JPH05228884A - 工業用ロボット - Google Patents

工業用ロボット

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Publication number
JPH05228884A
JPH05228884A JP3223892A JP3223892A JPH05228884A JP H05228884 A JPH05228884 A JP H05228884A JP 3223892 A JP3223892 A JP 3223892A JP 3223892 A JP3223892 A JP 3223892A JP H05228884 A JPH05228884 A JP H05228884A
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JP
Japan
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arm
signal
piston
air
balance mechanism
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JP3223892A
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English (en)
Inventor
Shoichi Tsuchiya
昭一 土屋
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は揺動自在に設けられたアームをその
回動位置にバランスさせて静止させるよう構成した工業
用ロボットを提供することを目的とする。 【構成】 ロボット本体2の第1のアーム4は支台8上
に起立し揺動自在に支持され、その上端には第2のアー
ム9が支持されている。支台8と第1のアーム4との間
にはバランス機構5が取付けられ、第1のアーム4には
空気供給ユニット6より供給された空気圧力によりピス
トン−シリンダ機構18の押圧力が作用するとともにシ
リンダ部20内のスプリング19のバネ力が作用する。
シリンダ部20へ空気供給する電磁弁はモータ電源、サ
ーボオン信号、ブレーキ解除信号、空気圧信号を用いて
開閉制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工業用ロボットに係り、
特に揺動自在に設けられたアームをその停止位置に保持
するバランス機構を有する工業用ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば旋回ベース上に起立する第1のア
ームの上端に水平方向に延びる第2のアームが揺動自在
に支持される多関節形の工業用ロボットでは、第1のア
ームがその自重及び第2のアームの重量により傾斜する
ため、第1のアームがその回動位置で静止するように第
1のアームに作用する重力モーメントとバランスする力
を第1のアームに付与するバランス機構が設けられてい
る。
【0003】従来のバランス機構としては、例えば実開
昭61−124388号公報に開示された機構がある。
この公報の機構では、旋回ベース上に起立し揺動自在に
支持された第1のアームと、第1のアームの下端部を支
持するブラケットとの間に引張コイルバネよりなるスプ
リングを張設してなり、第1のアームが傾斜するにつれ
てスプリングがより引っ張られ第1のアームがその回動
位置に保持されるようになっている。
【0004】また、別の従来の機構としては、特開昭6
2−162491号公報に見られるようにアームの重力
を受ける関節部分の重力モーメントを軽減するためのカ
ウンタバランス(おもり)をアーム内部に設けた機構も
ある。
【0005】しかるに、上記従来のようにスプリングの
バネ力のみでアームを保持する場合、ダイレクトティー
チング操作時の操作力を軽減するためにはスプリングを
より強力にしなければならず、バランス機構が大型化し
てしまう。さらに、アームが垂直状態から水平方向に大
きく回動できるがスプリングの伸縮に限界があるため、
その全範囲をスプリングだけでカバーすることは難し
く、例えばアームが水平方向に大きく回動した状態でバ
ランスするようにスプリングのバネ定数を設定すると、
アームが垂直に近くなるにつれてアームに作用する重力
モーメントよりバネ力の方が小さくなってしまいアーム
が安定に静止することが難しい。
【0006】又、上記別の従来の場合、アームにカウン
