JPH0522807U - 流体圧シリンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 取り付け部品の芯ずれが抑制でき、補助部材
や構成部材の節減と取り付け場所の縮小が図られると共
に、組み合わせ装置の構成を簡潔化できる流体圧シリン
ダの提供を目的とする。 【構成】 中空体のピストンロッドを用い、軸芯に貫通
孔を設けた流体圧シリンダを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は油あるいは空気等流体による流体圧シリンダに関し、特に取り付け 部品のスピンドルを同心に組み込める中空ピストンロッドを備える流体圧シリン ダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

ピストン型の流体圧シリンダは、ピストンロッドの先端に種々の機能部品を取 り付けて押し又は引きに基づいた仕事が行える比較的簡単なアクチュエータであ る。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、この従来の流体圧シリンダにあっては、例えば、精密工作機械 のスピンドルヘッドの送りに使用する場合等においては長いピストンロッドやス ピンドルの自重による芯ずれが問題になるし、また部品の取り付けに際し、芯ず れ防止のためのガイド等の補助部材を必要としており、また、そのための場所を 余分に必要とする等使い勝手が制限されることがあり、また取り付ける機能部品 とシリンダの機能が重複し、機構としても必要以上に過大になることがあった。

【０００４】 このような状況に鑑み、この考案は、取り付け部品の芯ずれを抑制すると共に 、取り付け等のための補助部材や構成部品を省略でき、また、取り付け場所を縮 小でき、使い勝手の増大が図れるコンパクトな流体圧シリンダの提供を目的とす るものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するため、この考案は、中空のピストンロッドを備え、軸芯 に貫通孔を形成した流体圧シリンダを提案するものである。

【０００６】

【作用】

流体圧シリンダのピストンの前後動を利用して仕事を行う機能部品を、そのス ピンドルが該流体圧シリンダの貫通孔に嵌入するようにしてピストンロッドに取 り付けることにより、機能部品を余分な材料を使うことなく、余分な場所をとる ことなく組み合わせることができる。流体圧シリンダに圧力流体を供給しあるい は排出させることにより、ピストンは前後動し、前記機能部品は所要の仕事をす ることができる。

【０００７】

【実施例】

以下、この考案の流体圧シリンダを、実施例を示す図面により説明する。 図１は、この考案の第１実施例の流体圧シリンダの側断面図である。

【０００８】 流体圧シリンダＡは、単動型に構成したシリンダで、シリンダボディ１は内部 にピストン２を収装し、端部にシリンダ蓋３を螺合すると共に、側部にはシリン ダ室４に連通する流体ホース接続口５を設けてある。ピストン２は軸芯に貫通孔 ６を穿設してあり、ピストンヘッド２ａ側の端部は内径を大きくしてばね室７に 形成し、ばね８を収装してあり、シリンダ蓋３には前記貫通孔６と同径の貫通孔 ９を穿設してある。また、ピストンロッド２ｂが摺動するシリンダボディ１の内 周面とシリンダボディ１に摺動するピストンヘッド２ａの外周面にはそれぞれＯ リング１０，１１を施してある。ピストンロッド２ｂの先端はねじ部に形成して 部材取り付け用のフランジ１３を螺合できるようにしてあり、また、シリンダ蓋 ３の端面にはこの流体圧シリンダＡを装置架台等に取り付けるためのねじ孔１４ を穿設してある。

【０００９】 このように構成した流体圧シリンダＡにあっては、ピストン２はばね８によっ て前方に付勢されており、図示しない流体圧源から流体ホース接続口５を経由し て圧力流体をシリンダ室４に導入すると、ピストン２は後退し、流体圧を解放す るとばね８の付勢力でピストンは急速に前進する。

【００１０】 従って、流体圧シリンダＡの基端部を装置本体あるいは装置架台に取り付け、 ピストン２を前後動することにより仕事をおこなう機能部品等取り付け部材を取 り付けねじ孔１２を有するフランジ１３およびピストン２の貫通孔６を利用して 取り付けることにより、必要な仕事を行わせることができる。

【００１１】 図２は、この考案の流体圧シリンダの第２実施例を示す側断面図である。 この流体圧シリンダＢは複動型に構成されたもので、シリンダボディ１５はそ の内部にピストン１６を収装し、基端部にはシリンダ蓋１７を螺合してあり、側 部にはシリンダ室１８に連通する流体ホース接続口１９を穿設してある。また、 ピストンヘッド１６ａの端面とシリンダ蓋１７間には流体室２０を設け、この流 体室２０に連通する流体ホース接続口２１をシリンダ蓋１７の側部に穿設してあ る。ピストン１６には貫通孔２２を穿設してあり、その基端側は径を大きくして 、前記シリンダ蓋１７の前半部１７ａを嵌入する状態に組み合わせできるように してある。

