JPH05230736A - 嵩高性布帛の製造法 - Google Patents

嵩高性布帛の製造法

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JPH05230736A
JPH05230736A JP4033519A JP3351992A JPH05230736A JP H05230736 A JPH05230736 A JP H05230736A JP 4033519 A JP4033519 A JP 4033519A JP 3351992 A JP3351992 A JP 3351992A JP H05230736 A JPH05230736 A JP H05230736A
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JP
Japan
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polyamide
polyester
heat treatment
fiber
fabric
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JP4033519A
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Koji Ishiyama
孝二 石山
Kenji Kawakami
賢治 川上
Hiroyuki Nagai
宏行 長井
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 嵩高性及び膨らみ感に優れた布帛を生産性よ
く得ることのできる製造法を提供すること。 【構成】 嵩高性布帛を構成する繊維の一部に、ポリエ
ステルとポリアミドとが1000〜3500m/分の速
度で芯鞘型に複合紡糸され、且つ実質的に延伸・熱処理
を施されていない複合繊維を用いる。 【効果】 高弛緩率での熱処理を施さなくても自発伸長
性を呈するので、布帛製造時の生産性を著しく改善でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は嵩高性を有する布帛の製
造法に関する。さらに詳しくは、特定の製糸条件で製造
されたポリエステル及びポリアミドからなる自発伸長性
を有する芯鞘型複合繊維を布帛構成繊維の一部に用い
た、生産性に優れた嵩高性布帛の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自発伸長性を有するポリエステル
繊維に関しては、特公昭37―7919号公報、特公昭
41―12052号公報、特公昭43―28262号公
報等に公知のごとく、ポリエチレンテレフタレートポリ
マーを紡糸、延伸して得られる結晶化度が35%以下、
好ましくは無定形のものを、少なくとも20%収縮熱処
理する方法、あるいは特公昭46―3372号公報、特
公昭63―46167号公報等で提案されているよう
に、ポリエステル未延伸糸をガラス転移温度以上で収縮
熱処理した後延伸する方法等が提案されている。しか
し、これらのポリエステル繊維は未だ高い乾熱収縮率を
有している。かかる欠点を改善せんとして、特開平2―
293410号公報、特開平1―250425号公報等
多数に、高速紡糸したポリエステル繊維を弛緩熱処理
し、沸水収縮率よりも乾熱収縮率を低くして自発伸長糸
を得る方法が開示されている。
【0003】しかしながら、これら従来提案されている
自発伸長糸の製造方法は、紡糸工程に引き続いて実質的
に延伸する、しないに関わらず、いずれも高弛緩率での
熱処理を必要とする。そのため製織用原糸準備工程での
加工速度が低く、生産性向上の律速段階となっている。
すなわち、高弛緩率で加工速度を上げようとすると、フ
ィードローラー類への巻き付きが多発して生産性向上へ
の寄与は逆に小さなものとなってしまう。また、熱処理
用のヒーター長も弛緩熱処理時間確保のためには長いも
のとせざるを得ず、エネルギー面でも不利なものとなっ
てしまう。一方、弛緩率を下げて加工速度を上げようと
すると、肝心の自発伸長性は小さなものとなってしま
い、自発伸長糸を用いたときの特徴である布帛のふくら
み、嵩性が不満足なものとなる。なお、弛緩熱処理を行