タバランスを設けることによりアーム自体の重量が増大
し、アームを回動させるときの慣性力がより大きくなる
ため、ロボットの動作特性が低下するばかりか、より大
きな駆動力を要するためモータが大型化してしまう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本出願人はア
ームと旋回ベースとの間にスプリングが内蔵されたピス
トン−シリンダ機構を設けてスプリングの付勢力及びピ
ストン−シリンダ機構の空気圧力によりアームを保持す
るよう構成した工業用ロボットを開発しつつある。
【0008】このような工業用ロボットにあっては圧縮
空気が供給される空気配管途中に配設された電磁弁を開
弁させてピストン−シリンダ機構に圧縮空気を供給させ
てアームを保持し、アーム停止時には上記電磁弁を閉弁
させてピストン−シリンダ機構をロック状態に切換えて
アーム先端が自重で降下することを防止できる。
【0009】ところが、上記電磁弁の開閉制御は制御回
路からの制御信号により電磁弁のソレノイド部を励磁又
は消磁させる際、他の制御信号、例えばモータの制御信
号、アームの制御信号、ブレーキ制御信号等とは別に電
磁弁への信号が出力されるようになっている。そのた
め、例えばモータオン信号が出力されているのに電磁弁
が閉弁したままだったり、あるいはアーム制御開始信号
が出力されているのに電磁弁が閉弁したままだったり、
あるいはブレーキオン信号が出力されているのに電磁弁
が開弁したままだったり、あるいはダイレクトティーチ
ング中に空気圧が低下しても電磁弁が開弁したままであ
り、アームのバランスを保つことができなくなる可能性
がある。
【0010】そこで、本発明は上記課題を解決した工業
用ロボットを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記請求項1の発明は、
支持部に揺動自在に支承されたアーム前記アームがその
停止位置より傾かないように前記アームを付勢する第1
のバランス機構と、一端が前記アームに連結され、他端
が前記アームを支持する支持部に連結された第2のバラ
ンス機構と、該第1のバランス機構と協働して前記アー
ムを停止位置に保持するよう前記第2のバランス機構に
圧縮空気を供給する弁機構と、前記アームを制御する信
号により前記弁機構を開弁又は閉弁させる制御手段と、
を備えてなることを特徴とする。
【0012】又、請求項2の発明は、前記アームがモー
タにより駆動される工業用ロボットであって、前記アー
ムを制御する信号はモータ電源のオン・オフ、信号アー
ム制動用のブレーキ機構のブレーキオン・オフ信号の少
なくとも一方の信号であることを特徴とする。
【0013】又、請求項3の発明の前記アームを制御す
る信号は、前記圧縮空気の空気圧検出信号であることを
特徴とする。
【0014】又、請求項4の発明の前記制御手段は、前
記アームを制御する信号の出力に対して前記弁機構の開
弁又は閉弁の切換動作を所定時間遅らせる遅延回路を有
することを特徴とする。
【0015】
【作用】アームを制御する信号により弁機構を開弁又は
閉弁させるため、例えばモータ駆動時又はブレーキ解除
時には弁機構が確実に開弁されて第2のバランス機構に
圧縮空気が供給され、モータ停止時又はブレーキ作動時
には弁機構が確実に閉弁されて第2のバランス機構をロ
ック状態に保つことができ、ダイレクトティーチング時
の圧力低下があっても第2のバランス機構をロックでき
る。
【0016】
【実施例】図1乃至図3に本発明になる工業用ロボット
の一実施例を示す。
【0017】各図中、工業用ロボット1は、多関節形の
ロボット本体2と、ロボット本体2を制御するロボット
コントローラ3と、ロボット本体2の第1のアーム4を
静止させるバランス機構5と、バランス機構5のピスト
ン−シリンダ機構18に圧縮空気を供給する空気供給ユ
ニット6とよりなる。尚、バランス機構5は後述するよ
うに第1のバランス機構としてのスプリング19と、第
2のバランス機構としてのピストン−シリンダ機構18
とより構成されている。本実施例ではスプリング19が
ピストン−シリンダ機構18に内蔵されているため、外
観上1つのバランス機構にしか見えない。
【0018】ロボット本体2は、固定ベース7a上に設
けられ水平方向に回動する旋回ベース7と、旋回ベース
7上に設けられた支台8と、支台8上に起立し前後方向
に回動するよう支承された第1のアーム4と、第1のア
ーム4の上端に支承され水平方向に延在する第2のアー
ム9と、第2のアーム9の先端に設けられた手首部10
