JPH0522922A - 偏心回転ロータを備えた可変リラクタンス型モータ - Google Patents

偏心回転ロータを備えた可変リラクタンス型モータ

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JPH0522922A
JPH0522922A JP16826591A JP16826591A JPH0522922A JP H0522922 A JPH0522922 A JP H0522922A JP 16826591 A JP16826591 A JP 16826591A JP 16826591 A JP16826591 A JP 16826591A JP H0522922 A JPH0522922 A JP H0522922A
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JP
Japan
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rotor
stator
pin
output shaft
teeth
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JP16826591A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Sakano
哲朗 坂野
Hideaki Oku
秀明 奥
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Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏心回転するロータの自転による大トルクの
出力を高い剛性のもとで確実に取出すことができるとと
もに、ロータ及びステータの接触による摩耗を回避でき
る可変リラクタンス型モータを提供する。 【構成】 ステータ10の複数の突極12に設けたステ
ータ歯12aと、ロータ14の外周に設けたロータ歯1
4aとは相互に噛合可能である。各突極12を順次励磁
するとロータ14はこれに吸引され、ステータ歯12a
とロータ歯14aとが噛合しつつロータ14がステータ
10内で偏心公転する。このとき双方の歯数差に相当す
る角度だけロータ14は自転する。ロータ14の端面に
は、ロータ中心RCから半径rの位置にピン16を突出
固定する。他方、ロータ14と独立の出力軸20に固定
した円盤26には、出力軸20の中心SCから半径rの
位置を中心にピン16よりも大きな直径の円形孔28を
形成する。ロータ14の偏心公転は円形孔28内でのピ
ンの公転として吸収され、ロータ14の自転のみが円盤
26を介して出力軸に伝達される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、偏心回転ロータとモー
タ出力取出し用の独立な出力軸とを有する可変リラクタ
ンス型モータに関し、特に、ステータの複数の突極の各
々に所定ピッチで周方向に列設された突歯と、これに同
一ピッチでロータに周方向へ対応して列設された突歯と
を相互に噛合可能とし、ステータの複数の突極を順次に
励磁することにより、ロータの突歯を順次ステータの突
歯に向けピッチ円の略法線方向に大きな力で吸引し、こ
の法線方向吸引力下でロータがステータに沿ってそれ自
体偏心公転しつつ両者の突歯の歯数差に対応して自転
し、この自転による大きな回転出力を効率よく安定的に
出力軸に伝えて大トルクを発生することのできる可変リ
ラクタンス型モータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に従来の可変リラクタンス型モータ
は、ステータの複数の極に設けたステータ歯とロータの
周縁に設けたロータ歯との間の空隙距離を一定に保持
し、ステータの極を順次励磁したときに、ステータ歯と
ロータ歯との対面にずれがある位置で相互間の磁力線が
湾曲することによって生じる吸引力の回転方向成分がロ
ータのトルクを生み出す構造となっている。この構造で
は、ステータ歯とロータ歯との空隙距離が小さいほど磁
束密度は高く磁力線の吸引力は強くなり、したがってロ
