JP2811796B2 - 洗浄給水装置 - Google Patents

洗浄給水装置

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厚雄 牧田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は水洗式便器へ洗浄水を供給する洗浄給水装置
に関する。
(従来の技術) 給水圧にかかわらず、便器へ所定量の洗浄水を供給す
る装置として、量水計により測定された洗浄水の流下量
が所定値に達したときに弁機構を閉にするものが特開昭
63−114734号公報に開示されている。
(発明が解決しようとする課題) 量水器は、翼車以外に流量積算のためのギヤ機構を備
えているので、量水器そのものが大型であり、広い設置
スペースが必要である。また、ギヤ機構を駆動するため
圧力損失が大きく、特に給水圧力が低い場合には圧力損
失の影響により便器の洗浄が確実に行なわれないことが
ある。
さらに、サイホン式やサイホンジェット式の便器で
は、便器のボウル部へ供給される洗浄水の勢いあるいは
ジェット噴射孔からトラップ排水路へ向けて噴射される
洗浄水の勢いが弱いと通常(給水圧が所定値以上)の場
合より多量の洗浄水を供給しないとサイホン作用を発生
させることができず、汚物・汚水が搬送(排出)できな
いことがある。
本発明はこれらの課題を解決するためになされたもの
で、その目的は、圧力損失が少なく、かつ、小形で便器
に内蔵することもできる所定量の洗浄給水装置を提供す
ることにある。また、給水圧力が低下した場合でも便器
の洗浄を確実に行なうことのできる洗浄給水装置を提供
するものである。
(課題を解決するための手段) 前記課題を解決するため本発明に係る洗浄給水装置
は、便器への給水量を検出する流量計の出力に基づいて
制御装置は自動開閉弁機構の開時間を異ならしめるよう
構成したことを特徴とする。
制御装置は流量計の出力から洗浄水の瞬間流量を求
め、予め設定した給水量が供給されるよう開弁時間を制
御する構成としてもよい。
さらに、流量計の出力が予め設定した瞬間流量より少
ない場合、制御装置は予め設定した給水量より多い水量
が便器に供給されるよう開弁時間を異なるよう構成する
こともできる。
(作用) 制御装置は、流量計の出力に基づいて瞬間流量を求め
て開弁時間を制御し、あるいは積算流量を求めて開弁タ
イミングを決定するので、給水圧力にかかわらず、所定
量の洗浄水が便器へ供給される。
また、瞬間流量が少ない場合には、制御装置は通常よ
りも開弁時間を長くして多量の洗浄水を便器へ供給する
ので、給水圧が低い場合でも汚物・汚水を搬送させるこ
とができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を添付図面に基づいて説明す
る。
第1図は本発明に係る洗浄給水装置を備えたサイホン
式の便器の縦断面図である。
便器1は隔壁2で区画されたボウル部3とトラップ排
水路4を有する。トラップ排水路4は、ボウル部3の後
壁下部に開設した流入口5と便器1と後部底面に開設し
た流出口6とを略逆U字状に屈曲して連絡するよう形成
している。トラップ排水路4の流出口6部分には拡径部
4aを形成するとともに、絞り部4bを形成している。
ボウル部3の上縁リム部7に、リム通水路8をボウル
部3の内方に突出するよう環状に形成し、このリム通水
路8の底面にリム射水口9…を適当間隔毎にボウル部3
に対して斜めに開設している。またリム通水路8は後部
においてリム給水室10に連絡している。
便器1の後部上方にボックス11を設け、このボックス
11内に洗浄給水装置12を収納する。洗浄給水装置12は、
給水管13に接続された自動開閉弁機構(以下弁機構と記
す)14と、この弁機構14の下流側に接続された流量計15
と、弁機構14の開閉駆動を行なう制御装置16と、制御装
置16に洗浄起動入力を与える操作部17からなる。流量計
15の下流側は大気開放弁18を介して、リム給水室10の給
水口10aへ接続している。
本実施例では、弁機構14として通電状態で開弁する電
磁開閉弁を用い、弁機構14と制御装置16とを弁駆動線14
aで接続している。
また、流量計15は翼車式の流量計を用い、流量信号を
流量信号線15aを介して制御装置16へ入力している。こ
の流量計15は翼車に磁石が取り付けられており、翼車の
回転を電磁気的に検出して、翼車の回転に比例した周波
数の交番起電圧を流量信号としているものである。な
お、流量計15は翼車の流量計以外に電磁流量計を用いて
もよい。
第2図は制御装置のブロック構成図である。
制御装置16は、入力インタフェース回路16a、マイク
ロプロセッサ(以下にMPUと記す)16b,メモリ16c、タイ
マ16dおよび出力インタフェース回路16eから構成され
る。入力インタフェース回路16aには操作部17および流
量計15が接続され、出力インタフェース回路16eには弁
駆動線14aを介して弁機構14が接続される。
操作部17は、便器1の洗浄を開始させるためのスイッ
チを備えており、このスイッチの開閉は起動信号線17a
により制御装置16に入力される。
なお、操作部17には例えば大便用と小便用とで洗浄水
の供給量を選択できるよう複数のスイッチを設けてもよ
い。また、着座を検出するスイッチあるいはセンサ等を
設け、これらの信号を制御装置16に入力して、着座状態
にのみ操作部17の操作を有効としたり、あるいは、着座
状態から未着座状態となったのち、所定時間後に自動的
に洗浄を開始させる構成であってもよい。
流量信号線15aにより入力インタフェース回路16aに入