とよりなる。
【0019】又、支台8上には一対のモータ取付部8
a,8bが突出している。一方のモータ取付部8aには
第1のアーム4を駆動する駆動モータ11が取り付けら
れており、他方のモータ取付部8bには第2のアーム9
を駆動する駆動モータ12が取り付けられている。駆動
モータ11のロータは第1のアーム4のフランジ部4A
に固着され、第1のアーム4は駆動モータ11の駆動力
によりB軸を中心に前後方向に回動する。
【0020】駆動モータ12のロータは後方に延在する
水平リンク13のフランジ部13Aに結合されている。
水平リンク13の先端は第1のアーム4の後方で垂直方
向に延在する垂直リンク14の下端に連結されている。
又、垂直リンク14の上端は第1のアーム4の上端4a
に支承された第2のアーム9の後部9aに連結されてい
る。従って、駆動モータ12の回転駆動力は水平リンク
13、垂直リンク14を介して第2のアーム9に伝達さ
れる。
【0021】又、第2のアーム9は第1のアーム4のB
軸と平行なC軸を中心に上下方向に回動する。第2のア
ーム9先端に設けられた手首部10はD,E,F軸を中
心とする3軸方向に回動する構成であり、そのF軸に
は、例えば塗装ガン等の作業治具が取り付けられる。
【0022】又、第2のアーム9の後部9aには手首部
10を各軸方向に駆動する手首駆動モータ15,16,
17が収納されている。バランス機構5はピストン−シ
リンダ機構18の下端がモータ取付け部8bに連結さ
れ、上端が第1のアーム4の側面に連結されている。
【0023】ここで、前述したバランス機構5と空気供
給ユニット6の構成につき説明する。
【0024】図3に示す如く、バランス機構5は、ピス
トン−シリンダ機構(第2のバランス機構)18と、ピ
ストン−シリンダ機構18に設けられた圧縮コイルバネ
よりなるスプリング(第1のバランス機構)19とより
なり、小型化されている。
【0025】ピストン−シリンダ機構18のシリンダ部
20は上端20a(軸受20bを有する)が第1のアー
ム4の側面に回動自在に連結されている。このシリンダ
部20の内部にはピストン21が摺動自在に設けられて
おり、ピストン21の下面中央に結合されたピストンロ
ッド22はシリンダ部20の底部中央孔20cを貫通し
て下方に延在する。
【0026】そして、ピストンロッド22の下端22a
(軸受22bを有する)は前述した支台(支持部)8の
モータ取付部8aに回動自在に連結されている。
【0027】そのため、ピストン−シリンダ機構18は
図4に示すように第1のアーム4が垂直方向(B2
向)に回動するときピストン21がシリンダ部20内を
上動して圧縮され、第1のアーム4が水平方向(B1
向)に回動するときピストン21がシリンダ20内を下
動して伸張する。
【0028】尚、ピストン21は上端位置M1 から下端
位置M2 までのストロークで摺動するよう組み付けられ
ている。従って、第1のアーム4が垂直方向に起立して
いるとき、ピストン21は上端位置M1 に到り、第1の
アーム4が水平方向の下動限位置まで回動したとき、ピ
ストン21は下端位置M2 に移動する。
【0029】ピストン21はシリンダ部20内を上室2
0dと下室20eとに画成し、その外周にはOリング等
のシール部材(図示せず)が取付けられている。
【0030】又、シリンダ部20の底部中央孔20cに
はピストンロッド22を摺動自在に軸承するとともに気
密にシールするシール部材23が設けられている。下室
20eの底部近傍には吸気口20fが設けられ、ピスト
ン21の上端位置M1 より上方に位置する上室20dの
上部には排気口20gが設けられている。
【0031】又、ピストン21はバネ定数の小さいスプ
リング19の押圧力により全ストロークで上方に押圧さ
れており、ピストン−シリンダ機構18は圧縮状態とな
って第1のアーム4に垂直方向(B2 方向)への力を作
用せしめる。
【0032】空気供給ユニット6は、スプリング19と
協働するようにシリンダ部20へ空気を供給しており、
コンプレッサ等の空気源24により生成された圧縮空気
を供給する空気配管25を介して上記シリンダ部20の
下室20eの吸気口20fに接続されている。又空気配
管25には開閉弁26,チェック弁27,空気タンク2
8,減圧弁29,弁機構としての電磁弁30,圧力セン
サ31が配設されている。
【0033】開閉弁26は手動操作で弁開又は弁閉する
弁であり、通常開弁している。チェック弁27は空気源
24からシリンダ部20へ供給される空気の流れのみを
