JP2841536B2 - 便器の洗浄給水装置 - Google Patents

便器の洗浄給水装置

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JP2841536B2 JP22804689A JP22804689A JP2841536B2 JP 2841536 B2 JP2841536 B2 JP 2841536B2 JP 22804689 A JP22804689 A JP 22804689A JP 22804689 A JP22804689 A JP 22804689A JP 2841536 B2 JP2841536 B2 JP 2841536B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は便器の複数の給水口へ洗浄水を独立に給水す
ることのできる便器の洗浄給水装置に関する。
(従来の技術) 特公昭55−30092号公報で便器のトラップ排水路とリ
ム給水路とへ洗浄水を独立に供給する洗浄給水装置が開
示されている。
この装置は、二つの電磁弁を備え、制御装置は各電磁
弁の開閉を制御してトラップ排水路へ給水した後、リム
給水路へ給水するよう構成されている。
(発明が解決しようとする課題) 従来の洗浄給水装置にあっては、給水出力の変化によ
り給水量が変化してしまう。このため給水圧が高い場合
には過剰に洗浄水が供給され節水の点から好ましくな
く、逆に給水圧が低い場合には洗浄水が不足して便器の
洗浄が不完全になるという問題点を有していた。
本発明は、従来の技術が有するこのような問題点に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、給
水圧力の変化に影響を受けずに所定量の洗浄水を供給し
て便器の洗浄を確実に行うことの出来る洗浄給水装置を
提供しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決すべく本発明は、便器へ洗浄水を供給
する給水管を分岐して便器の各部へ洗浄水を供給する装
置において、前記給水管に流量調節弁及び流量検出手段
を設けると共に、各分岐給水管の夫々に自動開閉弁を設
け、制御装置は前記流量検出手段の出力に基づいて予め
設定された給水量を便器の各部へ供給するよう前記流量
調節弁の開度及び前記自動開閉弁の開時間を制御するよ
うに構成したものである。
また、制御装置は、前記流量検出手段の出力が予め設
定された瞬間流量となるよう前記流量調節弁の開度を制
御するようにしてもよい。
(作用) 上記のように構成された本発明は、所定量の洗浄水を
所定のタイミングで便器の各部へ供給する。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明に係る洗浄給水装置を備えたサイホン
ジェット式の便器の縦断面図である。図において便器1
は隔壁2で区画されたボウル部3とトラップ排水路4を
備える。トラップ排水路4は、ボウル部3の後壁下部に
開設した流入口5と、便器1の後部底面に開設した流出
口6とを略逆U字状に屈曲して連絡している。トラップ
排水路4はその屈曲部たる堰部4aより下流側の排出路4b
を略直管形状に形成し、排出路4bの下端に絞り部4cを備
える。この絞り部4cは、排出路4bの内径を排出路4bの管
壁と直交する方向に縮径したものである。なお、この絞
り部4cは、必ずしも排出路4bの下端である流出口6の位
置に設けなくともよく、例えば排出路4bの略中間部ある
いは中間部より下流側の位置に設けてもよい。
かかるトラップ排水路4において、堰部4aより下流側
の排出路4bの管壁に散水用段部53を設ける。
したがって、堰部4aを越えて洗浄水が供給されると、
洗浄水は散水用段部53…で飛散されて排出路4b内に水シ
ールを発生させるとともに、トラップ排水路4内の空気
を洗浄水とともに流出口6に連なる図示しない排水管へ
排出する。このためトラップ排水路4内は大気圧に対し
て負圧となり、ボウル部3内の溜水25が排出路4b側へ呼
び込まれ、トラップ排水路4内は洗浄水で充満されたサ
イホン状態となり、ボウル部3内の汚物等の排出が行わ
れる。
そして、本実施例に係る便器1はボウル部3の上端周
縁のリム部8に、リム通水路9をボウル部3の内方に突
出するように環状に形成し、このリム通水路9の底面に
射水口10を適宜間隔毎にボウル部3に対して斜めに開設
する。また、リム通水路9は後部においてリム給水室11
に連絡する。
ボウル部3の底部のジェット用ノズル取付孔にジェッ
ト用ノズル12を接着剤等を介して水密状態で取着してお
り、ジェット用ノズル12のジェット噴射孔12aはトラッ
プ排水路4の流入口5から堰部4aに至る上傾管路の略中
央を指向している。ジェット用ノズル12は、金属あるい
は合成樹脂等で形成されており、本実施例ではジェット
用ノズル12の形状を鉤状としている。
便器1の後方上部にボックス13を設け、このボックス
13内に洗浄給水装置(以下給水装置と記す)14を収納す
