JPH05228689A - フラックス組成物 - Google Patents

フラックス組成物

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JPH05228689A
JPH05228689A JP5917492A JP5917492A JPH05228689A JP H05228689 A JPH05228689 A JP H05228689A JP 5917492 A JP5917492 A JP 5917492A JP 5917492 A JP5917492 A JP 5917492A JP H05228689 A JPH05228689 A JP H05228689A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 はんだ付け後に実質的に全く残渣が残らない
か、または最小限の残渣しか残らないので、電子部品の
実装に用いても何等洗浄工程を必要とせず、はんだ付け
性が良好で、しかもはんだ付けされたPCBに特に高い
信頼性を与える液状フラックス組成物を提供することに
ある。 【構成】 カルボン酸化合物を活性剤として含むフラッ
クス組成物において、分子内にカルボキシル基と水酸基
とを有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を含
有することを特徴とするフラックス組成物。この場合分
子内にカルボキシル基と水酸基とを有する(メタ)アク
リル酸エステル系共重合体において、カルボキシル基の
含有量が酸価で3〜30mgKOH/g、水酸基の含有
量が水酸基価で3〜35mgKOH/g、ガラス転移温
度が10〜80℃である(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体を用いるフラックス組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子工業のプリント配
線板の製造に使用される液状フラックス組成物に関す
る。さらに詳述すれば、電子部品の実装に用いられるポ
ストフラックスで、はんだ付け後、殆ど残渣を残さない
フラックス組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板(以下PCBと略す)に
電子部品をはんだ付けするときに、一般にはんだ付け性
を確保するために液状フラックスを塗布する方法が用い
られた。電子工業において用いられるポストフラックス
は一般にイソプロピルアルコール(IPAと略す)のよ
うな低級アルコール系有機溶剤に、ベース樹脂としてロ
ジンまたはそれらの誘導体を、また活性剤としてアミン
のハロゲン化水素酸塩あるいは有機酸などを配合して溶
解したものを主成分としていたものが用いられた。そし
てこれらは通常固形分濃度として10数%から30%程
度のものが用いられたため、多くのはんだ付け残渣を生
じた。これを除去するため洗浄が行われ、洗浄液として
フロン113等が用いられた。
【0003】また、従来、無洗浄の低固形分フラックス
として、例えばアジピン酸を主成分としてIPAに数%
の濃度で溶解させた市販品(インターフラックス200
5)や特許願平成3年第42223号明細書記載のアジ
ピン酸のような有機酸と多価アルコールの部分エステル
化物または高級アルコールの混合物が用いられた。これ
らの液状フラックスの塗布は浸漬、刷毛塗り、スプレ
ー、発泡などの方法で行われた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロジン
系樹脂と活性剤を使用したものは多くの残渣を生じ、該
残渣は、それらが非腐食性、非電導性であっても、、チ
ェッカーピン検査時にピンプローブの接触不良による検
査エラーを生じたり、搬送コンベヤの機器に基板の残渣
が累積して搬送ミスを生じたり、精密を要するコンピュ
ターおよび電気通信装置の製造に、MILーPー288
09清浄度試験に合格させることができないという難点
がある。そしてフラックス残渣の除去には、洗浄工程が
必要となり、工程が増加することによるコストアップに
繋がり、また、洗浄液としてフロン113をベースとす
る有機溶剤を使用するため、地球のオゾン層の破壊に繋
がり、地球環境保全上難点がある。
【0005】また、無洗浄の低固形フラックスは、はん
だ付け後に実質的に全く残渣が残らないか、または最小
限の残渣しか残らないので、電子部品の実装に用いて
も、何等洗浄工程を必要とせず、はんだ付け性も良好で
ある。またJIS Zー3197に基ずく2型櫛型電極
基板を用いた電圧印加耐湿性試験(40℃、90〜95
%RH、直流100V印加、96時間)でも1012Ω以
上の高い絶縁性を示し腐食やマイグレーションの発生も
認められなかった。しかしがらこれらのフラックスはよ
り厳しい環境条件(例えば、65℃、95%RH、直流
100V印加)で電圧印加耐湿性試験を行うと、電気絶
縁性は保持されるものの、マイグレーションが発生する
という難点がある。
【0006】本発明の目的は、はんだ付け後に実質的に
全く残渣が残らないか、または最小限の残渣しか残らな
いので、電子部品の実装に用いても何等洗浄工程を必要
とせず、はんだ付け性が良好で、しかもはんだ付けされ
たPCBに特に高い信頼性を与える液状フラックス組成
物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はカルボン酸化合
物を活性剤として含むフラックス組成物において、特定
の組成をもつ(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を
含有させることによって前述の目的を達成されることを
