水装置を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) 前記課題を解決するため本発明に係る洗浄給水装置
は、洗浄起動入力に基づいて制御装置は、少なくともジ
ェット噴出孔−ボウル部−ジェット噴出孔の順に給水す
るよう弁機構を駆動することを特徴とする。
(作用) まずジェット噴出孔へ給水し、ジェット噴出孔から噴
射される洗浄水によって、ボウル部の底部の汚物等を粉
砕もしくは移動させる。次に、ボウル部へ給水し、ボウ
ル部の壁面を洗浄する。そして、再度ジェット噴出孔へ
給水して、トラップ排水路にサイホン状態を発生させ、
汚物・汚水の排出を行わせる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明に係る洗浄給水装置を備えた便器の縦
断面図である。
図において1はサイホンジェット式の便器であり、便
器1は隔壁2で区画されたボウル部3とトラップ排水路
4を有する。トラップ排水路4は、ボウル部3の後壁下
部に開設した流入口5と、便器1の略中央部底面に開設
した流出口6とを略逆U字状に屈曲して連結しており、
トラップ排水路4の堰部4aより下流側の排出路4bを略直
管形状に形成している。そして、その下端部である流出
口6近傍に管壁を内方へ縮径した絞り部4cを設けるとと
もに、排出路4bの管壁に複数の突起4bを第2図に示すよ
うに所定間隔で螺旋状に配設している。
ボウル部3の上端周縁のリム部7には、リム通水路8
をボウル部3の内方へ突出するように環状に形成し、こ
のリム通水路8の底面にリム射水孔9を適宜間隔毎にボ
ウル部3に対して斜めに開設する。また、リム通水路8
は後部においてリム給水室10に連通しており、このリム
給水室10の上面にはリム給水口11を穿設している。
ボウル部3の底部に、ジェット用ノズル12をジェット
噴射孔13がトラップ排水路4の流入口5を指向するよう
水密状態で取着している。
便器1の後部上方にボックス14を設け、このボックス
14内に洗浄給水装置15を収納する。洗浄給水装置15は、
制御装置16と、この制御装置16に洗浄起動入力を与える
操作部17と、ボウル用弁機構18、トラップ用弁機構19、
および大気開放弁20とから構成する。
給水管21は分岐され各弁機構18,19の一端へ接続さ
れ、ボウル用弁機構18の他端は、リム給水室10のリム給
水口11へ接続される。トラップ用弁機構19の他端は大気
開放弁20を介してジェット用導水管22の一端へ接続し、
ジェット用導水管22の他端はジェット用ノズル12のジェ
ット給水口23へ接続している。このジェット用導水管22
は金属・合成樹脂あるいは合成ゴム製の管を用い、その
長さが短くなるようボウル部3の後部下面に沿って配設
している。
第3図は洗浄給水装置のブロック構成図である。
制御装置16は、入力インタフェース回路16a、マイク
ロプロセッサ(以下MPUと記す)16b、メモリ16c、タイ
マ16dおよび出力インタフェース回路16eから構成する。
入力インタフェース回路16aには操作部17が接続され、
出力インタフェース回路16eにはボウル用およびトラッ
プ用の各弁機構18,19が接続される。
操作部17は、便器1の洗浄を開始させるためのスイッ
チを備えており、このスイッチの開閉は起動信号線17a
により制御装置16に入力される。
なお、操作部17には、洗浄水の供給量を選択できるよ
う複数の操作ボタンを設けてもよい。また、着座を検出
するスイッチあるいはセンサ等を設け、これらの信号を
制御装置に入力して、着座状態のみ操作部17の操作を有
効としたり、あるいは、着座状態から未着座状態となっ
たのち所定時間後に自動的に洗浄を開始させる構成であ
ってもよい。
ボウル用およびトラップ用弁機構18,19は電磁開閉弁
で構成し、この電磁開閉弁は所定の電圧を印加した時
に、開弁状態になるものを用いる。18a,19aは各弁機構1
8,19を駆動するための弁駆動線である。
メモリ16cには、洗浄水の給水順序および給水時間に
関するデータが予め記憶されている。
次に、第4図のタイムチャートおよび第5図のフロー
チャートを参照に本実施例の動作を説明する。なお、第
5図でS1〜S11はフローチャートの各ステップを示す。
また、説明の都合上、各弁機構18,19をボウル用弁、ト
ラップ用弁と記す。
操作部17からの起動信号を受けると、制御装置16内の
MPU16bはタイマー16dを起動し(S1)、同時に出力イン
タフェース回路16eを介してトラップ用弁19を開状態に
駆動する(S2)。これにより、ジェット噴射孔13から洗
浄水が噴射され、ボウル部3の底部に汚物等がある場合
は、これを粉砕もしくは分散させる。
MPU16bはタイマ16dの経過時間を監視しており、この
プリジェット給水開始時間t1が経過した時点で(S3)、
トラップ用弁19を閉状態へ駆動するとともに(S4)、ボ
ウル用弁18を開状態に駆動する(S5)。これにより、ジ
ェット噴出孔13からのプリジェット給水は停止され、リ
ム射水孔9からボウル部3へ洗浄水が供給され、ボウル
部3の壁面を洗浄するとともに、溜水24に渦を発生させ
る。
MPU16bはタイマ16dの経過時間を監視しており、リム