許容し、シリンダ部20から逆流する空気の流れを止め
るよう構成されている。
【0034】又、空気源24からの空気は一旦空気タン
ク28に溜められ、減圧弁29により一定力P1 に減圧
されてシリンダ部20の下室20eに供給される。尚、
電磁弁30は2ポート2位置スプリングオフセット弁よ
りなる弁機構であり、ロボットコントローラ3の制御ユ
ニット36からの信号によりリレー37がオンになり、
これによりソレノイド30aが励磁されると開弁し、リ
レー37のオフによりソレノイド30aが消磁されると
バネ30bの押圧力により閉弁する。通常電磁弁30は
開弁し、減圧弁29により一定力P1 とされた空気をシ
リンダ部20の下室20eに供給する。
【0035】圧力センサ31はこのように下室20eに
供給される空気圧力を検出し、その検出信号をロボット
コントローラ3の制御ユニット36に出力する。即ち、
空気配管25が破損したりあるいはコンプレッサの故障
により供給空気圧力が減圧されると、制御ユニット36
はリレー37をオフに切換え電源33からの通電を停止
する。従って、リレー37がオフに切換えられることに
より、電磁弁30が閉弁して空気供給が停止するととも
にロボット本体2も停止する。又、操作者が緊急時に非
常停止スイッチを手動で切換えてもロボット本体2は停
止する。
【0036】又、シリンダ部20の排気口20gには排
気管35を介して絞り弁34が接続されている。この絞
り弁34は、排気管35に設けられた可変絞り34a
と、可変絞り34aをバイパスするバイパス管35aに
設けられたチェック弁34bとを有する。従って、ピス
トン21が上動するとき、上室20d内の空気は可変絞
り34aのみを通過して排気される。又、ピストン21
が下動するときは、多量の空気が可変絞り34a及びチ
ェック弁34bを介して上室20d内に供給され、ピス
トン21の下動動作が妨げられないようになっている。
【0037】このように、ピストン21はスプリング1
9の押圧力と空気圧力により上方に押圧されており、こ
の合力により第1のアーム4をその回動位置に保持でき
る。例えば、第1のアーム4が図4に示す位置から水平
方向(B1 方向)に回動すると、第1のアーム4に作用
する重力モーメントが増大する。その場合、シリンダ部
20内のピストン21は下動し、スプリング19を圧縮
する。同時にピストン21を押圧する下室20e内の容
積が減少して一時的に上昇するが、すぐに減圧弁29及
び空気タンク28に空気が流出して下室20e内の圧力
は一定になる。従って、第1のアーム4がB1 方向に回
動するにつれてバランス機構5の第1のアーム4に対す
る力Fは空気圧力とばね力により増大し、第1のアーム
4に作用する重力モーメントと釣り合う。これにより、
第1のアーム4は回動位置に静止する。
【0038】尚、ピストン21の下動により圧縮された
下室20e内の空気は吸気口20fより空気タンク28
に逆流して、ピストン21の動きを妨げない。
【0039】そのため、下室20e内の圧力はピストン
21のストロークに対して比例して急激に上昇するので
はなく、空気タンク28により第1のアーム4に作用す
る重力モーメントの変化に対応するように徐々に上昇す
る。
【0040】又、上記とは逆に第1のアーム4が垂直方
向(B2 方向)に回動すると、第1のアーム4に作用す
る重力モーメントが減少する。この場合、シリンダ部2
0内のピストン21は上動し、スプリング19が伸びて
その押圧力が減少する。同時に下室20eの容積が増加
して一時的に下室20e内の圧力は低下するが、すぐに
空気源24からの空気が供給されて一定圧力に戻る。
【0041】図5はピストン21のストロークに対する
バランス機構5及び従来のスプリングだけによるバラン
ス機構の力の変化を示す。同図中、従来の引張コイルバ
ネだけのバランス機構では線図に示すようにバランス
可能なストロークが短く、しかも急激にバネ力が増大す
るため、第1のアーム4をバランスさせるのに必要な力
4 (線図)に対して最大でΔFA も大きすぎてしま
い第1のアーム4の回動可能な全範囲でバランスさせる
ことができず、第1のアーム4を安定に保持することが
できない。
【0042】上記バランス機構5では空気圧による力F
2 (線図)がピストン21の全ストロークに亘って一
定であり、さらにスプリング19のバネ力F1 (線図
)がピストン21のストロークに対して徐々に増加す
る。そのため、ピストン21に作用する空気圧力とスプ
リング19のバネ力との合力F3 は線図に示すよう