見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】本発明に用いられるカルボン酸化合物とし
ては、例えばプロピオン酸、吉草酸、nーヘキサン酸、
nーヘプタン酸、nーオクタン酸、nーノナン酸、パル
ミチン酸などのモノカルボン酸、また例えば蓚酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸またはリンゴ酸などのジ
カルボン酸である場合よい結果が得られる。必要に応じ
これらの酸の混合物を使用することもできる。
【0009】また、有機溶剤としては、一般にエタノー
ル、IPAのような低級アルコールや酢酸エチル、酢酸
ブチルのような揮発性溶剤が単独または混合して用いら
れる。また、低揮発性の溶剤、例えばエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレング
リコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジ
ブチルエーテルなどを揮発性溶剤に添加して用いること
も可能である。これらは(メタ)アクリル酸エステル系
共重合体の重合溶剤として用いられた場合には必然的に
混入してくるし、フラックスの揮発速度を制御したりす
るために後からさらに添加することも可能である。
【0010】また、本発明に用いられる(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体としては、酸価3〜30mgK
OH/g、水酸基価3〜35mgKOH/g、ガラス転
移温度10〜80℃好ましくは25〜70℃のメタアク
リル酸エステルおよび/またはアクリル酸エステルを主
成分とした共重合体が用いられる。
【0011】ここで共重合体の主成分を構成する単量体
としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アク
リル酸nープロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリ
ル酸nーブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t
ーブチル、アクリル酸2ーエチルヘキシル、シクロヘキ
シルアクリレート、メタアクリル酸メチル、メタアクリ
ル酸エチル、メタアクリル酸nープロピル、メタアクリ
ル酸イソプロピル、メタアクリル酸nーブチル、メタア
クリル酸イソブチル、メタアクリル酸tーブチル、メタ
アクリル酸nーヘキシル、メタアクリル酸nーオクチ
ル、メタアクリル酸nーデシル、メタアクリル酸nード
デシル、メタアクリル酸ラウリル、シクロヘキシルメタ
アクリレート、グリシジルメタアクリレートなど主とし
て用いられる。また、これらの成分に加えてスチレンや
酢酸ビニルを共重合させることも可能である。
【0012】またカルボキシル基を付与する単量体とし
てはアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイ
ン酸、クロトン酸などが用いられる。さらに水酸基を付
与する単量体としては、(メタ)アクリル酸2ーヒドロ
キシエチル、(メタ)アクリル酸2ーヒドロキシプロピ
ル、(メタ)アクリル酸3ーヒドロキシプロピル、(メ
タ)アクリル酸2ーヒドロキシブチル、(メタ)アクリ
ル酸3ーヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4ーヒ
ドロキシブチルなどが用いられる。
【0013】(メタ)アクリル酸エステル系共重合体中
のアクリル酸、メタアクリル酸などカルボキシル基(酸
基)含有単量体の含有量によって酸価が(1)式によっ
て規定され、
【0014】アクリル酸2ーヒドロキシエチル、アクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、メタアクリル酸2ーヒドロキ
シエチル、メタアクリル酸ヒドロキシプロピルなどの水
酸基含有単量体の含有量によって水酸基価が(2)式に
よって規定される。
【0015】また、(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体のガラス転移温度は使用する単量体の種類と比率に
よって、近似的に(3)式から算出できる。 1/TG=(W1/T1)+(W2/T2)+・・・ (3) ここで、 TG :共重合体のガラス転移温度(絶対温度) W1、W2 ・・・・ 各単量体の重量比率 T1、T2 ・・・・ 各単独重合体のTG (3)式に用いる各単独重合体のTG しては、ポリアク
リル酸nーブチルー45℃(絶対温度で228度)、ポ
リメタアクリル酸メチル105℃、ポリメタアクリル酸
nーブチル20℃、メタアクリル酸イソブチル48℃、
メタアクリル酸tーブチル108℃、ポリアクリル酸1
06℃、ポリメタアクリル酸185℃、ポリアクリル酸
2ーヒドロキシエチルー20℃、ポリメタアクリル酸2
ーヒドロキシエチル55℃などの値を用いた。
【0016】また、本発明に用いられる(メタ)アクリ
ル酸エステル系共重合体の分子量は、特に制限されない
が、本発明の性能を長期にわたって安定的に保証するに
は重量数平均分子量5000以上が好ましい。また、有
機溶剤への溶解性の点で20万以下が好ましい。本発明
の好ましい実施態様において、活性剤として0.5〜
3.5重量%のカルボン酸化合物、酸価3〜30mgK
OH/g、水酸基価3〜35mgKOH/g、ガラス転
移温度10〜80℃好ましくは25〜70℃の(メタ)
アクリル酸エステル系共重合体として0.5〜5.0重
量%、残りが有機溶剤である液状フラックス組成物を提
供する。
【0017】活性剤としてのカルボン酸化合物が0.5
重量%未満だとはんだ付け性に問題が生じ不濡れ、ツラ
ラ、ブリッジ等のはんだ付け不良が発生しやすく、3.
