JPH05228434A - 弗素樹脂被覆物及びその製造方法 - Google Patents

弗素樹脂被覆物及びその製造方法

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JPH05228434A
JPH05228434A JP7363092A JP7363092A JPH05228434A JP H05228434 A JPH05228434 A JP H05228434A JP 7363092 A JP7363092 A JP 7363092A JP 7363092 A JP7363092 A JP 7363092A JP H05228434 A JPH05228434 A JP H05228434A
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JP
Japan
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coating
stainless steel
oxide film
fluororesin
processing
Prior art date
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Pending
Application number
JP7363092A
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English (en)
Inventor
Katsuya Yamada
克弥 山田
Hideki Kashiwabara
秀樹 柏原
Nariyoshi Owaki
成義 大脇
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレスに撥水性,非粘着性,防汚性が付
与でき,しかも従来製品に比べてより強固な密着性によ
り,耐久性を向上させると共に,被覆後のプレスもしく
は曲げ加工といった後加工をも可能とする。 【構成】 被覆物はステンレス基材上に酸化物皮膜が形
成され,その上に弗素樹脂が被覆されてなることを特徴
とする。又その製造方法は,平板上のステンレス基材上
に酸化物皮膜を形成し,その上に弗素樹脂を被覆した
後,プレス加工,曲げ加工等により所望の形状に加工す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は,ステンレスに撥水
性,非粘着性,防汚性を付与し,しかも強固な密着性に
よって被覆後のプレスもしくは曲げ加工を可能とする弗
素樹脂被覆物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,弗素樹脂を用いた撥水性,非粘着
性,防汚性付与物品としては,アルミやステンレス等の
金属基材上にポリアミドイミド等のバインダーを含有す
るプライマーを介して弗素樹脂を被覆したものが一般的
で,フライパン,ホットプレート,ジャー炊飯器内釜等
の厨房用途によく用いられている。ただし,平板状の基
材に被覆を施した後,プレスや曲げ等の後加工をしよう
とすると接着力が不充分であったり,又接着力を上げよ
うとするとプライマー層が加工時の伸びに追従できない
等の問題があった。
【0003】これに対しアルミを基材とする場合には,
アルミ表面にエッチング等による微細な凹凸を設けて,
もっぱら弗素樹脂を物理的に密着させる方法もよく用い
られる。この方法によれば,プレス成形,曲げ等の後加
工によっても塗膜が追従できるため,後加工を目的とし
た平板状の基材への被覆にはこの方法が用いられてき
た。しかしながらステンレス等の耐蝕性に優れた基材
に,物理的密着性が得られるような微細な凹凸を形成す
ることが困難であるため後加工ができる弗素樹脂被覆物
が得られていないのが現状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み,本願発明
は,ステンレスに撥水性,非粘着性,防汚性を付与し,
しかも強固な密着性によって被覆後のプレスもしくは曲
げ加工を可能とする弗素樹脂被覆物及びその製造方法を
提供しようとするものであり,従来製品に比べてより強
固な密着力により耐久性を向上させると共に,後加工性
の付与という課題を解決しようとするものである。むろ
ん既に所望の形状に加工したステンレスへの弗素樹脂の
被覆にも有効であり,プレスや曲げ等の後加工を行う場
合のみに限定するものではない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願の第1の発明は,ス
テンレス基材上に酸化物皮膜が形成され,その上に弗素
樹脂が被覆されてなることを特徴とする弗素樹脂被覆物
である。
【0006】なお,本願の第1の発明の実施の態様とし
て少なくとも下記が含まれる。 (イ)酸化物皮膜が加熱によって得られる粒状の着色皮
膜であることを特徴とする上記第1の発明の弗素樹脂被
覆物。
【0007】(ロ)酸化物皮膜が加熱によって得られる
異なった酸化物の偏析層からなることを特徴とする上記
第1の発明の弗素樹脂被覆物。
【0008】(ハ)酸化物皮膜が陽極酸化によって得ら