わないポリエステル繊維の場合には、自発伸長糸が得ら
れないことは言うまでもない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の欠点を解消、すなわち生産性向上の妨げとなってい
た弛緩熱処理を必要とせず、自発伸長性を有する繊維を
用いた嵩高性及び膨み感に優れた布帛が生産性よく得ら
れる製造法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の課題
を解決するべく鋭意検討した結果、ポリエステルとポリ
アミドとを特定の紡糸速度で引き取った芯鞘型複合繊維
は、弛緩熱処理を施さないでも自発伸長性を呈するの
で、この繊維を用いれば嵩高性で膨み感に富む布帛が生
産性よく得られることを知り、本発明を完成するに至っ
た。
【0006】すなわち本発明は、ポリエステルとポリア
ミドとを1000〜3500m/分の引取り速度で芯鞘
型に複合紡糸した後、実質的に延伸及び熱処理を施さな
いで得られる複合繊維を、布帛構成繊維の一部に用いる
ことを特徴とする嵩高性布帛の製造法である。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】本発明の布帛は、ポリエステルとポリアミ
ドとを芯鞘型に複合紡糸して得られる複合繊維を、その
構成繊維の一部に用いるものであるが、通常の衣料用繊
維のように紡糸後延伸や熱処理して得られる複合繊維を
用いても、自発伸長性を呈さないので嵩高性に富んだ布
帛を製造することはできない。
【0009】本発明においては、ポリエステルとポリア
ミドとを芯鞘型に複合紡糸して複合繊維となすに際し、
1000〜3500m/分の速度で引き取った後、実質
的に延伸又は熱処理することなく得られる複合繊維を、
そのまま布帛構成繊維の一成分とすることが大切であ
る。
【0010】従来、延伸又は熱セットが施されていない
ポリエステル繊維は、沸水及び乾熱(例えば180℃)
処理により高い収縮率を示すことは公知であり、紡糸速
度を4500m/分以上としなければ延伸又は熱処理を
施さずに使用することは困難であった。また、延伸又は
熱セットが施されていないポリアミド繊維は、沸水収縮
率は低いものの通常の低収縮糸の範囲を出るものではな
く、これに延伸を施すとさらに沸水収縮率が高くなって
自発伸長糸には程遠いものとなる。更に、複合繊維を高
速紡糸して延伸、熱セットを不要とする方法の提案もな
されているが、それも高速紡糸して得られる糸が通常糸
と同等の物性を有するという公知の技術を応用したに過
ぎず、自発伸長糸を目指したものではなかった。
【0011】しかるに、本発明者等の検討によれば、ポ
リエステルとポリアミドとが芯鞘型に複合され且つ延伸
及び熱処理が実質的に施されていない複合繊維は、従来
自発伸長性を有する繊維を得るために必要とされていた
弛緩熱処理を施さなくても、図1に示されるように紡糸
速度3500m/分以下では沸水収縮率及び180℃乾
熱収縮率が通常のポリエステル繊維及びポリアミド繊維
とは逆に負の値となり、熱処理前の糸長よりも長くなる
といった自発伸長性を有することを見い出した。本発明
は、かかる知見をベースに完成されたものである。な
お、ここでいう沸水収縮率及び乾熱収縮率はJIS―L
―1013に準じて測定したものである。
【0012】本発明に使用されるポリエステルは、テレ
フタル酸と式HO(CH2 OHを有するアルキレン
グリコール(但しpは2〜10の整数)とからなるもの
が主体であるが、特にテレフタル酸とエチレングリコー
ル又はテトラメチレングリコールとからなるポリエチレ
ンテレフタレート又はポリテトラメチレンテレフタレー
トが好適である。更に必要に応じて、テレフタル酸に対
して約15モル%までの量の他のグリコール類又は他の
二官能性カルボン酸類、あるいはオキシカルボン酸類を
共重合してもよい。共重合し得る化合物としては、例え
ば酸成分として3,5―ジカルボキシベンゼンスルホン
酸ナトリウム、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ナフタレンジカ
ルボン酸、オキシ安息香酸等を、またグリコール成分と
しては、トリメチレングリコール、プロピレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコ
ール等をあげることができる。また、かかるポリエステ
ルには、ポリメチレンテレフタレート単位が85モル%
以上であれば、他のポリエステルを混合してもよく、さ
らに、艶消剤として酸化チタン等の金属酸化物、紫外線
吸収剤等の耐光性改善剤、酸化防止剤等の耐熱性改善
剤、制電防止剤、その他微粉末不活性物質等を混合して
もよい。
【0013】本発明で使用されるもう一方のポリアミド
は、ナイロン4、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロ
ン7、ナイロン6,10、ナイロン11、ナイロン1
2、ビス(p―アミノシクロヘキシル)メタンと1,1
0―デカメチレンジカルボン酸又は1,9―ノナメチレ
ンジカルボン酸からのポリアミド及び前記ポリアミドに
15モル%以下の第3成分を共重合したもの等をあげる
ことができ、これらは2種以上を混合してもよいがなか
でもナイロン6が好適である。なおこのポリアミドにも
艶消剤や制電防止剤、耐光性・耐熱性改善剤等を含有し
ていてもよい。
【0014】上記ポリエステル成分とポリアミド成分の
総計重量割合は、芯成分及び鞘成分の形状や界面の面積
に応じて20:80〜80:20範囲で任意に選択可能
である。図2に本発明の布帛に用いられる複合繊維の断
面形状を例示するが、本発明の布帛に用いられる複合繊
維はこれに限定されるものではなく、ポリエステル成分
とポリアミド成分とが芯鞘型に複合されていればよい。
またポリアミド、ポリエステルのいずれが芯成分であっ
てもかまわない。
【0015】かかる芯鞘型複合繊維を製造するには従来
公知の複合紡糸装置、口金を用い、常法に従って溶融紡
糸すればよい。この際、前述の如く、引取り速度を10
00〜3500m/分とし、且つ実質的に延伸・熱処理
を施さないことが必要である。引取り速度が1000m
/分未満では、得られる複合繊維は自己伸張性を呈する
ものの、力学的特性が不充分となって最終的に得られる
布帛の物性が不充分となる傾向がある。逆に3500m
/分を越える場合には、冷却・伸長により配向結晶化が
起って、熱処理による自発伸長性を発現しなくなるので
好ましくない。また、延伸又は熱処理が施されている場
合には、ポリエステル及びポリアミドの非晶部配向が進
むか、又は結晶化が進んで分子鎖の熱運動が固定される
ためと推定され、熱処理による自発伸長性を発現しなく
なる。
【0016】なお、ポリエステルとポリアミドとの結晶
化の時期ずれを大きくする紡糸条件を採用することは、
自発伸長性を高める上で望ましく、繊維束の収束距離の
短縮、口金直下での急冷、高重合度化又は添加剤による
ポリアミド成分の結晶化促進、低重合度化又は添加剤に
よるポリエステル成分の結晶化抑制、溶融温度の調整等
が好ましく採用できる。
【0017】また、ポリエステル成分とポリアミド成分
との界面を増やすことは、ポリエステル成分の自発伸長
によるポリアミド成分の伸長を容易にするので、芯成分
を異形化又は多芯化することが望ましい。さらにポリア
ミド成分を芯成分とする場合には、芯成分の冷却を促進
してポリアミド成分の結晶化を促進するために、芯成分
内に中空部を設けることが望ましい。
【0018】収束された繊維束への油剤の付与は、ポリ
アミドの膨潤を防ぐために非水系の油剤を用いることが
望ましく、且つ吸湿等の影響を避けるために一般の繊維
に付与される油剤量よりは多めとすることが好ましい。
【0019】次に、本発明の布帛は、かかる芯鞘型複合
繊維を一部に用い、例えば通常の衣料用繊維と交編・交
織又は通常の繊維と混繊して混繊糸とした後製編織して
公知の布帛構造に形成して得る。この際の製造条件には
特段の制約はなく、従来公知の条件を任意に採用するこ
とができる。
【0020】従来、自発伸長糸を用いて嵩高性の布帛を
製造する際には、例えば自発伸長糸とする高配向未延伸
繊維を高弛緩率下で熱処理後、通常の延伸糸と混繊され
ていたが、この際、自発伸長糸がループやたるみを形成
し易いため、解舒性が不良となって布帛の生産性が低下
するといった問題があった。一方、かかる欠点を回避す
べく、自発伸長糸を通常の延伸糸と交編・交織する方法
では、自発伸長糸単独を捲き取って巻糸体となす際、捲
取り張力が高すぎる場合には延伸が起って自発伸長性が