に、ピストン21の全ストロークで第1のアーム4をバ
ランスさせるのに必要な力(線図)に略近似した大き
さの力となるように変化する。即ち、本発明のバランス
機構5で発生する力は線図の必要な力との差がΔFB
と従来の線図に比べ小さくなっている。
【0043】従って、第1のアーム4はどの角度に回動
してもバランスし、安定に保持される。そのため、例え
ば操作者が直接第2のアーム9の先端を支持しながらダ
イレクトティーチング操作をする時、作業者は小さな操
作力で第1のアーム4を動かすことができ、ティーチン
グ操作が容易に行える。
【0044】又、ピストン−シリンダ機構18とスプリ
ング19よりなるバランス機構5が小型であり、しかも
第1のアーム4が全範囲でバランス機構5によりバラン
スされた安定状態に静止するため、第1のアーム4を駆
動するモータ11の負荷が小さくて済み、モータ11に
駆動力の小さい小型のモータを使用することも可能とな
る。
【0045】又、何らかの故障により空気源24から供
給される空気圧力が第1のアーム4を保持するのに必要
な圧力以下まで低下した場合、ロボットコントローラ3
は圧力センサ31からの検出信号に基づいてリレー37
をオフにして電磁弁30を閉弁させ、同時にロボット本
体2への通電も停止させる。これにより、シリンダ部2
0の下室20eは密閉状態となり、ピストン−シリンダ
機構18は伸縮不可能となる。よって、第1のアーム4
は空気源24からの空気圧力が低下してもその位置に静
止した状態に保持され、自重により下方向に回動するこ
とが阻止される。
【0046】ここで、上記制御ユニット36について説
明する。
【0047】制御ユニット36は大略図6に示す構成で
あり、制御回路38によりロボット本体2の動作制御、
モータドライバ39への電源供給制御及アーム4を制御
する信号により上記空気供給ユニット6の空気供給制御
を行う。
【0048】同図中、電源スイッチ40がオンに操作さ
れると制御用電源41から定電圧が制御回路38に供給
される。これにより制御回路38はリレー42,43に
リレー駆動信号a,bを出力し、リレー42,43をオ
ンに切換える。モータドライバ44にはリレー42より
モータ電源cが供給されるとともにリレー43よりドラ
イバ制御電源dが供給される。
【0049】モータドライバ44は制御回路38からの
制御開始信号eによりロボット本体2の各モータ11,
12,15,16,17に駆動電圧を供給する。
【0050】又、ブレーキユニット45は制御回路38
からのブレーキ解除信号(ブレーキオフ信号)fが入来
すると、第1アーム4、第2アーム9に対する制動を解
除してロボット本体2が動作可能な状態になる。非常停
止するときには、制御回路38からブレーキユニット4
5にブレーキオン信号fが出力されるのと同時にリレー
42にリレーオフ信号が出力されてモータドライバ44
へのモータ電源が遮断され制御オフの状態となる。
【0051】尚、ブレーキユニット45はモータ11,
12の出力軸が回転するとき発電される電流を短絡させ
ることによってロータに対する制動力を発生させる電磁
的ブレーキである。又、ブレーキユニット45としては
機械的なブレーキ機構を採用しても良い。
【0052】図7は本発明の要部を形成するシーケンス
制御の回路図である。
【0053】図7に示すシーケンス回路46は自己保持
回路となっており、前述した制御回路38に組み込まれ
ている。このシーケンス回路46では電源スイッチ40
が押下されてオンになると、リレー42のコイル42a
が励磁されてリレー42がオンに切換りモータ電源cが
モータドライバ44に投入される。これによりモータ電
源リレー補助接点47がオンに切換わり電源スイッチ4
0を押下するのを止めても補助接点47を介してコイル
42aは励磁された状態に保持される。
【0054】この電源スイッチ40が自己保持されると
ともに補助接点47を介して電磁弁30のソレノイド部
30aに通電される。そのため、電磁弁30はソレノイ
ド部30aが励磁されて開弁動作する。よって空気タン
ク28内の圧縮空気が電磁弁30を介してピストン−シ
リンダ機構18の下室20eに供給される。これで、ピ
ストン21が摺動可能となるとともに圧縮空気の圧力に
より第1のアーム4が保持される。
【0055】ロボット本体2の動作中に非常停止スイッ
チ48が押下されてオフに切換わると、リレー42のコ
イル42a及び電磁弁30のソレノイド30aへの通電
が遮断される。よって、非常停止操作時はモータドライ