れる過不働態皮膜であることを特徴とする上記第1の発
明の弗素樹脂被覆物。
【0009】(ニ)酸化物皮膜が融解強酸塩浴中での加
熱酸化によって得られる酸化物皮膜であることを特徴と
する上記第1の発明の弗素樹脂被覆物。
【0010】(ホ)ステンレス基材にブラストあるいは
化学エッチングあるいは電気化学エッチングによって凹
凸が形成され,その表面に酸化物皮膜が形成されている
ことを特徴とする上記第1の発明の弗素樹脂被覆物。
【0011】(ヘ)弗素樹脂がFEPもしくは少なくと
もFEPを含有する混合物であることを特徴とする上記
第1の発明の弗素樹脂被覆物。
【0012】また,本願の第2の発明は,第1の発明の
弗素樹脂被覆物を製造する方法に関し,平板状のステン
レス基材上に酸化物皮膜を形成し,その上に弗素樹脂を
被覆した後,プレス加工,曲げ加工等により所望の形状
に加工することを特徴とする弗素樹脂被覆物の製造方法
である。
【0013】
【作用】本願発明で用いるステンレス基材としては,市
販される各種微量成分を含むものが広く用いられる。基
材は平板であってもあるいは所望の形状に加工されたも
のでもよい。ステンレス基材表面の物理的形状はそのま
ま用いてもよいが,エッチング,ブラスト等の粗面化を
行うと有効である。本願発明は従来,物理的接着を行わ
せるための微細な凹凸の形成が困難であったステンレス
基材に対して,良好な接着力をエッチング等なしでも与
えるものであるが,エッチングやブラスト等を行えばよ
り強固な接着が行えるのでより好ましい。
【0014】本願発明においてステンレス基材上に形成
し,弗素樹脂を強固に密着させるための酸化物被膜は通
常の不働態皮膜を指すものではない。通常清浄なステン
レス表面を硝酸のような酸化剤による処理または大気中
に短時間放置すると30〜60Åの厚さの超薄皮膜が得
られる。これがステンレスの耐蝕性を保持する不働態皮
膜であるが,このような通常の不働態皮膜は,本願発明
の目的である弗素樹脂をステンレス基材に強固に密着さ
せる機能を有しない。
【0015】一方,大気中あるいは酸素中でステンレス
を加熱することにより得られる粒状の着色皮膜は約30
0〜500Åの厚さを有し,本願発明の目的に適する酸
化物皮膜である。加熱温度は,ステンレスの微量成分組
成や雰囲気によって異なるが,通常大気中では200〜
400℃程度の加熱によって得られる。またさらに高温
の400℃以上の加熱を大気中で行うと,厚さが数百〜
1000Å以上で,多くの酸化状態やそれら相互の組合
わせでできる異なった酸化物の偏析層からなる酸化物層
が得られる。これも本願発明の目的に好適である。
【0016】この他,本願発明の目的に好適に用いられ
る酸化物皮膜やその形成方法としては陽極酸化によって
得られる過不働態皮膜,融解強酸塩浴中での加熱酸化に
よって得られる酸化物皮膜等があげられる。
【0017】このようにして形成された酸化皮膜上に被
覆される弗素樹脂としては,PTFE(ポリテトラフル
オロエチレン),PFA(テトラフルオロエチレン〜パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体),FEP
(テトラフルオロエチレン〜ヘキサフルオロプロピレン
共重合体),ETFE(テトラフルオロエチレン〜エチ
レン共重合体),CTFEポリクロロトリフルオロエチ
レン),PVdF(ポリ弗化ビニリデン),du Po
nt社製テフロンAF(商標)や旭硝子製サイトップ
(商標)を代表とする非晶質弗素樹脂,VdF(弗化ビ
ニリデン:化1参照)とHFP(六弗化プロピレン:化
2参照)の二元共重合体(VdF−HFP),VdFと
HFPとTFE(四弗化エチレン:化3参照)の三元共
重合体を代表とするVdF系弗素ゴム,TFEとP(プ
ロピレン:化4参照)との共重合体,TFE−Pに第3
成分を導入したTFE−P系三元共重合体等を代表とす
るTFE−P系弗素ゴム,TFE−パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル系弗素ゴム,弗素ゴム(A)と弗素樹
脂(B)をB−A−B型ブロックコポリマーとした熱可
塑性弗素ゴム,フロロシリコーンゴム,フロロフォスフ
ァゼンゴム,ニトロソゴム,含弗素トリアジンエラスト
マー等が例示されるがこれに限定されるものではない。
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】これらは粉体,ディスパージョン,ラテッ
クス,エマルジョンあるいは溶液状態で,単独あるいは
混合物として用いられる。尚,ゴム系の弗素樹脂を用い
る場合,架橋剤としてはポリアミン系,ポリオール系,
パーオキサイド系の架橋剤が適宜選択して用いられる。
【0023】通常,弗素樹脂は,PAI,PES等のプ
ライマーなしには到底金属との実用的接着力が得られな
い。唯一,化学的あるいは電気化学的エッチングにより
極めて微細な凹凸を形成したアルミニウムやアルミニウ
ム合金には物理的に密着して実用的接着力が得られてい
る。ところが本願発明者らは,各種弗素樹脂のステンレ
ス基材への接着を鋭意検討した結果,おどろくべきこと