5重量%以上でははんだ付け効果が飽和するばかりでな
く、はんだ付け後にPCB上に残留した過剰な酸により
PCBの電気的信頼性を悪くするので好ましくない。
【0018】また、特定の酸価、水酸基価、ガラス転移
温度の(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が0.5
重量未満では保護被膜としての効果が得られず、5.0
重量%以上ではその効果が飽和してしまうばかりでな
く、フラックス残渣が増加してしまうので好ましくな
い。
【0019】なお、(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体の酸価と水酸基価が上記の範囲から外れた場合に
は、フラックスの信頼性試験の1つである、比較的厳し
い電圧印加耐湿性試験(65℃、95%RH、直流10
0V印加、300時間以上)で銅のマイグレーションが
発生するので好ましくない。また、ガラス転移温度が1
0〜80℃好ましくは25〜70℃としたのは、これら
の温度より低いTG のものでは残渣が軟らかくて傷が付
き易く、また若干のタック性があるため残渣がほこりや
チリを吸着し易いので好ましくない。またこれらの温度
より高すぎると残渣が割れ易い傾向があり好ましくな
い。なお、本発明の液状フラックス組成物には、少量の
他の任意の成分、例えばPCBに黴の発生を防止するた
めの防黴剤、つや消し剤、あるいはまた、成膜性を向上
させるための成膜助剤などを配合しても良い。
【0020】
【作用】本発明のフラックス組成物は、カルボン酸化合
物を活性剤として、これを有機溶剤に溶解したものに、
特定の範囲の酸価と水酸基価とを共に含有し、特定のガ
ラス転移温度をもつ(メタ)アクリル酸エステル系共重
合体を含有させることによって、はんだ付け後のフラッ
クス残渣を化学的、電気的に安定で均一な被膜として少
量残留させて、はんだ付け後のPCBに高い信頼性を付
与するという原理に基づいている。特定の範囲の酸価と
水酸基価とを共に含有し、特定のガラス転移温度をもつ
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体をフラックス成
分として用いた時、なぜ高信頼性のフラックスができる
のか理論的解明は十分されているとは言えないが、適度
の極性をもつ重合体であるので、活性剤のカルボン酸化
合物との親和性が良く、また銅とも適度な親和性をもつ
ためではないかと考えている。
【0021】(実施例)以下に本発明を実施例により具
体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定される
ものではない。なお、「部」および「%」とあるのは、
特に断りのない限り重量基準である。 (合成例)(メタ)アクリル酸エステル系共重合体の合
成方法は、以下の通りである。冷却器、温度計、滴下ロ
ートおよび攪拌器を備えた四つ口フラスコにエチルセロ
ソルブ80部を仕込み、攪拌しながら95℃に昇温し
た。ついで、滴下ロートより表1、表2に示す単量体お
よび重合開始剤の混合物を4時間で等速滴下した。滴下
終了後ターシャリブチルパーオキシオクトエート1部と
エチルセロソルブ10部を2時間で滴下し、さらに2時
間攪拌した後、エチルセロソルブ10部を添加して表
1、表2に示す特性を有する(メタ)アクリル酸エステ
ル系共重合体Pー1〜15およびR1〜6を得た。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表に示す記号は 1)メチルメタアクリレート 2)nーブチルメタアクリレート 3)イソブチルメタアクリレート 4)ターシャリブチルメタアクリレート 5)nーブチルアクリレート 6)2ーヒドロキシエチルメタアクリレート 7)2ーヒドロキシエチルアクリレート 8)アクリル酸 9)メタアクリル酸 10)ターシャリブチルパーオキシオクトエート 11)酸価(mgKOH/g):式1による計算値 12)水酸基(mgKOH/g):式2による計算値 13)ガラス転移温度(℃):DSC(示差熱量計)に
よる実測値 14)ガ−ドナ−粘度計による実測値 15)重量平均分子量で単位は万