ータのトルクが大きくなる。しかしながら、本来磁力線
の吸引力は半径方向すなわちロータのピッチ円に対する
法線方向において最大であり、接線方向すなわちロータ
の回転方向においてはかなり小さくなるため、より大き
なトルクを得るためにはステータ各極の巻線の巻数を増
加するなどを要し、必然的にモータの外形寸法が大型化
するのを回避できない。
【0003】このように、従来の可変リラクタンス型モ
ータにおいては、ステータの磁力線による吸引力におけ
る大きな半径方向成分をモータ出力に変換して取り出す
ことができない。そこで本出願人は、本願に先行する特
願平3−77843号において、上記吸引力の半径方向
成分に基づくモータ出力を有効に取り出すことのできる
可変リラクタンス型モータを提供している。この先願に
係る可変リラクタンス型モータにおいては、ステータの
複数の極に所定ピッチでステータ歯を設け、これと同一
ピッチで歯数の異なるロータ歯をロータの周縁にステー
タ歯と噛合可能に設け、ステータの複数の極を順次励磁
することによりロータ歯をステータ歯に順次吸引かつ噛
合させ、これによってロータが、それ自体偏心公転運動
を行ないつつステータに対して相対的に自転する構成を
有した可変リラクタンス型モータを形成している。この
ような構成によれば、ロータ歯とステータ歯とは半径方
向の強い磁気吸引力により歯車が噛み合うように順次接
触するため、ロータに付与されるトルクは強大なものと
なる。また、ロータ歯とステータ歯との噛合箇所がロー
タ歯に沿って1周する間に両者の歯数の差に相当する角
度だけロータが相対的に回転する方式であるから、低速
かつ大トルクのモータが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
先願による可変リラクタンス型モータにおいては、それ
自体偏心公転運動を行なうロータの回転出力を取り出す
ために、ロータの軸線方向両端部に弾性変形可能な変形
緩衝部を介して円形を保持可能な円形端部を延設し、こ
の円形端部を外部の出力取出軸に接続させたり、軸受に
よって支持できる構造としている。変形緩衝部は、例え
ばプラスチック製であり、その円筒部分に円周方向へ複
数のスリットを設けて構成するため容易に変形可能であ
るものの、ロータの偏心公転運動を吸収しかつ高トルク
の回転を伝達しなければならないため、その回転方向の
剛性が必ずしも充分でない点が問題となる。
【0005】また、上記の可変リラクタンス型モータで
は、珪素鉄等の比較的脆弱な磁性材料からなるステータ
及びロータをそれらの歯部で相互に噛合させる構造のた
め、両者に高精度の歯車加工が要求される困難性ととも
に高トルクの回転により両者の歯部に摩耗及び欠損が生
じ易いという解決課題がある。本発明はこれらの諸問題
点を解決するために上記先願にさらに鋭意改良を加えた
モータ構成を開発、提供するものであり、その目的とす
るところは、ロータの偏心運動を吸収して高トルクの回
転出力を高い剛性のもとで確実に取り出すことのできる
出力伝達手段を備えた偏心回転ロータを有する可変リラ
クタンス型モータ、並びにロータ及びステータの接触に
よる摩耗を防ぐことのできる偏心回転ロータを有する可
変リラクタンス型モータを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明が提供する可変リラクタンス型モータは、内
周面に所定ピッチの突歯を備えかつ所定順序で通電可能
な巻線をそれぞれに巻設されて順次励磁可能な複数の突
極を内周に等間隔に配設して備える円筒状の静止ステー
タと、該ステータの突極内周面の内径寸法よりも小さな
外径寸法を有した回転要素として前記ステータ内部に配
置され、前記ステータ突極の突歯と同一ピッチの突歯を
相互に噛合可能に外周面に備えると共に、端面には要素
の中心軸線から所定の半径位置に軸線方向へ突出状に固
定された断面円形のピンを備え、前記複数のステータ突
極の順次励磁に従って両者の突歯を噛合させつつ前記ス
テータ内側で偏心公転すると共に両突歯の歯数差に応じ
て自転する円筒状の回転ロータと、前記ステータ及びロ
ータを収容するモータハウジングに回転可能に支持さ
れ、かつ前記ロータの軸線方向に延びる独立軸からなる
