JPH052306Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はナツトランナー等の締付工具におい
て、ピン式又はＯリング式いずれにてもソケツト
を主軸に取り付けられるようになした装置に関す
るものである。

〔従来の技術〕

ナツトランナーの主軸にソケツトを交換自在に
取り付ける方法として第２図Ａに示すピン式と、
同図Ｂに示すリング式の２通りがある。同図Ａの
ものは主軸先端のソケツト装着部にこの主軸の軸
心と直交方向にばね又はゴムにて突出可能とした
ピンを介してソケツトを主軸に係止するもので、
ソケツトを外すにはソケツト側方に開口したピン
嵌合孔よりピンを挿状のピン等で押し、主軸内に
没入した状態をソケツトを主軸より引き抜く。ま
た同図Ｂに示すものは主軸に貫通したピン挿入孔
と、ソケツトに貫通したピン挿入孔とを一致さ
せ、両ピン挿入孔内に一本のピンを挿通させ、ソ
ケツト外周に嵌着するＯリングにてこのピンの両
端を押しピンの抜け止めとしたもので、ソケツト
Ｓを主軸より外すにはまずＯリングを取り外し、
ピンを抜くことにより行う。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしこの二種のソケツト装着方法は夫々独自
の構造を有するため、同じナツトランナーであつ
てもソケツト接着方法に合つた主軸を必要とする
ため、本体は同じタイプであつても主軸の形式が
異なるだけで、二種のナツトランナーを要するも
のとなる。これは主軸に段部Ｈ１を有するピン挿
入孔Ｈ内に第３図に示すようなストレートピンを
挿通する場合はこの段部Ｈ１の径以内の細いスト
レートピンしか用いられず、しかもこの段部Ｈ１
のみにてストレートピンが支持されるので、ピン
の強度が弱くなる。従つて、之等二種類の主軸は
その構造上共通に使用できないからである。

また出没ピン式の第２図Ａに示すタイプでは、
第４図に詳示するように段付のピンＰを抜け止め
式にて嵌合するためピン挿入孔Ｈもその内部にお
いて、この段付ピンＰを係止する段部Ｈと、ブツ
シユＢを嵌合係止するための段部Ｈとを設ける必
要がありピン挿入孔Ｈの穿孔作業に手数を要する
ものとなつている。

本考案では之等の欠点を解消するため特殊なブ
ツシユ及びピン又はばねを組み合わせたものを用
いることによりストレートに穿孔した主軸のピン
挿通孔内にこのブツシユ、ピンを挿通することに
よりピン式に容易にタイプを変更できるようにな
したことを目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は上記目的を解決するためになしたもの
で、主軸先端のソケツト装着部に主軸の軸心に対
して横方向に貫通するストレートのピン挿入孔を
穿孔するとともにソケツト装着タイプに合わせて
選択的にブツシユ付係止ピンを上記ピン挿入孔内
に嵌合できるようにし、かつこのブツシユ付係止
ピンを主軸のピン挿入孔に嵌合固定するブツシユ
に段付係止ピンを挿入し、このブツシユ、段付係
止ピン間に該ピン押圧突出用のばねを介在せしめ
ることを要旨とする。

〔作用〕

主軸に穿孔するピン挿入孔をストレート孔とす
ることにより加工が簡易で、これに長いピンを挿
入すればＯリング式として、またこのピン挿入孔
内にブツシユ付段付ピンを嵌合することによりピ
ン式として選択的に使用でき、主軸を共通できる
ので簡易に両タイプの工具を提供できる。

〔実施例〕

以下本考案締付工具における主軸のソケツト取
付装置を図示の実施例に基づき詳細に説明する。

第１図は本考案の要部を示す断面図である。１
は主軸で、第２図に示すようなナツトランナー等
の締付工具２に突設され、該工具に給気される高
圧空気にて工具内のエヤ−モータを駆動し、該主
軸を駆動する。締付工具２は図示ではピストル型
となつているが、エヤー工具も含めてこれは限定
されることはない。