【0025】(実施例1)フラックス組成物を下記の諸
成分から製造した。 アジピン酸 1.5% (メタ)アクリル酸エステル系共重合体Pー1 3.0% メチルセロソルブ 15.0% IPA 80.5% 上記フラックスを通常の発泡フラクサーによってPCB
に塗布し、プリヒートしてから250℃の2槽(ダブル
ウェーブ式)はんだ浴ではんだ付けを行った。はんだ付
け基板には、はんだ不濡れ、ツララ、ブリッジなどのは
んだ付け欠陥が全くなく、目視でほとんど残渣が認めら
れなかった。オメガメータによる残留イオン濃度は10
μgNaCl/in2であり、MILーPー28809
清浄度試験の規格(14μgNaCl/in2以下)に
合格した。また、JIS Zー3197で規定されてい
る2型の櫛形電極をもつガラス/エポキシ基板を用いて
65℃、95%RH、直流100V印加の電圧印加耐湿
性試験を行ったところ300時関経過後でも、表面絶縁
抵抗(SIR)は1012Ω以上の高い絶縁性を示し銅の
腐食やマイグレーションの発生が認められなかった。
【0026】(比較例1)フラックス組成物を下記の諸
成分から製造した。 アジピン酸 2.5% IPA 97.5% これを刷毛塗りにより電子部品を搭載したPCBに塗布
し、実施例1と同様に自動はんだ付け装置によりはんだ
付けを行った。その結果、実施例1と同様、優れたはん
だ付け性を有していたが、基板にアジピン酸と考えられ
る白い結晶物が偏析し、オメガメータによる残留イオン
濃度は、17.3μgNaCl/in2であり、MIL
ーPー28809清浄度試験の規格に合格しなかった。
また実施例1と同様に電圧印加耐湿性試験を行ったとこ
ろ96時間経過後で表面絶縁抵抗(SIR)は1012Ω
以上でありながら銅石鹸と銅マイグレーションが多発し
た。
【0027】(比較例2)フラックス組成物を下記の諸
成分から製造した。 アジピン酸 1.3% nーノナン酸 0.2% ジグリセリンテトラベンゾエート 0.02% 酢酸ブチル 8.0% IPA 90.48% からなる液状フラックス組成物を調合し、これを刷毛塗
りにより電子部品を搭載したPCBに塗布し、実施例1
と同様に自動はんだ付け装置によりはんだ付けを行っ
た。
【0028】その結果、実施例1と同様、優れたはんだ
付け性を有しており、基板にほとんどフラックス残渣が
認められなかった。オメガメータによる残留イオン濃度
は、7.1μgNaCl/in2であり、MILーPー
28809清浄度試験の規格に合格した。また実施例1
と同様に電圧印加耐湿性試験を行ったところ96時間経
過後で表面絶縁抵抗(SIR)は1012Ω以上であり銅
の腐食やマイグレーションが発生していなかったが、2
40時間経過後ではSIRが1011Ωオーダになりマイ
グレーションが発生した。
【0029】
【表3】
【0030】実施例2〜4、比較例3〜5 表3に示すようなフラックス組成物を製造した。これら
のフラックスをJIS Z3197に準拠してはんだ広
がり率を求めたところ、Aが56%、Bが72%、Cが
80%、Dが86%、Eが88%、Fが90%であっ
て、フラックス中の固形成分が少なすぎてははんだ広が
りが悪く、また固形成分が多くなるとはんだ広がり率が
飽和することがわかった。また、はんだ広がり率を測定
したテスト片の残留フラックス量は固形成分が多くなる
ほど多くなることが観察された。これらの結果からフラ
ックス中の固形成分が少なすぎてははんだ付け性が悪
く、多すぎるとはんだ付け効果が飽和してしまうと同時
にフラックス残渣量が多くなりすぎるので好ましくな
い。
【0031】実施例5〜19、比較例6〜11 合成例でえられた(メタ)アクリル酸エステル系共重合
体Pー1〜15および、R1〜6をそれぞれ3%、活性
剤としてアジピン酸1.4%およびnーノナン酸0.2
%とを、IPAに溶解し表4に示す20種のフラックス
組成物を作製した。これらのフラックスを用いて実施例
1と同様に自動はんだ付け装置によりはんだ付けを行い
フラックス残渣量の目視判定と不濡れ、ツララ、ブリッ
ヂなどのはんだ付け欠陥の有無を判定した。その結果、
実施例5〜19、比較例6〜11いずれもフラックス残
渣量は少なく、はんだ付け欠陥もなかった。但し、比較