モータ出力取出し用の出力軸と、該出力軸上に前記ロー
タ端面と対向して固定取着されると共に、前記出力軸の
回転中心から前記ピンに関する所定半径位置と同一の半
径位置に中心を有して前記ピンの断面直径よりも大きな
直径寸法に形成された円形のピン受容孔を備え、このと
き前記ピンと前記ピン受容孔との直径寸法差は前記ロー
タの偏心公転時の半径方向移動距離に略等しく形成して
該ロータの偏心公転を吸収し、該ロータの自転による回
転出力のみを前記出力軸に伝達する円盤部材と、を具備
したことを特徴とするものである。
【0007】さらに、本発明によれば、所定順序で通電
可能な巻線をそれぞれに巻設されて順次励磁可能な複数
の突極を内周に等間隔に配設して備える円筒状の静止ス
テータと、該ステータの突極内周面の内径寸法よりも小
さな外径寸法を有して前記ステータ内部に配置され、前
記複数のステータ突極の順次励磁に従って前記ステータ
内側で非接触に偏心軌跡に沿って公転する円筒状の回転
ロータと、前記ステータに取着され、前記ステータの突
極内周面と同心のピッチ面を有する所定ピッチの内歯歯
車と、前記ロータに取着され、前記ロータの外周面と同
心のピッチ面及び前記内歯歯車と同一のピッチを有して
該内歯歯車と相互に噛合可能であると共に、端面にはロ
ータ中心軸線から所定の半径位置に前記ロータの軸線方
向へ突出状に固定された断面円形のピンを備え、前記ロ
ータの偏心公転に伴い前記内歯歯車内側で相互に噛合し
つつ偏心公転するとともに該内歯歯車との歯数差に対応
して前記ロータを伴って自転する外歯歯車と、前記ステ
ータ、ロータ、内歯歯車、及び外歯歯車を収容するモー
タハウジングに回転可能に支持されると共に前記ロータ
の軸線方向に延びる独立のモータ出力取出し用の出力軸
と、該出力軸上に前記外歯歯車端面と対向して固定配置
されると共に、前記出力軸の回転中心から前記ピンに関
する所定半径位置と同一の半径位置に中心を有して前記
ピンの断面直径よりも大きな直径寸法の円形孔として形
成されたピン受容孔を備え、このとき前記ピンと前記ピ
ン受容孔との直径寸法差は前記外歯歯車の偏心公転時の
半径方向移動距離に略等しく形成して該外歯歯車の偏心
公転を吸収し、該外歯歯車及び前記ロータの自転による
回転出力のみを前記出力軸に伝達する円盤部材と、を具
備したことを特徴とする偏心回転ロータを備えた可変リ
ラクタンス型モータが提供される。
【0008】また、上記のインナーロータ型モータの代
わりに、同様の構成を有するアウターロータ型モータも
提供される。
【0009】
【作用】ステータの所望の巻線に通電してこれに対応す
る突極を励磁すると、ロータはこの突極に半径方向へ吸
引されて両者に直接形成した突歯又は両者に取着した歯
車が相互に噛合する。突極の励磁を順次移動させると、
これに伴って突歯同士又は歯車同士が噛合しつつロータ
が偏心公転するとともに、突歯又は歯車の歯数の差に対
応してロータが自転する。このときロータ又はロータに
取着した外歯歯車に固定されるピンは、出力軸に固定さ
れた円盤部材の円形孔との直径差がロータの半径方向偏
心移動距離に等しいため、円形孔の内面に当接しつつロ
ータとともに偏心公転移動する。したがってロータの偏
心公転運動は円盤部材を動作させることがなく、ロータ
の自転のみがピンを介して円盤部材を動作させ、ロータ
の自転による回転出力が出力軸に伝達される。
【0010】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明をその実施
例に基づきさらに詳細に説明する。図1は本発明の実施
例による可変リラクタンス型モータの側断面図、図2は
図1のモータの縦断面図である。なお、以下の説明では
いずれも円筒形状のステータの内部にロータを回転自在
に配置したインナーロータ型モータの例に関して説明す
るが、この逆の配置を有するアウターロータ型モータに
対しても本発明は適用可能である。
【0011】図1に示したように、珪素鋼板を打ち抜き
積層して中空の円筒形状に形成されたステータ10は、
その内周側に同一形状の12個の励磁用突極12を等間
隔に配設している。各励磁用突極12の内周面上には、
それぞれ同一の所定ピッチでステータ歯12aを設け
る。隣接する励磁用突極12間の間隔は、それらの内周