バ44へのモータ電源cが遮断されると同時に非常停止
スイッチ(常閉接点を有する)48のオフ動作により電
磁弁30が閉弁してピストン−シリンダ機構18をロッ
ク状態にして第1のアーム4を回動不可状態に保つ。
【0056】従って、第1のアーム4に外力が作用して
もシリンダ部20内が密閉されてピストン21が摺動で
きないため、ロボット本体2は非常停止されたときの姿
勢を保持する。
【0057】尚、シーケンス回路46はリレー補助接点
47を用いただけで電磁弁30による空気供給を制御で
き、従来からの回路又は制御プログラムを変更せずに取
付けることができる。
【0058】又、電源スイッチ40がオンに操作されて
から一瞬(例えば0.5秒程度)遅れてリレー補助接点
47が閉じるため、リレー補助接点47は遅延回路とし
て機能しロボット本体2が動き始めてから電磁弁30を
開弁させることになる。そのため、動作開始時第1のア
ーム4の動きが一瞬遅れることになり、動作開始時のシ
ョックがピストン−シリンダ機構18により緩和され
る。
【0059】このように、空気供給ユニット6の電磁弁
30は電源スイッチ40のオンにより開弁し、非常停止
スイッチ48の押下により閉弁するため、モータ電源c
のオン・オフに連動して開・閉する。そのため、アーム
駆動時にピストン−シリンダ機構18がロック状態であ
ったり、あるいはロボット停止時にピストン−シリンダ
機構18が動作可能となることが防止できる。
【0060】図8は本発明の第2実施例の回路図であ
る。
【0061】同図中、シーケンス回路49は制御回路3
8内のサーボオン信号(制御信号)により開閉する第1
のリレー50と、ブレーキ解除信号fによって開閉する
第2のリレー51と、モータ電源リレー補助接点52と
を有する。
【0062】この補助接点52はリレー50と直列接続
されたa接点(常開)と、リレー51と直列接続された
b接点(常閉)とを連動させる。
【0063】このシーケンス回路49では、前述した電
源スイッチ40がオンになって制御回路38で制御中に
出力されるサーボオン信号が出力されているときのみリ
レー50がオンになる。リレー50がオンになると補助
接点52のa接点がオンになりb接点がオフに切換わ
る。これにより、電磁弁30のソレノイド30aが励磁
されて電磁弁30は開弁する。
【0064】従って、制御回路38によりロボット本体
2が制御されているときは電磁弁30が開弁してピスト
ン−シリンダ機構18に空気タンク28からの圧縮空気
が供給され、第1のアーム4が動作可能となる。
【0065】又、モータ電源cがオフになっていると
き、つまりサーボオン信号が出力されていないときにブ
レーキ解除信号fが出力されるとリレー51がオンに切
換り補助接点52のb接点を介して電磁弁30のソレノ
イド30aに通電される。
【0066】このように、制御回路38による制御が行
われず、且つブレーキ解除が行われるケースとしては、
ダイレクトティーチング操作するときである。
【0067】従って、ダイレクトティーチング操作を行
うときは電磁弁30が開弁してピストン−シリンダ機構
18に圧縮空気が供給されて第1のアーム4が動作可能
となる。
【0068】図9は本発明の第3実施例の回路図であ
る。
【0069】同図中、シーケンス回路53は前述した図
8に示す回路49を発展させたものであり、上記リレー
51と並列に設けられた第3のリレー54を有する。こ
の第3のリレー54は圧力センサ31からの圧力検出信
号を利用してオンになるリレーであり、具体的にはロボ
ット本体2が停止中にシリンダ部30内の空気圧力が低
下した場合にオンに切り換わる。
【0070】従って、ロボット本体2の停止中に空気漏
れ等によりシリンダ部20内の空気圧力が低下したこと
が圧力センサ31により検出されると、リレー54がオ
ンになって電磁弁30のソレノイド30aが励磁され
る。そのため、電磁弁30はロボット本体2が停止中で
あっても開弁してシリンダ部20へ圧縮空気を供給す
る。これにより、ロボット本体2が長時間停止してシリ
ンダ部20内の圧力が低下したり、シリンダ部20で空
気漏れがあっても第1のアーム4が自重により回動して
しまうことが防止され、安全性が高められている。
【0071】図10は本発明の第4実施例としての制御
回路38のマイクロコンピュータにより実行する処理を
示すフローチャートである。
【0072】同図中、ステップS1(以下ステップを省
略する)で電源スイッチ40(図6参照)がオンに操作
されると、S2に移り空気タンク28からの空気圧が所