力された流量信号は、入力インタフェース回路16a内で
波形変換され、流量信号の周波数(周期)を保持したま
ま、所定の振巾および所定のパルス幅のパルス信号に変
換されてMPU16bへ入力される。
なお、本実施例では、弁機構14の下流側に流量計15を
備えているが、流量計15は弁機構14の上流側に設けても
よい。
また、便器1はボウル部3の底部にトラップ排水路4
の流入口5からトラップ排水路4内へ向けて洗浄水を噴
射するジェット噴射口を備えたサイホンジェット式の便
器でもよく、あるいはサイホンボルテックス式の便器で
あってもよい。
さらに、洗浄給水装置12を便器1に内蔵せずに、便所
の壁等に配設する構造でもよい。
次に本実施例の動作を第3図から第5図のフローチャ
ートを参照して説明する。なお、S1,S2…等の符号はフ
ローチャートのステップを示すものである。
先ず第3図のフローチャートにおいて、ステップS1で
は、操作部17からの起動信号により制御装置16が弁機構
14を開状態にする。これにより、便器1のボウル部5に
洗浄水が供給され、ボウル部3内に渦を発生してボウル
部3の洗浄を行なう。
ステップS2では、タイマ16dを弁機構14の開状態と同
時にスタートさせ、ステップS3で流量計15の出力から瞬
間流量を算出し、更にステップS4で所定量の給水量を供
給するための必要時間を算出する。
ステップS5では、所定の給水量を供給するに必要な時
間が経過したか否かを判断し、経過していれば、ステッ
プS6へ進み、経過していなければステップS5へ戻る。
ステップS6ではタイマ16dの出力により弁機構14を閉
状態にして給水制御が終了する。
次に第4図のフローチャートの場合においては、ステ
ップS11で操作部17からの起動信号により制御装置16が
弁機構14を開状態にする。
ステップS12では、流量計15の出力から流量を積算す
る。そしてステップS13で予め設定された給水量が給水
されたか否かを判断し、給水されていなければステップ
S12へ戻り、給水されていると判断すれば、ステップS14
へ進んで弁機構14を閉状態にして給水制御が終了する。
更に第5図のフローチャートの場合には、ステップS2
1で操作部17からの起動信号により制御装置16が弁機構1
4を開状態に駆動後、直ちにステップS22でタイマ16dを
スタートさせる。
ステップS23では、流量計15の出力から瞬間流量を算
出し、ステップS24で算出された瞬間流量が予め設定さ
れている所定流量以上か否かを判断し、所定流量以上で
あればステップS25へ進み、以上でなければステップS27
へ進む。
ステップS25では、所定量を供給するのに必要な時間
が経過したか否かを判断し、経過していなければステッ
プS25へ戻り、経過していればステップS26へ進んで弁機
構14を閉状態にする。
ステップS27では、瞬間流量の値に対応した少流量用
の長期給水時間を設定し、ステップS28で設定された長
期給水時間を経過したか否かを判断し、経過していなけ
ればステップS28へ戻り、経過していればステップS26へ
進む。
以上で一連の給水制御が終了する。
(発明の効果) 以上説明したように本発明によれば、流量計の出力を
制御回路で処理する構成であるから、量水計と比較して
圧力損失を軽減でき、給水圧にかかわらず所定量の給水
ができる。
また、瞬間流量が少ない場合は、便器への給水量を増
加するので確実に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る洗浄給水装置を備えたサイホン式
の便器の縦断面図、第2図は制御装置のブロック構成
図、第3図〜第5図は給水装置の動作を示すフローチャ
ートである。 尚図面中、1は便器、12は洗浄給水装置、13は給水管、
14は自動開閉弁機構、15は流量計、16は制御装置であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 信次 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (72)発明者 新原 登 神奈川県茅ケ崎市本村2丁目8番1号 東陶機器株式会社茅ケ崎工場内 (56)参考文献 特開 昭63−114734(JP,A) 特開 昭63−125736(JP,A) 特開 平1−312131(JP,A) 実開 昭63−176168(JP,U) 実開 昭61−6578(JP,U) 実開 昭61−10387(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E03D 5/10 E03D 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】便器へ洗浄水を供給する給水管に自動開閉
    弁機構および流量計を介設し、前記自動開閉弁機構の制
    御装置は、前記流量計の流量出力に基づいて瞬間流量を
    求めると共に、この求めた瞬間流量から、予め設定され
    た給水量が便器へ供給される自動開閉弁機構の開時間を
    算出し、この開時間が経過すると自動開閉弁機構を閉じ
    ることを特徴とする洗浄給水装置。
  2. 【請求項2】自動開閉弁機構の前記制御装置は、前記流
    量計の流量出力が予め設定した瞬間流量より少流量であ
    るときは、前記算出した通常の開時間よりも長くした長
    期給水時間を前記自動開閉弁機構の開時間とすることを
    特徴とする請求項1記載の洗浄給水装置。
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