低下し、得られる布帛の嵩高性が不充分なものとなって
しまう。一方、自発伸長性が悪化しない程度の低張力
(好ましくは0.02g/de未満)で捲取る場合に
は、得られる巻糸体の崩れが生じ易くなり、製編織工程
での作業量を増加させるといった問題があった。
【0021】これに対して、本発明で用いられる複合繊
維は、弛緩熱処理を施さなくても自発伸長性を有してい
るために、製編織時の工程調子を悪化させる原因となる
ループが発生し易い弛緩熱処理・混繊処理工程を省略し
て、紡糸工程で捲取った糸をそのまま使用することがで
きる。また、弛緩熱処理が施されていないので、捲取り
張力をあげても自発伸長性の低下は小さく、したがって
巻糸体の崩れも発生し難くできるので、布帛製造工程の
工程調子は著しく改善される。
【0022】なお、本発明にかかる複合繊維は低強力で
あるため100%使いの布帛は好ましくなく、通常糸と
の混繊または交織、交編が必要である。また製織にあた
っては、瞬間的に高張力がかかる緯糸よりは経糸に用い
ることが望ましく、さらに無撚での使用が望ましい。製
編にあたっても、上記と同じ理由で経編に用いることが
望ましい。なかでも織物の経糸の一部又は経編物の経糸
の一部として用いることが望ましい。さらに、布帛の設
計にあたり該複合繊維がより多くの表層又は、用途によ
っては裏面に現われるように設計することが得られる布
帛の風合改善の上で望ましい。
【0023】
【作用】本発明で用いられる複合繊維が、弛緩熱処理を
施さなくても自発伸長性を呈する理由は定かでないが、
ポリエステルとポリアミドとの紡糸速度に対する結晶化
の挙動が異なっていることに起因するものと推定され
る。
【0024】すなわち、ポリアミドは一般に低紡糸速度
で結晶化を起こし、一方ポリステルはその重合度にもよ
るが通常3000m/分を越える紡糸速度でなければ結
晶化を起こさない。そのため、紡糸工程の早い時期にポ
リアミドは結晶化を起こし、伸長流動を停止してしまっ
ているのに対して、その時点ではポリエステルはまだ非
晶の状態にある。したがって、ポリエステル単独の紡糸
であればその後の冷却、伸長により配向結晶化を起こす
はずであるが、ポリアミドと接着、複合されているた
め、伸長配向は進行せず、冷却されるにつれて繊維軸方
向への伸長は制限された状態の中でランダムな方向に結
晶化が進行することとなる。その結果、この複合繊維に
熱を加えて芯成分、鞘成分ともに分子鎖のモビリティー
を増やしてやると、歪んだ形で凍結されたポリエステル
非晶分子は繊維軸方向に伸長を起こし、一方ポリアミド
分子鎖も、その力に引き摺られて伸長せざるを得なくな
るものと推定される。特に図1に示されているように、
沸水処理による伸長が大きいのは、ポリアミドへの水の
膨潤作用により、一旦形成された結晶部が破壊されてい
るためと推定される。
【0025】一方、紡糸速度が3500m/分を越える
範囲では、ポリエステルとポリアミドの結晶化の時期の
ずれが小さくなるため、上述の作用が発現し難くなるも
のと推定される。
【0026】さらにかかる複合繊維は、弛緩熱処理を施
す必要がないので、他の糸条と混繊しても解舒不良の原
因となるループ等の欠点がなく、また単独で捲き取って
も捲き崩れが発生し難いので、布帛製造時の生産性も著
しく向上するのである。
【0027】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0028】
【実施例1】35℃のo―クロロフェノール中での固有
粘度が0.64のポリエチレンテレフタレートを295
℃で溶融し、35℃のm―クレゾール中での固有粘度が
1.34のナイロン6を260℃で溶融し、スピンブロ
ック温度285℃、口金下加熱温度270℃として、公
知の溶融複合紡糸設備、口金を用いて紡糸し、常法に従
い冷却後、糸条を収束して非水系油剤を付与し、そのま
ま速度2250m/分で捲取りを行なった。この時、口
金は公知の芯鞘型複合紡糸口金を用いて、ポリエチレン
テレフタレートを鞘成分とし、ナイロン6を芯成分と
し、複合比率(重量比)を50:50として図2(b)
に示す横断面の中空型芯鞘複合繊維を得た。捲取複合繊
維の構成は75デニール/20フィラメントで、強度
2.6g/d、破断伸度195%、沸水収縮率−8.6