定範囲の適正値であるかどうかをチェックする。
【0073】S3でモータ電源オンであればS4に移り
サーボオン信号が出力されているかどうかをチェックす
る。
【0074】S4において、サーボオン信号が出力され
るとロボット本体2の制御回路となるため、電磁弁30
を開弁させる。従って、空気圧が適正でモータ電源が投
入され、且つ、サーボオン信号が出力されているときは
電磁弁30の開弁によりシリンダ部20へ圧縮空気が供
給されてピストン−シリンダ機構18による第1のアー
ム4のロックが解除されてロボット本体2は動作可能と
なる。
【0075】しかし、S2において空気圧が適正でない
ときは、S6に移り電磁弁30を閉弁させた後、圧力セ
ンサ31からの検出信号をアラームとして検出して警報
を発する(S7)。続いて、サーボオン信号をオフにし
てブレーキユニット45にブレーキ信号fを出力し(S
8)、ロボット本体2を停止状態にする。
【0076】従って、空気源24からの空気圧が低すぎ
ると第1のアーム4を安定に保持できなくなり、逆に空
気圧が高すぎるとアーム9の負荷が大きくなるので、そ
の場合電磁弁30を閉弁させ且つロボット本体2を動作
不可状態に停止させて安全性が高められている。
【0077】又、S3において、モータ電源がオフであ
るときはS10に移りブレーキ解除信号が出力されてブ
レーキが解除されているかどうかをチェックする。S1
0でブレーキ解除となっていないときはS11に移り空
気圧が適正かどうかをチェックする。そして、空気圧が
適正値の範囲内にないときはS12に移り電磁弁30を
閉弁させてピストン−シリンダ機構18をロック状態に
する。
【0078】従って、ロボット本体2が停止中は電磁弁
30が閉弁してピストン21の動作を規制し、即ちアー
ム4をその回動位置に静止させる。
【0079】又、S4でサーボオン信号が出力されてい
ないときは制御回路38による制御が行なわれていない
のでS12に移り電磁弁30を閉弁させる。
【0080】又、S10でブレーキ解除されているとき
はモータ電源がオフになっているため、ダイレクトティ
ーチングモードであり、この場合S5に移り電磁弁30
を開弁させてアーム4のロックを解除してティーチング
操作を可能にする。
【0081】又、S11において空気圧が適正範囲から
外れているときは、モータ電源オフで且つブレーキオン
であるのでロボット本体2が停止中である。この状態で
圧力センサ31の検出信号により空気漏れによるシリン
ダ部20での圧力低下が検出されると、S5に移り電磁
弁30を開弁させてシリンダ部20へ空気タンク28か
らの圧縮空気を供給してアーム9が自重で回動すること
を防止する。
【0082】従って、ダイレクトティーチング操作時に
空気源24の故障等により空気圧力が低下した場合、電
磁弁30が閉弁してピストン−シリンダ機構18をロッ
ク状態にできるため、ダイレクトティーチング操作時の
安全性がさらに高められている。
【0083】尚、図10に示す制御では空気圧、モータ
電源、サーボオン信号、ブレーキ解除信号を用いて電磁
弁30を開又は閉としたが、上記要素のうちいずれか一
つあるいは2つの信号のみを用いて電磁弁30を開閉制
御するようにしても良いのは勿論である。
【0084】尚、上記実施例では第1のアーム4を保持
するバランス機構5について説明したが、本発明が第2
のアーム9あるいは上記以外の構成とされたロボットの
アームを保持するのにも適用できるのは勿論である。
【0085】第1のアーム4を保持する場合、ピストン
−シリンダ機構18の一端が第1のアーム4に連結さ
れ、他端が旋回ベース7上の支台8に連結され、この支
台8が支持部として機能するが、第2のアーム9を保持
する場合、ピストン−シリンダ機構18の一端が第2の
アーム9に連結され、他端が第1のアーム4又は旋回ベ
ース7上の支台8に連結されることになり、この第1の
アーム4又は支台8が支持部として機能する。
【0086】又、上記実施例では、ピストン−シリンダ
機構18のシリンダ部20内にスプリング19が設けら
れているが、これに限らず、例えばスプリング19をシ
リンダ部20の外部に設けるようにしても良いし、ある
いはスプリング19をピストン−シリンダ機構18と別
体に、即ちピストン−シリンダ機構18と平行になるよ
う支台8と第1のアーム4との間に張設するようにして
も良い。
【0087】又、上記実施例ではピストン−シリンダ機
構が第2のバランス機構として用いられているが、これ
に限らず、例えばピストン−シリンダ機構の代わりに揺