面上に設けたステータ歯12aがそこで連続して1つの
山又は谷を形成できる大きさであると同時に、各突極1
2のステータ歯12aはこのようにして同一ピッチ円上
にて相互に連続可能な列設配置となっている。これによ
り、後述するロータ14のロータ歯14aはステータ歯
12aに対し順次滑らかに噛合する。さらに、各突極1
2には、それぞれ巻線a〜lを巻設する。巻線a〜lは
いずれも励磁電流を供給する通電装置(図示せず)に接
続され、1個又は複数個ずつ順次通電することにより突
極12を同様に順次励磁可能となっている。
【0012】ステータ10の内部には、ステータ10の
内径より小さい外径寸法を有するロータ14が偏心公転
運動可能に設置される。ロータ14は珪素鉄等を含むプ
ラスチック射出成形品として形成され、その円筒状の外
周面にピッチ円径は異なるが上記ステータ歯12aと同
一ピッチかつ同一形状を有した、つまり同一歯形諸元の
ロータ歯14aが形成されている。これにより、前述の
ようにステータ10の突極12が順次励磁されると、ロ
ータ14はその突極12に引きつけられロータ歯14a
がステータ歯12aに噛合しつつ励磁の移動に伴って1
つの円上を偏心移動する。
【0013】図2に明示するように、ロータ14にはそ
の回転中心点RCから所定半径rの位置に、ロータ14
の軸線方向に延びるピン16が貫通固定される。ピン1
6は剛性を有する材料からなり、所定直径の円形断面を
備えてロータ14の両端面から外方へ突出する。また、
ロータ14の中心部分には軸線方向に貫通孔18が設け
られ、この貫通孔18内をモータの出力取出し用の出力
軸20が壁面との間に空間を有して独立に延設される。
【0014】出力軸20は、モータの中心すなわちステ
ータ10の中心位置に配置され、軸受22によってモー
タハウジング24に支持される。出力軸20には、モー
タハウジング24内でロータ14の両端面の外側に出力
伝達用の円盤26がそれぞれ固着される。円盤26は出
力軸20の中心すなわちステータ10の中心点SCか
ら、上記ピン16の位置を示した半径rに等しい半径r
の点を中心に、ピン16の直径よりも大きい直径を有す
る円形孔28を成形している。これによりロータ14の
両端面から突出したピン16は、それぞれ円盤26の円
形孔28に受容可能となっている。ピン16の直径と円
形孔28の直径との寸法差Sは、前述のロータ14の偏
心運動時の半径方向偏心量Sに等しく、ロータ14がロ
ータ歯14aをステータ歯12aに噛合させつつ偏心公
転運動するとピン16はその外周面を円形孔28の内周
面に当接させつつ同様に偏心公転運動するようになって
いる。
【0015】このように構成された図1及び図2の可変
リラクタンス型モータにおいて、まずステータ10の巻
線aとbとに通電しこれらに対応する2つの隣接した突
極12を同時に励磁すると、ロータ14はこれらの突極
12に磁気的に吸引され、ロータ歯14aとステータ歯
12aとが噛合して図1に示した状態となる。次に、巻
線bへの通電は維持したまま巻線aへの通電を切り、代
わりに巻線cへ通電すると、巻線cに対応する突極12
が励磁され、ロータ14はロータ歯14aをステータ歯
12aに順次噛合させつつ、図で時計回り方向へわずか
に移動し、巻線b,cに対応する突極12に接触する。
以下、同様にして各巻線に順次通電を切替えることによ
り、ロータ14はロータ歯14aをステータ歯12aに
順次噛合させつつ図で時計回り方向に偏心公転運動を行
ない、再び巻線aとbとに通電したときにステータ10
の内周を1周したことになる。このとき、ステータ10
の内径とロータ14の外径との寸法差から生じる歯数の
差により、ロータ14は上記のスタート時の状態に比べ
てこの歯数の差に相当する角度だけ回転中心RCに関し
て自転している。この実施例ではロータ歯14aの歯数
はステータ歯12aよりも2歯だけ少なく形成されてお
り、したがってロータ14は、時計回り方向へ偏心公転
運動を1周する間に回転中心RCに関して半時計回り方
向へ2歯分に相当する角度だけ自転する。
【0016】このように、ロータ14がそれ自体偏心公
転運動しつつ回転中心RCに関して自転すると、ロータ
14に固定したピン16も同様に動く。すなわちピン1