例10のみフラックス残渣にややべた付きがあった。ま
た、フラックスを用いて実施例2と同様にJIS Zー
3197に準拠してはんだ広がり率を求めた。はんだ広
がり率70%未満不合格、70%以上を合格として結果
を表4にまとめた。
【0032】さらにまた、実施例1と同様にしてJIS
Zー3197で規定されている2型の櫛形電極をもつ
ガラス/エポキシ基板を用いて65℃、95%RH、直
流100V印加の電圧印加耐湿性試験を行い、96時
間、240時間、360時間経過後の表面絶縁抵抗(S
IR)の測定と銅マイグレーションの有無をチェックし
た。SIRについては比較例4が96時間後1012Ω、
240時間で1011Ω、360時間で1010Ωと経時的
に悪くなったほかは、いずれも360時間後でも1012
Ω以上と高い絶縁性を示した。但し、フラックスの種類
(合成樹脂の種類)によっては、SIRが高くても銅の
マイグレーションが発生した。結果を表4に示した。
【0033】
【表4】
【0034】表4の1)はんだ付け残渣にタックがある
ものは× 2)はんだ広がり率(JIS Zー3197に準拠)で
評価 ×:70%未満 〇:70%以上 3)信頼性は65℃、95%RH、直流100V印加の
電圧印加耐湿性試験の結果から以下のように評価 ×:96時間でマイグレーション発生 △:240時間でマイグレーション発生 ○:360時間までマイグレーションなし
【0035】
【発明の効果】本発明の液状フラックス組成物は、特定
の範囲の酸価と水酸基価およびガラス転移温度をもつ
(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を、活性剤とし
てのカルボン酸化合物と組み合せることによって、はん
だ付け性が良好で、しかもはんだ付け後のフラックス残
渣が均一に化学的、電気的に安定な被膜として残留させ
ることによってはんだ付け後のPCBに高い信頼性を付
与するので、電子部品の実装に用いても何等洗浄工程を
必要とせず、一方ではんだ付けされたPCBに要求され
る各種の規格に合致しうる液状フラックス組成物を提供
することができる。従って、民生用や産業用プリント配
線板などの製造に適したフラックスとして用いることが
できる。
フロントページの続き (72)発明者 鴨志田 英明 東京都八王子市諏訪町251番地 株式会社 アサヒ化学研究所内 (72)発明者 岩佐 山大 東京都八王子市諏訪町251番地 株式会社 アサヒ化学研究所内 (72)発明者 木戸 厚一路 愛知県名古屋市東区砂田橋4丁目1番6号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内 (72)発明者 西本 哲也 愛知県名古屋市東区砂田橋4丁目1番6号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸化合物を活性剤として含むフ
    ラックス組成物において、分子内にカルボキシル基と水
    酸基とを有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
    を含有することを特徴とするフラックス組成物。
  2. 【請求項2】 分子内にカルボキシル基と水酸基とを有
    する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体において、
    カルボキシル基の含有量が酸価で3〜30mgKOH/
    g、水酸基の含有量が水酸基価で3〜35mgKOH/
    gの(メタ)アクリル酸エステル系共重合体を用いる請
    求項1記載のフラックス組成物。
  3. 【請求項3】 分子内にカルボキシル基と水酸基とを有
    する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体のガラス転
    移温度が10〜80℃である(メタ)アクリル酸エステ
    ル系共重合体を用いる請求項1および2の記載のフラッ
    クス組成物。
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