る。
給水装置14は、給水制御手段である制御装置15と、大
洗浄用および小洗浄用の押しボタンスイッチ16a,16bを
備えて、制御装置15へ洗浄水量の選択入力と同時に洗浄
起動入力を与えるための洗浄水量選択入力手段である操
作部16と、流量を制御する流量調節弁19とこの上流側に
接続された流量計18と、ボウル部3への給水を制御する
リム用自動開閉弁17と、ジェット用ノズル12への給水を
制御し、本発明のトラップ用自動開閉弁を構成するジェ
ット用自動開閉弁20、大気開放弁21とからなる。
リム用自動開閉弁17の一端は流量調節弁19を介して給
水管23に接続し、他端をリム通水室11のリム給水口11a
へ接続する。
ジェット用自動開閉弁20の一端もリム用自動開閉弁17
と同様に流量調節弁19を介して給水管23に接続し、他端
を大気開放弁21を介してジェット用導水管24の一端に接
続する。このジェット用導水管24は金属・合成樹脂ある
いは合成ゴム製の管を用い、給水制御系14とジェット用
ノズル12を直接接続するもので、ジェット用導水管24の
長さが短くなるようボウル部3の後部下面に沿って配設
し、ジェット用導水管24の他端を、ジェット用ノズル12
のジェット給水口12bへ接続する。
また、流量調節弁19は、駆動源に例えばパルスモータ
を使用し、パルス数に応じて開度が定められている。
なお、本実施例では、流量調節弁19の上流側に流量計
18を備えているが、流量計18は流量調節弁19の下流側に
設けてもよい。
さらに、洗浄給水装置14を便器1に内蔵せずに、便所
の壁等に配設する構造でもよい。
第2図は、給水装置のブロック構成図である。
制御装置15は、入力インタフェース回路15a、マイク
ロプロセッサユニット(MPU)15b、メモリ15c、タイマ1
5d、出力インタフェース回路15eから構成され、入力イ
ンタフェース15aには、操作部16、流量計18が接続さ
れ、出力インタフェース回路15eには、流量調節弁19、
リム用自動開閉弁17およびジェット用自動開閉弁20が接
続される。
操作部16は、大洗浄用および小洗浄用の押しボタンス
イッチ16a,16bを備えており、このスイッチの開閉は起
動信号線16cにより制御装置へ入力される。
リム用ならびにジェット用自動開閉弁17,20は例えば
電磁弁で構成し、この電磁弁は所定の電圧を印加した時
に開弁状態となるものを用いる。17a,19a,20aは各弁17,
19,20を夫々駆動するための信号線である。
流量計18は翼車式の流量計を用いる。この流量計18は
翼車に磁石が取り付けられており、翼車の回転を電磁気
的に検出し、翼車の回転に比例した周波数の交番起電圧
を流量信号として出力する。
なお、流量計18には翼車式の流量計以外に電磁流量計
等を用いてもよい。
流量信号線18aにより入力インタフェース回路15aに入
力された流量信号は、入力インタフェース回路15a内で
波形変換され、流量信号の周波数に比例した所定の振幅
および所定のパルス幅のパルス信号に変換されて、マイ
クロプロセッサ15bに入力される。
次に、本実施例の動作を第3図のタイムチャートおよ
び第4図と第5図のフローチャートを参照して説明す
る。なお、第4図と第5図のフローチャートにおいて、
S1,S2…はフローチャートの各ステップを示す。また説
明の都合上、リム用自動開閉弁17、ジェット用自動開閉
弁20をそれぞれリム用弁、ジェット用弁と示す。
制御装置15内のメモリ15cには大洗浄時および小洗浄
時の給水量データ、瞬間流量、および給水タイミングデ
ータが予め設定されている。
第3図に示すタイムチャートにおいては、本実施例で
は、洗浄開始時のリム給水口11aからボウル部3への前
洗浄給水量を大洗浄時より小洗浄時は少ない流量とし、
さらに前洗浄に続くジェット給水の給水量を大洗浄より
小洗浄時は少なくしている。したがって、トラップ排水
路4へ供給される洗浄水量が大・小洗浄時で異なるた
め、サイホン作用の継続時間が異なる。このため、ジェ
ット給水を停止してからボウル部3へ封水のための給水
を開始するまでの時間(第3図のt 3L,t 3S)を大・小
洗浄時で異なえている。封水のためにボウル部3へ供給
する給水量は、大洗浄時、小洗浄時とも同じである。
次に、操作部16の大洗浄用の押しボタンスイッチ16a
により洗浄起動された場合について、先ず第4図のフロ
ーチャートを参照しながら動作を説明する。
操作部16からの起動信号により制御装置15は、リム用
弁17を開状態に駆動する(S1)と共に前洗浄給水が所定
瞬間流量になるよう流量計18の出力に基づいて流量調節
弁19の開度を制御する(S2)。これにより、便器1のボ
ウル部3に洗浄水が供給される。供給された洗浄水はボ
ウル部3内に渦を発生し、ボウル部3の前洗浄を行な
う。
このとき流量計18の流量信号に基づいて波形整形され
たパルス信号をマイクロプロセッサ15bは計数して積算
流量値を求め、前もってメモリ15c内に設定されている