主軸１の先端は角形のソケツト装着部１１に軸
心と交わる方向に貫通したストレートなピン挿入
孔３が穿設される。このピン挿入孔３の詳細を第
３図に示す。第３図は第２図Ｂに示すＯリングに
て挿通ピンを係止させる実施例で、ストレートな
ピン４を挿入した状態を示している。

この主軸のソケツト装着部にピン式にてソケツ
トＳを装着する実施例を第１図に示している。該
図においては前記ピン挿入孔３内にブツシユ付段
付ピン５を嵌合固定した状態を示している。この
ブツシユ付段付ピン５はその頭部５１をソケツト
Ｓに穿設したピン孔Ｓに嵌入可能とし、この頭部
５１に連設される鍔部５２はピン挿入孔３内に摺
動可能に嵌合される径を有し、かつこの鍔部５２
の内端側中央に軸部５３を突設して段付の係止ピ
ン５をブツシユ６の軸心に穿設した孔６１に嵌挿
し、この軸部５３の先端をかしめてブツシユ６に
固定するとともにブツシユ６と鍔５２間にばね７
を介在させ、該ばね圧にて常に係止ピンは主軸外
側面より突出するようにばね圧下にて支持され
る。ブツシユ６はピン挿入孔内と強嵌合されるか
又は先端外周部をかしめて主軸に固定される。

前述のように主軸のソケツト装着部にはストレ
ートのピン挿入孔３を穿設しておき、ソケツト装
着タイプに応じてすなわちピン式、Ｏリング式に
応じてこのピン挿入孔内に第３図に示すように長
いピン４又はブツシユ付係止ピン５を選択的に嵌
入する。例えばピン式のソケツトを装着する場
合、主軸にソケツトを嵌合する前に、このピン挿
入孔にブツシユ付係止ピン５嵌入固定するもので
ある。又Ｏリング式とするならば、主軸にソケツ
トを嵌合した後、主軸のピン挿入孔内にストレー
トなピン４を挿入すればよい。

〔考案の効果〕

本考案ソケツト取付装置は主軸先端のソケツト
装着部に主軸の軸心に対して横方向に貫通するス
トレートのピン挿入孔を穿孔するとともにソケツ
ト装着タイプに合わせて選択的にブツシユ付係止
ピンを上記ピン挿入孔内に嵌合できるようにし、
かつこのブツシユ付係止ピンを主軸のピン挿入孔
に嵌合固定するブツシユに段付係止ピンを挿入
し、このブツシユ、段付係止ピン間に該ピン押圧
突出用のばねを介在せしめているため、本体を変
えることなく１つの主軸で、この主軸に又はソケ
ツトにストレートなピンあるいはブツシユ付係止
ピンを用いることにより、ソケツトの装着方法を
二種選択的にかつ任意に、容易に定めることがで
きる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案ピン式ソケツト取付装置の断面
図、第２図Ａ，Ｂはソケツト取付方法を示す断面
図、第３図はＯリング式ソケツト取付装置の断面
図、第４図は公知の断面説明図である。 １は主軸、１１はソケツト装着部、２は締付工
具、３はピン挿入孔、４はピン、５は係止ピン、
６はブツシユ、７はばね。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主軸先端のソケツト装着部に主軸の軸心に対し
   て横方向に貫通するストレートのピン挿入孔を穿
   孔するとともにソケツト装着タイプに合わせて選
   択的にブツシユ付係止ピンを上記ピン挿入孔内に
   嵌合できるようにし、かつこのブツシユ付係止ピ
   ンを主軸のピン挿入孔に嵌合固定するブツシユに
   段付係止ピンを挿入し、このブツシユ、段付係止
   ピン間に該ピン押圧突出用のばねを介在せしめ、
   その外径をストレートピンと等しくしたことを特
   徴とする締付工具における主軸のソケツト取付装
   置。