動型アクチュエータをアームの回転軸に設け、この揺動
型アクチュエータ内に圧縮空気を供給して第2のバラン
ス機構を構成するようにしても良い。
【0088】
【発明の効果】上述の如く、本発明になる工業用ロボッ
トは、揺動自在に設けられたアームを第1のバランス機
構の付勢力と第2のバランス機構の空気圧力との合力が
アームに作用する重力モーメントと釣り合い、アームを
その回動位置にバランスさせて安定に静止させることが
できる。又、アームを制御する信号、例えば空気圧、モ
ータ電源、ブレーキ解除の各信号のうち少なくとも一の
信号により弁機構を開弁又は閉弁させるため、モータ駆
動時又はブレーキ解除時には弁機構が確実に開弁されて
第2のバランス機構に圧縮空気を供給することができ、
第2のバランス機構によるロックを解除してアーム動作
を妨げることを防止できる。又、モータ停止時、ブレー
キ作動時には弁機構が確実に閉弁されて第2のバランス
機構をロック状態に保ち、アームが自重で回動してしま
うことを防止できる。さらに、モータを停止させ、且つ
ブレーキ解除させた状態でダイレクトティーチングを行
う場合でも第2のバランス機構の空気圧が低下したとき
は弁機構が閉弁して第2のバランス機構をロックしてア
ームが自重で回動することを防止できるので安全性をよ
り高めることができる。
【0089】又、ロボットの動作開始時電磁弁の開弁を
わずかに遅らせることによりアーム回動時のショックを
第2のバランス機構により緩和させることができる等の
特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる工業用ロボットの一実施例の概略
構成図である。
【図2】ロボット本体の斜視図である。
【図3】ロボットコントローラ及び空気供給ユニット、
ピストン−シリンダ機構の構成図である。
【図4】第1のアームに取付けられたバランス機構を示
す図である。
【図5】ピストンストロークに対するバネ力及び空気圧
力を示す図である。
【図6】制御ユニットの回路図である。
【図7】本発明の要部を形成するシーケンス回路の回路
図である。
【図8】本発明の第2実施例の要部を示す回路図であ
る。
【図9】本発明の第3実施例の要部を示す回路図であ
る。
【図10】本発明の第4実施例のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 工業用ロボット 2 ロボット本体 3 ロボットコントローラ 4 第1のアーム 5 バランス機構 6 空気供給ユニット 8 支台 9 第2のアーム 18 ピストン−シリンダ機構 19 スプリング 20 シリンダ部 21 ピストン 24 空気源 25 空気配管 28 空気タンク 29 減圧弁 30 電磁弁 31 圧力センサ 38 制御回路 40 電源スイッチ 44 モータドライバ 45 ブレーキユニット 46,49,53 シーケンス回路

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部に揺動自在に支承されたアーム 前記アームがその停止位置より傾かないように前記アー
    ムを付勢する第1のバランス機構と、 一端が前記アームに連結され、他端が前記アームを支持
    する支持部に連結された第2のバランス機構と、 該第1のバランス機構と協働して前記アームを停止位置
    に保持するよう前記第2のバランス機構に圧縮空気を供
    給する弁機構と、 前記アームを制御する信号により前記弁機構を開弁又は
    閉弁させる制御手段と、 を備えてなることを特徴とする工業用ロボット。
  2. 【請求項2】 前記アームがモータにより駆動される工
    業用ロボットであって、前記アームを制御する信号はモ
    ータ電源のオン・オフ信号、アーム制動用のブレーキ機
    構のブレーキオン・オフ信号の少なくとも一方の信号で
    あることを特徴とする請求項1の工業用ロボット。
  3. 【請求項3】 前記アームを制御する信号は、前記圧縮
    空気の空気圧検出信号であることを特徴とする請求項1
    の工業用ロボット。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記アームを制御する
    信号の出力に対して前記弁機構の開弁又は閉弁の切換動
    作を所定時間遅らせる遅延回路を有することを特徴とす
    る請求項1の工業用ロボット。
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