射水孔9からの前洗浄給水時間t2が経過した時点で(S
6)、ボウル用弁18を閉状態に駆動するとともに(S
7)、トラップ用弁19を開状態に駆動する(S8)。これ
により、前洗浄給水は停止され、ジェット用ノズル12の
噴出孔13からトラップ排水路4の上昇管部に向けて洗浄
水が噴射される。この洗浄水は堰部4aを勢いよく越えて
排出路4b側へ流入し、排出路4bの突起4dに衝突し流れを
変えながら排出路4bの管内全体に亘って略均一に流れ落
ちる。この洗浄水により流出口6近傍に設けた絞り部4c
部分に水シールが発生し、トラップ排水路4内の空気は
洗浄水とともに流出口6から図示しない排水管へ排出さ
れる。このため、トラップ排水路4内に負圧が発生し、
ボウル部3内の溜水24がトラップ排水路4内に呼び込ま
れ、トラップ排水路4内は洗浄水で充満された完全なサ
イホン状態となる。このサイホン状態になるとトラップ
排水路4の流量は急激に増加し、洗浄水の供給量以上と
なって汚物・汚水の排出が開始される。
本実施例ではサイホン作用が発生した後もジェット噴
出孔13への給水を継続させて、汚物・汚水をトラップ排
水路4内へ押し込むようにしている(ブロー効果)。一
方、サイホン状態は溜水24の水位が隔壁2の下端2aまで
低下し、トラップ排水路4内へ空気が流入した時点で停
止する。そして、これ以降はジェット噴出孔13から噴射
される洗浄水によってボウル部3に封水がなされる。一
方、MPU16bはメモリ16c内に予め記憶されているトラッ
プ部給水時間t3が経過した時点で(S9)、トラップ用弁
19を閉状態に駆動し、タイマ16dを停止させる(S11)。
以上で第4図に示す一連の洗浄動作を完了する。
なお、洗浄給水の順序は第6図に示すように、サイホ
ン作用を発生させた後にトラップ用弁19を閉弁させ、サ
イホン作用が終了した以降にボウル用弁18を開状態にし
てリム射水孔9から封水のための給水を行うようにして
もよい。
また、プリジェット給水期間中はボウル用弁18の開閉
を繰り返して洗浄水を間欠的に噴射するよう構成しても
よいし、さらに、ボウル用弁18を単なる開閉弁ではなく
流量調節弁として、制御装置16は流量調節弁の開度を周
期的に異なえてジェット噴出流に強弱を与えるよう構成
してもよい。
また、最初のジェット給水時にサイホン作用を発生さ
せるようにしてもよい。
また、洗浄給水装置15を便器1に内蔵せずに、トイレ
の壁面等に取り付ける構造としてもよい。
(発明の効果) 以上説明したように本発明に係る洗浄給水装置は、洗
浄起動入力に基づいてジェット噴出孔へまずプリジェッ
ト給水を行い、ボウル部底部の汚物も粉砕もしくは移動
させた後に、ボウル部へ給水してボウル部壁面の付着汚
物等を洗い流し、次にジェット噴出孔へサイホン作用発
生のための給水を行って汚物・汚水の排出を行わせるの
で、サイホン作用発生のためのジェット噴出流が汚物等
で妨げられることがなく、サイホン作用を確実に発生さ
せることができるとともに、封水中に汚物等が残留する
ことがなく、比較的少量の洗浄水で便器の洗浄を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る洗浄給水装置を備えた便器の縦断
面図、第2図は第1図のII−II線断面図、第3図は洗浄
給水装置のブロック構成図、第4図は給水順序を示すタ
イムチャート、第5図は制御装置の動作を示すフローチ
ャート、第6図は他の給水順序を示すタイムチャート、
第7図は従来のサイホンジェット式便器の作用を説明す
る要部縦断面図である。 なお、図面中、1は便器、3はボウル部、4はトラップ
排水路、9はリム射水孔、11はリム給水口、12はジェッ
ト用ノズル、13はジェット噴出孔、15は洗浄給水装置、
16は制御装置、17は操作部、18はボウル用弁機構、19は
トラップ用弁機構、21は給水管、23はジェット給水口で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 信次 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 新原 登 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (56)参考文献 特開 平2−35132(JP,A) 特開 平3−90741(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03D 11/02 E03D 5/10 E03D 3/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便器のボウル部及びジェット噴出孔へ洗浄
    水を独立に供給する装置において、この装置は前記ボウ
    ル部及びジェット噴出孔への給水を制御する弁機構と、
    洗浄起動入力に基づいて少なくともジェット噴出孔、ボ
    ウル部、ジェット噴出孔の順で給水するよう前記弁機構
    を駆動する制御装置とを備えたことを特徴とする洗浄給
    水装置。
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