【００１２】 そして、このシリンダ蓋１７においても前記ピストン１６の貫通孔２２と略同 径の貫通孔２３を穿設してある。また、摺動するピストンロッド１６ｂに接触す るシリンダボディ１５の内周面と、シリンダボディ１５の内周面に接触して摺動 するピストンヘッド１６ａの外周面と、シリンダ蓋１７の前半部１７ａの外周面 に接触して摺動するピストンヘッド１６ａの内周面とにそれぞれＯリング２４， ２５，２６を施してある。ピストンロッド１６ｂの先端部はねじ部に形成して部 材取り付け用のフランジ２７を螺合してあり、フランジ２７には取り付け用ねじ 孔２８を設け、また、シリンダ蓋１７の基端面には流体圧シリンダＢ本体の取り 付けのための複数のねじ孔２９を穿設してある。

【００１３】 このように構成した流体圧シリンダＢにあっては、流体ホース接続口１９を経 由して図示しない流体圧源から圧力流体をシリンダ室１８に導入することにより ピストン１６は後退する。シリンダ室１８内の流体圧を解放して流体ホース接続 口２１を経由して流体室２０に圧力流体を導入すればピストン１６は前進する。

【００１４】 従って、この流体圧シリンダＢは基端面を装置本体あるいは装置架台に取り付 け、ピストン１６を前後動させることにより仕事をする機能部品等の部材を先端 部のフランジ２７とピストン１６の貫通孔２２およびシリンダ蓋１７の貫通孔２ ３を利用して取り付けることにより、必要な仕事を行わせることができる。

【００１５】 以上のように、この考案の流体圧シリンダは、ピストンロッドを中空体とし、 軸芯に貫通孔を形成したので、例えば、スピンドルの先端にリンク機構によるク ランプ手段を設けたメカニカルフィーダに利用でき、ピストンロッドの先端のフ ランジ部分の前方にボールネジのナットを取り付け、揺動動作を行わせる装置に も利用できる。また、エアーパッドを使用し、貫通孔にエアー吸引回路を設けた 真空吸引装置に利用することもでき、さらには、ピストンロッド貫通孔を利用し 、両側にスピンドルを突出させた状態にすることにより、従来の両側ロッドシリ ンダと同様の使い方もできる。

【００１６】 この考案の流体圧シリンダは、従来のシリンダと同様な使い方ができると共に 、貫通孔に前後動により仕事を行う機能部品のスピンドルを嵌入させ、シリンダ のパワー中心と機能部品の取り付け中心を一致させることができるので、芯ずれ を抑制できると共に取り付け場所を縮小し、さらには貫通孔を利用した使い方も できる等使い勝手が増える。またさらには、機能部品の前後動機構をシリンダの 前後動機構を重複させることなく組み合わせることができるので余分な材料を使 用することなく装置を簡潔化できる。

【００１７】

【考案の効果】

以上の説明から明らかなように、この考案の流体圧シリンダによれば、次の効 果を奏することができる。 （１）機能部品等ピストンロッドへの取り付け部品の芯ずれが抑制できる。 （２）ピストンロッドへの部品取り付けのために不必要に場所をとらない。 （３）機能の重複が避けられ、取り付けのための部材の節減が可能となり、装置 や機構の簡潔化が図れる。 （４）流体圧シリンダの使い勝手の増大即ち用途の拡大が図れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の流体圧シリンダの第１実施例を示す
側断面図である。

【図２】この考案の流体圧シリンダの第２実施例を示す
側断面図である。

【符号の説明】

Ａ 流体圧シリンダ Ｂ 流体圧シリンダ １ シリンダボディ ２ ピストン ２ａ ピストンヘッド ２ｂ ピストンロッド ３ シリンダ蓋 ４ シリンダ室 ６ 貫通孔 ８ ばね ９ 貫通孔 １５ シリンダボディ １６ ピストン １６ａ ピストンヘッド １６ｂ ピストンロッド １７ シリンダ蓋 １８ シリンダ室 ２０ 流体室 ２２ 貫通孔 ２３ 貫通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空のピストンロッドを備え、軸芯に貫
   通孔を形成したことを特徴とする流体圧シリンダ。