に前述のような酸化物皮膜をステンレス上に形成した後
弗素樹脂を被覆することにより,予想外に強固な接着力
が得られることを見い出した。
【0024】弗素樹脂の中では特にFEPが強力な接着
力が得られ易く,好ましい。尚,高度な耐熱性や耐摩耗
性を得るため,FEPに他の弗素樹脂,例えばPTFE
やPFAを混合して用いたり,FEPを酸化物皮膜を形
成したステンレス上に被覆した後,その上にPTFEや
PFA等を積層する等の積層構造を形成する等の方法も
好適に用いられる。
【0025】また本願発明において,酸化物皮膜を形成
したステンレス上に直接被覆される弗素樹脂あるいは最
外層に積層して被覆される弗素樹脂あるいはその双方に
無機顔料を添加し,対摩耗性や外観を向上させることが
できる。
【0026】本願発明において弗素樹脂中に混合して用
いられる無機顔料としては,マイカ,顔料被覆マイカ,
グラファイト,弗化グラファイト,鱗片状酸化鉄,鱗片
状窒化ホウ素,鱗片状金属片等の鱗片状顔料,酸化チタ
ン,カーボン,群青,べんがら等一般の無機顔料など広
く利用できる。上述のようにこれらは色彩や光沢等の外
観の向上,摺動,摩耗耐久性の向上などを目的として添
加される。外観,耐久性向上の目的からは固形分中1重
量%以上が好適な配合量となる。また固形分中25重量
%をこえると表面の非粘着性や塗膜形成性が失われるの
で,これ以下の範囲で配合するのが好ましい。上記の好
適な配合の範囲は,顔料の種類や,外観向上,摺動性向
上等目的によっても若干異なるものであり,適宜決定さ
れるべきであるが,およそ上記範囲内にて選択すること
ができる。
【0027】顔料の中でも,外観や物性改良効果が共に
優れているものとして,マイカ,顔料被覆マイカ,酸化
チタン,弗化グラファイト,グラファイト,カーボン,
鱗片状窒化ホウ素が挙げられる。尚,顔料は各々単独で
用いてもよく,又混合物として用いても良い。
【0028】尚,本願発明による被覆物は強固な接着力
の塗膜が得られ,プレス加工,曲げ加工等に耐え得るも
のであるので,平板状のステンレス基材に被覆した後,
所望の形状にプレスあるいは曲げ等により加工する用途
において,より大きな効果を発揮する。ただし,既に加
工された形状の基材に後から被覆する方法を除外するも
のでなくそのような方法においても強固な接着力が塗膜
に耐久性を与えるので好適である。
【0029】尚,一層強固な接着力を得る目的で,弗素
樹脂中に,弗素樹脂の物性を著しく低下させない範囲
で,PAI,PES等のプライマー成分を添加すること
も本願発明から除外するものではない。
【0030】
【実施例】以下に本願発明を,実施例をもってさらに説
明する。 実施例1〜3,比較例 板厚0.4mmのステンレス平板(SUS430)の表
面をMEKで脱脂洗浄し,表1に示す温度,時間で熱処
理したのち,FEPディスパージョン(ダイキン工業
製,ND−4)を厚さ約30μに塗布し150℃で約1
0分間乾燥させたのち,340℃にて20分間の焼結を
行った。得られた被覆物の接着力を180°引き剥がし
により評価した結果を表1に示す。尚,実施例3で得ら
れた被膜は,エリクセン試験機による直径10cmの深
さ10mmのプレス後も剥離することがなく,プレス成
形性が良好であることを示唆している。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように,本願発明によれ
ば,ステンレスに撥水性,非粘着性,防汚性が付与で
き,しかも従来製品に比べてより強固な密着力により耐
久性を向上させると共に,被覆後のプレスもしくは曲げ
加工といった後加工が可能となる。むろん既に所望の形
状に加工されたステンレスへの弗素樹脂の被覆にも耐久
性に関し大きな効果が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス基材上に酸化物皮膜が形成さ
    れ,その上に弗素樹脂が被覆されてなることを特徴とす
    る弗素樹脂被覆物。
  2. 【請求項2】 平板状のステンレス基材上に酸化物皮膜
    を形成し,その上に弗素樹脂を被覆した後,プレス加
    工,曲げ加工等により所望の形状に加工することを特徴
    とする弗素樹脂被覆物の製造方法。
JP7363092A 1992-02-11 1992-02-11 弗素樹脂被覆物及びその製造方法 Pending JPH05228434A (ja)

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JP (1) JPH05228434A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006329252A (ja) * 2005-05-24 2006-12-07 Toyota Motor Corp 軸受及び軸の間の回転摺動構造及びその製造方法
JP2019104171A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 住友電気工業株式会社 金属−樹脂積層体

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