ボウル部前洗浄水量の設定値と一致した時点で制御装置
15は、出力インターフェース回路15eを介して、リム用
弁17を閉状態とする(S3,S4)。
次に、制御装置15はジェット用弁20を開状態に駆動す
る(S5)と共にサイホン給水が所定瞬間流量になるよう
流量計18の出力に基づいて流量調節弁19の開度を制御す
る(S6)。これにより、洗浄水はジェット用ノズル12の
ジェット噴射孔12aから、トラップ排水路4内へ噴射さ
れる。したがって、トラップ排水路4の堰部4aを越えて
排出路4bへ流入する洗浄水の量が増加し、洗浄水の勢い
も強くなる。
堰部4aを越えた洗浄水は、排出路4bの内壁に設けられ
た散水用段部53…に衝突し、流れを変えながら排出路4b
の管壁全周に亘って略均一に流れ落ち、絞り部4c部分に
水膜を発生させる。この水膜発生によりトラップ排水路
4内を大気と遮断するとともに、この水膜部より上流側
へ洗浄水が満たされてるにしたがって、トラップ排水路
4内の空気は洗浄水とともに流出口6から図示しない排
水管側へ排出される。このため、トラップ排水路4内に
負圧が発生し、ボウル部3内の溜り水25がトラップ排水
路4内に引き込まれ、トラップ排水路4内は洗浄水で充
満された完全なサイホン状態となる。
ジェット用ノズル12から噴出する洗浄水の水量は、前
述のボウル部と同様に、流量計18の流量信号に基づいて
積算され、予めメモリ15c内に設定されたジェット用給
水量の設定値と一致した時点で、制御回路15は出力イン
ターフェース回路15eを介してジェット用弁20を閉状態
とする(S7,S8)。
ジェット用ノズル12からの洗浄水噴射が停止しても、
サイホン作用は溜り水25の水位が隔壁2の下端2aより低
下するまで継続する。この間にボウル部3内の汚物は溜
り水25とともに排出される。
制御装置15は、ステップS8でジェット用弁20を閉状態
に駆動後、直ちにタイマ15dを起動し、あらかじめ設定
された所定時間が経過すると(S9)、リム用弁17を再度
開状態に駆動する(S10)と共に封水給水が所定瞬間流
量になるよう流量計18の出力に基づいて流量調節弁19の
開度を制御する(S11)。
そして、あらかじめ設定された封水量をボウル部3へ
供給した時点(S12)で、リム用弁を閉状態とする(S1
3)。
以上で第3図に示す一連の給水制御が完了する。
なお、本実施例ではボウル部の前洗浄中終了後にジェ
ット用ノズル12からの洗浄水の噴射を開始しているが、
前洗浄中に、洗浄水の噴射を行なってもよい。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、流量検出手段に
より検出した流量が予め設定した流量となるよう流量調
節弁の開度を制御するので、給水圧力に拘らず所定量の
洗浄水を供給して確実な洗浄ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る洗浄給水装置を備えた便器の縦断
面図、第2図は給水装置のブロック構成図、第3図は第
2図の給水装置の動作を示すタイムチャート、第4図は
同フローチャートである。 尚、図面中、1は便器、14は洗浄給水装置(給水装
置)、15は給水制御手段である制御装置、17はリム用自
動開閉弁、18は流量計、19は流量調節弁、20はジェット
用自動開閉弁、23は給水管である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 信次 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 新原 登 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (56)参考文献 特開 平3−90730(JP,A) 特開 平3−90733(JP,A) 特開 平3−90734(JP,A) 特開 昭63−114734(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03D 5/10 E03D 11/02 E03D 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便器へ洗浄水を供給する給水管を分岐して
    便器の各部へ洗浄水を供給する装置において、 前記給水管に流量調節弁及び流量検出手段を設けると共
    に、各分岐給水管の夫々に自動開閉弁を設け、制御装置
    は前記流量検出手段の出力に基づいて予め設定された給
    水量を便器の各部に供給するよう前記流量調節弁の開度
    及び前記自動開閉弁の開時間を制御することを特徴とす
    る便器の洗浄給水装置。
  2. 【請求項2】前記制御装置は、前記流量検出手段の出力
    が予め決定された瞬間流量となるよう前記流量調節弁の
    開度を制御することを特徴とする請求項1記載の便器の
    洗浄給水装置。
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