6は、前述のように円盤26の円形孔28内を時計回り
方向に偏心回転移動し、ステータ10の各突極12への
励磁が1周したときにはロータ14とともに半時計回り
方向へ2歯分に相当する角度だけ移動している。これに
より、円盤26はピン16に伴って円盤26の回転中心
SCに関して半時計回り方向へ回転する。このようにし
て、ロータ14の偏心公転運動は円盤26の円形孔28
内でのピン16の運動となって円盤26を動作させず、
大きな磁気吸引力に基づくロータ14の自転による回転
出力のみが円盤26によって取り出され、出力軸20に
伝達されることとなる。ここで、ロータ14から取り出
されるトルクは前述のように減速比が大きいことも手伝
って強力なものとなり、ピン16及び円盤26はこの大
トルクに耐え得るだけの剛性が必要である。また、剛性
を高めるために、それぞれの回転中心に関して対称に複
数のピン16及び円形孔28を形成することもできる。
【0017】上記実施例においては、比較的脆弱な磁性
材料からなるステータ10及びロータ14に、それぞれ
高精度を要する歯車加工を実施してステータ歯12a及
びロータ歯14aを設ける構成としたが、各歯が相互に
噛合することによって摩耗や欠損を生じ易いという課題
が残される。そこでこの課題を解決する手段を備えた可
変リラクタンス型モータを図3及び図4に示す。このモ
ータにおいては、ステータ30の内周に設けた複数の突
極32の内周面及びロータ34の外周面は、歯のない滑
らかな形状となっている。ステータ30及びロータ34
の材質、突極32に対する巻線の状態などは、図1の実
施例と同様である。ロータ34は図4に示したように中
実の円筒体であり、その中心位置に軸線方向に延びる中
心軸36を貫通固定している。中心軸36はロータ34
の両端面から外方へ突出し、その両端部にそれぞれ外歯
歯車38を固定支持する。他方、ステータ30を支持す
るモータハウジング40には、ステータ30の両端面の
外側に外歯歯車38と噛合可能な同一ピッチの歯を有す
る環状の内歯歯車42を固定する。このとき、ロータ3
4の外周面と外歯歯車38の外周面とはロータ中心RC
に関して同心円を形成し、同様にステータ30の内周面
と内歯歯車42の内周面とはステータ中心SCに関して
同心円を形成し、かつ外歯歯車38と内歯歯車42とが
相互に噛合したときに、好ましくはステータ30とロー
タ34との間には図4に示したように極めて微小な間隙
が形成されるように、外歯歯車38及び内歯歯車42の
寸法と配置が決定される。
【0018】このような構造において、図1の実施例と
同様にステータ30の巻線に通電して対応する突極32
を励磁すると、ロータ34はこの突極32に引き付けら
れ、ロータ34の中心軸36に固定支持された外歯歯車
38が内歯歯車42に接触し相互に噛合する。突極32
の励磁を時計回りに順次進行させるに従い、ロータ34
は時計回りに偏心公転運動を行ない、同時に外歯歯車3
8が内歯歯車42に噛合しつつ偏心公転運動を行なう。
ここで外歯歯車38の外径と内歯歯車42の内径との寸
法差から生じる両者の歯数の差により、外歯歯車38は
内歯歯車42の内周に沿って1周したときに上記のスタ
ート時の状態に比べてこの歯数の差に相当する角度分だ
けロータ中心RCに関して自転している。この実施例で
は図1の実施例と同様に、外歯歯車38の歯数は内歯歯
車42よりも2歯少なく設けられており、したがって外
歯歯車38は、ロータ34に伴なって時計回り方向へ偏
心公転運動を1周する間にロータ中心RCに関して半時
計回り方向へ2歯分に相当する角度だけ自転する。
【0019】このように、ステータ30の各突極32の
励磁により生じるロータ34を半径方向に引き付ける強
い吸引力を外歯歯車38及び内歯歯車42で受け、ロー
タ34の偏心公転運動を外歯歯車38によって滑らかに
遂行させるとともに歯数の差によりロータ34に自転運
動を遂行させる構成としたため、比較的脆弱な材料から
なるステータ30及びロータ34の摩耗又は欠損の危険
性がなくなり、しかも各歯車38,42は通常の歯車と
して剛性の高い材料を用いて高精度の加工が可能である
ため、高トルクを発生する本発明の可変リラクタンス型
モータに対する信頼度が高まる。