%(伸長率8.6%)、180℃乾熱収縮率−8.8%
(伸長率8.8%)であった。
【0029】また、この複合繊維を捲取速度を1000
〜4000m/分の範囲で変更し、得られた複合繊維糸
条の沸水収縮率と乾熱収縮率(180℃)を図示したも
のが図1である。図中1が沸水収縮率を表わし、2が乾
熱収縮率を表わす。
【0030】得られた複合繊維と通常の50デニール/
24フィラメントのポリエステル延伸糸とで2組の経糸
を作り、緯糸として75デニール/24フィラメントの
ポリエステル延伸糸を用いて、経糸密度4600本/3
0インチ、緯糸密度85本/インチとして経二重交織朱
子を製織した。製織直後の生機では複合繊維が表面に多
く出た組織とはなっているが、膨らみはさほどなく光沢
にも欠けるものであった。
【0031】この生機にアルカリ減量を施すことなく、
プリセット、精練、染色、乾燥、仕上げセットのみを行
なったところ、表面に多く出ていた複合繊維は自発伸長
を起こして微細なループを多数形成し、粗硬感はあるも
のの膨らみに富んだ織物が得られた。一方、精練後に2
0%のアルカリ減量処理を行ない、染色、乾燥、仕上げ
セットを行なったところ、布帛全体に柔軟性が増し、さ
らに自発伸長を起こした複合繊維は非晶質なためか経、
緯の地糸より減量が進み、表面に突き出した微細なルー
プが得られ、ソフトさとふくらみ、光沢に富んだ布帛が
得られた。
【0032】
【実施例2】ナイロン6を鞘成分とし、ポリエチレンテ
レフタレートを芯成分とし、複合比率(重量比)を3
0:70として図2(C)に示す横断面の三角異形断面
としたほかは実施例1と同様にして、50デニール/2
4フィラメントの複合繊維を得た。捲取複合繊維の物性
は、強度2.8g/d、破断伸度180%、沸水収縮率
−5.5%(伸長率5.5%)、180℃乾熱収縮率−
7.0%(伸長率7.0%)であった。
【0033】この複合繊維と通常の50デニール/24
フィラメントのポリアミド延伸糸とで2組の経糸を作
り、複合繊維の経糸を前筬に通し4ウェールにわたるプ
レーンコード編に編み、ポリアミド延伸糸の経糸を後筬
に通しデンビー編に編んだサテン編みとし、36ゲージ
の密度で製編した。
【0034】製編直後の生機では複合繊維が表面に多く
出た光沢のある組織とはなっているが、膨らみはさほど
無いものであった。
【0035】この生機に常法のプリセット、精練、染
色、乾燥、仕上げセットを施して得られた編地は、表面
の複合繊維が自発伸長を起こし、ふくらみと光沢感に富
むものであった。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、従来使用されていた自発伸長糸に必須であっ
た弛緩熱処理を必要とせず、またそれに伴う混繊工程も
省略することができるので、製編織での原糸準備工程を
大幅に簡略化することができる。さらに、本発明に用い
られる自発伸長性を有する複合繊維は、生機となった後
に熱処理を受けるまでは通常の延伸糸(フラットヤー
ン)と同等に扱うことができるので、その工程通過性も
改善されたものとなる。しかも、本発明の上記複合繊維
を一部に用いて得られる布帛は、従来の自発伸長性繊維
を用いた布帛と同等のふくらみと嵩性を有するといった
特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる複合繊維の紡糸速度と熱処理時
の収縮率の関係の一例を示す図である。
【図2】本発明に用いる複合繊維の横断面の例を示す図
である。
【符号の説明】
1 沸水収縮率 2 180℃乾熱収縮率 3 ポリエステル 4 ポリアミド 5 中空部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルとポリアミドとを1000
    〜3500m/分の引取り速度で芯鞘型に複合紡糸した
    後、実質的に延伸及び熱処理を施さないで得られる複合
    繊維を、布帛構成繊維の一部に用いることを特徴とする
    嵩高性布帛の製造法。
JP4033519A 1992-02-20 1992-02-20 嵩高性布帛の製造法 Pending JPH05230736A (ja)

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