【0020】図3及び図4に示した構造からロータ34
の回転出力を効率的に取り出すために、図1及び図2に
示した可変リラクタンス型モータと同一の出力取り出し
構造を備えた実施例を図5及び図6に示す。図示のよう
に、ロータ34の中心軸36に固定支持された一方の外
歯歯車38には、ロータ中心RCから所定半径r′の位
置にピン44を貫通固定する。ピン44は堅固な材料か
らなり、所定直径の断面を有して外歯歯車38の端面か
ら外側へ軸線方向に突出する。他方、モータハウジング
40にはステータ中心SCの位置に、ロータ34の軸線
方向に延びる出力軸46を軸受48を介して回転自在に
装着する。そしてモータハウジング40内で出力軸46
の先端に、外歯歯車38に実質的平行に対面する出力伝
達用の円盤50を固定する。円盤50には図1の円盤2
6と同様に、それ自体の回転中心すなわちステータ中心
SCから半径r′の点を中心としてピン44の直径より
も大きい直径を有する円形孔52を形成する。したがっ
て、外歯歯車38の端面から突出したピン44は、円形
孔52内に受容される。ピン44の直径と円形孔52の
直径との寸法差S′は、ロータ34を伴なう外歯歯車3
8の偏心公転運動時の半径方向偏心量S′に等しく、こ
れによって生じる動作は図1及び図2の実施例と同様で
ある。このようにして、ロータ34を伴なう外歯歯車3
8の偏心公転運動は円盤50の円形孔52内で吸収さ
れ、ロータ34の自転による回転出力のみが円盤50に
よって取り出され出力軸46に伝えられることとなる。
ここで、ピン44及び円形孔52をそれぞれの回転中心
に関して対称に複数個設けてもよいことは図1の実施例
と同様である。
【0021】
【発明の効果】本発明による可変リラクタンス型モータ
は、上記のように内周面に突歯を備えたステータの突極
を順次励磁し、この突歯と同一のピッチを有する突歯を
外周面に備えたロータを、両突歯を噛合させつつステー
タ内で偏心公転運動させると同時に、両突歯の歯数の差
に対応して自転させ、ロータの端面に突出固定されてロ
ータと共に動くピンを出力軸に固定された円盤部材に設
けた円形孔で受け、ロータの偏心公転運動はピンが円形
孔内で同時に偏心公転運動することにより円盤部材を動
作させず、ロータの自転による回転出力のみがピンを介
して円盤部材を動作させ、出力軸に伝達される構成とし
たから、ステータの突極の励磁による強力な半径方向の
吸引力を突歯同士の噛み合い動作によって回転出力に転
換することができ、かつ減速比が大きいことも手伝って
強力なトルクを発生させることができるとともに、ロー
タの偏心公転運動が円形孔内でのピンの非拘束な運動に
よって吸収されるため、出力伝達機構としてのピン及び
円盤部材に高剛性の材料を使用することにより、安定か
つ信頼性の高い大トルクの回転出力を出力軸に伝えるこ
とができる。
【0022】また、ステータ及びロータに相互に噛合す
る突歯を設ける代わりにそれぞれに内歯歯車及び外歯歯
車を取着し、これらの歯車の噛み合い動作によりロータ
の偏心公転及び自転を遂行する構造とした場合には、比
較的脆弱な磁性材料からなるステータ及びロータに精密
な歯車加工を行なう困難な作業が回避され、両者が非接
触であるためにステータ及びロータの表面の摩耗又は欠
損の危惧が回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による可変リラクタンス型モー
タの側断面図である。
【図2】図1のモータの縦断面図である。
【図3】本発明の他の実施例による可変リラクタンス型
モータの部分側断面図である。
【図4】図3のモータの部分縦断面図である。
【図5】図3のモータに出力取出し機構を付設して示す
側断面図である。
【図6】図5のモータの縦断面図である。
【符号の説明】
10,30…ステータ 12,32…突極 12a,14a…突歯 14,34…ロータ 16,44…ピン 20,46…出力軸 26,50…円盤 28,52…円形孔 38…外歯歯車 42…内歯歯車

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面に所定ピッチの突歯を備えかつ所
    定順序で通電可能な巻線をそれぞれに巻設されて順次励
    磁可能な複数の突極を、内周に等間隔に配設して備える
    円筒状の静止ステータと、 該ステータの突極内周面の内径寸法よりも小さな外径寸
    法を有した回転要素として前記ステータ内部に配置さ
    れ、前記ステータ突極の突歯と同一ピッチの突歯を相互
    に噛合可能に外周面に備えると共に、端面には要素の中
    心軸線から所定の半径位置に軸線方向へ突出状に固定さ
    れた断面円形のピンを備え、前記複数のステータ突極の
    順次励磁に従って両者の突歯を噛合させつつ前記ステー
    タ内側で偏心公転すると共に両突歯の歯数差に応じて自
    転する円筒状の回転ロータと、 前記ステータ及びロータを収容するモータハウジングに
    回転可能に支持され、かつ前記ロータの軸線方向に延び
    る独立軸からなるモータ出力取出し用の出力軸と、 該出力軸上に前記ロータ端面と対向して固定取着される
    と共に、前記出力軸の回転中心から前記ピンに関する所
    定半径位置と同一の半径位置に中心を有して前記ピンの
    断面直径よりも大きな直径寸法に形成された円形のピン
    受容孔を備え、このとき前記ピンと前記ピン受容孔との
    直径寸法差は前記ロータの偏心公転時の半径方向移動距
    離に略等しく形成して該ロータの偏心公転を吸収し、該
    ロータの自転による回転出力のみを前記出力軸に伝達す
    る円盤部材と、を具備したことを特徴とする偏心回転ロ
    ータを備えた可変リラクタンス型モータ。
  2. 【請求項2】 所定順序で通電可能な巻線をそれぞれに
    巻設されて順次励磁可能な複数の突極を内周に等間隔に
    配設して備える円筒状の静止ステータと、 該ステータの突極内周面の内径寸法よりも小さな外径寸
    法を有して前記ステータ内部に配置され、前記複数のス
    テータ突極の順次励磁に従って前記ステータ内側で非接
    触に偏心軌跡に沿って公転する円筒状の回転ロータと、 前記ステータに取着され、前記ステータの突極内周面と
    同心のピッチ面を有する所定ピッチの内歯歯車と、前記
    ロータに取着され、前記ロータの外周面と同心のピッチ
    面及び前記内歯歯車と同一のピッチを有して該内歯歯車
    と相互に噛合可能であると共に、端面にはロータ中心軸
    線から所定の半径位置に前記ロータの軸線方向へ突出状
    に固定された断面円形のピンを備え、前記ロータの偏心
    公転に伴い前記内歯歯車内側で相互に噛合しつつ偏心公
    転するとともに該内歯歯車との歯数差に対応して前記ロ
    ータを伴って自転する外歯歯車と、 前記ステータ、ロータ、内歯歯車、及び外歯歯車を収容
    するモータハウジングに回転可能に支持されると共に前
    記ロータの軸線方向に延びる独立のモータ出力取出し用
    の出力軸と、 該出力軸上に前記外歯歯車端面と対向して固定配置され
    ると共に、前記出力軸の回転中心から前記ピンに関する
    所定半径位置と同一の半径位置に中心を有して前記ピン
    の断面直径よりも大きな直径寸法の円形孔として形成さ
    れたピン受容孔を備え、このとき前記ピンと前記ピン受
    容孔との直径寸法差は前記外歯歯車の偏心公転時の半径
    方向移動距離に略等しく形成して該外歯歯車の偏心公転
    を吸収し、該外歯歯車及び前記ロータの自転による回転
    出力のみを前記出力軸に伝達する円盤部材と、を具備し
    たことを特徴とする偏心回転ロータを備えた可変リラク
    タンス型モータ。
  3. 【請求項3】 外周面に所定ピッチの突歯を備えかつ所
    定順序で通電可能な巻線をそれぞれに巻設されて順次励
    磁可能な複数の突極を、外周に等間隔に配設して備える
    円筒状の静止ステータと、 該ステータの突極外周面の外径寸法よりも大きな内径寸
    法を有した回転要素として前記ステータ外部に配置さ
    れ、前記ステータ突極の突歯と同一ピッチの突歯を相互
    に噛合可能に内周面に備えると共に、端面には要素の中
    心軸線から所定の半径位置に軸線方向へ突出状に固定さ
    れた断面円形のピンを備え、前記複数のステータ突極の
    順次励磁に従って両者の突歯を噛合させつつ前記ステー
    タ外側で偏心公転すると共に両突歯の歯数差に応じて自
    転する円筒状の回転ロータと、 前記ステータ及びロータを収容するモータハウジングに
    回転可能に支持され、かつ前記ロータの軸線方向に延び
    る独立軸からなるモータ出力取出し用の出力軸と、 該出力軸上に前記ロータ端面と対向して固定取着される
    と共に、前記出力軸の回転中心から前記ピンに関する所
    定半径位置と同一の半径位置に中心を有して前記ピンの
    断面直径よりも大きな直径寸法に形成された円形のピン
    受容孔を備え、このとき前記ピンと前記ピン受容孔との
    直径寸法差は前記ロータの偏心公転時の半径方向移動距
    離に略等しく形成して該ロータの偏心公転を吸収し、該
    ロータの自転による回転出力のみを前記出力軸に伝達す
    る円盤部材と、を具備したことを特徴とする偏心回転ロ
    ータを備えた可変リラクタンス型モータ。
  4. 【請求項4】 所定順序で通電可能な巻線をそれぞれに
    巻設されて順次励磁可能な複数の突極を外周に等間隔に
    配設して備える円筒状の静止ステータと、 該ステータの突極外周面の外径寸法よりも大きな内径寸
    法を有して前記ステータ外部に配置され、前記複数のス
    テータ突極の順次励磁に従って前記ステータ外側で非接
    触に偏心軌跡に沿って公転する円筒状の回転ロータと、 前記ステータに取着され、前記ステータの突極外周面と
    同心のピッチ面を有する所定ピッチの外歯歯車と、 前記ロータに取着され、前記ロータの内周面と同心のピ
    ッチ面及び前記外歯歯車と同一のピッチを有して該外歯
    歯車と相互に噛合可能であると共に、端面にはロータ中
    心軸線から所定の半径位置に前記ロータの軸線方向へ突
    出状に固定された断面円形のピンを備え、前記ロータの
    偏心公転に伴い前記外歯歯車外側で相互に噛合しつつ偏
    心公転するとともに該外歯歯車との歯数差に対応して前
    記ロータを伴って自転する内歯歯車と、 前記ステータ、ロータ、外歯歯車、及び内歯歯車を収容
    するモータハウジングに回転可能に支持されると共に前
    記ロータの軸線方向に延びる独立のモータ出力取出し用
    の出力軸と、 該出力軸上に前記内歯歯車端面と対向して固定配置され
    ると共に、前記出力軸の回転中心から前記ピンに関する
    所定半径位置と同一の半径位置に中心を有して前記ピン
    の断面直径よりも大きな直径寸法の円形孔として形成さ
    れたピン受容孔を備え、このとき前記ピンと前記ピン受
    容孔との直径寸法差は前記内歯歯車の偏心公転時の半径
    方向移動距離に略等しく形成して該内歯歯車の偏心公転
    を吸収し、該内歯歯車及び前記ロータの自転による回転
    出力のみを前記出力軸に伝達する円盤部材と、を具備し
    たことを特徴とする偏心回転ロータを備えた可変リラク
    タンス型モータ。
JP16826591A 1991-07-09 1991-07-09 偏心回転ロータを備えた可変リラクタンス型モータ Pending JPH0522922A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220126670A1 (en) * 2019-04-12 2022-04-28 Weichai Power Co., Ltd. Hybrid power system

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220126670A1 (en) * 2019-04-12 2022-04-28 Weichai Power Co., Ltd. Hybrid power system
US11919399B2 (en) * 2019-04-12 2024-03-05 Weichai Power Co., Ltd. Hybrid power system

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